以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。また、図面は、模式的なものであり、各部の寸法や比率は、現実と異なることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置のユーザに面する側(前面側)の構成を示す斜視図である。図1および図2に示すように、撮像装置1は、本体部2と、本体部2に着脱自在なレンズ部3と、を備える。
本体部2は、シャッタ10と、シャッタ駆動部11と、撮像素子12と、撮像素子駆動部13と、信号処理部14と、A/D変換部15と、画像処理部16と、AE処理部17と、AF処理部18と、画像圧縮展開部19と、入力部20と、表示部21と、表示駆動部22と、記録媒体23と、メモリI/F24と、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)25と、Flashメモリ26と、本体通信部27と、バス28と、制御部29と、を備える。
シャッタ10は、撮像素子12の状態を露光状態または遮光状態に設定する。シャッタ駆動部11は、ステッピングモータ等を用いて構成され、制御部29から入力される信号に応じてシャッタ10を駆動する。
撮像素子12は、レンズ部3が集光した光を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いて構成される。撮像素子駆動部13は、所定のタイミングで撮像素子12から画像データ(アナログ信号)を信号処理部14に出力させる。この意味で、撮像素子駆動部13は、電子シャッタとして機能する。
信号処理部14は、撮像素子12から入力されるアナログ信号に対して、アナログ処理を施してA/D変換部15に出力する。具体的には、信号処理部14は、アナログ信号に対して、ノイズ低減処理およびゲインアップ処理等を行う。たとえば、信号処理部14は、アナログ信号に対して、リセットノイズ等を低減した上で波形整形を行い、さらに目的の明るさとなるようにゲインアップを行う。
A/D変換部15は、信号処理部14から入力されるアナログ信号に対してA/D変換を行うことによってデジタルの画像データを生成し、バス28を介してSDRAM25に出力する。
画像処理部16は、バス28を介してSDRAM25から画像データを取得し、取得した画像データ(RAWデータ)に対して各種の画像処理を行って処理画像データを生成する。この処理画像データは、バス28を介してSDRAM25に出力される。画像処理部16は、基本画像処理部161と、アート効果画像処理部162と、動画中特殊効果画像処理部163と、を有する。
基本画像処理部161は、画像データに対して、少なくとも、オプティカルブラック減算処理、ホワイトバランス(WB)調整処理、撮像素子12がベイヤー配列の場合には画像データの同時化処理、カラーマトリクス演算処理、ガンマ補正処理、色再現処理およびエッジ強調処理等を含む基本の画像処理を行う。また、基本画像処理部161は、予め設定された各画像処理のパラメータに基づいて、自然な画像を再現する仕上がり効果処理を行って仕上がり効果画像データを生成する。ここで、各画像処理のパラメータとは、コントラスト、シャープネス、彩度、ホワイトバランスおよび階調の値である。
アート効果画像処理部162は、1つの画像データに対して複数の画像処理を組み合わせることにより、視覚的な効果を生じさせるアート効果処理を行って処理画像データ(以下、「アート効果画像データ」という)を生成する。
図3は、アート効果画像処理部162が行うアート効果画像処理の概要を示す図である。図3ではアート効果画像処理として、ファンタジックフォーカス、ファンタジックフォーカス+スターライト、ファンタジックフォーカス+ホワイトエッジ、ポップアート、ポップアート+スターライト、ポップアート+ピンホール、ポップアート+ホワイトエッジ、トイフォト、ラフモノクローム、ジオラマの10種類が記載されている。以下、これらのアート効果画像処理について説明する。
ファンタジックフォーカスは、画像全体にぼかし処理を施し、ぼかす前の画像と一定の割合で合成するソフトフォーカスの効果を与える処理である。ファンタジックフォーカスは、中間の輝度をより明るくするトーンカーブ処理を行うことにより、柔らかいトーンの中で、被写体のディテールを残しながら、幸福な光に包まれたように美しく幻想的な雰囲気の画像を結像または生成する。ファンタジックフォーカスは、たとえばトーンカーブ処理、ぼかし処理、アルファブレンド処理および画像合成処理等の画像処理を組み合わせることによって実現される。
ファンタジックフォーカス+スターライトは、ファンタジックフォーカスに加えて、画像中の高輝度部に対してクロスパターンを描写するクロスフィルター効果を施す処理である。
ファンタジックフォーカス+ホワイトエッジは、ファンタジックフォーカスに加えて、画像の中心部から周辺部(周縁部)に行くにしたがって徐々に白味を帯びる効果が施す処理である。このような白味の効果は、画像の中心からの距離が大きいほど周辺部が白くなるように画素値を変更することによって得られる。
ポップアートは、色をカラフルに強調し、明るく楽しい雰囲気を表現する処理である。ポップアートは、たとえば彩度強調処理およびコントラスト強調処理を組み合わせることによって実現される。全体に高コントラストで高彩度の効果である。
ポップアート+スターライトは、ポップアートとスターライトを重ねて施す処理である。この場合には、カラフルな画像にクロスフィルターを施した効果が得られる。
ポップアート+ピンホールは、ポップアートに加えて、画像の周辺部をシェーディングによって暗くして穴から覗き込むような効果を与えるトイフォト(ピンホール)を施す処理である。トイフォトの詳細については、後述する。
ポップアート+ホワイトエッジは、ポップアートとホワイトエッジを重ねて施す処理である。
トイフォトは、画像の中心からの距離が大きいほど輝度が小さく(暗く)なるようにして、あたかも穴から覗き込んで異空間に迷い込んだような効果を生じさせる処理である。トイフォトは、たとえばローパスフィルタ処理、ホワイトバランス処理、コントラスト処理、色相・彩度処理に加え、輝度信号に対して周辺ほど小さい係数を乗じるシェーディング処理等の画像処理を組み合わせることによって実現される(トイフォト、シェーディングの詳細な内容については、たとえば特開2010−74244号公報を参照)。
ラフモノクロームは、高コントラストとフィルムの粒状のノイズを付加してモノクロ画像の力強さや荒々しさを表現する処理である。ラフモノクロームは、たとえばエッジ強調処理、レベル補正最適化処理、ノイズパターン重畳処理、合成処理およびコントラスト処理等を組み合わせることによって実現される(ラフモノクロームの詳細な内容については、たとえば特開2010−62836号公報を参照)。このうち、ノイズパターン重畳処理(ノイズ付加処理)は、予め作成したノイズパターン画像をもとの画像に加算する処理である。ノイズパターン画像は、たとえば乱数などを発生させ、この乱数に基づいて生成してもよい。
ジオラマは、高コントラストで高彩度の画像に、画像の周縁部をぼかすことにより、ミニチュア模型やおもちゃを見ているかのような雰囲気を画面上に作り出す処理である。ジオラマは、たとえば色相・彩度処理、コントラスト処理、周辺ぼかし処理および合成処理等を組み合わせることによって実現される。このうち、周辺ぼかし処理は、画像の中心からの距離に応じ、周辺部ほどぼける度合いが大きくなるように、画像の位置に応じてローパス係数を変更しながらローパスフィルタ処理を行うものである。なお、周辺ぼかし処理として、画像の上下のみ、または画像の左右のみをぼかすようにしてもよい。
動画中特殊効果画像処理部163は、動画の画像データに対応する複数のフレームにわたって視覚的な効果を生じさせる複数の動画特殊効果のいずれかを画像データに付与する。具体的には、動画中特殊効果画像処理部163は、動画を記録する際、画像に特殊効果を加える画像処理を行う。動画中特殊効果画像処理部163が行う動画中特殊効果としては、たとえばマルチエコー、ワンショットエコー、トランジット、揺らぎがある。以下、これらの動画中特殊効果について説明する。
図4は、マルチエコーの概要を説明する図である。マルチエコーとは、直前の記録用画像と今撮影した画像の画像を所定の期間繰り返すことによって画像に残像が残る効果である。具体的には、図4に示すように、ボール101が動く軌跡を残像として表示することができる効果である。
動画中特殊効果画像処理部163は、動画中特殊効果としてマルチエコーが設定されている場合、開始トリガが入力されると、その直後に生成された画像に対して、一つ前のフレームの画像を所定の割合で合成する処理(マルチエコー処理)を行う。
図4に示す場合、動画中特殊効果画像処理部163は、開始トリガの入力直後の撮影画像P1と、その一つの前のフレームの撮影画像P0に対応する記録画像R0とを合成することによって、マルチエコー画像R1を生成する。この合成の際、各画素において、撮影画像P1の信号に係数0.6を乗じる一方、記録画像R0の信号に係数0.4を乗じる。
続いて、動画中特殊効果画像処理部163は、次のフレームの撮影画像P2と合成画像R1とを合成することによってマルチエコー画像R2を生成する。マルチエコー画像R2を生成する際には、各画素において、撮影画像P2の信号に係数0.6を乗じる一方、合成画像R1の信号に係数0.4を乗じる。
動画中特殊効果画像処理部163は、終了トリガが入力されるまで、上述した合成処理を繰り返し行うことによってマルチエコー画像を順次生成する。終了トリガが入力されると、記録媒体23には、撮影画像P5に対応する記録画像R5が記録される。
図5は、ワンショットエコーの概要を説明する図である。ワンショットエコーとは、特定のフレームの画像(一瞬の画像)が徐々に薄くなりながら消えていく効果である。具体的には、図5に示すように、特定の時間に撮影されたボール101がしばらくの間撮影画像に残像として残るような効果である。
動画中特殊効果画像処理部163は、動画中特殊効果としてワンショットエコーが設定されている場合、開始トリガが入力されると、その直後に撮影して記録された画像データを一旦SDRAM25に保存し、この画像データをその後に撮影された画像データに対して時間とともに徐々に重みが減衰するように合成していく処理(ワンショットエコー処理)を行う。
図5に示す場合、開始トリガの入力直後に撮影された撮影画像P1は、SDRAM25に記録される(以下、SDRAM画像S1という)。動画中特殊効果画像処理部163は、SDRAM25が記録するSDRAM画像S1と最新の撮影画像とを所定の比率で合成する。
図5に示す場合、開始トリガの入力直後には、撮影画像P1に対応するワンショットエコー画像R11が表示される。
その後、時間t=t2において、動画中特殊効果画像処理部163は、SDRAM画像S1と撮影画像P2とを合成することによってワンショットエコー画像R12を生成する。この合成を行う際、各画素において、SDRAM画像S1の信号に係数a1=0.8を乗じる一方、撮影画像P2の信号に係数1−a1=0.2を乗じる。
その後、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t3において、SDRAM画像S1の信号に乗じる係数をa=0.4、撮影画像P3の信号に乗じる係数を1−a=0.6として合成したワンショットエコー画像R13を生成する。
その後、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t4において、SDRAM画像S1の信号に乗じる係数をa=0.2、撮影画像P4の信号に乗じる係数を1−a=0.8として合成したワンショットエコー画像R14を生成する。
その後、時間t=t5において係数a=0となるため、撮影画像P5が記録画像R5となる。
図6は、最新の撮影画像に合成されるSDRAM画像の合成比率の時間変化を示す図である。図6において、横軸tが開始トリガの入力時点(t=0)からの経過時間であり、縦軸aがSDRAM画像S1の各画素の信号に乗じる係数である。
図6に示すように、係数aは、t=0でa1であり、時間とともに滑らかに減少していき、開始トリガ入力から所定時間t5経過した時点で0となる。すなわち、SDRAM画像S1の合成画像中に占める割合は、時間とともに徐々に減少していく設定がなされている。これにより、SDRAM画像S1が時間とともに徐々に消えていくような画像を作り出すことができる。
なお、図6に示す曲線は、一例に過ぎず、時間とともに係数aが減衰するなどして一定時間で係数aが0となるように滑らかに変化する曲線であればどのようなものでもよく、たとえば、係数aが一定値をとる期間を含む曲線であってもよい。
また、係数aは、開始トリガからのフレーム数に応じて定めるようにしてもよい。この場合には、フレーム単位で徐々に係数aの値を減少させながら、所定のフレーム数(たとえば120フレーム)で係数が0となるようにすればよい。
図7は、トランジットの概要を説明する図である。トランジットは、1つの画像に対して付与されるアート効果が、別のアート効果へと徐々に比率を変えながら変わっていく効果である。図7では、アート効果Aからアート効果Bへ変化するトランジットを模式的に示している。図7において、トランジットの開始トリガの入力直前は、撮影画像P0に対してアート効果Aを施したアート効果画像A0が生成される。トランジットでアート効果の切り替え開始から切り替え終了までに要する時間は、適宜設定可能である。
図7に示す場合、開始トリガの入力前は、アート効果Aが設定されているものとする。すなわち、開始トリガの入力直前において、アート効果画像処理部162は、撮影画像P0にアート効果Aを施したアート効果画像R20を形成しているものとする。
開始トリガが入力されると、動画中特殊効果画像処理部163は、撮影画像P1にアート効果Aを施したアート効果画像A1の信号に係数b(=b0)=0.8を乗じる一方、撮影画像P1にアート効果Bを施したアート効果画像B1の信号に係数1−b(=1−b0)=0.2を乗じた二つの画像を合成することによってトランジット画像R21を生成する。
その後、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t12において、撮影画像P2にアート効果Aを施したアート効果画像A2の信号に乗じる係数をb=0.6とし、撮影画像P2にアート効果Bを施したアート効果画像B2の信号に乗じる係数を1−b=0.4として合成したトランジット画像R22を生成する。
その後、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t13において、撮影画像P3にアート効果Aを施したアート効果画像A3の信号に乗じる係数をb=0.4とし、撮影画像P3にアート効果Bを施したアート効果画像B3の信号に乗じる係数を1−b=0.6として合成したトランジット画像R23を生成する。
その後、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t14において、撮影画像P4にアート効果Aを施したアート効果画像A4の信号に乗じる係数をb=0.2とし、撮影画像P4にアート効果Bを施したアート効果画像B4の信号に乗じる係数を1−b=0.8として合成したトランジット画像R24を生成する。
その後、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t15において、撮影画像P5にアート効果Bのみを施した(b=0)トランジット画像R25を生成する。
図8は、トランジット処理において開始トリガの入力前から付与されているアート効果の合成比率(係数)bの時間変化を示す図である。図8に示すように、係数bは、t=0でb0であり、時間とともに滑らかに減少していき、開始トリガ入力から所定時間t15経過した時点で0となる。
なお、図8に示す曲線は一例に過ぎず、時間とともに係数bが減衰するなどして一定時間で係数bが0となるように滑らかに変化する曲線であればどのようなものでもよく、例えば係数bが一定値をとる期間を含む曲線でもよい。
また、係数bを、開始トリガからのフレーム数に応じて定めるようにしてもよい。この場合には、フレーム単位で滑らかに係数bの値を減少させながら、所定のフレーム数(例えば120フレーム)で係数が0となるようにすればよい。
図9は、揺らぎの概要を示す図である。揺らぎとは、動画中の各フレームに対して付与するアート効果のかかり具合を時間とともにランダムに変化させることによって得られる効果である。図9では、一例として、アート効果がクロスフィルターである場合を示している。この場合、動画中特殊効果画像処理部163は、クロス102を時間とともにランダムに回転させるとともに、クロス102の大きさを時間とともにランダムに変化させることによって揺らぎを与える。
図1に戻り、引き続き、撮像装置1の構成を説明する。
AE処理部17は、バス28を介してSDRAM25に記録された画像データを取得し、取得した画像データに基づいて、静止画撮影または動画撮影を行う際の露出条件を設定する。具体的には、AE処理部17は、画像データから輝度を算出し、算出した輝度に基づいて、たとえば絞り値(F値)の設定値、シャッタ速度等を決定することで撮像装置1の自動露出を行う。
AF処理部18は、バス28を介してSDRAM25に記録された画像データを取得し、取得した画像データに基づいて、撮像装置1の自動焦点の調整を行う。たとえば、AF処理部18は、画像データから高周波成分の信号を取り出し、高周波成分の信号に対してAF(Auto Focus)演算処理を行うことによって、撮像装置1の合焦評価を決定することで撮像装置1の自動焦点の調整を行う。
画像圧縮展開部19は、バス28を介してSDRAM25から画像データを取得し、取得した画像データに対して所定の形式に従って圧縮し、この圧縮した画像データをSDRAM25に出力する。ここで、所定の形式としては、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式、MotionJPEG方式およびMP4(H.264)方式等である。また、画像圧縮展開部19は、バス28およびメモリI/F24を介して記録媒体23に記録された画像データ(圧縮画像データ)を取得し、取得した画像データを展開(伸長)してSDRAM25に出力する。なお、記録媒体23の代わりに撮像装置1の内部に記録部を設けてもよい。
入力部20は、静止画撮影および動画撮影における撮影条件を設定する静止画撮影条件設定信号を含む各種設定信号の入力を受け付ける設定信号入力部201と、少なくとも動画撮影の開始を指示する動画撮影開始指示信号の入力を受け付ける動画撮影信号入力部202と、動画中特殊効果画像処理部163に動画特殊効果のいずれかの開始を指示する指示信号の入力を受け付ける動画特殊効果開始信号入力部203と、を有する。
入力部20は、本体部2の表面に設けられた操作信号入力用のユーザインターフェースを用いて実現される。以下、入力部20の一部をなすユーザインターフェースの構成を説明する。
撮像装置1は、操作入力用のユーザインターフェースとして、撮像装置1の電源状態をオン状態またはオフ状態に切替える電源ボタン41と、静止画撮影の指示を与える静止画レリーズ信号の入力を受け付けるレリーズボタン42と、撮像装置1に設定された各種撮影モードを切り替えるモードダイヤル43と、撮像装置1の各種設定を切替える操作ボタン44と、撮像装置1の各種設定を表示部21に表示させるメニューボタン45と、記録媒体23に記録された画像データに対応する画像を表示部21に表示させる再生ボタン46と、動画撮影の指示を与える動画レリーズ信号の入力を受け付ける動画ボタン47と、撮像装置1の各種機能を設定するファンクションキー48と、データを消去する消去ボタン49と、表示部21の表示画面に重ねて設けられ、外部からの接触位置に応じた入力信号を受け付けるタッチパネル50とを有する。
レリーズボタン42は、外部からの押圧により進退可能である。レリーズボタン42が半押しされた場合、撮影準備動作を指示する1stレリーズ信号が入力される。これに対し、レリーズボタン42が全押しされた場合、静止画撮影を指示する2ndレリーズ信号が入力される。
操作ボタン44は、メニュー画面等における選択設定入力を行うために上下左右方向に十字状をなす十字キー441と、十字キー441による選択を確定する決定ボタン442とを有する。十字キー441は、上矢印キー443、下矢印キー444、左矢印キー445、右矢印キー446からなる。
以上説明したユーザインターフェースのうち、動画ボタン47以外のボタンは設定信号入力部201の一部をなす。また、動画ボタン47は、動画撮影信号入力部202の一部をなす。さらに、操作ボタン44は、撮像装置1が動画撮影を行っている際に動画特殊効果開始信号入力部203の一部をなす。
図10は、動画記録中でない場合(動画非記録時)と動画記録中である場合(動画記録時)における十字キー441の各矢印キーへの操作割り当て例を示す図である。動画が記録中でない場合、上矢印キー443には、露出補正操作が割り当てられる。下矢印キー444には、連写・単写操作が割り当てられる。左矢印キー445には、AFターゲット操作が割り当てられる。右矢印キー446には、フラッシュ設定操作が割り当てられる。
つぎに、動画記録中である場合を説明する。この場合、上矢印キー443にはワンショットエコー開始操作が割り当てられる。下矢印キー444にはトランジット開始操作が割り当てられる。左矢印キー445は、マルチエコーの開始、停止操作を交互に割り当てトグルキーとして機能する。右矢印キー446には揺らぎ開始操作が割り当てられる。なお、揺らぎの終了を任意に選択できるように設定する場合には、右矢印キー446に対して、揺らぎの開始操作と終了操作とを交互に操作可能なトグルキーとして機能させればよい。
動画記録時における入力ボタンの割り当ては、図10に示すものに限られるわけではない。たとえば、図11に示すように、上矢印キー443に効果開始操作を割り当て、下矢印キー444に効果停止操作を割り当て、左矢印キー445、右矢印キー446に効果切替操作をそれぞれ割り当ててもよい。この場合には、表示部21で設定中の特殊効果を表示するようにすればより好ましい。
また、十字キー441の操作の割当を、使いやすさや操作の使用頻度に応じて割り当てるようにしてもよいし、ユーザが独自に設定できるようにしてもよい。さらに、互いに隣接する二つのキー(たとえば上矢印キー443と右矢印キー446)が両方押された場合には、別の操作を行うことができるような設定にしてもよい。
表示部21は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等からなる表示パネルを用いて構成される。表示駆動部22は、バス28を介してSDRAM25が記録する画像データまたは記録媒体23が記録する画像データを取得し、取得した画像データに対応する画像を表示部21に表示させる。ここで、画像の表示には、撮影直後の画像データを所定時間(たとえば3秒)だけ表示するレックビュー表示、記録媒体23に記録された画像データを生成する再生表示、および撮像素子12が連続的に生成する画像データに対応するライブビュー画像を時系列に沿って順次表示するライブビュー表示等が含まれる。また、表示部21は、撮像装置1の操作情報および撮影に関する情報を適宜表示する。
記録媒体23は、撮像装置1の外部から装着されるメモリカード等を用いて構成される。記録媒体23は、メモリI/F24を介して撮像装置1に着脱自在に装着される。記録媒体23には、その種類に応じた図示しない読み書き装置によって画像処理部16や画像圧縮展開部19が処理を施した画像データが書き込まれ、または読み書き装置によって記録媒体23に記録された画像データが読み出される。また、記録媒体23は、制御部29の制御のもと、メモリI/F24およびバス28を介して撮像プログラムおよび各種情報それぞれをFlashメモリ26に出力してもよい。
SDRAM25は、揮発性メモリを用いて構成される。SDRAM25は、バス28を介してA/D変換部15から入力される画像データ、画像処理部16から入力される処理画像データおよび撮像装置1の処理中の情報を一時的に記録する一次記録部としての機能を有する。例えば、SDRAM25は、信号処理部14、A/D変換部15およびバス28を介して、撮像素子12が1フレーム毎に順次出力する画像データを一時的に記録する。
Flashメモリ26は、不揮発性メモリを用いて構成される。Flashメモリ26は、プログラム記録部261と、特殊効果処理情報記録部262と、画像処理情報記録部263と、を有する。プログラム記録部261は、撮像装置1を動作させるための各種プログラム、撮像プログラムおよびプログラムの実行中に使用される各種データおよび画像処理部16による画像処理の動作に必要な各種パラメータ等を記録する。特殊効果処理情報記録部262は、アート効果画像処理部162が行う各アート効果処理における画像処理の組み合わせ情報を記録する。画像処理情報記録部263は、画像処理部16が実行可能な画像処理に処理時間を対応付けた画像処理情報を記録する。また、Flashメモリ26は、撮像装置1を特定するための製造番号等を記録する。
本体通信部27は、本体部2に装着されたレンズ部3との通信を行うための通信インターフェースである。本体通信部27には、レンズ部3との電気的な接点も含まれる。
バス28は、撮像装置1の各構成部位を接続する伝送路等を用いて構成される。バス28は、撮像装置1の内部で発生した各種データを撮像装置1の各構成部位に転送する。
制御部29は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。制御部29は、画像処理制御部291と、画像処理判定部292と、表示制御部293と、を有する。
画像処理制御部291は、バス28を介して入力される入力部20からの指示信号に応じて、画像処理部16に実行させるべき画像処理の内容を設定し、設定した内容に応じた画像処理を、基本画像処理部161、アート効果画像処理部162、および動画中特殊効果画像処理部163のいずれかに実行させる。また、画像処理制御部291は、後述する画像処理判定部292の判定結果に基づいて、動画中特殊効果画像処理部163における各動画特殊効果の画像データへの付与対応を制御する。具体的には、画像処理制御部291は、動画中特殊効果画像処理部163が複数の動画特殊効果のいずれかを画像データへ付与し、動画特殊効果開始信号入力部203によって複数の動画特殊効果のいずれかの開始を指示する指示信号が入力された場合において、後述する画像処理判定部292によって他の動画特殊効果の付与を開始することが不可能であると判定されたとき、動画中特殊効果画像処理部163に対して他の動画特殊効果の付与を禁止させる。
画像処理判定部292は、各動画特殊効果の前記画像データへの付与を開始することが可能であるか否かを判定する。具体的には、画像処理判定部292は、動画特殊効果開始信号入力部203によって複数の動画特殊効果のいずれかの開始を指示する指示信号が入力されたとき、この指示信号に対応する動画特殊効果の付与を動画中特殊効果画像処理部163に開始させることが可能であるか否かを判定する。たとえば、画像処理判定部29
2は、動画中特殊効果画像処理部163が複数の動画特殊効果のいずれかを画像データへ付与している場合、他の動画特殊効果の付与を開始することが不可能であると判定する。
表示制御部293は、表示部21の表示態様を制御する。具体的には、表示制御部293は、表示駆動部22を駆動し、画像処理部16が画像処理を行った各種画像データに対応する画像を表示部21に表示させる。
制御部29は、バス28を介して入力部20から送信される指示信号に応じて、撮像装置1を構成する各部に対して制御信号や各種データの送信を行うことにより、撮像装置1の動作を統括的に制御する。
制御部29は、レリーズボタン42を介して2ndレリーズ信号が入力された場合、撮像装置1における静止画撮影動作を開始する制御を行う。また、制御部29は、動画ボタン47を介して動画撮影開始信号が入力された場合、撮像装置1における動画撮影動作を開始する制御を行う。ここで、撮像装置1における撮影動作とは、シャッタ駆動部11および撮像素子駆動部13の駆動によって撮像素子12が出力した画像データに対し、信号処理部14、A/D変換部15および画像処理部16が所定の処理を施す動作をいう。このように処理が施された画像データは、画像処理制御部291の制御のもと、画像圧縮展開部19で所定の形式にしたがって圧縮され、バス28およびメモリI/F24を介して記録媒体23に記録される。なお、本実施の形態1では記録媒体23が記録部の一部をなしているが、記録媒体23とは別に撮像装置1の内部に記録部の機能を有する記録領域を確保し、この記録領域に圧縮した画像データを記録するようにしてもよい。
以上の構成を有する本体部2に対して、音声入出力部、被写体に対して補助光(フラッシュ)を発光する補助光発光部、インターネットを介して外部の装置と双方向に通信を行う機能を有する通信部等をさらに設けてもよい。
つぎに、レンズ部3の構成を説明する。レンズ部3は、光学系31と、レンズ駆動部32と、絞り33と、絞り駆動部34と、レンズ操作部35と、レンズFlashメモリ36と、レンズ通信部37と、レンズ制御部38と、を備える。
光学系31は、一または複数のレンズを用いて構成される。光学系31は、所定の視野領域から光を集光する。光学系31は、画角を変化させる光学ズーム機能および焦点を変化させるフォーカス機能を有する。
レンズ駆動部32は、DCモータまたはステッピングモータ等を用いて構成され、光学系31のレンズを光軸L上で移動させることにより、光学系31のピント位置や画角等の変更を行う。
絞り33は、光学系31が集光した光の入射量を制限することにより露出の調整を行う。絞り駆動部34は、ステッピングモータ等を用いて構成され、絞り33を駆動する。
レンズ操作部35は、図2に示すように、レンズ部3のレンズ鏡筒の周囲に設けられるリングであり、レンズ部3における光学ズームの操作を開始する操作信号の入力、またはレンズ部3におけるピント位置の調整を指示する指示信号の入力を受け付ける。なお、レンズ操作部35は、プッシュ式のスイッチ等であってもよい。
レンズFlashメモリ36は、光学系31の位置および動きそれぞれを決定するための制御用プログラム、光学系31のレンズ特性および各種パラメータを記録する。
レンズ通信部37は、レンズ部3が本体部2に装着されたときに、本体部2の本体通信部27と通信を行うための通信インターフェースである。レンズ通信部37には、本体部2との電気的な接点も含まれる。
レンズ制御部38は、CPU等を用いて構成される。レンズ制御部38は、レンズ操作部35の操作信号または本体部2からの指示信号に応じてレンズ部3の動作を制御する。具体的には、レンズ制御部38は、レンズ操作部35の操作信号に応じて、レンズ駆動部32を駆動させてレンズ部3のピント合わせやズーム変更を行うとともに、絞り駆動部34を駆動させて絞り値の変更を行う。なお、レンズ制御部38は、レンズ部3が本体部2に装着された際に、レンズ部3のピント位置情報、焦点距離およびレンズ部3を識別する固有情報等を本体部2に送信するようにしてもよい。
レンズ制御部38は、本体部2の制御部29との間で所定の周期でレンズ通信信号を送受信することによって、本体部2との動作の連携を図っている。図12は、レンズ制御部38と制御部29との同期通信の一例を示すタイミングチャートである。図12(a)は本体部2内の処理を示している。図12(b)は垂直同期信号を示している。図12(c)は撮像、読み出しのタイミングを示している。図12(d)はレンズ通信を示している。図12(e)はレンズ通信同期信号を示している。図12(f)はレンズ位置取得信号を示している。図12(g)はレンズ部3内の処理を示している。
まず、制御部29は、前フレームで取得した画像データによりライブビュー画像の画像処理およびAF評価値の算出等を画像処理部16に実行させるとともに、レンズ制御部38にレンズ状態データを取得するためのレンズ状態データ要求コマンドを送信する(B1、BL)。この際、制御部29は、同期通信モード中に、垂直同期信号と同じ周期でレンズ通信用の同期信号および光学系31の位置情報を取得するタイミングを指示するレンズ位置取得信号を送信する。このレンズ位置取得信号は、図12(c)に示すように撮像素子12の中央部の蓄積時間の1/2が経過した時点で状態が変化する信号である。
レンズ制御部38は、レンズ位置取得信号の状態が変化したタイミングで光学系31の位置情報を取得するとともに、レンズ通信同期信号の受信タイミングでレンズ操作部35の操作状態を検出する(L1)。
続いて、レンズ制御部38は、制御部29から受信したレンズ状態データ要求コマンドへの応答として、工程L1で取得した光学系31の位置情報およびレンズ操作部35の操作状態を含むレンズ状態データを制御部29へ送信する(L2)。
この後、制御部29は、レンズ制御部38から送られてきたレンズ状態データに基づいて、AF評価値の算出や、露出値の変更等の各種設定変更を行う(B2)。
制御部29とレンズ制御部38は、以上説明した処理を周期的に繰り返し行う。
以上のように構成された撮像装置1が行う処理の概要について説明する。図13は、撮像装置1が行う処理の概要を示すフローチャートである。
図13において、まず、ユーザによって電源ボタン41が操作されて、撮像装置1の電源がオン状態なる(ステップS101:Yes)と、制御部29は、撮像装置1の初期化を行う(ステップS102)。この初期化処理において、制御部29は、たとえば動画の記録中を示す記録中フラグをオフ状態にリセットしたり、動画中の特殊効果に関する適用を示す特殊効果フラグをオフ状態にリセットしたり、動画中特殊効果画像処理部163による動画中特殊効果を禁止する動画中特殊効果禁止フラグがオフ状態にリセットしたり、レンズ制御部38との間のレンズ通信(図12を参照)を開始したりする処理を行う。なお、撮像装置1の電源がオフ状態でない場合(ステップS101:No)、撮像装置1は、ステップS101を繰り返す。
続いて、再生ボタン46が操作されることなく(ステップS103:No)、メニューボタン45が操作された場合(ステップS104:Yes)、撮像装置1は、設定を変更するためのメニュー画像を表示し、ユーザの選択操作に応じて撮像装置1の各種条件を設定するカメラ設定処理を実行する(ステップS105)。ステップS105の後、撮像装置1は、後述するステップS107へ移行する。
ここで、カメラ設定処理で設定される内容は、仕上がり効果処理、アート効果処理、静止画記録モード、動画記録モード、動画中特殊効果処理などである。仕上がり効果処理には、たとえば画像を自然な色合いに仕上げる処理であるナチュラル、画像を色鮮やかに仕上げる処理であるビビッド、被写体の素材性を重視して仕上げる処理であるフラット、画像をモノクロ調に仕上げる処理であるモノトーンなどが含まれる。静止画記録モードは、記録対象とする静止画の種類に応じて定められ、たとえばJPEG記録モード、JPEG+RAW記録モード、RAW記録モードなどがある。動画撮影モードは、動画圧縮形式に応じて定められるモードであって、たとえばMotion−JPEGモード、MP4(H.264)モードなどがある。動画中特殊効果処理で設定されるのは、たとえばトランジットによるアート効果の切り替え先や揺らぎなどである。
ステップS103において、再生ボタン46が操作された場合(ステップS103:Yes)、撮像装置1は、再生処理を行う(ステップS106)。この再生処理において、表示制御部293は、記録媒体23に記録されているファイル一覧を表示部21に表示させる。その後、入力部20によって再生画像が選択された場合、記録媒体23から画像データを取得し、取得した画像データを画像圧縮展開部19で展開して表示部21に表示させる。この後、撮像装置1は、後述するステップS112へ移行する。
ステップS103で再生ボタン46が操作されることなく(ステップS103:No)、メニューボタン45が操作されていない場合(ステップS104:No)において、動画ボタン47が操作されたとき(ステップS107:Yes)、撮像装置1は、動画の開始または終了の処理を行う動画設定処理を実行する(ステップS108)。
図14は、動画設定処理の概要を示すフローチャートである。図14において、制御部29は、動画の記録中であることを示す記録中フラグを反転させる(ステップS201)。具体的には、制御部29は、記録中フラグがオン状態にある場合、その記録中フラグをオフ状態に反転させる。
続いて、制御部29は、SDRAM25に記録された記録中フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS202)。記録中フラグがオン状態である場合(ステップS202:Yes)、制御部29は、記録媒体23に画像データを時系列に沿って記録するための動画ファイルを生成して記録媒体23に格納する(ステップS203)。
その後、制御部29は、特殊動画用のユーザインターフェース(UI)を設定する(ステップS204)。この設定により、たとえば図10に示すような動画記録時の割り当てが実行される。制御部29は、ステップS204で設定対象となったユーザインターフェースがこの後で受け付ける信号を、図10に基づく特殊動画用の信号として認識する。
続いて、表示制御部293は、表示部21に表示させる画面上表示(OSD)等の設定を切り替えることによって動画用の画像への切り替えを行う(ステップS205)。具体的には、表示制御部293は、たとえば動画撮影の残り時間や、動画撮影時に特殊効果を適用できることを示すアイコン等を表示する。
図15は、表示部21における動画用の画面表示例を示す図である。図15に示すように、動画用画面Qでは、動画中特殊効果を適用可能であることを示す動画アイコン111、動画用画面キー割り当てを示す画面上表示112および動画撮影の残り時間を表示する残り時間113が表示される。このうち、画面上表示112は、数秒間表示した後に、自動的に消えるようにしてもよいし、常時表示するようにしてもよい。また、設定信号入力部201からの入力によって画面上表示112の表示と非表示を切り替えることができるようにしてもよい。ステップS205の後、撮像装置1は、メインルーチンへ戻る。
ステップS202において、記録中フラグがオフ状態であると判断した場合(ステップS202:No)、制御部29は、静止画用ユーザインターフェースを設定する(ステップS206)。
続いて、表示制御部293は、表示部21における画面上表示等の設定を静止画用に切り替える(ステップS207)。この切り替えにより、表示部21は、たとえば撮影可能な残り記録枚数や、静止画撮影時に特殊効果を適用できることを示すアイコン等を表示する。その後、撮像装置1は、メインルーチンへ戻る。
ステップS107において、動画ボタン47が操作されていない場合(ステップS107:No)または動画設定処理(ステップS108)の後、画像処理制御部291は、動画中特殊効果画像処理部163に対して動画中特殊効果を設定する動画中特殊効果制御処理を実行する(ステップS109)。
図16は、動画中特殊効果制御処理の概要を示すフローチャートである。図16において、動画中特殊効果を開始するキーが操作された場合(ステップS301:Yes)、画像処理判定部292は、SDRAM25にキー操作に応じた動画中特殊効果画像処理部163による動画中特殊効果の付与を禁止する禁止フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS302)。禁止フラグがオン状態であると画像処理判定部292が判定した場合(ステップS302:Yes)、表示制御部293は、表示部21が表示するライブビュー画像Q1上に動画特殊効果の禁止を示すアイコンを重畳して表示させる(ステップS303)。具体的には、図17に示すように、表示制御部293は、表示画面Q上に動画特殊効果の禁止を示す禁止アイコン114を重畳して表示させる。これにより、ユーザは、直感的に動画中特殊効果の切り替えを行うことができないことを把握することができる。ステップS303の後、撮像装置1は、メインルーチンへ戻る。
ステップS302において、禁止フラグがオン状態でないと画像処理判定部292が判定した場合(ステップS302:No)、画像処理制御部291は、動画中特殊効果フラグをオン状態にする(ステップS304)。
続いて、画像処理制御部291は、画像処理部16に対してキー操作に応じた効果設定を行い(ステップS305)、禁止フラグをオン状態にする(ステップS306)。その後、撮像装置1は、ステップS303へ移行する。
ステップS301において、動画中特殊効果を開始するキーが操作されない場合(ステップS301:No)において、終了指示が入力されたとき(ステップS307:Yes)、画像処理制御部291は、動画中特殊効果フラグをオフ状態にする制御を行う(ステップS308)。なお、画像処理制御部291は、ワンショットエコーおよびトランジットの係数が0になった場合であっても、動画中特殊効果フラグをオフ状態にする制御を行う。
続いて、画像処理制御部291は、禁止フラグをオフ状態にする制御を行い(ステップS309)。
その後、表示制御部293は、表示部21が表示する動画中特殊効果禁止アイコンを消去する(ステップS310)。ステップS310の後、撮像装置1は、メインルーチンへ戻る。
ステップS307において、終了指示が入力されないとき(ステップS307:No)、画像処理判定部292は、禁止フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS311)。禁止フラグがオン状態であると画像処理判定部292が判定した場合(ステップS311:Yes)、撮像装置1は、メインルーチンへ戻る。これに対して、禁止フラグがオン状態でないと画像処理判定部292が判定した場合(ステップS311:No)、撮像装置1は、ステップS310へ移行する。
ステップS109の動画中特殊効果処理の後、レリーズボタン42から1stレリーズ信号が入力された場合(ステップS110:Yes)、制御部29は、AE処理部17に露出を調整するAE処理を実行させるとともに、AF処理部18にピントを調整するAF処理を実行させる(ステップS111)。
続いて、制御部29は、電源ボタン41が操作されることによって撮像装置1の電源がオフされたか否かを判断する(ステップS112)。撮像装置1の電源がオフされたと制御部29が判断した場合(ステップS112:Yes)、撮像装置1は、本処理を終了する。これに対して、撮像装置1の電源がオフされていないと制御部29が判断した場合(ステップS112:No)、撮像装置1は、ステップS103へ戻る。
レリーズボタン42から1stレリーズ信号が入力されない場合(ステップS110:No)、レリーズボタン42から2ndレリーズ信号が入力されたとき(ステップS113:Yes)、制御部29は、シャッタ駆動部11および撮像素子駆動部13をそれぞれ駆動することにより、メカシャッタによる撮影を行う(ステップS114)。
続いて、画像処理部16は、撮影した静止画像に対して所定の画像処理を実行する(ステップS115)。なお、画像処理の詳細については後述する。
その後、制御部29は、画像データをJPEG形式で画像圧縮展開部19に圧縮させ、この圧縮した画像データを静止画として記録媒体23に記録する(ステップS116)。このステップS116で、制御部29は、画像圧縮展開部19がJPEG形式で圧縮した画像データに、画像処理部16が画像処理を行っていないRAWデータを対応付けて記録媒体23に記録させるようにしてもよい。ステップS116の後、撮像装置1は、ステップS112へ移行する。
ステップS113において、レリーズボタン42から2ndレリーズ信号が入力されない場合(ステップS113:No)、制御部29は、AE処理部17に露出を調整するAE処理を実行させるとともに、AF処理部18にピントを調整するAF処理を実行させる(ステップS117)。
続いて、制御部29は、撮像素子駆動部13を駆動することにより、電子シャッタによる撮影を実行する(ステップS118)。
その後、画像処理部16は、撮像装置1の設定情報に基づいて、画像処理を行う(ステップS119)。なお、画像処理の詳細については後述する。
続いて、表示制御部293は、画像処理部16が画像処理を施した画像データに対応するライブビュー画像を表示部21に表示させる(ステップS120)。
その後、撮像装置1が動画記録中であれば(ステップS121:Yes)、制御部29は、画像データを画像圧縮展開部19に圧縮させ、この圧縮した画像データを記録媒体23に作成された動画ファイルに動画として記録させる(ステップS122)。この後、撮像装置1は、ステップS112へ移行する。これに対して、ステップS121で動画記録中でなければ(ステップS121:No)、撮像装置1は、ステップS112へ移行する。
図18は、画像処理の概要を示すフローチャートである。図18において、基本画像処理部161は、基本画像処理を行う(ステップS401)。ここでの基本画像処理は、OB(Optical Black)値の減算、WB補正、同時化、カラーマトリクス演算、ガンマ変換色補正、エッジ強調、NR(Noise Reduction)などの処理を含む。
ここで、WB補正は、ベイヤー配列の画像データに対して、予めユーザが設定したWBモードに応じたRゲインとBゲインを乗じて、WBを撮像装置本体のフラッシュメモリから読み出し、その値を乗じることで補正する処理である。
同時化は、撮像素子12がベイヤー配列であった場合に、その画素にないデータを周辺から補間することによって、各画素がRGBデータで構成されるデータに変換する処理である。
カラーマトリクス演算は、設定されているWBモードに応じたカラーマトリクス係数を本体のフラッシュメモリから読み出して乗算する処理である。
ガンマ変換色補正処理では、仕上がりの設定に応じて予め設計したガンマテーブルを本体のフラッシュメモリから読み出し、画像データをガンマ変換する。このとき、RGBデータに適用するガンマ変換と、RGBの色空間を輝度信号Yと2つの色差信号Cb、Crによって表される色空間に変換した後で輝度信号Yのみにガンマ変換を行うようにしてもよい。また、適切な色再現性を得るために、仕上がりの設定に応じて予め設計したサイドパラメータを用いて色を補正してもよい。なお、アート効果の種類によってガンマ曲線を変えるようにしてもよい。
エッジ強調処理では、バンドパスフィルタによりエッジ成分を抽出し、エッジ強調度に応じた係数を乗じて画像データに加算することで強調する。
NR処理では、画像を周波数分解し、周波数に応じてコアリング処理などを行うことでノイズを低減する処理を行う。
続いて、アート効果画像処理部162は、アート効果処理を行う(ステップS402)。ここでは、上述したクロスフィルター、ソフトフォーカス、ノイズ付加、シェーディング、周辺輝度持ち上げ、周辺ぼかし、等の処理を行う。
その後、撮像装置1が静止画撮影を行う場合(ステップS403:Yes)、制御部29が動画中特殊効果(第1の特殊効果)に対応した特殊効果(第2の特殊効果)を静止画の画像データに付与することを禁止する制御を行った後、メインルーチンへ戻る。
ここで、撮像装置1が静止画撮影を行う場合に動画中特殊効果に対応した特殊効果を付与しない理由を説明する。動画撮影中の静止画撮影は、レスポンスの速さが重要である。静止画の画素数は、動画の画素数に比べて数倍程度大きいため、静止画に動画中特殊効果を付与すると、静止画撮影後の動画撮影の再開タイミングに影響を及ぼすおそれがある。そこで、本実施の形態1では、静止画の場合に動画中特殊効果の適用を禁止している。なお、高速でレスポンスに影響がなければ静止画に適用することも可能である。
一方、撮像装置1が動画撮影を行う場合(ステップS403:No)、制御部29は、動画中特殊効果が設定されているか否かを判定する(ステップS404)。動画中特殊効果が設定されている場合(ステップS404:Yes)、撮像装置1は、ステップS405へ移行する。これに対して、動画中特殊効果が設定されていない場合(ステップS404:No)、撮像装置1は、メインルーチンへ戻る。
ステップS404で動画中特殊効果が設定されている場合(ステップS404:Yes)において、適用する効果がマルチエコーであるとき(ステップS405:Yes)、動画中特殊効果画像処理部163は、直前の画像処理結果(前フレーム)に対して、上述したマルチエコー処理(図4を参照)として、現在のフレームを所定の比率で合成する(ステップS406)。一方、適用する特殊効果がマルチエコーでないとき(ステップS405:No)、撮像装置1は、ステップS407へ移行する。
ステップS407において、制御部29は、適用する効果がワンショットエコーであるか否かを判定する。適用する効果がワンショットエコーである場合(ステップS407:Yes)、動画中特殊効果画像処理部163は、ワンショットエコー効果を得るために、SDRAM25が記録する特定の画像データであるレリーズフレームとの合成処理を行う(ステップS408)。ここで、特殊効果フラグがオンになって最初のフレームの場合、動画中特殊効果画像処理部163は、現在のフレームの画像をSDRAM25に記録する処理を行う。これに対して、特殊効果フラグがオンになって2フレーム以後の場合、動画中特殊効果画像処理部163は、SDRAM25が記録しているレリーズフレームと合成処理を行う。
ステップS407において、適用する動画中特殊効果がワンショットエコーでない場合(ステップS407:No)、撮像装置1は、ステップS409へ移行する。
ステップS409において、制御部29は、適用する効果が揺らぎであるか否かを判定する。適用する効果が揺らぎである場合(ステップS409:Yes)、動画中特殊効果画像処理部163は、揺らぎ効果を追加する処理を行う(ステップS410)。ここで、ステップS410における動画中特殊効果画像処理部163の具体的な処理を説明する。動画中特殊効果画像処理部163は、シェーディング処理、クロスフィルター処理等のアート効果処理における画像処理パラメータに揺らぎを持たせる効果を追加する。たとえば、シェーディング処理であれば、画像の中心からの減衰特性を時間とともに変化させる。周辺ぼかしであれば、ぼかし量やぼかし形状を変化させる。クロスフィルターであれば、クロスパターンの長さや角度を時間とともに変化させる。また、彩度、コントラスト、ホワイトバランスを時間とともに変化させてもよい。なお、揺らぎとシェーディング等のアート効果が重複する場合、両方を付与してもよい、揺らぎのみを付与するようにしてもよい。
ステップS409において、適用する効果が揺らぎではない場合(ステップS409:No)、撮像装置1は、ステップS411へ移行する。
ステップS411において、制御部29は、適用する効果がトランジットであるか否かを判定する(ステップS411)。適用する効果がトランジットである場合(ステップS411:Yes)、基本画像処理部161およびアート効果画像処理部162は、仕上がり/切り替え先の設定に応じた基本画像処理およびアート効果処理をそれぞれ実行する(ステップS412、ステップS413)。その後、動画中特殊効果画像処理部163は、トランジット用の2つの画像の合成処理を行うことによってトランジット画像を生成する(ステップS414)。ステップS414の後、撮像装置1は、メインルーチンへ戻る。
ステップS411において、制御部29が判定した結果、適用する効果がトランジットでない場合(ステップS411:No)、撮像装置1は、メインルーチンへ戻る。
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、動画中特殊効果画像処理部163が動画中特殊効果処理を行っている期間に、操作キーが操作されても、禁止フラグをオン状態にすることで、キー操作に応じた他の動画中特殊効果処理が開始されることを防止する。これにより、現在の動画中特殊効果による視覚的な効果が変化している途中で、別の動画中特殊効果が開始されてしまうことを確実に防止することができる。この結果、動画フレームに付与している映像効果が滑らかに変化する画像を撮影することができる。
また、本実施の形態1によれば、動画撮影時にユーザが意識することなく、自動的に他の特殊効果の排他処理を行うので、撮像装置1の処理能力に関わらず、動画撮影の遅延やコマ落ち等を防止することができ、自然な動画撮影を行うことができる。
また、本実施の形態1によれば、視覚的な効果が変化している途中で別の特殊効果に切り替えることがないので、自然で違和感がない動画を確実に撮影することができ、特殊効果の適用が失敗することを未然に防止することができる。
また、本実施の形態1によれば、編集機器やPC上で実現できるものと同等な特殊効果を、撮像装置1自体で実行することができる。したがって、ユーザの作画意図を反映した動画を、高度な専門知識を必要とすることなく、また後編集することなく作成することができる。
また、本実施の形態1によれば、設定信号入力部を構成するユーザインターフェースに動画用と静止画用の入力機能を兼備させることができるため、動画撮影の場合にも操作性に優れたユーザインターフェースを実現することができる。加えて、ユーザインターフェースの数も抑制することができるため、レイアウトの制限も少なくなり、小型化に好適な撮像装置1を実現することができる。
また、本実施の形態1によれば、動画撮影中の静止画に対して、動画中特殊効果の適用を禁止する制御を行うことにより、静止画撮影後の動画撮影の再開タイミングへの影響を防止することができる。
一般に、撮像装置は、PC等と比較してメモリが少なく処理能力が劣っているため、PC等と同等の動画データの編集処理を実現することは難しい。また、動画中の静止画撮影や、動画終了直後の静止画撮影の可能な撮像装置1においては、メモリ不足やメモリ管理上の問題が決定的なものになり、メモリ増設によるコスト増や、静止画撮影時の応答性や静止画画質の劣化などの問題を発生してしまう恐れもある。本実施の形態1では、この点に鑑み、撮影した動画を編集することなく、撮影時に複数のフレームにわたる時間的な移り変わりの特殊効果による撮影者の作画意図を付与した動画を撮影可能が技術を実現することができる。
なお、本実施の形態1では、表示制御部293が禁止アイコン114を表示部21に表示させていたが、たとえば動画中特殊効果を適用可能なモードであることを示すアイコンをグレースケールで表示してもよい。さらに、アイコンを点滅させてもよい。
また、本実施の形態1では、動画中特殊効果画像処理部163が動画の画像データに対応する複数のフレームにわたって動画特殊効果を付与している期間に、キー操作が行われても、キー操作に対応する動画特殊効果の付与を禁止していたが、たとえば、キー操作の指示信号をSDRAM25に記録させ(キューイング)、動画中特殊効果画像処理部163が動画特殊効果を付与する期間が終了した後(禁止フラグがオフ状態になったとき)に、SDRAM25に記録させたキー操作に対応した動画特殊効果を動画中特殊効果画像処理部163に開始させてもよい。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2にかかる撮像装置は、上述した実施の形態1と同様の構成を有し、動画中特殊効果制御処理のみ異なる。このため、以下においては、本実施の形態2にかかる撮像装置が実行する動画中特殊効果制御処理について説明する。なお、同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図19は、上述した図13のステップS109の動画中特殊効果制御処理の概要を示すフローチャートである。
図19に示すように、制御部29は、動画特殊効果フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS501)。動画特殊効果フラグがオン状態であると判断した場合(ステップS501:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS502へ移行する。これに対して、動画特殊効果フラグがオン状態でないと判断した場合(ステップS501:No)、撮像装置1は、後述するステップS505へ移行する。
ステップS502において、画像処理判定部292は、動画中特殊効果画像処理部163による動画中特殊効果処理が禁止期間であるか否かを判定する。動画中特殊効果画像処理部163による動画中特殊効果処理が禁止期間であると画像処理判定部292が判定した場合(ステップS502:Yes)、制御部29は、禁止フラグをオン状態に設定する(ステップS503)。
ここで、画像処理判定部292が判定する禁止期間について説明する。図20は、最新の撮影画像に合成されるSDRAM画像の合成比率の時間変化を示す図である。図20において、横軸が開始トリガの入力時点(t=0)からの経過時間であり、縦軸aがSDRAM画像S1の各画素の信号に乗じる係数である。
図20に示すように、係数aは、t=0で1であり、時間とともに滑らかに減少していき、開始トリガ入力から所定時間t5経過した時点で0となる。すなわち、SDRAM画像S1の合成画像中に占める割合は、時間とともに徐々に減少していく設定がなされている。これにより、SDRAM画像S1が時間とともに徐々に消えていくような画像を作り出すことができる。本実施の形態2では、たとえば、上述したワンショットエコー、マルチエコーおよびトランジットのような時間的に合成比が変化する動画中特殊効果処理に関して、係数aの変化(合成比)が大きな期間を、キー操作が行われても、他の動画特殊効果に切り替えない禁止期間として設定する。具体的には、画像処理判定部292は、動画特殊効果がマルチエコーの場合、開始から一定時間、たとえば2秒間を、他の動画特殊効果の開始を禁止とする禁止期間として判定を行う。これにより、視覚的に変化の最も大きい期間で不自然に動画特殊効果が変更されることを防止することができる。
図21は、トランジットにおいて開始トリガの入力前から付与されているアート効果の合成比率(係数)bの時間変化を示す図である。図21に示すように、係数bは、t=0でb0であり、時間とともに滑らかに減少していき、開始トリガ入力から所定時間t15経過した時点で0となる。
図21に示すように、異なる効果に遷移する際に、係数bの変化(合成比)が大きく、動画中特殊効果画像処理部163の動画特殊効果の付与によって視覚的に不自然になる期間を、キー操作が行われても、他の動画特殊効果処理に切り替えない禁止期間として設定する。具体的には、画像処理判定部292は、動画特殊効果がトランジットの場合、係数bの変化(合成比)が大きくなる時間を、他の動画特殊効果の開始を禁止とする禁止期間として判定を行う。これにより、視覚的に変化の最も大きい期間で不自然に動画特殊効果が変更されることを防止することができるとともに、動画特殊効果による視覚的な効果が小さい期間で他の動画特殊処理に切り替えることができる。
なお、図20および図21に示す曲線は一例に過ぎず、時間とともに係数a,bが減衰するなどして一定時間で係数a,bが0となるように滑らかに変化する曲線であればどのようなものでもよく、例えば係数a,bが一定値をとる期間を含む曲線でもよい。
また、係数a,bを、開始トリガからのフレーム数に応じて定めるようにしてもよい。この場合には、フレーム単位で滑らかに係数a,bの値を減少させながら、所定のフレーム数(例えば120フレーム)で係数が0となるようにすればよい。
図19に戻り、ステップS502以降の説明を続ける。ステップS502において、画像処理判定部292が禁止期間でないと判定した場合(ステップS502:No)、画像処理制御部291は、禁止フラグをオフ状態にする(ステップS504)。その後、撮像装置1は、ステップS505へ移行する。
ステップS503およびステップS504の後、禁止フラグがオン状態である場合(ステップS505:Yes)、表示制御部293は、禁止アイコンを表示部21に表示させる(ステップS506)。その後、撮像装置1は、ステップS508へ移行する。これに対して、禁止フラグがオン状態でない場合(ステップS505:No)、表示制御部293は、表示部21が表示する禁止アイコンを消去する(ステップS507)。その後、撮像装置1は、ステップS508へ移行する。
続いて、動画中特殊効果を開始するキーが操作された場合(ステップS508:Yes)、画像処理判定部292は、SDRAM25に動画特殊効果の禁止フラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS509)。動画特殊効果の禁止フラグがオン状態であると判定した場合(ステップS509:Yes)、撮像装置1は、図13のメインルーチンへ戻る。これに対して、禁止フラグがオン状態でないと画像処理判定部292が判定した場合(ステップS509:No)、撮像装置1は、ステップS510へ移行する。
続いて、制御部29は、動画特殊効果フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS510)。動画特殊効果フラグがオン状態であると制御部29が判断した場合(ステップS510:Yes)、画像処理制御部291は、動画中特殊効果画像処理部163による効果を中断する(ステップS511)。
具体的には、画像処理制御部291は、動画中特殊効果画像処理部163が画像データに対して行う動画特殊効果を中断する。この場合、画像処理制御部291は、たとえば動画中特殊効果画像処理部163が動画特殊効果としてワンショットエコーを行っている場合、順次重畳する画像に相関があるので、効果の期間(時間)を短くして変化を急激に落としてもよい。これにより、動画特殊効果の違和感を生じさせることなく、動画特殊効果を中断することができる。また、画像処理制御部291は、たとえば動画中特殊効果画像処理部163が動画特殊効果としてトランジットを行っている場合、動画中特殊効果画像処理部163が施す効果が異なるため、最初の期間と最後の期間とを滑らかに変化させ、この途中の期間を短縮して効果の変化を急激に落としてもよい。これにより、動画特殊効果の違和感を生じさせることなく、動画特殊効果を中断することができる。さらに、画像処理制御部291は、動画中特殊効果画像処理部163による動画特殊効果を瞬時に中断してもよい。なお、アート効果の組み合わせおよびアート効果の種類に応じて最初の期間、最後の期間および急激に変化をさせる期間をFlashメモリ26に記録させておけばよい。
ステップS510において、動画特殊効果フラグがオン状態でない場合(ステップS510:No)、画像処理制御部291は、動画中特殊効果フラグをオン状態にする(ステップS513)。
ステップS511およびステップS513の後、画像処理制御部291は、画像処理部16に対してキー操作に応じた効果設定を行う(ステップS512)。その後、撮像装置1は、図13のメインルーチンへ戻る。
ステップS508において、動画中特殊効果を開始するキーが操作されない場合(ステップS508:No)、終了指示が入力されたとき(ステップS514:Yes)、画像処理制御部291は、動画特殊効果フラグをオフ状態に設定する(ステップS515)。なお、画像処理制御部291は、ワンショットエコーおよびトランジットの係数が0になった場合であっても、動画中特殊効果フラグをオフ状態にする制御を行う。その後、撮像装置1は、図13のメインルーチンへ戻る。
ステップS514において、終了指示が入力されないとき(ステップS514:No)、撮像装置1は、図13のメインルーチンへ戻る。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、動画中特殊効果画像処理部163が動画特殊効果を開始後、所定期間、他の動画特殊効果を禁止しているので、記録する動画において効果の途中で別の効果が開始されてしまうような見苦しい動画が記録されることを確実に防止することができる。
さらに、本実施の形態2によれば、ワンショットエコーやトランジットのような時間的に合成比が変化するもの関し、合成比の変化が大きな期間を禁止期間と設定しているので、自然で滑らかな動画を記録することができる。
なお、本実施の形態2では、動画中特殊効果画像処理部163が第1の動画特殊効果を開始後、所定期間を禁止期間として設定していたが、たとえば動画特殊効果画像処理部163が動画特殊効果を開始後、所定のフレーム数に相当する期間を、動画中特殊効果画像処理部163が他の動画特殊効果の付与を禁止する禁止期間として設定してもよい。なお、フレーム数は、アート効果の種類に応じて適宜設定するようにしてもよい。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態3にかかる撮像装置は、上述した実施の形態にかかる撮像装置と制御部の構成のみ異なる。さらに、動画中特殊効果制御の内容が異なる。このため、以下においては、本実施の形態3にかかる撮像装置の制御部の構成を説明後、本実施の形態3にかかる撮像装置が実行する動画中特殊効果制御処理について説明する。なお、同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図22は、本実施の形態3にかかる撮像装置100の構成を示すブロック図である。図22に示すように、撮像装置100は、制御部40を備える。
制御部40は、CPU等を用いて構成される。制御部40は、画像処理制御部291と、画像処理判定部292と、表示制御部293と、変化率算出部401と、を有する。
変化率算出部401は、動画中特殊効果画像処理部163が付与する動画特殊効果におけるパラメータの時間変化率を算出する。具体的には、変化率算出部401は、動画中特殊効果画像処理部163が付与する動画中特殊効果としてワンショットエコーまたはトランジットである場合、動画特殊効果処理に使用するパラメータの単位時間あたり変化率を算出する。ここで、動画特殊効果処理に使用するパラメータとは、2つの画像を合成する際の割合(合成比)、およびコントラストや彩度を決定するためのパラメータ等である。なお、変化率算出部401は、動画特殊効果処理の単位時間あたりの変化率を、たとえば係数、重畳する画像の構成比や割合、およびフレーム数で算出してもよい。
つぎに、本実施の形態3にかかる撮像装置100が実行する動画中特殊効果制御処理の概要について説明する。図23は、上述した図13のステップS109の動画中特殊効果制御処理の概要を示すフローチャートである。
図23に示すように、動画特殊効果フラグがオン状態である場合(ステップS601:Yes)、画像処理判定部292は、画像処理部16による動画特殊効果に時間的変化があるものか否かを判定する(ステップS602)。具体的には、画像処理判定部292は、動画特殊効果がワンショットエコーまたはトランジットの場合、動画特殊効果に時間的変化があると判定する。一方、画像処理判定部292は、動画特殊効果がマルチエコーの場合、動画特殊効果に時間的変化がないと判定する。動画特殊効果に時間的変化があると画像処理判定部292が判定した場合(ステップS602:Yes)、撮像装置100は、ステップS603へ移行する。これに対して、動画特殊効果に時間的変化がないと画像処理判定部292が判定した場合(ステップS602:No)、撮像装置100は、後述するステップS605へ移行する。
ステップS603において、画像処理判定部292は、変化率算出部401が算出した効果の変化率が予め視覚的に変化を把握することができる閾値THdより大きいか否かを判定する。変化率が閾値THdより大きいと画像処理判定部292が判定した場合(ステップS603:Yes)、撮像装置100は、ステップS604へ移行する。
続いて、画像処理制御部291は、禁止フラグをオン状態にする(ステップS604)。その後、撮像装置100は、後述するステップS607へ移行する。
ステップS605において、画像処理判定部292は、画像処理部16が処理を開始した時から経過した経過時間が所定時間THt未満であるか否かを判定する。具体的には、画像処理判定部292は、画像処理部16が処理を開始した時から経過した経過時間が所定時間THt(たとえば2秒)未満であるか否かを判定する。経過時間が所定時間THt未満であると画像処理判定部292が判定した場合(ステップS605:Yes)、撮像装置100は、ステップS604へ移行する。これに対して、経過時間が所定時間THt未満でないと画像処理判定部292が判定した場合(ステップS605:No)、撮像装置100は、ステップS606へ移行する。
ステップS606において、画像処理制御部291は、禁止フラグをオフ状態にする。その後、撮像装置100は、ステップS607へ移行する。
ステップS607〜ステップS617は、上述した図19のステップS505〜ステップS515にそれぞれ対応する。
以上説明した本発明の実施の形態3によれば、視覚的に変化が大きな動画特殊効果が付与される期間を自動的に判定することによって、別の動画特殊効果が開始されることを禁止する。これにより、動画特殊効果の数が多い場合、各動画特殊効果の禁止区間を予め設定する必要がなくなる。この結果、記録する動画において効果の途中で別の効果が開始されてしまうような見苦しい動画が記録されることを確実に防止することができる。
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態4は、上述した実施の形態1にかかる撮像装置と同様の構成を有し、動画特殊効果のトランジットが異なる。このため、以下においては、動画特殊効果のトランジットについてのみ説明する。なお、同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図24は、本実施の形態4にかかる撮像装置1が実行するトランジット処理の概要とトランジット処理における開始トリガ入力前にかけられているアート効果の係数の時間変化との関係を示す図である。図24では、アート効果Aからアート効果Bへ変化するトランジットを模式的に示している。また、図24において、トランジットの開始トリガの入力直前は、撮影画像P0に対してアート効果A1を施したアート効果画像A0が生成される。さらに、図24においては、表示部21の表示方式をインターレース方式とする。さらにまた、図24においては、フレームでアート効果の切り替えを行うとともに、フレームの奇数ラインまたは偶数ラインでアート効果の切り替えを行う。また、図24においては、パルス数に応じてアート効果の切り替えを行う。なお、トランジットでアート効果の切り替え開始から切り替え終了までに要する時間は、適宜設定可能である。
図24に示す場合、開始トリガの入力前は、アート効果Aが設定されているものとする。すなわち、開始トリガの入力直前において、アート効果画像処理部162は、撮影画像P0にアート効果Aを施したアート効果画像R20を形成しているものとする(図7を参照)。
開始トリガが入力されると、動画中特殊効果画像処理部163は、撮影画像P1にアート効果Aを施したアート効果画像A1の偶数ラインを取得してトランジット画像R31を生成し、このトランジット画像R31をSDRAM25に記録する。
その後、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t12において、撮影画像P2にアート効果Bを施したアート効果画像B1の奇数ラインを取得してトランジット画像R32を生成し、このトランジット画像R32をSDRAM25に記録する。
続いて、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t13において、撮影画像P3にアート効果Aを施したアート効果画像A2の偶数ラインを取得してトランジット画像R33を生成し、このトランジット画像R33をSDRAM25に記録する。
その後、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t14において、撮影画像P4にアート効果Aを施したアート効果画像A3の奇数ラインを取得してトランジット画像R34を生成し、このトランジット画像R34をSDRAM25に記録する。
その後、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t15において、撮影画像P5にアート効果Aを施したアート効果画像A4の偶数ラインを取得してトランジット画像R35を生成し、このトランジット画像R35をSDRAM25に記録する。
続いて、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t16において、撮影画像P6にアート効果Bを施したアート効果画像B2の奇数ラインを取得してトランジット画像R36を生成し、このトランジット画像R36をSDRAM25に記録する。
続いて、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t17において、撮影画像P7にアート効果Aを施したアート効果画像A5の偶数ラインを取得してトランジット画像R37を生成し、このトランジット画像R37をSDRAM25に記録する。
その後、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t18において、撮影画像P8にアート効果Aを施したアート効果画像A6の奇数ラインを取得してトランジット画像R38を生成し、このトランジット画像R38をSDRAM25に記録する。
このように、動画中特殊効果画像処理部163は、アート効果Aおよびアート効果Bを交互に行い、画像処理制御部291は、動画中特殊効果画像処理部163に付与させるアート効果Aおよびアート効果Bの処理時間を、時間の経過とともにパルス数を変化させることで個別に変化させながら交互に行わせる。すなわち、画像処理制御部291は、PWM制御によって動画中特殊効果画像処理部163に連続的に付与させるアート効果Aのフレーム数(割合)を経時的に少なくする一方、アート効果Bのフレーム数を経時的に大きくする。具体的には、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t13〜t15において(パルス数が3)、撮影画像P3〜P5に対してアート効果Aを施し、時間t=t12,t16において(パルス数が1)、撮像画像P2,P6に対してアート効果Bを施し、時間t=t17〜t18において(パルス数が2)、撮影画像P7〜P8に対してアート効果Aを施す。
以上説明した本実施の形態4によれば、表示部21が表示する表示方式をインターレース方式で行い、フレームでアート効果の切り替えを行うとともに、フレームの奇数ラインまたは偶数ラインでアート効果の切り替えを行いことにより、時間的に記録または表示する効果を変更することで、人間の目の特性(残像効果)を使用してトランジットを行う。これにより、フレームレートが高い動画記録またはライブビュー表示において、画像処理を切り替えるだけで、より滑らかなトランジット効果を実現することができる。この結果、本実施の形態4によれば、画像処理の処理時間が上述した実施の形態1〜3のトランジット効果に比して早くなり、通常の画像処理とほぼ同等の時間となるので、フレームのコマ落ちがない動画の記録およびライブビュー表示を行うことができる。
なお、本実施の形態4では、表示部21が表示する表示方式をプログレッシブ方式で行ってもよい。この場合、動画中特殊効果画像処理部163は、撮影画像をプログレッシブ方式で取り込み、アート効果を施してアート効果画像を生成後、インターレース方式に対応させて該当ライン(たとえば偶数ラインまたは奇数ライン)を間引くことによって行ってもよい。さらに、アート効果を施す画像処理時または取り込み時に間引いてもよい。これにより、通常の画像処理とほぼ同等の時間となるので、フレームのコマ落ちがない動画の記録およびライブビュー表示を行うことができる。なお、プログレッシブ方式は、インターレース方式に比してユーザに対する残像効果が弱まるため、インターレース方式が好ましいが、適宜変更することも可能である。
また、本実施の形態4では、動画中特殊効果画像処理部163がアート効果Aとアート効果Bの2つの効果のみで切り替えていたが、たとえば、アート効果Aとアート効果Bの中間効果ABを作成し、アート効果A→効果AB→アート効果Bのように切り替えることで、より滑らかなトランジット効果を実現してもよい。
さらにまた、本実施の形態4では、予め設計した特性(たとえば図24の曲線)と、所定の過去フレーム数(たとえば5フレーム)のアート効果Aとアート効果Bとの画像処理の割合(たとえば、AABAAと画像処理した場合、アート効果Aが0.8、アート効果Bが0.2)の差を用いて自動的に切り替えるようにしてもよい。具体的には、ある時刻において、過去5フレームのアート効果Aを画像処理した割合をAvg、閾値をTh、トランジットの特性(図8の曲線を参照)をαとした場合、Avg−α<Thであるとき、動画中特殊効果画像処理部163は、アート効果Aを撮影画像に行う一方、Avg−α<Thでないとき、アート効果Bを撮影画像に行う。このように、トランジットの特性を決めることで、アート効果Aとアート効果Bのいずれかの画像処理を自動的に判定して施すことができる。なお、トランジットの特性は、予めFlashメモリ26に記録させてもよいし、ユーザが適宜設定してもよい。
(実施の形態5)
つぎに、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態5は、上述した実施の形態にかかる撮像装置が実行する動画中特殊効果のトランジットのみが異なる。このため、以下においては、動画中特殊効果のトランジットについてのみ説明する。なお、同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図25は、本実施の形態5にかかる撮像装置1が実行するトランジットの概要を説明する図である。図25では、アート効果Aからアート効果Bへ変化するトランジットを模式的に示している。また、図25において、トランジットの開始トリガの入力直前は、撮影画像P0に対してアート効果A1を施したアート効果画像A0が生成される。なお、トランジットでアート効果の切り替え開始から切り替え終了までに要する時間は、適宜設定可能である。
図25に示す場合、開始トリガの入力前は、アート効果Aが設定されているものとする。すなわち、開始トリガの入力直前において、アート効果画像処理部162は、撮影画像P0にアート効果Aを施したアート効果画像R40を形成しているものとする。
開始トリガが入力されると、動画中特殊効果画像処理部163は、開始トリガの入力前に生成されたアート効果画像A0に係数b(=b0)=0.9を乗じる一方、撮影画像P1にアート効果Bを施したアート効果画像B1に係数1−b(=1−b0)=0.1を乗じた二つの画像を合成することによってトランジット画像R41を生成する。
続いて、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t12において、撮影画像P2にアート効果Aを施したアート効果画像A2の信号に乗じる係数をb=0.8とし、アート効果画像B1の信号に乗じる係数を1−b=0.2として合成したトランジット画像R42を生成する。
その後、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t13において、アート効果画像A2の信号に乗じる係数をb=0.6とし、撮影画像P3にアート効果Bを施したアート効果画像B2の信号に乗じる係数を1−b=0.4として合成したトランジット画像R43を生成する。
続いて、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t14において、撮影画像P4にアート効果Aを施したアート効果画像A2の信号に乗じる係数をb=0.4とし、アート効果画像B2の信号に乗じる係数を1−b=0.6として合成したトランジット画像R44を生成する。
その後、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t15において、アート効果画像A2の信号に乗じる係数をb=0.2とし、撮影画像P5にアート効果Bを施したアート効果画像B3の信号に乗じる係数を1−b=0.8として合成したトランジット画像R45を生成する。
続いて、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t16において、撮影画像P6にアート効果Aを施したアート効果画像A3の信号に乗じる係数をb=0.1とし、アート効果画像B3の信号に乗じる係数を1−b=0.9として合成したトランジット画像R46を生成する。
その後、動画中特殊効果画像処理部163は、時間t=t17において、撮影画像P7にアート効果Bのみを施した(b=0)トランジット画像R47を生成する。
以上説明した本発明の実施の形態5によれば、動画中特殊効果画像処理部163が交互にアート効果画像Aおよびアート効果画像Bを生成し、それぞれのアート効果の直前に生成されたアート効果画像を合成することでトランジットを実現する。これにより、画像処理部16の処理負荷がトランジット時と非トランジット時とで差が生じないため、フレームレートの遅延やコマ落ち等が生じることを確実に防止することができる。この結果、滑らかなトランジットを実現することができる。
さらに、本実施の形態5によれば、ユーザに対して視覚的に違和感を生じさせることなく、自然な効果の切り替えを行うことができる。
(実施の形態6)
つぎに、本発明の実施の形態6について説明する。本実施の形態6にかかる撮像装置は、上述した実施の形態1と同様の構成を有し、動画設定処理の内容のみ異なる。このため、以下においては、本実施の形態6にかかる撮像装置が実行する動画設定処理について説明する。なお、同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図26に示すように、画像処理制御部291は、動画特殊効果の禁止フラグがオン状態であるか否かを判断する(ステップS701)。禁止フラグがオン状態であると画像処理制御部291が判断した場合(ステップS701:Yes)、撮像装置1は、図13のメインルーチンへ戻る。これにより、効果の開始禁止期間中に、動画ボタン47が操作された場合であっても、動画ボタン47から入力される動画を指示する信号の入力を受け付けることがない。なお、停止操作(たとえば動画中に動画ボタン47が操作されたとき)を受け付けないようにしてもよい。
ステップS702〜ステップS708は、図14のステップS201〜ステップS207にそれぞれ対応する。
以上説明した本発明の実施の形態6によれば、動画特殊効果の禁止フラグがオン状態である場合、画像処理制御部291が動画ボタン47の操作を受け付けないので、動画特殊効果の途中で動画記録が開始されたり、停止されたりすることを防止することができる。
さらに、本実施の形態6によれば、動画の開始または終了時におけるヘッダ生成、準備および後処理等の処理時間が終了するまで、動画ボタン47の操作を受け付けないので、実際のライブビュー画像と動画で記録されるアート効果とを同じものにすることができる。
(実施の形態7)
つぎに、本発明の実施の形態7について説明する。本実施の形態7にかかる撮像装置は、上述した実施の形態1と同様の構成を有し、撮像装置が実行する処理が異なる。このため、以下においては、本実施の形態7にかかる撮像装置が実行する処理について説明する。なお、同一の構成には同一の符号を付して説明する。
図27は、本実施の形態7にかかる撮像装置1が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
ステップS801〜ステップS807は、上述した図13のステップS101〜ステップS107にそれぞれ対応する。
ステップS808において、画像処理制御部291は、撮像装置1が動画記録中であり、かつ、禁止フラグがオン状態であるか否かを判断する。撮像装置1が動画記録中であり、かつ、禁止フラグがオン状態であると画像処理制御部291が判断した場合(ステップS808:Yes)、撮像装置1は、ステップS809へ移行する。これに対して、撮像装置1が動画記録中でなく、かつ、禁止フラグがオン状態でないと画像処理制御部291が判断した場合(ステップS808:No)、撮像装置1は、後述するステップS811へ移行する。
ステップS809において、動画中特殊効果画像処理部163は、停止処理を開始する。この停止処理としては、たとえばマルチエコーの場合、時間的に効果が変化しないのですぐに終了して停止処理を行う。また、ワンショットエコーまたはトランジットの場合、通常よりも早く処理を(たとえば3倍の速さで変化させる)終了して停止処理を行う。
その後、制御部29は、停止処理が終了したか否かを判断する(ステップS810)。停止処理が終了した場合(ステップS810:Yes)、撮像装置1は、ステップS811へ移行する。これに対して、停止処理が終了していない場合(ステップS810:No)、撮像装置1は、後述するステップS812へ移行する。
ステップS811において、撮像装置1は、後述する撮像装置1の動画の各種を設定する動画設定処理を実行し、ステップS812へ移行する。
ステップS812〜ステップS825は、図13のステップS109〜ステップS122にそれぞれ対応する。
図28は、図27のステップS811の動画設定処理の概要を示すフローチャートである。ステップS901〜ステップS904は、図14のステップS201〜ステップS204にそれぞれ対応する。
ステップS905において、制御部29は、動画特殊効果フラグおよび禁止フラグをオフ状態にする。
ステップS906〜ステップS908は、図14のステップS205〜ステップS207にそれぞれ対応する。
以上説明した本発明の実施の形態7によれば、動画特殊効果の途中で動画撮影が終了することがないので、見苦しい動画が記録されてしまうことを確実に防止することができる。
(その他の実施の形態)
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態1〜7によってのみ限定されるべきものではない。
たとえば、本発明において、表示部とは別に電子ビューファインダを本体部に設け、この電子ビューファインダにおいて本発明を適用するようにしてもよい。この場合には、表示部と電子ビューファインダとで動画中特殊効果の見え方が異なるようにすればより好ましい。
また、本発明においては、本体部とレンズ部とが一体的に形成されていてもよい。
また、本発明にかかる撮像装置は、デジタル一眼レフカメラ以外にも、例えばアクセサリ等を装着可能なデジタルカメラ、デジタルビデオカメラおよび撮影機能を有する携帯電話やタブレット型携帯機器等の電子機器にも適用することができる。
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本発明を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。すなわち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態を含みうるものであり、特許請求の範囲によって特定される技術的思想の範囲内で種々の設計変更等を行うことが可能である。