本明細書で述べられる技術は、符号分割多重アクセス(CDMA)システム、時分割多重アクセス(TDMA)システム、周波数分割多重アクセス(FDMA)システム、直交FDMA(OFDMA)システム、シングルキャリアFDMA(SC−FDMA)システム、及びその他のシステム等の、種々の無線通信システムにおいて使用され得る。用語「システム」及び「ネットワーク」は、しばしば同義的に使用され得る。CDMAシステムは、ユニバーサル地上波無線アクセス(UTRA)やcdma2000(登録商標)等のような無線技術(規格)を実装し得る。UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA)及びCDMAのその他の改良型を含む。cdma2000は、IS−2000、IS−95、及びIS−856規格をカバーする。TDMAシステムは、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))のような無線技術を実装し得る。OFDMAシステムは、Evolved UTRA(E−UTRA)、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、Flash‐OFDM(登録商標)などのような無線技術を実装し得る。UTRA及びE−UTRAは、汎用移動通信システム(UMTS)の一部である。3GPP LTE(Long Term Evolution)は、ダウンリンク上でOFDMAを、アップリンク上でSC−FDMAを採用するE−UTRAを使用するUMTSである。LTE−Aは、LTEを改良したシステム、無線技術、規格である。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、LTE−A及びGSMは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)と名付けられた機関からのドキュメントで説明されている。cdma2000及びUMBは、第3世代パートナーシッププロジェクト2(3GPP2)と名付けられた機関からのドキュメントで説明されている。明確さのために、本技術のある側面は、LTE、LTE−Aにおけるデータ通信について以下では述べられ、LTE用語、LTE−A用語は、以下の記述の多くで用いられる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る通信システムの全体像についての概略を説明する図である。この図が示す通信システム1は、基地局装置(eNodeB、NodeB、BS: Base Station、AP: Access Point; アクセスポイント、マクロ基地局とも呼称する。)3と、複数のRRH(Remote Radio Head、基地局装置より小型の屋外型の無線部を有する装置、Remote Radio Unit: RRUとも称す)(リモートアンテナ、分散アンテナとも呼称する。)4A、4B、4Cと、複数の移動局装置(UE: User Equipment、MS: Mobile Station、MT: Mobile Terminal、端末、端末装置、移動端末とも呼称する)5A、5B、5Cとが通信を行なう。以下、本実施形態において、RRH4A、4B、4CをRRH4と呼び、移動局装置5A、5B、5Cを移動局装置5と呼び、適宜説明を行なう。通信システム1では、基地局装置3とRRH4が協調して、移動局装置5と通信を行う。図3では、基地局装置3とRRH4Aとが移動局装置5Aと協調通信を行い、基地局装置3とRRH4Bとが移動局装置5Bと協調通信を行い、基地局装置3とRRH4Cとが移動局装置5Cと協調通信を行う。
なお、RRHは、基地局装置の特殊な形態とも言える。例えば、RRHは信号処理部のみを有し、他の基地局装置によってRRHで用いられるパラメータの設定、スケジューリングの決定などが行われる基地局装置と言うことができる。よって、以降の説明では、基地局装置3という表現は、適宜RRH4を含むことに注意すべきである。
<協調通信>
本発明の実施形態に係る通信システム1では、複数のセルを用いて協調して信号の送受信が行なわれる協調通信(Cooperative Multipoint: CoMP通信)が用いられうる。なお、例えば、基地局装置が任意の1つの周波数帯域を用いて通信する形態のことを「セル(Cell)」と呼称する。例えば、協調通信として、複数のセル(基地局装置3とRRH4)で異なる重み付け信号処理(プリコーディング処理)が信号に適用され、基地局装置3とRRH4がその信号を協調して同一の移動局装置5に送信する(Joint Processing、Joint Transmission)。例えば、協調通信として、複数のセル(基地局装置3とRRH4)で協調して移動局装置5に対してスケジューリングを行う(Coordinated Scheduling: CS)。例えば、協調通信として、複数のセル(基地局装置3とRRH4)で協調してビームフォーミングを適用して移動局装置5に信号を送信する(Coordinated Beamforming: CB)。例えば、協調通信として、一方のセル(基地局装置3、またはRRH4)でのみ所定のリソースを用いて信号を送信し、一方のセル(基地局装置3、またはRRH4)では所定のリソースで信号を送信しない(Blanking, Muting)。
なお、本発明の実施形態では説明を省略するが、協調通信に用いられる複数のセルに関して、異なるセルは異なる基地局装置3により構成されてもよいし、異なるセルは同じ基地局装置3に管理される異なるRRH4により構成されてもよいし、異なるセルは基地局装置3とその基地局装置とは異なる基地局装置3に管理されるRRH4により構成されてもよい。
なお、複数のセルは物理的には異なるセルとして用いられるが、論理的には同一のセルとして用いられてもよい。具体的には、共通のセル識別子(物理層セルID:Physical layer cell ID)が各セルに用いられる構成でもよい。複数の送信装置(基地局装置3とRRH4)が同一の周波数帯域を用いて同一の受信装置に対して共通の信号を送信する構成を単一周波数ネットワーク(SFN; Single Frequency Network)と呼称する。
通信システム1では、基地局装置3、またはRRH4から移動局装置5への通信方向である下りリンク(DL: Downlinkとも呼称する。)が、下りリンクパイロットチャネル、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control CHannelとも呼称する。)、物理HARQインジケータチャネル(PHICH: Physical Hybrid Automatic Repeat reQuest Indicator CHannel)、および物理下りリンク共用チャネル(PDSCH: Physical Downlink Shared CHannelとも呼称する。)を含んで構成される。PDSCHは、協調通信が適用されたり、適用されなかったりする。PDCCHは、第一のPDCCHと、第二のPDCCH(E−PDCCH:Enhanced‐PDCCH)とにより構成される。PHICHは、第一のPHICHと、第二のPHICH(E−PHICH:Enhanced−PHICH)とにより構成される。下りリンクパイロットチャネルは、第一のタイプの参照信号(後述するCRS)と、第二の参照信号(後述するUE−specific RS)と、第三のタイプの参照信号(後述するCSI−RS)により構成される。第一のタイプの参照信号は、PDSCH、第一のPDCCH、および第一のPHICHの復調に用いられる。第二のタイプの参照信号は、PDSCH、第二のPDCCH、および第二のPHICHの復調に用いられる。
なお、1つの観点から見ると、第一のPDCCHおよび第一のPHICHは、第一のタイプの参照信号と同じ送信ポート(アンテナポート、送信アンテナ)が用いられる物理チャネルである。また、第二のPDCCHおよび第二のPHICHは、第二のタイプの参照信号と同じ送信ポートが用いられる物理チャネルである。移動局装置5は、第一のPDCCHおよび第二のPHICHにマッピングされる信号に対して、第一のタイプの参照信号を用いて復調し、第二のPDCCHおよび第二のPHICHにマッピングされる信号に対して、第二のタイプの参照信号を用いて復調する。第一のタイプの参照信号は、セル内の全移動局装置5に共通の参照信号であって、ほぼすべてのリソースブロックに挿入されており、いずれの移動局装置5も使用可能な参照信号である。このため、第一のPDCCHは、いずれの移動局装置5も復調可能である。一方、第二のタイプの参照信号は、割り当てられたリソースブロックのみに基本的に挿入されうる参照信号である。第二のタイプの参照信号には、データと同じように適応的にプリコーディング処理が適用されうる。
なお、1つの観点から見ると、第一のPDCCHおよび第一のPHICHは、PDSCHが配置されないOFDMシンボルに配置される制御チャネルである。また、第二のPDCCHおよび第二のPHICHは、PDSCHが配置されるOFDMシンボルに配置される制御チャネルである。なお、1つの観点から見ると、第一のPDCCHおよび第一のPHICHは、基本的に下りリンクシステム帯域の全てのPRB(1番目のスロットのPRB)に亘って信号が配置される制御チャネルであり、第二のPDCCHおよび第二のPHICHは、下りリンクシステム帯域内の基地局装置3より構成されたPRB pair(PRB)に亘って信号が配置される制御チャネルである。
また、通信システム1では、移動局装置5から基地局装置3、またはRRH4への通信方向である上りリンク(UL: Uplinkとも呼称する)が、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH: PhysicalUplink Shared CHannelとも呼称する。)、上りリンクパイロットチャネル(上りリンク参照信号; UL RS: Uplink Reference Signal、SRS: Sounding Reference Signal、DM RS: Demodulation Reference Signal)、および物理上りリンク制御チャネル(PUCCH: Physical Uplink Control CHannelとも呼称する。)を含んで構成される。チャネルとは、信号の送信に用いられる媒体を意味する。物理層で用いられるチャネルは物理チャネル、媒体アクセス制御(Medium Access Control: MAC)層で用いられるチャネルは論理チャネルと呼称する。
また、本発明は、例えば下りリンクに協調通信が適用される場合、例えば下りリンクに複数アンテナ送信が適用される場合の通信システムに適用可能であり、説明の簡略化のため、上りリンクにおいては協調通信が適用されない場合、上りリンクにおいては複数アンテナ送信が適用されない場合について説明するが、そのような場合に本発明は限定されない。
PDSCHは、下りリンクのデータの送受信に用いられる物理チャネルである。PDCCHは、下りリンクの制御情報(下りリンク制御情報; Downlink Control Information: DCI)の送受信に用いられる物理チャネルである。PUSCHは、上りリンクのデータおよび制御情報(上りリンク制御情報; Uplink Control Information: UCI)の送受信に用いられる物理チャネルである。PUCCHは、上りリンクの制御情報の送受信に用いられる物理チャネルである。UCIの種類としては、PDSCHの下りリンクのデータに対する肯定応答(Acknowledgement: ACK)、または否定応答(Negative Acknowledgement: NACK)を示す受信確認応答(ACK/NACK)と、リソースの割り当てを要求するか否かを示すスケジューリング要求(Scheduling request: SR)等が用いられる。その他の物理チャネルの種類としては、下りリンクの同期確立のために用いられる同期チャネル(Synchronization CHannel: SCH)、上りリンクの同期確立のために用いられる物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access CHannel: PRACH)、下りリンクのシステム情報(MIB: Master Information Blockとも呼称する。)の送信に用いられる物理報知チャネル(Physical Broadcast CHannel: PBCH)、PDCCHの領域を示す物理制御フォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator CHannel)等が用いられる。
移動局装置5、基地局装置3、またはRRH4は、制御情報、データなどから生成した信号を各物理チャネルに配置して、送信する。PDSCH、またはPUSCHで送信されるデータは、トランスポートブロックと呼称する。また、基地局装置3、またはRRH4が管轄するエリアのことをセルと呼ぶ。
<下りリンクの時間フレームの構成>
図4は、本発明の実施形態に係る基地局装置3、またはRRH4から移動局装置5への下りリンクの時間フレームの概略構成を示す図である。この図において、横軸は時間領域、縦軸は周波数領域を表している。下りリンクの時間フレームは、リソースの割り当てなどの単位である。
無線フレームのそれぞれは、10ms長である。また、無線フレームのそれぞれは20のスロットから構成される。スロットのそれぞれは、0.5ms長であり、0から19の番号がつけられる。サブフレームのそれぞれは、1ms長であり、2つの連続するスロットによって定義される。無線フレーム内のi番目のサブフレームは、(2×i)番目のスロットと(2×i+1)番目のスロットとから構成される。つまり、10ms間隔のそれぞれにおいて、10個のサブフレームが利用できる。
下りリンクのシステム帯域(下りリンクシステム帯域と呼称する。)は、基地局装置3、またはRRH4の下りリンクの通信帯域である。例えば、下りリンクのシステム帯域幅(下りリンクシステム帯域幅と呼称する。)は、20MHzの周波数帯域幅から構成される。
スロットのそれぞれにおいて送信される信号または物理チャネルは、リソースグリッドによって表現される。リソースグリッドは複数のサブキャリアと複数のOFDMシンボルによって定義される。1つのスロットを構成するサブキャリアの数は、下りリンクのシステム帯域幅に依存する。1つのスロットを構成するOFDMシンボルの数は7である。リソースグリッド内のエレメントのそれぞれをリソースエレメントと称する。リソースエレメントは、サブキャリアの番号とOFDMシンボルの番号とを用いて識別する。
リソースブロックは、ある物理下りリンクチャネル(PDSCHなど)のリソースエレメントのマッピングを表現するために用いられる。リソースブロックは、仮想リソースブロックと物理リソースブロックが定義される。ある物理下りリンクチャネルは、まず仮想リソースブロックにマップされる。その後、仮想リソースブロックは、物理リソースブロックにマップされる。1つの物理リソースブロックは、時間領域において7個の連続するOFDMシンボルと周波数領域において12個の連続するサブキャリアとから定義される。ゆえに、1つの物理リソースブロックは(7×12)個のリソースエレメントから構成される。また、1つの物理リソースブロックは、時間領域において1つのスロットに対応し、周波数領域において180kHzに対応する。物理リソースブロックは周波数領域において0から番号が付けられる。1個の下りリンクのPRB pair(下りリンク物理リソースブロックペア; DL PRB pairと呼称する。)は下りリンクの時間領域で連続する2個のPRB(下りリンク物理リソースブロック; DL PRBと呼称する。)から構成される。
図5は、本発明の実施形態に係る下りリンクの時間フレーム内の物理チャネルの割り当ての一例を示す図である。各下りリンクサブフレームには少なくとも、PDSCH、第一のPDCCH、第二のPDCCH、第一のPHICH、第二のPHICH、PCFICHが配置される。この図においては、第一のPDCCHは下りリンクサブフレームの1番目から3番目までのOFDMシンボルから構成される。この図においては、PCFICHおよび第一のPHICHは下りリンクサブフレームの1番目のOFDMシンボルから構成される。この図においては、第二のPHICHは下りリンクサブフレームの4番目のOFDMシンボルから構成される。この図においては、PDSCH、第二のPDCCHは下りリンクサブフレームの4番目から14番目までのOFDMシンボルから構成される。なお、PDSCHと第二のPDCCHは異なるDL PRB pairに配置される。
この図において図示は省略するが、下りリンクの参照信号(Reference signal: RS)(下りリンク参照信号と呼称する。)の送信に用いられる下りリンクパイロットチャネルが複数の下りリンクリソースエレメントに分散して配置される。ここで、下りリンク参照信号は、第一のタイプの参照信号と第二のタイプの参照信号と第三のタイプの参照信号から構成される。例えば、下りリンク参照信号は、PDSCH、PHICH(第一のPHICH、第二のPHICH)およびPDCCH(第一のPDCCH、第二のPDCCH)の伝搬路変動の推定に用いられる。第一のタイプの参照信号は、PDSCH、第一のPHICH、第一のPDCCHの復調に用いられる。第一のタイプの参照信号は、Cell specific RS:CRSとも呼称する。第二のタイプの参照信号は、PDSCH、第二のPHICH、第二のPDCCHの復調に用いられる。第二のタイプの参照信号は、UE‐specific RSとも呼称する。例えば、第三のタイプの参照信号は、伝搬路変動の推定のみに用いられる。第三のタイプの参照信号は、Channel State Information RS:CSI−RSとも呼称する。下りリンク参照信号は、通信システム1において既知の信号である。以降の説明では、第一のタイプの参照信号としてCRS、第二のタイプの参照信号としてUE‐specific RS、第三のタイプの参照信号としてCSI−RSが用いられる場合について説明する。
PDCCH(第一のPDCCH、または第二のPDCCH)は、PDSCHに対するDL PRB pairの割り当てを示す情報、PUSCHに対するUL PRB pairの割り当てを示す情報、無線ネットワーク一時識別子(Radio Network Temporary Identifier: RNTIと呼称する。)、変調方式および符号化率に関する情報、再送パラメータに関する情報、空間多重数およびプリコーディング行列に関する情報、送信電力制御コマンド(TPC command)などの制御情報から生成された信号が配置される。PDCCHに含まれる制御情報を下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)と呼称する。PDSCHに対するDL PRB pairの割り当てを示す情報を含むDCIは下りリンクアサインメント(Downlink assignment: DL assignment、またDownlink grantとも呼称する。)と呼称し、PUSCHに対するUL PRB pairの割り当てを示す情報を含むDCIは上りリンクグラント(Uplink grant: UL grantと呼称する。)と呼称する。
下りリンク参照信号の配置について説明する。図6は、本発明の実施形態に係る通信システム1の下りリンクサブフレーム内の下りリンク参照信号の配置の一例を示す図である。説明の簡略化のため、図6では、ある1個のDL PRB pair内の下りリンク参照信号の配置について説明するが、下りリンクシステム帯域内の複数のDL PRB pairにおいて共通した配置方法が用いられる。
網掛けした下りリンクリソースエレメントのうち、R0〜R1は、それぞれアンテナポート0〜1のCRSを示す。CRSは、下りリンクシステム帯域内の全てのDL PRB pair内に配置されうる。ここで、アンテナポートとは、信号処理で用いる論理的なアンテナを意味し、1個のアンテナポートは複数の物理的なアンテナから構成されてもよい。
網掛けした下りリンクリソースエレメントのうち、D1はUE‐specific RSを示す。複数のアンテナポートを用いてUE‐specific RSが送信される場合、各アンテナポートで異なる符号が用いられる。つまり、UE‐specific RSにCDM(Code Division Multiplexing)が適用される。図6は、UE‐specific RSの送信に用いられるアンテナポートの数が1本(アンテナポート7)、または2本(アンテナポート7とアンテナポート8)の場合のUE‐specific RSの配置の一例を示している。例えば、基地局装置3、RRH4において、UE‐specific RSの送信に用いられるアンテナポートの数が2本の場合、符号の長さが2である符号を用いて、同じ周波数領域(サブキャリア)であり時間領域(OFDMシンボル)で連続する2個の下りリンクリソースエレメントを一単位(CDMの単位)としてUE‐specific RSが多重されて、配置される。図6において、D1にアンテナポート7とアンテナポート8のUE‐specific RSがCDMで多重される。
また、UE‐specific RSにおいて、各アンテナポートの符号に対してスクランブル符号がさらに重畳される。このスクランブル符号は、基地局装置3、RRH4から通知されるセルIDおよびスクランブルIDに基づいて生成される。
図7は、本発明の実施形態に係る8アンテナポート用のCSI−RS(伝送路状況測定用参照信号)がマッピングされたDL PRB pairの一例を示す図である。図7は、基地局装置3およびRRH4において用いられるアンテナポート数(CSIポート数)が8の場合のCSI−RSがマッピングされる場合を示している。なお、図7において、CRS、UE‐specific RS、PDCCH、PDSCH等の記載は、説明の簡略化のため、省略している。
CSI−RSは、それぞれのCDMグループにおいて、2チップの直交符号(Walsh符号)が用いられ、それぞれの直交符号にCSIポート(CSI−RSのポート(アンテナポート、リソースグリッド))が割り当てられ、2CSIポート毎に符号分割多重される。さらに、それぞれのCDMグループが周波数分割多重される。4つのCDMグループを用いて、CSIポート1〜8(アンテナポート15〜22)の8アンテナポートのCSI−RSがマッピングされる。例えば、CSI−RSのCDMグループC1では、CSIポート1および2(アンテナポート15および16)のCSI−RSが符号分割多重され、マッピングされる。CSI−RSのCDMグループC2では、CSIポート3および4(アンテナポート17および18)のCSI−RSが符号分割多重され、マッピングされる。CSI−RSのCDMグループC3では、CSIポート5および6(アンテナポート19および20)のCSI−RSが符号分割多重され、マッピングされる。CSI−RSのCDMグループC4では、CSIポート7および8(アンテナポート21および22)のCSI−RSが符号分割多重され、マッピングされる。
CSI−RSの構成(CSI−RS−Config−r10)は、基地局装置3、RRH4から移動局装置5に通知される。CSI−RSの構成としては、CSI−RSに設定されるアンテナポートの数を示す情報(antennaPortsCount−r10)、CSI−RSが配置される下りリンクサブフレームを示す情報(subframeConfig−r10)、CSI−RSが配置される周波数領域を示す情報(ResourceConfig−r10)が少なくとも含まれる。
<上りリンクの時間フレームの構成>
図8は、本発明の実施形態に係る移動局装置5から基地局装置3、RRH4への上りリンクの時間フレームの概略構成を示す図である。この図において、横軸は時間領域、縦軸は周波数領域を表している。上りリンクの時間フレームは、リソースの割り当てなどの単位であり、上りリンクの予め決められた幅の周波数帯および時間帯からなる物理リソースブロックのペア(上りリンク物理リソースブロックペア; UL PRB pairと呼称する。)から構成される。1個のUL PRB pairは、上りリンクの時間領域で連続する2個の上りリンクのPRB(上りリンク物理リソースブロック; UL PRBと呼称する。)から構成される。
また、この図において、1個のUL PRBは、上りリンクの周波数領域において12個のサブキャリア(上りリンクサブキャリアと呼称する。)から構成され、時間領域において7個のSC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルから構成される。上りリンクのシステム帯域(上りリンクシステム帯域と呼称する。)は、基地局装置3、RRH4の上りリンクの通信帯域である。上りリンクのシステム帯域幅(上りリンクシステム帯域幅と呼称する。)は、例えば、20MHzの周波数帯域幅から構成される。
なお、上りリンクシステム帯域では上りリンクシステム帯域幅に応じて複数のUL PRB pairが配置される。例えば、20MHzの周波数帯域幅の上りリンクシステム帯域は、110個のUL PRB pairから構成される。また、この図が示す時間領域においては、7個のSC−FDMAシンボルから構成されるスロット(上りリンクスロットと呼称する。)、2個の上りリンクスロットから構成されるサブフレーム(上りリンクサブフレームと呼称する。)がある。なお、1個の上りリンクサブキャリアと1個のSC−FDMAシンボルから構成されるユニットをリソースエレメント(上りリンクリソースエレメントと呼称する。)と呼称する。
各上りリンクサブフレームには、少なくともPUSCH、PUCCH、PUSCHとPUCCHの復調(伝搬路変動の推定)のためのUL RS(DM RS)が配置される。また、図示は省略するが、何れかの上りリンクサブフレームには、PRACHが配置される。また、図示は省略するが、何れかの上りリンクサブフレームには、チャネル品質、同期ずれの測定等に用いられるUL RS(SRS)が配置される。
なお、1個のPUSCHは1個以上のUL PRB pairから構成される。なお、1個のPUCCHは上りリンクシステム帯域内において周波数領域に対称関係にあり、異なる上りリンクスロットに位置する2個のUL PRBから構成される。例えば、図8において、上りリンクサブフレーム内において、1番目の上りリンクスロットの最も周波数が低いUL PRBと、2番目の上りリンクスロットの最も周波数が高いUL PRBと、により、PUCCHに用いられるUL PRB pairの1個が構成される。
<第一のPDCCHの構成>
第一のPDCCHは、複数の制御チャネルエレメント(CCE: Control Channel Element)により構成される。各下りリンクシステム帯域で用いられるCCEの数は、下りリンクシステム帯域幅と、第一のPDCCHを構成するOFDMシンボルの数と、通信に用いる基地局装置3(または、RRH4)の送信アンテナの数に応じた下りリンクパイロットチャネルの下りリンク参照信号の数に依存する。CCEは、後述するように、複数の下りリンクリソースエレメントにより構成される。
図9は、本発明の実施形態に係る通信システム1の第一のPDCCHとCCEの論理的な関係を説明する図である。基地局装置3(または、RRH4)と移動局装置5間で用いられるCCEには、CCEを識別するための番号が付与されている。CCEの番号付けは、予め決められた規則に基づいて行なわれる。ここで、CCE tは、番号tのCCEを示す。第一のPDCCHは、複数のCCEからなる集合(CCE Aggregation)により構成される。この集合を構成するCCEの数を、以下、「CCE集合数」(CCE aggregation number)と称す。第一のPDCCHを構成するCCE aggregation numberは、第一のPDCCHに設定される符号化率、第一のPDCCHに含められるDCIのビット数に応じて基地局装置3において設定される。また、n個のCCEからなる集合を、以下、「CCE aggregation n」という。
例えば、基地局装置3は、1個のCCEにより第一のPDCCHを構成したり(CCE aggregation 1)、2個のCCEにより第一のPDCCHを構成したり(CCE aggregation 2)、4個のCCEにより第一のPDCCHを構成したり(CCE aggregation 4)、8個のCCEにより第一のPDCCHを構成したりする(CCE aggregation 8)。
図9において、斜線で示されるものは、第一のPDCCH候補を意味する。第一のPDCCH候補(PDCCH candidate)とは、移動局装置5が第一のPDCCHの復号検出を行う対象であり、CCE aggregation number毎に独立に第一のPDCCH候補が構成される。CCE aggregation number毎に構成される第一のPDCCH候補は、それぞれ異なる1つ以上のCCEから構成される。CCE aggregation number毎に、独立に第一のPDCCH候補の数が設定される。CCE aggregation number毎に構成される第一のPDCCH候補は、番号の連続するCCEから構成される。移動局装置5は、CCE aggregation number毎に設定された数の第一のPDCCH候補に対して第一のPDCCHの復号検出を行う。第一のPDCCH候補のセットを、サーチスペースとも称する。
CCEを構成する複数の下りリンクリソースエレメントは、9個のリソースエレメントグループ(REG、mini-CCEとも称す)により構成される。言い換えると、CCEは、9個のリソースエレメントグループに配置される。リソースエレメントグループは複数の下りリンクリソースエレメントから構成される。例えば、1個のリソースエレメントグループは4個の下りリンクリソースエレメントから構成される。
図10は、本発明の実施形態に係る通信システム1の下りリンク無線フレームにおけるリソースエレメントグループの配置例を示す図である。ここでは、第一のPDCCHに用いられるリソースエレメントグループについて示し、関連しない部分(PDSCH、PCFICH、第二のPHICH、第二のPDCCH、UE‐specific RS、CSI−RS)についての図示および説明は省略する。ここでは、第一のPDCCHが1番目から3番目までのOFDMシンボルにより構成され、2本の送信アンテナ(アンテナポート0、アンテナポート1)のCRSに対応する下りリンク参照信号(R0、R1)が配置される場合について示す。この図において、縦軸は周波数領域、横軸は時間領域を表わしている。
図10の配置例では、1個のリソースエレメントグループは、同一のOFDMシンボル周波数領域の隣接する4個の下りリンクリソースエレメントにより構成される。図10において、第一のPDCCHの同一の符号が付された下りリンクリソースエレメントは、同一のリソースエレメントグループに属することを示す。なお、下りリンク参照信号が配置されたリソースエレメントR0(アンテナポート0の下りリンク参照信号)、R1(アンテナポート1の下りリンク参照信号)は飛ばされて、リソースエレメントグループが構成される。
<第二のPDCCHの構成>
図11は、本発明の実施形態に係る通信システム1において第二のPDCCHが配置される可能性のある領域(説明の簡略化のため、以降、第二のPDCCH領域と称す。)の概略構成の一例を示す図である。基地局装置3は、下りリンクシステム帯域内に複数の第二のPDCCH領域(第二のPDCCH領域1、第二のPDCCH領域2、第二のPDCCH領域3)を構成(設定、配置)することができる。1個の第二のPDCCH領域は、1個以上のDL PRB pairから構成される。1個の第二のPDCCH領域が複数のDL PRB pairにより構成される場合、周波数領域で分散するDL PRB pairにより構成されてもよいし、周波数領域で連続するDL PRB pairにより構成されてもよい。例えば、基地局装置3は、複数の移動局装置5毎に第二のPDCCH領域を構成することができる。
第二のPDCCH領域のそれぞれに対して、配置される信号に異なる送信方法が設定される。例えば、ある第二のPDCCH領域に対して、配置される信号にプリコーディング処理が適用される。例えば、ある第二のPDCCH領域に対して、配置される信号にプリコーディング処理が適用されない。なお、配置される信号にプリコーディング処理が適用される第二のPDCCH領域では、DL PRB pair内において第二のPDCCHと、UE−specific RSとは、同一のプリコーディング処理が適用されうる。なお、配置される信号にプリコーディング処理が適用される第二のPDCCH領域では、第二のPDCCHと、UE−specific RSとに適用されるプリコーディング処理は、異なるDL PRB pair間では異なるプリコーディング処理(適用されるプリコーディングベクトルが異なる)(適用されるプリコーディング行列が異なる)が適用されてもよい。
1つの第二のPDCCHは、1つ以上のE−CCE(第一の要素)から構成される。図12は、本発明の実施形態に係る通信システム1の第二のPDCCHとE−CCEの論理的な関係を説明する図である。基地局装置3(または、RRH4)と移動局装置5間で用いられるE−CCEには、E−CCEを識別するための番号が付与されている。E−CCEの番号付けは、予め決められた規則に基づいて行なわれる。ここで、E−CCE tは、番号tのE−CCEを示す。第二のPDCCHは、複数のE−CCEからなる集合(E-CCE Aggregation)により構成される。この集合を構成するE−CCEの数を、以下、「E−CCE集合数」(E-CCE aggregation number)と称す。例えば、第二のPDCCHを構成するE−CCE aggregation numberは、第二のPDCCHに設定される符号化率、第二のPDCCHに含められるDCIのビット数に応じて基地局装置3において設定される。また、n個のE−CCEからなる集合を、以下、「E−CCE aggregation n」という。
例えば、基地局装置3は、1個のE−CCEにより第二のPDCCHを構成したり(E−CCE aggregation 1)、2個のE−CCEにより第二のPDCCHを構成したり(E−CCE aggregation 2)、4個のE−CCEにより第二のPDCCHを構成したり(E−CCE aggregation 4)、8個のE−CCEにより第二のPDCCHを構成したりする(E−CCE aggregation 8)。
図12において、斜線で示されるものは、第二のPDCCH候補を意味する。第二のPDCCH候補(E−PDCCH candidate)とは、移動局装置5が第二のPDCCHの復号検出を行う対象であり、E−CCE aggregation number毎に独立に第二のPDCCH候補が構成される。E−CCE aggregation number毎に構成される第二のPDCCH候補は、それぞれ異なる1つ以上のE−CCEから構成される。E−CCE aggregation number毎に、独立に第二のPDCCH候補の数が設定される。E−CCE aggregation number毎に構成される第二のPDCCH候補は、番号の連続するE−CCE、または番号の連続しないE−CCEから構成される。移動局装置5は、E−CCE aggregation number毎に設定された数の第二のPDCCH候補に対して第二のPDCCHの復号検出を行う。第二のPDCCH候補のセットを、サーチスペースとも称する。
第二のPDCCH領域で構成されるE−CCEの数は、第二のPDCCH領域を構成するDL PRB pairの数に依存する。例えば、1つのE−CCEが対応するリソースの量(リソースエレメントの数)は、1つのDL PRB pair内で第二のPDCCHの信号に用いることが可能なリソース(下りリンク参照信号、第一のPDCCHに用いられるリソースエレメントは除く)を4つに分割した量とほぼ等しい。また、1つの第二のPDCCH領域は、下りリンクのサブフレームの一方のスロットのみで構成されても、複数のPRBにより構成されてもよい。また、第二のPDCCH領域は、下りリンクサブフレーム内の1番目のスロットと、2番目のスロットで、それぞれ独立に構成されてもよい。なお、本発明の実施形態では、説明の簡略化のため、第二のPDCCH領域は、下りリンクサブフレーム内の複数のDL PRB pairから構成される場合について主に説明するが、本発明がそのような場合に限定されるということではない。
図13は、本発明の実施形態の領域(region, resource)の構成の一例を示す図である。ここでは、領域を構成するリソースについて示し、関連しない部分(PDSCH、第一のPDCCH)についての図示および説明は省略する。ここでは、1つのDL PRB pairについて示す。ここでは、第二のPDCCHが下りリンクサブフレームの1番目のスロットの4番目から14番目までのOFDMシンボルにより構成され、2本の送信アンテナ(アンテナポート0、アンテナポート1)に対するCRS(R0、R1)、1本、または2本の送信アンテナ(アンテナポート7、アンテナポート8、図示せず)に対するUE‐specific RS(D1)が配置される場合について示す。この図において、縦軸は周波数領域、横軸は時間領域を表わしている。DL PRB pair内で第二のPDCCHの信号に用いることが可能なリソースが4つに分割されたリソースが、1つの領域として構成される。例えば、周波数領域でDL PRB pairのリソースが4つに分割されたリソースが1個の領域として構成される。具体的には、DL PRB pair内の3個のサブキャリア毎に分割されたリソースが1個の領域として構成される。例えば、DL PRB pair内のE−CCEは、周波数領域で低いサブキャリアを含むE−CCEから昇順で番号付けが行なわれる。
図14は、本発明の実施形態に係るE−CCEとLocalized E−PDCCHの構成の一例を示す図である。ここでは、第二のPDCCHが下りリンクサブフレームの4番目から14番目までのOFDMシンボルにより構成される場合について示す。この図において、縦軸は周波数領域、横軸は時間領域を表わしている。例えば、あるE−CCEは、あるDL PRB pair内の領域(region, resource)の番号の小さい(周波数領域で低い)方から2個のE−CCEから構成されている(例えばE−CCE 2151は領域2101と領域2102から構成されている)。またあるE−CCEはあるDL PRB pair内の領域の番号の大きい(周波数領域で高い)方から2個のE−CCEから構成される(例えばE−CCE 2152は領域2103と領域2104から構成されている)。
図15は、本発明の実施形態に係るE−CCEとDistributed E−PDCCHの構成の一例を示す図である。ここでは、第二のPDCCHが下りリンクサブフレームの4番目から14番目までのOFDMシンボルにより構成される場合について示す。この図において、縦軸は周波数領域、横軸は時間領域を表わしている。例えば、あるE−CCEは、異なるDL PRB pair内の領域で構成される。
<PHICH>
PHICHはACK/NACKの伝送に用いられる。基地局装置3は、PDCCHを用いて送信した下りリンク制御情報によってスケジュールしたPUSCHで受信したトランスポートブロックに対するACK/NACKを、第一のPHICHで送信する。基地局装置3は、第二のPDCCHを用いて送信した下りリンク制御情報によってスケジュールしたPUSCHで受信したトランスポートブロックに対するACK/NACKを、第二のPHICHで送信する。
移動局装置5は、サブフレームn内にスケジュールされたPUSCH送信に対して、サブフレームn+4内のPHICHリソースを決定する。移動局装置5は、決定したPHICHリソースの信号を受信し、受信した信号から該PUSCHに対応するACKまたはNACKを復号する。
基地局装置3は、複数のPHICH(第一のPHICH、第二のPHICH)を、リソースエレメントの同じセットに配置する。リソースエレメントの同じセットに配置される複数のPHICHは、PHICHグループを構成する。同じPHICHグループ内のPHICHは異なる系列を介して分けられる。PHICHリソースは、PHICHグループ番号ngroup PHICHと該グループ内の系列インデックスnseq PHICHのペアによって特定される。
PHICHグループの数Ngroup PHICHは、(1)式に基づいて算出される。第一のPHICHから構成されるPHICHグループを、第一のPHICHグループとも称する。第二のPHICHから構成されるPHICHグループを、第二のPHICHグループとも称する。第一のPHICHグループの数をNgroup PHICH,1とも称する。第二のPHICHグループの数をNgroup PHICH,2とも称する。
ceil()は、括弧の中の数字よりも大きく、最も小さい整数を求める関数である。Ng,1およびNg,2は、基地局装置3が移動局装置5に通知する値である。例えば、Ng,1の値、Ng,2の値は{1/6, 1/2, 1, 2}の中から選択される。例えば、基地局装置3は、PBCHを用いてNg,1の値を示す情報を送信する。言い換えると、基地局装置3はMIBにNg,1の値を示す情報を含めて送信する。例えば、基地局装置3は、PDSCHを用いてNg,1の値を示す情報を送信する。言い換えると、基地局装置3は、移動局装置5を対象とする専用の無線リソース制御情報にNg,1の値を示す情報を含めて送信する。例えば、基地局装置3は、PBCHを用いてNg,2の値を示す情報を送信する。言い換えると、基地局装置3はMIBにNg,2の値を示す情報を含めて送信する。例えば、基地局装置3は、PDSCHを用いてNg,2の値を示す情報を送信する。言い換えると、基地局装置3は、移動局装置5を対象とする専用の無線リソース制御情報にNg,2の値を示す情報を含めて送信する。尚、Ng,1およびNg,2は共通の(同じ)パラメータであってもよい(Ng,1=Ng,2)。この場合、Ng,1の値を示す情報とNg,2の値を示す情報を別々に送信しなくてもよい。
NDL RBは、下りリンク帯域幅に含まれる物理リソースブロックの数である。例えば、基地局装置3は、PBCHを用いてNDL RBの値を示す情報を送信する。言い換えると、基地局装置3はMIBにNDL RBの値を示す情報を含めて送信する。例えば、基地局装置3は、PDSCHを用いてNDL RBの値を示す情報を送信する。言い換えると、基地局装置3は、移動局装置5を対象とする専用の無線リソース制御情報にNDL RBの値を示す情報を含めて送信する。
尚、第二のPHICHグループの数を算出する際に、下りリンク帯域幅に含まれる物理リソースブロックの数NDL RBの代わりに、上りリンク帯域幅に含まれる物理リソースブロックの数NUL RBを使用してもよい。例えば、基地局装置3は、PDSCHを用いてNUL RBの値を示す情報を送信する。言い換えると、基地局装置3は、移動局装置5を対象とする専用の無線リソース制御情報にNUL RBの値を示す情報を含めて送信する。尚、第二のPHICHグループの数を算出のために、下りリンク帯域幅に含まれる物理リソースブロックの数NDL RBの代わりに、上りリンク帯域幅に含まれる物理リソースブロックの数NUL RBを使用する場合、Ng,1の値の固定としてもよい。
図16は、本発明の実施形態に係るPHICHを用いて送信されるACK/NACKの信号処理の一例を示す図である。ACKは<1>で表現される。NACKは<0>で表現される。基地局装置3は、NACK<0>を符号化することによって3ビットの系列<0,0,0>を生成する。基地局装置3は、ACK<1>を符号化することによって3ビットの系列<1,1,1>を生成する(ステップS1000)。
基地局装置3は、ステップS1000で生成した系列をBPSK変調することによって、3つの変調シンボル<z(0), z(1), z(2)>を生成する(ステップS1002)。基地局装置3は、ステップS1002で生成した変調シンボルに対して系列の乗算およびスクランブルを行い、変調シンボルの系列<d(0), d(1), …, d(Msymb-1)>を生成する(ステップS1004)。基地局装置3は、(2)式に基づいて該変調シンボルの系列を生成する。第一のPHICHの変調シンボルの系列<d(0), d(1), …, d(Msymb-1)>の長さは12である。第二のPHICHの変調シンボルの系列<d(0), d(1), …, d(Msymb-1)>の長さは3である。
[X] mod [Y]は、[X]を[Y]で割った場合の余りを求める関数である。floor()は、括弧の中の数字よりも小さく、最も大きい整数を求める関数である。c()は、セル固有スクランブリング系列である。c()は、物理層セルIDおよびスロットの番号に基づいて初期値が設定される擬似ランダム系列である。すなわち、PHICHの変調シンボルは、c()によってスクランブルされる。
w()は、変調シンボルz()に乗算される系列である。図17は、本発明の実施形態に係るPHICHの変調シンボルに乗算される系列wの一例を示す図である。系列インデックスnseq PHICHはPHICHグループ内のPHICH番号に対応する。NPHICH SFは、PHICHの変調のために使用されるスプレッディングファクターサイズ(spreading factor size)である。第一のPHICH用のスプレッディングファクターサイズは4である。第二のPHICH用のスプレッディングファクターサイズは1である。言い換えると、第一のPHICHの変調シンボルに乗算されるw()の系列長(系列の長さ)は4である。第二のPHICHの変調シンボルに乗算されるw()の系列長(系列の長さ)は1である。本発明の実施形態では、第二のPHICH用のスプレッディングファクターサイズは、第一のPHICH用のスプレッディングファクターサイズと異なる。すなわち、本発明の実施形態では、第二のPHICHの変調シンボルに乗算される系列w()の長さは、第一のPHICHの変調シンボルに乗算される系列w()の長さと異なる。
尚、第二のPHICHの変調シンボルに乗算されるw()の系列長は1ではなく、2でもよい。すなわち、第二のPHICH用のスプレッディングファクターサイズは2でもよい。例えば、スプレッディングファクターサイズが2の系列w()は、<+1,+1>、<+1、−1>、<+j,+j>、<+j,−j>である。尚、本発明の実施形態において、系列w()は直交系列である。例えば、ある系列w()と該ある系列w()と同じ長さの他のある系列w()は符号領域で直交している。例えば、ある系列w()と該ある系列w()と同じ長さの他のある系列w()は複素平面領域で直交している。
基地局装置3は、ステップS1004において系列wの乗算およびスクランブルが行なわれた変調シンボルの系列をリソースエレメントに配置する(ステップS1006)。
図18は、本発明の実施形態に係る第一のPHICHグループのリソースエレメントへの配置の一例を示す図である。図18において、縦軸は周波数領域を示す。図18は、サブフレーム内の1番目のOFDMシンボルのみを示す。図18において、斜線でハッチングされた四角はCRSが配置されるリソースエレメントを示す。図18において、番号iが付された四角はi番の第一のPHICHグループが配置されるリソースエレメントを示す。図18において、太い線の四角はリソースエレメントグループを示す。
図18において、単一の第一のPHICHグループは3つのリソースエレメントグループに配置される。同じ第一のPHICHグループが配置される3つのリソースエレメントグループは、周波数領域において間隔が均等になるように配置される。また、隣接する番号の複数の第一のPHICHグループは、周波数領域において隣接するリソースエレメントグループに配置される。尚、第一のPHICHグループは、PCFICHが配置されるリソースエレメントグループ以外のリソースエレメントグループに配置される。以下、第一のPHICH(グループ)が配置されるリソースエレメントを第一のリソースとも称する。第一のリソースは第一のPDCCH領域のリソースである。
図19は、本発明の実施形態に係る第二のPHICHグループのリソースエレメントへの配置の一例を示す図である。図19において、縦軸は周波数領域を示す。図19は、サブフレーム内の4番目のOFDMシンボルのみを示す。図19において、番号iが付された四角はi番の第二のPHICHグループが配置されるリソースエレメントを示す。
図19において、第二のPHICHグループは、第二のPDCCH領域のリソースエレメントに配置される。図19において、単一の第二のPHICHグループは3つのリソースエレメントに配置される。同じ第二のPHICHグループが配置される3つのリソースエレメントは、周波数領域において非連続である。また、同じ第二のPHICHグループが配置される3つのリソースエレメントは、異なる物理リソースブロックを構成するリソースエレメントである。また、隣接する番号の複数の第二のPHICHグループは、周波数領域において隣接するリソースエレメントに配置される。以下、第二のPHICH(グループ)が配置されるリソースエレメントを第二のリソースとも称する。第二のリソースは第二のPDCCH領域のリソースである。
PUSCH送信に対応するPHICHリソース(PHICHグループの番号ngroup PHICHおよび該PHICHグループ内の系列インデックスnseq PHICH)は、(3)式および(4)式に基づいて特定される。基地局装置3は、(3)式および(4)式に基づいて特定されるPHICHリソースを用いてACKまたはNACKを移動局装置5に送信する。また、移動局装置5は、(3)式および(4)式に基づいて特定されるPHICHリソースを用いてACKまたはNACKを基地局装置3から受信する。
IPRB_RAは、該PUSCH送信の第一のスロット内の最も低い物理リソースブロックインデックスである。nDMRSは、該PUSCH送信が関連する最新の(most recent)下りリンク制御情報内の“DMRSに対するサイクリックシフトフィールド(cyclic shift for DMRS field)”に配置される情報ビットの値から決定する値である。“DMRSに対するサイクリックシフトフィールド(cyclic shift for DMRS field)”に配置される情報ビットは、該PUSCHとともに送信されるDMRSに適用されるサイクリックシフトの値を移動局装置5に通知するために使用される。
例えば、第二のPHICHグループの数が25であり、PUSCH送信の第一のスロット内の最も低い物理リソースブロックインデックスが30であり、“DMRSに対するサイクリックシフトフィールド(cyclic shift for DMRS field)”に配置される情報ビットに対応する値が1である場合、該PUSCH送信に対応する第二のPHICHグループの番号は6、該第二のPHICHグループ内の系列インデックスは0である。
以下、本実施形態の装置構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る移動局装置5の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、移動局装置5は、上位層処理部101、制御部103、受信部105、送信部107と送受信アンテナ109を含んで構成される。また、上位層処理部101は、無線リソース制御部1011、スケジューリング情報解釈部1013およびPHICHリソース決定部1015を含んで構成される。また、受信部105は、復号化部1051、復調部1053、多重分離部1055、無線受信部1057とチャネル測定部1059を含んで構成される。また、送信部107は、符号化部1071、変調部1073、多重部1075、無線送信部1077と上りリンク参照信号生成部1079を含んで構成される。
上位層処理部101は、ユーザの操作等により生成された上りリンクデータ(トランスポートブロック)を、送信部107に出力する。また、上位層処理部101は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行なう。
上位層処理部101が備える無線リソース制御部1011は、自装置の各種設定情報の管理を行なう。また、無線リソース制御部1011は、上りリンクの各チャネルに配置される情報を生成し、送信部107に出力する。
上位層処理部101が備えるスケジューリング情報解釈部1013は、受信部105を介して受信した物理チャネル(PUSCHやPDSCHなど)のスケジューリングに用いられる情報の解釈をする。スケジューリング情報解釈部1013は、前記情報を解釈した結果に基づき、受信部105、および送信部107の制御を行なうために制御情報を生成し、制御部103に出力する。
上位層処理部101が備えるPHICHリソース決定部1015は、(3)式および(4)式に基づいて、移動局装置5が送信したPUSCHに対応するPHICHリソースを決定する。PHICHリソース決定部1015は、PUSCHのスケジューリングに用いられる制御情報の送信に第一のPDCCHが使用された場合、第一のPHICHリソースの中から該PUSCHに対応する第一のPHICHリソースを決定する。PHICHリソース決定部1015は、PUSCHのスケジューリングに用いられる制御情報の送信に第二のPDCCHが使用された場合、第二のPHICHリソースの中から該PUSCHに対応する第二のPHICHリソースを決定する。
制御部103は、上位層処理部101からの制御情報に基づいて、受信部105、および送信部107の制御を行なう制御信号を生成する。制御部103は、生成した制御信号を受信部105、および送信部107に出力して受信部105、および送信部107の制御を行なう。
受信部105は、制御部103から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ109を介して基地局装置3から受信した受信信号を、分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部101に出力する。
無線受信部1057は、送受信アンテナ109を介して受信した下りリンクの信号を、中間周波数に変換し(ダウンコンバート: down covert)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。無線受信部1057は、変換したディジタル信号からガードインターバル(Guard Interval: GI)に相当する部分を除去し、ガードインターバルを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出する。
多重分離部1055は、抽出した信号をPHICH、PDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号に、それぞれ分離する。また、多重分離部1055は、チャネル測定部1059から入力された伝搬路の推定値から、PHICHとPDCCHとPDSCHの伝搬路の補償を行なう。また、多重分離部1055は、分離した下りリンク参照信号をチャネル測定部1059に出力する。
復調部1053は、PHICHに対して対応する系列wを乗算して合成し、合成した信号に対してBPSK(Binary Phase Shift Keying)変調方式の復調を行ない、復号化部1051へ出力する。復号化部1051は、自装置宛てのPHICHを復号し、復号したHARQインディケータを上位層処理部101に出力する。復調部1053は、PDCCHに対して、QPSK変調方式の復調を行ない、復号化部1051へ出力する。復号化部1051は、PDCCHのブラインドデコーディングを試み、ブラインドデコーディングに成功した場合、復号した下りリンク制御情報と下りリンク制御情報に含まれていたRNTIを上位層処理部101に出力する。
復調部1053は、PDSCHに対して、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM等の下りリンクアサインメントで通知された変調方式の復調を行ない、復号化部1051へ出力する。復号化部1051は、下りリンク制御情報で通知された符号化率に関する情報に基づいて復号を行い、復号した下りリンクデータ(トランスポートブロック)を上位層処理部101へ出力する。
チャネル測定部1059は、多重分離部1055から入力された下りリンク参照信号から下りリンクのパスロスを測定し、測定したパスロスを上位層処理部101へ出力する。また、チャネル測定部1059は、多重分離部1055から入力された下りリンク参照信号からチャネル状態情報を算出し、算出したチャネル状態情報を上位層処理部101へ出力する。また、チャネル測定部1059は、下りリンク参照信号から下りリンクの伝搬路の推定値を算出し、多重分離部1055へ出力する。
送信部107は、制御部103から入力された制御信号に従って、上りリンク参照信号を生成し、上位層処理部101から入力された上りリンクデータ(トランスポートブロック)を符号化および変調し、PUCCH、PUSCH、および生成した上りリンク参照信号を多重し、送受信アンテナ109を介して基地局装置3に送信する。
符号化部1071は、上位層処理部101から入力された上りリンク制御情報を畳込み符号化、ブロック符号化等の符号化を行う。また、符号化部1071は、PUSCHのスケジューリングに用いられる情報に基づきターボ符号化を行なう。
変調部1073は、符号化部1071から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM等の下りリンク制御情報で通知された変調方式または、チャネル毎に予め定められた変調方式で変調する。変調部1073は、PUSCHのスケジューリングに用いられる情報に基づき、空間多重されるデータの系列の数を決定し、MIMO SMを用いることにより同一のPUSCHで送信される複数の上りリンクデータを、複数の系列にマッピングし、この系列に対してプレコーディング(precoding)を行なう。
上りリンク参照信号生成部1079は、基地局装置3を識別するための物理レイヤセル識別子(physical cell identity: PCI、Cell IDなどと称する。)、上りリンク参照信号を配置する帯域幅、上りリンクグラントで通知されたサイクリックシフト、DMRSシーケンスの生成に対するパラメータの値などを基に、予め定められた規則で求まる系列を生成する。多重部1075は、制御部103から入力された制御信号に従って、PUSCHの変調シンボルを並列に並び替えてから離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform: DFT)する。また、多重部1075は、PUCCHとPUSCHの信号と生成した上りリンク参照信号を送信アンテナポート毎に多重する。つまり、多重部1075は、PUCCHとPUSCHの信号と生成した上りリンク参照信号を送信アンテナポート毎にリソースエレメントに配置する。
無線送信部1077は、多重された信号を逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)して、SC−FDMA方式の変調を行い、SC−FDMA変調されたSC−FDMAシンボルにガードインターバルを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号から中間周波数の同相成分および直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去し、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート: up convert)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送受信アンテナ109に出力して送信する。
図2は、本発明の実施形態に係る基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、基地局装置3は、上位層処理部301、制御部303、受信部305、送信部307、および、送受信アンテナ309、を含んで構成される。また、上位層処理部301は、無線リソース制御部3011、スケジューリング部3013とPHICHリソース制御部3015とを含んで構成される。また、受信部305は、復号化部3051、復調部3053、多重分離部3055、無線受信部3057とチャネル測定部3059を含んで構成される。また、送信部307は、符号化部3071、変調部3073、多重部3075、無線送信部3077と下りリンク参照信号生成部3079を含んで構成される。
上位層処理部301は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行なう。また、上位層処理部301は、受信部305、および送信部307の制御を行なうために制御情報を生成し、制御部303に出力する。
上位層処理部301が備える無線リソース制御部3011は、下りリンクのPDSCHに配置される下りリンクデータ(トランスポートブロック)、RRCシグナル、MAC CE(Control Element)を生成し、又は上位ノードから取得し、送信部307に出力する。また、無線リソース制御部3011は、移動局装置5各々の各種設定情報の管理をする。例えば、無線リソース制御部3011は、セルの管理や周期的なチャネル状態情報の報告の管理などを行なう。
上位層処理部301が備えるスケジューリング部3013は、チャネル測定部3059から入力された伝搬路の推定値やチャネル状態情報などから、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)を割り当てる周波数およびサブフレーム、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)の符号化率および変調方式および送信電力などを決定する。スケジューリング部3013は、スケジューリング結果に基づき、受信部305、および送信部307の制御を行なうために制御情報を生成し、制御部303に出力する。スケジューリング部3013は、スケジューリング結果に基づき、物理チャネル(PDSCHおよびPUSCH)のスケジューリングに用いられる情報を生成する。スケジューリング部3013は、生成した情報を送信部307へ出力する。スケジューリング部3013は、PUSCHを用いて受信したトランスポートブロックに対するACKまたはNACKを生成し、生成したACKまたはNACKを送信部307へ出力する。
上位層処理部301が備えるPHICHリソース制御部3015は、第一のPHICHリソースおよび第二のPHICHリソースを制御する。例えば、PHICHリソース制御部3015は、第一のPHICHグループの数および/または第二のPHICHリソースグループの数を制御する。例えば、PHICHリソース制御部3015は、受信したトランスポートブロックに対するACKまたはNACKの送信に用いるPHICHリソースを制御する。
制御部303は、上位層処理部301からの制御情報に基づいて、受信部305、および送信部307の制御を行なう制御信号を生成する。制御部303は、生成した制御信号を受信部305、および送信部307に出力して受信部305、および送信部307の制御を行なう。
受信部305は、制御部303から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ309を介して移動局装置5から受信した受信信号を分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部301に出力する。無線受信部3057は、送受信アンテナ309を介して受信された上りリンクの信号を、中間周波数に変換し(ダウンコンバート: down covert)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信された信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。
無線受信部3057は、変換したディジタル信号からガードインターバル(Guard Interval: GI)に相当する部分を除去する。無線受信部3057は、ガードインターバルを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出し多重分離部3055に出力する。
多重分離部1055は、無線受信部3057から入力された信号をPUCCH、PUSCH、上りリンク参照信号などの信号に分離する。尚、この分離は、予め基地局装置3が無線リソース制御部3011で決定し、各移動局装置5に通知した上りリンクグラントに含まれる無線リソースの割り当て情報に基づいて行なわれる。また、多重分離部3055は、チャネル測定部3059から入力された伝搬路の推定値から、PUCCHとPUSCHの伝搬路の補償を行なう。また、多重分離部3055は、分離した上りリンク参照信号をチャネル測定部3059に出力する。
復調部3053は、PUSCHを逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform: IDFT)し、変調シンボルを取得し、PUCCHとPUSCHの変調シンボルそれぞれに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK、16QAM、64QAM等の予め定められた、または自装置が移動局装置5各々に上りリンクグラントで予め通知した変調方式を用いて受信信号の復調を行なう。復調部3053は、移動局装置5各々に上りリンクグラントで予め通知した空間多重される系列の数と、この系列に対して行なうプリコーディングを指示する情報に基づいて、MIMO SMを用いることにより同一のPUSCHで送信された複数の上りリンクデータの変調シンボルを分離する。
復号化部3051は、復調されたPUCCHとPUSCHの符号化ビットを、予め定められた符号化方式の、予め定められた、又は自装置が移動局装置5に上りリンクグラントで予め通知した符号化率で復号を行ない、復号した上りリンクデータと、上りリンク制御情報を上位層処理部101へ出力する。PUSCHが再送信の場合は、復号化部3051は、上位層処理部301から入力されるHARQバッファに保持している符号化ビットと、復調された符号化ビットを用いて復号を行なう。チャネル測定部309は、多重分離部3055から入力された上りリンク参照信号から伝搬路の推定値、チャネルの品質などを測定し、多重分離部3055および上位層処理部301に出力する。
送信部307は、制御部303から入力された制御信号に従って、下りリンク参照信号を生成し、上位層処理部301から入力されたHARQインディケータ、下りリンク制御情報、下りリンクデータを符号化、および変調し、PHICH、PDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号を多重して、送受信アンテナ309を介して移動局装置5に信号を送信する。
符号化部3071は、上位層処理部301から入力されたHARQインディケータ(ACKまたはNACK)、下りリンク制御情報、および下りリンクデータを、ブロック符号化、畳込み符号化、ターボ符号化等の予め定められた符号化方式を用いて符号化を行なう、または無線リソース制御部3011が決定した符号化方式を用いて符号化を行なう。変調部3073は、符号化部3071から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM等の予め定められた、または無線リソース制御部3011が決定した変調方式で変調する。
下りリンク参照信号生成部3079は、基地局装置3を識別するための物理レイヤセル識別子(PCI)などを基に予め定められた規則で求まる、移動局装置5が既知の系列を下りリンク参照信号として生成する。多重部3075は、変調された各チャネルの変調シンボルと生成された下りリンク参照信号を多重する。つまり、多重部3075は、変調された各チャネルの変調シンボルと生成された下りリンク参照信号をリソースエレメントに配置する。
無線送信部3077は、多重された変調シンボルなどを逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)して、OFDM方式の変調を行い、OFDM変調されたOFDMシンボルにガードインターバルを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号から中間周波数の同相成分および直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去し、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート: up convert)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送受信アンテナ309に出力して送信する。
以上のように、本発明の実施形態では、移動局装置3は、PUSCHを用いてトランスポートブロックを基地局装置3に送信し、第一のPHICHまたは第二のPHICHを用いて、前記トランスポートブロックに対するACK/NACKを基地局装置3から受信する。また、前記第一のPHICHは第一の系列が乗算され、前記第二のPHICHは第二の系列が乗算される。また、異なる第一の系列が乗算された、8つまでの前記第一のPHICHが同一の第一のリソースに配置される。また、異なる第二の系列が乗算された、2つまでの前記第二のPHICHが同一の第二のリソースに配置される。また、前記第一の系列の長さは4であり、前記第二の系列の長さは1である。
これにより、周波数領域での干渉コーディネーションをサポートし、移動局装置5において固有の参照信号(UE−specific RS)を用いて信号の復調を行うことができる第二のPHICHを用いてACK/NACKを送信することができ、効率的な通信が可能となる。具体的には、基地局装置3は、セル間の干渉が低い第二のPDCCH領域内に第二のPHICHを配置することができ、第二のPHICHの信号が受ける干渉を低減することができる。具体的には、基地局装置3は、第二のPHICHの信号に対してビームフォーミングを適用することができる。具体的には、移動局装置5は、UE−specific RSを用いてACK/NACKの送受信に用いられるチャネルの信号を復調することができる。具体的には、移動局装置5は、第一のPHICHと第二のPHICHに対して、異なる長さの系列を乗算することによって、PHICHの効率的に多重することができる。
なお、本発明の実施形態では、説明の簡略化のため、第二のPDCCHが配置される可能性があるリソースの領域を第二のPDCCH領域と定義したが、異なる文言で定義されても、類似した意味を持つのであれば、本発明を適用できることは明らかである。
また、移動局装置5とは、移動する端末に限らず、固定端末に移動局装置5の機能を実装することなどにより本発明を実現しても良い。
以上説明した本発明の特徴的な手段は、集積回路に機能を実装し、制御することによっても実現することができる。
本発明の実施形態に記載の動作をプログラムで実現してもよい。本発明に関わる移動局装置5および基地局装置3で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送することができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における移動局装置5および基地局装置3の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置5および基地局装置3の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。移動局装置5および基地局装置3の各機能ブロックは、複数の回路により実現してもよい。
情報及び信号が、種々の異なるあらゆる技術及び方法を用いて示され得る。例えば上記説明を通して参照され得るチップ、シンボル、ビット、信号、情報、コマンド、命令、及びデータは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光学場または光粒子、またはこれらの組み合わせによって示され得る。
本明細書の開示に関連して述べられた種々の例示的な論理ブロック、処理部、及びアルゴリズムステップが、電子的なハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両者の組み合わせとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアとのこの同義性を明瞭に示すために、種々の例示的な要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップが、概してその機能性に関して述べられてきた。そのような機能性がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、個々のアプリケーション、及びシステム全体に課された設計の制約に依存する。当業者は、各具体的なアプリケーションにつき種々の方法で、述べられた機能性を実装し得るが、そのような実装の決定は、この開示の範囲から逸脱するものとして解釈されるべきではない。
本明細書の開示に関連して述べられた種々の例示的な論理ブロック、処理部は、本明細書で述べられた機能を実行するように設計された汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイシグナル(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものによって、実装または実行され得る。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであっても良いが、代わりにプロセッサは従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスを組み合わせたものとして実装されても良い。例えば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと接続された一つ以上のマイクロプロセッサ、またはその他のそのような構成を組み合わせたものである。
本明細書の開示に関連して述べられた方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール、またはこれら2つを組み合わせたものによって、直接的に具体化され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または本分野で既知のあらゆる形態の記録媒体内に存在し得る。典型的な記録媒体は、プロセッサが情報を記録媒体から読み出すことが出来、また記録媒体に情報を書き込むことが出来るように、プロセッサに結合され得る。別の方法では、記録媒体はプロセッサに一体化されても良い。プロセッサと記録媒体は、ASIC内にあっても良い。ASICは、移動局装置(ユーザ端末)内にあり得る。あるいは、プロセッサ及び記録媒体は、ディスクリート要素として移動局装置5内にあっても良い。
1つまたはそれ以上の典型的なデザインにおいて、述べられた機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらを組み合わせたもので実装され得る。もしソフトウェアによって実装されるのであれば、機能は、コンピュータ読み取り可能な媒体上の一つ以上の命令またはコードとして保持され、または伝達され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータプログラムをある場所から別の場所への持ち運びを助ける媒体を含むコミュニケーションメディアやコンピュータ記録メディアの両方を含む。記録媒体は、汎用または特殊用途のコンピュータによってアクセスされることが可能な市販のいずれの媒体であって良い。一例であってこれに限定するものではないものとして、このようなコンピュータ読み取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CDROMまたはその他の光ディスク媒体、磁気ディスク媒体またはその他の磁気記録媒体、または汎用または特殊用途のコンピュータまたは汎用または特殊用途のプロセッサによりアクセス可能とされ且つ命令またはデータ構造の形で所望のプログラムコード手段を持ち運びまたは保持するために使用可能な媒体を含むことが出来る。また、あらゆる接続が、適切にコンピュータ読み取り可能な媒体と呼ばれる。例えば、もしソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外、無線、またマイクロ波のような無線技術を用いて、ウェブサイト、サーバ、またはその他の遠隔ソースから送信される場合には、これらの同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外、無線、またマイクロ波のような無線技術が、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(disk、disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光学ディスク、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、ブルーレイディスク、を含み、ディスク(disk)は、一般的に、磁気的にデータを再生する一方で、ディスク(disc)はレーザによって光学的にデータを再生する。上記のものを組み合わせたものもまた、コンピュータ読み取り可能な媒体に含まれるべきである。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。