JP5860871B2 - 新規免疫アジュバント化合物およびその使用 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、免疫アジュバントとして使用するための環状βグルカン化合物およびそれを含むワクチン組成物に関する。
発明の背景
安全で有効なワクチンの開発は、依然として全世界の公衆衛生における主要な目標である。
今日のワクチンの大半は2つの主要な成分からなる:(i)治療対象のターゲット抗原および(ii)前記抗原に対する免疫原性を刺激および/または誘発する免疫アジュバント(群)。
公知の免疫アジュバントの性質は大きく異なるが、しかしこうした免疫アジュバントとしては、特に鉱油、細菌抽出物、生きた生物および弱毒化生物、並びに水酸化アルミニウム金属の懸濁液がある。
たとえ免疫アジュバントが増強された免疫応答を与えるとしても、その使用により、特にその投与経路に応じて、有害な副作用を誘発する可能性もある。それ故、ヒトにおいて承認されかつ有効である免疫アジュバントの数は依然として比較的少ない。従って、内毒素副作用などの有害な副作用を引き起こすことなく免疫アジュバントとして使用することのできる新規な化合物が必要とされる。
細菌感染に対する免疫応答は、自然免疫系および獲得免疫系の両方の複合した作用に依拠する。樹状細胞(DCs)は、免疫応答の開始および調節において重要な役割を果たす、最も効果のあるプロフェッショナル抗原提示細胞APCsである。DCsは、侵入する細菌およびウイルスなどの抗原を検出、捕獲、および処理する重要な番人であり、そして、末梢組織から二次リンパ器官へと移動して、一次T細胞応答を誘発する能力を有する。微生物による刺激にさらされると、DCsは、MHC−ペプチド複合体の増加した形成、共刺激分子(CD86、CD40およびCD80)のアップレギュレーションおよびサイトカイン産生によって特徴付けられる成熟過程を受ける。その他に、DC成熟過程の他の特質は、所属リンパ節への移動を容易にするケモカインレセプター(CCR7)の誘導およびT細胞を活性化する能力の向上である。
DCsは、微生物による刺激(病原体関連分子パターン(PAMPs)とも呼ばれる)を、高度に保存されたレセプターであるパターン認識レセプター(PRRs)によって認識する。最も良く知られ特徴付けられているクラスのPRRsはToll様レセプター(TLRs)およびC型レクチンレセプター(CLRs)である。例えば、リポタンパク質およびペプチドグリカンはTLR2によって、dsRNAはTLR3によって、LPSはTLR4によって、CpGはTLR9によって、フラジェリンはTLR5によって、ssRNAはTLR7/8によって、CpGはTLR9によって、マンノース含有分子はDC−SIGNによって、そして鎖状β−グルカンはデクチン−1によって認識される。これらのレセプターがトリガーされると、炎症応答の誘導のために下流シグナル伝達カスケードが活性化される。TLR関与の後に活性化されるシグナル伝達経路は、MyD88が補充されるか否かに依存して変化し得る。TLR3およびTLR4に独特であるMyD88非依存性経路により、インターフェロン調節因子−3の発現がなされるが、一方、TLR3を除く全てのTLRsに存在するMyD88依存性シグナル伝達経路は、MAPKsおよびNF−κB誘導に収束して、最後にその生物学的効果を奏功する。
浸透圧調節性ペリプラスムグルカン(OPGs)は、グラム陰性細菌エンベロープのペリプラスム間隙の一般的な構成成分である(22)。それらは試験した全てのプロテオバクテリアに見出された。OPGsは様々な種間で極めて異なる構造を示すが、それらはいくつかの共通した特徴を共有する:(i)それらは限定されたユニット数(5〜24)からなるオリゴ糖である;(ii)D−グルコースが唯一の構成成分の糖である;(iii)グルコース単位が、少なくとも部分的には、β−グルコシド結合によって連結されている;(iv)ペリプラスムにおけるグルカン濃度は、環境の浸透圧の減少に応答して増加する。OPGsは重要な生物学的機能を有するようである。なぜなら、OPG合成の欠損した突然変異体は、高度に多面的な表現型を提示するからである(例えば、走化性、運動性、外膜の安定性の減少、および菌体外多糖の合成、並びに、低浸透圧培地における欠陥のある増殖)(22)。加えて、それらは真核生物宿主と成功裏の病原性または共生の関連を確立することができない(1)。
ブルセラ(Brucella)は、ヒトを含む、哺乳動物の通性の細胞内病原体として考えられているα−プロテオバクテリアである。ブルセラ症と呼ばれる、生じる人畜共通感染症の発病は、Brucellaが、プロフェッショナルおよび非プロフェッショナルの両方の食作用性宿主細胞において細胞内で生存および複製できる能力に最も連関している。Brucella属では、環状βグルカン(CβG)は、17から25の範囲の重合度を有する環状骨格からなり、全てのグルコース単位はβ−1,2結合によって連結されている(BrucellaCβG)(2)。環状グルカンの存在は、完全なブルセラ・アボルツス(B.abortus)病原性に必要とされると記載されている(1)。さらに、Arellano-Reynoso et al. (3)は、脂質ミクロドメイン組成をモデュレーションするBrucellaのCβGは、リソソーム融合を防ぎ、そしてBrucellaがその複製ニッチに到達するのを可能とするのに必須であると決定した。CβGは大量に発現され、細菌乾燥重量の1〜5%を示す(参考文献)。それ故、もし単一の細菌の内容物がBrucella含有液胞内に放出されると考えれば、その容量は約10フェムトリットルであり、液胞内のCβGの濃度はmM範囲であろう。このことは、アポトーシス細胞から放出された数千個の細菌が死滅した場合に、外部培地に放出されるCβGをμMの範囲で推定することができることを意味し、そしてこれは免疫系に対していくらかの重要な結果を及ぼし得る。
宿主−病原体の相互作用に関与する重要なPAMPsとしてのグルカン、特に鎖状βグルカンの役割(4、5)が詳細に記載されている。興味深いことに、鎖状(1---3)βグルカンはその免疫調節特性のために認識されている。なぜなら、それらは、抗腫瘍特性(6)および細菌(7)、ウイルス(8)、真菌(9)および原虫(10)感染に対する抗感染特性を有することが示されているからである。しかしながら、現在までに、免疫系のモデュレーターとしての環状β−グルカンの特性に関する報告は全くない。
発明の要約
本発明者らは、Brucella環状βグルカン(CβG)が、本明細書の実施例に示したように免疫アジュバント活性を示すことを実証した。
また、本発明によると、これらの新規アジュバント化合物は、特に新規なクラスの樹状細胞活性化分子を示すことが示された。本発明者らは初めて、BrucellaCβGがTLR4アゴニストであり、そしてマウスおよびヒトDCsの強力なアクチベーターであることを実証する。なぜなら、それは樹状細胞の成熟、炎症誘発性サイトカインの分泌、並びにCD4およびCD8T細胞の両方の活性化および増殖を誘導できるからである。
従って、本発明の前記の新規な環状βグルカン化合物は、免疫応答を誘導および/または増強するための免疫アジュバントとして特に有用である。
従って、本発明は、少なくとも1つの環状βグルカン化合物を含む免疫アジュバント化合物に関する。
本発明はまた、前記に定義したような免疫アジュバント化合物、1つ以上の抗原、および場合により1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む、ワクチン組成物に関する。
本発明はまた、医薬品として使用するための(特にアジュバント活性を誘導および/または増強するために)、前記に定義したような免疫アジュバント化合物に関する。
本発明はまた、特に1つ以上の抗原に対する免疫応答を誘導および/または増強するための、ワクチン組成物を製造するための、本発明による免疫アジュバント化合物の使用に関する。
本発明はまた、例えば病原体に対する防御免疫応答を誘導するための、または被験体もしくは動物を感染から効果的に防御するための、同時、別々または連続して使用するための複合調製物としての、
− 本発明による免疫アジュバント化合物、
− 少なくとも1つの抗原
を含むキットに関する。
本発明のさらなる目的は、それを必要とする被験体において樹状細胞(DCs)の成熟を誘導するための治療法において使用するための環状βグルカン化合物に関する。
本発明の別のさらなる目的は、免疫アジュバントとして使用するための環状βグルカン化合物に関し、前記化合物は、それを必要とする被験体において樹状細胞(DCs)の成熟を誘導するために使用される。
発明の詳細な説明
本発明者らは、ヒトおよびマウスの両方のDCs上におけるサイトカインの産生、MHC−IIおよび共刺激分子の表面発現、遺伝子発現、毒性、並びに抗体応答の点に関して、DCs成熟に対するBrucella環状βグルカン(CβG)および他の環状グルカンの効果を調べた。本発明者らは、BrucellaCβGがマウスおよびヒトのDCsの強力なアクチベーターであることを実証した。さらに、異なる構造を有する環状グルカンは、同じ活性化応答を誘導せず、このことは、異なる構造を有するCβGは、異なる活性化特性を有し得ることを示す。本発明者らはまた、CβGが新規なクラスのTLR4アゴニストを示すことも実証した。実際に、前記の環状βグルカンは、in vivoにおける炎症誘発効果と共に、TLR4により媒介されるアジュバント特性を有するが、全身注射後に有意な全身性の内毒素副作用を示さないことが実証された。本明細書の実施例に含まれる結果は、前記の環状βグルカンが有意な内因性抗原性作用を示さず、すなわち、対象の分子は、特に血清中への環状βグルカン抗体をトリガーする能力を防ぐまたは減弱することを示す。従って、本発明者らは、CβGは次のクラスの免疫アジュバントを示し得ることを実証する。
従って、本発明の第1の局面は、少なくとも1つの環状βグルカン(CβG)化合物を含む免疫アジュバント化合物に関する。
本発明はまた、免疫アジュバントとして使用するための環状βグルカン化合物に関する。
本明細書において使用する「免疫アジュバント」という用語は、被験体または動物に投与された場合に、抗原に対する免疫応答を誘導および/または増強することのできる化合物を指す。それはまた、特定の抗原に対する特定の免疫応答の品質を一般的に加速、延長または増強するように作用する物質を意味するものでもある。本発明の脈絡において、「免疫アジュバント」という用語は、抗原提示細胞(APCs)、特に樹状細胞(DCs)の活性化および成熟による、自然免疫応答の一過性反応に影響を及ぼすことによる自然免疫応答および獲得免疫応答のより長時間の作用の両方を増強する、化合物を意味する。
従って、本発明のさらなる目的は、それを必要とする被験体における樹状細胞(DCs)の成熟を誘導するための治療法において使用するための環状βグルカン化合物に関する。
本発明の別のさらなる目的は、免疫アジュバントとして使用するための環状βグルカン化合物に関し、前記化合物は、それを必要とする被験体における樹状細胞(DCs)の成熟を誘導するために使用される。
本明細書において使用する「抗原」という用語は、抗体によって、または処理されそしてMHC分子によって提示された場合にはT細胞レセプター(TCR)によって特異的に結合され得る分子を指す。本明細書において使用する「抗原」という用語はまたT細胞エピトープも包含する。抗原はさらに、免疫系によって認識され得、そして/またはBおよび/またはTリンパ球の活性化に至る体液性免疫応答および/または細胞性免疫応答を誘導することができる。抗原は、1つ以上のエピトープまたは抗原性部位(BおよびTエピトープ)を有し得る。
本明細書において使用する「環状βグルカン化合物」すなわち「CβG化合物」という用語は、β−(1,2)グリコシド結合だけで連結された17〜25個のヘキソース残基を含む環状骨格を有する低分子量の細胞表面炭水化物を指す。ヘキソース残基は、天然に存在するヘキソース単位、並びに天然に存在しないヘキソース、ヘキソース類似体および模倣体を取り込んだ構造的改変体からなる群より選択され得る。当業者は、どのような構造が機能的に等価なヘキソース類似体およびヘキソース模倣体を構成するかを知っているかまたは決定することができる。好ましくは、天然に存在するヘキソース単位は、アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノースおよびタロースのような環状構造を形成し得るアルドヘキソースからなる群より選択され得る。好ましくは、天然に存在するヘキソース単位はグルコースである。
いくつかの態様において、ヘキソース単位上に位置する遊離ヒドロキシル基を使用することによって共有結合的に、および/または約10Åの受容分子のニッチを示すドーナツ様の環の形状によって作り出される荷電相互作用によって非共有結合的に、種々の分子を本発明の環状βグルカン化合物に付着させることができる(11)。前記分子は、ポリペプチド、炭水化物、核酸または脂質(例えばコレステロール)からなる群より選択され得る。
いくつかの態様において、ヘキソース残基は、少なくとも1つの天然の置換残基を用いて置換され得る。「天然置換残基」という用語は、スクシニル(Suc)残基(Brucella abortusCβGおよびシノリゾビウム・メリロッティ(Sinorhizobium melitoti)CβGにおけるような)、ホスホグリセロール残基(P−Gro)(エシェリキア・コリ(E.coli)CβGおよびSinorhizobium melitotiCβGにおけるような);ホスホエタノールアミン(P−Etn)残基(E.coliCβGにおけるような);ホスホコリン残基(P−Cho)(ブラディリゾビム・ジャポニクム(Bradyrhizobium japonicum)CβGにおけるような);アセチル(Ace)残基(ロドバクター・スフェロイデス(R. sphaeroides)CβGにおけるような);メチルマロニル(MeMal)残基(S. melilotiCβGにおけるような)を意味し得る。好ましい態様において、天然置換残基はスクシニル残基である。このような置換は、Brucella abortusのような他の細菌種の環状βグルカンでは自然に起こる(O−スクシニル残基)。CβGの免疫アジュバント活性を変化させない位置に他の置換を導入することができる。典型的には、環状βグルカン化合物上の置換基結合は、好ましくは、ヘキソースのヒドロキシル基上のO−エステル結合からなる。いくつかの態様において、天然置換残基の数は0〜25である。好ましい態様において、天然置換残基の数は0〜3である。
当業者は、本発明による免疫アジュバント特性を有するCβG化合物を、サイトカイン産生(例えばIL−12pおよびTNF−αの産生)および樹状細胞上の表面マーカーの発現(例えばCD80、CD40およびCD86)を測定することによって前記化合物が樹状細胞の成熟を誘導し得るかどうかを試験することによって、容易に評価することができる。第2の工程において、CD8+T細胞増殖および活性化の誘導も試験することができる。あるいは、TLR4アゴニスト活性も決定し得る。典型的には、CβG化合物の免疫アジュバント活性を試験するために使用され得る試験は実施例に記載されている。
本発明の環状βグルカン化合物を、細菌の精製、より好ましくはBrucellaの細菌の精製によって、または当業者には周知である、化学合成またはオリゴ糖合成のいずれか1つの方法によって得ることができる。
例えば、対象の環状βグルカン化合物は、培養培地からまたは細菌細胞溶解液から回収され得る。典型的には、本発明のCβG化合物は、Brucellaから単離される。例えば、本発明のCβG化合物は、野生型Brucella細胞から、またはBrucella株、例えばブルセラ・メリテンシス(Brucella melitensis)16M(American Type Culture Collection 23456; 病原性株、生物型1)、Brucella abortus 2308から単離され得る(12)。対象の環状βグルカンの産生に使用される細菌は、凍結解凍サイクル、超音波処理、機械的破壊、または細胞溶解剤などの種々の物理的または化学的手段によって破壊され得る。
細菌から対象の環状βグルカンを精製することが望ましくあり得る。実施例に記載の手順は、Brucella melitensisまたはBrucella abortusの上清からのCβGsの精製に適切な手順の例である。
以下の手順は、環状βグルカン化合物の適切な精製手順の例である:イオン交換カラムでの分画;エタノール沈降(実施例に使用したように);逆相HPLC;シリカまたはDEAEなどのカチオン交換樹脂上でのクロマトグラフィー;等電点電気泳動;SDS−PAGE;硫酸アンモニウム沈降;例えばセファデックスG−75を使用したゲルろ過;汚染物質を除去するためのプロテインAセファロースカラム;対象の環状βグルカンのエピトープタグ形に結合する金属キレートカラムによる。オリゴ糖精製の種々の方法を使用し得、そしてトリクロロ酢酸処理およびゲル透過クロマトグラフィーのようなこのような方法は、当技術分野において公知であり、そして例えば(21)に記載されている。
選択される精製工程(群)は、例えば、使用される産生過程の性質および産生される具体的な環状βグルカン化合物に依存する。
細菌(アグロバクテリウム(Agrobacterium)またはリゾビウム(Rhizobium))を培養し、そして培養溶液から表題化合物を回収することによる、環状βグルカン化合物、特にβ−1,2結合を有するものの調製および産生はまた、JP61040799およびJP61070994に記載されている。
特定の態様において、本発明の環状βグルカン化合物は、慣用的な化学合成技術を通して合成され得る。例えば、国際特許出願WO0216384は、例えば、固相粒子上に固定された末端サブユニットへのサブユニットの付加によって形成される、固相支持体上におけるオリゴ糖の効率的な合成のためのオリゴ糖の自動合成のための装置および方法を記載する。本発明の環状βグルカン化合物はまた、ラミナリナーゼ16Aグライコシンターゼを使用することによっても合成され得る(23)。
本発明のさらなる目的は、場合により1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と共に、免疫アジュバントとしての本発明によるCβG化合物を含む、ワクチン組成物に関する。より特定すると、本発明は、1つ以上の抗原と一緒に、前記に定義したような免疫アジュバント化合物を含むワクチン組成物に関する。
「ワクチン組成物」は、一旦、被験体または動物に投与されると、それに含まれる前記の1つ以上の抗原(群)に対する防御的免疫応答を誘起する。従って、本発明のワクチン組成物は、一旦、被験体または動物に投与されると、例えば微生物に対する防御的免疫応答を誘導するか、または被験体もしくは動物を感染から効果的に防御する。
多種多様な物質を、化合物または製剤において、免疫原性またはワクチン型の抗原として使用することができる。例えば、弱毒化および不活性化されたウイルスおよび細菌病原体、精製された巨大分子、多糖、トキソイド、組換え抗原、病原体由来の外来遺伝子を含む生物、合成ペプチド、ポリ核酸、抗体および腫瘍細胞を使用して(i)個体において免疫応答を誘導するのに有用な免疫原性組成物、または(ii)病的状態を治療するのに有用なワクチンを調製することができる。
それ故、本発明の環状βグルカン化合物を多種多様な抗原と組み合わせることによって、個体において免疫応答を誘導するのに有用なワクチン組成物を産生することができる。
当業者は、特定の病的状態を治療するのに適切な抗原を選択することができ、そして単離された抗原が特定のワクチン製剤において好ましいかどうかを決定する方法を知っているだろう。
当業者はまた、本発明の免疫アジュバントを、前記の1つ以上の抗原に共有結合的に連結することが好ましいか、または共有結合的に連結しないことが好ましいかを決定することができる。従って、本発明のさらなる局面において、本発明は、少なくとも1つの抗原に連結された本発明による環状βグルカン化合物に関する。
単離された抗原を、当技術分野において周知の多種多様な方法を使用して調製することができる。いずれかの免疫原性ポリペプチドをコードする遺伝子を単離し、そして当技術分野において周知の組換え法を使用して、例えば、細菌、酵母、昆虫、爬虫類または哺乳動物細胞にクローニングすることができ、そしてこれは例えば、Sambrook et al., Molecular cloning : A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York (1992)およびAnsubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Baltimore, MD (1998)に記載されている。ウイルス、細菌および原虫病原体に由来する表面抗原をコードする数多くの遺伝子が成功裏にクローニングされ、発現され、そしてワクチン開発のための抗原として使用されている。例えば、B型肝炎ウイルスの主要表面抗原、HbsAg、コレラ毒素のPサブユニット、E.coliのエンテロトキシン、マラリア寄生虫のスポロゾイト周囲タンパク質、およびエプスタイン・バーウイルス由来の糖タンパク質膜抗原、並びに、腫瘍細胞抗原が、種々の周知のベクター/宿主系において発現され、精製され、そしてワクチンにおいて使用されている。
病的に異常な細胞も、本発明によるワクチン組成物に使用され得、病的状態を有する1つ以上の個体、または1つ以上のこのような個体(得られるワクチンを用いて治療しようとする特定の個体を含む)から得られたex vivoまたはin vitroの培養細胞などの任意の起源から得ることができる。
特定の態様において、ワクチン組成物の抗原は、「腫瘍関連抗原」であり得る。本明細書において使用する「腫瘍関連抗原」という用語は、腫瘍組織に特徴的である抗原を指す。腫瘍組織によって発現される腫瘍関連抗原の例は、前立腺酸性ホスファチゼ抗原(phosphatise)(WO2004026238参照)またはMARTペプチドT(メラノーマ抗原)であり得る。
本発明によるワクチン組成物は、少なくとも1つの他の免疫アジュバントを含み得る。個体における免疫応答を改変するために多種多様な免疫アジュバントが適切であり得る。所望の改変のタイプは、前記の本発明の環状βグルカン化合物と合わせるために選択される免疫アジュバントのタイプを決定する。例えば、自然免疫応答を増強するために、本発明のワクチン組成物は、自然免疫応答を誘導することが知られるまたは疑われる他のPAMPまたは保存領域などの自然免疫応答を促進する別の免疫アジュバントを含み得る。多種多様のPAMPsがtoll様レセプターファミリーの種々のメンバーの活性を刺激することが知られている。このようなPAMPsを合わせて、有益なサイトカインプロファイルを誘導するtoll様レセプターの特定の組合せを刺激することができる。例えば、PAMPsを合わせて、Th1またはTh2免疫応答を誘導するサイトカインプロファイルを刺激することができる。体液性または細胞性免疫応答を促進する他のタイプの免疫アジュバントを、本発明の環状βグルカン化合物と合わせることができる。例えば、サイトカインを投与して、Th1およびTh2免疫応答の平衡を変化させることができる。当業者は、特定の病的状態に対する免疫応答の有益な改変を得るのに有用な適切なサイトカインを決定する方法を知っているだろう。
別の特定の態様において、本発明によるワクチン組成物はさらに、界面活性剤、吸収促進剤、水吸収性ポリマー、酵素分解を阻害する物質、アルコール、有機溶媒、油、pH制御剤、保存剤、浸透圧制御剤、噴射剤、水およびその混合物からなる群より選択される1つ以上の成分を含む。
本発明によるワクチン組成物はさらに、薬学的に許容される担体を含み得る。担体の量は、他の成分のために選択した量、所望の抗原濃度、投与経路(経口または非経口など)の選択に依存する。担体は、任意の簡便な時期にワクチンに加えられ得る。凍結乾燥ワクチンの場合には、担体は、例えば、投与直前に加えられ得る。あるいは、最終製品を担体を用いて製造し得る。
適切な担体の例としては、滅菌水、食塩水、緩衝液、リン酸緩衝食塩水、緩衝化塩化ナトリウム、植物油、最小必須媒体(MEM)、HEPES緩衝液を含むMEMなどが挙げられるがそれらに限定されない。
場合により、本発明のワクチン組成物は、アジュバントおよび所望の結果に依存して種々の量の慣用的な二次アジュバントを含み得る。慣用的な量は、他の成分および所望の効果に依存して、約0.02重量%から約20重量%の範囲である。本発明の目的のために、これらのアジュバントは、抗原性物質に対する体液性免疫応答を有意に増加させる抗原性物質と組み合わせられた、その効果のためにワクチン組成物において必須成分である前記した免疫アジュバント化合物と単に対照づけるために本明細書において「二次」と同定される。二次アジュバントは、主に加工補助剤としてワクチン製剤に含められるが、特定のアジュバントは、いくらかの程度で免疫増強特性を有し、そして二重の目的を有する。
適切な二次アジュバントの例としては、安定剤;乳化剤;水酸化アルミニウム;リン酸アルミニウム;pH調節剤、例えば水酸化ナトリウム、塩酸など;界面活性剤、例えばTween.RTM80(ポリソルベート80、Sigma Chemical Co., St. Louis, Mo.から市販されている);リポソーム;イスコムアジュバント;合成グリコペプチド、例えばムラミルジペプチド;増量剤(extender)、例えばデキストラン、または例えばリン酸アルミニウムとデキストランの組合せ;カルボキシポリメチレン;細菌細胞壁、例えばマイコバクテリア細胞壁抽出物;その誘導体、例えばコリネバクテリウム・パルヴム(Corynebacterium parvum);プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acne);マイコバクテリウム・ボヴィス(Mycobacterium bovis)、例えばカルメット・ゲランウシ型結核菌(BCG);ワクシニアまたは動物ポックスウイルスタンパク質;サブウイルス粒子アジュバント、例えばオルビウイルス;コレラ毒素;N,N−ジオクタデシル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−プロパンジアミン(ピリジン);モノホスホリルリピドA;ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDA、Kodak, Rochester, N.Y.から市販されている);合成物およびその混合物が挙げられるがそれらに限定されない。望ましくは、水酸化アルミニウムを、他の二次アジュバントまたはQuil Aなどの免疫アジュバントと混合する。
適切な安定剤の例としては、スクロース、ゼラチン、ペプトン、消化タンパク質抽出物、例えばNZ−AmineまたはNZ−AmineASが挙げられるがそれらに限定されない。乳化剤の例としては、注射用または鼻内ワクチン組成物に有用な、鉱油、植物油、ピーナッツ油および他の標準的な代謝可能な無毒性油が挙げられるがそれらに限定されない。
慣用的な保存剤を、約0.0001重量%から約0.1重量%の範囲の有効量でワクチン組成物に添加することができる。製剤に使用される保存剤に依存して、この範囲に前後する量が有用なこともある。典型的な保存剤としては、例えば、ソルビン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、フェノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、チメロサールなどが挙げられる。
本発明のワクチン組成物は、薬学的に許容される媒体と一緒に、溶液または懸濁液として製剤化され得る。
このような薬学的に許容される媒体は、例えば、水、リン酸緩衝食塩水、通常の食塩水または他の生理学的に緩衝化された食塩水、または他の溶媒もしくはビヒクル、例えばグリコール、グリセロール、および油、例えばオリーブ油または注射用有機エステルであり得る。薬学的に許容される媒体はまた、リポソームまたはミセルを含み得、そして洗浄剤およびグリコシド、例えばQuil Aと一緒にポリペプチドまたはペプチド抗原を混合することによって調製した免疫刺激性複合体を含み得る。
本発明のワクチン組成物の経口投与のための液体投与形態は、薬学的に許容されるエマルション、マイクロエマルション、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。活性成分(群)に加えて、液体投与形態は、当技術分野において一般的に使用される不活性な希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に綿実油、ピーナッツ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、並びにその混合物を含み得る。
不活性な希釈剤の他に、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味料、香味料、着色剤、香料および保存剤などの補助剤を含み得る。
懸濁剤は、活性成分(群)に加えて、懸濁化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、アガーアガーおよびトラガカント、並びにその混合物を含み得る。
直腸または膣内投与のための本発明のワクチン組成物の製剤は、坐剤として提示され得、これは活性成分(群)を1つ以上の適切な非炎症性の賦形剤または担体と混合することによって調製され得、こうした賦形剤または担体は、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤用ワックスまたはサリチレートを含み、これらは室温では固体であるが、体温では液体であり、それ故、直腸または膣腔内では融解し、そして活性成分(群)を放出する。膣内投与に適した本発明の製剤としてはまた、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、フォームまたはスプレー製剤が挙げられ、該製剤は、当技術分野において適切であることが知られているそのような担体を含む。
非経口投与に適した本発明のワクチン組成物は、1つ以上の薬学的に許容される無菌等張水性水溶液または非水性溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルション、または無菌粉末(使用直前に無菌注射溶液または分散液へと復元し得る)と組み合わせて活性成分(群)を含み、このような溶液または分散液は、抗酸化剤、緩衝液、製剤を意図するレシピエントの血液と等張性にする溶質、または懸濁剤もしくは増粘剤を含み得る。
本発明のワクチン組成物に使用され得る適切な水性および非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)およびその適切な混合物、植物油、例えばオリーブ油、並びに注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散液の場合には必要とされる粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって維持され得る。
これらの組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および分散剤などの補助剤も含み得る。また、組成物中に糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を含めることが望ましくあり得る。さらに、注射可能な医薬形態の持続的吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅延させる薬剤を含めることによって達成することができる。
注射可能なデポー剤形は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中で活性成分(群)のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって製造される。ポリマーに対する活性成分(群)の比率、および使用する具体的なポリマーの性質に依存して、活性成分(群)の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリオルトエステルおよびポリ無水物が挙げられる。デポー注射用製剤はまた、身体組織と適合性であるリポソームまたはマイクロエマルション中に活性成分(群)を閉じ込めることによっても調製される。注射可能な材料は、例えば細菌保持フィルターを通したろ過によって滅菌することができる。
製剤は、単位用量または複数回用量密封容器、例えばアンプルおよびバイアルで提示してもよいし、凍結乾燥状態で保存してもよく、これは使用直前に、無菌液体担体、例えば注射用水を添加するだけでよい。即時注射溶液および懸濁液は、前記したタイプの無菌粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
本発明によるワクチン組成物中の抗原および免疫アジュバント化合物の量は、具体的な抗原、具体的な動物または患者の年齢、性別、体重、種および状態、並びに投与経路などの要因を考慮に入れて、製薬分野の当業者に周知の技術によって決定される。
ワクチン組成物の投与量は、特に、抗原、ワクチン接種したまたはワクチン接種すべき宿主の種などに依存するが、ワクチン組成物の薬理学的に有効な量の投与量は、通常、1用量あたり約0.01μgから約500μg(特に50μgから約500μg)の本発明の免疫アジュバント化合物である。
併用する特定の抗原性物質の量は、免疫応答を改善するのに必要とされる本発明による免疫アジュバント化合物の量に影響を及ぼすが、医師は、個々の状況に合うように慣用的な試験を通して免疫アジュバント化合物の有効投与量を容易に調整することができると考えられる。
本発明によるワクチン組成物を、当技術分野において周知の多種多様な前臨床毒性試験および安全性試験において試験することができる。
例えば、このようなワクチン組成物を、抗原が免疫原性であることが分かっており、しかもヒト臨床試験について提案されているのと同じ経路によって再現性よく免疫化され得る動物モデルにおいて評価することができる。
例えば、本発明によるワクチン組成物を、例えば、生物学的製剤評価研究センター/米食品医薬品局および米国立アレルギー感染症研究所によって示された手法によって試験することができる(13)。
当業者は、特定の動物種における特定の病的状態を治療するのに有用な、具体的なワクチン組成物、適切な抗原負荷量、免疫化の経路、投与体積、抗原の純度、およびワクチン接種計画を決定する方法を知っているだろう。
ワクチン接種プロトコールでは、ワクチンは有利には、初回/追加免疫法に従い、単回投与で、あるいは好ましくは1週または1カ月間隔で数回、例えば2回、3回または4回投与され得る。適切な投与量は種々のパラメーターに依存する。
一般的な原則として、本発明のワクチン組成物は、簡便には、経口、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、皮内、または腹腔内)、頬側内、鼻腔内、または経皮、リンパ内、腫瘍内、膀胱内、腹腔内および脳内に投与される。本発明によって考えられる投与経路は抗原に依存する。
本発明は、前記に定義したような免疫アジュバント化合物(すなわち本発明によるCβG化合物)および少なくとも1つの抗原を含む、キットに関する。
より特定すると、本発明は、例えば病原体に対する防御免疫応答を誘導するための、または被験体もしくは動物を感染から効果的に防御するための、同時、別々または連続して使用するための複合調製物としての、
− 前記に定義したような免疫アジュバント化合物、
− 前記に定義したような少なくとも1つの抗原
を含むキットに関する。
CβG化合物は、被験体への少なくとも1つの抗原の投与前、投与と同時にまたは投与後に投与されることにより、例えば病原体に対する防御免疫応答を誘導する、または被験体もしくは動物を感染から効果的に防御することができる。CβG化合物および抗原は、CβG化合物が、抗原と一緒に作用できるような順序および時間間隔内で被験体に投与され、これにより別様に投与された時よりも、前記抗原に対して増加した免疫応答を提供する。好ましくは、CβG化合物および抗原は、被験体に同時に投与される。また好ましくは、前記分子は、同時に毎日、前記患者に投与される。
本発明のさらなる局面は、薬理学的に有効な量の抗原および薬理学的に有効な量の本発明による免疫アジュバント化合物を投与することを含む、それを必要とする被験体にワクチン接種するための方法に関する。
本明細書に使用する「被験体」という用語は、哺乳動物、例えばげっ歯類、ネコ、イヌおよび霊長類を示す。好ましくは、本発明による被験体はヒトである。
薬理学的に有効な量の本発明による免疫アジュバント化合物は、例えば、経口で、非経口でまたは別様に、抗原の免疫原性を増強、加速または延長するために抗原の投与と同時に、連続的に、または直後に投与され得る。
ワクチン組成物の投与量は、特に、選択される抗原、投与経路、種および他の標準的な要因に依存する。当業者は、個々の抗原の免疫原性応答のための適切な投与量を容易にそしてすぐに滴定して、効果的な免疫化量および投与法を達成することができると考えられる。
本発明はまた、本発明によるCβG化合物からなる、TLR4アゴニストに関する。
本明細書に使用したようなTLR4アゴニストは、TLR4の生物学的活性またはTLR4レセプター活性化またはシグナル伝達を実質的に誘導、促進または増強することのできる薬剤を指す。
本発明のさらなる目的は、薬理学的に有効な量の本発明による免疫アジュバント化合物を投与することを含む、それを必要とする被験体において樹状細胞(DCs)の成熟を誘導するための方法に関する。
本発明はさらに、以下の図面および実施例によって説明される。しかしながら、これらの実施例および図面を、いずれにしても、本発明の範囲を制限するものと解釈すべきではない。
mDC成熟の誘導は、環状グルカンの構造に依存する。マウスDCsを8時間および24時間かけて、培地(neg)、0.25mMの等濃度のE.coliLPSまたはB.melitensisCβG、B.abortusCβG、ラルストニア(Ralstonia)CβGおよびMβCDを用いて刺激した。MHC−II、CD80、CD40およびCD86の表面レベルをフローサイトメトリーによって測定し、そして培養上清中のIL−12およびTNF−αレベルをELISAによって決定した(B)。データは、少なくとも3回の独立した実験の代表である。ネガティブと比較してp<0.05。 mDC成熟の誘導は、環状グルカンの構造に依存する。マウスDCsを8時間および24時間かけて、培地(neg)、0.25mMの等濃度のE.coliLPSまたはB.melitensisCβG、B.abortusCβG、RalstoniaCβGおよびMβCDを用いて刺激した。MHC−II、CD80、CD40およびCD86の表面レベルをフローサイトメトリーによって測定し、そして培養上清中のIL−12およびTNF−αレベルをELISAによって決定した(B)。データは、少なくとも3回の独立した実験の代表である。ネガティブと比較してp<0.05。 B.melitensisCβGはヒトDCsにおいてCD4+およびCD8+T細胞応答を増強する。A)ヒト単球由来DCsを、24時間かけて、培地(neg)、10ng/mlのE.coliLPS並びに0.2μM、2μMおよび20μMのB.melitensisCβGを用いて刺激し、そしてHLA−DR、HLA−ABC、CD80、CD40、CD83およびCD86表面レベルをFACSによって分析した。B)血液mDCsを、20mg/mlのCβGを用いて24時間かけて刺激した。培養上清中のサイトカインをルミネックスによって測定した。 B.melitensisCβGはヒトDCsにおいてCD4+およびCD8+T細胞応答を増強する。A)ヒト単球由来DCsを、24時間かけて、培地(neg)、10ng/mlのE.coliLPS並びに0.2μM、2μMおよび20μMのB.melitensisCβGを用いて刺激し、そしてHLA−DR、HLA−ABC、CD80、CD40、CD83およびCD86表面レベルをFACSによって分析した。B)血液mDCsを、20mg/mlのCβGを用いて24時間かけて刺激した。培養上清中のサイトカインをルミネックスによって測定した。 B.melitensisCβGによって誘導されたIL−12産生およびCD80、CD40およびCD86表面発現はTLR4に依存する。WTからのDCs(A、BおよびC)、MyD88KO(A)、TRIFKO(A)、TLR2KO(B)およびTLR4KO(BおよびC)マウスを、24時間かけて、培地(neg)、CpG、ポリI:C、Pam2CSK4およびB.melitensisCβGを用いて刺激した。AおよびB)培養上清中のIL−12濃度をELISAによって決定した。C)CD80、CD40およびCD86の表面レベルをフローサイトメトリーによって決定した。陽性コントロールとして:Pam2CSK4(100ng/ml)、LPS(100ng/ml)、CpG(1μM)およびポリI:C(1mg/ml)。データは3回の独立した実験の代表である。WTマウスと比較して、p<0.05。 B.melitensisCβGによって誘導されたIL−12産生およびCD80、CD40およびCD86表面発現はTLR4に依存する。WTからのDCs(A、BおよびC)、MyD88KO(A)、TRIFKO(A)、TLR2KO(B)およびTLR4KO(BおよびC)マウスを、24時間かけて、培地(neg)、CpG、ポリI:C、Pam2CSK4およびB.melitensisCβGを用いて刺激した。AおよびB)培養上清中のIL−12濃度をELISAによって決定した。C)CD80、CD40およびCD86の表面レベルをフローサイトメトリーによって決定した。陽性コントロールとして:Pam2CSK4(100ng/ml)、LPS(100ng/ml)、CpG(1μM)およびポリI:C(1mg/ml)。データは3回の独立した実験の代表である。WTマウスと比較して、p<0.05。 B.melitensisCβGによって誘導されたIL−12産生およびCD80、CD40およびCD86表面発現はTLR4に依存する。WTからのDCs(A、BおよびC)、MyD88KO(A)、TRIFKO(A)、TLR2KO(B)およびTLR4KO(BおよびC)マウスを、24時間かけて、培地(neg)、CpG、ポリI:C、Pam2CSK4およびB.melitensisCβGを用いて刺激した。AおよびB)培養上清中のIL−12濃度をELISAによって決定した。C)CD80、CD40およびCD86の表面レベルをフローサイトメトリーによって決定した。陽性コントロールとして:Pam2CSK4(100ng/ml)、LPS(100ng/ml)、CpG(1μM)およびポリI:C(1mg/ml)。データは3回の独立した実験の代表である。WTマウスと比較して、p<0.05。 ボスロプス・アスペル(Bothrops asper)の毒液に対するB.abortusCβGのアジュバント活性。A;毒液+アルギン酸カルシウム+CβGの混合物の(**)は、アルギン酸カルシウムの混合物中に単独で注入された毒液に対してp<0.001の値を示す。B.免疫化から21日後のBothrops asperの毒液に対するCβGのアジュバント活性。1グループあたり10匹のマウスの血清プール(全30匹)。SDは5%未満である。 Bothrops asperの毒液に対するB.abortusCβGのアジュバント活性。A;毒液+アルギン酸カルシウム+CβGの混合物の(**)は、アルギン酸カルシウムの混合物中に単独で注入された毒液に対してp<0.001の値を示す。B.免疫化から21日後のBothrops asperの毒液に対するCβGのアジュバント活性。1グループあたり10匹のマウスの血清プール(全30匹)。SDは5%未満である。
実施例1:細菌性β1,2環状グルカンは、新規な樹状細胞のアクチベーターである。
材料および方法:
抗体および試薬
CD8、CD45.2、CD44、CD25およびCD62Lに対する蛍光色素のコンジュゲートした抗体を、BD BiosciencesまたはeBiosciencesから購入した。
オボアルブミン(OVA)は、純度>98%およびエンドトキシン濃度<1EU/mgでEndoGradeから購入した。
カルボキシフルオレセインジアセテートスクシンイミジルエステル(CFSE)は、Invitrogenから注文した。
405nの励起のためのAqua Dead Cell Stain(Invitrogen)を使用して、フローサイトメトリー実験のための死滅細胞を検出した。
SIINFEKLペプチドをSchafer-Nから購入した。
環状グルカンの抽出、精製および特徴付け
環状グルカン分子は、B.melitensis 16M (American Type Culture Collection 23456; 病原性株、生物型1)、Brucella abortus 2308 (12)およびラルストニア・ソラナセアルム(Ralstonia solanacearum) (Ralstonia solanacearumからの精製CβGは、Dr. JP Bohin, CNRS UMR8576, Lille, Franceからの贈り物である)から得られた。前記株を、Brucella株の場合にはバイオセイフティレベル3の部屋で36℃、35%O2飽和の発酵槽で増殖させ(14)、そしてフェノール(0.5%、36℃で48時間かけて)を用いて不活性化した。細菌を蒸留水に再懸濁し(100ml中20gの湿重量)、そして120℃で30分間かけて加熱した。細胞片を除去し(8000gで30分間かけて4℃で)、そして抽出物を−20℃で一晩かけて3容量のエタノールを用いて沈降させた。沈降物を除去し(5,000gで10分間)、そして上清を2容量のエタノールと混合した。新たな沈降物を回収し(5,000gで10分間)、175mM NaCl、0.05%NaN3および0.1Mトリス−HCl(pH7.0)に懸濁し、そして最初に18時間かけて37℃でヌクレアーゼ(1mlあたり50mgのDNase−IIタイプVおよびRNase−A(Sigma-Aldrich))を用いて消化し、そしてその後、プロテイナーゼK(50mg/ml;Merck)を用いて1時間かけて55℃で、その後、24時間かけて25℃で消化した。液体を1容量のフェノールを用いて30分間かけて70℃で抽出し、その後、混合物を冷却し、そして遠心分離にかけ(8,000gで15分間かけて0℃で)、そして水相を回収し、そして同じ条件を使用してフェノールを用いて再度抽出した。水相を透析し、簡潔な遠心分離によって清澄化し、そして凍結乾燥した。環状グルカンの実体は、Aragonおよび共同研究者によって記載されているような、13C核磁気共鳴分析法、高速液体クロマトグラフィーおよび高性能薄層クロマトグラフィー(TLC)によって確認された。多糖およびリポ多糖または他の汚染物質が存在しないことは、紫外分光法、SDS−PAGE、ゲル免疫沈降および3−デオキシ−D−マンノ−2−オクツロソン酸の測定によって実証された(14)。
マウスおよび細胞
HEK293細胞を、10%FCSの補充されたDMEM中に維持した。
野生型C57BL/6マウスおよびTLR2−/−、TLR4−/−、MyD88−/−、TRIF−/−ノックアウト(KO)マウスを、Centre d’Immunologie Marseille-Luminy (CIML), Marseille, Franceで維持した。二重(MyD88/TRIF−/−)KO細胞は、Caetano Reis y Souza laboratory, London, UKによって提供された。
マウス骨髄由来DCsは、以前に記載されているように(15)、7〜8週令の雌のC57BL/6マウスまたはTLR2−/−、TLR4−/−、MyD88−/−、TRIF−/−ノックアウト(KO)マウスから調製された。簡潔には、マウスの大腿および脛骨を除去し、そして筋肉および腱を取り除いた。骨を70%エタノールに2分間入れ、そして続いてPBSで洗浄した。両方の骨末端を切除し、そして骨髄をRPMI1640培地で流した。細胞を、マウスGM−CSF(mGM−CSF)の補充された完全RPMI1640(5%FCSおよび50μMのβ−メルカプトエタノール)と共に24ウェルプレート中に播種した。3日目に培地を交換し、そして6日目に実験を実施した。
マウス骨髄由来マクロファージを、7〜8週令の雌のC57BL/6マウスの大腿から、骨髄由来DCsと同じように調製した。細胞を、M−CSFの補充された完全DMEM(2mM L−グルタミン、10%FCS)中に播種した。5および6日目に培地を交換し、そして7日目に実験を実施した。
ヒト単球由来DCsは、健常人からのフィコールで分離した末梢血単核細胞(PBMCs)から生成した(16)。単球を粘着性によって濃縮し、そして完全RPMI培地(6日間の間は顆粒球単球コロニー刺激因子(GM−CSF)およびIL−4で、3日間の間はGM−CSFおよびIFNで補充されている)中で培養した。血液骨髄DCs(mDCs:HLA−DR+CD11c+CD123−Lin−)は、FACS aria(BD Biosciences, CA)を使用してPBMCから選別された。ナイーブCD4+およびCD8+T細胞(CD45RA+CD45RO−)(純度>99.2%)をFACS選別によって精製した。
Jackson LaboratoryからのC57Bl/6Ly5.1マウスおよびCIML動物施設で生育されたC57Bl/6バックグラウンドのOT−I TCRトランスジェニックLy5.2マウスを実験のために使用した。
免疫蛍光顕微鏡観察およびフローサイトメトリー
免疫蛍光顕微鏡観察のために、刺激したDCsを37℃で15分間かけて3%パラホルムアルデヒド中で固定し、そして以前に記載されているように(17)免疫蛍光標識のために処理した。
マウスI−Aに対するウサギリボリ(rivoli)抗体(18)およびマウス抗体FK2(Biomol)を一次抗体として使用した。染色後、試料を、イメージ獲得のために、Leica DMRBE落射蛍光顕微鏡またはZeiss LSM 510レーザー走査型共焦点顕微鏡のいずれかで調べた。その後、102431024ピクセルのイメージをAdobe Photoshop 7.0を使用して構築した。定量は、常に、4つの独立した実験において少なくとも100個の細胞を計測することによって行ない、合計して少なくとも400個の宿主細胞を分析した。
フローサイトメトリーのために、刺激したDCsを回収および染色した。CD80およびCD40に対するFITCをコンジュゲートした抗体、CD83およびIA−IE(MHCクラスII)に対するPEをコンジュゲートした抗体、およびCD11cに対するAPCをコンジュゲートした抗体は、Pharmingenから得られた。適切なアイソタイプ抗体をコントロールとして使用した。染色後、細胞をPBSで洗浄し、そして3%パラホルムアルデヒド中で固定し、その後、FACScaliburサイトメーター(Becton Dickinson)で分析した。細胞は、常に分析のためにCD11c上でゲートオン(gated on)され、そして10,000個のゲートイベントを各試料から回収した。データを、FlowJoソフトウェアを使用して分析した。ヒストグラムを描き、そして蛍光強度の中央値をゲート個体群上で決定した。CFSE標識T細胞の増殖および活性化を追跡するために、流入領域膝窩リンパ節(DLNs)を免疫化の3日後に回収し、そしてコラゲナーゼタイプI消化にかけた。細胞を、異なる蛍光色素のコンジュゲートした抗体を使用してフローサイトメトリーによる分析のために染色した。少なくとも100,000個のイベントをFACSCanto II(BDBiosciences)で回収した。フローサイトメトリー分析は、FlowJoソフトウェアを使用して実施された。
サイトカイン濃度の測定
全マウスIL−12およびTNF−αを、製造業者の指示(Abcys)に従って、サンドイッチ酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)によって、刺激したDCsの培養上清中において定量した。ヒトサイトカインおよびケモカイン(IL−1b、TNFαおよびIL−12p40を含む)を、製造業者のプロトコールによりBeadLyteサイトカインアッセイキット(Upstate, MA)を使用して定量した。
ヒトCD4+およびCD8+T細胞応答
5×10個の血液mDCsを、CFSEで標識された同種のナイーブCD4+T細胞(1〜2×10個)と共に培養した。6日目にCFSE希釈率を測定することによって細胞増殖を試験した。IL−2(20単位/ml)の存在下における8〜10日間かけてのCD8+T細胞。HLA−A0201+健康ドナーからの5×10個の血液mDCsに、0.2m.o.i.(感染多重度)の熱不活性化インフルエンザウイルス(PR8)を37℃で2時間かけてのせた。自己CD8+T細胞(1〜2×10個)を混合し、そして20単位/mlのIL−2の存在下において7日間培養した。その後、細胞を抗CD8抗体およびテトラマー(HLA−A*0201−Flu M158−66)を用いて染色した。MART−1特異的CD8+T細胞応答を、10mMのMART−126−35(27L)ペプチドをのせたmDCと共に培養した後に測定した。
OT−I T細胞の養子移植および免疫化
OVAからのH−2Db拘束性CD8+T細胞エピトープに特異的なTCRを発現するOT−Iトランスジェニック細胞を使用した。リンパ節OT−I Ly5.2マウスを収集し、そしてコラゲナーゼタイプI(Sigma)を用いて37℃で30分間かけて消化した。その後、CD8+T細胞を、マウスCD8ネガティブ単離キット(Dynal)を使用することによってネガティブに選別した。日常的には、得られた細胞は>90%であった。CD8の比率をフローサイトメトリーによって決定した。CD8+T細胞を、10μMのCFSEを用いて37℃で10分間かけて標識した。
CD8+Ly5.2 CFSE+T細胞を、ナイーブでコンジェニックなC57Bl/6 Ly5.1レシピエントマウスに静脈内に養子移植した(200000個の細胞/マウス)。OT−I養子移植から24時間後に、レシピエントマウスに、エンドトキシンを含まないPBS中の30μgのOVA単独で、または200μgの環状グルカンの混合された30μgのOVA、または50μgのポリI/Cの混合された30μgのOVA、またはIFA(容量/容量)で乳化された30μgのOVAのいずれかを用いて皮下(s.c.)に免疫化した。
T細胞の増殖および活性化
生存細胞は常にCD8+CD45.2+個体群上でゲートオンされ、そして本発明者らは細胞***に相関するCFSE標識の減少を分析した。細胞活性化レベルを研究するために、本発明者らは、CD25、CD44およびCD62Lなどの活性化マーカーの発現を考察した。
HEK293細胞ルシフェラーゼリポーターアッセイ
HEK293細胞リポーターアッセイを、以前に記載されているように指定されたプラスミドを使用して実施した。マウスTLRs、MD2およびCD14cDNAを、骨髄由来マクロファージから調製された全RNAからの逆転写酵素PCRによって増幅し、そしてpCDNA3.1発現ベクター(Promega)へサブクローニングした。HEK293細胞を、Fugene(Roche)を使用して、製造業者の指示に従って、50ngのレセプタープラスミド、200ngのpBIIXLucリポータープラスミド、5ngのコントロールウミシイタケ(Renilla)ルシフェラーゼ(pRL−null、Promega)からなる合計で0.4μgのDNAで一過性にトランスフェクションした。トランスフェクションから24時間後、細胞を、6時間かけて記載のアゴニストで刺激し、そしてその後、細胞を溶解し、そしてルシフェラーゼ活性をDual−Gloルシフェラーゼアッセイシステム(Promega)を使用して測定した。
結果:
BrucellaCβGはマウスDC成熟のモデュレーターである
マウスDCsの成熟は、多くの形態機能的変化によって特徴付けられ、とりわけ、細胞表面における共刺激性およびMHCクラスIIの分子のアップレギュレーション、形態の変化、および大きなサイトゾルの樹状細胞アグリソーム様誘導性構造(DALISと呼ばれ、これは欠陥のある新たに合成されたユビキチン化タンパク質からなる)の形成がある。B.melitensisCβGが、マウスDCsの成熟のアクチベーターであるかどうかを最初に決定するために、細胞を、種々の濃度のB.melitensisCβGと共にインキュベーションした。8時間後および24時間後に、MHCクラスII分子の表面発現およびDALISの形成を共焦点顕微鏡によって分析した。DC活性化のコントロールとして、0.25mMのE.coliLPSを使用した。B.melitensisCβGまたはE.coliLPSで処理されたがBrucellaLPSでは処理されていないマウスDCsは成熟を受けた。なぜなら、それらはMHC II表面局在化およびDALIS形成を示したからである。しかしながら、非処理DCsおよびBrucellaLPSで処理されたDCsでは、MHC II分子は殆ど細胞内に留まり、そしてDALISは観察されなかった。それぞれの刺激と共に8時間および24時間インキュベーションした後のDALISを有するDCsの比率。E.coliLPSの場合、細胞の80%が8時間後に大きく数多くのDALISを含んでいたが、一方、非処理細胞の僅か20%がDALISを含んでいた。B.melitensisCβGは0.025μMにおいて細胞の45%にDALISの形成をすでに誘導し、そして0.25μMおよび2.5μMでは細胞の数はそれぞれ79%および72%に増加し、0.25μMのE.coliLPSで得られたレベルに達した。24時間後に、DALISの数は減少し始め、これは以前に観察されたものと一致する。なぜなら、DC成熟の過程におけるDALIS発現は一過性イベントであるからである。
DC成熟過程におけるB.melitensisCβGの効果へのさらなる洞察を得るために、本発明者らは次に、CD11c陽性マウスDCsにおいてフローサイトメトリーによって古典的成熟マーカー(CD80、CD86、CD40およびMHCクラスII分子)の表面発現を分析した。蛍光の中央値の分析は、B.melitensisCβGによる全ての共刺激性およびMHCクラスIIの分子の明瞭な用量依存的誘導を示した。これは、高い比率のMHCクラスII分子が細胞表面上に存在していた顕微鏡の観察と一致する。
これらの観察は、B.melitensisCβGがDC成熟を促進することを示唆する。本発明者らはその後、マウスDCsによるサイトカインの分泌も、B.melitensisCβGの刺激後に誘導されるかどうかを調べた。刺激したマウスDCsの上清中におけるIL−12およびTNF−αのレベルを決定した。結果は、B.melitensisCβGが、用量依存的に両方のサイトカインの分泌を誘導したことを示した。この効果は、刺激から8時間後並びに24時間後に観察され、両時点の間に有意な差はなかった。合わせて考えると、これらのデータは、B.melitensisCβGがマウスDCsの強力な活性化分子であることを確認した。
マウスDC成熟は、種々の環状グルカン構造によってモデュレーションされる
本発明者らは、その後、異なる起源の種々のCβGと共にDCsをインキュベーションすることによって、環状グルカン構造とDC活性化との間の可能性ある関係について調べた。B.melitensisCβGは、β−1,2結合によって連結された17〜25個のグルコース残基を含む環状骨格からなる(22)。B.abortusCβGの場合には、環状β−1,2−グルカンの何分の1かが、O−スクシニル残基によって置換されている(19)。RalstoniaCαGは、13個のグルコースを有する環状骨格によって構成される。1つの結合はα−1,6であるが、他の全てのグルコース残基はβ−1,2によって連結されている(22)。合成メチルシクロデキストリン(MβCD)は、β−1,4結合によって連結され、O−メチル置換基を有する7個のグルコース環状骨格からなり、これはまた、生物学者には、膜コレステロールを抽出するその特性を使用して脂質ラフト破壊剤としても知られている(22)。
第1に本発明者らは、成熟マーカーの表面発現を分析し、E.coliLPS、B.melitensisおよびB.abortusCβGは、CD80、CD86、CD40およびMHCクラスII分子の急激な発現を誘導したが、B.abortusCβGと共にインキュベーションした細胞においては僅かに低いレベルであった。これに対し、RalstoniaCαGおよびMβCDはDCを有意に活性化できなかった。
サイトカイン分泌の分析は、表面マーカー発現を実証する。B.melitensisおよびB.abortusCβGはTNF−αおよびIL−12の分泌を誘導した。RalstoniaCαGに応答して、DCは殆どTNF−αおよびIL−12を産生せず、そしてMβCDに応答してサイトカインは全く分泌されなかった。
前記のデータは第1に、環状グルカン依存性DC活性化は、分子構造に大きく依存し、そして第2にコレステロール抽出は、DCにおける免疫系応答に全く効果を及ぼさないことを実証した。
CβGによるDC活性化はTLR4、MyD88およびTRIFを必要とするが、CD14には非依存性である
本発明者らは、CβGの認識に対するTLRsおよびアダプターの寄与を分析した。MyD88およびTRIFは、TLRシグナル伝達に関与するアダプター分子である。MyD88は、TLR1、2、4、5、7、8、9、IL−1RおよびIL−18R経路に関与するが、TRIFはTLR3およびTLR4に独特である。TLR4、TLR2、MyD88、TRIF、TRIF/MyD88およびCD14KOマウスに由来するBMDCをCβGで処理した。共刺激分子の表面発現および炎症誘発性サイトカイン(例えばIL−12、IL−6およびTNF−α)の分泌を測定することによって示されるように、E.coliLPSおよびB.melitensisCβGのいずれかによって刺激されたTLR4、Myd88、Myd88/TRIFおよびTRIF KOマウス由来BMDCにおいては活性化を全く観察できなかった(図2AおよびB)。これらの結果は、B.melitensisCβGが、TLR4経路の活性化を介してDC成熟を誘導することを示す。B.melitensisによって誘導されるDC成熟に関与する経路を描写するために、CβG活性化を、MyD88KO、TRIFKO、および二重MyD88/TRIFKOマウスに由来するBMDCにおいて試験した。E.coliLPSと同様に、B.melitensisCβGによるIL−12の誘導は、MyD88−KOおよびTRIF−KOマウスに由来するBMDCにおいて妨害され、細胞をBrucellaCβGと共にインキュベーションした場合には、二重MyD88/TRIF KO細胞においてIL−12の分泌は全く観察されず、カードラン(アルカリゲネス・ファエカリス(Alcaligenes faecalis)からの鎖状α−1,3グルカン)で処理したDCとは対照的であった。カードランは、重要なβ−グルカンレセプターであるデクチン−1と、MyD88/TRIF非依存性に相互作用することが知られている。
LPSの認識には、LPS結合タンパク質(LBP)、CD14、およびTLR4/MD2複合体が関与する。IL−12などの炎症誘発性サイトカインの分泌、並びに、共刺激分子(MHC−II)の細胞表面発現は、E.coliLPS処理CD14KO BDMCにおいて完全に消失した。これに対し、CβGで処理したBMDCsの活性化はCD14に非依存性であった。CβGがTLR4経路を活性するためにCD14を必要としないという事実は、LPSとは異なる認識機序を強調する。合わせて考えると、これらの結果は、CβGが新規なTLR4アゴニストであることを実証する。
LPSなどの強力な生物学的誘導物質は、高い毒性および免疫原性を示し、これらの特性は、アジュバントとしてのこれらの分子の使用を妨げる。それ故、精製されたBrucellaCβG調製物においてこれらの特性を探索することは関連性があった。E.coliLPSとは対照的に、BrucellaCβGは細胞培養液または動物に対して毒性がなく(表1)、そしてマウス、ウサギまたは天然に感染したウシにおいて抗体の産生を誘導しなかった(示していない)。これらの結果は、細胞培養液中においてCβGは非常に高い濃度(10mM)でさえも毒性ではなかったことを示す以前の結果を実証する。従って、CβGは、LPSの毒性特性を示さないTLR4アゴニストである。
BrucellaCβGはin vivoにおいてCD8応答を誘導する
本発明者らは、外来性遊離抗原に対してCD8+T細胞応答を誘導する環状グルカンの能力を調べた。本発明者らはCD8+Ly5.2CFSE+OT−I T細胞をC57Bl/6 Ly5.1マウスに導入し、これをその後、PBS単独(グループ1)、OVA単独(グループ2)、環状グルカンとOVA(グループ3)、またはポリI/Cなどの公知のアジュバントとOVA(グループ4)またはIFA(グループ5)のいずれかを用いて免疫化(s.c.)した。免疫化から3日後に、本発明者らはPBSを用いて免疫化したコントロールを除く全てのグループのマウスにおける流入領域リンパ節においてOT−I T細胞増殖を観察することができた。本発明者らは次に、CD8+CD45.2+個体群における活性化マーカーの表面発現を探索した。本発明者らはフローサイトメトリーによってCD25、CD44発現のアップレギュレーション、およびCD62Lのダウンレギュレーションを分析し、これはリンパ節から感染部位へのT細胞の移動に相関する。PBS単独またはOVAとPBSを用いてワクチン接種されたマウスにおいては細胞の活性化は全くなかった。しかしながらOVAおよび環状グルカンを用いて免疫化されたグループにおいては、本発明者らはCD25およびCD44のアップレギュレーション、並びに、CD62L発現の強力なダウンレギュレーションを観察することができ、これは、ポリ:ICなどの公知のアジュバントを用いて免疫化されたグループよりも高い。
これらのデータは、CβGが、CD8+T細胞増殖および活性化をin vivoにおいて誘導することができることを示す。
BrucellaCβGは、ヒトDCsの成熟を誘導する
本発明者らは、B.melitensisCβGもまたヒト単球由来DCに対する刺激であるかどうかを調べた。ヒトDCsは、GM−CSFおよびIL−4の存在下で6日間、またはGM−CSFおよびIFNの存在下で3日間かけて、ヒト末梢血から得られた単球から分化した。それ故、本発明者らはDCs成熟に対するB.melitensisCβGの種々の濃度の効果を試験した。IFN分化DCでは、B.melitensisCβGによる処理後の24時間の間に、細胞表面上でのCD80、CD83、CD40、HLA−DR、HLA−ABCおよびCD86のアップレギュレーションが用量依存的に検出された(図2A)。マウスDCと同様に、使用したより低い濃度(0.2μM)はこのDC表現型を誘導することができなかった。同じ結果が、IL−4により分化したヒトDCsについても存在していた。本発明者らはさらに、CβGがヒト血液mDCsを効率的に活性化し、その結果、マウスDCsで観察されたように、有意な量のIL−1b、TNFαおよびIL−12が生じることを実証した。特に、CβGは、血液mDCsからのIL−1bの誘導についてはE.coliLPSよりも強力であった(図2B)。
CβGを用いてのmDCs活性化により、同種のナイーブCD4+T細胞増殖は増加した。また、Flu M1特異的CD8+T細胞応答並びにMART−1特異的CD8+T細胞応答も増強された。CβGは、CD4+T細胞増殖に対してE.coliLPSよりも効率的であったが、CβGおよびE.coliLPSの両方により、交差提示アッセイに示されたように、同じようなレベルのFlu M1特異的CD8+T細胞応答が得られた。
合わせて考えると、これらの結果は、BrucellaCβGが、DCおよびマクロファージのパンアクチベーターであることを示した。
BrucellaCβGはin vivoおよびin vitroにおいて内毒素性ではない
CβGは強力な活性化をトリガーすることができたので、そして媒介される活性化はTLR4経路に依存するようであったので、本発明者らはin vitroおよびin vivoにおいて生じる可能性のある内毒素性を考察した。種々のアッセイ、特にリムルスアメボサイトライセートアッセイ、種々のアゴニストによって注射されたSwissマウスのDL50、およびクロム放出によって測定したマクロファージの毒性を使用した。表Iは、CβGが、E.coliLPSおよびBrucellaLPSと比較して全く毒性ではなかったことを示す。予期されたように、BrucellaLPSと比較して、E.coliLPSは、非常に低い濃度で内毒素ショックを誘導することができた。
Figure 0005860871
Pyrogent MA Bio products Inc. Walkersville USAからのリムルスアメボサイトライセート。方法は、マニュアルの指示に従って実施された。
LD50は、0.1mlの適切なLPS濃度を用いてSwissマウス(20〜22g)で決定された。12、24、48および72時間後に死亡を記録し、そして50%致死用量をプロビット法によって決定した。プロビット法。(20)。腹腔マクロファージについての毒性は、クロム放出法を使用して実施された。
実施例2:BrucellaCβGのアジュバント活性
方法:
ヘビ毒液に対する抗体の産生のためのCβGのアジュバント活性を、(24)によって提案されている方法に従って評価した。簡潔には、PBS中で希釈したBothrops asperの毒液をアルギン酸カルシウムとまたはPBS(コントロール)と混合し、そして混合物を乳化した。その後、CD−1マウスに、混合物を皮下注射し、これにより50μl/マウスの容量中20μgの毒液に等価なものを与えた。別のグループのマウスに、同じ経路を通して、アルギン酸カルシウムと毒液の同じ混合物であるが、1匹のマウスあたり100μgのB.abortusCβGも含むものを注射した。最後に1つのマウスのグループに、PBS中で希釈した毒液のみを注入した。免疫化マウスから「0」から30日目まで採血し、そしてB.asperの毒液に対する抗体を、完全毒液抗原を用いてコーティングされたプレートを使用して、そしてコンジュゲート抗マウスIgセイヨウワサビペルオキシダーゼとして、間接的なELISAによって決定した(24)。種々のグループのマウスの独立した値を評価し、そして差異を一方向性ANOVA分析(http://www.uv.es/~lejarza/anova/anova.html)、その後のフィッシャー有意性(PLSD)分析(http://www.graphpad.com/faq/viewfaq.cfm?faq=176)によって評価した。
結果:
アルギン酸カルシウムは、毒液に対して免疫応答を誘導するために古典的に使用される免疫アジュバントである。図4に示したように、CβGは、21および28日後に抗毒液免疫グロブリンの産生のためにアルギン酸カルシウムと相乗作用する(図4A)。従って、抗体産生の動態は加速され、そしてアジュバント活性は、アルギン酸カルシウム単独で観察されるものよりも高い(図4B)。
参考文献:
本出願全体を通して、種々の参考文献が、本発明が属する当技術分野の最新技術を記載する。これらの参考文献の開示は、本開示への参照により本明細書に組み入れられる。
Figure 0005860871

Figure 0005860871

Figure 0005860871

Claims (10)

  1. 少なくとも1つの環状βグルカン(CβG)化合物を含む、1つ以上の抗原に対する獲得免疫応答を誘起するための免疫アジュバント組成物であって、
    前記環状βグルカン(CβG)化合物は、β−(1,2)グリコシド結合だけで連結された17〜25個のグルコース残基を含む環状骨格を有する炭水化物である、免疫アジュバント組成物
  2. 少なくとも1つのCβGが、スクシニル残基、ホスホグリセロール残基、ホスホエタノールアミン残基、ホスホコリン残基、アセチル残基およびメチルマロニル残基からなる群から選択される、少なくとも1つの天然置換残基で置換される、請求項1記載の免疫アジュバント組成物
  3. 少なくとも1つの天然置換残基がスクシニル残基である、請求項記載の免疫アジュバント組成物
  4. 天然置換残基の数は、〜25個である、請求項2又は3記載の免疫アジュバント組成物
  5. 天然置換残基の数は、1〜3個である、請求項4記載の免疫アジュバント組成物。
  6. 少なくとも1つのCβGが、ブルセラ(Brucella)から得られたCβGである、請求項1〜5のいずれか1項記載の免疫アジュバント組成物。
  7. 少なくとも1つのCβGが、ブルセラ・メリテンシス(B. melitensis)またはブルセラ・アボルツス(Brucella abortus)から得られたCβGである、請求項記載の免疫アジュバント組成物
  8. − 請求項1〜のいずれか1項記載の免疫アジュバント組成物と
    − 少なくとも1つの抗原
    を含む、1つ以上の抗原に対する獲得免疫応答を誘起するためのキット。
  9. − 請求項1〜7のいずれか1項記載の免疫アジュバント組成物と、
    − 1つ以上の抗原と
    を含む、1つ以上の抗原に対する獲得免疫応答を増強するために使用されるワクチン組成物。
  10. CD8+および/またはCD4+T細胞応答を増強することにより、1つ以上の抗原に対する獲得免疫応答を増強するために使用される、請求項9記載のワクチン組成物。
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