JP5844678B2 - クランクシャフトミラーのワークレスト装置 - Google Patents
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Description
図9に示されるワークレスト装置100は、ワーク中心Owを通る水平軸線であるワーク軸線と直交しかつ水平な全幅方向に延設される本体フレーム101を備えている。この本体フレーム101の中央部には開口部101aが設けられ、この本体フレーム101における全幅方向の他側部には一対のレストアーム支軸102,102´が設けられ、これら一対のレストアーム支軸102,102´に基端部が支持されてそれらレストアーム支軸102,102´を支点にして一対のレストアーム103,103´が相互に開閉自在で上下方向に回動できるようになっている。
一対のレストアーム103,103´における基端部には、互いに噛合する一対の歯車104,104´が固着されるとともに、下側のレストアーム103´の基端部から突設されたシリンダ取付部103a´と本体フレーム101との間に油圧シリンダ105が取り付けられ、油圧シリンダ105の伸縮作動により、一対のレストアーム103,103´が連動して図中実線で描かれる閉合位置と図中二点鎖線で描かれる開放位置との間で開閉作動されるようになっている。
各レストアーム103,103´の対向面の略中央部には半円状の切欠き部が形成され、一対のレストアーム103,103´が閉じたときにそれら切欠き部に設けられるワーククランプパッド106によってワーク107のメインジャーナルが支持されるようになっている。
クランプジョー110の他側の端部には上下一対の脚部112,112´が突出形成され、各脚部112,112´の内側には押圧パッド113,113´が取り付けられている。また、一対のレストアーム103,103´の先端部における外側には受圧パッド114,114´がそれぞれ押圧パッド113,113´に対応するように取り付けられ、一対のレストアーム103,103´を閉合状態にして受圧パッド114,114´が押圧パッド113,113´によって押圧されることにより、くさび作用で一対のレストアーム103,103´が閉合状態で保持される。
ワーク中心を通る水平軸線であるワーク軸線と直交しかつ水平な全幅方向に延設される本体フレームと、この本体フレームにおける全幅方向の一側部または他側部に設けられる一対のレストアーム支軸と、全幅方向に延設されて基端部が前記一対のレストアーム支軸に支持されそれらレストアーム支軸を支点に上下方向に回動されて相互に開閉自在な一対のレストアームとを備え、カッタ装置に設けられた回転カッタでワークを切削する際に前記一対のレストアームでワークを挟持するように構成されるクランクシャフトミラーのワークレスト装置において、
前記本体フレームにおける全幅方向の他側部または一側部に設けられる一対のクランパ支軸と、これらクランパ支軸に支持されそれらクランパ支軸を支点に上下方向に回動される一対のクランパとを備え、
相互に閉じられた前記一対のレストアームの先端部を前記一対のクランパで挟持することを特徴とするものである(第1発明)。
そこで、第2発明の構成を採用することにより、すなわち、全幅方向の一側にレストアーム支軸を配する一方で、全幅方向の他側にクランパ支軸を配し、かつクランパ支軸が配される側に、作業者による所定の作業時に開かれる扉を設ける構成を採用することにより、レストアームによるワークの支持に関して径寸法仕様の異なる複数種類のワークに対応させることができ、しかもクランパ支軸が配される側からカッタ交換やワーク交換などの作業を容易に行うことができる。
図1に示されるように、本実施形態に係るクランクシャフトミラー1は、図において左右方向の水平軸であるZ軸方向に沿って延設されるベッド2を備えている。
ベッド2上には、ワークヘッド3とテールストック4とがZ軸方向(ベッドの長手方向)に所定間隔を存して互いに対向するように設置されるとともに、これらワークヘッド3とテールストック4との間でZ軸方向に移動自在にサドル5が設置されている。なお、テールストック4に代えてチャック7と同様のチャックを用いてもよい。
サドル5上には、Z軸と直交しかつ水平なX軸方向(ベッド2の奥行方向)に移動自在にスライド6が設置されている。
ワークヘッド3には、Z軸と平行を成しチャック中心Oc(図2参照)を通る水平軸線であるチャック軸線Lcを有するチャック7がそのチャック軸線Lc回り(C軸方向)に回転自在に組み付けられている。
チャック7は、図示されないチャック爪駆動手段で駆動される複数のチャック爪7aを備えてなり、チャック軸線Lcと同心を成して配されるワーク8の端部を掴んで高精度に位置決めし加工負荷を受けることができるように構成されている。
チャック7においては、図示されない動力伝達機構を介してワークヘッド3に付設されるC軸モータ(ACサーボモータ)9と接続されており、C軸モータ9の作動によってチャック軸線Lc回り(C軸方向)に回転駆動されるようになっている。
スライド6には、カッタ装置10が組み付けられている。
図2および図3(a)に示されるように、カッタ装置10は、スライド6に一体的に固着されるカッタハウジング11内にカッタドラム12を回転自在に組み込み、このカッタドラム12を図示されない動力伝達機構を介してカッタモータ(ACスピンドルモータもしくはインダクションモータ)13に接続して構成されている。
カッタドラム12には、カッタアダプタ12aを介して内刃式の回転カッタ14が装着され、カッタモータ13の作動により、回転カッタ14が回転駆動されるようになっている。
なお、本実施形態では、カッタ装置10を1基だけ設置する構成のものを例示したが、カッタ装置10をZ軸方向に2基設置する構成を採用することも可能である。
図3(b)に示されるように、サドル5をZ軸方向に移動させるZ軸送り機構15は、ベッド2上においてZ軸方向に延設されてサドル5に固着されたナット部材16に螺合するZ軸方向ボールねじ軸17と、このZ軸方向ボールねじ軸17を回転駆動するZ軸送りモータ(ACサーボモータ)18とを備え、Z軸送りモータ18にてZ軸方向ボールねじ軸17を正逆回転させることにより、サドル5をZ軸方向に移動させることができるように構成されている。
図2および図3(a)に示されるように、スライド6と共にカッタ装置10をX軸方向に移動させるX軸送り機構20は、サドル5上においてX軸方向に延設されてスライド6に固着されたナット部材21に螺合するX軸方向ボールねじ軸22と、このX軸方向ボールねじ軸22を回転駆動するX軸送りモータ(ACサーボモータ)23とを備え、X軸送りモータ23にてX軸方向ボールねじ軸22を正逆回転させることにより、スライド6と共にカッタ装置10をX軸方向に移動させることができるように構成されている。
図1に示されるように、サドル5には、カッタ装置10との相対位置を一定に保った状態でワークレスト装置25が固定されており、サドル5の移動に伴ってカッタ装置10と共にワークレスト装置25がZ軸方向に移動されるようになっている。
ワークレスト装置25は、回転カッタ14でワーク8におけるピンジャーナルを加工する際に、その加工部に隣接するメインジャーナルをクランプして加工中にワーク8が振れないように支持する役目をする。このワークレスト装置25について、図4(a)(b)を用いて以下に詳述する。
本体フレーム26の中央部には開口部26aが設けられ、この開口部26aを塞ぐように一対のレストアーム27,27´が全幅方向に延設されている。これらレストアーム27,27´の基端部は、本体フレーム26における全幅方向の一側部に設けられた一対のレストアーム支軸28,28´によって支持され、これらレストアーム支軸28,28´を支点にしてそれらレストアーム27,27´が相互に開閉自在で上下方向に回動できるようになっている。
各レストアーム27,27´の対向面の略中央部には半円状の切欠き部27b,27b´(図4(b)参照)が形成され、一対のレストアーム27,27´が閉じたときにそれら切欠き部27b,27b´に設けられるワーククランプパッド31によってワーク8のメインジャーナルが支持されるようになっている。
油圧シリンダ36の収縮作動により、一対のクランパ34,34´が連動して閉じられて、図4(a)に示されるようなクランプ状態位置とされ、相互に閉じられた一対のレストアーム27,27´の先端部を一対のクランパ34,34´における突出部34b,34b´で挟持することができる。
油圧シリンダ36の伸長作動により、一対のクランパ34,34´が連動して開かれて、図4(b)に示されるようなアンクランプ状態位置とされる。
図1および図2に示されるように、本実施形態のクランクシャフトミラー1においては、加工機全体を覆う固定カバー体40が設けられており、この固定カバー体40は、X軸方向の一側(後側)および他側(前側)、Z軸方向の一側(右側)および他側(左側)、並びに天井側にそれぞれ配される外装パネル41〜45によって形成されている。
図4および図5に示されるように、この固定カバー体40には、チャック7とテールストック4との間の領域に対応するように、天井部45の他側部からX軸方向の他側(前側)に亘って開放された開口部40aが設けられ、この開口部40aを開閉するスライドタイプの前面扉46が装備されている。
前面扉46は、回転カッタ14によるワーク8の切削加工時に、チャック軸線LcからX軸方向の他側(前側)に向かって飛散しようとする切粉を止める切粉遮蔽カバーとしての役目もする。
前面扉46の上下方向中間部には、ベッド2の内部に向けて傾斜を持たせた庇部46aが設けられており、前面扉46の本体部分で飛散が止められた切粉が庇部46aによってベッド2の内部に向かって落下されるようになっている。
図4(a)および図5に示されるように、ワークレスト装置25における本体フレーム26には、第1切粉遮蔽カバー51および第2切粉遮蔽カバー52がそれぞれ装着されている。
側板部51aの上端部には、その側板部51aと直角を成してX軸方向の他側に向かって天板部51dが連設され、側板部51aの下端部には、その側板部51aと鈍角を成してベッド2の内部に向かって斜めに傾斜板部51eが連設され、この傾斜板部51eの下端部には、ベッド2の内部に向かって真っ直ぐに案内板部51fが連設されている。
第1切粉遮蔽カバー51においては、回転カッタ14によるワーク8の切削加工時に、チャック軸線LcからX軸方向の一側(後側)に向かって飛散しようとする切粉を主として側板部51aで止め、この側板部51aで飛散を止めた切粉を傾斜板部51eによってベッド2に向かって落下させ、そして案内板部51fによってベッド2の内部へと確実に落とすようにされている。
傾斜板部52aの下端部には、ベッド2の内部に向かって真っ直ぐに案内板部52bが連設されている。
第2切粉遮蔽カバー52においては、傾斜板部52aの上端部が、前面扉46における庇部46aの下側に配されて平面視でオーバラップされ、傾斜板部52aの下部が、ベッド2の内部に臨ませるように配され、前面扉46の本体部分から庇部46aを介して落下された切粉を傾斜板部52aによってベッド2に向かって落下させ、そして案内板部52bによってベッド2の内部へと確実に落とすようにされている。
第1切粉遮蔽カバー51とテールストックカバー53との間には、両者間の隙間を塞ぐシールとしての役目も兼ねるスクレーパ部材55が配されている。このスクレーパ部材55においては、その基部がテールストックカバー53に固定され、その先端部が第1切粉遮蔽カバー51の内側面に当接され、第1切粉遮蔽カバー51がワークレスト装置25と共にZ軸方向の一側(右側)に移動されるに伴い、第1切粉遮蔽カバー51の内側面に付着している切粉を掻き取ることができるようにされている。
ワークレスト装置25の本体フレーム26に対する第2切粉遮蔽カバー52の装着部分と前面扉46との間には、両者間の隙間を塞ぐシールとしての役目も兼ねるスクレーパ部材56が配されている。このスクレーパ部材56においては、その基部がワークレスト装置25の本体フレーム26に固定され、その先端部が前面扉46の内側面に当接され、ワークレスト装置25がZ軸方向の一側(右側)に移動されるに伴い、前面扉46の内側面に付着している切粉を掻き取ることができるようにされている。
ステップT3で呼び出された加工用サブプログラムが実行されると、NC装置62から操作弁66に向けてレストアーム閉指令信号が出力され、これにより油圧シリンダ30が収縮されてワークレスト装置25における一対のレストアーム27,27´が閉作動される。開閉状態検知器74によって一対のアームレスト27,27´の閉状態が検知された後において、NC装置62から操作弁67に向けてクランパ閉指令信号が出力され、これにより油圧シリンダ36が収縮されて一対のクランパ34,34´が閉作動される。こうして、ワークレスト装置25によりワーク8のメインジャーナルが支持される。
次いで、C軸方向位置指令信号に従ってチャック7が回転され、このチャック7の回転に同期してX,Z軸方向位置指令信号に従って移動される回転カッタ14により、ワーク8に対して図8(a)〜(g)に示されるような加工プロセスが実施される。
次いで、NC装置62から操作弁67に向けてクランパ開指令信号が出力され、これにより油圧シリンダ36が伸長されて一対のクランパ34,34´が開作動される。開閉状態検知器75によって一対のクランパ34,34´の開状態が検知された後において、NC装置62から操作弁66に向けてレストアーム開指令信号が出力され、これにより油圧シリンダ30が伸長されて一対のレストアーム27,27´が開作動される。こうして、ワークレスト装置25によるワーク8のメインジャーナルの支持が解除される。
次いで、NC装置62からX軸送りモータ23に向けて、回転カッタ14を原点に戻すようなX軸方向位置指令信号が出力され、これにより回転カッタ14が原点に戻される(図8(g)参照)。
以上に述べたようなクランクシャフトミラー1によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)回転カッタ14によるワーク8の切込み方向がX軸方向のみとされる。これにより、従来は必要とされていた上下方向の切込みストロークが不要になり、機械高さを例えば1600mm程度にまで低くすることができるとともに、切粉の飛散領域が狭められるので、切粉の飛散を抑えることができる。
(2)回転カッタ14によるワーク8の切込みストロークがチャック中心OcからX軸方向の一側(後側)に向かって所定距離S(図8(b)参照)の位置までとされる。つまり、チャック中心OcからX軸方向の他側(前側)の方向には回転カッタ14が切り込まれない。これにより、X軸方向の他側(前側)において、ベッド2の側面とチャック軸線Lcとの間の距離を例えば500mm以内にまで短くすることができ、前面扉46を開いてX軸方向の他側(前側)から回転カッタ14やワーク8の交換作業を容易に行うことができる。
(3)チャック軸線LcからX軸方向の一側(後側)に第1切粉遮蔽カバー51が、他側に第2切粉遮蔽カバー52がそれぞれ設けられるので、切粉をベッド2の内部に確実に落とすことができ、切粉処理の効率を向上させることができる。
(4)ワークレスト装置25において、本体フレーム26における一対のレストアーム支軸28,28´が設けられる側部とは反対側の側部に一対のクランパ支軸33,33´が設けられ、これらクランパ支軸33,33´を支点とする一対のクランパ34,34´の回動操作によって一対のレストアーム27,27´がクランプ・アンクランプされるので、従来は必要とされていた全幅方向のスライドストロークが不要になり、機械全幅を小さくすることができる。
(5)X軸方向(全幅方向)の一側(後側)にレストアーム支軸28,28´が配される一方で、X軸方向(全幅方向)の他側(前側)にクランパ支軸33,33´が配され、かつクランパ支軸33,33´が配される側に、作業者による所定の作業時に開かれる前面扉46が設けられるので、レストアーム27,27´によるワーク8の支持に関して、径寸法仕様の異なる複数種類のワークに対応させることができ、しかも前面扉46を開いてX軸方向(全幅方向)の他側(前側)から回転カッタ14やワーク8の交換作業を容易に行うことができる。
(6)一対のクランパ34,34´で一対のレストアーム27,27´を挟み付ける構成とされているので、従来のくさび作用を利用したものと比べて、油圧シリンダ36の作動力の調整にて一対のクランパ34,34´によるクランプ力を容易に制御することができ、必要以上の負荷がワーククランプパッド31に作用するのを防ぐことができ、ワーククランプパッド31の寿命を延ばすことができる。
また、ワーククランプパッド31に代えて、ローラタイプのワーククランプローラを用いてもよい。
2 ベッド
3 ワークヘッド
4 テールストック
7 チャック
8 ワーク
10 カッタ装置
14 回転カッタ
20 X軸送り機構
25 ワークレスト装置
26 本体フレーム
27,27´ レストアーム
28,28 レストアーム支軸
32 クランプ機構
33,33´ クランパ支軸
34,34´ クランパ
46 前面扉
51 第1切粉遮蔽カバー
52 第2切粉遮蔽カバー
62 NC装置(制御装置)
Claims (2)
- ワーク中心を通る水平軸線であるワーク軸線と直交しかつ水平な全幅方向に延設される本体フレームと、この本体フレームにおける全幅方向の一側部または他側部に設けられる一対のレストアーム支軸と、全幅方向に延設されて基端部が前記一対のレストアーム支軸に支持されそれらレストアーム支軸を支点に上下方向に回動されて相互に開閉自在な一対のレストアームとを備え、カッタ装置に設けられた回転カッタでワークを切削する際に前記一対のレストアームでワークを挟持するように構成されるクランクシャフトミラーのワークレスト装置において、
前記本体フレームにおける全幅方向の他側部または一側部に設けられる一対のクランパ支軸と、これらクランパ支軸に支持されそれらクランパ支軸を支点に上下方向に回動される一対のクランパとを備え、
相互に閉じられた前記一対のレストアームの先端部を前記一対のクランパで挟持することを特徴とするクランクシャフトミラーのワークレスト装置。 - 当該クランクシャフトミラーは、作業者による所定の作業時に開かれる扉が全幅方向の他側に設けられてなり、
前記一対のレストアーム支軸が全幅方向の一側に配される一方、前記一対のクランパ支軸が全幅方向の他側に配される請求項1に記載のクランクシャフトミラーのワークレスト装置。
Priority Applications (1)
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JP2012098454A JP5844678B2 (ja) | 2012-04-24 | 2012-04-24 | クランクシャフトミラーのワークレスト装置 |
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JP2012098454A JP5844678B2 (ja) | 2012-04-24 | 2012-04-24 | クランクシャフトミラーのワークレスト装置 |
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2012
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