JP5850772B2 - 歯科用前処理剤 - Google Patents

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Description

本発明は、予め生体歯牙組織表面に前処理を施すのに主として使用される歯科用前処理剤に関する。より詳しくは、酸水溶液による歯牙のエッチング処理によりスメア層を除去し、また歯牙表面に微細な凹凸を作ることにより歯牙と歯科用硬化性組成物(歯科用象牙質接着材、歯科接着用レジンセメント、合着用セメント、シーラント、歯科用充填剤等)と歯牙との間の接着力を高める歯科用前処理剤に関する。
従来より、生体歯牙組織と該組織を修復する歯科用硬化性組成物(歯科用象牙質接着材、歯科接着用レジンセメント、合着用セメント、シーラント、歯科用充填剤等)とを強力に接着する目的で、あるいは被着面の清掃処理を目的として、予め、歯牙表面を歯科用前処理剤で処理する方法が広く行われている。
歯牙組織のエナメル質と象牙質を研削すると、スメアー層と呼ばれる粉砕されたハイドロキシアパタイトとタンパク質とから成る混合物が歯牙研削面に生成する。スメアー層は機械的強さが弱く、脱灰除去しなければエナメル質や象牙質に歯科用硬化性組成物を強固に接着することはできない。前記の前処理剤として一般に使用されているのは、リン酸、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸等の酸水溶液等からなる歯科用前処理剤である。この酸水溶液の歯科用前処理剤を歯牙研削面に作用させることで、歯牙を切削した際に生じるスメアー層を酸により溶解・除去することができる。さらに、歯牙表面に微細な凹凸をつくってアンカー効果を発揮させることにより、修復材料を強固に接着させることが行われている。
しかしながら、前処理剤として酸水溶液を使用する場合には、エナメル質に対する歯科用硬化性組成物の接着力を高めることができるが、象牙質に作用させた場合に接着力が低くなるという問題がある。この問題は、酸水溶液による前処理ではエッチング、水洗により研削した象牙質表面に生じたスメヤー層と共に象牙質の無機成分までもが失われ機械的強度が低くなること、さらには、エアー乾燥の操作によりエッチング材が作用した象牙質部分に残った有機成分のコラーゲン線維が収縮し、その後に適用する歯科用硬化性組成物の象牙質への浸透を阻害するためと考えられている。
このような問題を解消するために、歯科用前処理剤による処理後、プライマーを用いることによって予め重合性単量体成分を浸透させておく等、歯科用前処理剤処理後の象牙質表面を接着に適する状態に改質する必要があった。つまり研削象牙質に接着を行う際、歯科用前処理剤による処理の後で、プライマーによる処理を再度行う手間のかかる処置を必要とした。
一方で、このような問題を解決するために、界面活性剤を含有することを特徴とする歯科用前処理剤が提案されている(例えば、特許文献1の特許請求の範囲を参照)。このような界面活性剤を含有する前処理剤を用いることで象牙質の接着性を向上することができる。
特開1996−198723号公報
前述の特許文献1で記載された歯科用前処理剤は、その実施例に具体的な例示があるように、クエン酸などの弱酸からなる水溶液を使用する場合には、処理後に適用する歯科用硬化性材料の象牙質への接着性において、比較的良好な(実施例1〜3において9.0MPa〜12.6MPaの)強度の向上効果が認められる。しかしながら、リン酸水溶液を使用した場合(実施例4)は接着性の向上効果は認められるものの6.0MPaと依然不十分であり、その比較例1の象牙質に対する接着性(5.1MPa)と大差ない値しか得られていなかった。本発明者等の検討においても、リン酸のような強酸からなる水溶液で象牙質を処理した場合は、象牙質への接着性の低下の問題が依然としてあり、実用上十分な(およそ10MPa以上の)象牙質接着性を容易に達成可能な方法が望まれていた。一方で、クエン酸のような弱酸を使用した場合は、象牙質への接着性は比較的良好なものの、エナメル質、特に非切削エナメル質の脱灰力が不十分であった。
即ち、エナメル質、特に非切削エナメル質の十分な脱灰性を付与するために、歯科用前処理剤としてリン酸のような強酸の水溶液を用いた場合においても、これを象牙質に前処理しても、その後に適用する歯科用硬化性材料が該象牙質に対して高強度に接着できるものを開発することが大きな課題となっていた。
本発明者らは、上記課題を達成するために、リン酸等の強酸を含む水溶液からなる歯科用前処理剤を使用した場合の象牙質への接着性低下の抑制効果について鋭意検討した結果、強酸を含む酸水溶液にアルキルスルホン酸アミド系界面活性剤を含ませることで前記の課題を解決しうることを見いだし、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、(A)23℃における水中でのpKaが2.5以下の酸を含む酸水溶液、および(B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤を含有することを特徴とする歯科用前処理剤である。
本発明の歯科用前処理剤によれば、(A)23℃における水中でのpKaが2.5以下の酸を含む酸水溶液を使用することで、エナメル質、特に非切削エナメル質への高い脱灰性が達成される。更に、本発明の歯科用前処理剤は(B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤を含むことで、強酸水溶液(pKaが2.5以下の酸を含む酸水溶液)からなる歯科用前処理剤で切削象牙質をエッチング処理した場合も、その後に適用する歯科用硬化性材料の象牙質への接着性の低下を抑制することができる。
本発明におけるアルキルスルホン酸アミド系界面活性剤の作用機序は定かではないものの、(B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤と象牙質のコラーゲン線維との相互作用により、象牙質の濡れ性が向上し、その後に適用する歯科用硬化性組成物の重合性単量体成分等の象牙質への浸透性が向上するためと本発明者等は考察している。また、エッチング処理後の象牙質のコラーゲン線維に(B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤が残ることで、その後のエアー乾燥操作によるコラーゲン線維の収縮が抑制されるためではないかと本発明者等は考察している。
本発明の歯科前処理剤は、(A)23℃における水中でのpKaが2.5以下の酸を含む酸水溶液、および(B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤を含有する歯科用前処理剤、である。
本発明においては、エナメル質、特に非切削エナメル質への高い脱灰性を達成するために、23℃におけるpKaが2.5以下の強酸を使用する。あまり酸の強度が強すぎても象牙質への接着性は低下傾向になるため、23℃におけるpKaは1.0以上であるのが望ましい。
本発明の歯科用前処理剤に使用する(A)23℃における水中でのpKaが2.5以下の酸を含む酸水溶液は、23℃における水中でのpKaが2.5以下の従来公知の酸を含む水溶液が何ら制限なく使用できる。このような23℃におけるpKaが2.5以下の酸を例示すれば、硫酸、硝酸、塩酸、過塩素酸、臭化水素酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、リン酸、2,6-ジオキシ安息香酸、ニトロ酢酸、シアノ酢酸、o-ニトロ安息香酸、マレイン酸、ピルビン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、タウリン、シュウ酸、エチレンジアミン四酢酸、トリフロロ酢酸、等が挙げられる。これらの中で、生体への為害性を考慮するとリン酸、マレイン酸、ピルビン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、タウリン、シュウ酸、エチレンジアミン四酢酸の使用が好ましく、高いエナメル質、特に非切削エナメル質への脱灰性が得られる観点から特にはリン酸を使用することが好ましい。こちらの酸は単独で又は2種以上を配合して使用することができる。
本発明の歯科用前処理剤に使用する(A)23℃における水中でのpKaが2.5以下の酸を含む酸水溶液の酸濃度は特に限定されない。高い清掃効果またはエッチング効果が得られることから、酸濃度の好ましい範囲は1質量%以上80質量%以下の範囲である。当該歯牙組織の修復面のエッチング剤として使用する場合であれば、酸濃度は10重量%以上70重量%以下の範囲であるのが特に好ましく、30質量%以上60質量%以下の範囲であるのが最も好ましい。他方、被着面に付着した唾液や歯垢等の汚れを除去する清掃剤として使用するのであれば、酸濃度は5質量%以上60質量%以下の範囲であるのが特に好ましい。
本発明の酸水溶液に使用する水としては蒸留、濾過、イオン交換等によって、有害な不純物を含まないものを用いることが好ましい。
本発明の歯科用前処理剤は、(B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤を更に含有している。かかる(B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤は、親水基としてアルキルスルホン酸アミド基および従来公知の疎水基を有する化合物からなる界面活性剤であり、これを満足する公知の化合物が制限なく使用できる。
本発明において、(B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤として下記式(1)の構造を有するものは入手が容易でありまた高い接着性が得られることから好ましい。
MSO−R−N(R)(C=O)−R・・・式(1)
(式中Mは、水素原子または1価の対カチオンであり、
は、炭素数5以下のアルキレン基であり、
は、水素原子、又は炭素数6以下のアルキル基若しくは炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、
は、炭素数4〜30のアルキル基、炭素数4〜30のアルケニル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、又は炭素数6〜30の芳香族炭化水素基である)
前記一般式(1)中、Rの炭素数5以下のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、2−メチル−n−プロピレン基、2−エチル−n−プロピレン基、2−メチル−n−ブチレン基等の直鎖または分岐状のものが例示できる。また、これらのアルキレン基は、ハロゲン基、アミド基、カルボキシル基、シアノ基、アミノ基、イミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、リン酸基、スルホン酸基等の置換基を有していてもよい。
前記一般式(1)中、炭素数6以下のRのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−メチル−n−プロピル基、2−エチル−n−プロピル基、2−メチル−n−ブチル基、3−メチル−n−ペンチル基等の直鎖または分岐状のものが例示できる。これらのアルキル基も、上記Rの炭素数5以下のアルキレン基と同様の置換基を有していてもよい。また、Rの炭素数3〜6のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示できる。これらのシクロアルキル基も、上記Rのアルキレン基と同様の置換基を有していてもよい。
前記一般式(1)中、Rの炭素数4〜30のアルキル基としては、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコデシル基、n−ヘキコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、n−トリアコシル基、2−ブチル−n−ウンデシル基、3−ブチル−n−ウンデシル基、4−ブチル−n−ウンデシル基、5−ペンチル−n−ウンデシル基、2−プロピル−n−ドデシル基、3−プロピル−n−ドデシル基、4−プロピル−n−ドデシル基、5−プロピル−n−ドデシル基、2−ペンチル−n−ドデシル基、3−メチル−n−ドデシル基、4−エチル−n−ドデシル基、2−プロピル−n−ドデシル基、3−ブチル−n−ドデシル基、2−オクチル−n−ドデシル基、2−デシル−n−ドデシル基等の直鎖または分岐状のものが挙げられる。これらのアルキレン基も、上記Rの炭素数5以下のアルキレン基と同様の置換基を有していてもよい。
また、Rの炭素数4〜30のアルケニル基としては、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデニセニル基、ノナデセニル基、エイコセニル基、ヘキコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコセニル基、2−ブチル−ウンデセニル基、3−ブチル−ウンデセニル基、4−ブチル−ウンデセニル基、5−ペンチル−ウンデセニル基、2−プロピル−ドデセニル基、3−プロピル−ドデセニル基、4−プロピル−ドデセニル基、5−プロピル−ドデセニル基、2−ペンチル−ドデセニル基、3−メチル−ドデセニル基、4−エチル−ドデセニル基、2−プロピル−ドデセニル基、3−ブチル−ドデセニル基、2−オクチル−ドデセニル基、2−デシル−ドデセニル基、2−ペンテニル−ヘプタデセニル基、2−ブテニルーオクタデセニル基等の直鎖または分岐状のものが挙げられる。これらのアルケニル基も、上記Rの炭素数5以下のアルキレン基と同様の置換基を有していてもよい。
また、Rの炭素数4〜10のシクロアルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基または、シクロオクチル基等が挙げられる。これらのシクロアルキル基も、上記Rの炭素数5以下のアルキレン基と同様の置換基を有していてもよい。
さらに、Rの炭素数6〜30の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェノル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、トリデシルフェニル基、テトラデシルフェニル基、ペンタデシルフェニル基、ヘキサデシルフェニル基、ヘプタデシルフェニル基、オクタデシルフェニル基、ノナデシルフェニル基、エイコデシルフェニル基、ヘキコシルフェニル基、ドコシルフェニル基、トリコシルフェニル基、テトラコシルフェニル基、モノスチレン化フェニル基、ジスチレン化フェニル基、トリスチレン化フェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、ブチルナフチル基、ペンチルナフチル基、ヘキシルナフチル基、ヘプチルナフチル基、オクチルナフチル基、ノニルナフチル基、デシルナフチル基、ウンデシルナフチル基、ドデシルナフチル基、トリデシルナフチル基、テトラデシルナフチル基、ペンタデシルナフチル基、ヘキサデシルナフチル基、ヘプタデシルナフチル基、オクタデシルナフチル基、ノナデシルナフチル基、エイコデシルナフチル基、アントラセニル基、フェナントラセニル基、テトラセニル基、クリセニル基、ペンタセニル基、ヘキサセニル基、および、へプタセニル基等が挙げられる。これらの芳香族炭化水素基も、上記Rの炭素数5以下のアルキレン基と同様の置換基を有していてもよい。
また、Mの1価の対カチオンは、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオンなどが挙げられる。
本発明で使用される(B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤として、特に入手が容易でかつ象牙質への接着性の低下抑制効果が高いために好適な化合物を具体的に例示すると以下の化合物が挙げられる。
2−[ラウロイル(メチル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
2−(N−メチル−N−ステアロイルアミノ)エタンスルホン酸ナトリウム
2−(N−メチル−N−パルミトイルアミノ)エタンスルホン酸ナトリウム
N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム
2−[シクロヘキシル(1−オキソテトラデシル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
2−[メチル(1−オキソ−9−オクタデセニル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
2−[シクロヘキシル(1−オキソオクタデシル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
2−[シクロヘキシル(1−オキソヘキサデシル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
2−[(1−オキソドデシル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
2−[[(Z)−1−オキソ−9−オクタデセニル]アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム

2−[メチル[(9Z,12Z)−1−オキソ−9,12−オクタデカジエニル]アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
N−オクタデカノイルタウリンナトリウム
2−(N−メチル−N−ラウロイルアミノ)エタンスルホン酸ナトリウム
2−[メチル(トリデカノイル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
2−(N−メチル−N−ミリストイルアミノ)エタンスルホン酸ナトリウム

2−[メチル(ペンタデカノイル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
2−[メチル(1−オキソイコシル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
2−[N−[2−メルカプトメチル−3−フェニルプロパノイル]−N−メチルアミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
2−[N−[2−アセチルチオメチル−3−フェニルプロパノイル]−N−メチルアミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
これらのアルキルスルホン酸アミド系界面活性剤の具体例の中で、特にRが炭素数15〜20のアルキル基またはアルケニル基であるものは、特に親水性と疎水性のバランスに優れ、象牙質への接着性の低下抑制効果が高く特に好ましい。このような化合物は、2−(N−メチル−N−ステアロイルアミノ)エタンスルホン酸ナトリウム、2−(N−メチル−N−パルミトイルアミノ)エタンスルホン酸ナトリウム、2−[メチル(1−オキソ−9−オクタデセニル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム、2−[シクロヘキシル(1−オキソオクタデシル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム、2−[シクロヘキシル(1−オキソヘキサデシル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム、2−[[(Z)−1−オキソ−9−オクタデセニル]アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム、2−[メチル[(9Z,12Z)−1−オキソ−9,12−オクタデカジエニル]アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム、2−[メチル(1−オキソイコシル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。
本発明の歯科用前処理剤において、(B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤は1種類だけを使用しても良いし、複数種類のものを混合して使用しても良い。また、本発明の歯科用前処理剤における(B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤の配合量は特に限定されないが、(A)23℃における水中でのpKaが2.5以下の酸を含む酸水溶液100質量部に対して、象牙質への接着性の低下抑制効果が高いことから好ましくは0.0001〜20質量部、より好ましくは0.01〜5質量部の割合である。
本発明の歯科用前処理剤には、歯科用前処理剤を歯牙に塗布する際に垂れにくい性状とする等の操作性を改良するために、更に増粘剤を入れることができる。かかる増粘剤としては、従来公知の増粘材を使用することができる。例えば、本発明の歯科用前処理剤に可溶な高分子化合物を溶解して増粘することもできるし、無機増粘剤を分散して増粘することができる。
上述した高分子化合物としては、本発明の歯科用前処理剤に溶解可能な従来公知の高分子化合物をその増粘効果や保存安定性を考慮して適宜選択して使用することができる。このような高分子化合物としては、本発明の歯科用前処理剤に更に有機溶媒を添加し、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル等のポリアルキルメタクリレート類やポリ酢酸ビニル等の非水溶性高分子を溶解させる、または非水溶性高分子を有機フィラーとして分散状態で含ませて増粘することもできるが、水溶性高分子を溶解し、増粘する方法が高い増粘効果が得られ、より好ましい。
このような水溶性高分子としては、水溶性のものであれば従来公知の高分子が制限なく使用できる。カチオン性水溶性高分子としては、ポリエチレンイミンやポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジメチルアミノエチルデキストラン、イミダゾール基などを含有した水溶性の高分子などが挙げられる。アニオン性水溶性高分子としては、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、ペクチン、カルボキシビニルポリマー等のほか、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸等の多糖類およびこれらの塩等を挙げることができる。非イオン性水溶性高分子を例示すると、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース低級アルキルエーテル化合物、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のビニル化合物、プルラン、でんぷん等の多糖類およびその誘導体、ポリグルコシルオキシエチルメタクリレート等のポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、またはポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコールとポリオキシプロピレングリコールのブロックコポリマー等のポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。
上述した高分子化合物の重量平均分子量や分子量分布は特に限定されない。重量平均分子量が大きいほど増粘効果は高くなるので、重量平均分子量は500以上が好ましく、特に好ましくは1500以上である。重量平均分子量が大きすぎると歯科用前処理剤への溶解に時問がかかり、また粘度を高めようと添加量を増やした場合に糸引き状態になる場合があるので、重量平均分子量は150万以下が好ましく、特には80万以下が好ましい。なお、水溶性高分子は、一種類を使用するだけでなく、二種類以上を混合して使用しても良い。
特に、保存安定性および易取扱性の観点から、非イオン性水溶性高分子であるポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールまたはポリオキシアルキレングリコールを用いることが好ましい。
本発明の歯科用前処理剤における高分子化合物の含有量は、歯科用前処理剤組成物100質量部中に、0.001〜10質量部が適当な粘度が得られやすいことから好ましい。0.001質量部以上とすると、歯科用前処理剤組成物の増粘効果を高めることができる。また、10質量部以上ではその分子量にもよるが粘度が高くなりすぎて糸引き状態となり操作性が不良となる場合がある。特に好ましい高分子化合物の含有量は、0.003質量部以上7質量部以下の範囲であり、特に好ましくは0.005〜5質量部の範囲である。
また、無機増粘剤を本発明の歯科用前処理剤に分散することによって、増粘剤として使用することができる。このような無機増粘剤としては、従来公知の無機粒子を使用することができる。このような無機増粘剤を例示すると、シリカ(乾式法や湿式法で調製されたもの等)、シリカアルミナ、アルミナ、アルミナ石英、ガラス(バリウムガラスを含む)、チタニア、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、雲母、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化チタン、リン酸カルシウムなどを挙げることができる。これらの無機増粘剤はあらかじめシランカップリング剤やチタネートカップリング剤で表面処理されていてもよい。これらの中でも乾式法で製造されたシリカであるフュームドシリカを使用し、増粘する方法が高い増粘効果が得られ、より好ましい。
本発明における無機増粘剤の含有量は、好適な粘度が得られることから本発明の歯科用前処理剤100質量部中に好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは1〜30質量部の範囲で含有される。好適なヒュームドシリカの含有量は4〜10質量部であり、特に好適には5〜8質量部である。
本発明の歯科用前処理剤に使用する増粘剤としては、上述した高分子化合物または無機増粘剤のいずれかを単独で使用しても良いし、高分子化合物および無機増粘剤のそれぞれ1種類以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明の歯科用前処理剤組成物には、本発明の効果に悪影響を及ぼさない限り、他の添加剤を配合しても良い。例えば、各種天然色素類やタール色素類等の着色剤、蛍光剤または香味剤を添加しても良い。また、抗菌性を付与する目的で、塩化ベンザルコニウム、セチルピリジニウムクロライド等の抗菌性物質を添加しても良い。また、マトリクスメタプロテアーゼ等のタンパク質分解酵素の活性を阻害するクロルヘキシジン等の薬効成分を配合しても良い。更には、各種有機溶媒、各種重合性単量体や各種化学・光重合開始剤を添加してもよい。
このような有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類やアセトン等が使用できる。これら有機溶媒の使用量は特に限定されないが、通常(A)酸水溶液100質量部に対して1〜1000質量部、好ましくは10〜500質量部である。
また、重合性単量体を含ませた場合は、本発明の歯科用前処理剤による処理と同時に重合性単量体を象牙質に浸透できる。
このような重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸の脂肪族エステル類;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類;プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート類;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、又は1,3,5−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの付加物などのウレタン結合を有する(メタ)アクリレート類;ビスフェノールAにオキシエチレンを付加させた生成物にさらに(メタ)アクリル酸を縮合させた2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有の(メタ)アクリレート類;メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイル−2,3−ジヒドロキシプロピルアミンなどの水酸基含有の(メタ)アクリルアミド類;1モルのビスフェノールAと2モルのグリシジル(メタ)アクリレート(メタクリレートの場合GMA)の付加反応生成物(メタクリレートの場合Bis−GMA)などのGMAと脂肪族もしくは芳香族ポリオール(フェノールを含む)との付加生成物;スチレン、4−メチルスチレン、4−クロルメチルスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン誘導体類;酢酸ビニルなどを挙げることができる。
同様に、重合性単量体として、分子内に少なくとも1つの、酸性基と重合性基とを有する重合性単量体が挙げられる。重合性基として、例えば(メタ)アクリロイル基、スチリル基、ビニル基、アリル基などを有するラジカル重合可能な不飽和基を挙げることができる。また、酸性基としては、カルボキシル酸基、リン酸基、チオリン酸基、スルホン酸基およびスルフィン酸基などを挙げることができる。このような酸性基と重合性基を有する重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸、11−(メタ)アクリロイルオキシ−1,1−ウンデカンジカルボン酸(メタクリレートの場合:MAC−10)等のカルボキシル基を有するもの;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシドホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルアシドホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルアシドホスフェート等のリン酸基を有するもの;2または1−スルホ−1または2−プロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2−スルホエチル(メタ)アクリルアミドなどのスルホン酸基を有するもの;等を挙げることができる。
これらの重合性単量体は、単独で使用してもよく、また複数種類を組み合わせて使用することもできる。本発明の歯科用前処理剤に含ませる重合性単量体の量は特に限定されない。通常、歯科用前処理剤100質量部に対し重合性単量体を1質量部以上400質量部以下である。
本発明の歯科用前処理剤には、従来公知の各種化学・光重合開始剤を配合することができる。化学重合開始剤としては、有機過酸化物/アミン化合物、有機過酸化物/アミン化合物/スルフィン酸塩からなるレドックス型の重合開始剤;アリールボレート塩等の酸と反応して重合を開始する有機金属型の重合開始剤;および(チオ)バルビツール酸誘導体/第二銅イオン/ハロゲン化合物からなる重合開始剤;等が例示できる。また、光重合開始剤としては、光増感剤のみからなるもの;光増感材/光重合促進剤からなるもの;色素/光酸発生剤/アリールボレート塩からなるもの等が挙げられる。これらは単独で、または複数を組み合わせて添加することができる。本発明の歯科用前処理剤に含ませる重合開始剤の量は特に限定されない。通常、歯科用前処理剤100質量部に対し重合開始剤を0.01質量部以上50質量部以下である。
本発明の歯科用前処理剤の包装形態は、種々の方法で行われる。例えば、歯科用前処理剤をシリンジ、点眼瓶、チューブ、または袋等の容器に包装できる。また、歯科用前処理剤を使用時に混合できるように、固体および液体の配合物を別々に包装しても良い。上記した包装形態の中でも、直接歯牙表面に吐出して適用・塗布することができ操作が簡便であることから、シリンジによる包装が好ましい。このようなシリンジは、従来公知のシリンジが制限なく使用できるが、長期間保管後の気密性が高いものが保存安定性の観点から好ましく、またルアーロックタイプのものがチップの予期せぬ脱離による内容物の飛散を防止できて好適である。
次に、本発明の歯科用前処理剤の使用方法について説明する。まず、患者の歯牙の欠損部分や非切削歯牙の表面等の被着面に、歯科用前処理剤をブラシやスポンジで塗布またはシリンジから直接供給する。数秒ないし数分間作用させた後、処理面を洗浄し乾燥する。次に、その部分に接着剤またはコンポジットレジン等の歯科用硬化性組成物を塗布あるいは充填する。
本発明の歯科用前処理剤は、歯牙のエナメル質のみならず、エナメル質の下層に存在する象牙質、セメント質等に適用しても良い。さらに・金属製・セラミックス製、コンポジットレジン製等の歯牙修復材料に対しても清掃等の目的で使用することができる。本発明の歯科用前処理剤を用いることによって、象牙質に適用した場合もその後に適用する歯科用硬化性組成物の接着性の低下が低減できるため、効果的に歯牙の修復を行うことができる。
以下実施例により本発明の歯科用前処理剤を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
尚、実施例および比較例で使用した化合物とその略称を(1)に、エナメル質および象牙質への接着試験力の測定方法を(2)に示した。
(1)実施例および比較例に使用した化合物とその略称
〔酸水溶液〕
酸水溶液1:36質量%のリン酸水溶液(85%リン酸を42.4質量部と水を57.6質量部の混合物)
酸水溶液2:10質量%の塩酸水溶液
酸水溶液3:55質量%のリン酸水溶液(85%リン酸を64.7質量部と水を35.3質量部の混合物)
酸水溶液4:36質量%のクエン酸水溶液
〔界面活性剤〕
・アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤
S1;2−[メチル(1−オキソ−9−オクタデセニル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
S2;2−[[(Z)−1−オキソ−9−オクタデセニル]アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
S3;2−(N−メチル−N−ステアロイルアミノ)エタンスルホン酸ナトリウム
S4;2−[シクロヘキシル(1−オキソテトラデシル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
S5;2−[ラウロイル(メチル)アミノ]エタンスルホン酸ナトリウム
・その他の界面活性剤
S6;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(2)エナメル質および象牙質への接着試験力の測定方法
屠殺後24時間以内の牛前歯のエナメル質平面又は象牙質平面を注水下、#600のエメリーペーパーで唇面に平行になるように削り出した。次にその面に圧縮空気を約10秒間吹きつけて乾燥した後、そのエナメル質平面又は象牙質平面に、直径3mmの孔のあいた両面テープを貼った。次に、厚さ0.5mm直径8mmの孔の開いたパラフィンワックスを上記円孔上に同一中心となるように固定して模擬窩洞を形成した。この模擬窩洞内の上記直径3mmの孔内のエナメル質平面又は象牙質平面に、表1に示す実施例および比較例の歯科用前処理剤を歯科用マイクロブラシを使用し塗布し、10秒間処理し、10秒間歯科用水銃で水洗後、圧縮空気により10秒間乾燥した。次いで、上記直径3mmの孔内のエナメル質または象牙質の歯科用前処理剤処理面に歯質用象牙質接着材(トクヤマボンドフォース、トクヤマデンタル社製)を歯科用マイクロブラシを使用し塗布し、20秒間放置後、圧縮空気を約10秒間吹き付けて乾燥し、歯科用可視光照射器(トクソーパワーライト、トクヤマ社製)にて10秒間光照射した。さらにその上に歯科用コンポジットレジン(エステライトPクイック、トクヤマデンタル社 製)を充填し、前記歯科用可視光照射器により10秒間光照射した接着試料を得た。ビスタイトII(トクヤマデンタル社製)を接着剤として使用して、前記の接着試料のコンポジットレジン面上にステンレス棒を接着させ、接着試験片とした。接着試験片を37℃の水中に24時間浸漬した。次いで、引張り試験機(オートグラフ、島津製作所製)を用いてクロスヘッドスピード2mm/minにて引張り試験を行い、エナメル質及び象牙質への引張り接着強度を測定した。1試験当たり4本の接着試験片について引張り接着強さを測定し、その平均値を接着強度とした。
(実施例1〜12、比較例1〜4)
表1に示す歯科用前処理剤1〜12および比較歯科用前処理剤1〜4を使用し、(2)エナメル質および象牙質への接着試験力の測定方法に従い歯質接着強度を評価した。評価結果を表1に示した。
実施例1〜12のように、本発明の(B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤を含有する歯科用前処理剤を使用した場合は、エナメル質及び象牙質共に高い接着強度が得られ、特に、比較例1〜3との比較から、界面活性剤を含有しない歯科用前処理剤を使用したり、アルキルスルホン酸アミド系以外の界面活性剤を含有する歯科用前処理剤を使用した歯科用前処理剤を使用した場合よりも、象牙質に対する接着強度が著しく上回る結果であった。また、比較例4との比較から、歯科用前処理剤の酸水溶液が、23℃における水中でのpKaが2.5以下になるような強酸でないとエナメル質に対する接着性が大きく低下することが確認できた。
さらに、実施例1〜3と実施例4、5の比較から、記式(1)の構造であるアルキルスルホン酸アミド系界面活性剤において、Rの炭素数が15〜20であるS1、S2およびS3を使用した場合は特に高い象牙質接着強度が得られた。実施例11と実施例1の比較から、リン酸で処理した場合にはリン酸濃度が高いにも関わらず塩酸処理と比較して高い象牙質接着強度が得られた。

Claims (6)

  1. (A)23℃における水中でのpKaが2.5以下の酸を含む酸水溶液、および(B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤を含有することを特徴とする歯科用前処理剤。
  2. (B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤が、下記式(1)の構造である、請求項1に記載の歯科用前処理剤。
    MSO−R−N(R)(C=O)−R・・・式(1)
    (式中Mは、水素原子または1価の対カチオンであり、
    は、炭素数5以下のアルキレン基であり、
    は、水素原子、又は炭素数6以下のアルキル基若しくは炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、
    は、炭素数4〜30のアルキル基、炭素数4〜30のアルケニル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、又は炭素数6〜30の芳香族炭化水素基である)
  3. (A)pKaが2.5以下の酸がリン酸である、請求行1又は2に記載の歯科用前処理剤。
  4. 更に、増粘剤を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯科用前処理剤。
  5. (A)23℃における水中でのpKaが2.5以下の酸を含む酸水溶液の酸濃度が1〜80質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の歯科用前処理剤。
  6. (A)23℃における水中でのpKaが2.5以下の酸を含む酸水溶液100質量部に対し、B)アルキルスルホン酸アミド系界面活性剤を0.0001〜20質量部含有する、請求項1〜5に記載の歯科用前処理剤。
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