JP5867207B2 - 画像処理装置、画像処理システム及び画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、画像処理システム及び画像処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像処理装置、画像処理システム及び画像処理方法に関する。
従来、ステレオカメラにより撮影した2つの画像を用いて、撮影した物体を認識したり、物体までの距離を算出することが知られている。
例えば、特許文献1には、ステレオカメラにより撮影された画像をウインドゥに分割し、ウィンドゥ列毎に物体の左右端の部分である縦エッジ部分を認識して、縦エッジ部分までの距離を測定する車両用路上物体認識装置が開示されている。
また、特許文献2には、画素ブロックに対して算出された距離データの距離分布に基づいて輝度判定閾値を可変設定することにより、距離データ算出対象となる画素ブロックの抽出感度を制御する車外監視装置が開示されている。
しかしながら、画像処理に有効な画素を効率的に画像から抽出することができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像処理に有効な画素を効率的に画像から抽出することができる画像処理装置、画像処理システム及び画像処理方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像を取得する画像取得部と、前記画像の注目画素の画素値と前記注目画素に隣接する隣接画素の画素値との差分を算出する差分算出部と、複数の画素が一方向に並ぶラインを少なくとも1つ含む領域毎に、前記差分が閾値を超える注目画素を前記画像から抽出する画素抽出部と、前記画素抽出部が抽出した注目画素の数を前記領域毎に計数する計数部と、前記画素抽出部が注目画素を次に抽出する前記領域を示す次領域における前記領域毎に予め定められた抽出すべき画素数を示す領域標準数と前記計数部が計数した注目画素の数との差に応じて、前記次領域に対する前記閾値を変更する閾値変更部と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、画像を撮像する撮像部と、前記画像の注目画素の画素値と前記注目画素に隣接する隣接画素の画素値との差分を算出する差分算出部と、複数の画素が一方向に並ぶラインを少なくとも1つ含む領域毎に、前記差分が閾値を超える注目画素を前記画像から抽出する画素抽出部と、前記画素抽出部が抽出した注目画素の数を前記領域毎に計数する計数部と、前記画素抽出部が注目画素を次に抽出する前記領域を示す次領域における前記領域毎に予め定められた抽出すべき画素数を示す領域標準数と前記計数部が計数した注目画素の数との差に応じて、前記次領域に対する前記閾値を変更する閾値変更部と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、画像を取得する工程と、前記画像の注目画素の画素値と前記注目画素に隣接する隣接画素の画素値との差分を算出する工程と、複数の画素が一方向に並ぶラインを少なくとも1つ含む領域毎に、前記差分が閾値を超える注目画素を前記画像から抽出する工程と、抽出した注目画素の数を前記領域毎に計数する工程と、注目画素を次に抽出する前記領域を示す次領域における前記領域毎に予め定められた抽出すべき画素数を示す領域標準数と計数した注目画素の数との差に応じて、前記次領域に対する前記閾値を変更する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、画像処理に有効な画素を効率的に画像から抽出することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態にかかる画像処理システムのハードウェア構成図である。 図2は、実施形態にかかる画像処理システムの機能ブロック図である。 図3は、基準画像と、標準総数、領域標準数及びライン標準数との関係を示す模式図である。 図4は、閾値算出部が閾値を算出するために有する機能を示す機能ブロック図である。 図5は、画像における差分の分布例を示すグラフである。 図6は、第1撮像部及び第2撮像部がそれぞれ撮像した画像における視差を例示する図である。 図7は、図6に示した視差を用いて撮像対象までの距離を算出する原理を示す原理図である。 図8は、画像処理システムが連続して画像を撮像する場合の動作例を示すフローチャートである。 図9は、図8に示した抽出処理の詳細を示すフローチャートである。 図10は、画像処理システムに対する第1の比較例の動作結果を示す図である。 図11は、画像処理システムの第1の実施例の動作結果を示す図である。 図12は、画像処理システムに対する第2の比較例の動作結果を示す図である。 図13は、画像処理システムに対する参考例の動作結果を示す図である。 図14は、画像処理システムの第2の実施例の動作結果を示す図である。 図15は、画像処理システムの第3の実施例の動作結果と第3の比較例の動作結果を示す図である。 図16は、画像処理システムの第4の実施例を示す図である。
以下に添付図面を参照して、画像処理システムの実施の形態を詳細に説明する。図1は、実施形態にかかる画像処理システム1のハードウェア構成例を示す構成図である。画像処理システム1は、第1撮像部10、第2撮像部12及び画像処理部14を有する。
第1撮像部10及び第2撮像部12は、それぞれレンズ及びセンサを備えたカメラである。第1撮像部10及び第2撮像部12は、予め定められた間隔でほぼ同じ方向に向けて並べて配置され、例えば予め定められた時間間隔でほぼ同時に撮像対象を連続して撮像するステレオカメラを構成する。なお、図1に示した画像処理システム1は、第1撮像部10が撮像した画像を基準画像として、第2撮像部12が撮像した比較画像と基準画像との相関を、後述する方法を用いて計算(評価)するように構成されている。画像処理部14は、補正量記憶部20、歪補正部21a,21b、RAM(Random Access Memory)22、閾値記憶部23、処理回路24及びMPU(Micro-Processing Unit)25を有する。
補正量記憶部20は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)からなり、第1撮像部10及び第2撮像部12が撮像した画像の歪を補正するために後述する歪補正計算部212a,212bが用いる歪補正量データを個別に記憶している。
歪補正部21aは、ラインバッファ210a及び歪補正計算部212aを有する。ラインバッファ210aは、第1撮像部10が撮像した画像を順次に取得し、記憶する。なお、ラインバッファ210aは、一列に並ぶ画素からなるライン毎に画像を一時記憶するように構成されている。
歪補正計算部212aは、例えば起動時に補正量記憶部20が記憶する歪補正量データを読み込む。そして、歪補正計算部212aは、ラインバッファ210aが記憶する画像を順次ピンホール化するように、歪補正量データを用いて画素毎に歪補正する計算を行う。ここで、ラインバッファ210aは、第1撮像部10から画像を取得するタイミングに対して遅れることなく、歪補正計算部212aにより歪補正された画像を処理回路24に対して出力する。
歪補正部21bは、ラインバッファ210b及び歪補正計算部212bを有する。ラインバッファ210bは、第2撮像部12が撮像した画像を順次に取得し、記憶する。なお、ラインバッファ210bは、一列に並ぶ画素からなるライン毎に画像を一時記憶するように構成されている。
歪補正計算部212bは、例えば起動時に補正量記憶部20が記憶する歪補正量データを読み込む。そして、歪補正計算部212bは、ラインバッファ210bが記憶する画像を順次ピンホール化するように、歪補正量データを用いて画素毎に歪補正する計算を行う。ここで、ラインバッファ210bは、第2撮像部12から画像を取得するタイミングに対して遅れることなく、歪補正計算部212bにより歪補正された画像を処理回路24に対して出力する。
RAM22は、処理回路24がラインバッファ210a及びラインバッファ210bからぞれぞれ受入れた画像、及び処理回路24の処理結果などを記憶する。閾値記憶部23は、例えばEEPROMからなり、後述する閾値406(初期値)を記憶する。
処理回路24は、対象画素抽出部240、DMAC(Direct Memory Access Controller)241、抽出結果保持部242、ラインバッファ243,244及び相関計算実行部245を有する。
対象画素抽出部240は、閾値記憶部23が記憶する閾値406(初期値)を読み込み、ラインバッファ210aから基準画像を受入れる。次に、対象画素抽出部240は、閾値406(初期値又は後述する変更値)を用いて、相関計算実行部245が実行する相関計算(後述するSSDなど)の対象画素を基準画像から抽出し、抽出結果をDMAC241に対して出力する。なお、対象画素抽出部240が抽出した相関計算の対象画素(抽出結果)は、基準画像における画素位置によって特定される。また、対象画素抽出部240は、MPU25の制御に応じて異なる処理を行うように構成されてもよい。
DMAC241は、ダイレクトメモリアクセスを行うコントローラであり、ラインバッファ210aから基準画像を受け入れ、ラインバッファ210bから比較画像を受入れ、対象画素抽出部240から抽出結果を受入れて、基準画像、比較画像及び抽出結果をRAM22に記憶させる。また、DMAC241は、基準画像をラインバッファ243に対して出力し、比較画像をラインバッファ244に対して出力する。また、DMAC241は、抽出結果を抽出結果保持部242に対して出力する。さらに、DMAC241は、相関計算実行部245から受入れた後述する相関計算結果をRAM22に記憶させる。
抽出結果保持部242は、図示しないラインバッファを含み、抽出結果を画像単位で一時保持し、抽出結果を相関計算実行部245に対して出力する。ラインバッファ243は、基準画像を一時記憶し、基準画像を相関計算実行部245に対して出力する。ラインバッファ244は、比較画像を一時記憶し、比較画像を相関計算実行部245に対して出力する。
相関計算実行部245は、対象画素抽出部240の抽出結果を抽出結果保持部242から受入れ、ラインバッファ243が記憶する基準画像と、ラインバッファ244が記憶する比較画像とを用いて相関計算を実行し、相関計算結果をDMAC241に対して出力する。具体的には、相関計算実行部245は、相関計算の対象画素(基準画像における画素位置)のみについて、例えばSSD(Sum of Squared Differences)などの手法を用いて、基準画像に対する比較画像の相関計算を行う。相関計算実行部245は、ZSSD(Zero-mean Sum of Squared Differences)など他の手法を用いて相関計算を行うように構成されてもよい。このように、相関計算実行部245は、基準画像の全ての画素に対して相関計算を行うのではなく、対象画素抽出部240が抽出した画素のみに対して相関計算を行う。
MPU25は、DMAC241を介してRAM22が記憶する相関計算結果を受入れ、撮像対象の視差算出、及び撮像対象までの距離算出などの演算を行う。MPU25は、撮像対象の認識処理を行うようにされてもよい。また、MPU25は、画像処理システム1の外部とのインターフェイスとしての機能を有する。例えば、MPU25は、視差算出結果又は距離算出結果などの演算結果を出力する出力部としての機能を有する。また、MPU25は、画像処理システム1を構成する各部を制御する。
次に、画像処理システム1が有する機能について詳述する。図2は、画像処理システム1が有する機能の概要を示す機能ブロック図である。図2に示すように、画像処理システム1は、撮像部30、画像取得部32、処理部4、画素情報出力部34、演算部36及び演算結果出力部38を有する。
撮像部30は、例えば第1撮像部10及び第2撮像部12などにより構成されるステレオカメラである。なお、本実施形態においては、画像処理システム1が2つのカメラを有する場合を例に説明するが、画像処理システム1は、1カ所〜複数個所に配置されたカメラによって画像を撮像するように構成されていてもよい。また、画像処理システム1は、カメラが1つの画像を撮像するものであってもよいし、カメラが単位時間あたりに複数フレームの画像を撮像するものであってもよい。
画像取得部32は、撮像部30が撮像した画像を取得し、処理部4に対して出力する。処理部4は、設定部40、差分算出部41、画素抽出部42、計数部43、閾値算出部44及び閾値変更部45を有する。
設定部40は、対象画素抽出部240(図1)などに対して予め設定される設定値である標準総数400、領域標準数402及びライン標準数404を含む。標準総数400は、上述した対象画素抽出部240が1つの基準画像から抽出する対象画素(画素位置)の総数の標準値である。標準総数400は、基準画像に対して任意に設定される。
領域標準数402は、複数の画素が一方向に並ぶラインを少なくとも1つ含む複数の領域に基準画像を分割した場合に、対象画素抽出部240が領域それぞれから抽出する対象画素の数の標準値である。領域標準数402は、領域それぞれに対して個別に設定される。
ライン標準数404は、複数の画素が一方向に並ぶラインから対象画素抽出部240が抽出する対象画素の数の標準値である。ライン標準数404は、ラインそれぞれに対して個別に設定される。
図3は、基準画像と、標準総数400、領域標準数402及びライン標準数404との関係を模式的に例示する模式図である。基準画像は、例えば図3における左右方向(水平方向)に並ぶ画素からなる複数のラインが上下方向(垂直方向)に並べられて構成されている。基準画像には、例えば最上部のラインの番号を1とし、下方に向けて並ぶラインの番号の数値が順に大きくなるようにnまでライン番号が付されている。
また、基準画像は、例えば図3における左右方向に並ぶ画素からなるラインを複数含む4つの領域A〜領域Dに分割される。領域A〜領域Dは、基準画像の上部から下部に向けて順に並べられている。
基準画像には、予め標準総数400、領域標準数402及びライン標準数404が設定されている。図3において、基準画像の右側にグラフで示したように、ライン番号1〜nの各ラインには、ライン標準数404がそれぞれ設定されている。例えば、基準画像は、領域Bと領域Cの境界(上下方向のほぼ中央)に近いラインほどライン標準数404が多くなるように設定される。また、基準画像は、領域A及び領域Bにおける各ラインのライン標準数404が、領域C及び領域Dにおける各ラインのライン標準数よりも相対的に大きくなるように設定されてもよい。
領域A内に位置する各ラインのライン標準数404の合計は、領域Aの領域標準数402となっている。同様に、領域B〜領域Dそれぞれの中に位置する各ラインのライン標準数404の合計は、それぞれ領域B〜領域Dの領域標準数402となっている。また、領域A〜領域Dそれぞれの領域標準数402の合計は、標準総数400になっている。
また、基準画像は、図3における上下方向に並ぶ画素からなる複数のラインが左右方向に並べられた構成でもある。さらに、基準画像は、上下方向に並ぶ画素からなるラインを複数含む複数の領域に分割されてもよい。そして、図3において基準画像の下側にグラフで示したように、ライン番号1〜nの各ラインに交差する方向に並ぶ各ラインに対してもライン標準数404が個別に設定されてもよい。つまり、交差する2方向の各ラインそれぞれに対してライン標準数404が個別に設定されてもよい。
図3に例示した各ライン毎のライン標準数404及び各領域ごとの領域標準数402は、撮像対象又は撮像環境などに応じて重要となる画像内の範囲に対し、画像処理システム1が抽出する画素が集中するように設定するモデルとして定義されてもよい。例えば、画像処理システム1が、後述するように自動車に積載されて前方の撮像対象までの距離を算出する測距装置に用いられる場合、ライン標準数404は各ライン毎に異なる値が設定される。
具体的には、画像処理システム1が撮像する画像内の水平線(又は消失点など)が画像の中央部分に位置する場合には、画像の中央部分に抽出される画素が集中するように、ライン標準数404などが設定される。
なお、標準総数400、領域標準数402及びライン標準数404は、画像処理システム1の内部において、又は画像処理システム1の外部から変更可能にされてもよい。
また、設定部40(図2)は、閾値記憶部23に対して予め設定される閾値406の初期値、及び画像処理システム1内で変更される閾値406の変更値を含む。閾値406は、画素抽出部42が画素を抽出するか否かを判定するために用いる値である。
差分算出部41は、基準画像の各画素を順次に注目画素とし、注目画素の画素値(輝度値)と、注目画素に隣接する隣接画素の画素値との差分を順次に算出する。ここで、差分とは、隣接画素の画素値に対する注目画素の画素値の変化の大きさを示す値とする。例えば、画素値の変化に対して1次微分演算した値も差分であるとする。本実施形態においては、差分算出部41は、ノイズを低減するために、例えば下式1により算出される値を注目画素の画素値の隣接画素の画素値に対する差分とする。また、差分算出部41は、Sobelフィルタなどを用いるように構成されてもよい。
画素抽出部42は、例えばライン毎に、差分算出部41が算出した差分が閾値406を超える注目画素を基準画像から抽出する。具体的には、画素抽出部42は、基準画像の例えば左右方向に並ぶ画素からなるライン毎に、各画素の輝度値が閾値406を超えるか否かを判定する。画素抽出部42は、例えば輝度値が閾値406を超える画素であるか否かを判定した結果を判定データとして出力する。判定データ(抽出結果)は、例えば1画素毎に相関計算の対象であるか否かを1bitで表したデータである。
計数部43は、画素抽出部42が抽出した注目画素の数を例えばライン毎に計数する。
閾値算出部44は、画素抽出部42が注目画素を次に抽出する例えば次のラインに対して設定されたライン標準数404と、計数部43が計数した注目画素の数との差、及び計数部43が注目画素の数を直前に計数したラインにおいて差分算出部41が算出した差分の平均値に応じて、次のラインに対する閾値406を算出する。
また、閾値算出部44が次のラインに対する閾値406を算出する算出式は、下式2のように示すこともできる。
閾値406(変更値)=(前ラインにおける差分の平均値)×(重み係数)
・・・(2)
2式に示したように、閾値算出部44は、前ラインにおける差分の平均値を用いて次のラインに対する閾値406を算出することにより、ライン間での急激な閾値406の変動を防止する。
図4は、閾値算出部44が閾値406(変更値)を算出するために有する機能の詳細を例示する機能ブロック図である。ここでは、図3に示した基準画像に対する設定などがなされている場合を例に説明する。例えば、次に示すような設定がなされているものとする。
まず、ユーザは、標準総数400を基準画像の総画素数の4分の1とする設定を行う。つまり、ユーザは、画像処理システム1が基準画像の総画素数の約4分の1の画素を抽出し、基準画像の総画素数の約4分の3の画素を後の処理の対象外にするように設定を行う。また、基準画像は、例えば図3に示した領域A〜領域Dの4つの領域に分けられる。
次に、ユーザは、図3の基準画像の右側のグラフに示したように、基準画像の上下方向の中央部分(領域Bと領域Cの境界近傍)に位置する画素が、基準画像の上部又は下部に位置する画素よりも多く抽出されるように、ライン番号1〜nのラインそれぞれにライン標準数404を設定する。また、ユーザは、領域A及び領域B(基準画像の上側半分)における各ラインのライン標準数404が、領域C及び領域D(基準画像の下側半分)における各ラインのライン標準数よりも相対的に大きくなるように設定する。領域A〜領域Dそれぞれの中に位置する各ラインのライン標準数404の合計は、それぞれ領域A〜領域Dの領域標準数402となっている。
図4に示すように、閾値算出部44は、領域識別部440、領域画素数算出部441、抽出画素数算出部442、重み係数算出部443、係数調整部444及び次閾値計算部445を有する。領域識別部440は、現在の基準画像において、注目画素が属するライン番号を示す信号(ライン番号1〜n)を取得し、図3に示した領域A〜領域Dのいずれの領域に注目画素が属するかを示す信号(領域A〜領域D)を抽出画素数算出部442に対して出力する。
領域画素数算出部441は、直前のラインのライン標準数404を取得し、領域A〜領域Dそれぞれから抽出されるべき画素数を算出する。領域画素数算出部441は、領域A〜領域Dそれぞれに対して算出した画素数を示す信号(画素数A〜画素数D)を抽出画素数算出部442に対して出力する。なお、抽出されるべき画素数(画素数A〜画素数D)は、領域標準数402とは異なる場合がある。また、領域画素数算出部441は、直前のラインのライン標準数404がない場合などには、予め定められた初期値を抽出画素数算出部442に対して出力する。
抽出画素数算出部442は、領域識別部440及び領域画素数算出部441それぞれから取得した信号を用いて、予め設定された計算式により、次ラインに抽出すべき画素数(次抽出画素数)を算出する。抽出画素数算出部442は、算出した次抽出画素数を重み係数算出部443に対して出力する。なお、抽出画素数算出部442が算出する次抽出画素数は、ライン標準数404とは異なる場合がある。
重み係数算出部443は、抽出画素数算出部442が算出した次抽出画素数、計数部43(図2)が計数した注目画素の数(閾値406を超えた画素数)、及び予め定められた重み係数の基準値を取得し、次抽出画素数と閾値406を超えた画素数との差に応じて、閾値算出に用いる重み係数を算出する。重み係数算出部443は、算出した重み係数を係数調整部444に対して出力する。なお、重み係数算出部443は、抽出画素数算出部442から次抽出画素数を取得することに替えて、予め定められた次ラインのライン標準数404を直接取得してもよい。つまり、重み係数算出部443は、次ラインのライン標準数404と閾値406を超えた画素数との差に応じて、閾値算出に用いる重み係数を算出してもよい。
例えば、重み係数算出部443は、次ラインのライン標準数404(又は抽出画素数算出部442が算出した次抽出画素数)に対し、計数部43が計数した注目画素の数(閾値406を超えた画素数)が多い場合、閾値406が大きくなるように重み係数を算出する。つまり、重み係数算出部443は、前ラインで閾値406超えた画素数が多い場合には、次ラインで抽出される注目画素の数を少なくするために、閾値406が大きくなるように重み係数を算出する。
係数調整部444(図4)は、画像取得部32(図2)が取得した基準画像における前ラインの平均輝度値と、重み係数算出部443が算出した重み係数とを取得し、重み係数を調整する演算を行う。
図5は、画像における差分の分布例を示すグラフである。例えば、画像からエッジ検出などに有効な画素を効率的に抽出するためには、図5(a)に示すように、画像内で多くの画素の差分が差分の平均値に近い値であることが理想的である。しかし、画像内の平均輝度が低い場合などには、図5(b)に示すように、画像内での差分のばらつきが大きくなってしまう。仮に、図5(a)と図5(b)の差分の平均値が同じであっても、閾値406を超える画素の数は、差分の分布によって異なる。画像内での差分のばらつきが大きい場合には、閾値406の値を大きくすることによって、有効な画素を効率的に抽出することが可能になる。
ここで、係数調整部444(図4)は、前ラインの平均輝度値に応じて重み係数を調整している。具体的には、係数調整部444は、前ラインの平均輝度値が、予め定められた高輝度値よりも高い場合及び予め定められた低輝度値よりも低い場合のいずれかの場合には、平均輝度値が高輝度値以下であり且つ低輝度値以上である場合よりも、閾値406の増減幅が大きくなるように重み係数を調整する。つまり、係数調整部444は、差分の小さな不要な画素が過剰に抽出されることを防止する。係数調整部444は、調整した重み係数を次閾値計算部445に対して出力する。なお、係数調整部444は、図5に示した分布などを用いて重み係数を調整するように構成されてもよい。
次閾値計算部445は、差分算出部41(図2)が算出した前ラインの差分の平均値と、係数調整部444により調整された重み係数とを取得し、差分の平均値と重み係数の積を計算することにより、次ラインに対して画素抽出部42が用いる閾値406を算出する。
閾値変更部45(図2)は、閾値算出部44が算出した閾値406を取得し、閾値406を変更する。つまり、閾値算出部44が算出した閾値は、閾値406の変更値となる。
画素情報出力部34は、処理部4が基準画像に対して行った処理結果を受入れ、演算部36に対して出力する。具体的には、画素情報出力部34は、基準画像から画素抽出部42がライン毎に抽出した注目画素を示す抽出結果(判定データ)を演算部36に対して出力する。即ち、画素情報出力部34は、相関計算の対象画素(基準画像における画素位置)を演算部36に対して出力する。
演算部36は、画素情報出力部34から判定データを受入れ、画像取得部32が取得した基準画像及び比較画像を用いて、画像処理演算を行う。例えば、演算部36は、画素情報出力部34を介して相関計算の対象画素の画素位置を受入れ、受入れた画素位置によって特定される基準画像の画素と、比較画像の画素との相関計算を例えばSSDなどの手法を用いて行う。ここで、演算部36は、相関計算の対象画素でない基準画像の画素に対しては相関計算を行わない。
また、演算部36は、相関計算結果を用いて視差算出及び距離算出を行う。図6は、第1撮像部10及び第2撮像部12がそれぞれ撮像した画像における視差を例示する図である。図7は、図6に示した視差を用いて撮像対象までの距離を算出する原理を示す原理図である。
上述したように、第1撮像部10及び第2撮像部12が撮像した画像は、それぞれピンホール化するように歪補正される。図7においては、ピンホールカメラを例に挙げて、撮像対象(測定対象物O)までの距離を算出する原理を説明する。図7に示すように、第1撮像部10と第2撮像部12との距離を基線長B、第1撮像部10及び第2撮像部12それぞれの焦点距離をf、第1撮像部10及び第2撮像部12から測定対象物Oまでの距離をZとする。
第1撮像部10及び第2撮像部12の光軸は、互いに平行であり、基線に対して垂直である。第1撮像部10の撮像面に対し、第2撮像部12の撮像面には測定対象物Oがpだけずれた位置に映る。このpは、視差であり、基準画像内のある画素と、相関計算によって対応付けられる比較画像の画素との画素間距離となっている。
ここで、視差の大きさを画素単位で示すために、第1撮像部10及び第2撮像部12のセンサのセルサイズをssizeとすると、画素単位の視差(dpix)は下式3により算出される。
dpix=(B×f)/(Z×ssize) ・・・(3)
また、1画像分の視差を算出する場合には、下式4に示される算出時間がかかる。
視差算出時間=算出画素数×1画素の相関計算時間×探索幅+オーバヘッド
・・・(4)
そして、演算部36(図2)は、測定対象物Oまでの距離Zなどの演算結果を演算結果出力部38に対して出力する。
演算結果出力部38は、演算部36の演算結果を受入れ、演算結果を表示する出力又は送信する出力などの予め定められた方法で演算結果を出力する。
なお、画像処理システム1は、撮像部30、演算部36及び演算結果出力部38を有しない構成であってもよい。また、画像処理システム1は、1つの画像から有効な画素を抽出するように構成されてもよい。
次に、画像処理システム1の動作例について説明する。図8は、画像処理システム1が連続して画像(フレーム)を撮像する場合の動作例を示すフローチャートである。図9は、図8に示した抽出処理(S20)の詳細を示すフローチャートである。
図8に示すように、ステップ100(S100)において、第1撮像部10及び第2撮像部12(撮像部30)は、撮像対象を撮像する。MPU25は、第1撮像部10及び第2撮像部12が撮像対象を撮像すると、S200(図9)の処理に進む。
ステップ200(S200:図9)において、画像取得部32は、第1撮像部10及び第2撮像部12が撮像した画像をそれぞれ取得する。
ステップ202(S202)において、差分算出部41は、第1撮像部10が撮像した基準画像の各画素を順次に注目画素とし、注目画素の画素値(輝度値)と、注目画素に隣接する隣接画素の画素値との差分を順次に算出する。
ステップ204(S204)において、画素抽出部42は、例えばライン毎に、差分算出部41が算出した差分が閾値406を超える注目画素を基準画像から抽出する。
ステップ206(S206)において、計数部43は、画素抽出部42が抽出した注目画素の数を例えばライン毎に計数する。
ステップ208(S208)において、閾値算出部44は、画素抽出部42が注目画素を次に抽出する例えば次のラインに対して設定されたライン標準数404と、計数部43が計数した注目画素の数との差、及び計数部43が注目画素の数を直前に計数したラインにおいて差分算出部41が算出した差分の平均値に応じて、次のラインに対する閾値406を算出する。
ステップ210(S210)において、閾値変更部45は、閾値算出部44が算出した閾値を受入れ、閾値406を変更する。
ステップ212(S212)において、MPU25は、基準画像の全ラインに対し、画素の抽出が終了したか否かを判定する。MPU25は、全ラインに対して画素の抽出が終了していないと判定した場合(S212:No)には、S202の処理に進む。また、MPU25は、全ラインに対して画素の抽出が終了したと判定した場合(S212:Yes)には、S102(図8)の処理に進む。
ステップ102(S102:図8)において、RAM22は、S20の処理で変更した閾値406を保存(記憶)する。なお、RAM22は、各ラインに対して変更された全ての閾値406をライン毎に記憶する。また、RAM22は、予め定められたラインに対して変更された閾値406のみを記憶するように構成されてもよい。ここで、RAM22が記憶した閾値406(変更値)は、次のフレームの対応する各ラインから処理部4がそれぞれ対象画素を抽出する処理における閾値406の初期値となるように設定される。
ステップ104(S104)において、演算部36は、処理部4が各ラインから抽出した相関計算の対象画素(基準画像における画素位置)と、画像取得部32が取得した基準画像及び比較画像を用いて、抽出した対象画素に対する視差を算出する。
ステップ106(S106)において、S104の処理で算出した視差を用いて、第1撮像部10及び第2撮像部12から撮像対象までの距離を算出する。
ステップ108(S108)において、MPU25は、予め定められた数の画像を第1撮像部10及び第2撮像部12が撮像し終えた場合など、画像処理システム1が撮像を終了する条件が満たされたか否かを判定する。MPU25は、終了する条件が満たされないと判定した場合(S108:No)にはS100の処理に進む。また、MPU25は、終了する条件が満たされたと判定した場合(S108:Yes)には処理を終了する。
次に、画像処理システム1を備えた装置(実施例)の動作結果を比較例と対比させて説明する。
(第1の比較例の動作結果)
図10は、画像処理システム1に対する第1の比較例の動作結果を示す図である。具体的には、図10に示した第1の比較例の画像は、ステレオカメラを備えて自動車に積載され、前方の撮像対象までの距離を算出する測距装置の動作結果を示している。
図10(a)は、ステレオカメラが撮像した2枚の画像(例えば図6)において、基準画像の全画素に対して相関計算を行って視差を算出し、視差値の大きさに応じて異なる色を付けた画素を、基準画像の対応する画素位置に配置した図である。即ち、図10(a)は、基準画像上の全ての画素に対する視差を示す第1の比較例の視差マップである。
図10(b)は、図10(a)に示した視差値を撮像位置から撮像対象(測定対象物)までの距離に換算した結果を示す俯瞰画像である。図10(b)においては、x軸上に2つの撮像位置がある。また、z軸は、撮像位置から撮像対象までの距離(車両の進行方向)を示す。
図10(a),図10(b)においては、画像処理に有効でない画素がノイズとして多く含まれており、車両などの物体が塊となって認識されてしまう。なお、図10(a),図10(b)中の黒色の部分の画素は、隣接画素に対する輝度値の差分が小さいため、視差が不定となっている領域である。また、基準画像上の全画素に対して視差を算出する場合には、上式(4)に示したように、基準画像上の全画素の数に応じた処理時間がかかってしまう。
(第1の実施例の動作結果)
図11は、画像処理システム1の第1の実施例の動作結果を示す図である。具体的には、図11に示した第1の実施例の画像は、自動車に積載されて前方の撮像対象までの距離を算出する測距装置に備えられた画像処理システム1の動作結果を示している。なお、第1の実施例においては、例えば各ラインそれぞれのライン標準数404は同一に設定されている。
図11(a)は、ステレオカメラが撮像した2枚の画像(例えば図6)において、処理部4が基準画像から抽出した画素に対してのみ相関計算を行って視差を算出し、視差値の大きさに応じて異なる色を付けた画素を、基準画像の対応する画素位置に配置した図である。即ち、図11(a)は、基準画像上の抽出された画素のみに対する視差を示す第1の実施例の視差マップである。
図11(b)は、図11(a)に示した視差値を撮像位置から撮像対象(測定対象物)までの距離に換算した結果を示す俯瞰画像である。図11(b)においては、x軸上に2つの撮像位置がある。また、z軸は、撮像位置から撮像対象までの距離(車両の進行方向)を示す。
図11(a),図11(b)においては、路面上の白線と、撮像対象(車両など)の視差が効率的に算出されていることが示されている。なお、図11(a),図11(b)中の黒色の部分の画素は、処理部4が基準画像から抽出しなかった画素に対応し、相関計算及び視差算出がなされていない画素に対応する。また、基準画像上の抽出した画素のみに対して視差を算出する場合には、上式(4)に示したように、抽出した画素の数に応じて処理時間が安定的に削減されることになる。
(第2の比較例の動作結果)
図12は、画像処理システム1に対する第2の比較例の動作結果を示す図である。図12(a)は、ステレオカメラが撮像した2枚の画像(例えば図6)において、視差算出の対象となる画素数を基準画像の全画素の例えば1/4にするために、4画素毎に予め定められた位置の1画素を抽出して算出した視差を示す第2の比較例の視差マップである。第2の比較例では、抽出されなかった3つの画素は、抽出された1つの画素と同じ視差値であると判断されている。
図12(b)は、図12(a)に示した視差値を撮像位置から撮像対象(測定対象物)までの距離に換算した結果を示す俯瞰画像である。図12(b)においては、x軸上に2つの撮像位置がある。
基準画像上の全画素の4分の1に対して視差を算出する場合には、上式(4)に示したように、基準画像上の全画素数の処理時間の4分の1に近い時間に処理時間を削減することができる。
しかしながら、図12(a),図12(b)においては、予め定められた位置の画素を抽出することにより、画像に対する視差算出の処理時間を削減することができても、画像処理に有効でない画素がノイズとして多く含まれており、車両(測定対象物)などの撮像対象がつぶれて認識されてしまう。
(参考例の動作結果)
図13は、画像処理システム1に対する参考例の動作結果を示す図である。図13(a)は、第2の比較例のように4画素毎に予め定められた位置の1画素を抽出し、抽出した画素からなる画像を基準画像に替えて、処理部4が閾値406を超える注目画素を抽出して算出した視差を示す参考例の視差マップである。
図13(b)は、図13(a)に示した視差値を撮像位置から撮像対象(測定対象物)までの距離に換算した結果を示す俯瞰画像である。図13(b)においては、x軸上に2つの撮像位置がある。
図13(a),図13(b)は、画像から均一に間引かれた画素を視差値算出の対象としていることと同じであるため、視差マップの解像度が低くなり、遠方の撮像対象がつぶれて認識されてしまう。
(第2の実施例の動作結果)
図14は、画像処理システム1の第2の実施例の動作結果を示す図である。第2の実施例は、領域A〜領域Dの各ラインごとに異なるライン標準数404(図3の右側のグラフ参照)が設定されている点が第1の実施例と異なる。
図14(a)は、異なるライン標準数404が設定されて、基準画像上の抽出された画素のみに対する視差を示す第2の実施例の視差マップである。図14(b)は、図14(a)に示した視差値を撮像位置から撮像対象(測定対象物)までの距離に換算した結果を示す俯瞰画像である。
図14(a),図14(b)においては、路面上の白線と、撮像対象(車両など)の視差が効率的に算出されていることが示されている。また、第2の実施例においては、図3に示した領域Bと領域Cの間(上下方向のほぼ中央部)のライン標準数404が多くなるように設定されているため、基準画像の上下方向のほぼ中央部に抽出された画素が集中している。一方、図14(a)においては、基準画像の上端側及び下端側で抽出された画素が図11(a)に比べて少なくなっていることが分かる。第2の実施例において、基準画像から抽出した画素の数は、第1の実施例とほぼ同じである。
(第3の実施例と比較例の動作結果)
図15は、画像処理システム1の第3の実施例の動作結果と第3の比較例の動作結果を示す図である。図15(a)には、第1撮像部10が撮像した暗い輝度画像(夜間の基準画像)が示されている。図15(b)は、図15(a)の画像と同時に第2撮像部12が撮像した画像を用いて、処理部4が基準画像から抽出した画素に対してのみ相関計算を行って視差を算出し、視差値の大きさに応じて異なる色を付けた画素を、基準画像の対応する画素位置に配置した図である。即ち、図15(b)は、図15(a)の画像から抽出された画素のみに対する視差を示す第3の実施例の視差マップである。
図15(c)は、図4に示した係数調整部444の動作による効果を示すために、係数調整部444の機能を停止させて、図15(a)の画像から抽出された画素のみに対して算出された視差を示す第3の比較例の視差マップである。
図15(b)に示した第3の実施例では、図15(c)に示した第3の比較例に比べて、抽出されるべき画素が的確に抽出され、夜間における横断歩道の白線及び車両などに対応する画素の視差が良好に算出されていることが示されている。
つまり、画像処理システム1は、閾値変更部45(図2)が閾値406を変更することにより、画像処理に有効な画素を多く抽出し、ノイズとなる画素を多く排除している(S/N比が高い)。画像には、例えば車載の測距装置における「空」の画像など、画像処理に有効でない画素が多く含まれる。一方、画像処理に有効でない画素が抽出されるとノイズとなる。
そして、画像処理システム1は、閾値算出部44が閾値406に対する重み係数を変更しているので、昼間と夜間の違いなどの撮像環境の変化に対しても、S/N比を高く保っている。さらに、画像処理システム1は、各画像から抽出する画素の数が標準総数400に近い値に安定的に削減されるため、相関計算などの処理時間が大きく変化することなく、総画素に対する処理も短い処理時間で安定して行う。
このように、画像処理システム1によれば、複数の撮像位置からそれぞれ1つずつ撮像された画像に対し有効な画素を特定する場合、及び複数の撮像位置からそれぞれ複数撮像された画像に対し有効な画素を特定する場合のいずれの場合にも、画像処理に有効な画素を効率的かつ安定的に画像から抽出することができる。また、画像処理システム1は、1つの画像から有効な画素を抽出する場合、及び1つの撮像位置から撮像された複数の画像から有効な画素を特定する場合のいずれの場合にも、画像処理に有効な画素を効率的かつ安定的に画像から抽出することができる。
また、画像処理システム1は、輝度値で示される画像に限定されることなく、例えば印刷画像などに用いられる濃度値などの画素値で示される画像に対しても、画像処理に有効な画素を効率的かつ安定的に画像から抽出することができる。また、画像処理システム1は、ライン毎に画素を抽出して計数し、ライン毎に閾値406を変更することに替えて、領域毎(例えば複数ライン毎)に画素を抽出して計数し、領域毎に閾値406を変更するように構成されてもよい。
図16は、画像処理システム1の第4の実施例を示す図である。図16に示すように、画像処理システム1は、自動車に積載される測距装置などに設けられることに限定されることなく、例えばロボットなどに設けられてもよい。また、画像処理システム1は、監視カメラなどに設けられてもよい。画像処理システム1は、自動車に積載される測距装置では例えば10〜100fps(Frames Per Second)、ロボットでは例えば30〜200fps、監視カメラでは例えば1〜30fpsの画像を処理するように設定される。
即ち、画像処理システム1は、予め定められた時間内に処理を終えることが必要となるリアルタイム処理を行うシステムに対して適用可能である。その他、画像処理システム1は、記憶容量が制限されるシステム、MPUなどの動作速度が制限されるシステム、通信速度又は通信データ量が制限されるシステムなどにも適用可能である。
1 画像処理システム
10 第1撮像部
12 第2撮像部
14 画像処理部
20 補正量記憶部
21a,21b 歪補正部
210a,210b ラインバッファ
212a,212b 歪補正計算部
22 RAM
23 閾値記憶部
24 処理回路
240 対象画素抽出部
241 DMAC
242 抽出結果保持部
243,244 ラインバッファ
245 相関計算実行部
25 MPU
30 撮像部
32 画像取得部
34 画素情報出力部
36 演算部
38 演算結果出力部
4 処理部
40 設定部
400 標準総数
402 領域標準数
404 ライン標準数
406 閾値
41 差分算出部
42 画素抽出部
43 計数部
44 閾値算出部
45 閾値変更部
特開平7−225127号公報 特開2009−169847号公報

Claims (14)

  1. 画像を取得する画像取得部と、
    前記画像の注目画素の画素値と前記注目画素に隣接する隣接画素の画素値との差分を算出する差分算出部と、
    複数の画素が一方向に並ぶラインを少なくとも1つ含む領域毎に、前記差分が閾値を超える注目画素を前記画像から抽出する画素抽出部と、
    前記画素抽出部が抽出した注目画素の数を前記領域毎に計数する計数部と、
    前記画素抽出部が注目画素を次に抽出する前記領域を示す次領域における前記領域毎に予め定められた抽出すべき画素数を示す領域標準数と前記計数部が計数した注目画素の数との差に応じて、前記次領域に対する前記閾値を変更する閾値変更部と、
    を有する画像処理装置。
  2. 前記領域は、
    前記一方向に並ぶ複数の画素からなる1つのラインであること
    を特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記画素抽出部は、
    前記画像から抽出する注目画素の標準総数が予め定められていること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記領域は、
    前記領域標準数が他の前記領域の少なくともいずれかとは異なること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記領域標準数は、
    前記画像取得部が取得する画像内の予め定められた範囲に含まれる前記領域に対して他の範囲に含まれる前記領域よりも多くなるように定められていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記閾値変更部は、
    前記領域標準数と前記計数部が計数した注目画素の数との差、及び前記計数部が注目画素の数を直前に計数した前記領域における前記差分の平均値に基づいて前記閾値を変更すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記閾値変更部は、
    前記計数部が注目画素の数を直前に計数した前記領域の各画素の平均画素値が、予め定められた高画素値よりも高い場合及び予め定められた低画素値よりも低い場合のいずれかの場合には、前記平均画素値が前記高画素値以下であり且つ前記低画素値以上である場合よりも、前記閾値の増減幅が大きくなるように前記閾値を変更すること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記画素値は、
    輝度値であること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記画像取得部は、
    複数の画像を取得し、
    前記画素抽出部は、
    前記画像取得部が先に取得した画像の前記領域それぞれに対して前記閾値変更部が変更した前記閾値を、前記画像取得部が次に取得した画像における対応する前記領域それぞれに対する前記閾値の初期値とすること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 前記計数部は、
    前記一方向に交差する交差方向に並ぶ複数の画素からなるラインを少なくとも1つ含む交差領域毎に、前記差分が閾値を超える注目画素の数をさらに計数し、
    前記閾値変更部は、
    前記交差領域毎に予め定められた抽出すべき画素数を示す交差領域標準数と前記計数部が前記交差領域毎に計数した注目画素の数との差に応じて、前記次領域に対する前記閾値を変更すること
    を特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記画像取得部は、
    複数の異なる撮像位置から撮像された複数の画像を取得し、
    基準画像となる前記画像から前記画素抽出部が抽出した注目画素と、前記基準画像以外の前記画像の画素との相関計算を行う演算部をさらに有すること
    を特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記画像取得部は、
    複数の異なる撮像位置から撮像された複数の画像を取得し、
    基準画像となる前記画像から前記画素抽出部が抽出した注目画素と、抽出された注目画素に対応する前記基準画像以外の前記画像における画素との画像上の位置の差に基づいて、前記画素抽出部が抽出した注目画素が画像上で示す撮像対象と前記撮像位置との距離を算出する演算部をさらに有すること
    を特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 画像を撮像する撮像部と、
    前記画像の注目画素の画素値と前記注目画素に隣接する隣接画素の画素値との差分を算出する差分算出部と、
    複数の画素が一方向に並ぶラインを少なくとも1つ含む領域毎に、前記差分が閾値を超える注目画素を前記画像から抽出する画素抽出部と、
    前記画素抽出部が抽出した注目画素の数を前記領域毎に計数する計数部と、
    前記画素抽出部が注目画素を次に抽出する前記領域を示す次領域における前記領域毎に予め定められた抽出すべき画素数を示す領域標準数と前記計数部が計数した注目画素の数との差に応じて、前記次領域に対する前記閾値を変更する閾値変更部と、
    を有する画像処理システム。
  14. 画像を取得する工程と、
    前記画像の注目画素の画素値と前記注目画素に隣接する隣接画素の画素値との差分を算出する工程と、
    複数の画素が一方向に並ぶラインを少なくとも1つ含む領域毎に、前記差分が閾値を超える注目画素を前記画像から抽出する工程と、
    抽出した注目画素の数を前記領域毎に計数する工程と、
    注目画素を次に抽出する前記領域を示す次領域における前記領域毎に予め定められた抽出すべき画素数を示す領域標準数と計数した注目画素の数との差に応じて、前記次領域に対する前記閾値を変更する工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
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