JP5865758B2 - 工作機械制御装置および工作機械 - Google Patents

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Description

本発明は、工具と被加工物との間の熱変位に起因する位置関係の変位を補正する工作機械制御装置および工作機械に関する。
一般的に、工作機械で被加工物を加工する際には、駆動軸に取り付けられた工具と、定盤などに取り付けられた被加工物との位置関係を、測定作業などによって加工前に把握しておく。そして、位置関係を保った状態で作業者の指示する加工動作を工作機械が実行することで、被加工物が所望の形状に加工される。
このような工作機械では、工作機械が有している駆動軸を手動操作や自動操作することで、工具と被加工物は作業者の意図する位置関係に保たれるが、制御装置が制御を行っていない軸に関しては、制御装置が位置関係を認識することはできない。例えば、工作機械の温度が上昇することによって機械の構造体である鋳物が熱膨張により伸びた場合、鋳物の伸びた量は変位量として位置関係に影響を及ぼし、作業者の意図した位置関係を崩すこととなる。すなわち、工作機械の設置環境の温度変化が大きい場合、工作機械の構造体は、設置環境の温度変化に応じて伸縮し、構造体の位置に変位が生じる。この変位によって工具と工作物の位置関係が所定量(以下、変位量という)だけずれてしまう。
工作機械の構造体は、材質の違いや構造の違いによって部分的に異なった変位が生じるので、一律に伸縮するわけではなく、温度変化の状態によって変位の発生の仕方が異なる。そのため、精度良く位置関係を保てるよう変位量を抑制するためには、設置環境の温度変化は小さい方が好ましく、恒温環境に工作機械を設置するなどの対策がとられることもある。
設置環境の温度変化により発生する変位量に対して補正を行う従来技術として、制御装置が、設置環境の温度と工作機械の温度との温度差に基づいて、発生する変位量を想定し、想定した変位量を打ち消す方向に軸を補正する技術がある。
例えば、特許文献1には、温度検出器から検出される温度が所定時間でどれだけ変化したかの差分から変位量を想定し、変位量を打消す方向に補正をかけることで、変位を抑制することが記載されている。
また、特許文献2には、工作機械の温度が上昇または下降していく過程での変位量の検出精度を上げていく技術が記載されている。この技術では、工作機械の温度が上昇した場合と下降した場合とで、補正量を変えている。そして、温度の上昇時には変位量を少なめに設定し、温度が下降時には変位量を多めに設定することで、一定の係数を固定値とした熱変位補正方式に比べて補正効果が向上することが記載されている。
特開2003−94290号公報 特開平2−287108号公報
上記前者の従来技術では、設置環境温度と工作機械本体との温度差によって生じる変位量は一定として考えているので、温度差が大きくなれば変位量は大きくなり、温度差が小さくなれば変位量は小さくなるものとして変位量を想定している。しかしながら、上記前者の従来技術で使用されている計算式は、所定の係数を固定値として使用しているので、特定の設置環境温度下や特定の動作条件下以外では変位抑制に対して十分な効果を得ることができないという問題があった。
また、工作機械に発生する変位は単純に温度上昇状態、温度下降状態で決まるものではないので、上記後者の従来技術では、変位抑制に対して十分な効果が得られないという問題があった。工作機械に発生する熱変位は、温度上昇状態であるか温度下降状態であるかだけでなく、他の影響も受けるからである。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、熱変位に起因する工具と被加工物との間の位置関係の変位を適切に補正することができる工作機械制御装置および工作機械を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、工具を移動させて被加工物を加工する工作機械を制御する工作機械制御装置において、前記工作機械が設置された環境の温度である環境温度を解析するとともに、前記工作機械に関する時々刻々の温度変化の傾向である温度変化状態の状態遷移を解析する温度解析部と、前記環境温度の解析結果と、前記状態遷移の解析結果と、に基づいて、前記工作機械が備える機械構造体の熱変位に起因する前記工具と前記被加工物との間の位置関係の変位量を算出するとともに、前記変位量を補正する補正量を算出する補正量算出部と、前記工具を移動させる駆動部を、前記補正量を用いて制御する駆動制御部と、を有し、前記温度解析部は、前記状態遷移が生じたタイミングに対して重み付けを与える係数であって前記状態遷移に対する熱変位の熱時定数遅れを表す補正係数を、前記状態遷移の解析結果に基づいて設定し、設定した補正係数を用いて前記変位量を算出することを特徴とする。
本発明によれば、熱変位に起因する工具と被加工物との間の位置関係の変位を適切に補正することが可能になるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1に係る放電加工機の構成を示す図である。 図2は、実施の形態1に係る制御装置の構成を示す図である。 図3は、実施の形態1に係る放電加工機の動作処理手順を示すフローチャートである。 図4−1は、放電加工機における温度変化と変位量の関係を説明するための図(1)である。 図4−2は、放電加工機における温度変化と変位量の関係を説明するための図(2)である。 図5は、温度変化の状態遷移とZ軸変位量との関係を説明するための図である。 図6は、実施の形態1に係る放電加工機が行う補正量算出処理の処理手順を示すフローチャートである。 図7は、状態遷移の判断基準の一例を示す図である。 図8−1は、温度安定状態から温度上昇状態に状態遷移した場合のZ軸変位量を説明するための図である。 図8−2は、温度安定状態から温度上昇状態に状態遷移した場合に設定される状態遷移係数の一例を示す図である。 図9は、表示装置に表示される情報の一例を示す図である。 図10は、急激な温度変化が発生した場合の状態遷移とZ軸変位量との関係を説明するための図である。 図11は、実施の形態2に係る放電加工機が行う補正量算出処理の処理手順を示すフローチャートである。 図12−1は、局所的な発熱による温度変化があった場合のZ軸変位量を説明するための図である。 図12−2は、局所的な発熱による温度変化があった場合に設定される状態遷移係数の一例を示す図である。 図13−1は、発熱が生じている駆動状態から発熱していない駆動状態に遷移した場合のZ軸変位量を説明するための図である。 図13−2は、発熱が生じている駆動状態から発熱していない駆動状態に遷移した場合に設定される状態遷移係数の一例を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態に係る工作機械制御装置および工作機械を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。以下の実施の形態では、工作機械が放電加工機であり、工作機械制御装置が放電加工機制御装置である場合について説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る放電加工機の構成を示す図である。工作機械の一例である放電加工機(放電加工装置)1は、被加工物2を放電加工によって所望の形状に加工する装置である。本実施の形態の放電加工機1は、放電加工機1の状態(設置環境の温度変化、温度変化状態の遷移、駆動状態の変化)を判別し、判別した状態に応じて工具と被加工物との間の位置ずれを補正(熱変位補正)する機能(状態別熱変位補正機能)を備えている。
放電加工機1は、X軸方向に直線駆動するX軸部10x、Y軸方向に直線駆動するY軸部10y、Z軸方向に直線駆動するZ軸部10z、Z軸方向を回転軸として回転駆動するC軸部10cを有している。また、放電加工機1は、X軸部10x、Y軸部10y、Z軸部10z、C軸部10cを駆動させるためのモータ11x,11y,11z,11cを有している。
また、放電加工機1は、X軸部10x、Y軸部10y、Z軸部10z、C軸部10cを制御する制御装置30と、放電加工を行うための電気エネルギーを生成する電源22とを有している。なお、以下の説明では、モータ11x,11y,11z,11cをモータ群という場合がある。また、以下の説明では、X軸部10x、Y軸部10y、Z軸部10z、C軸部10cを軸部群という場合がある。
また、放電加工機1は、Z軸部10zに把持されて工具となる電極(工具電極)23と、被加工物2を固定するための定盤21と、温度検出器15〜17と、を有している。工具電極23は、被加工物2を加工する工具であり、X軸部10x、Y軸部10y、Z軸部10z、C軸部10cの動作に応じた位置に移動する。
温度検出器15〜17は、放電加工機1に関する時々刻々の温度を検出する。温度検出器15は、放電加工機1が設置された環境(設置環境)の温度(環境温度)を検出し、温度検出器16は、放電加工機1の構造体である鋳物の温度(鋳物温度)を検出し、温度検出器17は、局所発熱する部位に取付けられた局所発熱部の温度(局所発熱温度)を検出する。
温度検出器15は、設置環境の温度変化を正確に捉えることができるよう温度変化が大きくなる位置に配置されることが好ましい。鋳物の温度は、設置環境の温度変化に対して緩やかに温度変化する。このため、温度検出器16は、鋳物の緩やかな温度変化を捉えることができる位置に配置されることが好ましい。換言すると、温度検出器15と温度検出器16から検出される温度が、設置環境の温度変化に対して大きな温度差を生じる位置に温度検出器15と温度検出器16が取付けられることが好ましい。
また、温度検出器17は、局所的に温度変化が生じる位置であって、且つその温度変化が複数軸に対して熱変位を生じさせるものではなく、特定の軸に対してのみ熱変位を生じさせるような位置に取付けることが望ましい。
また、放電加工機1は、放電加工機1の温度に関する種々の情報(後述する環境温度、鋳物温度、局所発熱温度、温度変化状態など)を表示させる表示装置20を有している。表示装置20は、制御装置30からの指示に従って放電加工機1の温度に関する種々の情報を表示する。放電加工機1では、軸部群、モータ群が被加工物2の加工を行う加工部として機能し、制御装置30が加工部を制御する制御部として機能する。
このように、放電加工機1は、X軸部10x、Y軸部10y、Z軸部10zのような直線座標系、C軸部10cのような回転座標系に分類される駆動軸を有している。放電加工機1は、各軸部を駆動することで、工作機械作業者の意図する座標に向けて工具を移動し、加工動作を行う。各軸部の動作は放電加工機1に取付けられた制御装置30により制御されており、手動操作や加工プログラムによる自動操作を行うことで、工作機械作業者の意図する座標に向けて各軸部が移動する。なお、放電加工機1は、A軸部やB軸部などの回転座標系に分類される駆動軸を有していてもよい。
図2は、実施の形態1に係る制御装置の構成を示す図である。工作機械制御装置の一例である制御装置30は、温度記憶部31と、温度解析部32と、駆動制御部33と、位置認識部34Aと、位置記憶部34Bと、駆動状態認識部35と、補正量算出部36と、温度表示制御部37と、温度変化状態表示制御部38とを有している。
温度記憶部31は、温度検出器15、温度検出器16、温度検出器17から検出される放電加工機1に関する温度(環境温度、鋳物温度、局所発熱温度)を記憶しておくメモリなどである。
温度解析部32は、放電加工機1が設置された環境の温度である環境温度を解析するとともに、放電加工機1に関する時々刻々の温度変化の傾向(温度変化状態)の状態遷移を解析する。温度解析部32は、温度記憶部31が記憶している温度に基づいて、放電加工機1の環境温度と、温度変化状態の状態遷移を解析する。
また、温度解析部32は、駆動状態認識部35から送られてくる軸部群(各軸部)の駆動状態を解析する。温度解析部32は、温度変化(環境温度、温度変化状態、駆動状態)に関する解析結果を補正量算出部36に送る。温度解析部32は、例えば、温度変化に関する解析結果として、熱変位(軸部の位置ずれ量)の変位量と温度変化との関係を示す式などを補正量算出部36に送る。
駆動制御部33は、軸部群の駆動部であるモータ群(モータ11x,11y,11z,11c)の駆動を行う。駆動制御部33は、制御装置30に与えられた加工プログラムと、補正量算出部36から送られてくる補正量(駆動補正量)とを用いて、モータ群の駆動を行う。なお、駆動制御部33は、放電加工機1の使用者(工作機械使用者)によって行われる手動操作に基づいて、モータ群の駆動を行なってもよい。
位置認識部34Aは、モータ群の駆動によって移動する軸部群(X軸部10x、Y軸部10y、Z軸部10z、C軸部10c)の現在位置を認識する。位置認識部34Aは、駆動制御部33がモータ11x,11y,11z,11cへ送る駆動指示に基づいて、軸部群の現在位置を認識する。
位置記憶部34Bは、位置認識部34Aが認識した軸部群の現在位置を記憶しておくメモリなどである。位置記憶部34Bが記憶しておく軸部群の現在位置は、駆動制御部33によるフィードバック制御に用いられる。
駆動状態認識部35は、駆動制御部33がモータ11x,11y,11z,11cへ送る駆動指示に基づいて、軸部群の駆動状態を認識する。補正量算出部36は、温度解析部32から送られてくる温度変化に関する解析結果と温度変化状態(温度変化状態の解析結果)に基づいて、補正量(モータ群へ送る駆動量の補正量)を算出する。算出される補正量は、放電加工機1が備える機械構造体の熱変位に起因する工具電極23と被加工物2との間の位置関係の変位を補正する値である。補正量算出部36は、算出した補正量を駆動制御部33に送る。
温度表示制御部37は、温度記憶部31に記憶されている温度を表示装置20に表示させる。温度表示制御部37は、環境温度、鋳物温度、局所発熱温度を表示装置20に表示させることにより、工作機械使用者に環境温度、鋳物温度、局所発熱温度を通知する。
温度変化状態表示制御部38は、温度解析部32で解析された温度変化状態を表示装置20に表示させる。温度変化状態表示制御部38は、温度変化状態を表示装置20に表示させることにより、工作機械使用者に温度変化状態を通知する。
表示装置20は、温度記憶部31に記憶されている温度や温度解析部32で解析された温度変化状態を表示する液晶モニタなどの表示装置である。表示装置20は、温度表示制御部37や温度変化状態表示制御部38の指示に従って、環境温度、鋳物温度、局所発熱温度、温度変化状態などを表示する。
つぎに、放電加工機1の動作処理手順について説明する。図3は、実施の形態1に係る放電加工機の動作処理手順を示すフローチャートである。ここでは、ある程度の時間の経過に伴って設置環境の温度が変化していく場所に放電加工機1が設置された場合の、放電加工機1の動作処理手順について説明する。
温度検出器15〜17は、温度検出を常時行っており(ステップS1)、所定周期毎に温度記憶部31が検出温度の読取りを行う。ここでは、ある検出時間(検出タイミング)nにおいて温度検出器15〜17が検出した温度(検出温度)を、それぞれT1(n)、T2(n)、T3(n)として説明する。また、温度記憶部31は常時検出している温度の他に、各温度検出器15〜17が検出する温度の基準となる基準温度としてT1(1)、T2(1)、T3(1)を記憶している。
なお、基準温度がT1(1)、T2(1)、T3(1)である場合の放電加工機1の各軸部(X軸部10x、Y軸部10y、Z軸部10z)の位置をX(1)、Y(1)、Z(1)とする。また、放電加工機1の各軸部の位置がX(1)、Y(1)、Z(1)の場合に、工具電極23と被加工物2との間の位置関係が正しく保たれているものとする。
制御装置30は、基準温度を取得していなければ(ステップS2、No)、基準温度を取得し、温度記憶部31に記憶させる(ステップS3)。そして、温度検出器15〜17は、温度検出を継続する(ステップS1)。
制御装置30は、基準温度を取得すると(ステップS2、Yes)、温度検出時間になったか否かを判断する(ステップS4)。温度検出時間でなければ(ステップS4、No)、温度検出器15〜17は、温度検出を継続する(ステップS1)。
制御装置30は、温度検出時間になると(ステップS4、Yes)、温度検出器15〜17が検出した各温度を温度検出器15〜17から取得して温度記憶部31に記憶させる(ステップS5)。
ここで、放電加工機1の設置環境の温度が変化し、検出温度のT1(n)、T2(n)、T3(n)に温度が変化したとする。放電加工機1の構成物が設置環境の温度変化によって熱変位を起こすと考えた場合、検出時間nにおける各軸部の位置をX(n)、Y(n)、Z(n)とすると、熱変位によって生じる工具電極23と被加工物2との間の位置関係の変位量(位置ずれ量)は、以下の式(1)〜(3)で表される。なお、Hx(n)、Hy(n)、Hz(n)は、それぞれ工具電極23と被加工物2との間のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の位置の変位量である。
Hx(n)=X(n)−X(1)・・・(1)
Hy(n)=Y(n)−Y(1)・・・(2)
Hz(n)=Z(n)−Z(1)・・・(3)
これらの変位量が設置環境の温度変化によるものであるとした場合、変位量は温度変化との相関関係を持つ。ここで、変位量と温度変化の関係について説明する。なお、X軸方向の変位量と温度変化の関係、Y軸方向の変位量と温度変化の関係、Z軸方向の変位量と温度変化の関係は、それぞれ同様の関係を示すので、ここではZ軸方向の変位量と温度変化の関係について説明する。Z軸方向の変位量と温度変化の関係は、以下の式(4)によって表すことができる。
Hz(n)=α・(T1(n)−T1(1))+β・(T2(n)−T2(1))+γ・(T3(n)−T3(1)) ・・・(4)
式(4)は、基準温度であるT1(1)、T2(1)、T3(1)と検出時間nにおける検出温度であるT1(n)、T2(n)、T3(n)の温度差を比較することで、温度変化によって基準位置からどれだけの変位が生じたかを類推する式となっている。温度解析部32は、式(4)における係数α,β,γに、温度検出器15〜17から検出される各検出温度に対して相関関係を有する値を設定しておく。具体的には、温度検出器15で検出された温度に対して相関関係を有する値が係数αに設定され、温度検出器16で検出された温度に対して相関関係を有する値が係数βに設定され、温度検出器17で検出された温度に対して相関関係を有する値が係数γに設定される。
補正量算出部36は、基準温度に対する温度変化と、検出温度に対して相関関係をもつ係数と、を用いて定義された式(4)などから変位量を算出(類推)する(ステップS6)。そして、補正量算出部36が、類推した変位量を打消す方向に各軸部の位置が補正されるような補正量を算出し、駆動制御部33が、算出された補正量をモータ群の駆動に反映することによって(ステップS7)、熱変位補正が行われる。この後、ステップS1〜S7の処理が繰り返される。
ところで、設置環境と放電加工機1の温度差を比較することだけでは、発生する熱変位を想定することは難しい。放電加工機1が有する構造体の部分的な材質の違いや構造の違いによる影響、放電加工機1の駆動状態による局所的な発熱の影響など、設置環境と放電加工機1の温度差以外の様々な要因によって変位の発生の仕方は異なってくるからである。
放電加工機1の構造体の部分的な材質の違いや構造の違いは、構造体の部分的な熱時定数の違いとなるので、温度変化状態がどのように遷移するかで変位の発生の仕方が異なってくる。例えば、温度変化状態として、放電加工機1の温度が徐々に上がっていく状態を温度上昇状態とし、温度が徐々に下がっていく状態を温度下降状態とし、温度が一定時間変化していない状態を温度安定状態とし、それぞれの状態の変化を状態遷移と呼ぶこととする。温度上昇状態時に生じる変位量を精度よく想定するために定義された一定の計算式で温度下降状態時に生じる変位量を想定しようとすると、そこで想定されてくる変位量は正しい変位量とは限らない。これは放電加工機1の構造部品が多種多様であるため、それぞれの熱時定数の違いなどによって、変位の発生の仕方が温度上昇状態と温度下降状態で異なるためである。
図4−1および図4−2は、放電加工機における温度変化と変位量の関係を説明するための図である。図4−1は、放電加工機が緩やかに温度変化した場合の変位量の変化を示す図であり、図4−2は、放電加工機が急激に温度変化した場合の変位量の変化を示す図である。
図4−1や図4−2に示すように、環境温度の温度変化状態が温度安定状態から温度上昇状態に状態遷移した場合、温度変化に対し、所定の熱時定数による遅れを伴って熱変位が発生する。そして、温度変化の勾配が緩やかであるか急激であるかによって、熱変位の発生の仕方(変位量の変化態様)が異なる。このように、放電加工機1の構造体には、部分的な材質の違いや構造に違いがあるので、変位量の変化を予め定義された一定の計算式から想定することは困難である。
温度変化の勾配が急激に変化する状態の1つとして、放電加工機1の駆動動作が挙げられる。設置環境の温度変化は、比較的緩やかな場合が多い。一方、直線軸の高速移動動作や、回転軸の高速回転動作が実施される場合、モータ群の負荷による発熱や、各軸部を保持している周辺部材の摩擦による発熱などにより、局所的に急激な温度変化が生じる場合がある。
局所的な発熱を伴う駆動動作を行う工作機械では、発熱量がある程度一定になるまで暖機を行うことで、駆動制御が行われる前に意図的に変位を発生させておき、変位量の変化が略最小になってから位置を把握するための測定動作を行うことが一般的である。この場合、工作機械の稼動前に暖機を行うことで機械運転中の変位量の変化を抑制することが可能となるが、暖機に要する時間が必要である。また、加工の状態に合せて工作機械の動作が刻々と変化するような運用を行う場合、変位量を抑制することが難しい。
切削を目的とした工作機械などの場合、回転軸の回転速度などから予め変位量を想定しておき、想定していた変位量を補正する技術がある。例えば、形彫放電加工機のように、工具と工作物との間の加工屑を排除する場合や、加工状態の安定を目的として軸を高速移動させるジャンプ制御などの場合は、加工の安定状態や進行状況に応じて軸の駆動速度や駆動量が刻々と変化する。このため、軸の駆動速度や駆動量が刻々と変化する際に発生する変位量を予め想定しておくことは難しいので、駆動状態の変化に応じた温度変化から変位量を想定する必要がある。
このように複数の要因によって複合的に生じる熱変位は、発生する量を想定することが難しく、予め定義された一定の補正式で変位量を抑制していくことは困難である。そのため、制御装置30は、工作機械(放電加工機1)の設置環境の温度変化、温度変化状態の状態遷移、駆動状態の変化など、時々刻々と変化する工作機械の状態を識別し、各状態に対応したモータ群への駆動補正を行なうことによって変位量を抑制する。
ここで、温度変化の状態遷移と各軸部群の変位量との関係について説明する。なお、各軸部群は、同様の変位量を有するので、ここではZ軸変位量について説明する。図5は、温度変化の状態遷移とZ軸変位量との関係を説明するための図である。まず、図5に示すような温度(環境温度、鋳物温度、局所発熱温度)の温度変化と、この温度変化によって生じるZ軸変位量に対する従来の補正後変位量について説明する。
温度変化状態は、温度安定状態、温度上昇状態、温度下降状態が混在しているものとする。温度変化状態は、例えば、温度検出器15で検出された温度に基づいて判定される。なお、温度変化状態は、温度検出器16,17で検出された温度を参照して判定してもよい。
温度安定状態(1)おいては、変位量に変化が生じることはなく変位量が略一定となる。また、温度上昇状態(1),(2)、温度下降状態(1),(2)においては、所定の時定数分の遅れをもって、変位量の変化が発生する。また、温度安定状態(2)においては、温度上昇状態(2)からの状態遷移により、温度安定状態にも関わらず、変位量の変化が発生する。
一定の計算式でこの変位量を想定する従来技術の場合、温度安定状態(2)における変位量の変化(温度の状態遷移の変化)までは捉えることができないので、変位量の低減効果は少ししか見込めない。
図5における温度変化の傾向を見た場合、温度検出器15〜17が検出する各温度は、温度検出する対象物の違いや温度検出器15〜17の取付け位置の違いによって、温度上昇状態や温度下降状態の遷移タイミングが異なる。これを変位(Z軸変位量)と照らし合わせてみた場合、変位の大きさが変わる状態遷移のタイミングは、温度検出器15の温度変化に比較的近いタイミングとなる。一方、温度検出器16、温度検出器17の時定数分の遅れ分に関係して、温度上昇状態と温度下降状態のそれぞれで、変位量の変化の傾向が異なる。
このように、温度の勾配が何れのタイミングで切替わったかによって変位量の変化態様が異なっており、温度安定状態であったとしても、前後の温度変化が温度上昇状態や温度下降状態となっている場合は、熱時定数の遅れ分の変位量が残存する。そのため、温度安定状態であるか、温度上昇状態か、温度下降状態かだけで単純に温度変化に相関をもつ係数(温度相関係数)α,β,γを決定することはできない。
そこで、本実施の形態では、温度解析部32が、温度変化状態の遷移に基づいて、温度変化状態を解析する。なお、本実施の形態では、駆動状態の変化が変位量に影響を与えない場合について説明する。温度解析部32は、例えば、図6に示すアルゴリズムで温度変化状態の解析を行う。
図6は、実施の形態1に係る放電加工機が行う補正量算出処理の処理手順を示すフローチャートである。前述したように、温度変化によって生じる変位量は、単純に温度上昇状態か温度下降状態かだけでは判断できない。このため、温度解析部32は、状態がどのように遷移していくかを判断(状態遷移を確認)し(ステップS11)、対象となる状態変化において最適となる係数α,β,γを設定する。本実施の意形態では、例えば、温度解析部32に予め状態遷移の判断基準を設定しておく。これにより、温度解析部32は、状態遷移の判断基準に基づいて、温度変化状態がどのように遷移していくかを判断する。
温度解析部32は、状態遷移を認識していなければ(ステップS12、No)、基準温度と温度検出器15〜17が検出した検出温度とに基づいて、補正量を算出する(ステップS17)。一方、温度解析部32は、状態遷移を認識すると(ステップS12、Yes)、状態遷移の判断基準に基づいて、後述の状態遷移パターンを分析する(ステップS13)。
図7は、状態遷移の判断基準の一例を示す図である。図7に示す判断基準情報51では、状態遷移パターンと状態遷移条件とが対応付けされている。判断基準情報51は、各状態遷移パターンが満たすべき状態遷移条件を規定している。換言すると、判断基準情報51に示した状態遷移条件を満たした場合に、この状態遷移条件に対応する状態遷移になったと判断される。
温度解析部32は、ある温度検出時間nにおける温度と、一周期前の検出時間(n−1)における温度とを比較し、その温度差が所定の閾値を上回るか下回るかで温度が上昇しているのか下降しているのかの判断を行う。
閾値を超えなかった場合、温度解析部32は、温度変化状態を安定状態として認識する。また、温度解析部32は、温度検出時間nと温度検出時間(n−1)との温度差からだけで上昇、下降、安定の各状態を判断するのではなく、過去複数回の状態に基づいて状態遷移を認識する。具体的には、温度解析部32は、過去複数回の検出周期に対して、上昇、下降、安定を判断し、規定された回数以上に渡って上昇、下降、安定の状態が継続した場合に、温度変化状態が遷移したと判定する。
例えば、温度解析部32には、安定状態を示す閾値としてTst、上昇状態を示す閾値としてTup、下降状態を示す閾値としてTdnを設定しておく。温度解析部32は、状態遷移の判断を行う検出周期をm回とする。この場合において、検出時間nと温度検出時間(n−1)の温度差をΔTとすると、温度変化状態(温度推移の種類)の判断基準は以下のようになる。
・温度安定状態:−Tst≦ΔT≦Tst
・温度上昇状態:Tup≦ΔT
・温度下降状態:ΔT≦Tdn
温度解析部32は、検出時間nを含む過去m回の温度検出周期の中で、上記判断基準を満たした温度検出時間が何回あったかを記憶しておく。温度解析部32は、この結果が状態遷移の遷移条件を満たす回数であるか否かで、状態遷移を判断する。
例えば、図7のパターンPaに示すように、温度解析部32が、a回の温度安定状態(条件1)とb回の温度上昇状態(条件2)を認識しており、かつ温度解析部32が温度検出時間nからみて過去連続c回分の温度上昇状態(条件3)を認識している場合、温度解析部32は、温度安定状態から温度上昇状態への状態遷移であると認識する。
この状態遷移が認識された温度検出周期は、状態遷移周期として温度解析部32で記憶される。温度解析部32は、以降のモータ群の駆動補正に使用する係数α,β,γに、温度安定状態から温度上昇状態への状態遷移時用に予め調整しておいたα、β、γを設定する。このように、温度解析部32は、状態遷移パターンの分析結果に基づいて、温度相関を有した係数α,β,γを設定する(ステップS14)。
温度解析部32は、状態遷移タイミングを確認し(ステップS15)、状態遷移タイミングに応じた補正係数である状態遷移係数St(n)を設定する(ステップS16)。状態遷移係数St(n)は、状態遷移が生じたと認識された検出時間(状態遷移タイミング)に対して重み付けを与える係数であり、ここでは温度変化に対する変位の熱時定数遅れを表すために使用される。
温度安定状態から温度上昇状態に状態遷移したケースをパターンPaとした場合、パターンPaに対して設定された係数をそれぞれ係数αA,βA,γAとすると、状態遷移を加味する前の想定変位量であるHz’(n)は、以下の式(5),(6)の関係を満たす。
Hz’(n)=αA・(T1(n)−T1(1))+βA・(T2(n)−T2(1))+γA・(T3(n)−T3(1))・・・(5)
Hz(n)=St(n)・Hz’(n)・・・(6)
補正量算出部36は、Hz(n)を想定変位量として算出し、想定変位量を打消す方向への補正量を算出する(ステップS17)。そして、補正量算出部36は、算出した補正量を駆動制御部33に与える。
ここで、状態遷移が認識されたタイミングと変位量の変化タイミングとの関係について説明する。図8−1は、温度安定状態から温度上昇状態に状態遷移した場合のZ軸変位量を説明するための図である。図8−1では、T1(n−7)〜T1(n−3)までが温度安定状態であり、T1(n−3)の後、温度上昇状態になる場合の変位量(Z軸変位量)の変化を示している。
例えば、現在から見て最新の温度検出時間をT1(n)とし、検出周期毎に温度取得した過去の検出時間をそれぞれT1(n−1)、T1(n−2)、・・・とし、状態遷移が認識された温度検出時間(状態遷移時間)をT1(n−3)とする。この場合において、図8−1に示すような温度変化が生じると、状態遷移時間であるT1(n−3)に対して所定の遅れを持って変位量の変化が生じる。
このような遅れは、熱時定数遅れに起因するものであり、類推した熱時定数遅れを解消するための状態遷移係数としてSt(n)が設定される。例えば、状態遷移が発生した温度検出時間のT1(n−3)の次の検出周期であるT1(n−2)において、式(5)から算出される想定変位量Hz’(n)が、実際に放電加工機1に生じている変位量よりも大きな想定変位値が算出される場合がある。この場合、温度解析部32は、想定変位量の値が小さくなるような所定の係数をSt(n−2)に設定する。
温度解析部32は、このSt(n−2)を想定変位量に掛け合わせることで、補正値が過剰に大きくなって悪影響を与えることを制限する。本実施の形態では、温度変化状態が温度安定状態、温度上昇状態、温度下降状態のように時間によって変化していく状態遷移を伴っていたとしても、このように温度変化と相関を持つ係数と熱時定数の変化を常時認識することによって、放電加工機1の変位を精度良く補正することができる。
図8−2は、温度安定状態から温度上昇状態に状態遷移した場合に設定される状態遷移係数の一例を示す図である。図8−2では、図8−1に示した温度変化状態(状態遷移)に対して設定される状態遷移係数の一例を示している。例えば、温度安定状態では状態遷移係数としてSt=1.0が設定される。また、温度変化状態の変化(状態遷移)が最初に認識された温度検出時間のT1(n−3)では、状態遷移係数としてSt=0.5が設定される。また、状態遷移が認識された後、温度上昇状態が続く場合は、T1(n−3)の状態遷移係数よりも少しずつ状態遷移係数が大きくなっていくよう状態遷移係数が設定される。ここでは、T1(n−2)にSt=0.7が設定され、T1(n−1)にSt=0.9が設定され、T1(n)にSt=1.0が設定されている場合を示している。
温度記憶部31で記憶されている温度および温度解析部32で解析された温度変化状態の解析結果は、それぞれ温度表示制御部37、温度変化状態表示制御部38による制御によって表示装置20で表示される。
図9は、表示装置に表示される情報の一例を示す図である。図9では、表示装置20で表示される情報を概念的に図示している。図9に示すグラフは、横軸が時刻であり、縦軸が温度である。
表示装置20における温度表示は、現在時刻が最新の時間となるので、表示の右端が現在の温度を示し、横軸を左に行くにつれて過去の温度が表示されている。そして、時刻の推移に応じて表示装置20の表示画面は更新されていく。表示装置20に表示される温度に関する情報は、所定の周期で更新されていき、解析周期に合わせて制御装置30が何れの温度変化状態であるかを認識したかが表示される。
表示装置20は、温度上昇状態と判断された解析周期では温度上昇状態を示すマーク41で温度変化状態を表示する。同様に、表示装置20は、温度下降状態と判断された解析周期では温度下降状態を示すマーク43で温度変化状態を示し、温度安定状態と判断された解析周期では温度安定状態を示すマーク42で温度変化状態を示す。なお、表示装置20は、温度検出器15〜17の故障や異常温度が検出された際には、マーク41〜43とは異なるマーク(例えば、×印)を表示してもよい。
このように、表示装置20は、温度変化状態毎に種々のマークで視覚的に温度変化状態を表示するので、状態遷移を何れのタイミングで判断したかを工作機械使用者に明確に通知することができる。さらに、表示装置20は、各マーク41〜43を縦軸の温度に応じた位置に表示させることにより、設置環境の温度を工作機械使用者に示すことができる。また、表示装置20は、補正機能が正しく動作していることの確認や温度検出器15〜17の故障発生などを工作機械使用者に知らしめることができる。
このように、本実施形態の制御装置30は、放電加工機1の設置環境の温度や温度変化状態(状態遷移)に基づいて、工具電極23と被加工物2との間の位置関係の変位(被加工物2に対する工具電極23の位置変位)を補正するための補正量を算出している。これにより、放電加工機1の設置環境の温度変化や、温度変化状態の遷移などの複合的な要因によって時々刻々と変化する熱変位を正確に算出できる。
また、状態遷移条件に基づいて、状態遷移を判定しているので、放電加工機1の温度変化状態の状態遷移を正確に捉えることが可能となる。また、熱変位を正確に算出できるので、適切な補正量を算出することが可能となる。したがって、熱変位に起因する加工位置の位置ずれを抑制することが可能となる。
なお、本実施の形態では、係数α,β,γを用いてHz(n)を算出する場合について説明したが、γ・(T3(n)−T3(1))を用いることなく、α・(T1(n)−T1(1))とβ・(T2(n)−T2(1))を用いてHz(n)を算出してもよい。また、放電加工機1が本実施の形態の動作を行う場合、制御装置30は、駆動状態認識部35を備えていなくてもよい。
このように、実施の形態1によれば、放電加工機1の温度や、温度変化状態の状態遷移に基づいて工具電極23と被加工物2との間の位置関係の変位を算出しているので、熱変位を適切に補正することが可能になる。したがって、熱変位に起因する加工精度の悪化を抑制することが可能となる。
実施の形態2.
つぎに、図10〜図13−2を用いてこの発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、急激な温度変化が発生した場合(局所的な発熱が生じた場合)の、工具電極23と被加工物2との間の位置関係の変位算出方法について説明する。
まず、急激な温度変化が発生した場合の状態遷移と各軸部群の変位量との関係について説明する。なお、各軸部群は、同様の変位量を有するので、ここではZ軸変位量について説明する。
図10は、急激な温度変化が発生した場合の状態遷移とZ軸変位量との関係を説明するための図である。まず、図10に示すような温度変化と、この温度変化によって生じるZ軸変位量に対する従来の補正後変位量について説明する。
温度検出器17は、例えば特定の軸に対してのみ熱変位を生じさせるような温度変化が発生することが予めわかっている位置に取付けられている。この温度検出器17で温度変化が検出される駆動状態(大きな温度変化が生じる駆動状態)になった場合に、図10に示すような温度変化と変位量が生じたとする。
図10では、温度変化状態が、以下の順番で変化する場合を示している。すなわち、図10では、温度安定状態(1)、温度下降状態(1)、温度上昇状態(1)、特定温度上昇状態、温度安定状態(2)、特定温度下降状態、温度下降状態(2)、温度上昇状態(2)、温度安定状態(3)の順番で温度変化状態が変化している場合を示している。
局所的な発熱による温度変化があった場合、本実施の形態の温度解析部32は、例えば、図11に示すアルゴリズムで、局所発熱温度変化の解析と、温度変化状態の解析を行う。図11は、実施の形態2に係る放電加工機が行う補正量算出処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図11に示す処理のうち実施の形態1の図6で説明した処理と同様の処理については、その説明を省略する。
駆動状態認識部35は、駆動制御部33がモータ11x,11y,11z,11cへ送る駆動指示に基づいて、軸部群の駆動状態を確認する(ステップS31)。駆動状態認識部35は、局所的な発熱(温度変化)を生じる駆動状態(特定駆動状態)が開始されていないと判断すると(ステップS32、No)、状態遷移を確認する(ステップS34)。その後、制御装置30は、実施の形態1で説明したステップS12〜S17に対応する処理として、ステップS35〜S40の処理を行う。
一方、駆動状態認識部35は、局所的な発熱(温度変化)を生じる駆動状態(特定駆動状態)が開始されたと判断すると(ステップS32、Yes)、特定駆動状態になったことを温度解析部32に通知する。ここでいう局所的な温度変化を生じる駆動状態の開始は、駆動制御部33が特定の駆動指令(局所発熱を発生させる駆動指令)をモータ群の何れかに送ったか否かなどの判断基準などに基づいて判断される。駆動状態認識部35は、特定の駆動指令が有った場合に、特定駆動状態が開始されたと判断する。
特定駆動状態が開始されると、温度変化状態は、温度安定状態から急激な温度上昇状態に遷移する。温度解析部32は、温度安定状態から急激な温度上昇状態に遷移したケースであるか否かを判断する。温度安定状態から急激な温度上昇状態への状態遷移に対応する状態遷移条件を満たす場合、温度解析部32は、温度安定状態から急激な温度上昇状態に状態遷移したと認識する。この状態遷移のケースをパターンPgとした場合、温度解析部32は、パターンPgに応じた係数α,β,γ(特定駆動状態用)、および状態遷移係数St(n)を設定する。
パターンPgに対して設定された係数をそれぞれ係数αG,βG,γGとすると、状態遷移を加味する前の想定変位量であるHz’(n)は、以下の式(7),(8)の関係を満たす。
Hz’(n)=αG・(T1(n)−T1(1))+βG・(T2(n)−T2(1))+γG・(T3(n)−T3(1))・・・(7)
Hz(n)=St(n)・Hz’(n)・・・(8)
このとき、温度解析部32は、急激な温度上昇に対して急激に変位量が変化していくと判断し、パターンPgに応じた状態遷移係数St(n)を設定する。具体的には、温度解析部32は、状態遷移が生じたと認識された検出時間に、実施の形態1の図7で示したパターンPaの場合よりも熱時定数が大きくなるように状態遷移係数St(n)を設定する。
例えば、現在から見て最新の温度検出時間をT1(n)とし、検出周期毎に温度取得した過去の検出時間をそれぞれT1(n−1)、T1(n−2)、・・・とする。この場合において、図12−1に示すような温度変化が生じると、急激な温度変化に対して生じる変位量は、温度の検出周期に対して早い速度で変化する可能性がある。
図12−1は、局所的な発熱による温度変化があった場合のZ軸変位量を説明するための図である。図12−1では、T1(n−7)〜T1(n−3)までが温度安定状態であり、T1(n−3)の後、局所的な発熱による温度変化(局所発熱温度変化)があった場合の変位量(Z軸変位量)の変化を示している。
図12−1に示す例では、局所的な発熱による温度変化があった場合に、温度の検出周期に対して早い速度で変位量が変化している。検出周期の遅れは補正量の反映遅れとなるので、急峻な反映を行う係数としてSt(n)が設定される。制御装置30は、急激な変位量の発生に対し、すぐに変位を打消すように補正量を制御することで、放電加工機1の変位に即した補正を行うことができる。
図12−2は、局所的な発熱による温度変化があった場合に設定される状態遷移係数の一例を示す図である。図12−2では、図12−1に示した温度変化状態(状態遷移)に対して設定される状態遷移係数の一例を示している。例えば、温度安定状態では状態遷移係数としてSt=1.0が設定される。また、局所的な発熱による温度変化(状態遷移)が最初に認識された温度検出時間のT1(n−3)では、状態遷移係数としてSt=2.0が設定される。また、状態遷移が認識された後、温度上昇状態が続く場合は、T1(n−3)の状態遷移係数よりも少しずつ状態遷移係数が小さくなっていくよう状態遷移係数が設定される。ここでは、T1(n−2)にSt=1.5が設定され、T1(n−1)にSt=1.2が設定され、T1(n)にSt=1.0が設定されている場合を示している。
同様に、発熱が生じている駆動状態(温度安定状態)から、発熱していない駆動状態(急激な温度下降状態)に温度変化状態が変化した場合(特定駆動状態が終了した場合)、駆動状態認識部35は、駆動状態の変化を温度解析部32に通知する。
特定駆動状態が終了すると、温度変化状態は、温度安定状態から急激な温度下降状態に遷移する。温度解析部32は、温度安定状態から急激な温度下降状態に遷移したケースであるか否かを判断する。温度安定状態から急激な温度下降状態への状態遷移に対応する状態遷移条件を満たす場合、温度解析部32は、温度安定状態から急激な温度下降状態に状態遷移したと認識する。この状態遷移のケースをパターンPhとした場合、温度解析部32は、パターンPhに応じた係数α,β,γ(特定駆動状態用)、および状態遷移係数St(n)を設定する。
パターンPhに対して設定された係数をそれぞれ係数αH,βH,γHとすると、状態遷移を加味する前の想定変位量であるHz’(n)は、以下の式(9),(10)の関係を満たす。
Hz’(n)=αH・(T1(n)−T1(1))+βH・(T2(n)−T2(1))+γH・(T3(n)−T3(1))・・・(9)
Hz(n)=St(n)・Hz’(n)・・・(10)
このとき、温度解析部32は、図13−1に示すように、急激な温度下降に対して緩やかに変位量が変化していくと判断し、パターンPhに応じた状態遷移係数St(n)を設定する。具体的には、温度解析部32は、状態遷移が生じたと認識された検出時間の状態遷移係数St(n)に対して熱時定数を設定する。
図13−1は、発熱が生じている駆動状態から発熱していない駆動状態に遷移した場合のZ軸変位量を説明するための図である。図13−1では、T1(n−7)〜T1(n−3)までが局所的な発熱の生じている状態であり、T1(n−3)の後、発熱の発生していない状態に遷移した場合の変位量(Z軸変位量)の変化を示している。
図13−1に示す例では、局所的な発熱が無くなった場合に、温度の検出周期に対して早い速度で変位量が変化している。検出周期の遅れは補正量の反映遅れとなるので、急峻な反映を行う係数としてSt(n)が設定される。
局所的な発熱が生じる駆動状態から、発熱しない駆動状態に状態が変化すると、急激な温度変化を伴うので、式(9)をそのまま適用すると、算出される変位量が大きくなる。ところが、実際の放電加工機1は所定の熱時定数をもって緩やかに変位していく。そのため、制御装置30は、状態遷移が生じたことを認識した検出時間以降に状態遷移係数St(n)による重み付けを行うことで、急激な温度変化が発生した場合でも、緩やかに変位を打消すように補正量を制御する。
図13−2は、局所的な発熱による温度変化があった場合に設定される状態遷移係数の一例を示す図である。図13−2では、図13−1に示した温度変化状態(状態遷移)に対して設定される状態遷移係数の一例を示している。例えば、温度安定状態では状態遷移係数としてSt=1.0が設定される。また、局所的な発熱が無くなったこと(状態遷移)が最初に認識された温度検出時間のT1(n−3)では、状態遷移係数としてSt=0.7が設定される。また、状態遷移が認識された後、温度上昇状態が続く場合は、T1(n−3)の状態遷移係数よりも少しずつ状態遷移係数が大きくなっていくよう状態遷移係数が設定される。ここでは、T1(n−2)にSt=0.8が設定され、T1(n−1)にSt=0.9が設定され、T1(n)にSt=1.0が設定されている場合を示している。
このように、設置環境の温度変化だけでなく、局所的な温度変化が生じるような駆動状態で放電加工機1が使用されたとしても、温度変化と相関を持つ係数と熱時定数の変化を常時認識することによって、放電加工機1自身の発熱よる変位を精度良く補正することができる。
パターンPgやパターンPhに応じた係数として、温度相関を有した特定駆動状態用の係数α,β,γが設定されると(ステップS33)、温度解析部32は、状態がどのように遷移していくかを判断(状態遷移を確認)する(ステップS34)。その後、制御装置30は、実施の形態1で説明したステップS12〜S17に対応する処理として、ステップS35〜S40の処理を行う。なお、本実施の形態のステップS37では、温度解析部32が、状態遷移パターンの分析結果に基づいて、温度相関を有した係数α,β,γを再設定する。
このように、実施の形態2によれば、急激な温度変化が発生した場合であっても、放電加工機1の温度や温度変化状態の状態遷移に基づいて工具電極23と被加工物2との間の位置関係の変位を算出しているので、熱変位を適切に補正することが可能になる。したがって、熱変位に起因する加工精度の悪化を抑制することが可能となる。
以上のように、本発明に係る工作機械制御装置および工作機械は、熱変位に起因する工具と被加工物との間の位置関係の変位の補正に適している。
1 放電加工機
2 被加工物
10c C軸部
10x X軸部
10y Y軸部
10z Z軸部
11x,11y,11z,11c モータ
15〜17 温度検出器
20 表示装置
23 工具電極
30 制御装置
32 温度解析部
33 駆動制御部
35 駆動状態認識部
36 補正量算出部

Claims (7)

  1. 工具を移動させて被加工物を加工する工作機械を制御する工作機械制御装置において、
    前記工作機械が設置された環境の温度である環境温度を解析するとともに、前記工作機械に関する時々刻々の温度変化の傾向である温度変化状態の状態遷移を解析する温度解析部と、
    前記環境温度の解析結果と、前記状態遷移の解析結果と、に基づいて、前記工作機械が備える機械構造体の熱変位に起因する前記工具と前記被加工物との間の位置関係の変位量を算出するとともに、前記変位量を補正する補正量を算出する補正量算出部と、
    前記工具を移動させる駆動部を、前記補正量を用いて制御する駆動制御部と、
    を有し、
    前記温度解析部は、
    前記状態遷移が生じたタイミングに対して重み付けを与える係数であって前記状態遷移に対する熱変位の熱時定数遅れを表す補正係数を、前記状態遷移の解析結果に基づいて設定し、設定した補正係数を用いて前記変位量を算出することを特徴とする工作機械制御装置。
  2. 前記温度解析部は、
    前記工作機械のうち局所発熱する部位で測定された時々刻々の温度変化である局所発熱温度変化をさらに解析し、前記局所発熱温度変化の解析結果を用いて前記変位量を算出することを特徴とする請求項1に記載の工作機械制御装置。
  3. 前記駆動制御部の動作に基づいて、前記駆動部の駆動状態を認識する駆動状態認識部をさらに有し、
    前記温度解析部は、
    前記駆動部の駆動状態に基づいて前記状態遷移を解析することを特徴とする請求項2に記載の工作機械制御装置。
  4. 前記温度解析部は、
    前記状態遷移が生じたタイミングに対して重み付けを与える係数であって前記局所発熱温度変化に対する熱変位の熱時定数遅れを表す補正係数を、前記局所発熱温度変化の解析結果に基づいて設定し、設定した補正係数を用いて前記変位量を算出することを特徴とする請求項2または3に記載の工作機械制御装置。
  5. 前記温度変化状態は、温度が安定した状態である温度安定状態、温度が上昇している状態である温度上昇状態および温度が下降している状態である温度下降状態の何れかであることを特徴とする請求項1に記載の工作機械制御装置。
  6. 工具を移動させて被加工物を加工する工作機械において、
    前記被加工物の加工を行う加工部と、
    前記加工部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記加工部が設置された環境の温度である環境温度を解析するとともに、前記加工部に関する時々刻々の温度変化の傾向である温度変化状態の状態遷移を解析する温度解析部と、
    前記環境温度の解析結果と、前記状態遷移の解析結果と、に基づいて、前記加工部が備える機械構造体の熱変位に起因する前記工具と前記被加工物との間の位置関係の変位量を算出するとともに、前記変位量を補正する補正量を算出する補正量算出部と、
    前記工具を移動させる駆動部を、前記補正量を用いて制御する駆動制御部と、
    を有し、
    前記温度解析部は、
    前記状態遷移が生じたタイミングに対して重み付けを与える係数であって前記状態遷移に対する熱変位の熱時定数遅れを表す補正係数を、前記状態遷移の解析結果に基づいて設定し、設定した補正係数を用いて前記変位量を算出することを特徴とする工作機械。
  7. 前記環境温度および前記状態遷移の解析結果を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の工作機械。
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