JP5861646B2 - カーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、カーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法に関する。
回路基板に回路パターンを形成する方法として、近年、回路基板上に導電性ペーストを用いて印刷などで回路パターンを形成する方法が開発されている。特に、耐熱性の低い電子部品の導通接続や、耐熱性の低い基板材料に回路パターンを形成する場合には、比較的低い温度範囲、例えば180℃以下の温度範囲で硬化する導電性ペーストが求められている。
導電性ペーストは電子部品の導通接続や回路パターン形成などに使用されるため、抵抗が低い必要がある。しかし、低温硬化型の導電性ペーストは硬化する際の体積収縮率が小さく、導電性ペースト中の金属粒子どうしの接触面積を安定して確保することが困難である。
このため、実用的に必要な低い抵抗を得ることができなかった。そこで、上記導電性ペーストに対して、カーボンナノチューブを混合することが提案されている(特許文献1〜3)。
カーボンナノチューブやカーボンナノファイバ等のカーボン材料は、電界放出型ディスプレイ(FED)、電界放出を用いた液晶用バックライトや電界放出型照明(FEL)等の電子放出源として広く利用されている。
特に、カーボンナノチューブ(CNT)は化学的および機械的耐久性に優れているだけでなく、電界放出に適した先鋭な先端形状と大きなアスペクト比を持っており、優秀な電子放出源として盛んに研究されている。
電界放出電極を作製するには、まず、電子放出源としてのカーボン材料、およびカーボン材料とカソード電極を接着させるためのガラス粉末などの無機物、電極構造の支持部材としての有機物バインダ、有機物バインダを溶解させる溶媒を混合して、電界放出電極に用いられるペーストを作製する。
特開2008−293821号公報 特開2006−120665号公報 特開2009−117340号公報
カーボンナノチューブはアスペクト比が高い形状であるため、カーボンナノチューブ同士がバンドルを組んでいたり、絡み合ったりしてしまう。その結果、溶媒や他の材料に対しての分散特性が悪く、導電性ペースト中に均一に分散することが困難であるため、高い導電性を確保することが容易ではない。
特に、導電性の高いカーボンナノチューブは欠陥が少なく、カーボンナノチューブを構成するグラファイト層が規則正しい六員環配列構造を持っているため、導電性ペースト中に分散する際に切断されにくい。また、表面の官能基も少ないため、分散が困難である。
導電性の高いカーボンナノチューブは、ラマン分光分析で測定されるD/G比が小さい。上記D/G比とは、ナノチューブ固有のラマンバンドであるGバンドと、欠陥由来のDバンドの強度比である。ここでD/G比が、例えば、0.2以下のカーボンナノチューブは分散しにくい。
さらに、カーボンナノチューブの密度は数10mg/cm程度であり、導電性ペーストに用いられる高沸点の溶媒にカーボンナノチューブを分散させた場合、溶媒の密度は約50〜100倍であるため、カーボンナノチューブの体積に対して溶媒の体積は非常に少なくなる。このため、カーボンナノチューブを分散させることが困難である。
導電性ペーストに用いられる溶媒以外の溶媒に、カーボンナノチューブを分散させた分散溶液を用いて、カーボンナノチューブを導電性ペーストなどの他の材料に分散させる場合、カーボンナノチューブを分散させるための溶媒が他の材料の成分である樹脂や硬化剤などを分解したり、変性させたりする悪影響を与えることがある。例えば、導電性ペーストの樹脂を分解する溶媒で分散したカーボンナノチューブ分散溶液を導電性ペースト材料に直接混合すると、導電性ペーストの特性は落ち、抵抗も高くなる。
また、電界放出源電極ペーストにおいても、従来の方法では、電子放出源となるカーボンナノチューブが均一に混ざらず、バンドル状、団子状などに凝集して絡み合ってしまう。
カーボンナノチューブが凝集している場合、ガラス粉末や有機物バインダと均一に混練することは困難になる。これにより、製造された電極の電子放出の際に電子放出源の数が減少するため、均一に電子放出しない。
特に、良質の結晶性を有するカーボンナノチューブは、高い電子放出特性を有しているので良いと考えられるが、分散が困難なことから、均一な混練ペースト作製は難しい。その結果、電界放出素子の輝点が非常に少なくなる。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、他の材料の成分に悪影響を与えない溶媒にカーボンナノチューブが均一に分散されているカーボンナノチューブ分散ペースト、その製造方法、を提供するものである。
本発明によると、カーボンナノチューブが溶媒に分散されており、
全溶媒中90体積%以上99.9999体積%未満で沸点が150℃以上である溶媒(A)と、
前記溶媒(A)の残余の体積%以下で前記溶媒(A)よりも沸点が低い溶媒(B)と、
を含むカーボンナノチューブ分散ペーストを作製することができる
溶媒(A)の沸点が150℃以上である理由は、カーボンナノチューブ分散ペーストを室温で保存する際に、長期間溶媒(A)が揮発せずにペースト濃度が変化しない状態を維持できるからである。なお、溶媒(B)の沸点は溶媒(A)の沸点よりも10℃以上低いことが好ましい。
また、本発明のカーボンナノチューブ分散ペーストは、カーボンナノチューブ1重量部が溶媒1〜100重量部に分散されていることが望ましい。カーボンナノチューブの密度を約20mg/cmとすると、溶媒の密度はその約50倍である。このため、カーボンナノチューブ1重量部が溶媒1〜100重量部に分散されている状態では、カーボンナノチューブの体積に対して、溶媒の体積比が、0.02〜2倍程度となるため、ペースト状となる。カーボンナノチューブに対する溶媒量を101重量部以上に増加させた場合、カーボンナノチューブ分散ペーストは溶媒量増加に伴って粘度が下がり、溶液状となる。
本発明のカーボンナノチューブ分散ペーストは、導電性粒子とバインダとをさらに含んでいてもよい。
また、本発明は、たとえば、上記カーボンナノチューブ分散ペーストを含む導電性ペーストを用いて回路パターンが基板上に形成された回路基板に用いることもできる
さらに、本発明は、たとえば、上記カーボンナノチューブ分散ペーストを電子放出源として用いているエミッタ電極に用いることもできる
さらに、本発明は、たとえば、上記エミッタ電極と、前記エミッタ電極に対向して設けられた、前記エミッタから放出された電子が衝突することで発光する蛍光体層と、を有する電界放出発光素子に用いることもできる
発明によると、カーボンナノチューブを沸点が150℃以上である溶媒(A)よりも低い溶媒(B)に分散させてカーボンナノチューブ分散溶液を得る工程と、
前記カーボンナノチューブ分散溶液を前記溶媒(A)に置換してカーボンナノチューブ分散ペーストを得る工程と、
を有し、
前記カーボンナノチューブ分散溶液を得る工程において、周波数および強度のうち、少なくともいずれか一方が異なる2種以上の超音波を交互に照射するカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法が提供される。
さらに、前記カーボンナノチューブ分散ペーストを得る工程において、混合混練することで、前記溶媒(B)を揮発させてもよい。なお、カーボンナノチューブ分散ペーストを得る工程の後、前記カーボンナノチューブ分散ペースト、導電性粒子、およびバインダを同時に混合混練する工程、または導電性粒子およびバインダを混合混練する第一の混合混練工程と、前記第一の混合混練工程の後、前記カーボンナノチューブ分散ペーストを添加して混合混練する第二の混合混練工程と、前記溶媒(A)の沸点以下の温度で前記カーボンナノチューブ分散ペーストを硬化させる工程と、をさらに含んでもよい。
なお、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
また、本発明の製造方法は、複数の製造工程を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の製造工程を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の製造方法を実施するときには、その複数の製造工程の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
さらに、本発明の製造方法は、複数の製造工程が個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある製造工程の実行中に他の製造工程が発生すること、ある製造工程の実行タイミングと他の製造工程の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
本発明のカーボンナノチューブ分散ペーストは、全溶媒中90体積%以上99.9999体積%未満で沸点が150℃以上である溶媒(A)と、溶媒(A)の残余の体積%以下であり、かつ溶媒(A)よりも沸点が低い溶媒(B)と、を含んでいる。このように沸点の異なる溶媒(A)と(B)を用いることによって、他の材料の成分に悪影響を与えない溶媒にカーボンナノチューブが均一に分散されているカーボンナノチューブ分散ペーストを実現することができる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
本発明の第一の実施形態における、導電性ペーストの模式図である。 第二の実施形態で回路基板の表面に導電性ペーストを供給した場合の工程図である。 第四の実施形態における、FEDおよびFELのカソード電極の構成の一例を模式的に示す斜視図である。 第四の実施形態における、実施例7の電界放出電極の発光写真を表した図である。 第四の実施形態における、比較例7の電界放出電極の発光写真を表した図である。
〔第一の実施形態〕
以下に、本発明を実施するための好ましい形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。
本実施の形態のカーボンナノチューブ分散ペースト1は、カーボンナノチューブが溶媒に分散されており、全溶媒中90体積%以上99.9999体積%未満で沸点が150℃以上である溶媒(A)と、溶媒(A)の残余の体積%以下で溶媒(A)よりも沸点が低い溶媒(B)と、を含む。
沸点が150℃以上である溶媒(A)としては、例えば、酢酸2−エトキシエチル、2−n−ブトキシエタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸2−n−ブトキシエチル、エチルカルビトール、カルビトールアセテート、テルピネオール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテートなどが挙げられる。
溶媒(A)より沸点の低い溶媒(B)としては、アセトン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、エタノール、アセトニトリル、イソプロピルアルコール、1,2−ジクロロエタン、トルエン、ジエトキシエタンなどの沸点が150℃以下の溶媒が挙げられる。溶媒(B)はこれらの溶媒でもよいし、用いる溶媒(A)よりも沸点が低ければ、沸点が150℃以上の溶媒でもよい。なお、溶媒(B)は、溶媒(A)より10℃以上低い沸点を有する溶媒であることが好ましい。本実施形態では、沸点の異なる溶媒(A)および(B)を用いることによって、分散性の悪いカーボンナノチューブを多量の溶媒(B)中で超音波などを用いて高効率に分散し、これを溶媒(A)で置換することによって、少量の溶媒(A)によく分散したカーボンナノチューブ分散ペースト1を得ることができる。
以下、本実施形態に係るカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法について説明する。
カーボンナノチューブ分散ペースト1は、例えば、以下に記載する方法で製造する。
まず、溶媒(B)にカーボンナノチューブ2を分散させ、周波数や強度が異なる超音波を複数種類、あるいは印加条件が異なる超音波を複数種類、組み合わせて照射する。ここで、印加条件が異なる超音波とは、例えば、チップ型の超音波もしくはプローブ型の超音波とバス型の超音波等を示す。このように、超音波を照射することによって、溶媒への分散性の悪いカーボンナノチューブ2を短時間で、かつ効率良く分散することができ、カーボンナノチューブ分散溶液を得ることができる。
次に、カーボンナノチューブ分散溶液の溶媒(B)を、少量の溶媒(A)に置換する。ここで少量とは、カーボンナノチューブ1重量部に対して溶媒1〜100重量部の量を示す。置換の方法は、三本ロールミル、あるいはホモジナイザー、スリップ粉砕器などの、混練しながら溶媒(B)を溶媒(A)に溶媒置換できるものを用いる。これらの器具を用いて混練することにより、溶媒(B)に分散したカーボンナノチューブの状態を保ちながら、溶媒(A)においても、カーボンナノチューブを適度に切断し、かつカーボンナノチューブを劣化させることなく分散性を上げることができる。こうすることにより、高分散なカーボンナノチューブ分散ペースト1を作製することができる。
本実施の形態において用いられるカーボンナノチューブ2は、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブと、カーボンナノホーン、カーボンナノホーン集合体、カーボンナノチューブとカーボンナノホーンの少なくとも1つが接合した構造のカーボンナノチューブナノホーン複合体などのカーボンナノ構造体を、含む。
これらのカーボンナノ構造体のうち、特に、ラマン分光分析で測定されるD/G比が0.2以下の結晶性が良質のカーボンナノチューブ2は、高い導電性を有している。
しかし、D/G比が0.2以下のカーボンナノチューブは、分散性が悪い。このため、本実施形態の製造方法を用いることによって、分散性向上の効果が高い。一方、カーボンナノホーンなどのD/G比が0.2より大きい場合、本実施形態の製造方法による分散性向上の効果は、D/G比が0.2以下の時と比べて小さいが、従来の方法と比べると大きい。
上記の方法で作製されたカーボンナノチューブ分散ペースト1は、溶媒置換の際に僅かの溶媒(B)が残留する。このため、沸点が150℃以上である溶媒(A)を全溶媒中90体積%以上99.9999体積%未満と、溶媒(A)よりも沸点が低い溶媒(B)を全溶媒中0.0001体積%以上10体積%未満含有する。
前述のように作製されたカーボンナノチューブ分散ペースト1に、導電性粒子とバインダである硬化性樹脂および硬化剤を加えて導電性ペーストを作製する。
図1は、本発明の第一の実施形態における、導電性ペーストの模式図である。
図1に示すように、導電性ペーストは、カーボンナノチューブ2と導電性粒子3と硬化性樹脂4とが均一に混合されている。このように、カーボンナノチューブ2と導電性粒子3と硬化性樹脂4とが均一に混合されていることは、不均一に混合されている場合と比べて、導電性粒子3の間にカーボンナノチューブ2が電気的ブリッジを形成することができ、導電性ペーストの導電性を向上させるという点でよい。
上記の導電性粒子3としては、銀、銅、金、錫、インジウム、ニッケル、パラジウムからなる群から選ばれるいずれか一種、または複数種の粒子の混合物、もしくは合金で構成される。上記の導電性粒子3の形状は特に限定されるものではなく、種々の形状、例えば、球状、鱗片状、板状、樹枝状、塊状、粒状、棒状、箔状、針状などの粒子を用いることができる。
上記の硬化性樹脂4としては、好適な組み合わせの硬化剤の存在下、熱硬化性樹脂、または光硬化性樹脂等の樹脂を用いることができる。そのような樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂からなる群から選ばれる1種以上のものを用いることができる。
上記の硬化剤は硬化性樹脂4に対応する好適な硬化剤成分の組合せが一般に知られており、そのようなものを本実施の形態においても用いることができる。例えば、エポキシ系樹脂を硬化性樹脂4として用いる場合には、硬化剤成分としてチオール、アミン、および酸無水物から選ばれる物質を用いることができる。
本実施形態のカーボンナノチューブ分散ペースト1は、導電性ペーストの溶媒もしくは構造の近い溶媒(A)中にカーボンナノチューブ2を均一に分散させることができる。このため、導電性粒子3や硬化性樹脂4、硬化剤と混合混練する際に、カーボンナノチューブ2を分散させる溶媒成分が導電性ペーストの材料を分解したり変性させたりする影響を最小限にすることができる。
このように、カーボンナノチューブ分散ペースト1を導電性粒子3や硬化性樹脂4、硬化剤(図示せず)と混合混練することにより、カーボンナノチューブ2が導電性粒子3間に均一に分散された導電性ペーストを得ることができる。
なお、カーボンナノチューブ分散ペースト1を導電性粒子3や硬化性樹脂4、硬化剤と混練して導電性ペーストを作製する方法は、カーボンナノチューブ分散ペーストを他の導電性ペーストの材料と同時に混合混練して導電性ペーストを作製してもよいし、他の材料を混練済みの導電性ペーストに後からカーボンナノチューブ分散ペースト1を加えて混練して導電性ペーストを作製してもよい。前述の両製造方法のいずれかを用いたとしても、カーボンナノチューブが均一に分散した導電性ペーストを作製することができる。
硬化性樹脂4の硬化を行った際、導電性ペーストは、硬化性樹脂4の全体の体積が収縮するため、各導電性粒子3の間隔は狭くなる。その結果、導電性粒子3の間にあるカーボンナノチューブ2は、導電性粒子3の良導電パスとして働くことができる。
これに対して、カーボンナノチューブ2が導電性樹脂に均一に分散されていない場合、カーボンナノチューブ2が導電性粒子3の間にない箇所ができてしまうことや、カーボンナノチューブ2の凝集部分では導電性粒子3の間の距離が広がり、導電性が妨げられたりすることが発生する。
本実施形態によるカーボンナノチューブ分散ペースト1を用いた導電性ペーストは、導電性粒子3の間にカーボンナノチューブ2を均一に分散できることで、導電性粒子3の導通接続を形成することができる。このため、従来の導電性ペーストと比べて、本実施形態に係る導電性ペーストは、高い導電性を実現することができる。
以下に実施例、比較例を示し、本実施形態について、さらに具体的に説明する。ただし、以下の例によって発明が限定されることはない。
以下の実施例、比較例において、試料を調整する各工程(工程1A,工程1A'、工程1B、工程2)は、下記に示す態様を意味している。
工程1A:カーボンナノチューブと溶媒(B)とを、2種の条件で超音波を照射
工程1A':カーボンナノチューブと溶媒(A)とを、2種の条件で超音波を照射
工程1B:カーボンナノチューブと溶媒(B)とを、1種の条件で超音波を照射
工程2 :カーボンナノチューブ分散溶液における溶媒(B)を溶媒(A)に置換してカーボンナノチューブ分散ペーストを得る
〔実施例1〕
カーボンナノチューブ1重量部をイソプロパノール(沸点82℃)1000重量部に混ぜ、45kHz、100Wのバス型の超音波と20kHz、300Wのプローブ型の超音波を交互に照射することにより、カーボンナノチューブ分散溶液を作製した(工程1A)。
このように作製したカーボンナノチューブ分散溶液とブチルカルビトールアセテート(BCA;沸点247℃)10重量部を混合し、三本ロールミルを用いて混練しながら、イソプロパノールを揮発させて溶媒置換し、カーボンナノチューブのBCA分散ペーストを作製した(工程2)。分散ペースト中の溶媒成分はイソプロパノールが約1体積%、BCAは99体積%であった。
このように作製したカーボンナノチューブ/BCA分散ペーストを、導電性粒子等と三本ロールミルで混合混練し、カーボンナノチューブ1重量部、銀粒子200重量部、エポキシ樹脂20重量部、および硬化剤2重量部とで構成される導電性ペーストを製造した(表1中<材料混ぜ>)。この導電性ペーストを150℃で硬化させた後、比抵抗を測定した。その結果を表1に示した。
〔実施例2〕
カーボンナノチューブ1重量部をイソプロパノール1000重量部に混ぜ、45kHz、100Wのバス型の超音波を照射することにより、カーボンナノチューブ分散溶液を作製した(工程1B)。
このように作製したカーボンナノチューブ分散溶液とBCA10重量部を混合し、三本ロールミルを用いて混練しながら、イソプロパノールを揮発させて溶媒置換し、カーボンナノチューブのBCA分散ペーストを作製した(工程2)。
このように作製したカーボンナノチューブ/BCA分散ペーストを、導電性粒子等と三本ロールミルで混合混練し、カーボンナノチューブ1重量部、銀粒子200重量部、エポキシ樹脂20重量部、および硬化剤2重量部とで構成される導電性ペーストを製造した。前記導電性ペーストを150℃で硬化させた後、比抵抗を測定した。その結果を表1に示した。実施例1との比較として実施例2は、溶媒(B)への1種類の超音波照射のみを用いている(工程1B)、という点で異なっている。つまり、実施例1のように、二種類の超音波を用いていないが、工程2は同様である。
〔実施例3〕
カーボンナノチューブ1重量部をイソプロパノール1000重量部に混ぜ、45kHz、100Wのバス型の超音波と20kHz、300Wのプローブ型の超音波を交互に照射することにより、カーボンナノチューブ分散溶液を作製した(工程1A)。
このように作製したカーボンナノチューブ分散溶液とBCA10重量部を混合し、三本ロールミルを用いて混練しながら、イソプロパノールを揮発させて溶媒置換し、カーボンナノチューブのBCA分散ペーストを作製した(工程2)。
このように作製したカーボンナノチューブ/BCA分散ペーストを、銀粒子200重量部、エポキシ樹脂20重量部、および硬化剤2重量部をあらかじめ三本ロールミルで混練した銀ペーストに、カーボンナノチューブ1重量部として後から加えて三本ロールミルで混練し、導電性ペーストを製造した(表1中<後混ぜ>)。この導電性ペーストを150℃で硬化させた後、比抵抗を測定した。その結果を表1に示した。
〔比較例1〕
銀粒子200重量部、エポキシ樹脂20重量部、および硬化剤2重量部とで構成される導電性ペーストを三本ロールミルで混合混練することによって製造し、150℃で硬化させた後、比抵抗を測定した。その結果を表1に示した。実施例1との比較として比較例1は、カーボンナノチューブを用いていない。
〔比較例2〕
カーボンナノチューブ1重量部、BCA溶媒10重量部、銀粒子200重量部、エポキシ樹脂20重量部、および硬化剤2重量部とで構成される導電性ペーストを三本ロールミルで混合混練することによって製造し、150℃で硬化させた後、比抵抗を測定した。その結果を表1に示した。実施例1との比較として比較例2は、導電性ペースト中の成分比は同じであるが、本実施の形態のカーボンナノチューブ分散ペーストおよびその製造方法を用いていない。
〔比較例3〕
カーボンナノチューブ1重量部をBCA10重量部に混ぜ、45kHz、100Wのバス型の超音波と20kHz、300Wのプローブ型の超音波を交互に照射することにより、カーボンナノチューブ分散ペーストを作製した(工程1A')。
このように作製したカーボンナノチューブ/BCA分散ペーストを、導電性粒子等と三本ロールミルで混合混練し、カーボンナノチューブ1重量部、銀粒子200重量部、エポキシ樹脂20重量部、および硬化剤2重量部とで構成される導電性ペーストを製造した。前記導電性ペーストを150℃で硬化させた後、比抵抗を測定した。その結果を表1に示した。実施例1との比較として比較例3は、溶媒(A)のみを用いており、前述の溶媒置換工程(工程2)を用いていない点で異なっている。
Figure 0005861646
〔第一の実施形態に係る実施例と比較例との検討結果〕
表1に示すように、実施例1の導電性ペーストは、比較例1や比較例2の導電性ペーストに比べて比抵抗を低減させる効果が大きい。つまり、カーボンナノチューブを導電性ペーストと混合混練する前に、溶媒(A)に均一に分散させたカーボンナノチューブ分散ペーストを用いた場合、導電性ペーストを混ぜない場合や導電性ペーストと同時に混合して混練を行った場合に比べて、比抵抗を低減することができ、高い導電性を実現することができる。
また、表1の結果から、比較例3の導電性ペーストは少量の溶媒(A)のみを用いたため、二種類の超音波を照射することによる分散性向上、比抵抗低減の効果はあるが、カーボンナノチューブの分散が均一でないために、比抵抗を低減する効果が実施例1よりも小さい。
実施例2の導電性ペーストは実施例1の二種類の超音波を一種類の超音波に代えた以外は同条件で作製され、カーボンナノチューブがある程度よく分散している。このため、比抵抗の低減効果は大きい。
実施例3の導電性ペーストは実施例1と同条件でナノチューブ分散ペーストを作製し、あらかじめ混練を行った銀ペーストに、後から混練を行うこと以外は実施例1と同条件で作製された。カーボンナノチューブが実施例1と同様に均一に分散されるため、比抵抗を低減することができる。
〔第二の実施形態〕
次に、第二の実施形態について詳細に説明する。
〔カーボンナノホーンへの適用〕
本実施形態は、カーボンナノホーンを用いて分散ペーストおよび導電性ペーストを作製した場合である。
以下に実施例、比較例を示し、本実施形態について、さらに具体的に説明する。ただし、以下の例によって発明が限定されることはない。
〔実施例4〕
カーボンナノホーン1重量部を1,2-ジクロロエタン(沸点84℃)1000重量部に混ぜ、45kHz、100Wのバス型の超音波と20kHz、300Wのプローブ型の超音波を交互に照射することにより、カーボンナノホーン分散液を作製した(工程1A)。
このように作製したカーボンナノホーン分散溶液とBCA10重量部を混合し、三本ロールミルを用いて混練しながら、1,2-ジクロロエタンを揮発させて溶媒置換し、カーボンナノホーンのBCA分散ペーストを作製した(工程2)。
このように作製したカーボンナノホーン/BCA分散ペーストを、導電性粒子等と三本ロールミルで混合混練し、カーボンナノホーン1重量部、銀粒子190重量部、エポキシ樹脂10重量部、および硬化剤1重量部とで構成される導電性ペーストを製造した。この導電性ペーストを150℃で硬化させた後、比抵抗を測定した。その結果を表2に示した。
〔実施例5〕
カーボンナノホーン1重量部を1,2-ジクロロエタン1000重量部に混ぜ、45kHz、100Wのバス型の超音波を照射することにより、カーボンナノホーン分散液を作製した(工程1B)。
このように作製したカーボンナノホーン分散溶液とBCA10重量部を混合し、三本ロールミルを用いて混練しながら、1,2-ジクロロエタンを揮発させて溶媒置換し、カーボンナノホーンのBCA分散ペーストを作製した(工程2)。
このように作製したカーボンナノホーン/BCA分散ペーストを、導電性粒子等と三本ロールミルで混合混練し、カーボンナノホーン1重量部、銀粒子190重量部、エポキシ樹脂10重量部、および硬化剤1重量部とで構成される導電性ペーストを製造した。この導電性ペーストを150℃で硬化させた後、比抵抗を測定した。その結果を表2に示した。実施例4との比較として実施例5は、溶媒(B)への1種類の超音波照射のみを用いている(工程1B)、という点で異なっている。つまり、実施例1のように、二種類の超音波を用いていないが、工程2は同様である。
〔実施例6〕
カーボンナノホーン1重量部を1,2-ジクロロエタン1000重量部に混ぜ、45kHz、100Wのバス型の超音波を照射することにより、カーボンナノホーン分散液を作製した(工程1B)。
このように作製したカーボンナノホーン分散溶液とBCA10重量部を混合し、三本ロールミルを用いて混練しながら、1,2-ジクロロエタンを揮発させて溶媒置換し、カーボンナノホーンのBCA分散ペーストを作製した(工程2)。
このように作製したカーボンナノホーン/BCA分散ペーストを、銀粒子190重量部、エポキシ樹脂10重量部、および硬化剤1重量部をあらかじめ三本ロールミルで混練した銀ペーストに、カーボンナノホーン1重量部として後から加えて三本ロールミルで混練し、導電性ペーストを製造した。この導電性ペーストを150℃で硬化させた後、比抵抗を測定した。その結果を表2に示した。
〔比較例4〕
銀粒子190重量部、BCA溶媒10重量部、エポキシ樹脂10重量部、および硬化剤1重量部とで構成される導電性ペーストを三本ロールミルで混合混練することによって製造し、150℃で硬化させた後、比抵抗を測定した。その結果を表2に示した。実施例4との比較として比較例4は、カーボンナノホーンを用いていない。
〔比較例5〕
カーボンナノホーン1重量部、BCA溶媒10重量部、銀粒子190重量部、エポキシ樹脂10重量部、および硬化剤1重量部とで構成される導電性ペーストを三本ロールミルで混合混練することによって製造し、150℃で硬化させた後、比抵抗を測定した。その結果を表2に示した。実施例4との比較として比較例5は、導電性ペースト中の成分比は同じであるが、本実施形態のカーボンナノホーン分散ペーストおよびその製造方法を用いていない。
〔比較例6〕
カーボンナノホーン1重量部をBCA10重量部に混ぜ、45kHz、100Wのバス型の超音波と20kHz、300Wのプローブ型の超音波を交互に照射することにより、カーボンナノホーン分散ペーストを作製した(工程1A')。
このように作製したカーボンナノホーン/BCA分散ペーストを、導電性粒子等と三本ロールミルで混合混練し、カーボンナノホーン1重量部、銀粒子190重量部、エポキシ樹脂10重量部、および硬化剤1重量部とで構成される導電性ペーストを製造した。前記導電性ペーストを150℃で硬化させた後、比抵抗を測定した。その結果を表2に示した。実施例4との比較として比較例6は、溶媒(A)のみを用いており、前述の溶媒置換工程(工程2)を用いていない。
Figure 0005861646
〔第二の実施形態に係る実施例と比較例との検討結果〕
表2に示すように、実施例4、5および6の導電性ペーストは、比較例4と比較例5の導電性ペーストと比べて比抵抗を低減させる効果が大きい。つまり、カーボンナノホーンを導電性ペーストと混合混練する前に、溶媒(A)に均一に分散させたカーボンナノホーン分散ペーストを用いた場合、導電性ペーストを混ぜない場合や導電性ペーストと同時に混合して混練を行った場合と比べて、比抵抗を低減することができ、かつ高い導電性を実現することができる。
また、表2の結果から、比較例6の導電性ペーストは少量の溶媒(A)のみを用いたため、二種類の超音波を照射することによる分散性向上、比抵抗低減の効果はあるが、分散が均一でない。このため、比抵抗を低減する効果が実施例4〜6よりも小さい。
実施例5の導電性ペーストは実施例4の二種類の超音波を一種類の超音波に代えた以外は同条件で作製され、カーボンナノホーンはカーボンナノチューブよりも分散性がよい。このため、一種類の超音波処理を行ったとしてもある程度よく分散し、比抵抗の低減効果は大きい。
実施例6の導電性ペーストは実施例5と同条件でカーボンナノホーン分散ペーストを作製し、あらかじめ混練を行った銀ペーストに後から混練を行うこと以外は、実施例5と同条件で作製された。カーボンナノホーンが実施例5と同様に均一に分散されるため、比抵抗を低減することができる。
〔第三の実施形態〕
次に、第三の実施形態について詳細に説明する。
〔回路基板への適用〕
本実施形態は、第一の実施形態で作製された、カーボンナノチューブ、導電性粒子、および硬化性樹脂とで構成される導電性ペーストを、基板の回路パターン形成や、基板への電子部品の実装に用いた場合である。
導電性ペーストは、第一の実施形態に示すように、カーボンナノチューブ1重量部を、溶媒1〜100重量部に均一に分散させたカーボンナノチューブ分散ペーストを用いて作製されたものである。
回路基板の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、熱可塑性樹脂、エポキシ、熱硬化性樹脂、アラミド不織布、ガラス織布、およびガラス布織布の群から選ばれる種々の材料を用いることができるが、これに限るものではない。
本実施形態に係る導電性ペースト1は、回路基板表面に所定のパターンで配置されており、回路基板上に回路パターンを形成している。回路パターンは、回路基板上に銅箔にて形成した一般的な配線などと同様に、さらに種々の対応する電子部品等を接続することができる。こうすることで、所望する回路基板を形成することができる。また、回路パターン上に電子部品を、電極が対応するような位置関係でとりつけることにより、回路基板に電子部品を実装することができる。
〔回路基板の形成方法〕
次に、導電性ペースト1を回路基板5の表面に形成する方法について説明する。なお、図2は、回路基板5の表面に導電性ペースト1を供給した場合の工程図である。
まず、図2(a)に示すように、回路基板5を準備する。
次に、図2(b)に示すように、回路基板5上に回路パターン7のネガとなるマスク6を載置し、マスク6上に導電性ペースト1を供給する。回路基板5上に導電性ペースト1でパターンを形成する方法としては、例えば、スクリーン印刷、インクジェット、ディスペンサー、含浸やスピンコートなどの各種方法が使用できる。
導電性ペースト1の各成分であるカーボンナノチューブ2と導電性粒子3は、硬化性樹脂4の中に分散されている。上記の状態において、カーボンナノチューブ2と各導電性粒子3との間には、適度の間隔が開けられているため、カーボンナノチューブ2と導電性粒子3との接触は形成されていない。
次に、図2(c)に示すように、回路基板5上に、導電性ペースト1を形成しマスク6を外した後、導電性ペースト1の回路パターン7に対して熱、光等を作用させ、還元剤を活性化させる。こうすることで導電性ペースト1は、そのパターンにて硬化し、回路基板5上に所望の回路パターン7を形成する。
硬化性樹脂4の硬化が進行すると、硬化性樹脂4の全体の体積は収縮する。その結果、カーボンナノチューブ2と各導電性粒子3との間の間隔は小さくなり、狭くなった導電性粒子3の間に、カーボンナノチューブ2が入り込む。こうすることで、導電性粒子3とカーボンナノチューブ2との間に電気的接触を形成することができる。その結果、導通成分を全体として接触させることができるため、カーボンナノチューブ2を介して導電性粒子3の全体にわたって導通接続を形成することができる。
また、図2(d)に示すように、回路パターン7に、電子部品8の電極(または端子)を対応するような位置関係で、取り付けてもよい。このとき、導電性ペースト1は、必要に応じて、所定の温度まで温度を上昇させ、所定の時間だけ配置する。こうすることで、導電性ペースト1を硬化させ、回路基板5に電子部品8の実装を行うことができる。
〔作用・効果の説明〕
次に、本実施形態における作用・効果について説明する。本実施形態における導電性ペースト1は、回路基板5表面に供給した後に、熱、光等を作用させる。導電性ペースト1を供給する工程においては、硬化性樹脂4の硬化反応はまだ始まっていないため、導電性ペースト1を供給する操作は、時間、供給操作、供給手段等に関して、比較的高い自由度を有することができる。
このため導電性ペースト1は、十分な流動性を保持することができ、一般的な印刷手段によって、回路基板5の表面に所定のパターンで供給することができる。例えば、図2(b)に示すように、導電性ペースト1は、回路基板5上に回路パターン7のネガとなるマスク6を載置し、該マスク6上に供給することができる。
本実施形態における導電性ペースト1は、回路基板5の表面に所定のパターンで塗布されており、回路基板5上に回路パターン7を形成している。回路パターン7は、回路基板5上に銅箔にて形成された一般的な配線などと同様に、種々の対応する電子部品8等を接続することで、所望する回路基板5を形成することができる。また回路パターン7上に、電子部品8を電極が対応するような位置関係でとりつけることによって、回路基板5に電子部品8を実装することができる。
本実施形態の導電性ペースト1は、回路パターン7として回路基板5に形成された場合、回路基板5に対して高い接着強度を実現することができる。このため、信頼性の高い回路基板5を形成することができる。
また、本実施形態の導電性ペースト1は、回路基板5に回路パターン7を印刷し、その後、電子部品8を配置し所定の温度まで温度を上昇させることによって、電子部品8を実装した場合においても、回路基板5および電子部品8に対して高い接着強度を実現することができる。
〔第四の実施形態〕
次に、第四の実施形態について詳細に説明する。本実施形態は、第一の実施形態のカーボンナノチューブ分散ペーストを用い、第一の実施形態とは異なる組成の電界放出電極(電子放出源電極)に用いられるペーストおよびその製造方法に関するものである。
電子放出源となるカーボンナノチューブは、前述のいずれかのカーボンナノチューブであればよい。特に、ラマン分光分析で測定されるD/G比が0.2以下の結晶性を有するカーボンナノチューブは、電子放出源としての特性が高く、かつ耐久性も高いので好ましい。しかし、良質の結晶性を有するカーボンナノチューブは、欠陥が少なく、表面官能基が少ないため、溶媒への分散性が悪いという欠点がある。
本発明のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法では、特に、良質の結晶性を有するカーボンナノチューブの分散性を、界面活性剤などを使用することなく、かつ簡便な方法で飛躍的に向上させることができる。
前述のように作製したカーボンナノチューブ分散ペーストを、カソード電極を接着させるためのガラス粉末などの無機物、電極構造の支持部材としての有機物バインダ、有機物バインダを溶解させる溶媒を混合して、電界放出電極に用いられるペーストを作製する。
無機物としては、例えば、ガラスフリット、アルミナ、ジルコニア、二酸化チタン、シリカなどが挙げられる。また、有機物バインダとしては、例えば、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、プロピレングリコール、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、アルキド系樹脂などが挙げられる。
本実施形態のカーボンナノチューブ分散ペーストは、電界放出電極に用いられるペーストの溶媒もしくは構造の近い溶媒(A)中にカーボンナノチューブを均一に分散させることができるため、無機物や有機物バインダと混合混練する際に、カーボンナノチューブを分散させる溶媒成分が電界放出電極に用いられるペーストの材料を分解したり変性させたりする影響を最小限にすることができる。
カーボンナノチューブ分散ペーストをガラスフリットなどの無機物や有機物のバインダと混合混練することにより、カーボンナノチューブがガラスフリットや有機物バインダ間に均一に分散された電界放出電極に用いられるペーストを得ることができる。上述のペーストを用いて作製した電極は、カーボンナノチューブの分散性が良いため、輝点数が多く、均一であり、かつ高効率な電子放出源として発光する。
図3は、第四の実施形態における、FEDおよびFELのカソード電極の構成の一例を模式的に示す斜視図である。
図3に示すように、本実施の形態に係る電界放出発光素子9は、アノード基板10と、カソード基板20と、スペーサ30と、を有している。
アノード基板10は、透明な基板11と、基板11上に形成されたアノード電極12と、アノード電極12上に形成された蛍光体層13と、を有している。なお、本実施形態では、アノード電極12として透明電極を適用する例を挙げて説明する。
カソード基板20は、金属、半導体または絶縁体からなる基板21と、カソード電極22と、エミッタ電極と、を有する。カソード電極22は、導電層であり、エミッタ電極は、電子放出層である。スペーサ30は、アノード基板10とカソード基板20との間に設けられている。このため、アノード基板10とカソード基板20との間は真空である。
アノード電極12とカソード電極22との電極間距離は、アノード基板10及びカソード基板20の間にスペーサ30を挟みこむことで決定する。アノード電極12とカソード電極22との電極間距離が広すぎる場合、構造上電子が放出されるべき場所以外に電子が放出されるため、発光効率の低下や放電が生じてしまう。
一方、アノード電極12とカソード電極22との電極間距離が短すぎる場合、電子を容易に放出することはできるものの、蛍光体層13を十分に発光させる電圧を得ることができない。以上のことから、アノード電極12とカソード電極22との電極間距離は0.1mm〜200mmが好ましく、1mm〜10mmであれば、より好ましい。
アノード電極12は、例えば、ITO、ZnO、TiO、カーボンナノチューブ等から構成される透明電極である。蛍光体層13には、CRT(Cathode Ray Tube)に用いられるような蛍光体を適用することができる。例えば、電子線が照射されると蛍光を発する電子線励起蛍光体である硫化物蛍光体、酸化物蛍光体、または窒化物蛍光体等を用いることができる。蛍光体層13は、例えば、スプレー法、スクリーン印刷、手塗り印刷、又は沈降法を用いて形成することが可能である。蛍光体層13の膜厚は、例えば、0.1μm〜100μmであることが好ましい。
カソード電極22は、金属や導電性のある金属酸化物等で構成される電極である。カソード電極22として使用される金属は、Ag、Au、Pt、Ti、Al、Cu、Cd、Pd、Zr、C、金属酸化物は、ITO、TiO、ZnOの中から選ばれる単体もしくは合金を用いることができる。
エミッタ電極は、カーボンナノチューブ2などのナノカーボン材料で構成される電子放出層である。エミッタ電極を塗布する方法としては、例えば、スクリーン印刷、スプレー法、手塗り印刷、又はインクジェット等を適用することができる。また、エミッタ電極は、第一あるいは第二の実施形態に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストを用いることにより、電極中のカーボンナノチューブの分散性が向上し、従来のエミッタ電極と比べて輝点数が多く、均一で、かつ高効率な電子放出源として発光する。
以下に実施例、比較例を示し、本実施形態についてさらに具体的に説明する。ただし、以下の例によって発明が限定されることはない。
〔実施例7〕
カーボンナノチューブ1重量部を1,2−ジクロロエタン(沸点84℃)1000重量部に混ぜ、45kHz、100Wのバス型の超音波と20kHz、300Wのプローブ型の超音波を交互に照射することにより、カーボンナノチューブ分散溶液を作製した(工程1A)。カーボンナノチューブはラマン分光分析で測定されるD/G比が0.2以下の結晶性が良質のカーボンナノチューブを用いた。
次に、カーボンナノチューブ分散溶液とテルピネオール(沸点218℃)10重量部を混合し、三本ロールミルを用いて混練しながら、1,2−ジクロロエタンを揮発させて溶媒置換し、カーボンナノチューブのテルピネオール分散ペーストを作製した(工程2)。
次に、カーボンナノチューブ/テルピネオール分散ペーストを、ガラスフリット、エチルセルロース等と三本ロールミルで混合混練し、カーボンナノチューブ1重量部、ガラスフリット7重量部、エチルセルロース2重量部、テルピネオール溶媒とで構成される電界放出電極に用いられるペーストを製造した。
次に、電界放出電極に用いられるペーストをスクリーン印刷機を用いて、ITO膜を成膜したカソード電極基板上に印刷し、80℃で乾燥し、5×10−3Torrの真空500℃で1時間焼成を行い、電界放出電極を作製した。
アノード基板10の蛍光体層13と、カソード基板20のエミッタ電極23は、スペーサ30で囲まれた空間を挟んで対向して設けられており、蛍光体層13とエミッタ電極23の間は真空である。
カソード電極22からアノード電極12に向かって正の電界をかけると、エミッタ電極23は電子を放出する。放出された電子をカソード電極22とアノード電極12との間の電位差で加速し、蛍光体層13に照射する。その結果、蛍光体層13が発光する。
アノード電極12は透明電極なので、蛍光体層13の発光を透過する。そのため、蛍光体層13から放射された光は、アノード電極12と透明なガラス基板11を透過して、外部を照射する。上記で作製した電界放出電極を用いて電子放出を行った結果を発光写真として図4に示す。
〔比較例7〕
カーボンナノチューブを、ガラスフリット、エチルセルロース等と三本ロールミルで混合混練し、カーボンナノチューブ1重量部、ガラスフリット7重量部、エチルセルロース2重量部、テルピネオール溶媒とで構成される電界放出電極に用いられるペーストを製造した。カーボンナノチューブなど材料は実施例7と同じものを用いた。
ただし、比較例7は、電界放出電極に用いられるペースト中の溶媒以外の成分比は、実施例7と同じであるが、溶媒(A)のみを用いており、前述の溶媒置換工程(工程2)は行わなかった。
このように作製した電界放出電極に用いられるペーストをスクリーン印刷機を用いて、ITO膜を成膜したカソード電極基板上に印刷し、80℃で乾燥し、5×10−3Torrの真空500℃で1時間焼成を行い、電界放出電極を作製した。これを用いて電子放出を行った結果を発光写真として図5に示す。
〔実施例と比較例との検討結果〕
図4、図5に示すように、実施例7の電界放出電極は、比較例7の電界放出電極に比べて発光輝点数が著しく多いことが分かる。
つまり、カーボンナノチューブを電界放出電極に用いられるペースト材料と混合混練する前に溶媒(A)に均一に分散させたカーボンナノチューブ分散ペーストを用いた場合、これを同時に混合して混練を行った場合に比べて、カーボンナノチューブをガラスフリットおよび有機物バインダ間に均一に分散することができることによって、電界放出電極の発光輝点を著しく増加させ、発光特性のよい電界放出発光素子を作製することができる。
本発明は、以下の態様も含む。
(1)
カーボンナノチューブが溶媒に分散されており、
全溶媒中90体積%以上99.9999体積%未満で沸点が150℃以上である溶媒(A)と、
前記溶媒(A)の残余の体積%以下で前記溶媒(A)よりも沸点が低い溶媒(B)と、
を含むカーボンナノチューブ分散ペースト。
(2)
前記カーボンナノチューブ2重量部が、前記溶媒1〜100重量部に分散されている、(1)に記載のカーボンナノチューブ分散ペースト。
(3)
(1)または(2)に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法であって、
周波数と強度と印加手法との少なくとも一つが相違する複数種類の超音波を組み合わせて前記カーボンナノチューブを前記溶媒に分散させる工程を有する製造方法。
(4)
(1)または(2)に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法であって、
前記カーボンナノチューブを前記溶媒(B)に分散させてカーボンナノチューブ分散溶液を生成する工程と、
前記カーボンナノチューブ分散溶液の前記溶媒(B)を沸点150℃以上の前記溶媒(A)に置換する工程と、
を有する製造方法。
(5)
(1)または(2)に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法であって、
周波数と強度と印加手法との少なくとも一つが相違する複数種類の超音波を組み合わせて前記カーボンナノチューブを前記溶媒(B)に分散させてカーボンナノチューブ分散溶液を生成する工程と、
前記カーボンナノチューブ分散溶液の前記溶媒(B)を沸点150℃以上の前記溶媒(A)に置換する工程と、
を有する製造方法。
(6)
導電性粒子とバインダとが、さらに分散されている(1)または(2)に記載のカーボンナノチューブ分散ペースト。
(7)
カーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法であって、
(3)ないし(5)の何れか一つに記載の製造方法により前記カーボンナノチューブ分散ペーストを製造し、
製造された前記カーボンナノチューブ分散ペーストに導電性粒子と前記バインダとを混合混練して前記カーボンナノチューブとともに分散させる製造方法。
(8)
カソード電極を接着させるための無機物と、
電極構造の支持部材としての有機物バインダと、
前記有機物バインダを溶解させる溶媒とが、
さらに分散されていて電子放出源電極の形成に用いられる(1)または(2)に記載のカーボンナノチューブ分散ペースト。
(9)
カーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法であって、
(3)ないし(5)の何れか一つに記載の製造方法により前記カーボンナノチューブ分散ペーストを作製し、
作製された前記カーボンナノチューブ分散ペーストに前記無機物と前記有機物バインダと前記溶媒とを混合混練して前記カーボンナノチューブとともに分散させる製造方法。
(10)
(6)または(8)のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ分散ペーストを用いたエミッタ電極と、
前記エミッタ電極に対向して設けられていて前記エミッタから放出された電子が衝突することで発光する蛍光体層と、
を有する電解放出発光素子。
この出願は、2010年12月20日に出願された日本出願特願2010−282884号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以下、参考形態の例を付記する。
1.カーボンナノチューブが溶媒に分散されており、
全溶媒中90体積%以上99.9999体積%未満で沸点が150℃以上である溶媒(A)と、
前記溶媒(A)の残余の体積%以下で前記溶媒(A)よりも沸点が低い溶媒(B)と、
を含むカーボンナノチューブ分散ペースト。
2.カーボンナノチューブ1重量部が、前記溶媒1〜100重量部に分散されている、1.に記載のカーボンナノチューブ分散ペースト。
3.前記溶媒(B)の沸点が、前記溶媒(A)の沸点より10℃以上低い1.または2.に記載のカーボンナノチューブ分散ペースト。
4.前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノホーン集合体、およびカーボンナノチューブとカーボンナノホーンが接合した構造のカーボンナノホーン複合体からなる群から選ばれるいずれか一種以上のカーボンナノ構造体を含む1.乃至3.のいずれか一つに記載のカーボンナノチューブ分散ペースト。
5.導電性粒子とバインダとをさらに含む、1.乃至4.のいずれか一つに記載のカーボンナノチューブ分散ペースト。
6.前記導電性粒子の材料は、銀、銅、金、錫、インジウム、ニッケル、パラジウムからなる群から選ばれるいずれか一種、または複数種の混合物、もしくは合金である5.に記載のカーボンナノチューブ分散ペースト。
7.前記バインダは、硬化性樹脂であり、前記硬化性樹脂は、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂である5.または6.に記載のカーボンナノチューブ分散ペースト。
8.前記硬化性樹脂は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、および不飽和ポリエステル樹脂からなる群より選ばれる1種以上のものである7.に記載のカーボンナノチューブ分散ペースト。
9.電界放出電極の形成に用いられる1.乃至8.のいずれか一つに記載のカーボンナノチューブ分散ペースト。
10.1.乃至9.のいずれか一つに記載のカーボンナノチューブ分散ペーストを含む導電性ペーストを用いて形成された回路パターンを基板上に有する回路基板。
11.ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、エポキシ樹脂、アラミド不織布、ガラス織布、およびガラス布織布からなる群から選ばれるいずれか一つ以上の材料で前記基板が形成されている10.に記載の回路基板。
12.1.乃至9.のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストを電子放出源として含むエミッタ電極。
13.12.に記載のエミッタ電極と、前記エミッタ電極に対向して設けられた、前記エミッタから放出された電子が衝突することで発光する蛍光体層と、を有する電界放出発光素子。
14.カーボンナノチューブを沸点が150℃以上である溶媒(A)よりも低い溶媒(B)に分散させてカーボンナノチューブ分散溶液を得る工程と、
前記カーボンナノチューブ分散溶液を前記溶媒(A)に置換してカーボンナノチューブ分散ペーストを得る工程と、
を有するカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
15.前記カーボンナノチューブ分散溶液を得る工程において、超音波を照射して前記カーボンナノチューブを前記溶媒(B)に分散させる14.に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
16.前記カーボンナノチューブ分散溶液を得る工程において、周波数および強度のうち、少なくともいずれか一方が異なる2種以上の超音波を交互に照射する14.または15.に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
17.前記カーボンナノチューブ分散ペーストを得る工程において、混合混練することで、前記溶媒(B)を揮発させる14.乃至16.のいずれか一つに記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
18.前記カーボンナノチューブ分散ペーストを得る工程の後、前記カーボンナノチューブ分散ペースト、導電性粒子、およびバインダを同時に混合混練する工程をさらに含む14.乃至17.のいずれか一つに記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
19.前記カーボンナノチューブ分散ペーストを得る工程の後、導電性粒子およびバインダを混合混練する第一の混合混練工程と、
前記第一の混合混練工程の後、前記カーボンナノチューブ分散ペーストを添加して混合混練する第二の混合混練工程と、
をさらに含む14.乃至17.のいずれか一つに記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
20.前記カーボンナノチューブ分散ペーストを得る工程の後、予め混練した銀ペーストに、前記分散ペーストを加えて混練する工程をさらに含む14.乃至17.のいずれか一つに記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。

Claims (6)

  1. カーボンナノチューブを沸点が150℃以上である溶媒(A)よりも低い溶媒(B)に分散させてカーボンナノチューブ分散溶液を得る工程と、
    前記カーボンナノチューブ分散溶液を前記溶媒(A)に置換してカーボンナノチューブ分散ペーストを得る工程と、
    を有し、
    前記カーボンナノチューブ分散溶液を得る工程において、周波数および強度のうち、少なくともいずれか一方が異なる2種以上の超音波を交互に照射するカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
  2. 前記カーボンナノチューブ分散溶液を得る工程において、超音波を照射して前記カーボンナノチューブを前記溶媒(B)に分散させる請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
  3. 前記カーボンナノチューブ分散ペーストを得る工程において、混合混練することで、前記溶媒(B)を揮発させる請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
  4. 前記カーボンナノチューブ分散ペーストを得る工程の後、前記カーボンナノチューブ分散ペースト、導電性粒子、およびバインダを同時に混合混練する工程をさらに含む請求項1乃至のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
  5. 前記カーボンナノチューブ分散ペーストを得る工程の後、導電性粒子およびバインダを混合混練する第一の混合混練工程と、
    前記第一の混合混練工程の後、前記カーボンナノチューブ分散ペーストを添加して混合混練する第二の混合混練工程と、
    をさらに含む請求項1乃至のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
  6. 前記カーボンナノチューブ分散ペーストを得る工程の後、予め混練した銀ペーストに、前記分散ペーストを加えて混練する工程をさらに含む請求項1乃至のいずれか一項に記載のカーボンナノチューブ分散ペーストの製造方法。
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