JP5854353B2 - 多環式化合物 - Google Patents

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本発明は、多環式化合物に関する。より詳細には、植物生長調節作用を有する多環式化合物に関する。
植物の生長を調節する化合物として、例えば植物ホルモンが知られている。植物ホルモンは植物自体に由来するが、化合物として合成でき、農薬や活力剤として役立てられている。このような植物の生長を調節する化合物として、様々な化合物が開発されている。例えば、特許文献1、2には、イミダゾール誘導体が記載されている。
特許第4565018号公報 国際公開第2011/010695号
より効率的に農業や園芸をおこなうために、植物の生長を調節でき、農薬や活力剤として用いることのできる化合物が求められている。したがって、本発明は、植物の生長調節に有効な化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、ナラタケ(Armillaria mellea)を研究する過程で、ナラタケの菌糸体から植物生長を調節することのできる新規化合物を発見し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、下記式(5)で表される化合物を提供する。
Figure 0005854353
また、本発明者らは、下記の化合物が植物生長調節活性を有することを発見した。すなわち、本発明は、下記式(1)で表される化合物を含む、植物生長調節剤を提供する。
Figure 0005854353

(式(1)中、Rはヒドロキシル基又はメトキシ基であり、RはH又はClであり、Rはヒドロキシメチル基又はホルミル基であり、RはH又はヒドロキシル基である。)
また、本発明は、下記式(2)〜(5)で表される化合物からなる群から選択される化合物を含む、植物生長調節剤を提供する。
Figure 0005854353
式(1)で表される化合物は、植物の生長を促進または抑制することができるため、これらの化合物を植物生長調節剤として有効に用いることができる。式(1)で表される化合物の中でも、特に式(2)〜(5)で表される化合物は、植物生長調節活性が高い。
本発明によれば、植物の生長調節に有効な化合物が提供される。
図1は、(2)〜(5)の化合物の培地への添加によるレタスの生長に及ぼす影響を示すグラフである。 図2は、(2)〜(5)の化合物の培地への添加によるユーカリの生長に及ぼす影響を示すグラフである。
本発明の植物生長調節剤は、上記式(1)で表される化合物(以下、場合により「化合物(1)」と称する。)を含み、好ましくは式(2)〜(5)で表される化合物(以下、場合によりそれぞれ「化合物(2)」、「化合物(3)」、「化合物(4)」、「化合物(5)」と称する。)からなる群から選択される化合物を含む。
<化合物(1)>
化合物(1)は、多環式化合物であり、式(1)中、Rはヒドロキシル基又はメトキシ基であり、RはH又はClであり、Rはヒドロキシメチル基又はホルミル基であり、RはH又はヒドロキシル基である。R〜Rはそれぞれ独立である。
化合物(1)は、植物生長調節作用を有する。したがって、化合物(1)によれば、植物の生長を調節することが可能となる。本発明における植物の生長には、植物細胞の通常の分化又は増殖を伴う現象であれば特に限定されず、植物体を構成する器官の伸張、拡大のみならず、種子からの発芽、花芽の形成、種子の形成なども含まれる。化合物(1)は、対象となる植物の種類、化合物(1)の濃度及び化合物(1)が接触する植物部位によって、植物の生長を促進又は抑制することができる。したがって、化合物(1)を含む植物生長調節剤を、対象植物と目的に応じて、植物の種々の器官の生長促進剤として又は生長抑制剤として用いることが可能である。植物生長調節剤には、化合物(1)のうち、式(1)を満たす一種類の化合物のみが含まれていてもよく、式(1)を満たす複数種類の化合物の組み合わせが含まれていてもよい。
化合物(1)は、化合物(2)〜(5)からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。化合物(2)〜(5)は、特に植物生長調節作用が高い。
化合物(2)は、すなわち、(2R,2aS,4aR,7bR)−2a,4a−dihydroxy−3−(hydroxymethyl)−6,6,7b−trimethyl−2,2a,4a,5,6,7,7a,7b−octahydro−1H−cyclobuta[e]inden−2−yl 2,4−dihydroxy−6−methylbenzoate((2R,2aS,4aR,7bR)−2a,4a−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−6,6,7b−トリメチル−2,2a,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロ−1H−シクロブタ[e]インデン−2−イル2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンゾエート)である。
化合物(3)は、すなわち、(2R,2aS,4aR,7R,7bR)−2a,4a,7−trihydroxy−3−(hydroxymethyl)−6,6,7b−trimethyl−2,2a,4a,5,6,7,7a,7b−octahydro−1H−cyclobuta[e]inden−2−yl 3−chloro−6−hydroxy−4−methoxy−2−methylbenzoate((2R,2aS,4aR,7R,7bR)−2a,4a,7−トリヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−6,6,7b−トリメチル−2,2a,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロ−1H−シクロブタ[e]インデン−2−イル3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンゾエート)である。
化合物(4)は、すなわち、(2R,2aS,4aR,7R,7bR)−3−formyl−2a,4a,7−trihydroxy−6,6,7b−trimethyl−2,2a,4a,5,6,7,7a,7b−octahydro−1H−cyclobuta[e]inden−2−yl 2−hydroxy−4−methoxy−6−methylbenzoate((2R,2aS,4aR,7R,7bR)−3−ホルミル−2a,4a,7−トリヒドロキシ−6,6,7b−トリメチル−2,2a,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロ−1H−シクロブタ[e]インデン−2−イル2−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−メチルベンゾエート)である。
化合物(5)は、すなわち、(2R,2aS,4aR,7bR)−2a,4a−dihydroxy−3−(hydroxymethyl)−6,6,7b−trimethyl−2,2a,4a,5,6,7,7a,7b−octahydro−1H−cyclobuta[e]inden−2−yl 3−chloro−6−hydroxy−4−methoxy−2−methylbenzoate((2R,2aS,4aR,7bR)−2a,4a−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−6,6,7b−トリメチル−2,2a,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロ−1H−シクロブタ[e]インデン−2−イル3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンゾエート)である。
化合物(2)〜(5)は、ナラタケを培養し、培養ろ液からクロマトグラフィー等の従来公知の精製法により、それぞれ単離することができる。また、これらの化合物(2)〜(5)は、化学合成により製造することもできる。また、式(1)の化合物は、化合物(2)〜(5)いずれかを出発物質として、従来公知の化学合成法により、R〜Rを、目的の置換基に変換することにより、合成することができる。
植物生長調節剤の対象となる植物としては、化合物(1)により生長調節作用を受ける植物であれば特に限定されず、種子植物、シダ植物、又はコケ植物でもよく、種子植物としては裸子植物又は被子植物でもよく、被子植物としては単子葉植物でも双子葉植物でもよい。植物の形態としては、草本でも木本でもよい。
このような植物として、例えば、イネ科、キク科、フトモモ科、ナス科、ツバキ科、ユリ科、バラ科等、あらゆる植物を挙げることができる。これらの中でも、化合物(1)による生長調節作用が著しい点から、イネ科、キク科、フトモモ科の植物であることが好ましい。イネ科の植物としては、例えば、マダケ属、オオムギ属、コムギ属、イネ属、コヌカグサ属、シバ属、サトウキビ属、トウモロコシ属等を挙げることができ、この中でもイネ属が好ましい。また、キク科の植物としては、例えば、アキノノゲシ属等を挙げることができる。また、フトモモ科の植物としては、例えば、ユーカリ属等を挙げることができる。
植物生長調節剤の植物への施用方法としては、対象とする植物の種類、その器官及び目的等に応じて選択することができる。例えば、植物生長調節剤を潅水により植物体に与えたり、根、茎、葉、花芽、生殖器官、果実、種子等の植物器官に直接塗布したりすることができる。また、植物生長調節剤を溶解させた培養液で水耕栽培することもできる。施用時期も、対象とする植物の種類、その器官及び目的等に応じて適宜選択することができる。
植物生長調節剤における化合物(1)の濃度や植物に施用される化合物(1)の量は、化合物(1)のR〜Rの種類、対象とする植物の種類、その器官、目的とする生長調節作用、植物への施用方法、施用時期等に応じて適宜設定することができる。
例えば、対象植物をレタス(Lactuca sativa)とし、地上部の伸長を抑制させることを目的とする場合、通常の培養液に化合物(1)が100nM〜1mMとなるように溶解した培養液で栽培することが好ましい。培養液中の化合物(1)の濃度は、より好ましくは10μM〜1mMである。
一方、対象植物をレタスとし、地上部の伸長を促進させることを目的とする場合、通常の培養液に化合物(1)が10pM〜1nMとなるように溶解した培養液で栽培することが好ましい。
また、対象植物をレタスとし、根の伸張を抑制することを目的とする場合、通常の培養液に化合物(1)が1nM〜1mMとなるように溶解した培養液で栽培することが好ましい。培養液中の化合物(1)の濃度は、より好ましくは100nM〜1mMである。
一方、対象植物をレタスとし、根の伸長を促進させることを目的とする場合、通常の培養液に化合物(1)が10pMとなるように溶解した培養液で栽培することが好ましい。
また例えば、対象植物をユーカリ属(Eucalyptus)の植物とし、地上部の伸長を抑制させることを目的とする場合、通常の培養液に化合物(1)が1mMとなるように溶解した培養液で栽培することが好ましい。
一方、対象植物をユーカリ属の植物とし、地上部の伸長を促進させることを目的とする場合、通常の培養液に化合物(1)が10pM〜10μMとなるように溶解した培養液で栽培することが好ましい。培養液中の化合物(1)の濃度は、より好ましくは100nM〜10μMである。
また、対象植物をユーカリ属の植物とし、根の伸張を抑制することを目的とする場合、通常の培養液に化合物(1)が10μM〜1mMとなるように溶解した培養液で栽培することが好ましい。
一方、対象植物をユーカリ属の植物とし、根の伸長を促進させることを目的とする場合、通常の培養液に化合物(1)が10pMとなるように溶解した培養液で栽培することが好ましい。
植物生長調節剤は、化合物(1)の他に、殺菌剤、防黴剤、殺虫剤、又は化合物(1)以外の植物生長調節作用を有する化合物を含有していてもよい。さらに、公知の製剤用添加剤を含有していてもよい。このような製剤用添加剤としては、特に限定されないが、例えば、賦形剤、乳化剤、湿潤剤を使用することができる。また、本発明の植物生長調節剤の剤型は特に限定されないが、例えば、乳剤、水和剤、水溶剤、液剤、粒剤、粉剤、マイクロカプセル、燻蒸剤、燻煙剤、エアゾール、フロアブル剤、ペースト剤、錠剤、塗布剤、微量散布用剤、油剤、複合肥料とすることができ、対象となる植物、その器官及び目的等に応じて、使用者が適宜選択することができる。このような剤型の植物生長調節剤は、公知の方法により製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1.ナラタケからの植物成長調節活性物質の単離(化合物(2)及び(3))>
(化合物(2)の単離)
ナラタケ(Armillaria mellea)543株の菌糸体をポテトデキストロース(PD)液体培地に接種して約3週間培養後、ろ過により菌糸体と培養ろ液に分離した。培養ろ液を減圧濃縮後、ヘキサン可溶部、酢酸エチル可溶部、1−ブタノール可溶部、水可溶部に分画した。得られた各可溶部について後述するレタスに対する植物生長調節活性試験を行ったところ、酢酸エチル可溶部に活性が確認された。植物生長調節活性試験の結果を指標にしながら各種クロマトグラフィーによる分画を行った。酢酸エチル可溶部を順相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(カラム:Senshu PAK AQ、カラムサイズ:20φ×250mm、移動相:ヘキサン:クロロホルム:メタノール=1:9:0、0:10:0、0:0:10)によって19フラクションに分画し、そのうちフラクション18から化合物(2)(4.5mg)を得た。
(化合物(3)の単離)
順相HPLCで分画した19フラクションの中から、フラクション8(19.4mg)を再度順相HPLC(カラム:Senshu PAK AQ、カラムサイズ:20φ×250mm、移動相:クロロホルム:メタノール=10:0、0:10)によって分画し、化合物(3)(13.0mg)を得た。
(植物生長調節活性試験方法)
各画分の植物生長調節活性を判定する植物生長調節活性試験方法は、以下のとおりである。
ステップ1:前培養
蒸留水を浸透させたろ紙の上にレタス(Lactuca sativa)の種子を置き、25℃、暗所において1日間培養する。
ステップ2:本培養
蒸留水と試験化合物を浸透させたろ紙の上にレタスの種子を移し、25℃、暗所において3日間培養する。
ステップ3:観察・測定
レタスの形態の変化を観察する。レタスの地上部(胚軸)及び地下部(根)の伸長を測定する。
<実施例2.ナラタケからの植物成長調節活性物質の単離(化合物(2)〜(5))>
上記と同様の培養条件でナラタケ543株の大量培養を行い、ろ過により菌糸体と培養ろ液に分離した。培養ろ液を減圧濃縮後、ヘキサン可溶部、酢酸エチル可溶部、1−ブタノール可溶部、水可溶部に分画した。このうち酢酸エチル可溶部を、実施例1に記載する植物生長調節活性試験の結果を指標にしながら、各種クロマトグラフィーによる分画を行った。酢酸エチル可溶部を順相HPLC(カラム:Senshu PAK AQ、カラムサイズ:20φ×250mm、移動相:ヘキサン:クロロホルム:メタノール=3:7:0、0:10:0、0:0:10)によって26フラクションに分画した。
(化合物(2)の単離)
順相HPLCで分画した26フラクションのうち、フラクション23と24とを合わせたもの(46.0mg)を、逆相HPLC(カラム:COSMOSIL cholester waters,カラムサイズ:20φ×250mm、移動相:メタノール:水=6:4、10:0)によって分画し、化合物(2)(14.1mg)を得た。
(化合物(3)の単離)
順相HPLCで分画した26フラクションのうち、フラクション13(27.9mg)を逆相HPLC(カラム:COSMOSIL cholester waters,カラムサイズ:20φ×250mm、移動相:メタノール:水=6:4、10:0)によって分画し、化合物(3)(14.4mg)を得た。
(化合物(4)の単離)
順相HPLCで分画した26フラクションのうち、フラクション8,9,10を合わせたもの(17.8mg)を逆相HPLC(カラム:COSMOSIL cholester waters,カラムサイズ:20φ×250mm、移動相:メタノール:水=6:4、10:0)によって9フラクションに分画し、フラクション6から化合物(4)(2.0mg)を得た。
また、順相HPLCで分画した26フラクションのうち、フラクション11(9.5mg)を逆相HPLC(カラム:COSMOSIL cholester waters,カラムサイズ:20φ×250mm、移動相:メタノール:水=6:4、10:0)によって13フラクションに分画し、フラクション11から化合物(4)(1.4mg)を得た。すなわち、合計3.4mgの化合物(4)を得た。
(化合物(5)の単離)
順相HPLCで分画した26フラクションのうち、フラクション8,9,10を合わせたもの(17.8mg)を逆相HPLC(カラム:COSMOSIL cholester waters,カラムサイズ:20φ×250mm、移動相:メタノール:水=6:4、10:0)によって9フラクションに分画し、フラクション8(3.8mg)を分取した。
また、順相HPLCで分画した26フラクションのうち、フラクション11(9.5mg)を逆相HPLC(カラム:COSMOSIL cholester waters,カラムサイズ:20φ×250mm、移動相:メタノール:水=6:4、10:0)によって13フラクションに分画し、フラクション9,10(6.7mg)を分取した。
分取したフラクション8(3.8mg)及びフラクション9,10(6.7mg)を合わせた。これを順相HPLC(カラム:Senshu PAK AQ、カラムサイズ:20φ×250mm、移動相:ヘキサン:クロロホルム:メタノール=2:8:0、0:10:0、0:0:10)によって分画し、化合物(5)(2.6mg)を得た。
<実施例3.NMRによる構造の決定>
単離した化合物(2)〜(5)をH−NMR及び13C−NMRによって分析し、構造を決定した。NMR分析時の溶媒として、化合物(2)、(4)については、重メタノールを用いた。化合物(3)、(5)については、重水素化クロロホルムを用いた。表1にNMR分析により得られた、化合物(2)〜(5)のスペクトルデータを示す。得られた分析結果より、化合物(2)が式(2)で表される(2R,2aS,4aR,7bR)−2a,4a−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−6,6,7b−トリメチル−2,2a,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロ−1H−シクロブタ[e]インデン−2−イル2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンゾエートであり、化合物(3)が式(3)で表される(2R,2aS,4aR,7R,7bR)−2a,4a,7−トリヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−6,6,7b−トリメチル−2,2a,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロ−1H−シクロブタ[e]インデン−2−イル3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンゾエートであり、化合物(4)が式(4)で表される(2R,2aS,4aR,7R,7bR)−3−ホルミル−2a,4a,7−トリヒドロキシ−6,6,7b−トリメチル−2,2a,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロ−1H−シクロブタ[e]インデン−2−イル2−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−メチルベンゾエートであり、化合物(5)が式(5)で表される(2R,2aS,4aR,7bR)−2a,4a−ジヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−6,6,7b−トリメチル−2,2a,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロ−1H−シクロブタ[e]インデン−2−イル3−クロロ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンゾエートであることが決定された。化合物(5)は新規化合物であった。
Figure 0005854353
<実施例4.レタスに対する化合物(2)〜(5)の影響>
化合物(2)〜(5)について、実施例1に記載する、レタスに対する植物生長調節活性試験をおこなったところ、各化合物は、レタスに対して生長調節活性を示した。植物生長調節試験の結果を図1に示す。各レタスの種子試料は、図1に示す10pM〜1mMの各濃度の化合物を浸透させたろ紙上で培養した。図1中、縦軸は、胚軸及び根の伸長(cm)を表す(グラフは平均値を表す。「*」「**」はコントロールに対して伸長が有意に抑制されたことを示し、「*」はP値が<0.05、「**」はP値が<0.01であることを示す。「黒丸」「黒丸二つ」はコントロールに対して伸長が有意に促進されたことを示し、「黒丸」はP値が<0.05、「黒丸二つ」はP値が<0.01であることを示す。n=16である。)。各化合物は、1mMの濃度で胚軸及び根の伸長阻害活性を示した。一方、1nMや10pMの濃度では、一部の化合物は、胚軸の伸長促進活性を示した。
<実施例5.ユーカリに対する化合物(2)〜(5)の影響>
草本植物であるレタスに対する結果を受けて、木本植物であるユーカリについても化合物(2)〜(5)の影響を調べた。
化合物(2)〜(5)について、ユーカリ(Eucalyptus tereticornis)に対して植物生長調節活性試験をおこなった。試験方法は、実施例1に記載する、レタスに対する植物生長調節活性試験と同様である。ただし、ステップ2の本培養の期間を3日間から7日間に変更しておこなった。植物生長調節試験の結果を図2に示す。各化合物は、ユーカリに対して生長調節活性を示した。各ユーカリの種子試料は、図2に示す10pM〜1mMの各濃度の化合物を浸透させたろ紙上で培養した。図2中、縦軸は、地上部(シュート)及び根の伸長(cm)を表す(グラフは平均を表す。「*」「**」はコントロールに対して伸長が有意に抑制されたことを示し、「*」はP値が<0.05、「**」はP値が<0.01であることを示す。「黒丸」「黒丸二つ」はコントロールに対して伸長が有意に促進されたことを示し、「黒丸」はP値が<0.05、「黒丸二つ」はP値が<0.01であることを示す。n=15である。)。各化合物は、1mMの濃度で地上部及び根の伸長阻害活性を示し、一方、10pMの濃度では、一部の化合物は、地上部の伸長促進活性を示し、レタスと同様の傾向が見られた。また、化合物(2)〜(5)を高濃度で処理したものでは、種子が発芽しなかったり、発芽したものでも根の発達が不十分であるために倒伏したりしているものがあった。
本発明の化合物は植物生長調節作用があるため、植物生長調節剤として有効に使用することができる。このような植物生長調節剤は、農業や園芸に幅広く適用できる。

Claims (3)

  1. 下記式(5)で表される化合物。
    Figure 0005854353
  2. 下記式(1)で表される化合物を含む、植物生長調節剤。
    Figure 0005854353
    (式(1)中、Rはヒドロキシル基又はメトキシ基であり、RはH又はClであり、Rはヒドロキシメチル基又はホルミル基であり、RはH又はヒドロキシル基である。)
  3. 下記式(2)〜(5)で表される化合物からなる群から選択される化合物を含む、植物生長調節剤。
    Figure 0005854353
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