JP5857293B1 - 内燃機関の過給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過給手段である圧縮空気を駆動流とする空気流量増幅器は、駆動流の低圧側に駆動流の流速不足により流量増幅制御ができない領域があり、高圧側に装置強度による圧力上限があり、この駆動流圧力に比例する駆動流流速により過給制御を行うので、内燃機関の全運転領域の制御ができない点である。【解決手段】空気流量増幅器6uのノズル70を略密封できる一組のノズルリップで構成し、該ノズルリップの一方を他方のノズルリップに離接自在に移動させるピストン72と、該ピストンを該駆動流圧力で移動させるシリンダ71と、該ピストンをノズルが略密封となる方向に付勢する弾性体75で構成するノズル調整機構7を該空気流量増幅器に設け、運転状況により変化する駆動流圧力の変化により、ノズルリップを移動してノズル開口面積を調整することにより、運転状況に応じた駆動流流速にて過給を行う過給装置。【選択図】図1

Description

本発明は、空気流量増幅器を用いた内燃機関の過給装置に関するものである。
内燃機関の出力増大等のため、吸気の圧力を大気圧以上にする内燃機関の過給手段として、吸気を直接加圧する機械式過給機やターボ式過給機とは異なる、空気流量増幅器を用いて駆動流である圧縮空気で吸気を加速して流量増幅する過給手段(特許文献1及び2)が従来技術としてある。
従来技術として、図17に示す構成図のように、過給手段5として空気流量増幅器6を用いた内燃機関1の過給装置4は、吸気系統に設けた過給手段5である空気流量増幅器6、内燃機関により駆動される圧縮機45、及び該圧縮機45から駆動流を該空気流量増幅器6に供給する駆動流通路41で構成される。
また、従来技術の過給手段として、図18の説明図に示すように、
(A)は、吸気系統の最上流である吸気のダクト入口291に空気流量増幅器6aを設け、(B)は、吸気系統の最下流である内燃機関1bのシリンダヘッドに空気流量増幅器6bを備えたテーパ状の吸気通路25bを設け、(C)は、吸気通路の途中に空気流量増幅器6cであるエジェクタを設けたものである。
空気流量増幅器としては、流量増幅比が大きい順に、トランスベクタ(登録商標)、フロートランスベクタ(虹技株式会社の商品名)、エジェクタ等があり、駆動流により流量増幅された吸気流の推力は流量増幅比に反比例し、過給装置の設計仕様(目的)に応じて過給手段に用いる空気流量増幅器を選定する。
空気流量増幅器は、駆動流の圧力あるいは流量の調整により流量増幅制御を行うが、内燃機関の過給機の場合は、駆動流を発生する圧縮機が内燃機関の駆動力、あるいは排気圧を利用するものが多く、内燃機関の負荷、回転数、燃料供給等による内燃機関の運転状況により駆動流圧力と流量は連動するので、過給不要時の駆動流停止制御は別として、特に運転制御をしなくても良い場合がある。
空気流量増幅器は、駆動流の低圧少流量時に駆動流の流速不足等により過給制御ができない領域(以下、NG域という)があり、高圧側には装置強度等による上限制約があり、これらの駆動流圧力範囲での過給制御となる。
このように駆動流の圧力範囲は制限されており、駆動流圧力に比例する駆動流流量により過給制御を行うので、過給制御域は内燃機関の運転領域の一部の範囲でしか過給制御ができない。
空気流量増幅器は駆動流圧力の低圧から高圧まで、駆動流流量の少流量から大流量までに対応するため、全領域の中央値付近にノズル開口面積を設定した場合、駆動流の低圧少流量時は、駆動流の過剰流出による圧力低下により十分な駆動流流速が得られない。
駆動流の高圧大流量時は、ノズル開口面積は駆動流通路の断面積より小さく、前述の全領域の中央値付近にノズル開口面積は設定されているので、ノズルによる意図せぬ絞り効果により空気流量増幅器の大流量時の駆動流流量が制限される問題がある。
内燃機関において、燃焼後の排気ガスの一部を取り出して吸気側へ導き再度吸気させることにより酸素濃度の低下により燃焼温度を低下して、NOx(窒素酸化物)の発生を抑制する等の目的で、EGR(排気再循環)が行われている。
このEGRにおいて、空気流量増幅器のノズルリップを長手方向に移動して、EGRガス流出口のノズル開口面積を変化させてEGRガスと吸気の混合を調整する従来技術(特許文献3及び4)がある。
実開平3−47431号公報 実開昭62−180629号公報 特開平08−326609号公報 特表2009−503334号公報
解決しようとする問題点は、圧縮機による圧縮空気を駆動源とする過給手段である空気流量増幅器の駆動流は、低圧側の駆動流の流速不足により流量増幅制御ができないNG域と、高圧側の装置強度等による圧力上限があるので駆動流圧力の制御域が制約されている。
駆動流流速は前記制約のある駆動流圧力に比例するため、制御できる過給吸気流量の変化率が内燃機関の回転数の変化率(運転領域)より狭く、内燃機関の全運転領域の過給運転制御ができない点である。
本発明は、空気流量増幅器を過給手段とする内燃機関の過給装置において、請求項1の弾性体により略密封する方向に付勢されたノズルリップの一方を駆動流の圧力で移動するピストンにより離接自在に移動させて、ノズル開口面積を駆動流圧力で自動調整することを最も主要な特徴とする。
請求項2は、前記過給手段の空気流量増幅器の駆動流通路途中に吸気流の一部を1次流量増幅する1次空気流量増幅器を設け、前記空気流量増幅器のノズルより上流の吸気流路と該1次空気流量増幅器の流入口に連通する吸気副通路を設けて2段流量増幅を行う。
請求項3は、前記空気流量増幅器のノズルの上流に吸気の逆流を防止する逆止弁を設けて、内燃機関の運転状況の急激な変化によるサージング等による吸気逆流発生時に、空気流量増幅器による逆流流量増幅現象を防止する。
請求項4は、排気通路と駆動流通路に連通する排気還流通路を設けて、前記過給手段の空気流量増幅器の駆動流を、EGRガスとする。
従来の空気流量増幅器で吸気を流量増幅する過給手段は、通路抵抗が小さいので過給装置を使用しない場合は、自然吸気内燃機関として運転ができるため、過給手段をバイパスする吸気通路を設ける必要がなく、高速回転部がなく簡素な構造であるため、安価で信頼性が高く、吸気通路等への設置が容易である利点がある。
駆動流で流量増幅を行うので、消費する駆動流は過給吸気流量を流量増幅比で除した流量であり、従来の吸気を直接加圧する機械式過給機やターボ式過給機と比べ圧縮機の容量が格段に小さいため、小型で応答性が高い内燃機関の過給装置ができる。
上記利点があるが、過給制御域が狭いため、内燃機関の変動する運転領域の一部領域でしか過給運転制御できないという運用上の問題点がある。
請求項1の過給装置では、ノズル調整機構を設けた空気流量増幅器を過給手段とする内燃機関の過給装置により、過給制御域を拡大でき、複雑な電気制御装置を必要とせず、簡素で信頼性の高い構造の内燃機関の過給装置ができる。
請求項2の過給装置では、2段流量増幅を行うことにより、過給手段の流量増幅比が大きくなり、駆動流流量が減少するので、圧縮機の小型化ができる。
また、駆動流がEGR(請求項4)の場合は、EGR還流量の制約による過給制御不能域を縮小できる。
請求項3の過給装置では、逆止弁により、過給手段にて突発的に発生する吸気逆流時の空気流量増幅器による逆流増幅現象を防止して、安定した過給運転を行うことができる。
請求項4の過給装置では、空気流量増幅器の駆動流をEGRガスとすることにより、駆動流用の圧縮機が不要となるので、高速回転部がない簡素な構造の過給装置となり、安価で、信頼性が高い過給装置ができる。
更に、過給の動力源である駆動流に排気圧を直接利用するので過給の応答性がよく、内燃機関の出力損失が小さい過給運転が行えると同時に、EGR用の別途装置を設けることなく、EGRガスの冷却ができる外部EGRによるクールドEGRができる。
第1実施形態(請求項1対応)の過給手段の概念の説明図である。 (1)は、第1実施形態の変形例1のエジェクタ型の過給手段の構成図で、(2)は、D部拡大図である。 (3)は、図2の過給手段5dの断面図で、(4)は、E部拡大図である。 (5)は、第1実施形態の変形例2のトランスベクタ型の過給手段の断面図で、(6)は、F部拡大図である。 (R4)は、図4の過給手段の試算による駆動流流量の特性図である。 (7)は、第1実施形態の変形例3の過給手段の断面図で、(8)は、R部拡大図である。 第2実施形態(請求項2対応)の過給手段の説明図である。 第2実施形態の変形例1の過給手段の構成図である。 図8の過給手段5mの断面図である。 図9の過給手段の流量増幅比と絶対過給圧の試算による概要特性図である。 第3実施形態(請求項3対応)の過給手段の説明図である。 第3実施形態の変形例1のリードバルブを備えた過給手段の断面図である。 第3実施形態の変形例2の2段流量増幅型の過給手段の構成図である。 リフトチェック弁を備えた、図13の過給手段の断面図である。 第4実施形態(請求項4対応)の過給装置の説明図である。 第4実施形態の変形例1の過給装置の構成図である。 従来の過給手段が空気流量増幅器の内燃機関の過給装置の構成図である。 図17の過給手段(空気流量増幅器)の説明図で、(A)は、ダクト入口に設け、(B)は、シリンダヘッドに空気流量増幅器を備えた吸気通路を設け、(C)は、吸気通路の途中に設けたものである。
内燃機関の過給手段に空気流量増幅器を用いた過給装置において、請求項1対応である第1実施形態(図1)の空気流量増幅器6uにノズル調整機構7を設けることにより、過給制御域が拡大し、内燃機関の運転領域の広い範囲において過給制御ができる。
この過給手段に用いる空気流量増幅器は、特性(流量増幅比、ブースト圧等)に応じて選定し、高いブースト圧が得られるエジェクタ型(図2、3)、大きな流量増幅比により少ない駆動流で過給できるトランスベクタ型(図4)、等の過給装置とすることができる。
吸気通路内にトランスベクタを設ける(図6)等の過給手段の吸気系統への設置方法により、流量増幅比の増大することもできる。
トランスベクタ型(図4)のノズル調整機構と、従来の固定ノズルの駆動流流量を試算した特性図(図5)により、過給制御域が増大することが分かる。
前記過給手段において、請求項2対応である第2実施形態の2段流量増幅(図7)とすることにより、大幅な流量増幅比の増大ができる。
更に、1次空気流量増幅器601mの上流の吸気副通路28mに制御弁421を設ける(図8、9)ことにより、1段流量増幅と2段流量増幅の切換えを行うことができる。
このエジェクタとトランスベクタによる2段流量増幅(図8、9)の試算による概要特性図(図10)では、後述する請求項4対応(第4実施例)の駆動流をEGRガスとする場合に、ガソリン機関のEGR還流量(約15%未満)を満足することが分かる。
前記過給手段において、請求項3対応である第3実施形態の空気流量増幅器6hのノズルの上流に吸気の逆流を防止する逆止弁8を設ける(図11)ことにより、内燃機関の運転状況の急激な変化によるサージング等による吸気逆流発生時に、空気流量増幅器6hによる逆流流量増幅現象を防止する。
逆止弁であるリードバルブ85を空気流量増幅器6nであるトランスベクタ61nの筐体であるケーシング610nに設ける(図12)ことができる。
2段流量増幅を行う空気流量増幅器(6w、601w)の上流に、逆止弁(8w、9)を設ける(図13)こともできる。
2段流量増幅を行う空気流量増幅器(6j、601j)の上流に、逆止弁であるリフトチェック弁(81j、91)を設ける(図14)こともできる。
前記過給手段において、請求項4対応である第4実施形態の過給手段5pの空気流量増幅器の駆動流を駆動流通路41pと排気通路31pに連通する排気還流通路32pから還流されるEGRガスとする(図15)ことにより、駆動流用の圧縮機を必要としない過給装置4pができる。
過給装置4sの空気流量増幅器(6s1、6s2)を、全ての気筒列に対して設ける(図16)ことにより、空気流量増幅器当たりの吸気流量が減少するので小型化ができる。
内燃機関1sの更なる高速回転域への過給対応が必要な場合は、該空気流量増幅器(6s1、6s2)の大型化による対応が容易となる。
以上の実施形態(1〜4)の詳細を、図面番号(1〜16)に従って説明を行う。
(第1実施形態(請求項1対応))
図1は、第1実施形態の過給手段の概念の説明図である。
図1は、内燃機関の燃焼室に吸気を供給する吸気系統の通路途中である吸気流入通路22uと吸気流出通路23uとの間に、吸気を加圧して燃焼室に送り込む過給手段5uを備えた内燃機関の過給装置であって、該過給手段5uは空気流量増幅器6uと、該空気流量増幅器6uに該駆動流を供給する駆動流通路41uと、更に該空気流量増幅器6uのノズル70を略密封できるノズルリップである第1ノズル701と第2ノズル702で構成し、該ノズルリップの一方である第2ノズル702を他方のノズルリップである第1ノズル701に離接自在に移動させるピストン72と、該ピストン72を該駆動流圧力で移動させるシリンダ71と、該ピストン72をノズル70が略密封となる方向に付勢する弾性体75と、を有するノズル調整機構7を備えた空気流量増幅器6uを過給手段5uとする内燃機関の過給装置の過給手段5uの過給中の説明図である。
該過給手段5uの設置場所は、上記のようにエアクリーナ(図示せず)の下流である吸気流入通路22uと吸気流出通路23uの間に設置することも、エアクリーナ内、エアクリーナの上流通路である吸気流入ダクト(292)と吸気流出ダクト(293)の間、あるいは吸気ダクト(29u)の上流開口部のダクト入口に設けることもできる。
後述する請求項4の駆動流をEGRとする場合は、排気が大気に流出する可能性がある等の理由により設置が制約される場合がある。
また、該過給手段5uの下流の連通部位は、過給による圧力上昇に耐えられる強度が必要である。
過給手段5uの作用は、駆動流通路41uから供給される駆動流が、シリンダ71とピストン72との環状空間に流入して、駆動流による圧力上昇によりピストン72が弾性体75の付勢力と釣り合う位置に移動することにより、ピストン72に設けられた第2ノズル702と、シリンダ71のノズル部711に設けられた第1ノズル701で構成するノズル70から駆動流を流出する。
弾性体75の付勢力は、弾性体75がスプリングの場合は、スプリングの自由長からの変位量とばね常数の積となる。
従って、駆動流圧力とピストン72のノズル閉鎖位置からの移動距離は比例する。
第1ノズル701と第2ノズル702のノズル隙間距離とノズル70の開口部の周長との積がノズル70の開口面積となる。
従って、該ノズル隙間距離は、ピストン72のノズル閉鎖位置からの移動距離に比例するので、ノズル70のノズル開口面積が駆動流圧力に比例することにより、駆動流圧力によりノズル70から流出する駆動流の流量調整制御が行われる。
このノズル開口面積は、駆動流通路41の通路断面積より小さくすることにより、前記シリンダ71とピストン72との間にできる環状空間がアキュームレータ(蓄圧器)となり、ノズル70の周方向の圧力分布を均一にすることができる。
空気流量増幅器6uに駆動流が供給されていない場合、内燃機関の吸気行程により発生する負圧により吸気は吸気流入通路22uから空気流量増幅器6uを通り、吸気流出通路23uに送られて自然吸気内燃機関として運転される。
空気流量増幅器6uに駆動流が供給されると、ノズル70から流出した駆動流は吸気流出通路23uに送られ、駆動流が吸気流より早い場合、このノズル70からの駆動流の流れによりベルヌーイの定理による負圧により、駆動流周辺の吸気がこの駆動流に吸い込まれて、駆動流に合流して加速されて吸気流出通路23uに流出される。
このように、吸気が吸気流出通路23uに加速して送られることにより、吸気流入通路22uの負圧はさらに大きくなり吸気流速が増大して吸気が流量増幅される。
運転状況により内燃機関の回転数や排気圧が変化し、その内燃機関の回転力や、排気圧等により駆動される圧縮機(図示せず)から発生する駆動流である圧縮空気の圧力は運転状況に連動する。
従って、駆動流圧力によりノズルの開口面積が調整されるノズル調整機構7を設けた空気流量増幅器6uにより、運転状況の変化に連動した駆動流流量により内燃機関の過給を行う。
駆動流で流量増幅を行うので、消費する駆動流は過給吸気流量を流量増幅比で除した流量であるので、前記圧縮機は小型でよく、圧縮機の種類は、ターボ圧縮機よりも、駆動流に必要な高圧の発生が容易で、内燃機関の回転数に連動した流量が応答性良く得られる容積圧縮機が望ましい。
図1の空気流量増幅器6uは、前述のトランスベクタ、フロートランスベクタ、エジェクタ等より過給手段に要求される過給性能により選択する。
(第1実施形態(請求項1対応)の変形例1)
図2は、第1実施形態の変形例1のエジェクタ型過給手段の構成図(1)とD部拡大図(2)である。
図2は、内燃機関の燃焼室に吸気を供給する吸気系統の通路途中である吸気流入通路22dと吸気流出通路23dとの間に、吸気を加圧して燃焼室に送り込む過給手段5dを備えた内燃機関の過給装置であって、該過給手段5dは空気流量増幅器6dと、該空気流量増幅器6dに該駆動流を供給する駆動流通路41dと、更に該空気流量増幅器6dのノズル70dを略密封できるノズルリップである第1ノズル701dと第2ノズル702dで構成し、該ノズルリップの一方である第2ノズル702dを他方のノズルリップである第1ノズル701dに離接自在に移動させるピストン72dと、該ピストン72dを該駆動流圧力で移動させるシリンダ71dと、該ピストンをノズルが略密封となる方向に付勢する弾性体であるスプリング751dと、を有するノズル調整機構7dを備えた空気流量増幅器6dを過給手段5dとする内燃機関の過給装置の過給手段5dの構成図(1)とD部拡大図(2)である。
弾性体である前記スプリング751dの付勢力は、ピストン72dに固着されたコンロッド77により伝達される。
過給手段5d作用は、駆動流通路41dから供給される駆動流が、シリンダ71dに流入し、駆動流の圧力によるピストン72dのピストン推力がスプリング751dの付勢力と釣り合う位置に移動することにより、ピストン72dに設けられた第2ノズル702dと、シリンダ71dのノズル部711dに設けられた第1ノズル701dで構成するノズル70dが開口して駆動流を流出する。
第1実施形態(図1)と各部の形状は異なるが原理及び作用は同じであり、ノズル70dのノズル開口面積は駆動流圧力に比例するので、運転状況の変化に連動した駆動流流量にて内燃機関の過給を行うことができる。
図3は、図2(第1実施形態(請求項1対応)の変形例1のエジェクタ型の過給手段)の断面図(3)とE部拡大図(4)である。
図3は、第1実施形態の変形例1(図2)の過給手段5dであるノズル調整機構7dを備えた空気流量増幅器6dの過給運転中の断面図(3)と、E部拡大図(4)である。
ピストン72dを付勢するスプリング751dは、コンロッド77の軸端に螺合するストッパ771とノズルケーシング74の間に設けられ、ストッパ771の固定位置の調整によりピストン72dに予圧を与えることができる。
吸気流入通路22dと吸気流出通路23dの吸気通路断面積より、エジェクタ63の吸気通路断面積を大きくすることにより、吸気の通路抵抗を小さくする。
過給手段5dの作用は、第1実施形態の変形例1(図2)で説明したように、ノズル70dの開口面積は駆動流圧力に比例し、駆動流圧力によりノズル開口面積が調整されて駆動流の流量制御が行われる。
従って、駆動流の圧力が低下するとノズル開口面積が小さくなり、駆動流流出量が減少して駆動流圧力の低下を抑制してNG域への移行を抑制し、駆動流圧力が上昇するとノズル開口面積が大きくなり、駆動流流出量が増大して駆動流圧力の上昇を抑制して制御域の高圧側の最大流出量を増大する。
駆動流の流量が減少するとシリンダ71d内の駆動流が減少して駆動流圧力が低下するので、ノズル開口面積が減少して駆動流の流出量が減少して駆動流圧力の低下が抑制され、駆動流流量が増大するとシリンダ71d内の駆動流が増大して駆動流圧力が上昇するので、ノズル開口面積が増大して駆動流の流出量が増大して駆動流の圧力上昇が抑制されるので、駆動流の流量の変化による圧力への影響を緩和して、駆動流流量制御域が拡大する。
このように、請求項1のノズル調整機構7dは、駆動流の圧力と流量に連動して制御域が拡大し、該ノズル調整機構7dによるノズル開口面積の調整制御が駆動流圧力により行われるので、電気制御等を必要としない簡素な構造で、内燃機関の運転状況に連動した安定過給ができる。
ノズル70dから流出した駆動流はピストン72dの外周に沿って流出して、流出駆動流と吸気流との接触面積が大きく、フロートランスベクタと同様に、駆動流周辺の大量の周辺吸気流の加速ができる。
スプリング751dの付勢力は、コンロッド77dとストッパ771の螺合位置の調整により予圧を与えることができ、調整後に緩み止めのナット772と抜け止め(図示せず)をセットする。
エジェクタ63を備える空気流量増幅器6dは、トランスベクタより流量増幅比が小さいので駆動流流量を多く必要とするが、トランスベクタより高いブースト圧を必要とする内燃機関の過給に適している。
(第1実施形態(請求項1対応)の変形例2)
図4は、第1実施形態の変形例2のトランスベクタ型の過給手段の断面図(5)とF部拡大図(6)である。
図4は、内燃機関の燃焼室に吸気を供給する吸気系統の通路途中である吸気流入通路22fと吸気流出通路23fとの間に、吸気を加圧して燃焼室に送り込む過給手段5fを備えた内燃機関の過給装置であって、該過給手段5fは空気流量増幅器6fであるトランスベクタ61と、該トランスベクタ61に駆動流を供給する駆動流通路41fと、更に該トランスベクタ61のノズル70fを略密封できるノズルリップである第1ノズル701fと第2ノズル702fで構成し、該ノズルリップの一方である第2ノズル702fを他方のノズルリップである第1ノズル701fに離接自在に移動させるピストン72fと、該ピストン72fを該駆動流圧力で移動させるシリンダ71fと、該ピストン72fをノズル70fが略密封となる方向に付勢する弾性体であるスプリング752と、を有するノズル調整機構7fを備えた空気流量増幅器6fであるトランスベクタ61を過給手段5fとする内燃機関の過給装置の過給手段5fの断面図(5)とF部拡大図(6)である。
ピストン72fの第2ノズル702fのノズル径は、吸気流入通路22fの内径より大きいので駆動流によるピストン72fのピストン推力が大きく、ノズル70fの周長が長いので小さなノズル移動量でも広いノズル開口面積となり、ピストン72fを付勢する弾性体であるスプリング752は、短いストロークで大きな付勢力が得られる(ばね常数が大きい)皿ばねである。
皿ばねは、組合せによりバネ常数を変更でき、摩擦等による自己減衰性によりダンパ効果がある。
皿バネの保持部の耐摩耗性が低い場合は、組合せ使用によるばねの芯ずれを防止するパイプ状のガイド(図示せず)をスプリング752とピストン72fの間に設けることもできる。
トランスベクタ61の筐体は、シリンダ71fと該シリンダ71fに螺合するフランジ78fで構成され、該シリンダ71fにピストン72f、弾性体であるスプリング752の順に該シリンダ71fに挿入して、該フランジ78fを螺合する。
該フランジ78fのシリンダ71fへの螺合は、フランジ78fがスプリング752の圧縮開始位置から、スプリング752のばね常数、ピストン72fのピストン面積等より求めた所定の距離(回転数または角度等)の増し締めをすることによりスプリング752による予圧を与えて、固定手段(図示せず)で固定する。
該スプリング752のばね常数により、駆動流圧力によるピストン72fの移動量が決まり、ノズル70fの流出角θにより該移動量によるノズル70fの隙間(ピストン72fの移動量とSinθの積)が決まり、該隙間とノズル周長の積がノズル開口面積となるので、該駆動流圧力と該ノズル開口面積の関係を該スプリング752のばね常数で設定することができる。
流出角θを大きくすると駆動流の長手方向の速度分力が減少するので、流出角θは小さい方が過給に有利であり、ノズルリップ先端形状の改良により更に流出角θを小さくすることもできる。
過給手段5fの作用は、駆動流通路41fより供給される駆動流がハウジングであるシリンダ71fとピストン72fとの間に設けられた環状チャンバ614fに供給され、この環状チャンバ614fの駆動流圧力の上昇によるピストン作用により、ピストン72fがスプリング752の付勢力と釣り合う位置まで移動する。
従って、駆動流の圧力に比例したノズル開口面積に自動調整されるので、駆動流が適度な速度でノズルから流出し、運転状況の変化に連動した安定過給ができる。
ピストン72fには、パッキン、Oリング等の密封要素(図示せず)を設けることもできる。
このピストン72fの第2ノズル702fの前記ノズル内径は、吸気流入通路22f及び吸気流出通路23fの内径より大きいので、吸気流入通路22fからノズル70fまではデフューザとなり吸気流速は低下し、その速度低下した吸気に吸気通路より大きな内径のノズル70fから駆動流を流出して吸気を加速する。
空気流量増幅器6fであるトランスベクタ61の過給能力はノズル内径を大きくしたことにより増大し、加速された吸気流は縮径した吸気流出通路23fに流出することによるベンチュリ効果により速度が上昇するので吸気は更に加速する。
本実施形態は、空気流量増幅器6fがトランスベクタ61であり、エジェクタより流量増幅比が大きいので駆動流消費量が少なく、高速回転の内燃機関の過給装置に適している。
図5の(R4)は、図4の過給手段5fの試算による駆動流流量の特性図である。
図5は、図4の過給手段5fを“ノズル調整”とし、比較のために従来技術である固定ノズルの空気流量増幅器の“固定H”と“固定M”と仮定して、3者の駆動流流量を試算する。
尚、“固定H”のノズル開口面積は“ノズル調整”の最大ノズル開口面積と同じであり、”固定M” のノズル開口面積は、“ノズル調整”の最大ノズル開口面積の1/2であり、本実施形態の調整できるノズル開口面積の中央値と仮定する。
図4で説明したように、過給手段5fである空気流量増幅器6fのフランジ78fのハウジングであるシリンダ71fへの螺合調整により予圧を与えることができ、この予圧を駆動流圧力の制御ができないNG域の上限圧力になるように設定する。
(特性図の概要)
(R1)は、駆動流圧力とピストン移動量の特性図であり、(R2)は、駆動流圧力と駆動流流速の特性図、(R3)は、(R1)と(R2)によるノズル開口面積と駆動流流速の特性図、(R4)は、(R3)より求めたノズル調整制御と駆動流流量の特性図である。
(R1)は、横軸がピストン72fの移動量、縦軸が駆動流圧力で、ピストンの挙動説明図である。
(R2)は、横軸が駆動流速度、縦軸は駆動流圧力((R1)と同じ)で、駆動流圧力と駆動流速度の関係説明図である。
(R3)は、横軸が(R1)の横軸のピストン72fの移動量から算出したノズル開口面積(目盛は(R1)横軸と等価)、縦軸が(R2)から求めた駆動流速度で、ピストン72fの挙動と駆動流速度の関係説明図である。
(R4)は、横軸が(R3)の補助線を垂直投影したノズル調整制御域、縦軸が(R3)の該補助線と等流量線から求めた“ノズル調整”と従来の固定ノズルの“固定H”と“固定M”の制御域の駆動流流量の特性図である。
(流量試算結果)
“ノズル調整”は、(R4)の原点から図示したノズル調整制御までが制御域となり、この制御域(最大流量−最少流量)は“固定H”の1.3倍、“固定M”の2.8倍の駆動流流量の制御域となる。
“ノズル調整”の過給制御域を100%とした場合、高速巡航速度での運転を重視する“固定H”の場合は、駆動流流量の23〜100%の領域の過給制御ができ、運転状況の激しい変化への対応(中低速運転)を重視する“固定M”の場合は、駆動流流量の12%〜48%の領域の過給制御ができる。
上記試算値は、駆動流圧力(NG域、制御域)等により値は変化するが、“ノズル調整”は、内燃機関の運転領域に対応する過給制御域が、従来の“固定H”及び“固定M”より拡大し、更に予圧設定により小流量側のNG域での駆動流の浪費が抑制できる効率の良い過給制御ができる。
(特性図の説明)
(R1)は、横軸はピストン移動量であり、ピストン72fの弾性部材であるスプリング752の自然長からの変位量(予圧の増し締め距離と該ピストン移動量の和)とばね常数の積が付勢力となり、縦軸は該付勢力と釣り合うピストン推力になる駆動流圧力である。
この過給制御を行う縦軸の駆動流圧力は、低圧側に駆動流による過給の制御不能なNG域があり、高圧側に機関の強度等による上限制約があり、“ノズル調整”、“固定H”及び“固定M”は駆動流圧力が過給制御できる制御域で過給制御を行う。
図4の過給手段5fの予圧は、スプリング752のばね常数と増し締め距離の積と、NG域上限の駆動流圧力とピストン72fのピストン面積の積が等しくなる位置に予圧を設定しているので、予圧以上のピストン推力が加わる駆動流圧力、つまりNG域以上の圧力になると、駆動流圧力によりピストン72fは移動を開始する。
従って、駆動流圧力が0から上昇し、制御域の下限値以上になるとピストンが移動を開始してノズルの開口が始まり、更に駆動流圧力が上昇して制御域上限値に達する。
駆動流圧力が上昇して制御域上限値に達すると、ピストン72fがフランジ78fに当接してピストン72fの移動を停止させることもできる。
これらの“ノズル調整”の変位は、ピストン面積とばね常数が一定のため、駆動流圧力とノズル移動量の関係は比例し、実線で示す直線となる。
従来の固定ノズルは、二点鎖線で示す“固定H”と破線で示す“固定M”のように、駆動流圧力が変化してもノズルが移動しないので、図のように横軸のノズル開口面積の位置に縦軸と平行な直線となる。
(R2)は、横軸がノズルから流出した駆動流速度、縦軸は((R1)と同じ)駆動流圧力で、駆動流圧力に駆動流速度が比例する(熱等の影響は無いものとする簡易試算)駆動流速度と駆動流圧力の特性図である。
(R3)は、(R1)の縦軸の駆動流圧力を、(R2)にて駆動流流速に換算した図であり、二点鎖線で示す“固定H”と破線で示す“固定M”と実線で示す“ノズル調整”の駆動流速度とノズル開口面積の関係説明図である。
駆動流圧力制御域も駆動流速度制御域に換算して横軸に平行な一点鎖線で示している。
(R3)は、横軸がノズル開口面積、縦軸が駆動流速度であり、横軸のノズル開口面積は(R1)の横軸のピストン移動量からノズル開口面積に換算したもので、横軸目盛は実質的には(R1)と(R3)は同じ(等価)である。
(R3)は、横軸のノズル開口面積と縦軸の駆動流速度の積が駆動流流量となるので、図中に示す双曲線(XY=Α(A:流量))は駆動流流量が等しい等流量線となる。
(R3)の双曲線は、実線で示す“ノズル調整”の制御域の最大値と最小値の等流量線と、二点鎖線で示す“固定H”の制御域の最大値と最小値の等流量線と、破線で示す“固定M”の制御域の最大値と最小値の等流量線を示している。
この“ノズル調整”、“固定H”及び“固定M”の駆動流速度の最大値と最小値の等流量線と、原点を通る補助線との交点を求め、これらの交点座標のX値を、(R4)に垂直投影する。
(R4)は、(R3)の補助線上の前記各点のX座標を(R4)のX座標に垂直投影し、各点の(R3)のX座標値とY座標値の積により縦軸の駆動流流量を求めた特性図である。
(R4)に示すように、駆動流流量曲線(放物線)上の各点より、 “ノズル調整”、“固定H”及び“固定M”の駆動流流量の制御域が求められる。
(第1実施形態(請求項1対応)の変形例3)
図6は、第1実施形態の変形例3の過給手段の断面図(7)とR部拡大図(8)である。
図6の過給手段5kは、空気流量増幅器6kのハウジング603とフランジ608で構成される筐体の内側に、トランスベクタ61kを設け、該トランスベクタ61kのノズル調整機構7kは、第1実施形態の変形例2(図4)のノズル調整機構7fと形状は異なるが同じ構成であるので、ノズル調整機構7kの説明は省略する。
空気流量増幅器6kのハウジング603内に、ブッシング609と駆動流通路41kにより支持されたトランスベクタ61kが設けられ、該トランスベクタ61kの弾性体であるスプリング752k(皿ばね)の向きが異なる接触面に座金758を配置して、皿ばねの芯ずれによる付勢力の低下と該接触面の摩耗を防止している。
過給手段5kの作用は、ハウジング603内に設けたトランスベクタ61kにより、吸気流入通路22kから流入する直進する吸気を加速し、流量増幅した吸気を吸気流出通路23kに流出する。
更に空気流量増幅器6kの筐体であるハウジング603の内部とトランスベクタ61kの外部との間の環状空間がバイパス吸気通路を形成し、このバイパス吸気通路の吸気はトランスベクタ61kから吸気流出通路23kに流出する吸気流による負圧(ベルヌーイの定理による)により、該吸気流に吸い込まれて混合して加速される。
ランスベクタ61kからの吸気流と該バイパス吸気通路から合流する吸気流により過給を行うので、空気流量増幅器6kは流量増幅比が増大する。
本実施形態は、流量増幅比が大きいので駆動流消費量が少ないので、後述する請求項4の駆動流をEGRガスとする場合、あるいは吸気流量に対して小型のトランスベクタ61kで過給手段が構成できるので、大型の内燃機関の過給に適している。
(第2実施形態(請求項2対応))
図7は、第2実施形態の過給手段の説明図である。
図7は、内燃機関の前記過給装置において、前記空気流量増幅器6vの駆動流通路途中である駆動流通路41vと駆動流通路411vの間に、吸気を1次流量増幅する1次空気流量増幅器601を設け、前記空気流量増幅器6vの上流の吸気系統である吸気流入通路22vと該1次空気流量増幅器601の流入口に連通する吸気副通路28vを設けた過給手段5vの説明図である。
該過給手段5vの作用は、駆動流通路41vから供給される駆動流により1次空気流量増幅器601で流量増幅した吸気副通路28からの吸気を、空気流量増幅器6vの駆動流として供給して2段流量増幅を行う。
過給手段5vの流量増幅比は、1次空気流量増幅器601の流量増幅比と空気流量増幅器6vの流量増幅比の積になり、1段の流量増幅を行う空気流量増幅器より大きな流量増幅比となる過給手段5vにより駆動流消費量が少ない過給装置ができる。
該1次空気流量増幅器601で流量増幅された吸気流が空気流量増幅器6vの駆動流となるので、1次空気流量増幅器601は、吸気流の推力が確保できる流量増幅比が小さい空気流量増幅器となる。
(第2実施形態(請求項2対応)の変形例1)
図8は、第2実施形態の変形例1の過給手段の構成図である。
図8は、内燃機関の前記過給装置において、前記空気流量増幅器6mの駆動流通路途中である駆動流通路41mと駆動流通路411mの間に、吸気を1次流量増幅する1次空気流量増幅器601mである1次エジェクタ631mと、前記空気流量増幅器6mであるトランスベクタ61mの上流と該1次空気流量増幅器である1次エジェクタ631mの流入口に連通する制御弁421を備えた吸気副通路28mと、を設けた過給手段5mを備えた請求項1に記載の内燃機関の過給装置の過給手段5mの構成図である。
該過給手段5mの作用は、後述する過給手段5mの断面図(図9)にて説明する。
図9は、図8(第2実施形態(請求項2対応)の変形例1)の過給手段5mの断面図である。
図9は、トランスベクタ61mの駆動流通路途中である駆動流通路41mと駆動流通路411mの間に、吸気を1次流量増幅する1次エジェクタ631mと、該トランスベクタ61mの上流と該1次空気流量増幅器である1次エジェクタ631mの流入口に連通する制御弁421を備えた吸気副通路28mと、を設けた過給手段5mの過給運転中(2段流量増幅時)の断面図である。
該トランスベクタ61mは、第1実施形態の変形例2(図4)と構造及び作用は同じであり、制御弁421はバタフライバルブで、アクチェータ(図示せず)にて作動する。
該過給手段5mの作用として、該トランスベクタ61mは、第1実施形態の変形例2(図4)の空気流量増幅器6fと同じ構造のノズル調整機構7mにより、駆動流の圧力に比例したノズル開口面積に自動調整されるので、駆動流が適度な速度でノズルから流出し、運転状況の変化に対応した駆動流流量にて内燃機関の過給ができる。
更に、1次空気流量増幅器601mである1次エジェクタ631mで流量増幅した吸気副通路28mからの吸気を、該トランスベクタ61mの駆動流として供給して2段流量増幅を行うので、該1次エジェクタ631mの流量増幅を、吸気副通路28mに設けた制御弁421により、1段流量増幅と2段流量増幅の切換えを行うことができる。
過給手段5mの2段流量増幅時の流量増幅比は、2次空気流量増幅を行うトランスベクタ61mの流量増幅比と、1次空気流量増幅器である1次エジェクタ631mの流量増幅比の積であるので、トランスベクタ61mによる1段流量増幅時と、該2段流量増幅時との中間の流量増幅比に前記制御弁421により制御することもできる。
前記1次エジェクタ631mを軸方向に移動可能なノズル635mとして、アクチェータ(図示せず)により移動させることにより、制御弁421を省略することもできる。
過給手段5mは、2段流量増幅を行う事により、大きな流量増幅比となるので、駆動流流量を小さくできる利点があり、この流量増幅比の増大は後述する第4実施形態(請求項4)の駆動流をEGRとする場合は、低いEGR還流量で過給運転ができるので、ガソリン機関にも対応できる。
図10は、図9(第2実施形態(請求項2対応)の変形例1)の過給手段5mの流量増幅比と絶対過給圧の概要特性図である。
図10は、図9の過給手段5mの流量増幅比と絶対過給圧の概要特性を示す図で、横軸が絶対過給圧(bar)、縦軸が流量増幅比(倍)である。
該過給手段5mは、制御弁421を全開した1次エジェクタ631mとトランスベクタ61mによる2段流量増幅(実線)と、制御弁421を閉鎖したトランスベクタ61mによる1段流量増幅(破線)を行う過給手段であり、制御弁421の開度により全開時と全閉時の中間の任意の流量増幅比での過給運転ができる。
過給手段5mの1次エジェクタ631mの流量増幅比(2点鎖線)をE、1段流量増幅時(トランスベクタ61m)の流量増幅比(破線)をTとすると、2段流量増幅時の流量増幅比(実線)はE・Tとなる。
1次エジェクタ631mにより1次流量増幅された吸気副通路28mからの吸気を駆動流とするので、流量は増幅されるが圧力が低下した駆動流となるので、トランスベクタ61mにより2次流量増幅する過給手段5m(実線)の流量増幅比はE・Tで、1次エジェクタ631mから流出する駆動流圧力の低下に応じて絶対過給圧は低下する。
内燃機関がガソリン機関の場合は、後述する請求項4の駆動流をEGRする場合に、流量増幅比が小さいとEGR還流量が過大となる問題が発生する。
図10の右側の縦軸は、駆動流をEGRする場合の流量増幅比から逆算したEGR還流量(%)であり、ガソリン機関のEGR還流量は15%以下が目安であるので、図10の横軸に平行な一点鎖線の上部となり、ガソリン機関の絶対過給圧は2bar以下が目安であるので、ガソリン機関のEGR運転領域は図10の直線の一点鎖線に囲まれた左上の矩形領域(ハッチング大)となり、過給手段5mの2段流量増幅時全域と、EGR還流量が15%以上の領域が過給運転可能領域となる。
図10は過給手段5mの概要特性の説明のため、絶対過給圧は駆動流圧力が8barで流量が確保されている場合の流量増幅比からの試算値であり、実際の値は過給手段の設計仕様(形状、設置場所、運転条件)等により変化する。
(第3実施形態(請求項3対応))
図11は、第3実施形態(請求項3対応)の過給手段の説明図である。
図11は、前記ノズル調整機構(図示せず)を備えた空気流量増幅器6hのノズルの上流に吸気の逆流を防止する逆止弁8を設けた過給手段5hの説明図である。
過給手段5hの作用は、前記ノズル調整機構により、運転状況の変化に対応した駆動流圧力にて内燃機関の過給を行うことができ、更に逆止弁8により、内燃機関の運転状況の急激な変化によるサージング等による吸気逆流発生時に、空気流量増幅器6hのノズル上流の吸気通路22hを遮断して空気流量増幅器6hによる逆流流量増幅現象の発生を防止し、逆止弁8の下流の圧力が上流より低くなると該吸気通路22hを連通して吸気流入通路から供給される吸気を空気流出通路に流出する。
従って、過給手段5hは、ノズル調整機構(図示せず)により運転状況の変化に対応した駆動流圧力にて内燃機関の過給を行い、逆止弁8により吸気の逆流発生時に空気流量増幅器6hによる逆流流量増幅現象を防止するので安定した内燃機関の過給運転ができる。
(第3実施形態(請求項3対応)の変形例1)
図12は、第3実施形態の変形例1のリードバルブを備えた過給手段の断面図である。
図12は、内燃機関の燃焼室に吸気を供給する吸気系統の通路途中である吸気流入通路22nと吸気流出通路23nの間に、吸気を加圧して燃焼室に送り込む過給手段5nを備えた内燃機関の過給装置であって、該過給手段5nは空気流量増幅器6nであるトランスベクタ61nと、該トランスベクタ61nに該駆動流を供給する駆動流通路41nと、更に該トランスベクタ61nのノズル70nを略密封できるノズルリップで構成し、該ノズルリップの一方を他方のノズルリップに離接自在に移動させるピストン72nと、該ピストン72nを該駆動流圧力で移動させるシリンダ71nと、該ピストン72nをノズル70nが略密封となる方向に付勢する弾性体であるスプリング752nと、を有するノズル調整機構7nを備えた空気流量増幅器6nであるトランスベクタ61nと、該空気流量増幅器6nであるトランスベクタ61nのノズル70nの上流に吸気の逆流を防止する逆止弁8nであるリードバルブ85を設けた過給手段5nの過給運転時の断面図である。
過給手段5nの筐体は、ケーシング610nの一方の開口部に螺合するフランジ853と、他方の開口部に螺合するフランジ78nで構成される。
リードバルブ85は、弾性体であるリード851と、リードの変形を規制するストッパ852と、を前記フランジ853の座面に固着し、弾性体であるリード851は復元力によりフランジ853の座面に付勢される。
該リード851の材質と厚み寸法は、バルブが開弁するクラッキング圧に影響する。
空気流量増幅器6nであるトランスベクタ61nは、ケーシング610nとピストン72nとの間にできる空間に環状チャンバ614nを設け、環状チャンバ614nに連通する駆動流通路41nを設け、前記ノズル調整機構7nにより調整されるノズル70nより駆動流を吸気流が加速する方向に流出する。
該過給手段5nの作用は、駆動流を駆動流通路41nから供給し、トランスベクタ61nの環状チャンバ614nを経由して、ノズル調整機構7nのノズル70nより吸気流に流出して、内燃機関の運転状況の変化に連動した駆動流流量にて内燃機関の過給を行う。
逆止弁8nであるリードバルブ85は、停止時はフランジ853の座面に弾性部材であるリード851の復元力により密着し、過給運転時は吸気流れにより発生する圧力差によりリード851をフランジ853座面から引き離してリードバルブ85を開弁する。
内燃機関の運転状況の急激な変化により発生するサージング等による吸気逆流時に、リード851の復元力と逆流吸気による圧力による付勢力によりリード851をフランジ853の座面に付勢して、トランスベクタ61nのノズル70nの上流の吸気通路22nを遮断して該トランスベクタ61nによる逆流流量増幅現象の発生を防止し、該リードバルブ85の下流の圧力が上流より低くなり、クラッキング圧力を超えると該吸気通路22nを連通して吸気流入通路22nから供給される吸気を空気流出通路23nに流出する。
ケーシング610nに設けたトランスベクタ61nのノズル70nのノズル径を吸気流入通路22nと吸気流出通路23nの内径より大きくすることにより、トランスベクタ61nにより加速した吸気流をベンチュリ効果により更に加速して過給能力を増大するので高速内燃機関の過給ができ、前記逆止弁8nにより運転状況の急激な変化にも安定した過給ができる。
(第3実施形態(請求項3対応)の変形例2)
図13は、第3実施形態(請求項3対応)の変形例2の2段流量増幅型の過給手段の構成図である。
図13は、図7の第2実施形態(請求項2対応)の過給手段を備えた内燃機関の前記過給装置において、前記ノズル調整機構(図示せず)を備えた空気流量増幅器6wのノズルの上流に吸気の逆流を防止する逆止弁8wと、1次空気流量増幅器601wのノズルの上流に吸気の逆流を防止する逆止弁9と、を備えた過給手段5wの構成図である。
過給手段5wの作用は、駆動流通路41wから供給される駆動流により1次空気流量増幅器601wで流量増幅した吸気副通路28wからの吸気を空気流量増幅器6wの駆動流として供給して2段流量増幅を行う。
逆止弁8wにより、内燃機関の運転状況の急激な変化により発生するサージング等による吸気逆流時に、ノズル調整機構を備えた前記空気流量増幅器6wのノズルの上流の吸気通路22wを遮断して該空気流量増幅器による逆流流量増幅現象の発生を防止し、逆止弁8wの下流の圧力が上流より低くなると該吸気通路22wを連通して吸気流入通路22wから供給される吸気を空気流出通路23wに流出する。
逆止弁9により、内燃機関の運転状況の急激な変化によるサージング等による吸気副通路28wの逆流発生時に、1次空気流量増幅器601wのノズルの上流の吸気副通路28wを遮断して該1次空気流量増幅器601wによる逆流流量増幅現象の発生を防止し、逆止弁9の下流の圧力が上流より低くなると該吸気副通路28wを連通して吸気を駆動流通路411wに流出する。
従って、過給手段5wは、ノズル調整機構(図示せず)により運転状況の変化に連動した駆動流流量にて内燃機関の過給を行い、1次流量増幅器601wにより2段流量増幅を行い、逆止弁8w及び逆止弁9により吸気の逆流発生時に空気流量増幅器での逆流流量増幅現象を防止することにより、少流量の駆動流で安定した内燃機関の過給運転ができる。
(第3実施形態(請求項3対応)の変形例3)
図14は、リフトチェック弁を備えた、図13(第3実施形態の変形例3)の過給手段の断面図である。
図14は、第3実施形態の変形例2の過給手段5w(図13)の空気流量増幅器6wをトランスベクタ61j、1次空気流量増幅器601wを1次エジェクタ631j、逆止弁8wをリフトチェック弁81j、逆止弁9をリフトチェック弁91とした過給手段5jの過給運転中の断面図である。
該トランスベクタ61jは、第32実施形態の変形例1と同様のノズル調整機構7jを備え、該ノズル調整機構7jのピストン72jとフランジ78jの間にディスク811jとスプリング812jからなるリフトチェック弁81jを設ける。
吸気副通路28jと吸気流入通路22jの間に、ディスク911とスプリング912からなるリフトチェック弁91を設ける。
該リフトチェック弁81jは、フランジ78jに設けたシリンダ部に、ディスク811jと該ディスク811jをシリンダ部の座面に付勢するスプリング812jを設け、該ディスク811jには、外周部にストロークを規制する当たりと、中央部に吸気流れを円滑にして通路抵抗を小さくするガイド凸部を設けている。
1次エジェクタ631jのノズル635jは、長手方向に移動することにより1次エジェクタの流量増幅比を調整できる。
逆止弁であるリフトチェック弁91は、吸気流入通路22jに設けたシリンダ部に、ディスク911と該ディスク911をシリンダ部の座面に付勢するスプリング912を設ける。
過給手段5jの作用は、駆動流通路41jから供給される駆動流により1次空気流量増幅器601jで流量増幅した吸気副通路28jからの吸気を空気流量増幅器6jであるトランスベクタ61jの駆動流として供給して2段流量増幅を行う。
1次空気流量増幅器601wである1次エジェクタ631jは、ノズル635jをアクチェータ(図示せず)によりハウジング633jの混合部636jに離接自在に移動させることにより、流量増幅比を調整する。
該1次エジェクタ631jにより1次流量増幅された駆動流が、トランスベクタ61jのノズル調整機構7jにより駆動流圧力に応じた駆動流速度で駆動流を流出して2次流量増幅を行う。
逆止弁8jであるリフトチェック弁81jは、内燃機関の運転状況の急激な変化により発生するサージング等による吸気の逆流時に、スプリング812jの付勢力と逆流吸気によりディスク811jがフランジ78jの座面に付勢されて、該トランスベクタ61jによる逆流流量増幅現象を防止し、該リフトチェック弁81jの下流の圧力が上流より低くなるとリフトチェック弁81jを開弁して吸気流入通路22jから供給される吸気を空気流出通路23jに流出する。
逆止弁9jであるリフトチェック弁91は、内燃機関の運転状況の急激な変化により発生するサージング等による吸気副通路28jの吸気の逆流発生時に、スプリング912の付勢力と逆流吸気によりディスク911が吸気流入通路22jの座面に付勢されて、該1次空気流量増幅器601jによる逆流流量増幅現象の発生を防止し、リフトチェック弁91の下流の圧力が上流より低くなると該リフトチェック弁91を開弁して吸気を駆動流通路411jに流出する。
従って、過給手段5jは、ノズル調整機構7jにより運転状況の変化に対応した駆動流流量にて内燃機関の過給を行い、1次エジェクタ631jとトランスベクタ61jにより2段流量増幅を行い、逆止弁8j及び逆止弁9により吸気の逆流発生時に空気流量増幅器での逆流流量増幅現象を防止するので、少流量の駆動流で安定した内燃機関の過給運転ができる。
(第4実施形態(請求項4対応))
図15は、第4実施形態の過給装置の説明図である。
図15は、内燃機関の前記過給装置において、前記過給手段5pの空気流量増幅器(図示せず)の駆動流を、駆動流通路41pと排気通路31pに連通する排気還流通路32pから還流されるEGRガスとする内燃機関1pの過給装置4pである。
該駆動流通路41pには、制御弁42pを設ける。
吸気流出通路23p、駆動流通路41p、及び排気通路31pには、圧力、温度、流速等のそれぞれの目的に応じた、過給センサ46p、駆動流センサ43p、及び排気センサ34pを設け、全センサの情報はECU(図示せず)に入力される。
吸気流出通路23pには、ブースト圧が設定値以上になるのを防止するリリーフバルブ、排気還流通路32pには、不完全燃焼物等を除去するフィルタ、EGRガスを冷却する冷却器、あるいは排気脈動を緩和するサージタンク等を必要に応じて設ける。
図15の過給装置4pの作用は、内燃機関1pから排出される排気の一部を、該排気通路31pに連通する排気還流通路32pから駆動流通路41pに駆動流として供給し、過給運転時は駆動流通路41pに設けた制御弁42pを前記ECUの出力により作動して駆動流を供給して、吸気流入通路22pから流入する吸気を排気圧力により該過給手段5pで流量増幅して、吸気流出通路23pに流出して過給を行う。
運転状況により、ブースト圧が目標値以上になる等の駆動流が過剰となる場合、あるいは過給が不要な場合は、該制御弁42pの作動を止めて駆動流供給を停止する。
内燃機関1pは、4サイクルガソリン機関であるが、2サイクル機関であってもよく、ディーゼル機関であってもよい。
過給手段5pは、排気で直接吸気を過給するので、排気タービン駆動圧縮機のようにターボラグが発生せず、機械式過給機のように出力損出を伴わず、更に圧縮機を必要としないので回転部を持たない構造のため、安価で信頼性が高く、保守性の良い過給装置4pである。
(第4実施形態(請求項4対応)の変形例1)
図16は、第4実施形態の変形例1の過給装置の構成図である。
図16は、内燃機関の前記過給装置において、前記過給手段5sの空気流量増幅器である1次空気流量増幅器601sの駆動流を駆動流通路41sと排気通路31sに連通する排気還流通路32sから還流されるEGRガスとする請求項4の内燃機関1sの過給装置4sである。
駆動流通路41sには、制御弁42sを設ける。
内燃機関1sは、並列に吸気流入通路23s1と吸気流入通路23s2を設け、該吸気通路の途中である吸気流入通路22s1と吸気流出通路23s1、及び吸気流入通路22s2と吸気流出通路23s2の間に、前記空気流量増幅器である請求項1のノズル調整機構(図示せず)を備えた空気流量増幅器6s1と空気流量増幅器6s2を設け、それぞれの駆動流通路41s1と駆動流通路41s2を駆動流通路411sに連通する。
過給手段5sは、請求項2の過給手段5sの駆動流通路途中である駆動流通路41sと駆動流通路411sの間に、吸気を1次流量増幅する1次空気流量増幅器601sと、過給手段5sの別の吸気系統である第2エアクリーナ212sと該1次空気流量増幅器601sの流入口に連通する吸気副通路44sと、を設けた過給手段5sである。
更に、過給手段5sは、請求項3の前記空気流量増幅器のノズルの上流である吸気副通路44s、吸気流入通路22s1及び吸気流入通路22s2に、吸気の逆流を防止する逆止弁9s、逆止弁8s1及び逆止弁8s2を設ける。
吸気流出通路23s1、駆動流通路41s、及び排気通路31sには、圧力、温度、流速等のそれぞれの目的に応じた、過給センサ46s、駆動流センサ43s、及び排気センサ34sを設け、全センサの情報はECU(図示せず)に入力される。
排気還流通路32sには、上流よりフィルタ492s、冷却器493s、及びサージタンク491sを設ける。
過給装置4sの作用は、内燃機関1sの過給運転時に排気通路31sに連通する排気還流通路32sから供給される駆動流であるEGRガスを、排気還流通路32sに設けたフィルタ492sで不完全燃焼物等を分離し、冷却器493sにてEGRガスを冷却し、サージタンク491sにて排気脈動を緩和して駆動流通路41sに供給する。
該駆動流通路41sに供給された該駆動流であるEGRガスは、1次空気流量増幅器601sに供給されて、吸気副通路44sから供給される第2エアクリーナ212sからの吸気を1次流量増幅する。
該1次流量増幅された駆動流が駆動流通路411sから駆動流通路41s1及び駆動流通路41s2を通って、空気流量増幅器6s1と空気流量増幅器6s2に供給されて、吸気流入通路22sから吸気流入通路22s1と吸気流入通路22s2を通って供給される吸気を該空気流量増幅器6s1、6s2にて2次流量増幅して、吸気流出通路23s1と吸気流出通路23s2に流出して2段流量増幅過給を行う。
吸気流出通路23s1と吸気流出通路23s2に連通する吸気バイパス通路26sによりブースト圧の平準化を行う。
運転状況により、ブースト圧が目標値以上になる等の駆動流が過剰となる場合、あるいは過給が不要な場合は、該制御弁42sの作動を止めて駆動流供給を停止する。
逆止弁(9s、8s1、8s2)は、内燃機関の運転状況の急激な変化によるサージング等による吸気の逆流発生時に、前記空気流量増幅器(601s、6s1、6s2)のノズル(図示せず)の上流の吸気通路を遮断して該空気流量増幅器(601s、6s1、6s2)による逆流流量増幅現象の発生を防止し、該逆止弁の下流の圧力が上流より低くなると該逆止弁を開弁して吸気を下流通路(駆動流通路411s、吸気流出通路(23s1、23s2))に流出する。
前記冷却器493sは空冷であり、運転状況により冷却ファン(図示せず)を運転(停止)制御することにより、内燃機関の始動時等に冷却を停止することができる。
過給装置4sは、EGRガスを駆動流とするので圧縮機を必要とせず、過給手段5sは2段流量増幅するので流量増幅比が大きく、EGR還流量が小さいガソリン機関の過給装置にも対応できる。
過給手段5sは、並列に設けた複数の空気流量増幅器で過給を行うので、該空気流量増幅器を通過する吸気流量の減少により該空気流量増幅器が小型化できるので、内燃機関を高速回転する場合には該空気流量増幅器の通路径の拡張による過給能力(流量)の増大が容易となる。
第1〜4実施形態に示す過給装置に設けられている機器及び補助機器(センサ、フィルタ、サージタンク、冷却器、制御弁等)は、内燃機関の運転条件や仕様に応じて変更ができ、第1〜4実施形態は、本発明の一例を示すもので本発明を制約するものではなく、当業者により変更及び改良ができる。
少ない駆動流で運転できる小型軽量の空気流量増幅器であり、本願により過給制御範囲が大きくなり、内燃機関の運転状況の変動に即応する過給ができるため、負荷及び回転数の運転状況が激しく変化し、応答性の高い過給制御が要求される自動車の内燃機関の過給装置に使用できる。
1 内燃機関
4 過給装置
5 過給手段
6 空気流量増幅器
7 ノズル調整機構
8 逆止弁
9 逆止弁(1次流量増幅)
12 点火プラグ
14 筒内燃料噴射装置
20 吸気
21 エアクリーナ
22 吸気流入通路
23 吸気流出通路
25 吸気通路
26 吸気バイパス通路
28 吸気副通路
29 吸気ダクト
31 排気通路
32 排気還流通路
34 排気センサ
38 排気浄化装置
39 消音器
40 駆動流
41 駆動流通路
42 制御弁
43 駆動流センサ
44 吸気副通路
45 圧縮機
46 過給センサ
61 トランスベクタ
63 エジェクタ
70 ノズル
71 シリンダ
72 ピストン
73 ハウジング
74 ノズルケーシング
75 弾性体
77 コンロッド
78 フランジ
81 リフトチェック弁
85 リードバルブ
91 リフトチェック弁
212 第2エアクリーナ
291 ダクト入口
292 吸気流入ダクト
293 吸気流出ダクト
411 駆動流通路
491 サージタンク
492 フィルタ
493 冷却器
601 1次空気流量増幅器
603 ハウジング
608 フランジ
609 ブッシング
610 ケーシング
614 環状チャンバ
631 1次エジェクタ
633 ハウジング
635 ノズル
636 混合部
701 第1ノズル
702 第2ノズル
711 ノズル部
751 スプリング
752 スプリング
758 座金
771 ストッパ
772 ナット
775 当たり
811 ディスク
812 スプリング
851 リード
852 ストッパ
853 フランジ
911 ディスク
912 スプリング

Claims (4)

  1. 内燃機関の燃焼室に吸気を供給する吸気系統のダクト入口、エアクリーナ、あるいは前記吸気系統の通路途中に、吸気を加圧して燃焼室に送り込む過給手段を備えた内燃機関の過給装置であって、
    前記過給手段は、
    ノズルから流出する駆動流で吸気を加速して過給を行う空気流量増幅器と、前記駆動流を前記過給手段へ供給する駆動流通路と、で構成し、
    前記駆動流は、
    前記内燃機関により駆動される圧縮機で発生する圧縮空気、または、前記駆動流通路と排気通路に連通する排気還流通路から還流されるEGRガスとし、
    前記空気流量増幅器は、
    吸気の下流方向に駆動流を流出する前記ノズルと、ノズル調整機構とを有し、
    前記ノズルは、
    ノズルリップである第1ノズルと、第ノズルとで構成し、
    前記ノズル調整機構は、
    前記駆動流通路に連通し、駆動流を前記吸気系統の通路に流出させる開口側に前記第1ノズルが形成された管状のシリンダと、前記第1ノズルよりも吸気の流側の部位に前記第2ノズルが形成され、前記シリンダ内の駆動流の圧力により前記第1ノズルに対して第2ノズルを離接自在に移動させるピストンと、前記ピストンを前記ノズルが略密封となる方向に付勢する弾性体と、を有し、前記ノズルである前記第1ノズルと第2ノズルとの間の環状隙間は、吸気の下流方向に拡がる、
    前記空気流量増幅器を過給手段とすることを特徴とする内燃機関の過給装置。
  2. 内燃機関の燃焼室に吸気を供給する吸気系統のダクト入口、エアクリーナ、あるいは前記吸気系統の通路途中に、吸気を加圧して燃焼室に送り込む過給手段を備えた内燃機関の過給装置であって、
    前記過給手段は、
    ノズルから流出する駆動流で吸気を加速して過給を行う空気流量増幅器と、前記駆動流を前記過給手段へ供給する駆動流通路と、で構成し、
    前記駆動流は、
    前記内燃機関により駆動される圧縮機で発生する圧縮空気、または、前記駆動流通路と排気通路に連通する排気還流通路から還流されるEGRガスとし、
    前記空気流量増幅器は、
    吸気の下流方向に駆動流を流出する前記ノズルと、ノズル調整機構とを有し、
    前記ノズルは、
    ノズルリップである第1ノズルと、第ノズルとで構成し、
    前記ノズル調整機構は、
    吸気通路の内壁に設けた環状の凸部であるノズル部に前記第1ノズルが形成され、前記ノズル部との間に前記駆動流通路と連通する環状チャンバを設けた管状のシリンダと、前記ノズル部側に前記第2ノズルが形成され、前記シリンダ内の駆動流の圧力により前記第1ノズルに対して第2ノズルを離接自在に移動させるリング状のピストンと、前記ピストンを前記ノズルが略密封となる方向に付勢する弾性体と、を有し、前記ノズルである前記第1ノズルと第2ノズルとの間の環状隙間は、吸気の下流方向に狭まる、
    前記空気流量増幅器を過給手段とすることを特徴とする内燃機関の過給装置。
  3. 内燃機関の前記過給装置において、前記過給手段の駆動流通路途中に、吸気を1次流量増幅する1次空気流量増幅器である前記駆動流を流出するノズル開口端を備えたエジェクタと、前記過給手段の空気流量増幅器の上流または別の吸気系統と前記1次空気流量増幅器の流入口に連通する吸気副通路と、を設けた2段流量増幅ができる過給手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の過給装置。
  4. 内燃機関の前記過給装置において、前記空気流量増幅器のノズルの上流に吸気の逆流及び逆流流量増幅を防止する逆止弁を設けた過給手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の内燃機関の過給装置。
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