JP5846068B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、長尺帯状の鋼板に溶融亜鉛を連続的にめっきした後、合金化処理を施す合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関する。
近年、自動車、家電および建材等の分野において、素材鋼板に防錆性を付与した表面処理鋼板、中でも安価に製造できかつ防錆性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板や、溶融亜鉛めっき層を合金化した合金化溶融亜鉛めっき鋼板が使用されている。
一般的に、溶融亜鉛めっき用鋼板は、所定厚さに圧延した鋼板を焼鈍炉で焼鈍した後めっき装置で溶融亜鉛めっきを行い製造する。鋼板は、所望の性能となるように熱処理が施され、たとえば、予熱帯で約300℃に予熱され、還元帯で約800℃に加熱され、急冷帯で500℃まで急冷されるというような焼鈍工程を経てめっき浴に浸漬される。
めっき浴に浸漬された鋼板は、めっき浴中のシンクロールにより方向転換し、めっき浴より上方へ引き上げて連続的に亜鉛めっきを施し、溶融亜鉛めっき鋼板を製造する。また、溶融亜鉛めっき設備においては、一般的に、めっきしたままの通常の溶融亜鉛めっき鋼板(GI)と、亜鉛めっき後、加熱して合金化処理を施す合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)を、同一ラインで適宜処理を切り替えることにより製造している。
この内、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、耐食性、溶接性および加工性に優れた特性を有するため、主に自動車用鋼板として広く使用されているが、特に外装用鋼板として使用される場合には、塗装後の高鮮映性も要求されるなど、品質に対する要求が益々厳しくなっている。
このような合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造においては、焼鈍炉からめっき浴への搬送中、あるいは、めっき浴から合金化炉までの搬送中に、鋼板の幅方向の端部の温度が、中央部に比べて低下してしまう。鋼板の幅方向端部の温度が低下した状態で合金化処理を行うと、両端部のめっきが合金化されずに合金化ムラが生じる。
そのため、めっきの前、あるいは、めっき後に、鋼板の両端部を加熱することで、両端部の未合金化を低減して、合金化ムラを抑制することが行われている。
例えば、特許文献1には、めっき前の熱処理後段で鋼板の幅方向両端部を中央部より、加熱昇温して溶融亜鉛めっき浴へ導き、めっきを施し所定付着量に制御した後、加熱合金化処理する亜鉛−鉄合金化溶融めっき鋼板の製造方法が記載されており、熱処理後段の搬送ロールに誘導電気加熱装置等の加熱体を内設して、めっき浴に浸漬する前に、鋼板の両端部を加熱することにより、均一に合金化処理できることが記載されている。
特開平10−25558号公報
しかしながら、特許文献1では、鋼板の端部を加熱するために、加熱体を設置する必要があり、設備費用が高くなるという問題があった。また、鋼板の端部を加熱しても、端部の合金化が促進されていなかったり、めっき表面の粗度が荒くなって外観を損なう場合も発生し、ばらつきがあることが判明した。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、異なる板幅の鋼板を連続的に処理する場合の処理開始までの時間を短縮し、また、装置設備を増強することなく、鋼板の幅方向の合金化むらを抑制することができる合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、発明者らは、前記ばらつきの原因について鋭意検討を行ったところ、めっき浴侵入前の熱処理後の冷却パターンが影響していること、めっき浴侵入前の600℃以下での滞留時間が長いほど合金化が促進されていることを見いだし、両端部での合金化処理温度が低くなりやすいことによる合金化不良の改善に利用できることに想致した。
すなわち、本発明は、加熱された鋼板を冷却手段で冷却する冷却工程と、冷却工程で冷却された鋼板を、溶融亜鉛めっきを貯留しためっき浴に鋼板温度が440〜510℃で連続的に侵入させた後、めっき浴より引き上げて、鋼板に連続的にめっきを施すめっき工程と、めっき工程でめっきされた鋼板に加熱して合金化処理を施して、合金化溶融亜鉛めっきとする工程とを有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、冷却工程における、鋼板の幅方向両端部の600℃以下の滞留時間を中央部よりも長くすることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供する。
このような本発明において、冷却工程における、鋼板の幅方向の両端部の600℃以下の滞留時間を中央部の滞留時間の1.1〜1.5倍とすることが好ましい。
また、鋼板の両端部と中央部のめっき浴への侵入板温に差をつけることは必須ではないが、600℃以下からめっき浴への侵入までの時間を確保するために、幅方向の両端部を中央部の温度より10〜50℃低くすることが好ましい。なお、ここで言う鋼板端部のエリアは、合金化処理時の温度が中央部より10℃以上低い部分のことを言う。
また、冷却工程が、風冷によって冷却を行うものであり、鋼板の幅方向の両端部での風量を中央部での風量よりも多くすることで、両端部の冷却速度を中央部の冷却速度よりも速くするのが好ましい。
あるいは、冷却工程が、風冷によって冷却を行うものであり、鋼板の幅方向の両端部と中央部とで冷却ガスの種類を変えることによって、両端部の冷却速度を中央部の冷却速度よりも速くするのが好ましい。
また、冷却工程の後に、冷却された鋼板の幅方向の少なくとも中央部と一方の端部の温度を測定する温度測定工程を有し、この温度測定工程での温度の測定結果に基づいて、冷却工程における冷却速度を変更するのが好ましい。
上記構成を有する本発明は、加熱された鋼板を冷却手段で冷却する冷却工程と、冷却された鋼板を、溶融亜鉛めっきを貯留しためっき浴に鋼板温度が440〜510℃で連続的に侵入させた後、めっき浴より引き上げて、鋼板に連続的にめっきを施すめっき工程と、めっきされた鋼板に加熱して合金化処理を施して、合金化溶融亜鉛めっきとする工程とを有し、冷却工程において、鋼板の幅方向の両端部の600℃以下の滞留時間を中央部よりも長くする構成を有する。そのため、鋼板両端部用の加熱体を設置することなく、また、ばらつきもなく、鋼板の幅方向の合金化むらを抑制することができる。また、異なる板幅の鋼板を連続的に処理する場合に、冷却ガスの風量を瞬時に変更して、板幅に応じた冷却をすることができ、処理開始までの時間を短縮できる。
本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を実施するめっき処理装置の一例を概念的に示す図である。 図1に示す冷却装置のII−II線断面図である。
以下、本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を実施する合金化溶融亜鉛めっき処理装置について、添付の図面に示される好適実施例を基に、詳細に説明する。
図1に、本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を実施する合金化溶融亜鉛メッキ処理装置の一例を概念的に示す。
図1に示す合金化溶融亜鉛めっき鋼板処理装置10(以下、「めっき処理装置10」ともいう)は、冷却帯12から、スナウト14を介して、めっき浴16に鋼板が侵入するようになっており、シンクロール18で方向が変えられ、ガスワイピングノズル20でめっき付着量が調整された後、合金化処理部22にて加熱により合金化される構成となっている。
ここで、本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を実施するめっき処理装置10は、加熱されて搬送された鋼板Sを処理するものである。通常、圧延された鋼板は、還元雰囲気等で焼鈍され、所定の温度まで冷却された後、溶融めっきが施される。すなわち、この場合、図1での冷却帯12は、焼鈍後の冷却帯となっている。
冷却帯12は、加熱された高温の鋼板Sをめっきに適した温度まで冷却するものであり、通常、複数の冷却部12を有する。図1では、3つの冷却部12a、12b、12cを有する例を示す。
冷却部12a、12b、12cは、鋼板Sに冷却ガスを吹き付けることにより鋼板Sを冷却する空冷式の冷却装置である。なお、冷却部12a、12b、12cはそれぞれ配置位置が異なる以外は、同様の構成および作用を有するので、冷却部12b、12cは必要な説明のみを行ない、以下の説明は、冷却部12aを代表例として行なう。
図2に冷却部12aの断面図を示す。
図2に示す冷却部12aは、複数の通気口を有する一対の通気部28と、通気部28のそれぞれの各通気口28a〜28cに配置される複数のダンパ30a〜30cとを有する。
一対の通気部28は、所定の搬送経路で搬送される鋼板Sを挟むように配置され、それぞれ鋼板の表面側および裏面側に、冷却ガスを吹き付けて鋼板Sを冷却する。
図示例においては、通気部28は、それぞれ5つの通気口を有している。具体的には、鋼板Sの幅方向の端部側に配置される2つの端部通気口28a、鋼板Sの幅方向の中央部に配置される中央部通気口28c、および、端部通気口28aと中央部通気口28cとの間に配置される2つの中間部通気口28bとを有している。また、各通気口(28a〜28c)には、冷却ガスを送風するための冷却ファンが接続されている(図示せず)。
なお、冷却ファンから各通気口に送風される冷却ガスの風圧は一定である。また、冷却ガスの種類としては、通常は、鋼板が酸化しないよう、不活性ガスや還元性のガスが選択される。例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、水素等のガスを用いることができる。また、冷却ガスの温度は、鋼板Sを好適に冷却できれば、特に限定はない。
各通気口内には、通気口の開口度を可変し、通気口から送風される冷却ガスの風量を調整するためのダンパがそれぞれ配置される。すなわち、端部通気口28a内には、端部ダンパ30aが配置され、中間部通気口28b内には、中間部ダンパ30bが配置され、中央部通気口28c内には、中央部ダンパ30cが配置されている。
端部ダンパ30a、中間部ダンパ30b、および中央部ダンパ30cはそれぞれ独立に開口度を調整可能に設けられており、端部ダンパ30aの開度を最も大きくし、中央部ダンパ30cの開度を最も小さくしている。
ここで、本発明の製造方法は、冷却帯12において鋼板Sを冷却する際に、鋼板Sの幅方向の両端部の冷却速度を、中央部の冷却速度よりも速くして、鋼板Sの幅方向の両端部の600℃以下の滞留時間を中央部よりも長くするものである。このような構成とすることにより、鋼板Sの両端部で合金化処理温度が中央部よりも低くなっていても、中央部との合金化度の差異が小さくなる理由は定かではないが、次のような理由であると推定している。すなわち、通常、溶融亜鉛めっき前の焼鈍では、表面が酸化して不めっきとなることを防止するために、還元性条件で焼鈍されることが多い。しかしながら、水素を含有する還元性で行っている場合でも、実ラインでは、10ppm以下程度の極微量の酸素が存在しており、高温焼鈍時は、水素の還元能力が勝っているものの、600℃以下からめっき浴侵入までの温度間では、酸素が微量混入している場合、鋼板表面の酸化が極わずかに進行し、Al富化層ができにくくなった結果、合金化が進行しやすくなったものと思われる。
また、冷却工程における、鋼板Sの幅方向の両端部の600℃以下の滞留時間を中央部の滞留時間の1.1〜1.5倍とすることが好ましい。
図示例において、ダンパの開度を端部ダンパ30a、中間部ダンパ30b、中央部ダンパ30cの順に小さくして、鋼板Sの両端部側の冷却ガスの風量を大きくすることによって、両端部の冷却速度を、中央部の冷却速度よりも速くしている。両端部の冷却速度を、中央部の冷却速度よりも速くすることにより、冷却帯12にて冷却された後の鋼板Sの温度は、鋼板Sの幅方向において、両端部の温度が、中央部の温度よりも低い温度プロファイルとなり、後述する合金化処理部22での合金化処理の際に、鋼板Sの幅方向の両端部の温度が低くなり、両端部のめっきが合金化されずに合金化ムラが生じることを防止することができる。なお、温度計については図示していないが、冷却帯、合金化処理帯の幅方向の複数位置で温度を測定しておけばよい。
なお、温度計としては、放射温度計等の、従来のめっき処理装置で利用されている種々の公知の温度計が利用可能である。
ここで、鋼板Sの冷却速度には特に限定はなく、鋼板Sの幅方向の両端部の600℃以下の滞留時間を中央部よりも長くなるように、鋼板Sの材質、板幅、板厚等や、合金化処理時の中央部温度と両端部温度の差に応じて適宜決定すればよいが、冷却工程における、鋼板Sの幅方向の両端部の600℃以下の滞留時間を中央部の滞留時間の1.1〜1.5倍とすることが好ましい。
鋼板Sは、例えば、板幅400〜2000mm、板厚0.10〜1.0mmの範囲の鋼板に適用して良好な結果が得られることを確認している。
また、冷却帯12による冷却後の鋼板Sの温度(中央部の温度、両端部の温度)は、めっき浴16に浸漬される際の鋼板Sの温度が、440〜510℃となる温度とする。
ここで、冷却帯12での冷却による、鋼板Sのめっき浴への侵入板温に差をつけることは必須ではないが、600℃以下からめっき浴への侵入までの時間を確保するために、幅方向の両端部を中央部の温度より10〜50℃低くすることが好ましい。なお、ここで言う鋼板端部のエリアは、合金化処理時の温度が中央部より10℃以上低い部分が目安となる。幅方向の温度は、連続的に測定するのが最も好ましいが、少なくとも3箇所(中央部、両端部)の温度を測定する。両端部の位置については、合金化時の温度が最も低くなる場所を測定することが好ましい。
また、図示例においては各ダンパの開度を調整することで、風量を変更し、両端部と中央部との冷却速度を変える構成としたが、本発明はこれに限定はされず、例えば、各通気口に対応して複数の冷却ファンを設置し、各冷却ファンの風量を調整して、両端部と中央部との冷却速度を変える構成としてもよい。あるいは、両端部の冷却ガスの種類を中央部の冷却ガスよりも冷却効率の高いものとすることにより、両端部と中央部との冷却効率を変える構成としてもよい。あるいは、冷却ガスの温度を変えて、両端部と中央部との冷却効率を変える構成としてもよい。
めっき浴16内は、溶融状態の亜鉛で満たされている。
また、めっき浴16内には、シンクロール18が回動可能に配置されており、このシンクロール18はめっき浴16中に浸漬されている。なお、シンクロール18から浴面までの間には、図示しない浴中サポートロールを設置して、鋼板Sの形状を矯正すればよい。
溶融亜鉛めっきのめっき方法には、特に限定はなく、従来行われているめっき方法で行えばよい。例えば、めっき浴16の浴温は、440〜490℃程度とし、亜鉛めっき浴中のAl濃度は、0.1〜0.15wt%程度とすればよい。
ガスワイピングノズル20は、一対のガスノズルからなり、めっき浴16の上方に配置される。ガスワイピングノズル20は、めっき浴16から引き上げられ、上方へ搬送される鋼板Sにガス流を吹き付けて鋼板Sの表面に付着しためっき層の厚さを調整する。
このガスワイピングノズル20は、鋼板Sの板厚方向に移動可能(位置調整可能)に配置される。
合金化処理部22は、ガスワイピングノズル20の後段側に配置され、表面にめっき層が形成された鋼板Sに対して合金化処理(加熱処理)を行うものである。
合金化処理部22で合金化処理された鋼板Sの表面には合金化溶融亜鉛めっきが施され、合金化溶融亜鉛めっき鋼板として、所定の経路で搬送され、次の工程に供される。
次に、図1に示すめっき処理装置10の作用について、詳細に説明する。
前述のように、焼鈍炉の還元帯などで加熱されて送られた鋼板Sは、めっき処理装置10内を、冷却帯12、めっき浴16、ガスワイピングノズル20、合金化処理部22の順に所定の搬送経路で案内される。
鋼板Sは、まず、冷却帯12の冷却部12a〜12cによって、冷却ガスが吹き付けられ冷却される。冷却された鋼板Sは、溶融状態の亜鉛で満たされためっき浴16内に浸漬され、その後、めっき浴16内に配置されるシンクロール18によって走行方向を転換され、鉛直方向に引き上げられる。なお、図示していないが、600℃以下に冷却してからめっき浴に入るまでの時間を調整するために、冷却帯からめっき浴までの間の搬送ロールを増やすことも有効である。
めっき浴16から引き上げられた鋼板Sには溶融亜鉛が付着しており、ガスワイピングノズル20が、ガスを吹き付けることによって、溶融亜鉛の付着量(めっき層の厚さ)を調整する。
表面にめっき層が形成された鋼板Sは、合金化処理部22に送られて、加熱処理(合金化処理)されて、鋼板Sの表面には合金化溶融亜鉛めっきが形成される。
表面に合金化溶融亜鉛めっきが施された鋼板Sは、所定の搬送経路で搬送されて、次の工程に供される。
めっき前に行う焼鈍は、600℃よりも高い温度、通常、700℃以上で行われることが多い。本願は、めっき前に、600℃以下での滞留時間を中央部より端部の方が長くすることが必要なため、冷却帯12において、端部ダンパ30aの開度を中央部ダンパ30cの開度よりも大きくして、鋼板Sの両端部側の冷却ガスの風量を大きくしているので、鋼板Sの幅方向の両端部の冷却速度は、中央部の冷却速度よりも速くなる。そのため、冷却帯12にて冷却された後の鋼板Sの温度は、鋼板Sの幅方向において、両端部の温度が、中央部の温度よりも低い温度プロファイルとなる。鋼板Sは、このような温度プロファイルの状態で、めっき処理され、合金化処理されるので、両端部の合金化処理時の温度が中央部より低くなっても、両端部のめっきが合金化されずに合金化ムラが生じることを防止することができる。
また、冷却により鋼板Sの温度プロファイルを調整するので、鋼板Sの両端部を加熱するための加熱体を設ける必要がなく、設置スペースやコストを低減することができる。
また、板幅が異なる鋼板Sを連続的に処理する場合であっても、板幅に応じて各ダンパの開度を変えるのみで、冷却ガスの風量を変更して、板幅に応じた冷却をすることができるので、即応性に優れ、次の鋼板Sを処理するまでの時間を短縮することができる。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
[実施例1]
図1に示すめっき処理装置10を用いて、鋼板Sに合金化溶融亜鉛めっき処理を行なった。
鋼板Sは、材質SPCCとし、板厚0.7mm、板幅1800mmとした。
ライン速度は、150mpmとした。
冷却帯12での両端部の冷却が中央部より大きくなるようにし、冷却帯12での温度が600℃以下での滞留時間は、中央部が5.5秒であり、両端部が、7.0秒とした。
めっき浴16に浸漬される直前の鋼板Sの温度は、両端部が、450℃、中央部が、480℃であった。
また、めっき浴16中の溶融亜鉛の温度は、460℃とし、ガスワイピングノズル20によるワイピング後の亜鉛めっき付着量は、50g/m2とした。亜鉛めっき浴中のAl濃度は、0.12wt%とした。
合金化処理部22による加熱処理の温度は、中央部で550℃、両端部で530℃であった。
合金化溶融亜鉛めっき処理後の鋼板Sのめっき中Fe濃度は、中央部で11.0%、端部で11.0%であった。
[比較例1]
比較例として、冷却帯12での両端部の冷却を中央部より増加させることはせず冷却した以外は、実施例1と同様にしてめっき処理を行った結果を示す。冷却帯からめっき侵入までの間で、600℃以下となる滞留時間は、中央部で5.5秒、両端部で4.5秒であった。めっき浴16に浸漬される直前の鋼板Sの温度は、両端部が、520℃、中央部が480℃であった。冷却時の両端部の風量を中央部と同程度とした以外は、実施例1と同様にしてめっき処理を行い、未合金化の割合の評価を行った。合金化溶融亜鉛めっき処理後の鋼板Sのめっき中Fe濃度は、中央部で11.0%、端部で9.7%であった。また、端部に於いて、さざ波上の外観不良が発生した。
以上、実施例からわかるように、本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法は、めっき処理(合金化処理)前の冷却の際に、鋼板Sの幅方向の両端部の冷却速度を中央部の冷却速度よりも速くして、冷却帯からめっき浴侵入までの間で、600℃以下となる滞留時間を中央部より両端部を長くするので、合金化処理の際に、鋼板Sの両端部の温度が高くなり、両端部においても、めっきが合金化されるので、合金化ムラが低減され、品質を向上することができることがわかる。
以上、本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのは、もちろんである。
10 合金化溶融亜鉛めっき処理装置
12 冷却帯
12a、12b、12c 冷却部
14 スナウト
16 めっき浴
18 シンクロール
20 ガスワイピングノズル
22 合金化処理部
28 通気部
28a 端部通気口
28b 中間通気口
28c 中央通気口
30a 端部ダンパ
30b 中間部ダンパ
30c 中央部ダンパ
S 鋼板

Claims (4)

  1. 加熱された鋼板を冷却する冷却工程と、
    前記冷却工程で冷却された前記鋼板を、溶融亜鉛めっきを貯留しためっき浴に鋼板温度が440〜510℃で連続的に侵入させた後、めっき浴より引き上げて、前記鋼板に連続的にめっきを施すめっき工程と、
    前記めっき工程でめっきされた前記鋼板に加熱合金化処理を施して、合金化溶融亜鉛めっきを施す合金化処理工程とを有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、
    前記冷却工程は、風冷によって冷却を行うものであり、前記鋼板の幅方向において合金化時の温度が最も低くなる位置である両端部での風量を中央部での風量よりも多くする、あるいは、前記鋼板の幅方向の両端部と中央部とで冷却ガスの種類を変えることで、両端部の冷却速度を中央部の冷却速度よりも速くすることで、前記鋼板の幅方向の両端部の600℃以下の滞留時間を中央部よりも長くすることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 前記冷却工程における、前記鋼板の幅方向の両端部の600℃以下の滞留時間を中央部の滞留時間の1.1〜1.5倍とする請求項1に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. 前記めっき工程の際の、前記鋼板の温度を、440〜510℃とし、かつ、前記鋼板の幅方向の両端部を中央部の温度より10〜50℃低くする請求項1または2に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  4. 前記冷却工程の後に、冷却された前記鋼板の幅方向の少なくとも前記中央部と一方の端部の温度を測定する温度測定工程を有し、この温度測定工程での温度の測定結果に基づいて、前記冷却工程における冷却速度を変更する請求項1〜3のいずれか一項に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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