JP5863322B2 - 有害生物防除剤及びそれを用いた有害生物防除方法 - Google Patents

有害生物防除剤及びそれを用いた有害生物防除方法 Download PDF

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Description

本発明は、有害生物(害虫)を防除するのに適した有害生物防除剤、及びそれを用いた有害生物防除方法に関する。
一般に、家屋害虫と呼ばれる有害生物として、アリ、シロアリ、及びゴキブリ等を挙げることができる。これらの有害生物による被害は、有害生物の種類により様々である。例えば、アリは人間の生活環境に容易に侵入し、人間の食物を食べ荒らしたり、噛みついたりすることが知られている。さらに、アリは農業害虫であるアブラムシと共生関係にあるため、間接的には農業害虫であるともいえる。また、シロアリは、家屋や重要文化財等を構成する木材を食害することが知られている。さらに、ゴキブリは台所周辺に住みつくことが多く、人間の食物を食害するだけでなく、家電の配線等を損傷させたりする被害もある。
これらの有害生物害を防除するための防除剤は市場に多数出回っている。また、所定の構造を有する四級アンモニウム塩を有効成分として含有する防除剤が、ゴキブリ等の有害生物を駆除可能であることが知られている(特許文献1参照)。さらに、公知の害虫防除成分や殺虫成分を配合した固形の毒餌剤、及びこの毒餌剤を用いたダンゴムシ、アリ、シロアリ等の不快害虫の駆除方法が知られている(特許文献2参照)。
特開2007−308390号公報 特開2010−285354号公報
しかしながら、市販の防除剤や特許文献2に記載された毒餌剤は、ピレスロイド系化合物をはじめとする各種の殺虫成分を有効成分として含有するものである。このため、万が一にも人間の口に入らないよう、安全性を考慮しつつ厳格に取り扱う必要がある。また、特許文献1に記載された防除剤については、有害生物の防除効果や安全性の面でさらなる改良の余地がある。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、公知の殺虫剤等に用いられる殺虫成分を配合せずとも有害生物の防除効果(殺虫効果又は忌避効果)が高く、安全性に優れた有害生物防除剤、及びそれを用いた有害生物防除方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討したところ、驚くべきことに、食料品の保存剤として一般的に用いられるソルビン酸、デヒドロ酢酸、及びこれらの塩が、有害生物に対する高い防除(殺虫又は忌避)効果を示すことを見出した。そして、本発明者らはこのような知見に基づき、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、ソルビン酸カリウムとデヒドロ酢酸ナトリウムの少なくともいずれかの化合物を有害生物に対する有効成分として含有し、前記有害生物が、アリ、シロアリ、ダニ、又はダンゴムシであり、食毒としての作用により前記有害生物を殺虫して防除するために用いられる有害生物防除剤が提供される。
本発明においては、前記化合物が、ソルビン酸カリウムであることが好ましい。また、本発明の有害生物防除剤は、有害生物の摂食物質である基材に前記化合物が含有されたベイト剤であることが好まし
また、本発明によれば、上記の有害生物防除剤を、有害生物の生息域に施用することを含む有害生物防除方法が提供される。
本発明の有害生物防除剤は、公知の殺虫剤等に用いられる殺虫成分を配合しなくても、有害生物の防除効果(殺虫効果又は忌避効果)が高い。このため、本発明の有害生物防除剤は、高い防除効果を有するとともに、取り扱い易く、安全性に優れたものである。
また、本発明の有害生物防除方法によれば、アリ、シロアリ、ダニ、及びダンゴムシ等の有害生物を有効かつ安全に防除することができる。
実施例1〜3及び比較例1について、経過時間(時間)に対して致死虫数をプロットしたグラフである 実施例4〜6及び比較例1について、経過時間(時間)に対して致死虫数をプロットしたグラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「防除効果」とは、「殺虫効果」と「忌避効果」のいずれをも意味する。
本発明の有害生物防除剤は、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、及びこれらの塩からなる群より選択される少なくとも一種の化合物を含有する。これらの化合物(以下、単に「ソルビン酸等」とも記す)は、有害生物を防除(殺虫)可能な有効成分として有害生物防除剤に含有される。ソルビン酸等は、保存剤(又は防腐剤)として食料品に添加される成分として従来知られている。しかしながら、ソルビン酸等が有害生物の防除効果を有する点については従来知られていなかった。本発明の有害生物防除剤は、ソルビン酸等が有害生物に対する防除効果を有する点に着目し、ソルビン酸等を有害生物に対する有効成分として含有させた点に重要な特徴の一つがある。
ソルビン酸等は保存剤として食料品に添加される成分であるので、ピレスロイド系化合物等の一般的な殺虫成分に比して人畜に対する安全性が高い。また、これらの化合物は、有害生物に対する高い防除効果を有する。このため、有害生物に対する有効成分としてソルビン酸等を含有する本発明の有害生物防除剤は、従来の殺虫成分を配合しなくても有害生物の防除効果が高いとともに、優れた安全性を有する。
本発明の有害生物防除剤に有効成分として含有される化合物としては、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、及びこれらの塩の中でも、ソルビン酸カリウム、及びデヒドロ酢酸ナトリウム等の塩が好ましい。ソルビン酸カリウムやデヒドロ酢酸ナトリウムは水溶性が高く、製剤し易いとともに、防除対象となる有害生物の体内に取り込まれ易いといった利点がある。
上記化合物(ソルビン酸等)の配合割合は、製剤の種類、施用方法、時期、場所、及び有害生物の発生状況等によって適宜設定すればよい。具体的には、有害生物防除剤に含まれる上記化合物の割合は0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがさらに好ましく、1〜10質量%であることが特に好ましい。上記化合物の含有割合が0.1質量%未満であると、防除効果が不十分となる傾向にある。一方、上記化合物の含有割合が20質量%超であると、製剤化が困難となる傾向にある。
本発明の有害生物防除剤は、施用方法を考慮し、適当な補助剤を用いて製剤化することが好ましい。製剤の種類としては、例えば、乳剤、懸濁剤、水和剤、水溶剤、液剤、フロアブル剤、顆粒水和剤、粉剤、粒剤、丸剤、錠剤、ダスト剤、エアゾール剤、ペースト剤、ゲル剤、シート製剤、油剤、乳濁剤、微量散布剤、ベイト剤等を挙げることができる。いずれの製剤であっても有害生物に対する防除効果が発揮される。なお、ソルビン酸等は食毒としての作用が期待されることから、上記の製剤のなかでもベイト剤が好ましい。
ベイト剤の形状(形態)は特に限定されず、例えば、顆粒状固形剤(顆粒剤)、タブレット状固形剤(打錠剤)、棒状固形剤、粒状体、粉剤、ゲル剤、ゼリー剤、ゾル剤、液剤等の任意の形状に製剤することができる。
補助剤の具体例としては、固体担体、溶媒、安定剤、着色剤、界面活性剤等を挙げることができる。補助剤の配合割合は特に限定されないが、有害生物防除剤中、0.1〜99.9質量%であることが好ましく、0.1〜50質量%であることがさらに好ましい。補助剤の配合割合が0.1質量%未満であると、製剤化が困難となる傾向にある。一方、補助剤の配合割合が99.9質量%超であると、防除効果が不十分となる傾向にある。
本発明の有害生物防除剤をベイト剤とする場合、有効成分を含有させるための基材として有害生物の摂食物質を用いることが好ましい。このような摂食物質の具体例としては、タンパク質、炭水化物、脂質等を挙げることができる。
タンパク質の具体例としては、アクチン、アルブミン、カゼイン、フィブリン、フィブリノーゲン、ケラチン、グロブリン(α、β、γ)、ヘモグロビン、ミオシン等の動物性タンパク質;エデスチン、ゼイン、グリアジン、アラチン、ツェイン、グルテン等の植物性タンパク質等を挙げることができる。なお、フィッシュソリュブル、イナゴ、バッタ、カマキリ、コオロギ、ハチ、アブラムシ、ゴキブリ、チョウ、ガ、ハエ、魚、オキアミ、エビ、ミルク、チーズ、飼料用酵母、家畜肉、小麦粉、米粉、フスマ、大豆、綿実、菜種、ゴマ、粟、ヒエ、タマネギ、バナナ、落花生、カボチャ種、ソラマメ等から得られる固体又は液状物を用いることもできる。
炭水化物の具体例としては、デンプン粉、果汁、ハチミツ、廃糖蜜、砂糖きび、パラチノース、トレハロース、ソホロース、ツラノース、ラミナリビオース、ニゲエロース、セルビオース、キシロビース、ロイクロース、ゲンチオビオース、メルビース、ルチノース、プリムベロース、ビシアノース、ロビノース、N−アセチルグルコサミン、ガラクツロン酸、マンノース、キシロース、グルクロン酸、ショ糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、黒砂糖、赤砂糖、三温糖、麦芽糖、アラビノース、ガラクトース、ソルビトール、グリセリン等を挙げることができる。
また、脂質の具体例としては、木ロウ、ヤシ油、カカオ油、ヒマシ油、オリーブ油、落花生油、アマニ油、キリ油、麻実油、エノ油等の植物性油;哺乳類油、バター脂、脚脂、鯨油、イルカ油、イワシ油、ニシン油、タラ肝油、サメ肝油、イカ油、ハマグリ油、卵油、酵母や細菌等が生産する油脂等の動物性油等を挙げることができる。
摂食物質の配合割合は特に限定されないが、有害生物防除剤中、50〜99.9質量%であることが好ましく、60〜80質量%であることがさらに好ましい。摂食物質の含有割合が50質量%未満であると、有害生物の喫食性が低下する傾向にある。一方、摂食物質の含有割合が99.9質量%超であると、防除効果が不十分となる傾向にある。
本発明の有害生物防除剤には、製剤を容易にすべく増量剤を添加してもよい。増量剤の具体例としては、精製水、酸化チタン、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、珪藻土、結晶セルロース、クレー、カオリン、タルク、ベントナイト、ゼオライト、セピオライト、アタパルジャイト、アルミナ等を挙げることができる。なお、増量剤の配合割合は特に限定されないが、有害生物防除剤中、50〜99.9質量%であることが好ましい。
また、本発明の有害生物防除剤には、さらに必要に応じて、酸化防止剤、保存剤、誤食防止剤、乳化剤、誘引成分等の添加剤を添加してもよい。
酸化防止剤の具体例としては、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、dl−α−トコフェロール、ノルジヒドログアヤレチック酸、ブチルヒドロキシアニソール、メチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、グアヤク脂、L−システイン塩酸塩等を挙げることができる。また、保存剤の具体例としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸ジフェニル、サリチル酸、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム、ホウ酸等を挙げることができる。
誤食防止剤の具体例としては、安息香酸デナトニウム、セチル化ショ糖、トウガラシ末、アマランス、アマランスアルミニウムレーキ、エリスロシン、エリスロシンアルミニウムレーキ、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシドレッド、タートランジ、タートランジアルミニウムレーキ、サンセットイエローFCF、インジゴカルミン、銅クロロフィル等を挙げることができる。乳化剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸アミン塩等を挙げることができる。また、誘引成分の具体例としては、チーズ香料、バター香料、ピーナッツ香料、ピーチ香料、ストロベリー香料、ミルク香料等を挙げることができる。なお、これらの添加剤の配合割合は特に限定されないが、有害生物防除剤中、0.001〜20質量%であることが好ましい。
本発明の有害生物防除剤は、殺虫成分を含有させなくても、食料品用の保存剤として従来用いられているソルビン酸等を有害生物に対する有効成分(防除成分)として含有させることで、高い安全性と有害生物の防除効果とを両立している。このため、本発明の有害生物防除剤は、ソルビン酸、デヒドロ酢酸、及びこれらの塩以外の有害生物に対する有効成分(防除成分)を実質的に含有しないことが好ましい。これにより、安全性と有害生物に対する優れた防除効果のいずれもが有効に発揮される。なお、「ソルビン酸、デヒドロ酢酸、及びこれらの塩以外の有害生物に対する有効成分(防除成分)」とは、従来の有害生物防除剤に含有される一般的な殺虫成分(殺虫剤)をいう。また、「実質的に含有しない」場合には、有害生物防除剤の安全性に影響を与えない範囲において極微量に含有される場合が含まれる。
本発明の有害生物防除剤を用いれば、例えば、ヒメアリ、イエヒメアリ、クロヤマアリ、アミメアリ、アルゼンチンアリ、トビイロケアリ等のアリ;イエシロアリ、ヤマトシロアリ等のシロアリ;ワモンゴキブリ、チャバネゴキブリ、クロゴキブリ等のゴキブリ;イエダニ、マダニ、コナダニ、ハダニ等のダニ;ダンゴムシ;アオズムカデ、セスジアカムカデ、トビズムカデ等のムカデ;アカヤスデ、ヤケヤスデ、オビババヤスデ等のヤスデ;タバコシバンムシ、ジンサンシバンムシ等のシバンムシ;コクヌストモドキ、ヒラタコクヌストモドキ等のゴミムシダマシ;ノコギリヒラタムシ、カクムネヒラタムシ等のヒラタムシ;ワラジムシ;ナメクジ;バッタ;ゲジ;ハエ等を有効に駆除することができる。本発明の有害生物防除剤は、これらのなかでもアリ、シロアリ、ゴキブリ、ダニ、及びダンゴムシに対する防除効果が高く、アリに対する防除効果が特に高い。
本発明の有害生物防除剤は、防除対象となる有害生物に摂食させることで、その防除効果が特に有効に発揮される。また、摂食による防除だけでなく、忌避効果や、摂食等して致死した個体が他の個体に影響を及ぼす二次効果も期待される。
また、本発明の有害生物防除方法は、前述の有害生物防除剤を有害生物の生息域に施用することを含む防除方法である。有害生物防除剤の施用方法は特に限定されず、例えば水和剤等の液剤であれば、有害生物に直接的に噴霧すること等によって有害生物を防除することができる。また、ベイト剤等の固形剤であれば、有害生物の生息域や被害箇所等に配置すること等によって有害生物を防除することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
(1)食餌試験−1
(実施例1)
10%ショ糖水溶液にソルビン酸カリウムを溶解させて、ソルビン酸カリウム溶液(ソルビン酸カリウム濃度:1%)を調製した。調製したソルビン酸カリウム溶液を染み込ませた綿を、直径9cmの濾紙(アドバンテック社製、No.2)を敷いたシャーレの中央に、アルミフォイルを介して載置した。次いで、シャーレ中に供試虫(イエヒメアリ)30匹を投入して食餌試験を行った。供試虫を投入してから1、2、3、6、及び24時間後に供試虫の状態を観察し、「健全」、「転倒」、及び「致死」に分けて評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例2及び3)
ソルビン酸カリウムの濃度を2%及び5%としたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてソルビン酸カリウム溶液を調製した。その後、前述の実施例1と同様にして食餌試験を行った。評価結果を表1に示す。
(実施例4〜6)
ソルビン酸カリウムに代えてデヒドロ酢酸ナトリウムを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてデヒドロ酢酸ナトリウムの濃度が1%、2%、及び5%のデヒドロ酢酸ナトリウム溶液を調製した。その後、前述の実施例1と同様にして食餌試験を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
10%ショ糖水溶液のみを染み込ませた綿を使用したこと以外は、前述の実施例1と同様にして食餌試験を行った。評価結果を表1に示す。また、実施例1〜3及び比較例1について、経過時間(時間)に対して致死虫数をプロットしたグラフを図1に示す。さらに、実施例4〜6及び比較例1について、経過時間(時間)に対して致死虫数をプロットしたグラフを図2に示す。
Figure 0005863322
Figure 0005863322
表1、図1、及び図2に示す結果から明らかなように、ソルビン酸カリウムとデヒドロ酢酸ナトリウムのいずれも、濃度5%で致死率が100%となった。このため、いずれの有効成分(化合物)についても食毒効果が期待される。なお、6時間経過した時点では、いずれの化合物の場合も致死率が50%以下であった。このため、いずれの化合物も遅効性であることが示唆される。
(2)接触試験
参考例7)
ソルビン酸カリウムを水に溶解させ、5%ソルビン酸カリウム水溶液を調製した。調製したソルビン酸カリウム水溶液1mLを直径9cmの濾紙に均一に塗布し、十分乾燥させた(濾紙1枚当たりのAI(有効成分)量:50mg)。この濾紙をシャーレに敷き、さらに濾紙の中央にアルミフォイルを介して水を染み込ませた綿を載置した。次いで、シャーレ中に供試虫(イエヒメアリ)30匹を投入して接触試験を行った。供試虫を投入してから1、2、3、6、及び24時間後に供試虫の状態を観察し、「健全」、「転倒」、及び「致死」に分けて評価した。評価結果を表2に示す。
参考例8)
ソルビン酸カリウムに代えてデヒドロ酢酸ナトリウムを用いたこと以外は、前述の参考例7と同様にして5%デヒドロ酢酸ナトリウム水溶液を調製し、接触試験を行った。評価結果を表2に示す。
(比較例2)
5%ソルビン酸カリウム水溶液を濾紙に塗布しなかったこと以外は、前述の参考例7と同様にして接触試験を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0005863322
Figure 0005863322
表2に示す結果から明らかなように、ソルビン酸カリウムとデヒドロ酢酸ナトリウムのいずれを用いた場合も、転倒した個体数は多かったものの、致死した個体数は食餌試験時に比して少なかった。
(3)忌避試験
参考例9)
ソルビン酸カリウムを水に溶解させ、5%ソルビン酸カリウム水溶液を調製した。調製したソルビン酸カリウム水溶液1mLを、直径9cmの濾紙を二分割した切片に均一に塗布し、十分乾燥させた(切片1枚当たりのAI(有効成分)量:50mg)。この切片と無処理の切片をシャーレに敷き、さらに中央にアルミフォイルを介して水を染み込ませた綿を載置した。次いで、シャーレ中に供試虫(イエヒメアリ)30匹を投入して忌避試験を行った。供試虫を投入してから24時間後に、供試虫がいずれの切片上にいるのかカウントした。結果を表3に示す。
参考例10)
ソルビン酸カリウムに代えてデヒドロ酢酸ナトリウムを用いたこと以外は、前述の参考例9と同様にして5%デヒドロ酢酸ナトリウム水溶液を調製し、忌避試験を行った。結果を表3に示す。
(比較例3)
5%ソルビン酸カリウム水溶液を切片に塗布しなかったこと以外は、前述の参考例9と同様にして忌避試験を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005863322
表3に示す結果から、ソルビン酸カリウムとデヒドロ酢酸ナトリウムのいずれも有効な忌避効果を示すことが明らかである。
(4)二次効果試験
参考例11)
ソルビン酸カリウムを水に溶解させ、5%ソルビン酸カリウム水溶液を調製した。調製したソルビン酸カリウム水溶液を5匹の供試虫(イエヒメアリ)に噴霧して死亡させた。
直径9cmの濾紙をシャーレに敷き、このシャーレ中に、供試虫(イエヒメアリ)30匹と、死亡させた5匹の供試虫(イエヒメアリ)を投入して二次効果試験を行った。供試虫を投入してから24及び48時間後に30匹の供試虫の状態を観察し、「健全」、「転倒」、及び「致死」に分けて評価した。評価結果を表4に示す。
参考例12)
ソルビン酸カリウムに代えてデヒドロ酢酸ナトリウムを用いたこと以外は、前述の参考例11と同様にして5%デヒドロ酢酸ナトリウム水溶液を調製し、二次効果試験を行った。評価結果を表4に示す。
Figure 0005863322
表4に示す結果から、ソルビン酸カリウムとデヒドロ酢酸ナトリウムのいずれも有効な二次効果を示すことが明らかである。
(5)食餌試験−2
(実施例13)
直径9cmの濾紙(アドバンテック社製、No.2)に、0.1%デヒドロ酢酸ナトリウム水溶液1mLを滴下した。この濾紙を直径9cmのガラス製のシャーレに敷き詰めた。このシャーレ中にイエシロアリの職蟻50匹と兵蟻5匹を入れて食餌試験を行った。イエシロアリを投入してから1、3、5、8、24、及び48時間後に職蟻の状態を観察し、「健全」、「麻痺」、「痙攣」、及び「致死」に分けて評価した。評価結果を表5に示す。また、下記式に従って「反応率(%)」及び「致死率(%)」を算出した。算出した結果を表6に示す。
反応率(%)
={(健全×0+痙攣×0.3+麻痺×0.7+致死×1.0)/50}×100
致死率(%)=(死亡/50)×100
(実施例14〜16)
0.3%、0.5%、及び1%のデヒドロ酢酸ナトリウム水溶液を用いたこと以外は、前述の実施例13と同様にして食餌試験を行った。評価結果を表5に示す。また、算出した「反応率(%)」及び「致死率(%)」を表6に示す。
(比較例4)
デヒドロ酢酸ナトリウムを含有しない水を滴下したこと以外は、前述の実施例13と同様にして食餌試験を行った。評価結果を表5に示す。また、算出した「反応率(%)」及び「致死率(%)」を表6に示す。
Figure 0005863322
Figure 0005863322
表5及び6に示す結果から、デヒドロ酢酸ナトリウムの濃度が0.3%以上である場合に、特に有効な食毒効果を示すことが明らかである。なお、デヒドロ酢酸ナトリウムの濃度が0〜0.3%の場合には、濾紙の食害が確認された。また、デヒドロ酢酸ナトリウムの濃度が0.5%の場合には濾紙の食害はわずかであり、1%の場合には目立った食害を確認することはできなかった。
(6)食餌試験−3
(実施例17)
動物実験用粉体飼料(商品名「実験動物用試料MF」、オリエンタル酵母工業社製)に0.5%の濃度となるようにデヒドロ酢酸ナトリウム水溶液を加え、よくかき混ぜて供試飼料を得た。得られた供試飼料3gを直径9cmのガラス製のシャーレに入れた。このシャーレ中に、予め培養したコナヒョウヒダニを餌ごと0.5g(コナヒョウヒダニ約2500匹相当)投入し、全体に広めて食餌試験を行った。3日後、シャーレの内容物0.5gを取り出し、光学顕微鏡(×30)にて観察して健全な個体数を計測するとともに、致死率(%)を算出した。結果を表7に示す。
(実施例18〜21)
1%、3%、5%、及び10%の濃度となるようにデヒドロ酢酸ナトリウム水溶液を加えて得た供試飼料を用いたこと以外は、前述の実施例17と同様にして食餌試験を行った。結果を表7に示す。
(比較例5)
デヒドロ酢酸ナトリウム水溶液を加えない供試飼料を用いたこと以外は、前述の実施例17と同様にして食餌試験を行った。結果を表7に示す。
Figure 0005863322
表7に示す結果から、ソルビン酸ナトリウムの濃度が0.5%以上である場合に有効な食毒効果を示すことが明らかである。
(7)食餌試験−4
(実施例22)
0.1%の濃度でデヒドロ酢酸ナトリウムを含有する粒状の供試薬剤0.1gを250mLのタッパーに入れた。このタッパー内に、トビイロシワアリ20匹を入れて食餌試験を行った。投入してから1、2、3、4、6、8、及び24時間後にトビイロシワアリの状態を観察し、「健全」、「転倒」、及び「致死」に分けて評価した。評価結果を表8に示す。
(実施例23〜25)
0.3%、0.5%、及び1%の濃度でデヒドロ酢酸ナトリウムを含有する供試薬剤を用いたこと以外は、前述の実施例22と同様にして食餌試験を行った。評価結果を表8に示す。
(比較例6)
デヒドロ酢酸ナトリウムを含有しない供試薬剤を用いたこと以外は、前述の実施例22と同様にして食餌試験を行った。評価結果を表8に示す。
Figure 0005863322
表8に示す結果から、デヒドロ酢酸ナトリウムの濃度が1%以下の低濃度であっても有効な食毒効果を示すことが明らかである。
本発明の有害生物防除剤は、アリ、シロアリ、ダニ、ダンゴムシ等の有害生物を防除するための剤として好適である。

Claims (4)

  1. ソルビン酸カリウムとデヒドロ酢酸ナトリウムの少なくともいずれかの化合物を有害生物に対する有効成分として含有し、
    前記有害生物が、アリ、シロアリ、ダニ、又はダンゴムシであり、
    食毒としての作用により前記有害生物を殺虫して防除するために用いられる有害生物防除剤。
  2. 前記化合物が、ソルビン酸カリウムである請求項1に記載の有害生物防除剤。
  3. 前記有害生物の摂食物質である基材に前記化合物が含有されたベイト剤である請求項1又は2に記載の有害生物防除剤。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の有害生物防除剤を、有害生物の生息域に施用することを含む有害生物防除方法。
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