JP5862058B2 - 空気調和装置の室外機 - Google Patents
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Description
(1)空気調和装置の構成の概要
本発明の一実施形態に係る空気調和装置10は、図1に示されているように、室内機20と室外機30とが連絡配管12によって接続されて構成されている。この空気調和装置10は、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転、給気運転及び排気運転などの複数の運転モードを持っており、これらの運転モードを適宜組み合わせることもできる。
冷媒回路の動作は従来からあるものと変わらないが、図2に示されている冷媒回路の動作について簡単に説明する。
室内機20には、室内熱交換器21の他に、図2に示されているように、モータで駆動される室内ファン22が室内熱交換器21の下流側に設けられている。この室内ファン22はクロスフローファンである。室内ファン22が駆動されると、図1に示されている室内機20上部の吸込口23から吸い込まれた室内空気が、室内熱交換器21を通過して室内機20下部の吹出口24から吹き出される。
(3−1)室外機の構成の概要
室外機30は、ケーシング40と仕切板43とを備えており、図2に示すように、ケーシング40の内部空間が仕切板43によって送風機室41と機械室42とに分けられている。室外機30では、送風機室41から機械室42に風が回り込まないように、送風機室41と機械室42とが仕切板43によって遮蔽されている。
図3は、室外機30の斜視図であり、図1の室外機30からグリル45などが取り外された状態を示している。図4は、室外機30の平面図であり、室外機30の天板48が取外された状態を示している。図5は、室外機30の斜視図であり、前板46、天板48及び左側板50などが取り外されている状態を示している。また、図6は、図1のI−I線断面図である。
室外熱交換器33は、既に説明したように、ケーシング40の後側に配置される後面部331と左側面側に配置される左側面部332を有しており、上面視においてL字型の形状を呈する。この室外熱交換器33は、高さ方向に長く延びる多数のフィンと、フィンを貫いて水平に取り付けられて多数のフィンと熱的に接続されている伝熱管とを有している。そして、室外熱交換器33は、底板49から天板48に達する背丈を持っている。伝熱管は、室外熱交換器33の両端部で複数回折り返されることによって高さ方向に多数列配置されている。例えば、冷房時には、室外熱交換器33の最下層の列の伝熱管から高温の冷媒が入って上の列ほど冷媒温度が下がるように配置され、暖房時には、最上層の列の伝熱管から低温の冷媒が入って下の列ほど冷媒温度が上がるように配置される。このような配置にすると、暖房時には、室外熱交換器33の上部付近で冷やされた外気が加湿ユニット60の吸湿用ダクト68に導かれる。
図7及び図8には、室外熱交換器33の前に配置されている加湿ユニット60が示されている。図7は、加湿ユニット60を取り出して、加湿ユニット60の前方右斜め上から見た斜視図であり、図8は、加湿ユニット60の後方右斜め上から見た斜視図である。ただし、図7及び図8は、図4及び図5に示されている上部カバー67を取外した状態を示している。
図1に示されているグリル56は、ケーシング40の前板46に取り付けられ、吹出口44を覆っている。グリル56には、外気を吹き出すため、図9に示されている開口部56aが多数形成されている。
加湿ユニット60は、図2や図5などに示されているように、外気から吸湿するための吸湿部61と、放湿して空気を加湿するための放湿部62とを有する。この加湿ユニット60においては、吸湿部61と放湿部62とは、図10に示されているような1枚の円盤状の加湿ロータ63によって構成されている。つまり、加湿ロータ63は、吸湿部61と放湿部62とを兼ねる吸放湿材である。この円盤状の加湿ロータ63は、ゼオライト等の焼成によって形成されたハニカム構造のゼオライトロータである。加湿ロータ63は、円盤の中心を回転軸として回転するように取り付けられ、加湿ロータ63の周囲に設けられているギア64に伝達されるロータ駆動用モータ(図示省略)の動力によって回転駆動される。
図7及び図8に示されているように、円盤状の加湿ロータ63の外周の全周囲は、包囲壁65,66によって包囲されている。この加湿ユニット60では、吸湿部61の外周が包囲壁65によって覆われ、放湿部62の外周が包囲壁66によって覆われている。
吸湿部61の上部には、吸湿部61に外気を導くための吸湿用ダクト68が設けられている。吸湿用ダクト68を上から見ると、図4に示されているように、中心角αが180度より大きい扇形の吸湿部61の上を覆っている。
排気口69は、加湿ロータ63の下方にある。そして、この排気口69は、吸湿用ダクト68の上面からの投影部分にほぼ等しい領域を占める。排気口69の下方には、図6や図9に示されているように、プロペラ39bが配置されている。つまり、この排気口69は、プロペラ39bが回転するときに負圧になる空間70に対向していることになる。このような構成によって、ベルマウス52からプロペラ39bによって吹き出して吸気口68aに入った外気が、図9に二点鎖線で記されている経路を通って、負圧の空間70の方に引かれて排気口69から送風機室41に吹き出される。そのため、室外ファン39のみによって外気が吸湿部61に送られ、従来必要であった吸湿部61に外気を送るための専用のファンを省くことができる。
図10に示されているように、放湿部62から放湿させるために、加湿ロータ63の放湿部62の上方にヒータ71が設けられている。図11は、ヒータ71及びヒータ支持部材74を下方から見た底面図である。ヒータ71は、筒状の筐体の中に電熱線(図示省略)が設けられた構造を持ち、吸入口72から吸入されて加湿ロータ63に送られる外気を電熱線で加熱する。加湿ロータ63のハニカム構造の開口を加熱された空気が通り抜けるときに、加湿ロータ63からの放湿によって加湿用ダクト73の空気が加湿される。
加湿用ダクト73は、上述のように、加湿ロータ63の下方後面側に位置するとともに室外熱交換器33の前方に位置するため、室外熱交換器33を通過する外気にとっての送風抵抗になる。また、ターボファン75も室外熱交換器33の前に配置されると送風抵抗を発生させる原因になるため、比較的占有容積の大きなターボファン75は、図2や図4に示されているように機械室42に設置されている。
図12は、加湿ユニット60の断面形状を示すための室外機30の部分断面図である。加湿ユニット60は、ファンモータ台53の上にビス53aで固定されている。また、加湿ユニット60の前方が前板46にまで達している。固定された状態では、加湿ユニット60は前後左右に移動しない。そのため、室外熱交換器33の前面33aと加湿ユニット60後面60bとの間に所定隙間Isが形成されている。この隙間Isは、後面60bに形成されているリブ60cによって確実に保たれる。また、吸湿用ダクト68の後面側には、傾斜部68cが形成され、図12に示されている包囲壁65は下方に行くに従って前方に張り出すように傾斜している傾斜部65cが設けられている。傾斜部65cが設けられて下方が図12に示されているように傾斜していると、外気の通りが良くなる。
(4−1)
図4及び図5などに示されているように、加湿ユニット60のうち、加湿ロータ63やその周辺の部材の多くは、送風機室41に設置されている。一方、ターボファン75(加湿ファン)はケーシング40の機械室42に設置されている。機械室42は、送風機室41から分離されている空間であって、室外熱交換器33を通過する外気は、機械室42に流れない構成になっている。機械室42が送風機室41から分離されて遮蔽されているのは、機械室42に配置される圧縮機31などの振動による騒音が外部に漏れないようにするなどの理由による。
送風機室41と機械室42とは、仕切板43によって仕切られている。機械室42に設置されているターボファン75に、室外熱交換器33から室外ファン39に流れる外気が当たることがこの仕切板43によって完全に防がれる。このような仕切板43の働きによって、ターボファン75を機械室42に配置したことによる熱交換の性能低下の防止効果が十分に引き出される。
放湿部62からターボファン75に空気を導くために加湿ユニット60が有している加湿用ダクト73は、仕切板43を貫通して設置されている。加湿用ダクト73のうち仕切板43よりも機械室42側に在るものは、送風の妨げにならなくなる。その結果、加湿用ダクト73で発生する送風抵抗を減らし、熱交換の性能低下の防止効果を十分に引き出すことができる。
図5に示されているように、ターボファン75(遠心送風機)は、その回転軸の延びる方向D1を前後に向けて設置されている。ターボファン75が回転軸の延びる方向よりもそれに垂直な方向の方の寸法が大きくなるため、ターボファン75を設置するための前後方向の寸法が小さくてすみ、室外機30の前後方向の寸法を小さくできる。ターボファン75によって前後方向の寸法が大きくならないようにして、室外機30のダウンサイジングを図ることができる。
図5や図12に示されているように、吸湿部61と放湿部62を兼ねる円盤状の加湿ロータ63が水平に配置されている。このような構成により、加湿ユニット60は、上下方向よりも前後方向の方が大きい扁平な形状になる。それにより、前面から見た加湿ユニット60の投影面積が小さくなり、加湿ユニット60の送風抵抗を小さくすることができる。また、加湿ユニット60の上下方向の大きさが小さくなることで、高さ方向のダウンサイジングも容易になる。
図2に示されているダンパ78は、放湿部62とターボファン75(加湿ファン)との間に配置され、放湿部62からターボファン75に送られる空気の逆流を妨げる。ダンパ78のような小さな部品でターボファン75から室内機20への空気の逆流を防止できるので、逆流防止にダンパ78のような小型部品を使用することで室外機30のコンパクト化を妨げずに、室外機30の加湿機能の向上を図ることができる。なお、上記実施形態では空気調和装置10が排気運転も行うように構成されているためダンパ78を用いているが、排気運転を行わない場合にはダンパ78に代えて逆止弁を用いることもできる。
(5−1)
上記実施形態では、1台の室内機20に1台の室外機30が接続されているペア型の空気調和装置10について説明したが、本発明が適用できる空気調和装置のタイプはペア型には限られない。例えば、1台の室外機に複数台の室内機が接続されているマルチ型の空気調和装置にも本発明を適用することができる。
上記実施形態では、室外機30のケーシング40内が、送風機室41と機械室42の2つに分割されている場合について説明したが、内部に送風機室41が設けられているケーシング40であれば本発明の室外機を構成することができる。例えば、送風機室41と機械室42以外に仕切られた空間が形成されていてもよく、例えば機械室42が他の機能も含む他の室として設けられていてもよい。
上記実施形態では、室外熱交換器33が上面視L字型の形状を呈するものについて説明したが、本発明の室外機を構成する室外熱交換器は上述の形状には限られない。例えば、上面視I字型の形状を持つ室外熱交換器で構成することもできる。
上記実施形態では、室外ファン39がプロペラ型のプロペラ39bを持つものについて説明したが、プロペラ型のプロペラ39bを持つものに限られない。プロペラ型以外のタイプのプロペラを持つ室外ファンでも本発明の室外機を構成することができる。
上記実施形態では、吸湿部61が放湿部62よりも大きく、図4に示されているように、吸湿部61の中心角αが180度より大きい扇形になる場合について説明したが、吸湿部61と放湿部62の大きさは適宜設定できる。例えば。吸湿部61と放湿部62の大きさはほぼ等しくなるように、中心角をそれぞれ180度に設定することもできる。
上記実施形態では、吸湿部61に外気を導くための専用のファンやそのファンを駆動するためのモータを省いているが、従来よりも小型化された専用ファンや専用ファン用のモータを取り付けてもよい。そのような場合であっても、室外ファン39によって吸湿部61に送風されるため、吸湿部61に外気を導くためだけの専用ファンや専用ファン用のモータを従来に比べて小型化できる分だけ従来よりも室外機をコンパクト化できる。
上記実施形態では、仕切板43によって放湿部62とターボファン75との間を仕切り場合について説明したが、図13及び図14に示されている仕切板43によって吸湿部61と放湿部62との間で仕切るように構成することもできる。図13及び図14に示されているように、吸湿部61と放湿部62との境に仕切板43を配置することによって、放湿部62と加湿用ダクト73とターボファン75とを機械室42に設置するように構成することができる。それにより、室外熱交換器33を通過した外気によって放湿部62が冷やされるのを防ぐことができる。また、ターボファン75と加湿用ダクト73の一部だけでなく、放湿部62及び加湿用ダクト73の全体が室外熱交換器33を通過した外気の通路から外れるので、これらによる通風抵抗の増加を低減することができる。
上記実施形態では、ターボファン75が、その回転軸の延びる方向D1を前後に向けて設置される場合を例に挙げて説明したが、ターボファン75の設置方向はこの例に限られるものではない。例えば、図14に示されているように、回転軸の延びる方向D2をケーシング40の長手方向である左右方向に一致させるように構成することもできる。このように回転軸の延びる方向D2をケーシング40の長手方向に一致させることにより、ケーシングの長手方向の長さを短縮し易くなる。
20 室内機
30 室外機
33 室外熱交換器
39 室外ファン
40 ケーシング
60 加湿ユニット
63 加湿ロータ
68 吸湿用ダクト
73 加湿用ダクト
75 ターボファン
Claims (8)
- 空気調和を行うために室内機(20)に接続される空気調和装置(10)の室外機(30)であって、
機械室(42)及び外気が通過する送風機室(41)を有し、前面側にベルマウス(52)が取り付けられているケーシング(40)と、
前記送風機室に設置され、外気との間で熱交換を行う室外熱交換器(33)と、
前記送風機室に配置され、前記室外熱交換器から前記ベルマウスに向かって外気を送風する室外ファン(39)と、
外気から吸湿するため前記送風機室において前記室外熱交換器の上端の高さよりも低い位置に配置されている吸湿部(61)、放湿して空気を加湿するための放湿部(62)、及び前記機械室に配置されて前記放湿部で加湿された空気を前記室内機に送るための加湿ファン(75)を有し、前記ベルマウスの周囲に配置されている加湿ユニット(60)と、
を備え、
前記ケーシングは、前記室外熱交換器の上端の高さと同じかそれよりも低い位置において前面側に向かって開口するよう前記ベルマウスの周囲に配置され、前面側から外気を吸込む吸気口(68a)を有し、
前記加湿ユニットは、前記室外ファンによって外気が前記吸気口から入り前記吸湿部を通過して前記送風機室へと続く経路を通って流れるように構成されている、空気調和装置の室外機。 - 前記送風機室と前記機械室とを仕切る仕切部材(43)をさらに備える、
請求項1に記載の空気調和装置の室外機。 - 前記加湿ユニットは、前記放湿部から前記加湿ファンに空気を導くための加湿用ダクト(73)をさらに有し、前記加湿用ダクトが前記仕切部材を横切って設置されている、
請求項2に記載の空気調和装置の室外機。 - 前記加湿ユニットは、前記放湿部の少なくとも一部を前記機械室に配置している、
請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の室外機。 - 前記加湿ファンは、遠心送風機であり、前記遠心送風機の回転軸の延びる方向を前後に向けて設置されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。 - 前記加湿ファンは、遠心送風機であり、前記遠心送風機の回転軸の延びる方向を前記ケーシングの長手方向に向けて設置されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。 - 前記加湿ユニットは、前記吸湿部及び前記放湿部を構成するため前記送風機室に略水平に配置されている円盤状の加湿ロータ(63)をさらに有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。 - 前記加湿ユニットは、前記放湿部と前記加湿ファンとの間に配置され、前記放湿部から前記加湿ファンに送られる空気の逆流を妨げるダンパ(78)又は逆止弁をさらに有する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。
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