JP5865250B2 - 水性エポキシ樹脂塗料組成物用キット、水性エポキシ樹脂塗料組成物、塗装物品の形成方法、及び塗装物品 - Google Patents

水性エポキシ樹脂塗料組成物用キット、水性エポキシ樹脂塗料組成物、塗装物品の形成方法、及び塗装物品 Download PDF

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Description

本発明は、水性エポキシ樹脂塗料組成物用キット、上記キットから形成された水性エポキシ樹脂塗料組成物、上記水性エポキシ樹脂塗料組成物を用いた塗装物品の形成方法、及び塗装物品の形成方法により形成された塗装物品に関する。
近年、有機溶剤による環境汚染、人体への影響等が考慮され、溶剤系塗料は、水系塗料に置換されつつある。
例えば、防食塗料の分野における水系塗料として、エポキシ樹脂エマルションを含む主剤及びアミン硬化剤からなる常温乾燥型の2液型水性エポキシ樹脂塗料組成物がよく用いられている(特許文献1、2等)。当該分野では、主剤の貯蔵段階における顔料沈降を防止するため、形成塗膜の仕上がり性を向上させるため等の目的として、水性塗料組成物に、粘性調整剤(増粘剤、沈降防止剤等と称される場合がある)が添加されることが一般的である。上記粘性調整剤として、例えば、会合型粘性調整剤が挙げられる。
会合型粘性調整剤は、一般に、1分子中に親水性部分と疎水性部分とを有し、水性媒体中で、上記疎水性部分が塗料中の顔料、エマルション粒子等の表面に吸着する、上記疎水性部分同士が会合する等により、網状構造を形成し、増粘作用を示すことができる。上記会合型粘性調整剤は、通常、疎水性相互作用によって網状構造を形成して粘度を発現する一方で、上記疎水性相互作用は結合力が比較的弱いため、大きなせん断力が加わった場合、上記網状構造が崩れ、粘度が低下すると考えられている。このため、上記会合型粘性調整剤を含有する水性塗料は、せん断速度の増加と共に粘度が低下する粘性特性を有する傾向がある。
従来、2液型水性エポキシ樹脂塗料組成物の分野では、上記会合型粘性調整剤が広く用いている。
特開平6−228272号 特開2000−226537号
上記2液型水性エポキシ樹脂塗料組成物は、塗装時に大きなせん断力が加わるスプレー塗装により塗装されることが多いが、上記2液型水性エポキシ樹脂塗料組成物では、主剤とアミン硬化剤とを混合した後、水を添加し、スプレー塗装に適した粘度に調整しようとすると、塗料粘度が極端に低下し、塗膜のタレ等の塗装作業性に問題が生ずる場合があった。
従って、本発明は、タレにくく、塗装作業性に優れる水性エポキシ樹脂塗料組成物を形成することができる水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、エポキシ樹脂エマルションを含む第1組成物(I)と、エポキシ基と反応可能な官能基を1分子中に2個以上有する化合物を含む第2組成物(II)とを有する水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットであって、第1組成物(I)及び/又は第2組成物(II)が、下記骨格を含むコポリマー(A):炭素数3〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)を少なくとも5質量%含有するモノマー成分(b)を重合することにより得られた、ポリマー鎖と重合性不飽和基とを有し且つ数平均分子量が1,000〜10,000の範囲にあるマクロモノマー(m)、及びノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)を含むことを特徴とする水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットにより、上記課題を解決することができることを見出した。
具体的には、本発明は以下の態様に関する。
[態様1]
エポキシ樹脂エマルションを含む第1組成物(I)と、エポキシ基と反応可能な官能基を1分子中に2個以上有する化合物を含む第2組成物(II)とを有する水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットであって、
第1組成物(I)及び/又は第2組成物(II)が、下記骨格を含むコポリマー(A):
炭素数3〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)を少なくとも5質量%含有するモノマー成分(b)を重合することにより得られた、ポリマー鎖と重合性不飽和基とを有し且つ数平均分子量が1,000〜10,000の範囲にあるマクロモノマー(m)、及び
ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)、
を含むことを特徴とする、上記水性エポキシ樹脂塗料組成物用キット。
[態様2]
コポリマー(A)が、マクロモノマー(m)の骨格と、ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)の骨格とを、それぞれ、1〜29質量部及び20〜99質量部の比率で含む、態様1に記載のキット。
[態様3]
コポリマー(A)が、マクロモノマー(m)の骨格、ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)の骨格以外の、その他の重合性不飽和モノマー(m)の骨格をさらに含み、マクロモノマー(m)の骨格、ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)の骨格、及びその他の重合性不飽和モノマー(m)の骨格が、それぞれ、1〜29質量%、20〜98質量%、及び1〜79質量%の比率で存在する、態様1又は2に記載のキット。
[態様4]
ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)が、N−置換(メタ)アクリルアミドである、態様1〜3のいずれか一つに記載のキット。
[態様5]
マクロモノマー(m)が、水酸基含有重合性不飽和モノマーを含むモノマー成分(b)を重合することにより得られた、態様1〜4のいずれか一つに記載のキット。
[態様6]
上記エポキシ樹脂エマルションが、ノニオン性を有する、態様1〜5のいずれか一つに記載のキット。
[態様7]
2液型又は2液1粉型である、態様1〜6のいずれか一つに記載のキット。
[態様8]
上記キットが、当該キットから形成される水性エポキシ樹脂組成物が、固形分に基づいて、第1組成物(I)及び第2組成物(II)に含まれる樹脂計100質量部に対して、コポリマー(A)を0.05〜30質量部の範囲で含むように、コポリマー(A)を含む、態様1〜7のいずれか一つに記載のキット。
[態様9]
態様1〜8のいずれか一つに記載のキットから形成された水性エポキシ樹脂塗料組成物。
[態様10]
被塗物を、態様9に記載の水性エポキシ樹脂塗料組成物で塗装し、塗膜を形成するステップ、
を含む、塗装物品の形成方法。
[態様11]
態様10に記載の塗装物品の形成方法により形成された塗装物品。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットは、タレにくく、塗装作業性に優れる水性エポキシ樹脂塗料組成物を形成することができる。
以下、本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットについて詳細に説明する。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットは、エポキシ樹脂エマルションを含む第1組成物(I)と、エポキシ基と反応可能な官能基を1分子中に2個以上有する化合物を含む第2組成物(II)とを有し、第1組成物(I)若しくは第2組成物(II)の一方、又は第1組成物(I)及び第2組成物(II)の両方が、コポリマー(A)を含む。
<コポリマー(A)>
コポリマー(A)は、炭素数約3〜約24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)を少なくとも約5質量%含有するモノマー成分(b)を重合することにより得られた、ポリマー鎖と重合性不飽和基とを有し且つ数平均分子量が約1,000〜約10,000の範囲にあるマクロモノマー(m)に由来する骨格と、ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)に由来する骨格とを含む。
コポリマー(A)は、塗料組成物中に存在する場合に、粘度発現性が高く且つせん断速度の増加と共に粘度が低下する粘度特性を有する。特に、水性エポキシ樹脂塗料組成物中に存在する場合に、粘度発現性が安定しており且つせん断速度の増加と共に粘度が低下する粘度特性を有する。コポリマー(A)は、上記粘度特性を有するため、粘性調整剤として好適である。
<マクロモノマー(m)>
本明細書では、炭素数約3〜約24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)を約5〜約100質量%含有するモノマー成分(b)を重合することにより得られた、ポリマー鎖と重合性不飽和基とを有し且つ数平均分子量が約1,000〜約10,000の範囲にあるマクロモノマー(m)を、単に「マクロモノマー(m)」と称する場合がある。
なお、本明細書では、「マクロモノマー」は、その末端の少なくとも一方に重合性不飽和基を有する高分子量化合物を意味する。
<モノマー成分(b)>
コポリマー(A)は、モノマー成分(b)を重合することにより形成され、モノマー成分(b)は、炭素数約3〜約24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)を少なくとも約5質量%含有する。
<炭素数約3〜約24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)>
炭素数約3〜約24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)としては、例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数約3〜約24のアルキル基を有する1価アルコールとのモノエステル化物が挙げられる。具体的には、例えば、アルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート、例えば、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート(ラウリル(メタ)アクリレート)、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、及びトリシクロデカニル(メタ)アクリレート、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを意味し、「(メタ)アクリルアミド」は、「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を意味する。
炭素数約3〜約24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)としては、得られる塗膜の仕上がり性の観点から、炭素数約4〜約18のアルキル基を有する重合性不飽和モノマーが好ましく、そして炭素数約4〜約8のアルキル基を有する重合性不飽和モノマーがさらに好ましい。具体的には、炭素数約4〜約18のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)としては、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、及び2−エチルヘキシルメタクリレートが好ましく、そしてn−ブチルメタクリレート、及び2−エチルヘキシルメタクリレートが、塗装粘度に調整した後の粘度発現性の観点から適している。
モノマー成分(b)は、炭素数約3〜約24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)を少なくとも約5質量%含有し、そしてモノマー成分(b)は、得られる塗膜の仕上がり性の観点から、炭素数約3〜約24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)を、少なくとも約20質量%含有することが好ましく、少なくとも約45質量%含有することがより好ましく、そして少なくとも約50質量%含有することがさらに好ましい。
なお、モノマー成分(b)において、炭素数約3〜約24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)の量の上限は、得られる塗膜の仕上がり性の観点から、約100質量%であり、好ましくは約95質量%であり、より好ましくは約90質量%であり、さらに好ましくは約85質量%であり、そしてもっとも好ましくは約80質量%である。
モノマー成分(b)は、炭素数約3〜約24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)以外の重合性不飽和モノマー(b)を含有することができる。
なお、本明細書において、炭素数3〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)以外の重合性不飽和モノマー(b)を、単に、「重合性不飽和モノマー(b)」と称する場合がある。
重合性不飽和モノマー(b)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の、炭素数1又は2のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香環含有重合性不飽和モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物、上記(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和基を1分子中に少なくとも2個有する重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等の含窒素重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等のイソシアナト基含有重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基含有重合性不飽和モノマー、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
モノマー成分(b)が、炭素数3〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)に加えて、重合性不飽和モノマー(b)を含有する場合には、炭素数3〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)及び重合性不飽和モノマー(b)の比率は、得られる塗膜の仕上がり性の観点から、約5〜約95質量%及び約5〜約95質量%であることが好ましく、約20〜約90質量%及び約10〜約80質量%であることがより好ましく、約45〜約85質量%及び約15〜約55質量%であることがさらに好ましく、そして約50〜約80質量%及び約20〜約50質量%であることがもっとも好ましい。
モノマー成分(b)は、塗装粘度に調整した後の粘度発現性の観点から、重合性不飽和モノマー(b)として、1種又は複数種の水酸基含有重合性不飽和モノマーを含有することが好ましい。
上記水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、重合性不飽和モノマー(b)の項で例示されるものが挙げられ、そして塗装作業性の観点から、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、及び4−ヒドロキシブチルメタクリレートが好ましく、そして2−ヒドロキシエチルメタクリレートがより好ましい。
モノマー成分(b)が、重合性不飽和モノマー(b)として水酸基含有重合性不飽和モノマーを含有する場合には、水酸基含有重合性不飽和モノマーは、塗装作業性及び耐水性の観点から、モノマー成分(b)の合計質量を基準として、好ましくは約5〜約60質量%、より好ましくは約10〜約55質量%、さらに好ましくは約10〜約50質量%、そしてもっとも好ましくは約10〜約45質量%の範囲内にある。
上述のモノマー成分(b)を重合することにより得られるマクロモノマー(m)は、塗装作業性の観点から、数平均分子量が約1,000〜約10,000の範囲内にあり、好ましくは約1,000〜約5,000の範囲内にあり、そしてより好ましくは約1,000〜約3,000の範囲内にある。マクロモノマー(m)の数平均分子量は、例えば、モノマー成分(b)を重合する際の、連鎖移動剤の量、反応温度、反応時間等によって調整することができる。
マクロモノマー(m)は、それ自体既知の方法で得ることができる。具体的には、例えば、下記の方法(1)、方法(2)、方法(3)等によって得ることができる。
方法(1):モノマー成分(b)を重合する際に、カルボキシル基、水酸基、アミノ基等の第1の化学反応性基を有する連鎖移動剤の存在下で重合を行うことによって、その末端に第1の化学反応性基を有する反応物を形成させる。次いで、上記反応物と、上記反応物中の第1の化学反応性基と反応可能な第2の化学反応性基を有する重合性不飽和モノマーとを反応させることによって、マクロモノマー(m)を得ることができる。
上記カルボキシル基、水酸基、アミノ基等の第1の化学反応性基を有する連鎖移動剤としては、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトエタノール、2−アミノエタンチオール等が挙げられる。
コポリマー(A)中の第1の化学反応性基と反応可能な第2の化学反応性基を有する重合性不飽和モノマーとしては、例えば、第1の化学反応性基がカルボキシ基である場合には、例えば、エポキシ基含有重合性不飽和モノマーが挙げられ、第1の化学反応性基が水酸基である場合には、例えば、イソシアナト基含有重合性不飽和モノマーが挙げられ、そして第1の化学反応性基がアミノ基である場合には、例えば、エポキシ基含有重合性不飽和モノマーが挙げられる。
上記エポキシ基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられ、そして上記イソシアナト基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、イソシアナトエチルメタクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。
方法(2):金属錯体を用いた触媒的連鎖移動重合(Catalytic Chain Transfer Polymerization、CCTP法)によって、マクロモノマー(m)を得ることができる。CCTP法は、例えば、特公平6−23209号明細書、特公平7−35411号明細書、特公平9−501457号明細書、特開平9−176256号明細書、Macromolecules 1996、29、8083〜8089等に記載されている。具体的には、金属錯体の存在下で、モノマー成分(b)を触媒的連鎖移動重合させることにより、マクロモノマー(m)を製造することができる。上記触媒的連鎖移動重合は、例えば、有機溶剤中での溶液重合法、水中での乳化重合法等により、行なうことができる。また、重合の際には、上記金属錯体に加え、必要に応じて、ラジカル重合開始剤を使用してもよい。
上記金属錯体としては、例えば、コバルト錯体、鉄錯体、ニッケル錯体、ルテニウム錯体、ロジウム錯体、パラジウム錯体、レニウム錯体、イリジウム錯体等が挙げられ、これらのうちコバルト錯体が触媒的連鎖移動剤として効率良く作用する。上記金属錯体の使用量は、特に限定されるものではないが、モノマー成分(b)の合計質量100質量部を基準として、通常約1×10−6〜約1質量部、好ましくは約1×10−4〜約0.5質量部の範囲内にある。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、ジ−tert−アミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4、4’−アゾビス(4−シアノブタン酸)、ジメチルアゾビス(2−メチルプロピオネート)、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、及び過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。上記ラジカル重合開始剤の量は、特に限定されるものではないが、モノマー成分(b)の合計質量100質量部に基いて、通常約0.1〜約10質量部、好ましくは約0.1〜約8質量部、そしてさらに好ましくは約0.1〜約6質量部の範囲内にある。
方法(3):付加開裂型連鎖移動剤を用いた付加開裂型連鎖移動重合法によって、マクロモノマー(m)を得ることができる。上記付加開裂型連鎖移動重合法は、例えば、特開平7−2954号明細書等に記載されている。具体的には、上記付加開裂型連鎖移動剤の存在下で、モノマー成分(b)を付加開裂型連鎖移動重合させることにより、マクロモノマー(m)を製造することができる。上記付加開裂型連鎖移動重合は、例えば、有機溶剤中での溶液重合法、水中での乳化重合法等により、行なうことができる。また、重合の際には、上記付加開裂型連鎖移動剤に加え、必要に応じて、ラジカル重合開始剤を併用することができる。
上記付加開裂型連鎖移動剤としては、例えば、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(「α−メチルスチレンダイマー」、「MSD」と略称される場合がある)が好ましい。上記付加開裂型連鎖移動剤の量は、特に限定されるものではないが、モノマー成分(b)の合計質量100質量部に基いて、通常約1〜約20質量部、好ましくは約2〜約15質量部、そしてさらに好ましくは約3〜約10質量部の範囲内にある。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、方法(2)おいて列挙されるラジカル重合開始剤が挙げられる。上記ラジカル重合開始剤の量は、特に限定されるものではないが、モノマー成分(b)の合計質量100質量部に基いて、通常約1〜約20質量部、好ましくは約2〜約15質量部、そしてさらに好ましくは約3〜約10質量部の範囲内にある。
方法(1)〜(3)のうち、方法(1)は、モノマー成分(b)を重合させてポリマーを得る工程と、得られたポリマーと重合性不飽和モノマーとを反応させて、上記ポリマーに重合性不飽和基を導入する工程との2つの反応工程が必要である。また、方法(2)は、金属錯体を使用するため、後述するコポリマー(グラフトポリマー)の製造時に、触媒的連鎖移動重合が起きる場合、得られるコポリマーが着色する場合等がある。
このため、反応工数の削減、得られるコポリマーにおける着色の抑制等の観点から、マクロモノマー(m)は、方法(3)の付加開裂型連鎖移動剤を用いた付加開裂型連鎖移動重合法によって得ることが好ましい。
<ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)>
本発明において、ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)としては、例えば、N−置換(メタ)アクリルアミド、ポリオキシアルキレン鎖を有する重合性不飽和モノマー、及びN−ビニル−2−ピロリドン、並びにこれらの組み合わせを挙げることができる。塗装粘度に調整した後の粘度発現性の観点から、N−置換(メタ)アクリルアミドが好ましい。
上記N−置換(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドブチルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドブチルエーテル、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N−シクロプロピルメタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−メチル,N−エチルアクリルアミド、N−メチル,N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドメチルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドメチルエーテル、N−メチロールアクリルアミドエチルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドエチルエーテル、N−メチロールアクリルアミドプロピルエーテル、N−メチロールメタクリルアミドプロピルエーテル、アクリロイルモルホリン、及びメタクリロイルモルホリン、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
塗装作業性の観点から、N−n−プロピルアクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、及びN,N−ジエチルメタクリルアミドが好ましく、そしてN,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドがさらに好ましい。
上記ポリオキシアルキレン鎖を有する重合性不飽和モノマーは、1分子中にポリオキシアルキレン鎖と重合性不飽和基とを含有するモノマーである。
上記ポリオキシアルキレン鎖としては、例えば、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシエチレンブロックとポリオキシプロピレンブロックとからなる鎖、ポリオキシエチレンブロックとポリオキシプロピレンとがランダムに結合してなる鎖等を挙げることができ、これらのポリオキシアルキレン鎖は、好ましくは約100〜約5,000、より好ましくは約200〜約4,000程度、そしてさらに好ましくは約300〜約3,000程度の範囲内の数平均分子量を有する。
上記ポリオキシアルキレン鎖を有する重合性不飽和モノマーの代表例としては、例えば、下記一般式(1)
Figure 0005865250
[式中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Rは、水素原子又は炭素数約1〜約4のアルキル基、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基、そしてより好ましくは水素原子又はメチル基を表し、Rは、炭素数約2〜約4、好ましくは炭素数約2又は約3、そしてより好ましくは炭素数約2のアルキレン基を表し、mは、約3〜約150、好ましくは約5〜約80、そしてより好ましくは約8〜約50の整数を表し、m個のオキシアルキレン単位(O−R)は、互いに同じであっても又は互いに異なっていてもよい]
で示される重合性不飽和モノマーを挙げることができる。
上記一般式(1)で示される重合性不飽和モノマーの具体例としては、例えば、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラピロプレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレン(プロピレン)グリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレン(プロピレン)グリコール(メタ)アクリレート、及びエトキシポリエチレン(プロピレン)グリコール(メタ)アクリレート、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。なお、本明細書において、「ポリエチレン(プロピレン)グリコール」は、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマーを意味し、ブロックコポリマーとランダムコポリマーとの両方を含む。
<その他の重合性不飽和モノマー(m)>
その他の重合性不飽和モノマー(m)は、コポリマー(A)の骨格の一部を形成しうるモノマーであり、そしてマクロモノマー(m)及びノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)以外の重合性不飽和モノマーを意味する。
なお、コポリマー(A)は、その他の重合性不飽和モノマー(m)に由来する骨格を、必要に応じて含むことができるが、当該骨格は必ずしもコポリマー(A)に含まれるものではない。
その他の重合性不飽和モノマー(m)は、コポリマー(A)に望まれる特性に応じて、適宜選択することができる。
その他の重合性不飽和モノマー(m)の具体例を以下に列挙する。これらは、それぞれ、単独又は2種以上組み合わせて使用することができる。
(i)アルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート:例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等。
(ii)イソボルニル基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート等。
(iii)アダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、アダマンチル(メタ)アクリレート等。
(iv)トリシクロデセニル基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、トリシクロデセニル(メタ)アクリレート等。
(v)芳香環含有重合性不飽和モノマー:例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等。
(vi)加水分解性シリル基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ−n−プロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン等。
(vii)フッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等。
(viii)マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー。
(ix)ビニル化合物:例えば、N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等。
(x)リン酸基含有重合性不飽和モノマー:例えば、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート等。
(xi)水酸基含有重合性不飽和モノマー:例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;上記(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;アリルアルコール等。
(xii)カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー:例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等。
(xiii)含窒素重合性不飽和モノマー:例えば、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等。
(xiv)重合性不飽和基を1分子中に少なくとも2個有する重合性不飽和モノマー:例えば、アリル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等。
(xv)エポキシ基含有重合性不飽和モノマー:例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等。
(xvi)分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート。
(xvii)スルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、アリルスルホン酸、4−スチレンスルホン酸等;これらスルホン酸のナトリウム塩及びアンモニウム塩等。
(xviii)紫外線吸収性官能基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等。
(xix)光安定性重合性不飽和モノマー:例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等。
(xx)カルボニル基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等。
(xxi)酸無水物基を有する重合性不飽和モノマー:例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等。
コポリマー(A)が、その他の重合性不飽和モノマー(m)に由来する骨格を含む場合には、コポリマー(A)は、塗料の粘度発現性及び形成される塗膜の仕上がり性の観点から、マクロモノマー(m)に由来する骨格と、ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)に由来する骨格と、その他の重合性不飽和モノマー(m)に由来する骨格とを、それらの合計質量を基準にして、下記の範囲で含むことができる。
マクロモノマー(m)に由来する骨格:
好ましくは約1〜約29質量%、より好ましくは約3〜約20質量%、
ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)に由来する骨格:
好ましくは約20〜約98質量%、より好ましくは約40〜約92質量%、
その他の重合性不飽和モノマー(m)に由来する骨格:
好ましくは約1〜約79質量%、より好ましくは約5〜約57質量%。
コポリマー(A)が、その他の重合性不飽和モノマー(m)に由来する骨格を含む場合には、その他の重合性不飽和モノマー(m)に由来する骨格は、塗装粘度に調整した後の粘度発現性の観点から、(xi)に示される水酸基含有重合性不飽和モノマー(以下、「水酸基含有重合性不飽和モノマー(xi)」と称する場合がある)に由来する骨格を含有することが好ましい。水酸基含有重合性不飽和モノマー(xi)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、そして2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。また、水酸基含有重合性不飽和モノマー(xi)としては、アクリレート、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、及び4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましく、そして2−ヒドロキシエチルアクリレートがより好ましい。
コポリマー(A)が、その他の重合性不飽和モノマー(m)に由来する骨格を含む場合であって、その他の重合性不飽和モノマー(m)に由来する骨格が水酸基含有重合性不飽和モノマー(xi)に由来する骨格を含有するときには、水酸基含有重合性不飽和モノマー(xi)に由来する骨格の量は、マクロモノマー(m)に由来する骨格と、ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)に由来する骨格と、その他の重合性不飽和モノマー(m)に由来する骨格との合計質量を基準にして、好ましくは約5〜約79質量%、そしてより好ましくは約10〜約57質量%の範囲にある。
コポリマー(A)は、通常、主鎖及び側鎖を有するグラフトポリマーであって、マクロモノマー(m)が側鎖部分を形成し、ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)及び所望によるその他の重合性不飽和モノマー(m)が主鎖部分を形成する。
コポリマー(A)は、マクロモノマー(m)及びノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)、並びに所望によるその他の重合性不飽和モノマー(m)を、それ自体既知の方法、例えば、有機溶媒中での溶液重合法、水中でのエマルション重合法等の方法により共重合することによって製造されうる。特に、コポリマー(A)を簡易に製造することができる溶液重合法が好ましい。
なお、本明細書では、コポリマー(A)を形成しうる、マクロモノマー(m)及びノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m)、並びに所望によるその他の重合性不飽和モノマー(m)を、まとめて、モノマー成分(m)と称する場合がある。
モノマー成分(m)を共重合する際に使用される重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、ジ−tert−アミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4、4’−アゾビス(4−シアノブタン酸)、ジメチルアゾビス(2−メチルプロピオネート)、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。上記重合開始剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いられうる。また、上記重合開始剤に、必要に応じて、例えば、糖、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、鉄錯体等の還元剤を併用し、レドックス開始剤として用いることができる。
上記重合開始剤の量は、モノマー成分(m)の合計質量100質量部を基準にして、通常約0.01〜約5質量部、そして好ましくは約0.1〜約3質量部である。上記重合開始剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、その種類、量等に応じて適宜選択することができる。例えば、上記重合開始剤を、あらかじめモノマー成分(m)又は反応溶媒に含ませることができ、又はモノマー成分(m)の重合時に、上記重合開始剤を一括して添加又は少量ずつ滴下することができる。
また、上記溶液重合法における溶媒としては、溶剤への連鎖移動が起こりにくく、且つ水溶性である有機溶剤が好ましい。このような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。上記溶液重合法における溶媒としては、エーテル系溶剤、及びグリコールエーテル系溶剤が好ましい。
重合反応時における上記有機溶剤の量は、モノマー成分(m)の合計質量100質量部を基準にして、通常約500質量部以下、好ましくは約50〜約400質量部、そしてさらに好ましくは約100〜約200質量部の範囲にある。
コポリマー(A)の重量平均分子量は、塗料の粘度発現性及び形成される塗膜の仕上がり性の観点から、好ましくは約20,000〜約1,000,000、より好ましくは約50,000〜約600,000、そしてさらに好ましくは約100,000〜約400,000の範囲にある。
なお、本明細書において、マクロモノマー(m)に代表される数平均分子量、及びコポリマー(A)に代表される重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。
上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」を1本、「TSKgel G3000HXL」を2本、及び「TSKgel G2000HXL」を1本(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
また、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel GMHHR−L」(商品名、東ソー社製)を1本使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:ジメチルホルムアミド(臭化リチウムとリン酸をそれぞれ10mM含む)、測定温度:25℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
コポリマー(A)は、粘度の発現性が高く且つせん断速度の増加と共に粘度が低下する粘度特性を有するため、水性塗料用の粘性調整剤として好適である。このため、本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットは、タレにくく、塗装作業性に優れる水性エポキシ樹脂塗料組成物を形成することができ、そして本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットから形成された水性エポキシ樹脂塗料組成物は、仕上がり性に優れた厚膜の塗膜を形成することができる。
コポリマー(A)は、本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットを構成する第1組成物(I)又は第2組成物(II)のいずれか一方、又はその両方に含まれうる。
<第1組成物(I)>
<エポキシ樹脂エマルション>
第1組成物(I)は、エポキシ樹脂エマルションを含む。
上記エポキシ樹脂エマルションは、例えば、エポキシ樹脂を水性媒体中に乳化分散することにより形成することができる。上記エポキシ樹脂エマルションは、アニオン性、ノニオン性又はカチオン性であることができるが、コポリマー(A)との相互作用による粘度発現性及び第1組成物の貯蔵安定性等の観点から、上記エポキシ樹脂エマルションはノニオン性であることが好ましい。
エポキシ樹脂エマルションを形成しうるエポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する樹脂であることが好ましく、そして上記エポキシ樹脂は、好ましくは約100〜約10,000、より好ましくは約150〜約5,000、そしてさらに好ましくは約160〜約1,000の範囲のエポキシ当量を有し、そして好ましくは約200〜約20,000、より好ましくは約300〜約10,000、そしてさらに好ましくは約320〜約2,000の範囲の数平均分子量を有する。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;上記ビスフェノール型エポキシ樹脂を二塩基酸等で変性したエポキシエステル樹脂;脂環式エポキシ樹脂;ポリグリコール型エポキシ樹脂;エポキシ基含有アクリル樹脂等が挙げられ、そして形成塗膜の防食性、付着性等の観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましく、そしてビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましい。
上記エポキシ樹脂の数平均分子量は、マクロモノマー(m)の数平均分子量と同様に測定することができる。
ノニオン性のエポキシ樹脂エマルションとしては、例えば、上記エポキシ樹脂をポリオキシアルキレンに由来する分散安定樹脂の存在下で、水性媒体中に分散させたエマルションを挙げることができる。
上記ポリオキシアルキレンに由来する分散安定樹脂としては、1分子中にポリオキシアルキレン単位とエポキシ基とを有している樹脂が好ましく、そしてポリエチレングリコールと、水酸基及びエポキシ基を有するエポキシ樹脂と、1分子中に活性水素を1個有する化合物と、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物との反応により得られる変性エポキシ樹脂がより好ましい。
上記ポリエチレングリコールは、約400〜約20,000、特に約600〜約10,000の範囲の数平均分子量を有することが好ましい。
上記ポリエチレングリコールの数平均分子量は、マクロモノマー(m)の数平均分子量と同様に測定することができる。
上記水酸基及びエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂が挙げられ、そしてビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
上記1分子中に活性水素を1個有する化合物は、上記変性エポキシ樹脂中のイソシアネート基をブロックするための化合物であり、例えば、メタノール、エタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等の1価アルコール;酢酸、プロピオン酸等の1価カルボン酸;エチルメルカプタン等の1価チオール;ジエチルアミン等の第2級アミン;ジエチレントリアミン、モノエタノールアミン等の1個の2級アミノ基又はヒドロキシル基と少なくとも1個の第1級アミノ基とを含有するアミン化合物の第1級アミノ基を、ケトン、アルデヒド又はカルボン酸と、例えば、約100〜約230℃の温度で反応させることにより、アルジミン、ケチミン、オキサゾリン又はイミダゾリンに転換した化合物;メチルエチルケトキシム等のオキシム;フェノール、ノニルフェノール等のフェノール類等が挙げられる。上記1分子中に活性水素を1個有する化合物は、一般に約30〜約2,000、そして好ましくは約30〜約200の範囲内の分子量を有する。
上記1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物としては、それ自体既知の脂肪族系、脂環族系又は芳香族系のポリイソシアネート化合物が挙げられ、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等及びこれらのポリイソシアネート化合物のビウレット化物、イソシアヌレート化物等、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
上記変性エポキシ樹脂は、それ自体既知の方法に従い、例えば、原料を混合し、実質的に未反応のイソシアネート基が存在しなくなるまで反応させることにより製造することができる。
上記変性エポキシ樹脂を分散安定樹脂として用いる場合には、エポキシ樹脂/変性エポキシ樹脂の比率は、固形分質量比に基づいて、好ましくは約50/50〜約80/20、そしてより好ましくは約60/40〜約75/25の範囲にある。上記ノニオン性のエポキシ樹脂エマルジョンは、エポキシ樹脂及び変性エポキシ樹脂に水を加えて混合攪拌することにより得ることができる。
<第2組成物(II)>
第2組成物(II)は、第1組成物(I)のエポキシ樹脂エマルションに含まれるエポキシ基と反応可能な官能基を1分子中に2個以上有する化合物を含み、そして当該化合物としては、例えば、活性水素当量が約40〜約300の範囲内にある公知のポリアミンが挙げられる。上記ポリアミンとしては、具体的には、例えば、メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノシクロヘキシルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリオキシプロピレンポリアミン等のポリアミン類;上記ポリアミンのエポキシ樹脂アダクト物、ケチミン化物、ポリアミドアミン類、ポリアミド樹脂等、並びにこれらの組み合わせを挙げることができる。また、上記エポキシ基と反応可能な官能基を1分子中に2個以上有する化合物として、水中での貯蔵安定性の観点から、上記ポリアミンを変性した、変成ポリアミンを採用することができる。
第2組成物(II)としては、上記ポリアミン又は変性ポリアミンを、分散安定樹脂を用いて水中に分散したものが挙げられる。
<水性エポキシ樹脂塗料組成物用キット>
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットにおいて、第1組成物(I)と、第2組成物(II)との比率は、当技術分野で通常用いられている比率であれば、特に制限されないが、第1組成物(I)中のエポキシ基と、第2組成物(II)中のエポキシ基と反応可能な官能基とが、モル比に基づいて、好ましくは約0.01〜約2.0、より好ましくは約0.1〜約1.0、そしてさらに好ましくは約0.2〜約0.8の範囲にある。上記キットから形成される塗膜の硬化性及び防食性の観点からである。
第1組成物(I)中のエポキシ基の量は、JIS K 7236:2001に準じ、試料を臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液と反応させ、未反応の臭化テトラエチルアンモニウムを過塩素酸酢酸で滴定することにより、測定することができる。第2組成物(II)中のエポキシ基と反応可能な官能基の量は、例えば、ポリアミン中の活性水素の場合には、JIS K 7237:1995に準じて、過塩素酸酢酸により滴定することにより測定することができる。
本発明において、コポリマー(A)は、第1組成物(I)及び第2組成物(II)のいずれか一方、又はその両方に含まれうる。特に、ノニオン性を有するコポリマー(A)は、第1組成物(I)及び第2組成物(II)のいずれにも添加することができるので、目的に応じて塗料設計の自由度を広げることが可能である。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットは、水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットから形成される水性エポキシ樹脂塗料組成物が、固形分に基づいて、樹脂100質量部(すなわち、第1組成物(I)及び第2組成物(II)に含まれる樹脂計100質量部)に対して、コポリマー(A)を、好ましくは約0.05〜約30質量部、より好ましくは約0.1〜約20質量部、そしてさらに好ましくは約0.5〜約10質量部の範囲で含むように、コポリマー(A)を含む。粘度発現性及び防食性等の観点からである。
なお、本明細書において、「固形分」は、試料から、水、有機溶剤等の揮発する成分を取り除いた残差を意味し、試料の質量に固形分濃度を乗じて算出することができる。固形分濃度は、試料約2gを、105℃で3時間乾燥させた残差の質量を、乾燥前の質量で除することにより測定することができる。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キット、より具体的には、第1組成物(I)及び/又は第2組成物(II)は、所望により、顔料;硬化触媒、界面活性剤、消泡剤、顔料分散剤、沈降防止剤、増粘剤、有機溶剤、造膜助剤、塗面調整剤等の塗料用添加剤;上記エポキシ樹脂エマルション以外の水性樹脂等をさらに含むことができる。
上記顔料としては、例えば、防錆顔料、体質顔料及び着色顔料を挙げることができる。
上記防錆顔料としては、例えば、リン酸亜鉛、リン・ケイ酸亜鉛、リン酸アルミニウム亜鉛、リン酸カルシウム亜鉛、リン酸カルシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸カルシウム、トリポリリン酸二水素アルミニウム、メタリン酸アルミニウム、メタリン酸カルシウム、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸アルミニウム、亜鉛末等が挙げられる。上記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、ベンガラ、シアニン系着色顔料、カーボンブラック、ジルコン粉末等が挙げられる。上記体質顔料としては、シリカ、バリタ粉、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、ホワイトカーボン、珪藻土、タルク、炭酸マグネシウム、アルミナホワイト、グロスホワイト、タンカル等が挙げられる。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットは、形成される塗膜の防食性の観点から、上記顔料として、防錆顔料を含むことが好ましい。本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットは、エポキシ樹脂エマルション、コポリマー(A)及び防錆顔料を含む第1組成物(I)と、第2組成物(II)とから成る2液型組成物であることが好ましい。
上記防錆顔料は、本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットから形成された水性エポキシ樹脂塗料組成物中に、固形分に基づいて、樹脂計100質量部あたり、上記防錆顔料が、一般的には約10〜約80質量部、そしてより一般的には約15〜約70質量部の範囲で含まれるように、本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットに含まれることが好ましい。
また、上記防錆顔料が亜鉛末である場合には、本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットから形成された塗膜中に、固形分に基づいて、樹脂計100質量部あたり、亜鉛末が約800〜約2000質量部、特に約1200〜約1800質量部の範囲で含まれるように、本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットに亜鉛末を含ませることができる。本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットが亜鉛末を上記範囲で含むことにより、ジンクリッチペイントを形成することができる。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットは、例えば、第1組成物(I)と、第2組成物(II)とから成る2液型塗料、第1組成物(I)と、第2組成物(II)と、顔料とから成る2液1粉型等であることができる。本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットを、一般的には塗装の直前に混合し、水性エポキシ樹脂塗料組成物を形成することができる。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットから形成される水性エポキシ樹脂塗料組成物で、種々の被塗物を塗装することにより、防食性に優れた塗膜を形成することができる。
上記被塗物としては、特に制限されず、例えば、鋼構造物の構成部材である鋼管、鋼管矢板、鋼矢板、鋼板等の鋼材が挙げられる。
上記鋼材としては、例えば、オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系等のステンレス鋼板;チタン又はチタン合金板;アルミニウム板;溶融亜鉛又は亜鉛合金めっき板等の耐食性鋼材;SPA材、SMA材等の耐候性鋼材が挙げられる。
なお、上記鋼材には、あらかじめさび止め塗装、プライマー塗装等が塗装されていてもよい。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットから形成される水性エポキシ樹脂塗料組成物は、種々の塗装手段を用いて塗装されうる。上記塗装手段としては、例えば、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、リシンガン、万能ガン、ハケ、ロールコーター等が挙げられ、上記塗装手段は、被塗物の用途等に応じて適宜選択することができる。形成した塗膜は、常温で乾燥させることができるが、所望により加熱し、強制乾燥することもできる。
本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットは、粘性調整剤として、コポリマー(A)を含む。従って、本発明の水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットから形成された水性エポキシ樹脂塗料組成物は、同様に、粘性調整剤としてコポリマー(A)を含み、従来の粘性調整剤を含む塗料組成物よりも、タレにくく、塗装作業性が良好であり、そして常温乾燥の条件でも、仕上がり性に優れた塗膜を形成することができる。また、上記水性エポキシ樹脂塗料組成物は、第1組成物と、第2組成物と、所望による顔料とを混合し、そして水を添加し、塗装に適した粘度に調整した場合に、厚膜の、仕上がり性に優れた塗膜を形成することができる。
以下、実施例、及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
なお、下記例中の「部」及び「%」は、それぞれ、「質量部」及び「質量%」を意味する。
<マクロモノマーの製造>
[製造例1 マクロモノマー(m−1)の製造]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素ガス導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、エチレングリコールモノブチルエーテル16.0部及びMSD 3.5部を仕込み、気相に窒素ガスを通気し、液相を攪拌しながら160℃に昇温した。液相が160℃に達したら、液相に2−エチルヘキシルメタクリレート80部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20部及びジ−tert−アミルパーオキサイド3.5部からなる混合液を3時間かけて滴下し、同温度で2時間、液相を攪拌した。次いで、液相を30℃まで冷却し、エチレングリコールモノブチルエーテルで希釈することにより、固形分65%のマクロモノマー(m−1)の溶液を得た。マクロモノマー(m−1)の数平均分子量は、2,200であった。また、プロトンNMRで解析したところ、マクロモノマー(m−1)では、MSD由来のエチレン性不飽和基のうち97%以上がポリマー鎖末端に存在し、2%は消失していた。
なお、上記プロトンNMRにおける解析は、以下のように実施された。
(1)溶媒として重クロロホルムを使用し、重合反応前後の、MSDの不飽和基のプロトンに基づくピーク(4.8ppm、5.1ppm)と、マクロモノマー鎖末端のエチレン性不飽和基のプロトンに基づくピーク(5.0ppm、5.2ppm)と、MSDに由来する芳香族プロトンのピーク(7.2ppm)とを測定する。
(2)次いで、上記MSDに由来する芳香族プロトンのピーク(7.2ppm)は、重合反応前後で変化しないと仮定し、MSDに由来する芳香族プロトンのピークを基準として、各不飽和基が、未反応であるのか、マクロモノマー鎖の末端に存在するのか、又は消失したのかを定量化した。
[製造例2,3及び5]
配合を表1に示されるとおりに変更した以外は、製造例1と同様にして、固形分65%のマクロモノマー(m−2),(m−3)及び(m−5)の溶液を得た。
[製造例4及び6]
配合を、表1に示されるとおりに変更し、そして重合温度を120℃に変更した以外は製造例1と同様にして、マクロモノマー(m−4)及び(m−6)の溶液を得た。
表1に、マクロモノマー(m−1)〜(m−6)の溶液の原料組成(部)、モノマー成分(b)中の炭素数3〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b)の割合、水酸基価(mgKOH/g)及び数平均分子量を示す。
Figure 0005865250
<コポリマーの製造>
[製造例7 コポリマー(A−1)の製造]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素ガス導入管及び2つの滴下装置を備えた反応容器に、製造例1で得たマクロモノマー(m−1)の溶液15.4部(固形分10部)、エチレングリコールモノブチルエーテル20部及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート30部を仕込み、液中に窒素ガスを吹き込みながら85℃に昇温した。次いで、同温度に保持した反応容器内に、N,N−ジメチルアクリルアミド81部、2−ヒドロキシエチルアクリレート9部、エチレングリコールモノブチルエーテル10部及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート40部からなる混合液と、「パーブチル O」(商品名、日本油脂社製、重合開始剤、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート)0.2部及びエチレングリコールモノブチルエーテル20部からなる混合液とを、それぞれ、4時間かけて、同時に反応容器内に滴下し、滴下終了後、同温度で2時間攪拌して熟成させた。
次いで、同温度に保持した反応容器内に、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及びエチレングリコールモノブチルエーテル15部からなる混合液を1時間かけて滴下し、滴下終了後、同温度で1時間攪拌して熟成させた。次いで、エチレングリコールモノブチルエーテルを添加しながら、30℃まで冷却し、そして脱イオン水215部を添加することにより、固形分20%のコポリマー(A−1)の溶液を得た。得られたコポリマー(A−1)の重量平均分子量は15万であった。
[製造例8〜13]
配合を表2に示す通りに変更した以外は、製造例7と同様にして、固形分20%のコポリマー溶液(A−2)〜(A−7)を得た。
Figure 0005865250
<水性エポキシ樹脂塗料組成物用キット、及び水性エポキシ樹脂塗料組成物の製造>
[実施例1〜6及び比較例1〜5]
表3に示すように、エポキシ樹脂エマルションと、コポリマーの溶液と、顔料としての防錆顔料(リン酸亜鉛)及び体質顔料(タルク)とを混合し、第1組成物を得た。次いで、第1組成物と、第2組成物としてのアミン硬化剤とを、表3に示す割合で混合し、そしてB型粘度計(60rpm)で粘度が10ポイズになるように水で希釈し、水性エポキシ樹脂塗料組成物を得た。なお、実施例4は参考例である。
[実施例7]
表3に示すように、エポキシ樹脂エマルションと、顔料としての防錆顔料(リン酸亜鉛)及び体質顔料(タルク)とを混合し、第1組成物を得た。次いで、表3に示すように、アミン硬化剤と、コポリマーの溶液とを混合し、第2組成物を得た。次いで、第1組成物と、第2組成物とを、表3に示す割合で混合し、そしてB型粘度計(60rpm)で粘度が10ポイズになるように水で希釈し、水性エポキシ樹脂塗料組成物を得た。
[実施例8]
エポキシ樹脂エマルション10部と、コポリマー溶液(RC−1)2.5部とを混合することにより、第1組成物を得た。次いで、第1組成物12.5部と、アミン硬化剤4.2部と、及び亜鉛末75部とを混合することにより、水性エポキシジンクリッチペイントとしての水性エポキシ樹脂塗料組成物を得た。
<塗装物品の作成>
実施例1〜8及び比較例1〜5で製造された水性エポキシ樹脂塗料組成物を、みがき鋼板上に、乾燥膜厚60〜80μmになるようにエアスプレーで塗布し、23℃、50%相対湿度で7日間乾燥することにより、試験用塗板を得た。
実施例1〜8及び比較例1〜5で製造された水性エポキシ樹脂塗料組成物に関して、後述の手順に従って、塗装作業性を評価し、そして試験用塗板に関して、後述の手順に従って、防食性及び硬化性を評価した。結果を、併せて表3に示す。
Figure 0005865250
(注1)エポキシ樹脂エマルション:
温度計、攪拌機及び冷却管を備えたガラス製3つ口フラスコに、数平均分子量6000のポリエチレングリコール600gと、プロピレングリコールモノメチルエーテル13.5gと、「jER−834」(商品名、三菱化学株式会社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量;250、数平均分子量500)500gとを加え、100℃で、攪拌しながら混合し、均一になった後、フラスコにトリレンジイソシアネート52.2gを加え、2時間反応させた後、フラスコの温度を120℃に昇温し、さらに4時間反応させた。そして、系のイソシアネート価が0.5以下になったことを確認し、プロピレングリコールモノメチルエーテル117gを加えて希釈し、分散安定樹脂を製造した。この分散安定樹脂40gに、「jER−828」(商品名、三菱化学株式会社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量;190、数平均分子量380)65gを加え、攪拌機で攪拌しながら水を95g加え、固形分が51%のエポキシ樹脂エマルションを得た。
(注2)ウレタン会合型増粘剤:「Coapur 6050」、商品名、COATEX社製、有効成分50%、ポリウレタン会合型
(注3)アミン硬化剤:「TXH−694」、商品名、富士化成工業株式会社製、有効成分80%、変性ポリアミノアミドタイプ水系硬化剤、活性水素当量200。
[防食性]
試験用塗板を、JIS K5600−7−1:1999耐中性塩水噴霧試験500時間に供した後のサビ及びフクレについて、下記の基準で評価した。
○:サビ及びフクレが、全く観察されない
△:サビ及びフクレが、ごくわずかに観察される
×:サビ及びフクレが、少し発生する
なお、JIS K5600−7−1耐中性塩水噴霧試験は、35±2℃に設定されたスプレーキャビネットの中で、塩化ナトリウム50±5gを、1Lの蒸留水等に溶解した試験溶液を、垂直から20±5°の角度で設置された試験用塗板に、捕集面積80cm当たり、1〜2mL/hの量で連続してスプレーすることにより実施される。
[硬化性]
試験用塗板から、塗膜を一定量剥離し、剥離した塗膜を、テトラヒドロフランに浸漬して、20℃で24時間放置した後、塗膜をテトラヒドロフランから取り出し、110℃で1時間乾燥させ、ゲル分率を、次の式(2):
ゲル分率(%)
=(浸漬及び乾燥後の塗膜の質量/浸漬前の塗膜の質量)×100
に従って算出し、下記の基準で評価した。
◎:ゲル分率が70%以上である
○:ゲル分率が60%以上且つ70%未満である
△:ゲル分率が50%以上且つ60%未満である
×:ゲル分率50%未満である
[塗装作業性]
垂直に立てたみがき鋼板に、水性エポキシ樹脂塗料組成物を、エアスプレーを用いて、膜厚が段階的に厚くなるように傾斜塗装し、23℃及び50%相対湿度で7日間乾燥した後、垂れのない箇所の最大乾燥膜厚(μm)を測定し、塗装作業性(μm)として評価した。塗装作業性(μm)は、数値が大きいほど耐タレ性に優れることを意味する。

Claims (9)

  1. エポキシ樹脂エマルションを含む第1組成物(I)と、エポキシ基と反応可能な官能基を1分子中に2個以上有する化合物を含む第2組成物(II)とを有する水性エポキシ樹脂塗料組成物用キットであって、
    第1組成物(I)及び/又は第2組成物(II)が、下記骨格を含むコポリマー(A):
    炭素数3〜24のアルキル基を有する重合性不飽和モノマー(b1)を少なくとも5質量%及び水酸基含有重合性不飽和モノマーを含有するモノマー成分(b)を重合することにより得られた、ポリマー鎖と重合性不飽和基とを有し且つ数平均分子量が1,000〜10,000の範囲にあるマクロモノマー(m1)、及び
    ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m2)、
    を含むことを特徴とする、前記水性エポキシ樹脂塗料組成物用キット。
  2. コポリマー(A)が、マクロモノマー(m1)の骨格と、ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m2)の骨格とを、それぞれ、1〜29質量部及び20〜99質量部の比率で含む、請求項1に記載のキット。
  3. コポリマー(A)が、マクロモノマー(m1)の骨格、ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m2)の骨格以外の、その他の重合性不飽和モノマー(m3)の骨格をさらに含み、マクロモノマー(m1)の骨格、ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m2)の骨格、及びその他の重合性不飽和モノマー(m3)の骨格が、それぞれ、1〜29質量%、20〜98質量%、及び1〜79質量%の比率で存在する、請求項1又は2に記載のキット。
  4. ノニオン性の親水基を有する重合性不飽和モノマー(m2)が、N−置換(メタ)アクリルアミドである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のキット。
  5. 前記エポキシ樹脂エマルションが、ノニオン性を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のキット。
  6. 2液型又は2液1粉型である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のキット。
  7. 前記キットが、当該キットから形成される水性エポキシ樹脂組成物が、固形分に基づいて、第1組成物(I)及び第2組成物(II)に含まれる樹脂計100質量部に対して、コポリマー(A)を0.05〜30質量部の範囲で含むように、コポリマー(A)を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のキット。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のキットから形成された水性エポキシ樹脂塗料組成物。
  9. 被塗物を、請求項8に記載の水性エポキシ樹脂塗料組成物で塗装し、塗膜を形成するステップ、
    を含む、塗装物品の形成方法。
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