JP5834956B2 - ネガ型感放射線性組成物、パターン形成方法及び絶縁膜の製造方法 - Google Patents
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Description
[A]ポリシロキサン、
[B]感放射線性酸発生剤(以下、「[B]酸発生剤」と称することがある)、
[C]感放射線性塩基発生剤(以下、「[C]塩基発生剤」と称することがある)、及び
[D]溶媒
を含有するネガ型感放射線性組成物である。
(1)当該ネガ型感放射線性組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜を露光する工程、
(3)上記露光された塗膜を加熱する工程、及び
(4)上記加熱された塗膜を現像液で現像する工程
を含む。
(1)当該ネガ型感放射線性組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜を露光する工程、
(3)上記露光された塗膜を加熱する工程、
(4)上記加熱された塗膜を現像液で現像する工程、及び
(5)高エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化処理を施す工程
を含む。
本発明のネガ型感放射線性組成物は、[A]ポリシロキサン、[B]酸発生剤、[C]塩基発生剤、及び[D]溶媒を含有する。当該ネガ型感放射線性組成物によれば、例えばライン・アンド・スペースパターンを形成した場合、結果として1つのライン状の露光部において中央線近傍を境界とし、2つに分割された微細なパターンを形成することができる。また、かかるパターンはLWR等のリソグラフィー特性に優れている。当該ネガ型感放射線性組成物は、必要に応じて[E]酸拡散抑制体、[F]重合体及びその他の任意成分を含有できる。以下、各成分について詳述する。
[A]ポリシロキサンは、シロキサン結合を有する化合物のポリマーであれば特に限定されない。[A]ポリシロキサンは、通常、触媒の存在下で加水分解性シラン化合物を加水分解縮合させることにより得ることができる。
ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−iso−プロポキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジ−tert−ブトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−iso−プロポキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−n−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−sec−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジ−tert−ブトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリ−tert−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリ−tert−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−iso−プロポキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−n−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−sec−ブトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリ−tert−ブトキシシリル)ベンゼン等が挙げられる。
[A]ポリシロキサンは、例えば上記加水分解性シラン化合物を出発原料として、この出発原料を有機溶媒に溶解し、この溶液中に水を断続的又は連続的に添加して、加水分解縮合反応させることで製造できる。このとき触媒を用いてもよい。触媒は、予め有機溶媒に溶解又は分散させておいてもよく添加される水に溶解又は分散させておいてもよい。また、加水分解縮合反応を行うための温度としては、通常0℃〜100℃である。
[B]酸発生剤は、レジストパターン形成の一工程である露光工程において、マスクを通過した光によって酸を発生する化合物である。当該ネガ型感放射線性組成物における[B]酸発生剤の含有形態としては、後述するような化合物の形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[C]塩基発生剤は、上記[B]酸発生剤と同時にレジストパターン形成の一工程である露光工程において、マスクを通過した光の強度分布に応じて塩基を発生する化合物である。当該ネガ型感放射線性組成物における[C]塩基発生剤の含有形態としては、後述するような化合物の形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
N−シクロヘキシル−2−ナフタレンスルホンアミド、N−シクロヘキシルp−トルエンスルホンアミド、α−(シクロヘキシルカーバモイルオキシイミノ)−α−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル、N−(シクロヘキシルカーバモイルオキシ)スクシンイミド等のアミド類;
〔〔(2−ニトロベンジル)オキシ〕カルボニル〕シクロヘキルアミン、N−〔〔(2−ニトロフェニル)−1−メチルメトキシ〕カルボニル〕シクロヘキルアミン、N−〔〔(2,6−ジニトロフェニル)−1−メチルメトキシ〕カルボニル〕シクロヘキルアミン、N−〔〔(2−ニトロフェニル)−1−(2’−ニトロフェニル)メトキシ〕カルボニル〕シクロヘキルアミン、N−〔〔(2,6−ジニトロフェニル)−1−(2’,6’−ジニトロフェニル)メトキシ〕カルボニル〕シクロヘキルアミン等のアミン類;
下記式(c−1)〜(c−19)、(c−21)〜(c−26)で表される化合物等が挙げられる。
当該ネガ型感放射線性組成物は、通常[D]溶媒を含有する。[D]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及びその混合溶媒等が挙げられる。
メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、iso−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、3−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等のモノアルコール系溶媒;
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルム、フロン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の含ハロゲン溶媒等が挙げられる。
当該ネガ型感放射線性組成物は、[E]酸拡散抑制体をさらに含有してもよい。当該ネガ型感放射線性組成物が[E]酸拡散抑制体をさらに含有することで、露光により[B]酸発生剤から生じる酸のレジスト被膜中における拡散現象を中和反応により制御することができ、パターンサイズのバラツキを更に低減させることができる。[E]酸拡散抑制体の当該ネガ型感放射線性組成物における含有形態としては、遊離の化合物の形態(以下、適宜「[E]酸拡散抑制剤」と称することがある)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;
アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン等の芳香族アミン類;
トリエタノールアミン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン等のアルカノールアミン類;
N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼンテトラメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル等が挙げられる。
当該ネガ型感放射線性組成物は、[F]重合体をさらに含有してもよい。当該ネガ型感放射線性組成物が[F]重合体を含有することで、レジスト膜の疎水性が向上しレジスト保護膜なしに液浸露光を行った場合においても物質溶出抑制に優れ、当該ネガ型感放射線性組成物の液浸露光用としての有用性が高まる。
主鎖にフッ素化アルキル基が結合した構造;
側鎖にフッ素化アルキル基が結合した構造;
主鎖と側鎖とにフッ素化アルキル基が結合した構造が挙げられる。
(f1)構造単位は上記式(3)で示される構造単位である。
(f2)構造単位は、上記式(4)で示される構造単位である。
シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の単環式飽和炭化水素;
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、シクロデカジエン等の単環式不飽和炭化水素;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン、アダマンタン等の多環式飽和炭化水素;
ビシクロ[2.2.1]ヘプテン、ビシクロ[2.2.2]オクテン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デセン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデセン等の多環式炭化水素基から(k+1)個の水素原子を除いた基が挙げられる。
式(5−2)中、R14、X3、R16及びkは上記式(4)と同義である。但し、kが2又は3の場合、複数のX3及びR16はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
(f3)構造単位は上記式(5)で示される構造単位である。
[F]重合体は、さらに「他の構造単位」として、ラクトン構造を含む構造単位、脂環式構造を含む構造単位等を1種以上有してもよい。
[F]重合体は、例えば所定の各構造単位に対応する単量体を、ラジカル重合開始剤を使用し、適当な溶媒中で重合することにより製造できる。
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
当該ネガ型感放射線性組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤、増感剤等を含有できる。以下、これらのその他の任意成分について詳述する。これらのその他の任意成分は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、その他の任意成分の配合量は、その目的に応じて適宜決定することができる。
界面活性剤は塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する作用を示す成分である。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤の他、以下商品名として、KP341(信越化学工業社)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学社)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社)、メガファックF171、同F173(以上、大日本インキ化学工業社)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム社)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子社)等が挙げられる。
増感剤は、放射線のエネルギーを吸収して、そのエネルギーを[B]酸発生剤及び[C]塩基発生剤に伝達しそれにより酸・塩基の生成量を増加する作用を示すものであり、当該ネガ型感放射線性組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を有する。増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。
当該ネガ型感放射線性組成物は、例えば上記[D]溶媒中で、上記[A]ポリシロキサン、[B]酸発生剤、[C]塩基発生剤、並びに必要に応じて[E]酸拡散抑制体、[F]重合体及びその他の任意成分を所定の割合で混合することにより調製できる。有機溶媒としては、上記の[D]溶媒として例示したものであって、[A]ポリシロキサン、[B]酸発生剤等を溶解又は分散可能であれば特に限定されない。当該ネガ型感放射線性組成物は、通常、その使用に際して、全固形分濃度が1質量%〜50質量%、好ましくは2質量%〜25質量%となるように[D]溶媒に溶解した後、例えば孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって、調製される。
本発明のパターン形成方法は、
(1)当該ネガ型感放射線性組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程(以下、「(1)工程」と称することがある)、
(2)上記塗膜を露光する工程(以下、「(2)工程」と称することがある)、
(3)上記露光された塗膜を加熱する工程(以下、「(3)工程」と称することがある)、及び
(4)上記加熱された塗膜を現像液で現像する工程(以下、「(4)工程」と称することがある)
を含む。
本工程では、ネガ型感放射線性組成物又はこれを溶剤に溶解させて得られた組成物溶液を、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布手段によって、シリコンウエハー、二酸化シリコン、反射防止膜で被覆されたウエハー等の基板上に所定の膜厚となるように塗布し、次いでプレベークすることにより塗膜中の溶媒を揮発させることにより、塗膜を形成する。
本工程では、(1)工程で形成された塗膜に(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)、放射線を照射し露光させる。なお、この際所定のパターンを有するマスクを通して放射線を照射する。放射線としては、目的とするパターンの線幅に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等から適宜選択して照射する。ArFエキシマレーザー(波長193nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)に代表される遠紫外線が微細パターンを得るのに好ましく、ArFエキシマレーザーがより好ましい。露光量としては、使用する[B]酸発生剤、[C]塩基発生剤の種類、配合量等により適宜選択されるが、5〜100mJ/cm2が好ましい。
本工程では、(2)工程で露光された塗膜を加熱、すなわちポストエクスポージャーベーク(PEB)することで、塗膜の露光された部分において[B]酸発生剤から発生した酸によるポリシロキサンの架橋反応が引き起こされる。PEBは、通常50℃〜180℃の範囲で適宜選択して実施される。
本工程は、(3)工程で加熱された塗膜を現像液で現像することにより、所定のフォトレジストパターンを形成する。現像後は、水で洗浄し、乾燥することが一般的である。現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液が好ましい。
本発明の絶縁膜の製造方法は、
(1)当該ネガ型感放射線性組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜を露光する工程、
(3)上記露光された塗膜を加熱する工程、
(4)上記加熱された塗膜を現像液で現像する工程、及び
(5)高エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化処理を施す工程(以下、「(5)工程」と称することがある)
を含む。
本工程では、高エネルギー線照射及び/又は加熱によりレジストパターンに硬化処理を施し、硬化パターンを形成する。当該製造方法から形成される硬化物は絶縁体等として利用することができ、極めて微細なパターニング性能が求められるパターニングされた配線用絶縁体、又は半導体材料加工用の無機系犠牲膜等として好適である。
[合成例1]
窒素置換された石英製三口フラスコ内に、20%シュウ酸水溶液1.28g及び超純水83.53gを加えて65℃に加熱した。次いで、メチルトリメトキシシラン142.07g(1.043モル)、及びエトキシプロパノール23.14gを混合した溶液を1時間かけて反応容器に滴下し、65℃で4時間撹拌した。この反応液を室温まで戻し、固形分濃度が25%となるまで減圧下で濃縮し、下記式で表されるポリシロキサン重合体(A−1)の溶液を得た。Mwは6,500であった。
窒素置換された石英製三口フラスコ内に、20%マレイン酸水溶液1.33g及び超純水86.16gを加えて65℃に加熱した。次いで、(a)テトラメトキシシラン16.04g(0.105モル)、(b)メチルトリメトキシシラン129.22g(0.949モル)、及びエトキシプロパノール16.19gを混合した溶液を1時間かけて反応容器に滴下し、65℃で4時間撹拌した。この反応液を室温まで戻し、固形分濃度が25%となるまで減圧下で濃縮し、下記式で表されるポリシロキサン重合体(A−2)の溶液を得た。Mwは8,800であった。なお、29Si−NMR分析の結果、ポリシロキサン重合体(A−2)の構成モノマー比(a):(b)は10:90(モル%)であった。29Si−NMR分析は、AVANCE III AV400N(Bruker製)を用い測定した。
窒素置換された石英製三口フラスコ内に、トリフルオロ酢酸0.31g及び超純水14.85g、エトキシプロパノール22.26gを加えて55℃に加熱した。次いで、(a)テトラメトキシシラン10.92g、(b)フェニルトリメトキシシラン35.56g、(c)トリエトキシシリルオキセタン34.49g、及びエトキシプロパノール81.61gを混合した溶液を1時間かけて反応容器に滴下し、55℃で4時間撹拌した。この反応液を室温まで戻し、固形分濃度が25%となるまで減圧下で濃縮し、下記式で表されるポリシロキサン重合体(A−3)の溶液を得た。Mwは10,200であった。なお、13C−NMRと29Si−NMR分析の結果、ポリシロキサン重合体(A−3)の構成モノマー比(a):(b):(C)は20:50:30(モル%)であった。
窒素置換された石英製三口フラスコ内に、20%マレイン酸水溶液1.52g及び超純水99.26gを加えて75℃に加熱した。次いで、(a)テトラメトキシシラン107.08g(0.703モル)、(b)メチルトリメトキシシラン41.07g(0.302モル)、及びエトキシプロパノール1.07gを混合した溶液を1時間かけて反応容器に滴下し、55℃で2時間撹拌した。この反応液を室温まで戻し、固形分濃度が25%となるまで減圧下で濃縮し、下記式で表されるポリシロキサン重合体(A−4)の溶液を得た。Mwは11,800であった。なお、29Si−NMR分析の結果、ポリシロキサン重合体(A−4)の構成モノマー比(a):(b)は70:30(モル%)であった。
窒素置換された石英製三口フラスコ内に、20%マレイン酸水溶液1.32g及び超純水86.27gを加えて75℃に加熱した。次いで、(a)テトラメトキシシラン30.74g(0.202モル)、(b)メチルトリメトキシシラン68.78g(0.505モル)、(c)ビニルトリメトキシシラン44.91g(0.303モル)、及びエトキシプロパノール17.97gを混合した溶液を1時間かけて反応容器に滴下し、65℃で3時間撹拌した。この反応液を室温まで戻し、固形分濃度が25%となるまで減圧下で濃縮し、下記式で表されるポリシロキサン重合体(A−5)の溶液を得た。Mwは4,100であった。なお、13C−NMRと29Si−NMR分析の結果、ポリシロキサン重合体(A−5)の構成モノマー比(a):(b):(c)は20:50:30(モル%)であった。
窒素置換された石英製三口フラスコ内に、20%マレイン酸水溶液1.28g及び超純水83.75gを加えて65℃に加熱した。次いで、(a)1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン33.71g(0.095モル)、(b)メチルトリメトキシシラン116.56g(0.856モル)、及びエトキシプロパノール14.70gを混合した溶液を1時間かけて反応容器に滴下し、55℃で4時間撹拌した。この反応液を室温まで戻し、固形分濃度が25%となるまで減圧下で濃縮し、下記式で表されるポリシロキサン重合体(A−6)の溶液を得た。Mwは4,800であった。なお、29Si−NMR分析の結果、ポリシロキサン重合体(A−6)の構成モノマー比(a):(b)は10:90(モル%)であった。
[F]重合体の合成に使用した単量体を下記に示す。
化合物(M−1)40モル%、化合物(M−2)60モル%を、メチルエチルケトン50gに溶解し、さらにジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート)アゾビスイソブチロニトリル1.38g(8モル%)を投入した単量体溶液を準備した。仕込み時の単量体の合計量は50gとした。尚、各単量体のモル%は単量体全量に対するモル%を表し、開始剤のモル%は単量体全量と開始剤の合計量に対するモル%を表す。一方、温度計及び滴下漏斗を備えた500mLの三つ口フラスコにエチルメチルケトン50gを加え、30分間窒素パージを行った。その後、フラスコ内をマグネティックスターラーで攪拌しながら、80℃になるように加熱した。次いで、上記量体溶液をフラスコ内に滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下後3時間熟成させ、その後、30℃以下になるまで冷却して共重合体溶液を得た。次いで、反応溶液質量の5倍のメタノール中に共重合体溶液を注いで30分攪拌した後、濾過し、200mLのメタノール中での洗浄を2回繰り返し、共重合体(F−1)の溶液を得た。Mwは6,600、収率49質量%であった。なお、13C−NMR分析の結果、共重合体(F−1)における(M−1)及び(M−2)の構成モノマー比は38:62(モル%)であった。
表1に示す種類、量の単量体を使用した以外は合成例1と同様に操作して、[F]重合体を合成した。なお、表1中の「−」は、該当する成分を使用しなかったことを示す。また、各[F]重合体のMw、収率及び各構造単位の含有割合についてもあわせて表1に示す。
窒素置換された石英製三口フラスコ内に、20%マレイン酸水溶液0.84g及び超純水54.92gを加えて65℃に加熱した。次いで、(a)テトラメトキシシラン19.57g(0.129モル)、(b)トリフルオロメチルトリメトキシシラン91.64g(0.514モル)、及びエトキシプロパノール83.03gを混合した溶液を1時間かけて反応容器に滴下し、65℃で4時間撹拌した。この反応液を室温まで戻し、固形分濃度が25%となるまで減圧下で濃縮し、共重合体(F−7)の溶液を得た。Mwは7,700、収率97質量%であった。なお、29Si−NMR分析の結果、共重合体(F−7)における(a)及び(b)の構成モノマー比は20:80(モル%)であった。
[実施例1]
[A]ポリシロキサンの溶液を[A]ポリシロキサン100質量部に相当する量をとり、ここに[B]酸発生剤としての(B−1)を2質量部、[C]塩基発生剤としての(C−1)を10質量部、[E]酸拡散制御剤としての(E−1)を0.4質量部を混合し、ネガ型感放射線性組成物を調製した。また、所望の膜厚を得るために好適な固形分濃度となるように[D]溶媒として酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルを添加した。
表2に示す種類、量の各成分を使用した以外は実施例1と同様に操作してネガ型感放射線性組成物を調製した。なお、表1中の「−」は、該当する成分を使用しなかったことを示す。実施例及び比較例で用いた各成分の詳細を下記に示す。
B−1:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート
B−2:下記式で表される化合物
C−1:下記式で表される化合物
C−2:2−ニトロベンジルシクロヘキシルカーバメート
E−1:1−tert−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール
反射防止膜ARF29A(日産化学社)を塗布したシリコンウェハー上に、実施例及び比較例として調製したネガ型感放射線性組成物をスピンコーターを用いて塗布し、表3に示す温度、時間でプレベークし、塗膜を形成した。次いで、得られた塗膜を露光、表3に示す温度、時間でポストベーク、現像、リンスすることによりパターンを形成した。なお、形成した塗膜の膜厚(nm)についてもあわせて表3に示す。
露光量は10mJ/cm2〜30mJ/cm2の範囲で変量して行った。
KrF:500nmピッチ250nmライン幅のパターンを結像するマスクを用い、露光はNA=0.68、NIKON社、S203Bを使用、成膜、現像、リンスはCLEAN TRACK ACT−8(東京エレクトロン社)を使用
ArF:180nmピッチ90nmライン幅のパターンを結像するマスクを用い、露光はNA=0.78、NIKON社、S306Cを使用、成膜、現像、リンスはCLEAN TRACK ACT−8(東京エレクトロン社)を使用
ArF−i:90nmピッチ45nmライン幅のパターンを結像するマスクを用い、露光はNA=1.35(NIKON社、S610を使用、成膜、現像、リンスはCLEAN TRACK LITHIUS Pro−i(東京エレクトロン社)を使用
得られたパターンの形状を走査型電子顕微鏡(S−9380、日立ハイテクノロジーズ社)を用いて確認した。最も多くの本数のラインパターンが形成された露光量条件をベスト条件と設定し、その条件で得られたラインパターンのパターン形成率(%)、ラインパターン幅(nm)及びLWR(ラインパターン幅のラフネスバラツキ)(nm)を計測した。結果を表3にあわせて示す。
実施例5及び14のパターンをUVキュア装置(RapidCure FC、Axelis社)にて400℃、空気中で5分間処理し、絶縁膜を製造した。
処理前後の硬化物(硬化されたパターン)の形状変化を走査型電子顕微鏡で調べたところ、いずれのサンプルもパターンの変形は見られずサイズが幅、高さ方向共に10%収縮したことが分かった。このとき、収縮率が15%以下の場合、基板の反り、パターンの断線、交差(ブリッジ)、脱落への影響が小さく良好とされる。また、実施例5の組成物をSiウエハに塗布し、同様にUVキュア装置で焼成して上記パターンと類似の焼成膜を得、膜の誘電率をLCRメーターを用いて計測したところ室温(25℃)測定で2.9、130℃測定で2.6であった。同様に実施例14の組成物を用いて形成した焼成膜についても誘電率を測定したところ室温、130℃共に2.6であった。このように、上記焼成膜は誘電率が3以下と低く、かつ、リーク電流も少ないことから、低誘電率絶縁膜として良好といえる。なお、室温と130℃の誘電率の差異は材料の吸湿性の指標とされており、この差が小さい方が吸湿性が低く、永久膜としての信頼性が良好とされている。また、2メガボルトの電圧を印加してリーク電流を計測したところ実施例5が9.3x10−9A/cm2、実施例14が7.5x10−9A/cm2であり、絶縁膜としての性能は十分であった。
Claims (8)
- [A]ポリシロキサン、
[B]感放射線性酸発生剤、
[C]感放射線性塩基発生剤、
[D]溶媒、及び
[E]酸拡散抑制体
を含有するネガ型感放射線性組成物。 - [A]ポリシロキサン、
[B]感放射線性酸発生剤、
[C]感放射線性塩基発生剤、
[D]溶媒、及び
[F]フッ素原子を有する重合体
を含有するネガ型感放射線性組成物。 - [F]重合体が、下記式(3)、式(4)及び式(5)で表される複数の構造単位からなる群より選択される少なくも1種の構造単位を有する請求項2に記載のネガ型感放射線性組成物。
- [B]酸発生剤の当量に対する[C]塩基発生剤の当量の比が0.1以上100以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のネガ型感放射線性組成物。
- [B]酸発生剤がオニウム塩化合物であり、[C]塩基発生剤が含窒素化合物である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のネガ型感放射線性組成物。
- (1)請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のネガ型感放射性組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜を露光する工程、
(3)上記露光された塗膜を加熱する工程、及び
(4)上記加熱された塗膜を現像液で現像する工程
を含むパターン形成方法。 - (1)請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のネガ型感放射性組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
(2)上記塗膜を露光する工程、
(3)上記露光された塗膜を加熱する工程、
(4)上記加熱された塗膜を現像液で現像する工程、及び
(5)高エネルギー線照射及び/又は加熱により硬化処理を施す工程
を含む絶縁膜の製造方法。
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