JP5858218B2 - ロータ駆動機構及びポンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば気体、液体、粉体等の各種流体、及び細粒体を含む流体等を移送することができる一軸偏心ねじポンプに適用することができるロータ駆動機構、及びポンプ装置に関する。
従来のポンプ装置の一例を、図10を参照して説明する(例えば、特許文献1参照。)。このポンプ装置1は、同図に示すように、一軸偏心ねじポンプ2と、この一軸偏心ねじポンプ2に設けられているロータ3を回転駆動するためのロータ駆動機構4とを備えている。一軸偏心ねじポンプ2は、雄ねじ型ロータ3がステータ5の雌ねじ型内孔5aに嵌挿する構成となっている。このロータ3が所定方向に回転すると、液体等の流体を例えば吸込み口6から吸い込んで、この吸い込んだ流体を、ロータ3とステータ5との間の空間に保持して移送することによって吐出口7から吐出させることができる。このとき、ロータ3は、図10に示すステータ内孔5aの中心軸8を中心にして公転移動しながら自転する偏心回転運動を行うようになっている。そして、ロータ3を、このように偏心回転運動させるようにするのがロータ駆動機構4である。
図10に示すロータ駆動機構4は、回転駆動部(図示しない例えば電気モータ)によって回転駆動される入力軸9を備え、この入力軸9は、複数の歯車10、・・・を介して出力軸11と連結している。そして、この出力軸11は、ロータ3の端部と結合している。
つまり、回転駆動部が回転駆動すると、その回転が入力軸9、複数の歯車10、・・・、及び出力軸11を介してロータ3に伝達され、ロータ3は、偏心回転運動を行う。これによって、流体を吸込み口6から吸い込んで吐出口7から吐出させることができる。
次に、図10を参照して、ロータ駆動機構4を詳細に説明する。入力軸9は、軸受を介して回動自在にケーシング12に設けられ、第1外歯車10が取り付けられている。この第1外歯車10は、第2外歯車13と噛み合っており、この第2外歯車13は、クランクドラム14に取り付けられている。このクランクドラム14は、軸受を介してケーシング12に回動自在に設けられ、このクランクドラム14の内側に、クランク軸15が偏心した状態で軸受を介して回動自在に設けられている。このクランク軸15の同図における左側端部に出力軸11が結合している。そして、クランク軸15は、同図における右側端部に第3外歯車16が設けられ、この第3外歯車16は、内歯車17と噛み合っている。この内歯車17は、ケーシング12に固定して設けられている。
このロータ駆動機構4によると、出力軸11とクランク軸15とは、同一の軸線18上に設けられ、そしてこのクランク軸15の中心軸18が、クランクドラム14の中心軸8に対して偏心して配置されているので、クランクドラム14が回転すると、ロータ3をステータ内孔5aの中心軸8を中心にして公転移動させることができる。
また、ロータ3の端部に設けられている第3外歯車16が内歯車17と噛み合っていることによって、公転移動するロータ3を自転させることができる。このように構成されているので、ステータ内孔5aに装着されたロータ3を回転させて、流体を吐出口7から吐出させることができる。
特開昭60−162088号公報
しかし、図10に示す従来のポンプ装置1では、入力軸9に取り付けられている第1外歯車10と、クランクドラム14に取り付けられている第2外歯車13とが噛み合い、クランク軸15に設けられている第3外歯車16が内歯車17に噛み合っているので、入力軸9が内歯車17のピッチ円よりも外側に配置される構成となっている。その結果、内歯車17のピッチ円をいくら小さくしても、内歯車17の外側に配置される入力軸9及びこれに取り付けられている第1外歯車10によって、ポンプ装置1の嵩が比較的大きくなってしまうこととなる。そのため、小型、軽量、及び低廉なポンプ装置1を提供することに或る一定の限界が生じる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、流体を高流量精度、及び長寿命で移送したり、充填することができると共に、小型、軽量、低廉、及び省エネルギ化を図ることができるロータ駆動機構、及びポンプ装置を提供することを目的としている。
本発明に係るロータ駆動機構は、雄ねじ型ロータが雌ねじ型ステータの内孔に装着された一軸偏心ねじポンプの前記雄ねじ型ロータを、自転させながら公転移動させることができるロータ駆動機構において、ロータ駆動部によって駆動されて前記ロータを公転移動させる公転用機構と、公転移動する前記ロータを自転させる自転用機構とを備え、前記自転用機構は、第1軸部及び第2軸部を有し、これら第1軸部、第2軸部、及び前記ロータが互いに偏心して連結し、前記ロータが自転しながら公転移動するときに、前記第1軸部が、これと対向して設けられている案内面を有する第1直動機構によって当該軸心と略直交する第1直線方向に移動すると共に、前記第2軸部が、これと対向して設けられている案内面を有する第2直動機構によって当該軸心と略直交する第2直線方向に移動し、前記第1直線方向及び前記第2直線方向は、前記第1軸部及び前記第2軸部の互いの偏心量に応じた所定の立体交差角度で配置されていることを特徴とするものである。
本発明に係るロータ駆動機構によると、ロータ駆動部が駆動してその回転動力が公転用機構を介してロータに伝達されると、ロータを公転移動させることができる。そして、自転用機構は、この公転移動するロータを自転させることができる。このようにして、ロータを偏心回動運動させることができる。この偏心回動運動とは、例えばロータがステータの内孔の中心軸の回りを所定の角速度で公転移動しながら自転する運動であり、自転方向が公転方向と逆方向である。このロータの偏心回動運動によって、ステータ内孔の内面と、ロータの外面とで形成される空間が、ステータ内孔の一方の開口部側から他方の開口部側に向かって移動するので、流体をその方向に移送することができる。
また、このようにロータが偏心回動運動するのは、第1軸部及び第2軸部が、互いに所定の偏心量で偏心して結合し、第1及び第2軸部は、それぞれと対応する第1及び第2直動機構によって、それぞれの軸心と略直交する第1及び第2直線方向に案内面に沿って移動自在であり、第1及び第2軸部のそれぞれの移動自在な当該2つの第1及び第2直線方向が、第1及び第2軸部の互いの偏心量に応じた所定の立体交差角度で配置されているからである。
この発明に係るロータ駆動機構において、前記第1直動機構は、前記第1軸部に回動自在に設けられている第1転子と、この第1転子が接触して転がる前記案内面を有し、前記第1転子を前記第1直線方向に案内する第1案内部とを備え、前記第2直動機構は、前記第2軸部に回動自在に設けられている第2転子と、この第2転子が接触して転がる前記案内面を有し、前記第2転子を前記第2直線方向に案内する第2案内部とを備えるものとすることができる。
このようにすると、ロータ駆動部が駆動して、第1軸部(第2軸部)が第1案内部(第2案内部)の案内面に沿って第1直線方向(第2直線方向)に移動するときに、第1軸部(第2軸部)に回動自在に設けられている第1転子(第2転子)が、案内面上を転がることができる。これによって、第1軸部(第2軸部)は、滑らかに騒音を発生せずに第1直線方向(第2直線方向)に移動することができる。その結果、このロータ駆動機構を使用するポンプ装置を静かに駆動させることができるし、ポンプを駆動するための動力の省エネルギ化を図ることができる。
この発明に係るロータ駆動機構において、前記第1転子は、少なくとも2つ設けられ、前記第1案内部は、互いに対向して形成されている第1案内面及び第2案内面を有し、一方の前記第1転子が前記第1案内面と当接すると共に、他方の前記第1転子が前記第2案内面と当接し、前記第2転子は、少なくとも2つ設けられ、前記第2案内部は、互いに対向して形成されている第3案内面及び第4案内面を有し、一方の前記第2転子が前記第3案内面と当接すると共に、他方の前記第2転子が前記第4案内面と当接するものとすることができる。
このようにすると、ロータが所定方向に公転移動するときに、第1軸部に設けられている一方の第1転子が第1案内面に当接しているので、第1軸部がロータの公転移動方向(第1案内面に向かう方向)に行き過ぎることがないようにすることができる。そして、第1軸部に設けられている他方の第1転子が第2案内面に当接しているので、第1軸部がロータの公転移動方向と逆方向(第2案内面に向かう方向)に戻ることがないようにすることができる。つまり、第1軸部の第1案内部に対する公転移動方向のバックラッシュ(がたつき)を解消することができる。そして、上記と同様に、第2軸部の第2案内部に対する公転移動方向のバックラッシュを解消することができる。
これによって、ロータを、一定の経路に沿って確実に、しかも滑らかに偏心回動運動させることができる。よって、ステータの内孔を形成する内面と、ロータの外面とが、一定の隙間を保って互いに接触しないように、又は両者が適切な接触圧で接触するように、ロータを偏心回動運動させることができる。
この発明に係るロータ駆動機構において、互いに所定の立体交差角度で配置されている前記第1案内部の前記第1及び第2案内面を有する内面、及び前記第2案内部の前記第3及び第4案内面を有する内面が共通する1つの案内ケーシングに形成され、前記第1及び第2軸部の軸方向から見て、前記第2案内部の内面が、前記第1案内部の内面を外側から包囲するように形成されているものとすることができる。
このように、第1及び第2軸部の軸方向から見て、第2案内部の内面が、第1案内部の内面を外側から包囲するように形成することとすると、所定の部材を使用して案内ケーシングを製作するときに、この所定の部材の一方の面(第2案内部を形成する側の面)から例えば切削加工や研削加工を行って、これら第1及び第2案内部のそれぞれの内面を形成することができる。これによって、加工の手間を軽減できるので、1つの部材から成る案内ケーシングを簡単に製作することができる。
そして、このように案内ケーシングを1つの部材から成るものとすると、第1及び第2案内部をそれぞれ別個の案内ケーシングに形成した場合と比較して、1及び第2案内部の相互のロータの公転方向の位置関係を調整して組み立てる手間を不要とすることができる。これによって、このロータ駆動機構の組立て及び調整の手間を軽減でき、それらに要する時間を短縮することができる。
この発明に係るロータ駆動機構において、前記公転用機構は、駆動部ケーシングに回動自在に設けられ、前記ロータ駆動部によって回転駆動される偏心支持部と、前記偏心支持部内にその中心軸に対して偏心する位置で自転自在に設けられ、前記ロータ、前記第1軸部及び前記第2軸部が結合する被駆動軸とを備え、前記偏心支持部が前記ロータ駆動部によって回転駆動されることによって、前記被駆動軸が偏心回動運動をするものとすることができる。
このようにすると、偏心支持部は、被駆動軸を自転自在に支持することができ、この偏心支持部が回転することによって、被駆動軸を公転移動させることができる。このようにして、偏心支持部は、被駆動軸を偏心回動運動できるように支持することができる。
そして、被駆動軸が偏心支持部の内側に収容されているので、両者を直列に連結する場合と比較して、このロータ駆動機構の長さを短くすることができるし、被駆動軸が自転するときに発生する騒音(被駆動軸と偏心支持部との間で発生する騒音)が外部に漏れないように、偏心支持部によって遮蔽することができる。
この発明に係るロータ駆動機構において、前記被駆動軸の一端部に前記ロータが結合すると共に、前記被駆動軸の他端部に前記第1及び第2軸部が結合し、前記偏心支持部が1つの略円筒状体で形成され、前記ロータ駆動部が略円筒形状であり、前記偏心支持部の外周面を覆うように設けられているものとすることができる。
このように、偏心支持部を1つの略円筒状体で形成することによって、偏心支持部の一端部の内側に配置されている被駆動軸の一端側部と、偏心支持部の他端部の内側に配置されている被駆動軸の他端側部との間に、公転移動方向の角度のずれが発生することを防止できる。これによって、被駆動軸の中心軸の、ステータの内孔の中心軸に対する平行性を確実に維持することができる。
これによって、ロータを全長に亘って、一定の経路に沿って精度良く偏心回動運動させることができる。よって、ステータの内孔を形成する内面と、ロータの外面とが、一定の隙間を保って互いに接触しないように、又は両者が適切な接触圧で接触するように、ロータを偏心回動運動させることができる。
そして、略円筒形状のロータ駆動部が、偏心支持部の外周面を覆うように設けられているので、両者を直列に連結する場合と比較して、このロータ駆動機構の長さを短くすることができる。
本発明に係るポンプ装置は、本発明に係るロータ駆動機構と、このロータ駆動機構によって回転駆動される前記一軸偏心ねじポンプとを備えるものである。
本発明に係るポンプ装置によると、ロータ駆動機構は、上記と同様に作用する。よって、ロータ駆動部の回転動力を、ロータ駆動機構を介してロータに伝達することができ、ロータを偏心回動運動させることができる。
この発明に係るポンプ装置において、前記ロータ駆動機構と前記一軸偏心ねじポンプとの間に形成され、前記ポンプによって移送される流体が内側を通るポンプケーシング部と、前記ステータとを一体物として形成したものとすることができる。
このように、ポンプケーシング部と、ステータとを一体物として形成すると、ポンプケーシング部及びステータの互いの取付け位置のズレが発生することがなく、これによって、ロータの外面と、ステータの内孔の内面とが、予め定めた正確な位置関係となるように、このポンプ装置を組み立てることができる。
そして、ポンプケーシング部と、ステータとの間に隙間が全く形成されないので、このような隙間に、移送流体や不純物等が溜まらないようにすることができる。
なお、ポンプケーシング部と、ステータとを一体物として形成する場合は、ステータをポンプケーシング部と同等の硬質材料で形成するが、ロータがステータ内孔の内面に衝突することによって、ロータ及びステータが損傷することはない。なぜなら、ロータは、ロータ駆動機構によって規定されて所定の経路に沿って偏心回動運動を行なうからである。
この発明に係るポンプ装置において、前記被駆動軸の前記ロータ側端部の外周部と、前記ポンプ装置に設けられているケーシングの内周部との間を少なくともダイアフラムによって封止した軸封構造を更に備えるものとすることができる。
この軸封構造によると、被駆動軸が偏心回動運動して公転移動するときに、その被駆動軸の公転移動に対してダイアフラムが自由に変形するので、被駆動軸と、この被駆動軸が偏心回動運動自在に挿通するケーシングとの間を、このダイアフラムによって確実、かつ簡単に封止することができる。
この発明に係るポンプ装置において、前記軸封構造は、前記被駆動軸が回動自在に挿通する挿入孔を有する環状連結部を備え、この環状連結部の外周部と前記ケーシングの内周部との間が前記ダイアフラムによって封止され、前記環状連結部の内周部と前記被駆動軸の外周部との間がシール部によって封止されているものとすることができる。
このようにすると、自転する被駆動軸の外周部と、環状連結部の内周部との間に形成されている円環状の隙間をシール部によって封止することができる。そして、シール部は、環状連結部の内面に取り付けられ、このシール部の内周部は、自転する被駆動軸の外周部に接触しているが、この被駆動軸の外径を小さく形成することによって、被駆動軸の周速度を小さくすることができる。これによって、シール部の内周部と、自転する被駆動部の外周部との接触によるシール部の磨耗を小さくすることができ、磨耗粉の発生を抑制できる。
この発明に係るポンプ装置において、前記ロータ駆動機構は、前記雄ねじ型ロータを、前記ステータの内孔の内面に対して非接触の状態で回転させるものとすることができる。
このようにすると、ロータをステータに対して非接触の状態で回転させることができるので、例えば細粒体を含む流体を移送する場合は、細粒体をロータとステータ内面とによってすり潰さないように両者の隙間を設定して、細粒体を、その原形を保った状態で移送できるようにすることができる。そして、両者が接触する場合に発生するような磨耗粉が移送流体中に混入することがないし、両者の摩擦による騒音も発生しない。また、移送流体の性状(例えば細粒体やスラリーを含む流体)に応じて、ロータ及びステータの外周面と内周面との隙間を適切な寸法に設定することができ、これによって、種々の性状の流体に応じて、高流量精度、及び長寿命で移送したり充填できるようにすることができる。更に、ロータをステータに対して非接触の状態で回転させることができるので、ロータを比較的高速で回転させることができ、比較的大きい移送能力を得ることができる。
本発明に係るポンプ装置は、雄ねじ型ロータが雌ねじ型ステータの内孔に装着された一軸偏心ねじポンプと、前記雄ねじ型ロータを、自転させながら公転移動させることができるロータ駆動機構とを備え、前記ロータ駆動機構は、前記ロータに対してそれぞれが偏心して設けられている第1軸部及び第2軸部を有し、前記ロータが公転移動するときに、前記第1軸部が、これと対向して設けられている案内面を有する第1直動機構によって当該軸心と略直交する第1直線方向に移動すると共に、前記第2軸部が、これと対向して設けられている案内面を有する第2直動機構によって当該軸心と略直交する第2直線方向に移動する構成であって、前記雄ねじ型ロータを、前記雌ねじ型ステータの内孔の内面に対して非接触の状態で回転させることを特徴とするものである。
本発明に係るポンプ装置によると、このポンプ装置が備えるロータ駆動機構は、上記発明のロータ駆動機構と同様に作用する。そして、ロータを、ステータの内孔の内面に対して非接触の状態で回転させるようにすると、上記発明のポンプ装置と同様に作用する。
本発明に係るロータ駆動機構、及びポンプ装置は、第1及び第2軸部を、それぞれと対向して設けた案内面に沿って案内するようにして、これら第1及び第2軸部を第1及び第2直線方向に移動自在な構成としたものである。従って、第1及び第2直動機構を備える自転用機構に歯車を使用する必要がなく、部品点数を少なくすることができ、その結果、この自転用機構、この自転用機構を備えるロータ駆動機構、及びこのロータ駆動機構を備えるポンプ装置の構造が簡単となり、これらの小型、軽量、及び低廉化を図ることができる。
この発明に係るポンプ装置の第1実施形態を示す縦断面図である。 同第1実施形態に係るポンプ装置を示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。 同第1実施形態に係るポンプ装置を示すA−A断面図である。 同第1実施形態に係るポンプ装置のロータ駆動機構を示す部分拡大縦断面図である。 同第1実施形態に係るロータ駆動機構が備えている第1直動機構を示す部分拡大背面図である。 同第1実施形態に係るロータ駆動機構の第1軸部、第2軸部、被駆動軸、及びステータの内孔のそれぞれの中心軸の位置関係を示す拡大図である。 同第1実施形態に係るロータ駆動機構の第1直動機構を示す図であり、(a)は部分拡大断面図、(b)は部分拡大背面図である。 同発明に係るポンプ装置の第2実施形態を示す部分拡大縦断面図である。 同第2実施形態に係るロータ駆動機構が備えている第2直動機構を示す図であり、(a)は背面図、(b)は部分拡大背面図である。 従来のポンプ装置を示す縦断面図である。
以下、本発明に係るロータ駆動機構、及びそれを備えるポンプ装置の第1実施形態を、図1〜図7を参照して説明する。図1に示すポンプ装置21は、雄ねじ型ロータ22を自転させながら所定の経路に沿って公転移動(偏心回動運動)させることができ、これによって、例えば低粘度から高粘度までのいずれの流体でも、高流量精度でしかも長寿命で移送したり充填することができるものである。また、移送することができる流体として、例えば気体、液体、粉体等の各種流体、及び細粒体を含む流体等がある。
このポンプ装置21は、図1に示すように、一軸偏心ねじポンプ23、ロータ駆動機構26、及びロータ駆動部24を備えている。そして、ロータ駆動機構26は、公転用機構25、自転用機構27、及び被駆動軸36の軸封構造28を備えている。なお、図2(a)は、このポンプ装置21の正面図、図2(b)は、その背面図であり、図3は、そのA−A断面図である。そして、図4は、ロータ駆動機構26を示す部分拡大縦断面図である。
一軸偏心ねじポンプ23は、図1に示すように、回転容積型ポンプであり、雌ねじ型ステータ29と雄ねじ型ロータ22とを備えている。
ステータ29は、図1に示すように、例えば2条の雌ねじ形状の内孔29aを有する略短円筒形に形成され、この内孔29aの縦断面形状が長円であって、例えばテフロン(登録商標)、ポリアセタール、キャストナイロン等のエンジニアリングプラスチックで形成されている。そして、ステータ29は、後端部がポンプケーシング部30と結合し、先端部にノズル31が取り付けられている。
そして、このステータ29は、ポンプケーシング部30と一体物として形成されている。従って、ポンプケーシング部30は、ステータと同様に、例えばエンジニアリングプラスチックで形成されている。なお、このポンプケーシング部30は、ロータ駆動機構26の駆動部ケーシング38と、一軸偏心ねじポンプ23のステータ29との間に形成され、ポンプ23によって移送される流体が内側を通る部分である。
ノズル31には、図1に示すように、第1開口部34が形成され、ポンプケーシング部30に第2開口部35が形成されている。第1開口部34は、吐出口及び吸込み口として使用することができ、第2開口部35は、吸込み口及び吐出口として使用することができる。この第1開口部34は、ステータ29に形成されている内孔29aの先端側開口部と連通しており、第2開口部35は、その内孔29aの後端側開口部と連通している。
ロータ22は、図1に示すように、例えば1条の雄ねじ形状に形成され、縦断面形状が略真円であり、螺旋形状のピッチは、ステータ内孔29aのピッチの1/2に設定されている。そして、ロータ22は、例えばステンレス等の金属製であり、ステータ29の内孔29aに嵌挿されている。また、ロータ22の後端部は、ロータ駆動機構26(公転用機構25)の被駆動軸36と結合している。
公転用機構25は、図4に示すように、偏心支持部37を備えている。この偏心支持部37は、1つの短円筒形状に形成され、駆動部ケーシング38及び第2案内ケーシング44に軸受39、39を介して回動自在に設けられ、ロータ駆動部24によって回転駆動される。この偏心支持部37の回転の中心軸Oは、ステータ内孔29aの中心軸Oと一致している。この偏心支持部37内に被駆動軸36が回動自在に設けられている。
この被駆動軸36は、その先端部にロータ22が結合しており、その後端部には、自転用機構27の第1軸部42及び第2軸部43が結合している。
被駆動軸36は、図4に示すように、偏心支持部37内にその中心軸Oに対して偏心量eだけ偏心する位置で、軸受40、40を介して自転自在に偏心支持部37に設けられている。この被駆動軸36の自転の中心軸はAであり、中心軸OとAは、eだけ偏心している。なお、図4に示す41、41は、スリーブである。
ロータ駆動部24は、図4に示す偏心支持部37を回転駆動することによって、公転用機構25(偏心支持部37及び被駆動軸36)を介してロータ22を公転移動させることができると共に、自転用機構27(第1及び第2軸部42、43)を介してロータ22を自転させることができ、これによって、被駆動軸36及びロータ22を偏心回動運動させることができる。
このロータ駆動部24は、例えばフレームレススピンドルモータであって、中空型のサーボモータ、ステッピングモータ等の電気式速度制御モータであり、図4に示すように、回転子24aと固定子24bとを備えている。回転子24aは、偏心支持部37の外周面に固定して設けられ、固定子24bは、駆動部ケーシング38、38の内周面に固定して設けられている。このロータ駆動部24によって、偏心支持部37が正転方向又は逆転方向に回転駆動されると、この回転が被駆動軸36を介してロータ22に伝達され、これによって、ロータ22がステータ内孔29aの中心軸Oの周りを所定の設定された角速度及び位相で公転移動しながら自転(偏心回動運動)するようになっている。
次に、図4〜図7を参照して、自転用機構27を説明する。この自転用機構27は、公転移動するロータ22を自転させるためのものであり、図4に示すように、被駆動軸36の後端部に結合する第1軸部42及び第2軸部43を有している。そして、これら第1及び第2軸部42、43、並びにロータ22は、図5に示す背面図に示すように、互いに偏心して連結している。
また、この自転用機構27は、上記のように、図4に示すロータ駆動部26が駆動して、被駆動軸36(ロータ22)が自転しながら公転移動(偏心回動運動)するときに、図5に示す第1軸部42が、これと対向して設けられている第1及び第2案内面46、47を有する第1直動機構48によって、第1軸部42の中心軸Bと略直交する第1直線方向49に移動するように構成されている。更にこのとき、第2軸部43は、これと対向して設けられている第3及び第4案内面46、47を有する第2直動機構50によって、第2軸部43の中心軸Cと略直交する第2直線方向51に移動するように構成されている。
図6は、第1軸部42、第2軸部43、被駆動軸36(ロータ22)、及びステータ29の内孔29aのそれぞれの中心軸B、C、A、Oの位置関係を示す拡大図である。同図において、第1軸部42及び第2軸部43のそれぞれ中心軸B、Cと、被駆動軸36(ロータ22)の中心軸Aとの間隔は、偏心量eである。そして、第1軸部42及び第2軸部43のそれぞれの中心軸B、Cの間隔は、偏心量sである。また、被駆動軸36(ロータ22)の中心軸Aと、ステータ29の内孔29aの中心軸Oとの間隔は、偏心量eである。更に、第1直線方向49及び第2直線方向51は、第1軸部42及び第2軸部43の互いの偏心量sに応じた所定の立体交差角度Q(例えば45°)で設定されている。そして、この立体交差角度Qは、角度Rの1/2に設定されている。
この図4及び図7に示す第1直動機構48は、第1軸部42に装着されている2つの第1転子52と、これら2つの第1転子52が接触して転がる第1案内部53とを備えている。
この2つの第1転子52は、図7(a)、(b)に示すように、それぞれ同一の外径を有する例えばラジアル玉軸受によって構成され、第1軸部42に回動自在に設けられている。勿論、この2つの各第1転子52として、ラジアル玉軸受以外の例えばすべり軸受やカムフォロアを使用してもよい。
第1案内部53は、図7(a)、(b)に示すように、2つの第1転子52を第1直線方向49に案内するものであり、互いに斜め方向に対向して形成されている第1案内面46及び第2案内面47を有している。この第1案内面46には、一方の第1転子52が当接し、第2案内面47には、他方の第1転子52が当接している。
そして、第1案内面46は、図7(a)、(b)に示すように、第1案内ケーシング45に形成された第1長孔56が有する2つの平行内面のうちの、同図の左側の内面として形成され、一方の第1転子52と当接している。ただし、第1長孔56が有する2つの平行内面のうちの、同図の右側の内面57は、この一方の第1転子52と接触しないように隙間を隔てて形成されている。
また、第2案内面47は、図7(a)、(b)に示すように、第1案内ケーシング45に形成された第2長孔58が有する2つの平行内面のうちの、同図の右側の内面として形成され、他方の第1転子52と当接している。ただし、第2長孔58が有する2つの平行内面のうちの、同図の左側の内面57は、この他方の第1転子52と接触しないように隙間を隔てて形成されている。
なお、図7(a)、(b)に示すBは、第1軸部42の中心軸線、Dは、第1長孔56の中心軸線、Eは、第2長孔58の中心軸線である。そして、49は、第1直線方向である。
そして、この実施形態では、図7(a)、(b)に示すように、第1案内面46に、一方の1つの第1転子52が当接し、第2案内面47に、他方の1つの第1転子52が当接する構成としたが、これに代えて、このポンプ装置21の大きさや能力に応じて、第1案内面46に、一方の2つ以上の第1転子52が当接し、第2案内面47に、他方の2つ以上の第1転子52が当接する構成としてもよい。
また、図7(a)に示すように、各第1転子52は、第1軸部42に装着されたOリング67を介してこの第1軸部42に取り付けられている。
次に、図4及び図5に示す第2直動機構50を説明する。この第2直動機構50は、第2軸部43を第2直線方向51(第1直線方向49に対して角度Qを成す直線)に案内するものであり、第1直動機構48と同様に、第2軸部43に装着されている2つの第2転子54と、これら2つの第2転子54が接触して転がる第2案内部55とを備えている。この第2直動機構50は、第1直動機構48と同等の構成であり、同様に作用するので、同等部分を同一の図面符号で示し詳細な説明を省略する。
次に、図4を参照して、被駆動軸36の軸封構造28を説明する。この被駆動軸36の軸封構造28は、移送流体がロータ駆動機構26内に進入しないようにしたり、ロータ駆動機構26内の潤滑剤等が移送流体中に混入しないようにするためのものである。
この被駆動軸36の軸封構造28は、図4に示すように、偏心回動運動する被駆動軸36(ロータ22と結合する軸)の先端部の外周面と、この被駆動軸36が偏心回動運動自在に収容するポンプケーシング部30の内周面との間を封止するものである。
この被駆動軸36の軸封構造28は、被駆動軸36が回動自在に挿通する挿入孔59aを有する環状連結部59を備え、被駆動軸36の外周面と環状連結部59の内周面との間に形成されている隙間がシール部60によって封止されている。つまり、シール部60は、図4に示すように、その先端部内周部が被駆動軸36の外周面と密着すると共に、その基端部が環状連結部59の先端部内周部に装着されている。
そして、環状連結部59の外周面と、ポンプケーシング部30の内周面との間に形成されている隙間がダイアフラム61によって封止されている。そして、環状連結部59は、軸受62を介して回動自在に被駆動軸36に取り付けられている。
なお、図4に示すように、ダイアフラム61の背面には、Oリング65がリング取付部66を介して環状連結部59に取り付けられている。このOリング65は、ダイアフラム61が変形してロータ駆動機構26内に入り込まないようにして、ダイアフラム61が被駆動軸36の偏心回動運動に応じて自由に変形できるようにするためのものである。
この図4に示す被駆動軸36の軸封構造28によると、被駆動軸36(ロータ22)が偏心回動運動して公転移動するときに、その被駆動軸36の公転移動に対してダイアフラム61が自由に変形するので、被駆動軸36と、この被駆動軸36が偏心回動運動自在に収容されているポンプケーシング部30の内周面との間を、極めて簡単な構成で確実に封止することができる。
そして、自転する被駆動軸36の外周面と、環状連結部59の内周部との間に形成されている円環状の隙間をシール部60によって封止することができる。
このようにして、移送流体がロータ駆動機構26内に進入すること、及びロータ駆動機構26内の例えば潤滑剤がステータ29内に進入することを防止できる。
そして、シール部60は、環状連結部59の内周部に取り付けられ、このシール部60の内周部は、自転する被駆動軸36の外周部に接触しているが、この被駆動軸36の外径を小さく形成することによって、被駆動軸36の周速度を小さくすることができる。これによって、シール部60の内周部と、自転する被駆動部36の外周面との接触によるシール部60の磨耗を小さくすることができ、磨耗粉の発生を抑制できる。
次に、図1等に示すロータ駆動機構26を備えるポンプ装置21を使用して、移送流体を移送するときの作用を説明する。まず、ロータ駆動部26が駆動してその回転動力が公転用機構25を介してロータ22に伝達されると、ロータ22を公転移動させることができる。そして、自転用機構27は、この公転移動するロータ22を自転させることができる。このようにして、ロータ22を偏心回動運動させることができる。
この偏心回動運動とは、例えばロータ22がステータ29の内孔29aの中心軸Oの回りを所定の角速度及び位相で公転移動しながら、所定の角速度及び位相で自転する運動であり、自転方向が公転方向と逆方向である。このロータ22の偏心回動運動によって、ステータ内孔29aの内面と、ロータ22の外面とで形成される空間が、ステータ内孔29aの一方の開口部側から他方の開口部側に向かって移動するので、流体をその方向に移送することができる。
また、このようにロータ22が偏心回動運動するのは、図6に示すように、第1軸部42の中心軸B、第2軸部43の中心軸C、被駆動軸36の中心軸A、及びステータ29の内孔29aの中心軸Oが所定の位置関係で配置され、第1及び第2軸部42、43は、それぞれと対応する第1及び第2直動機構48、50によって、それぞれの軸心B、Cと略直交する第1及び第2直線方向49、51に沿って移動自在であるからである。更に、第1及び第2軸部42、43のそれぞれの移動自在な当該2つの第1及び第2直線方向49、51が、第1及び第2軸部42、43の互いの偏心量sに応じた所定の立体交差角度Q(例えば45°)で配置されているからでもある。
このようにして、ロータ駆動部26を正転駆動させることによって、移送流体を第2開口部35から吸い込んで第1開口部34から吐出することができる。そして、ロータ駆動部26を逆転駆動させることによって、移送流体を第1開口部34から吸い込んで第2開口部35から吐出することができる。
更に、この実施形態のロータ駆動機構26は、図4、図5及び図7に示すように、第1軸部42に対して第1及び第2案内面46、47を対向して設け、第1軸部42が第1及び第2案内面46、47に案内されて第1直線方向49に移動自在な構成とすると共に、第2軸部43に対して第3及び第4案内面46、47を対向して設け、第2軸部43が第3及び第4案内面46、47に案内されて第2直線方向51に移動自在な構成としてある。
このように構成したことによって、第1及び第2直動機構48、50を備える自転用機構27に歯車を使用する必要がなく、部品点数を少なくすることができ、その結果、この自転用機構27、この自転用機構27を備えるロータ駆動機構26、及びこのロータ駆動機構26を備えるポンプ装置21の構造が簡単となり、これらの小型、軽量、及び低廉化を図ることができる。
そして、図4に示すロータ駆動部26が駆動して、被駆動軸36が偏心回動運動すると、図7(a)、(b)及び図5等に示す第1軸部42(第2軸部43)が第1案内部53(第2案内部55)の第1及び第2案内面46、47(第3及び第4案内面46、47)に沿って第1直線方向49(第2直線方向51)に移動するときに、第1軸部42(第2軸部43)に回動自在に設けられている第1転子52(第2転子54)が、第1及び第2案内面46、47(第3及び第4案内面46、47)の上を転がることができる。これによって、第1軸部42(第2軸部43)は、滑らかに騒音を発生せずに第1直線方向49(第2直線方向51)に移動することができる。その結果、このロータ駆動機構26を使用するポンプ装置21を静かに駆動させることができるし、ポンプを駆動するための動力の省エネルギ化を図ることができる。
また、図7(a)、(b)等に示すように、ロータ22が所定方向に公転移動するときに、第1軸部42に設けられている一方の第1転子52が第1案内面46に当接しているので、第1軸部42がロータ22の公転移動方向(第1案内面46に向かう方向)に行き過ぎることがないようにすることができる。そして、第1軸部42に設けられている他方の第1転子52が第2案内面47に当接しているので、第1軸部42がロータ22の公転移動方向と逆方向(第2案内面47に向かう方向)に戻ることがないようにすることができる。つまり、第1軸部42の第1案内部53に対する公転移動方向のバックラッシュ(がたつき)を解消することができる。
そして、上記と同様に、第2軸部43の第2案内部55に対する公転移動方向のバックラッシュを解消することができる。
これによって、ロータ22を、一定の経路に沿って確実に、しかも滑らかに偏心回動運動させることができる。よって、ステータ29の内孔29aを形成する内面と、ロータ22の外面とが、一定の隙間を保って互いに接触しないように、又は両者が適切な接触圧で接触するように、ロータ22を偏心回動運動させることができる。
更に、図4に示すように、略円筒形状のロータ駆動部26が、偏心支持部37の外周面を覆うように設けられていると共に、被駆動軸36が、略円筒形状の偏心支持部37の内側に収容されているので、ロータ駆動部26、偏心支持部37、及び被駆動軸36を直列に連結する場合と比較して、このロータ駆動機構26の長さを短くすることができる。そして、被駆動軸36が自転するときに発生する騒音(被駆動軸36と偏心支持部37との間で発生する騒音)が外部に漏れないように、この略円筒形状の偏心支持部37によって遮蔽することができる。
そして、図4に示すように、偏心支持部37を1つの略円筒状体で形成することによって、偏心支持部37の一端部の内側に配置されている被駆動軸36の一端側部と、偏心支持部37の他端部の内側に配置されている被駆動軸36の他端側部との間に、公転移動方向の角度のずれが発生することを防止できる。これによって、被駆動軸36の中心軸Aの、ステータ29の内孔29aの中心軸Oに対する平行性を確実に維持することができる。
これによって、ロータ22を全長に亘って、一定の経路に沿って精度良く偏心回動運動させることができる。よって、ステータ29の内孔29aを形成する内面と、ロータ22の外面とが、一定の隙間を保って互いに接触しないように、又は両者が適切な接触圧で接触するように、ロータ22を偏心回動運動させることができる。
また、図1に示すように、ステータ29と、ポンプケーシング部30とを一体物として形成した構成としたので、ステータ29及びポンプケーシング部30の互いの取付け位置のズレが発生することがなく、これによって、ロータ22の外面と、ステータ29の内孔29aの内面とが、予め定めた正確な位置関係となるように、このポンプ装置21を組み立てることができる。
そして、ステータ29と、ポンプケーシング部30との間に隙間が全く形成されないので、このような隙間に、移送流体や不純物等が溜まらないようにすることができる。
なお、ステータ29と、ポンプケーシング部30とを一体物として形成する場合は、ステータ29をポンプケーシング部30と同等の硬質材料で形成するが、ロータ22がステータ内孔29aの内面に衝突することによって、ロータ22及びステータ29が損傷することはない。なぜなら、ロータ22は、ロータ駆動機構26によって規定されて所定の経路に沿って偏心回動運動を行なうからである。
次に、図1に示すロータ22を、ステータ29の内孔29aの内面に対して非接触の状態で回転させることができるように、ロータ22及びステータ29を形成すると共に、ロータ駆動機構26がこのように形成されたロータ22を回転駆動するときの作用を説明する。
このように構成された図1に示すポンプ装置21によると、ロータ22をステータ29に対して非接触の状態で回転させることができるので、例えば細粒体を含む流体を移送する場合は、細粒体をロータ22とステータ29内面とによってすり潰さないように両者の隙間を設定して、細粒体を、その原形を保った状態で移送できるようにすることができる。そして、ロータ22とステータ29とが接触する場合に発生するような磨耗粉が移送流体中に混入することがないし、両者の摩擦による騒音も発生しない。
また、移送流体の性状(例えば細粒体やスラリーを含む流体)に応じて、ロータ22及びステータ29の外周面と内周面との隙間を適切な寸法に設定することができ、これによって、種々の性状の流体に応じて、高流量精度、及び長寿命で移送したり充填できるようにすることができる。更に、ロータ22をステータ29に対して非接触の状態で回転させることができるので、ロータ22を比較的高速で回転させることができ、比較的大きい移送能力を得ることができる。
次に、本発明に係るロータ駆動機構を備えるポンプ装置の第2実施形態を、図8及び図9を参照して説明する。図8は、このポンプ装置68を示す部分拡大縦断面図、図9(a)は、このポンプ装置68を示す背面図であり、図9(b)は、このポンプ装置68を示す部分拡大背面図である。
この図8に示す第2実施形態のポンプ装置68と、図4に示す第1実施形態のポンプ装置21とが相違するところは、以下に記載するところである。
つまり、図4に示す第1実施形態のロータ駆動機構26の自転用機構27では、第1軸部42及び第2軸部43の軸径が同一である。そして、図5に示すように、この第1軸部42を第1直線方向49に案内する第1案内部53(第1案内面46を有する第1長孔56、及び第2案内面47を有する第2長孔58)の内周面と、第2軸部43を第2直線方向51に案内する第2案内部55(第3案内面46を有する第1長孔56、及び第4案内面47を有する第2長孔58)の内周面とが同一の形状及び大きさである。そして、図4に示すように、第1案内部53は、第1案内ケーシング45に形成され、第2案内部55は、第2案内ケーシング44に形成されている。
これに対して、図8に示す第2実施形態のロータ駆動機構68の自転用機構69では、第2軸部43が第1軸部42よりも軸径が大きく形成されている。そして、図9(b)に示すように、第1及び第2軸部42、43の軸方向から見て、第2案内部55(第3案内面46を有する第1長孔56、及び第4案内面47を有する第2長孔58)の内周面が、第1案内部53(第1案内面46を有する第1長孔56、及び第2案内面47を有する第2長孔58)の内周面を外側から包囲するように形成されている。そして、図8に示すように、第1及び第2案内部53、55は、共通の1つの案内ケーシング70に形成されている。
これ以外は、図1に示す第1実施形態と同等であり、同等部分を同一の図面符号で示し、これら同等部分の説明を省略する。
この図8等に示す第2実施形態のポンプ装置68によると、図9(b)に示すように、第1及び第2軸部42、43の軸方向から見て、第2案内部55の内周面が、第1案内部53の内周面を外側から包囲するように形成してあるので、所定の部材を使用して案内ケーシング70を製作するときに、この所定の部材の一方の面(第2案内部55を形成する側の面)から例えば切削加工や研削加工を行って、これら第1及び第2案内部53、55のそれぞれの内周面を形成することができる。これによって、加工の手間を軽減できるので、1つの部材から成る案内ケーシング70を簡単に製作することができる。
そして、このように案内ケーシング70を1つの部材から成るものとすると、第1及び第2案内部53、55をそれぞれ別個の案内ケーシングに形成した場合と比較して、第1及び第2案内部53、55の相互のロータ22の公転方向の位置関係を調整して組み立てる手間を不要とすることができる。これによって、このロータ駆動機構26の組立て及び調整の手間を軽減でき、それらに要する時間を短縮することができる。
ただし、上記各実施形態では、例えば図6に示すように、第1軸部42、第2軸部43、被駆動軸36(ロータ22)、及びステータ29の内孔29aのそれぞれの中心軸B、C、A、及びOの位置関係を設定したが、これ以外の位置関係に設定することができる。例えば、第1直線方向49及び第2直線方向51は、第1軸部42及び第2軸部43の互いの偏心量sに応じた所定の立体交差角度Q(30°)で配置することができる。このとき、中心軸BとAとの間の寸法、中心軸CとAとの間の寸法、及び中心軸AとOとの間の寸法は、それぞれ偏心量eとする。そして、角度Qは、角度Rの1/2とする。
そして、上記各実施形態では、図1に示すように、ステータ29とポンプケーシング部30とを一体物として形成したが、これに代えて、ステータ29とポンプケーシング部30とを別個の部材で形成してもよい。そして、ステータ29をエンジニアリングプラスチックで形成したが、これ以外の例えば合成ゴム等で形成してもよい。
以上のように、本発明に係るロータ駆動機構、及びポンプ装置は、流体を高流量精度、及び長寿命で移送したり、充填することができると共に、小型、軽量、低廉、及び省エネルギ化を図ることができる優れた効果を有し、このようなロータ駆動機構、及びポンプ装置に適用するのに適している。
21 ポンプ装置
22 ロータ
23 一軸偏心ねじポンプ
24 ロータ駆動部
24a 回転子
24b 固定子
25 公転用機構
26 ロータ駆動機構
27 自転用機構
28 被駆動軸の軸封構造
29 ステータ
29a ステータの内孔
30 ポンプケーシング部
31 ノズル
34 第1開口部
35 第2開口部
36 被駆動軸
37 偏心支持部
38 駆動部ケーシング
39、40、62 軸受
41 スリーブ
42 第1軸部
43 第2軸部
44 第2案内ケーシング
45 第1案内ケーシング
46 第1案内面、第3案内面
47 第2案内面、第4案内面
48 第1直動機構
49 第1直線方向
50 第2直動機構
51 第2直線方向
52 第1転子
53 第1案内部
54 第2転子
55 第2案内部
56 第1長孔
57 内面
58 第2長孔
59 環状連結部
59a 環状連結部の挿入孔
60 シール部
61 ダイアフラム
65、67 Oリング
66 リング取付部
68 ポンプ装置
69 自転用機構
70 案内ケーシング
A 被駆動軸の中心軸
B 第1軸部の中心軸
C 第2軸部の中心軸
D 第1長孔の中心軸
E 第2長孔の中心軸
O ステータ内孔の中心軸

Claims (11)

  1. 雄ねじ型ロータが雌ねじ型ステータの内孔に装着された一軸偏心ねじポンプの前記雄ねじ型ロータを、自転させながら公転移動させることができるロータ駆動機構において、
    ロータ駆動部によって駆動されて前記ロータを公転移動させる公転用機構と、
    公転移動する前記ロータを自転させる自転用機構とを備え、
    前記自転用機構は、第1軸部及び第2軸部を有し、これら第1軸部、第2軸部、及び前記ロータが互いに偏心して連結されており
    前記ロータが自転しながら公転移動するときに、前記第1軸部が、これと対向して設けられている案内面を有する第1直動機構によって当該軸心と略直交する第1直線方向に移動すると共に、前記第2軸部が、これと対向して設けられている案内面を有する第2直動機構によって当該軸心と略直交する第2直線方向に移動するように構成され
    前記第1直動機構の案内面と第2直動機構の案内面とが、前記ステータの内孔の中心軸上に配置されており、
    前記第1直線方向及び前記第2直線方向は、前記第1軸部及び前記第2軸部の互いの偏心量に応じた所定の立体交差角度で配置されていることを特徴とするロータ駆動機構。
  2. 前記第1直動機構は、前記第1軸部に回動自在に設けられている第1転子と、この第1転子が接触して転がる前記案内面を有し、前記第1転子を前記第1直線方向に案内する第1案内部とを備え、
    前記第2直動機構は、前記第2軸部に回動自在に設けられている第2転子と、この第2転子が接触して転がる前記案内面を有し、前記第2転子を前記第2直線方向に案内する第2案内部とを備えていることを特徴とする請求項1記載のロータ駆動機構。
  3. 前記第1転子は、少なくとも2つ設けられ、
    前記第1案内部は、互いに対向して形成されている第1案内面及び第2案内面を有し、一方の前記第1転子が前記第1案内面と当接すると共に、他方の前記第1転子が前記第2案内面と当接し、
    前記第2転子は、少なくとも2つ設けられ、
    前記第2案内部は、互いに対向して形成されている第3案内面及び第4案内面を有し、一方の前記第2転子が前記第3案内面と当接すると共に、他方の前記第2転子が前記第4案内面と当接することを特徴とする請求項2記載のロータ駆動機構。
  4. 互いに所定の立体交差角度で配置されている前記第1案内部の前記第1及び第2案内面を有する内面、及び前記第2案内部の前記第3及び第4案内面を有する内面が共通する1つの案内ケーシングに形成され、
    前記第1及び第2軸部の軸方向から見て、前記第2案内部の内面が、前記第1案内部の内面を外側から包囲するように形成されていることを特徴とする請求項3記載のロータ駆動機構。
  5. 前記公転用機構は、
    駆動部ケーシングに回動自在に設けられ、前記ロータ駆動部によって回転駆動される偏心支持部と、
    前記偏心支持部内にその中心軸に対して偏心する位置で自転自在に設けられ、前記ロータ、前記第1軸部及び前記第2軸部が結合する被駆動軸とを備え、
    前記偏心支持部が前記ロータ駆動部によって回転駆動されることによって、前記被駆動軸が偏心回動運動をすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のロータ駆動機構。
  6. 前記被駆動軸の一端部に前記ロータが結合すると共に、前記被駆動軸の他端部に前記第1及び第2軸部が結合し、
    前記偏心支持部が1つの略円筒状体で形成され、
    前記ロータ駆動部が略円筒形状であり、前記偏心支持部の外周面を覆うように設けられていることを特徴とする請求項5記載のロータ駆動機構。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のロータ駆動機構と、このロータ駆動機構によって回転駆動される前記一軸偏心ねじポンプとを備えるポンプ装置。
  8. 前記ロータ駆動機構と前記一軸偏心ねじポンプとの間に形成され、前記ポンプによって移送される流体が内側を通るポンプケーシング部と、前記ステータとを一体物として形成したことを特徴とする請求項7記載のポンプ装置。
  9. 前記被駆動軸の前記ロータ側端部の外周部と、前記ポンプ装置に設けられているケーシングの内周部との間を少なくともダイアフラムによって封止した軸封構造を更に備えることを特徴とする請求項7又は8記載のポンプ装置。
  10. 前記軸封構造は、前記被駆動軸が回動自在に挿通する挿入孔を有する環状連結部を備え、この環状連結部の外周部と前記ケーシングの内周部との間が前記ダイアフラムによって封止され、前記環状連結部の内周部と前記被駆動軸の外周部との間がシール部によって封止されていることを特徴とする請求項9記載のポンプ装置。
  11. 前記ロータ駆動機構は、前記雄ねじ型ロータを、前記ステータの内孔の内面に対して非接触の状態で回転させることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載のポンプ装置。
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