JP5834555B2 - 画像記録装置、及び、画像記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像記録装置、及び、画像記録方法に関する。
画像記録装置として、インクを吐出可能なノズルを備えたヘッドを移動方向に移動しなからノズルからインクを吐出させる吐出動作と、移動方向と交差する搬送方向に用紙を搬送する搬送動作とを繰り返すインクジェットプリンター(以下、プリンター)が知られている。このようなプリンターでは、移動方向に移動するノズルが目標の着弾位置に到達する前にインクを吐出させる必要がある。
また、ノズルから用紙までの距離(以下、ペーパーギャップ)や、インクの吐出速度、ヘッドの移動速度などの違いによって、インクが吐出されてから用紙に着弾するまでの時間が異なり、インクの着弾位置ずれの原因となる。そこで、ペーパーギャップなどを考慮してインクの吐出タイミングを補正し、インクの着弾位置ずれを低減する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−174836号公報
また、ヘッドと共に移動方向へ移動するセンサーが実際のペーパーギャップを検出し、実際に検出したペーパーギャップを用いてインクの吐出タイミングを補正するプリンターがある。このようなプリンターでは、インクの着弾位置ずれをより低減することができる。
しかし、例えば、高速印刷のために搬送方向にノズルが長く並んだプリンターでは、搬送方向における所定の位置のノズルと別の位置のノズルにそれぞれ対応するペーパーギャップに差が生じ易くなってしまう。そのため、ヘッドと共に移動方向へ移動するセンサーが検出したペーパーギャップのみ、即ち、搬送方向における所定の位置のノズルに対応するペーパーギャップのみに基づいて、全ノズルの吐出タイミングを補正する方法では、搬送方向における別の位置のノズルから吐出されたインクの着弾位置ずれを補正しきれない。
そこで、本発明では、流体の着弾位置ずれをより低減することを目的とする。
前記課題を解決する為の主たる発明は、流体を吐出可能な複数のノズルが第1の方向に並んだノズル群と、前記ノズル群と被記録媒体とが第1の方向に相対移動する第1の移動動作を実行する第1の移動手段と、前記ノズル群と前記被記録媒体とが前記第1の方向と交差する第2の方向に相対移動する第2の移動動作を実行する第2の移動手段と、前記ノズル群から前記被記録媒体までの距離を検出する検出手段と、前記第1の移動動作と前記第2の移動動作とを繰り返し実行させつつ、前記第2の移動動作時に前記ノズルから流体を吐出させることにより、前記被記録媒体に画像を記録させる制御部であって、前記第1の移動動作時に前記被記録媒体と前記第1の方向に相対移動した前記検出手段が検出した結果である前記第1の方向における前記距離の変化と、前記第2の移動動作時に前記被記録媒体と前記第2の方向に相対移動した前記検出手段が検出した結果である前記第2の方向における前記距離の変化と、に基づいて、各前記ノズルに対応する前記距離を取得し、取得した各前記ノズルに対応する前記距離に基づいて、各前記ノズルから流体を吐出させるタイミングを補正する制御部と、を備えることを特徴とする画像記録装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
図1Aはプリンターの全体構成ブロック図であり、図1Bはプリンターの概略斜視図である。 ヘッド及びノズルの配置を説明する図である。 インクを吐出させるための制御回路を説明する図である。 キャリッジセンサーを説明する図である。 図5A及び図5Bはインクの着弾位置ずれを説明する図である。 インクの着弾位置ずれの補正方法の概略を説明する図である。 図7Aはキャリッジセンサーがペーパーギャップを検出する位置を示す図であり、図7Bはペーパーギャップの検出結果を示す図である。 搬送方向におけるペーパーギャップの変化を示す図である。 実施例1の着弾位置ずれの補正方法を説明する図である。 実施例1の着弾位置ずれの補正方法を説明する図である。 実施例1の着弾位置ずれの補正方法を説明する図である。 実施例1の着弾位置ずれの補正方法を説明する図である。 実施例2の着弾位置ずれの補正方法を説明する図である。 実施例3の着弾位置ずれの補正方法を説明する図である。 実施例4の着弾位置ずれの補正方法を説明する図である。 実施例5の着弾位置ずれの補正方法を説明する図である。 図14AはPTS信号と駆動信号の関係を説明する図であり、図14Bは基準位置とノズル列との移動方向のずれ量を説明する図である。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
即ち、流体を吐出可能な複数のノズルが第1の方向に並んだノズル群と、前記ノズル群と被記録媒体とが第1の方向に相対移動する第1の移動動作を実行する第1の移動手段と、前記ノズル群と前記被記録媒体とが前記第1の方向と交差する第2の方向に相対移動する第2の移動動作を実行する第2の移動手段と、前記ノズル群から前記被記録媒体までの距離を検出する検出手段と、前記第1の移動動作と前記第2の移動動作とを繰り返し実行させつつ、前記第2の移動動作時に前記ノズルから流体を吐出させることにより、前記被記録媒体に画像を記録させる制御部であって、前記第1の移動動作時に前記被記録媒体と前記第1の方向に相対移動した前記検出手段が検出した結果である前記第1の方向における前記距離の変化と、前記第2の移動動作時に前記被記録媒体と前記第2の方向に相対移動した前記検出手段が検出した結果である前記第2の方向における前記距離の変化と、に基づいて、各前記ノズルに対応する前記距離を取得し、取得した各前記ノズルに対応する前記距離に基づいて、各前記ノズルから流体を吐出させるタイミングを補正する制御部と、を備えることを特徴とする画像記録装置。
このような画像記録装置によれば、各ノズルに割り当てられる位置(画素)での距離(ペーパーギャップ)により近い値に基づいて、ノズルからの吐出タイミングが補正されるので、流体の着弾位置ずれをより低減することができる。
かかる画像記録装置であって、前記検出手段は、第1の検出手段と第2の検出手段とを有し、前記第1の移動動作時に、前記第1の検出手段が、前記被記録媒体と対向する位置に設けられ、これから画像が記録される前記被記録媒体の部位に関して前記第1の方向における前記距離の変化を検出し、前記第2の移動動作時に、前記第2の検出手段が、前記第2の移動手段により前記ノズル群と共に前記被記録媒体に対して前記第2の方向に移動し、前記第2の方向における前記距離の変化を検出すること。
このような画像記録装置によれば、流体の着弾位置ずれをより低減することができ、また、第2の移動動作の後に第2の検出手段が被記録媒体上に戻る必要が無いため、画像記録時間を短縮することができる。
かかる画像記録装置であって、前記第1の移動動作時に、前記第2の検出手段が、前記被記録媒体と対向する位置であって前記第1の検出手段が設けられた位置とは異なる前記第2の方向の位置に設けられ、これから画像が記録される前記被記録媒体の部位に関して前記第1の方向における前記距離の変化を検出すること。
このような画像記録装置によれば、流体の着弾位置ずれの補正精度を上げつつ、コスト上昇を抑えることができる。
かかる画像記録装置であって、前記検出手段は、複数の前記第1の検出手段を有し、前記第1の移動動作時に、前記第2の方向における異なる位置に各前記第1の検出手段が設けられること。
このような画像記録装置によれば、流体の着弾位置ずれの補正精度を上げることができる。
かかる画像記録装置であって、前記第1の移動動作時に、前記検出手段が、前記被記録媒体と対向する位置に設けられ、これから画像が記録される前記被記録媒体の部位に関して前記第1の方向における前記距離の変化を検出し、前記第2の移動動作時に、前記検出手段が、前記第2の移動手段により前記ノズル群と共に前記被記録媒体に対して前記第2の方向に移動し、前記第2の方向における前記距離の変化を検出すること。
このような画像記録装置によれば、流体の着弾位置ずれをより低減することができ、また、別の検出手段を設けることなく第1の方向における距離(ペーパーギャップ)の変化を検出するので、コストダウンを図ることができる。
かかる画像記録装置であって、前記第1の移動動作時に、前記検出手段が、前記被記録媒体の前記第2の方向における中央部と対向する位置に設けられること。
このような画像記録装置によれば、第2の方向の位置によらずに、流体の着弾位置ずれを平均的に補正することができる。
かかる画像記録装置であって、前記第1の移動動作時に、前記検出手段が前記第2の方向に移動すること。
このような画像記録装置によれば、第2の方向の位置によらずに、流体の着弾位置ずれを平均的に補正することができる。
かかる画像記録装置を用いて前記被記録媒体に画像を記録することを特徴とする画像記録方法である。
このような画像記録方法によれば、各ノズルに割り当てられる位置(画素)での距離(ペーパーギャップ)により近い値に基づいて、ノズルからの吐出タイミングが補正されるので、流体の着弾位置ずれをより低減することができる。
===印刷システムについて===
「画像記録装置」をインクジェットプリンター(以下、プリンター)とし、プリンターとコンピューターが接続された印刷システムを例に挙げて、実施形態を説明する。
図1Aは、プリンター1の全体構成ブロック図であり、図1Bは、プリンター1の概略斜視図である。図2は、ヘッドユニット40の下面におけるヘッド41及びノズルNzの配置を説明する図である。図3は、ノズルNzからインクを吐出させるための制御回路を説明する図である。なお、図2は、ヘッドユニット40の上方からヘッド41及びノズルNzの配置を仮想的に見た図である。また、図3では、説明の容易のため、あるノズル列(Nz列)の2つのノズル(#1,#2)に関する制御回路を示す。括弧内の番号がノズルNzの番号を表す。
コンピューター60は、プリンター1と通信可能に接続されており、プリンター1に画像を印刷させるための印刷データをプリンター1に出力する。
コントローラー10は、プリンター1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11はコンピューター60とプリンター1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12はプリンター1全体の制御を行うための演算処理装置であり、ユニット制御回路14により各ユニットを制御する。メモリー13はCPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。なお、プリンター1内の状況を検出器群50が監視し、その検出結果に基づいてコントローラー10は各ユニットを制御する。
搬送ユニット20(第1の移動手段に相当)は、用紙S(被記録媒体に相当)を印刷可能な位置に給紙し、印刷時には、ヘッドユニット40に対して用紙Sを搬送方向に搬送するためのものである。なお、画像が記録(印刷)される被記録媒体は紙に限らず、例えば、布やフィルムでもよい。
キャリッジユニット30(第2の移動手段に相当)は、インクを吐出するヘッドユニット40を搭載したキャリッジ31を用紙Sに対して、搬送方向と交差する移動方向に移動するためのものである。
ヘッドユニット40は、用紙Sにインクを吐出するためのものであり、ヘッド41とヘッド制御部HCを有する。ヘッド41の下面にはインク(流体)を吐出可能ノズルNzが多数形成されている。
本実施形態のプリンター1は4個のヘッド41を有し、4個のヘッド41が搬送方向に並んで設けられている。そうすることで、ヘッドユニット40の移動方向への1回の移動によって印刷される画像の搬送方向の長さを長くすることができ、印刷速度を向上させることができる。
各ヘッド41は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)をそれぞれ吐出する4個のノズル列(YMCK)を有し、各ノズル列では、複数のノズルNzが搬送方向に所定の間隔おきに並んでいる。説明のため、搬送方向上流側のヘッド41から順に、第1ヘッド41(1)、第2ヘッド41(2)、第3ヘッド41(3)、第4ヘッド41(4)と呼ぶ。また、各ノズル列において、搬送方向上流側のノズルNzから順に、小さい番号を付ける(#1、#2、…#180)。
なお、搬送方向に並ぶヘッド41が有する各ノズル列の端部を重複させている。例えば、第1ヘッド41(1)が有するノズル列の搬送方向下流側の端部ノズル(#179,#180)と、第2ヘッド41(2)が有するノズル列の搬送方向上流側の端部ノズル(#1,#2)とで、搬送方向の位置を揃えている。そのため、ヘッドユニット40の下面では、多数のノズルNzが搬送方向に所定の間隔おきに並んでいることになる(よって、ヘッドユニット40の下面で搬送方向に並ぶ多数のノズルNzがノズル群に相当する)。
また、ヘッド41にはノズルNz毎に駆動素子(図3)が設けられ、駆動素子の駆動によってノズルNzからインクが吐出される。なお、ノズルNzからのインク吐出方式は、ピエゾ素子(駆動素子)に電圧をかけて、ノズルNzと連通し且つインクが充填されたインク室を膨張・収縮させることにより、ノズルNzからインクを吐出させるピエゾ方式でもよいし、発熱素子(駆動素子)を用いてノズルNz内に気泡を発生させ、その気泡によってノズルNzからインクを吐出させるサーマル方式でもよい。
また、ヘッド制御部HCにはノズルNz毎にスイッチswが設けられ、コントローラー10にはノズルNz毎に駆動信号生成回路141とタイミング補正回路142(詳細は後述)が設けられている。
駆動信号生成回路141は、対応するノズルNzの吐出タイミングに応じて、駆動素子に印加する駆動パルス(W1,W2)を含む駆動信号DRVを生成する。用紙S上に定める1画素とノズルNzが対向する期間(即ち、キャリッジ31が1画素を横切る期間)を「繰り返し周期T」とし、駆動信号生成回路141は、駆動信号DRVにおいて繰り返し周期Tごとに第1パルスW1と第2パルスW2を発生させる。
スイッチswには、対応するノズルNzの印刷信号prtと、駆動信号生成回路141が生成した駆動信号DRVが入力される。スイッチswは、印刷信号prtに基づいて、対応するノズルNzの駆動素子に印加する駆動パルス(W1,W2)のオン・オフ制御を行う。スイッチswが駆動パルスを通過させて、駆動素子に駆動パルスが印加されれば、ノズルNzからインクが吐出され、逆に、スイッチswが駆動パルスを遮断し、駆動素子に駆動パルスが印加されなければ、ノズルNzからインクが吐出されない。
本実施形態のプリンター1では、各ノズルNzが3種類のドットを形成可能とする。印刷信号prtが「大ドット形成」を示す場合、スイッチswは駆動信号DRV内の2つの駆動パルスW1,W2を駆動素子に印加し、印刷信号prtが「中ドット形成」を示す場合、スイッチswは第1パルスW1を駆動素子に印加し、印刷信号prtが「小ドット形成」を示す場合、スイッチswは第2パルスW2を駆動素子に印加し、印刷信号prtが「ドットなし」を示す場合、スイッチswは何れのパルスW1,W2も駆動素子に印加しない。
検出器群50は、ノズルNzから用紙Sまでの距離であるペーパーギャップPGを検出するセンサー(検出手段に相当、後述のキャリッジセンサー52や上流側センサー53)などを有する。
このようなプリンター1において、コントローラー10(制御部に相当)は、キャリッジ31によりヘッドユニット40を移動方向(第2の方向に相当)に移動させながらノズルNzからインクを吐出させる印刷動作(第2の移動動作に相当)と、用紙Sを搬送方向(第1の方向に相当)に搬送させる搬送動作(第1の移動動作に相当)とを、を繰り返し実行させる。その結果、先の印刷動作により形成されたドットの位置とは異なる用紙S上の位置に、後の印刷動作にてドットが形成されるため、用紙S上に2次元の画像が印刷(記録)される。以下では、1回の印刷動作を「パス」とも呼ぶ。
===キャリッジ速度Vc===
本実施形態のプリンター1は、リニア式エンコーダーを用いて、ヘッドユニット40を搭載したキャリッジ31の移動方向への移動速度(以下、キャリッジ速度Vc)を検出する。リニア式エンコーダーは、キャリッジ31の移動方向の位置を検出するためのものであり、リニアスケール51(図1B参照)と、リニアスケール51と対向するようにキャリッジ31の背面に設けられたスリットセンサー(不図示)と、を有する。
スリットセンサーは、リニアスケール51のスリットを検出するごとに、コントローラー10に信号を出力する。スリットセンサーがリニアスケール51の或るスリットを検出してから次のスリットを検出するまでの時間tは、キャリッジ31がスリット間隔λを移動方向に移動する時間に相当する。よって、図3に示すコントローラー10内の「Vc算出部144」は、スリット間隔λを、スリットセンサーがスリットを検出する時間間隔tで除算することにより、キャリッジ速度Vc(=λ/t)を算出する。
===キャリッジセンサー52===
図4は、ノズルNz(ヘッド41の下面)から用紙Sまでの距離(以下、ペーパーギャップPG)を検出するキャリッジセンサー52を説明する図である。図2に示すように、本実施形態のキャリッジセンサー52は、用紙Sと対向可能なようにヘッドユニット40の下面に設けられ、キャリッジ31によりヘッドユニット40と共に移動方向に移動する。なお、キャリッジセンサー52が、ペーパーギャップPGだけでなく、移動方向における用紙Sの左右端の位置を検出するようにしてもよい。
キャリッジセンサー52は、発光部521と、2つの受光部(第1受光部522、第2受光部523)と、を有する。発光部521は、発光ダイオードを有し、用紙Sに光を照射する。第1受光部522、及び、第2受光部523は、受光した光量に応じた電気信号を出力する受光素子を有する。第2受光部523は、第1受光部522よりも、発光部521から離れた位置に設けられている。発光部521から用紙Sに向けて照射された光は、用紙Sによって反射され、各受光部522,523の受光素子に入射する。受光素子に入射した光は、入射した光量に応じた電気信号に変換される。
ペーパーギャップPGが小さい場合、用紙S1によって反射した光は、主に第1受光部522に入射し、第2受光部523には拡散光しか入射しない。よって、第1受光部522の出力信号は、第2受光部523の出力信号よりも大きくなる。
一方、ペーパーギャップPGが大きい場合、用紙S2によって反射した光は、主に第2受光部523に入射し、第1受光部522には拡散光しか入射しない。よって、第2受光部523の出力信号は、第1受光部522の出力信号よりも大きくなる。
ゆえに、第1受光部522・第2受光部523からの出力信号の比とペーパーギャップPGとの関係を予め求めていれば、実際のペーパーギャップPGを検出することができる。
例えば、2つの受光部522,523の出力信号比とペーパーギャップPGの関係を示すテーブル(不図示)をメモリー13に記憶させる。そして、キャリッジセンサー52が移動方向に移動する際に、対向する用紙Sの部位に向けて発光部521に光を照射させることで、用紙Sの各部位における2つの受光部522,523の出力信号比が得られる。その出力信号比をメモリー13に記憶されているテーブルに対応付けることで、用紙Sの各部位におけるペーパーギャップPGを検出することができる。
===インクの着弾位置ずれ===
図5A及び図5Bは、インクの着弾位置ずれを説明する図である。本実施形態のプリンター1では、ヘッドユニット40(ヘッド41)がキャリッジ31と共に移動方向に移動する際に、ノズルNzからインクが吐出される。そのため、ノズルNzから吐出されたインクは、慣性の法則により、ヘッドユニット40が移動する側(図では右側)に移動しつつ落下して、用紙Sに着弾する。よって、ノズルNzが目標の画素(目標の着弾位置)に到達する前に、ノズルNzからインクを吐出させる必要がある。
ここで、キャリッジ31(ヘッドユニット40)の基準の移動速度を「Vcs」とし、ノズルNzから吐出されるインクの基準の吐出速度を「Vms」とし、基準のペーパーギャップを「PGs」とする。この場合、図5Aに示すように、ノズルNzからインクが吐出された位置から、基準の飛翔距離「Ls=(Vcs×PGs)/Vms」だけヘッドユニット40が移動する側にずれた位置に、インクが着弾する。
従って、目標の画素から基準の飛翔距離Lsだけ手前側に(ヘッドユニット40が移動する側とは反対側に)ノズルNzが位置するタイミングで(図中の基準の吐出位置で)、ノズルNzからインクを吐出させる。そうすることで、目標の画素にインクを着弾させることができる。
しかし、インクの吸収で用紙Sが膨潤してうねる現象(コックリング)などが原因で、実際のペーパーギャップと基準のペーパーギャップPGsにずれが生じることがある。また、キャリッジユニット30の製造誤差などが原因で、実際のキャリッジ速度と基準のキャリッジ速度Vcsにずれが生じることもある。ただし、本実施形態では、インクの吐出速度は一定(基準の吐出速度Vms)とする。
例えば、図5Bに示すように、実際のキャリッジ速度Vcdが基準のキャリッジ速度Vcsよりも遅く(Vcd<Vcs)、実際のペーパーギャップPGdが基準のペーパーギャップPGsよりも小さいとする(PGd<PGs)。
この場合、ノズルNzからインクが吐出されてから用紙Sに着弾するまでの間にインクが移動方向に移動する距離(実際の飛翔距離Ld)は「Ld=(Vcd×PGd)/Vms」となり、実際の飛翔距離Ldが基準の飛翔距離Lsよりも短くなる。そのため、基準の吐出位置でノズルNzからインクを吐出させると、インクは目標の画素よりも手前の位置に着弾してしまう。
つまり、実際のキャリッジ速度VcdやペーパーギャップPGdは基準の値からずれているにも拘らず、基準のキャリッジ速度VcsやペーパーギャップPGsに基づいて算出した基準の吐出位置で、ノズルNzからインクを吐出させてしまうと、目標の画素から移動方向にずれた位置にインクが着弾してしまう。その結果、印刷画像の画質が劣化してしまう。
特に、ヘッドユニット40が移動方向の双方向に移動する時にノズルNzからインクを吐出させる印刷方法(所謂、双方向印刷)を実行する場合、往路でのインクの着弾位置と復路でのインクの着弾位置とのずれ量が大きくなり、印刷画像の画質がより劣化してしまう。
===インクの着弾位置ずれの補正方法:概略===
図6は、インクの着弾位置ずれの補正方法の概略を説明する図である。図6では、図5Bと同様に、実際のペーパーギャップPGdが基準のペーパーギャップPGsよりも小さく、実際のキャリッジ速度Vcdが基準のキャリッジ速度Vcsよりも遅いとする。この場合、基準の吐出位置にてノズルNzからインクを吐出させると、基準の飛翔距離Lsと実際の飛翔距離Ldの差である補正距離ΔLだけ、目標の画素よりも手前側の位置にインクが着弾してしまう。補正距離ΔLは、以下の式で表される。なお、実際のペーパーギャップPGdは、目標の画素におけるPGdとする。
ΔL=Ls−Ld
={(Vcs×PGs)/Vms−(Vcd×PGd)/Vms}
そこで、ノズルNzが上記の補正距離ΔLだけ基準の吐出位置を通り過ぎたタイミングで、ノズルNzからインクを吐出させる。言い換えると、ノズルNzが補正距離ΔLを移動する時間分だけ基準の吐出タイミングから遅延させたタイミングで、ノズルNzからインクを吐出させる。そうすることで、インクの着弾位置ずれを補正し、インクを目標の画素に着弾させることができる。
なお、説明の容易のために、本実施形態では、基準のキャリッジ速度Vcs、及び、基準のペーパーギャップPGsを比較的に大きな値に設定し、吐出タイミングの補正の方向を遅延させる方向に揃える。ただし、これに限らず、吐出タイミングの補正の方向を早める方向に揃えてもよいし、何れの方向に補正可能なようにしてもよい。
また、上記の補正距離ΔLを用いた補正方法に限らない。例えば、ノズルNzからインクが吐出されてから用紙Sに着弾するまでの到達時間の差分を、基準の吐出タイミングからの補正時間にしてもよい。即ち、基準のペーパーギャップPGsをインクの吐出速度Vmsで除した基準の到達時間と、実際のペーパーギャップPGdをインク吐出速度Vmsで除した実際の到達時間との差分を、基準の吐出タイミングからの補正時間にしてもよい。
===インクの着弾位置ずれの補正方法:比較例===
比較例では、印刷動作時に、キャリッジセンサー52がキャリッジ31によりヘッドユニット40と共に移動方向に移動しながら検出したペーパーギャップPGのみを用いて、インクの着弾位置ずれを補正する。
以下、具体的な補正方法について説明する。
図7Aは、各パスで印刷される画像の位置とキャリッジセンサー52がペーパーギャップPGを検出する位置を示す図である。図7Aの左図がパスNの様子を示し、図7Aの右図がパスN+1の様子を示す。図7Bは、パスNにてキャリッジセンサー52が検出したペーパーギャップPGの結果を示す図である。図8は、搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を示す図である。図8は、搬送方向に並ぶ4個のヘッド41と用紙Sを移動方向から見た図である。
図7Aに示すように、パスNでは、用紙Sのうち、搬送方向の位置Y1〜Y2の部位に、画像が印刷される。また、本実施形態のプリンター1では、図2に示すように、キャリッジセンサー52が、何れのヘッド41よりも搬送方向の上流側の位置に設けられている。よって、キャリッジセンサー52は、パスNにおいて、画像が印刷される搬送方向の位置Y1〜Y2よりも搬送方向上流側の位置Y3におけるペーパーギャップPGを検出しながら、移動方向に移動する。即ち、キャリッジセンサー52は、印刷動作時に、これから画像が印刷される用紙Sの部位に関して、移動方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出する。キャリッジセンサー52が検出した結果(図7B)は、コントローラー10に送信され、メモリー13に記憶される。なお、ここでは、キャリッジセンサー52は、用紙Sの左端X1から右端Xnまでに亘って、用紙S上に定めた移動方向に並ぶ画素ごとにペーパーギャップPGを検出するとした。
用紙Sの搬送動作後、次のパスN+1では、用紙Sのうち、搬送方向の位置Y2〜Y4の部位に、画像が印刷される。この時、コントローラー10は、搬送方向の位置Y2とY4の間の位置Y3におけるペーパーギャップPG、即ち、前のパスNでキャリッジセンサー52が検出した結果(図7B)を用いて、前述の図6にて説明したように、インクの吐出タイミングを補正し、インクの着弾位置ずれを補正する。
このように、比較例では、キャリッジセンサー52が印刷動作時に検出したペーパーギャップPGのみを用いてインクの着弾位置ずれを補正する。そのため、パスN+1にて画像が印刷される搬送方向の位置Y2〜Y4のうちの所定の一点Y3におけるペーパーギャップPGに基づいて、ヘッドユニット40に属する全ノズルNzの吐出タイミングが補正される。例えば、移動方向の位置がX2である画素にドットを形成するために、第1ヘッド41(1)に属するノズルNzの吐出タイミングも、第4ヘッド41(4)に属するノズルNzの吐出タイミングも、図7Bに示す同じペーパーギャップPG(X2)に基づいて補正される。
つまり、比較例では、移動方向の位置が同じであれば、搬送方向の位置が異なる画素に向けてインクを吐出させる場合にも、同じペーパーギャップPGに基づいてインクの吐出タイミングが補正される。
しかし、高速印刷を実現するために、本実施形態のプリンター1のように4個のヘッド41(多数のノズルNz)が搬送方向に並ぶ場合、即ち、1回の印刷動作で印刷される画像の搬送方向の長さが長い場合、図8に示すように、搬送方向の位置が異なる画素でのペーパーギャップPGに差が生じ易くなる。
これは、ヘッド41よりも搬送方向の上流側と下流側にそれぞれ設けられたローラー対Rが用紙Sを挟持しつつ用紙Sに張力を付与したとしても、ローラー対Rの間隔が長くなるほど、用紙Sの平坦性を確保することが難しくなるからと考えられる。
更に、印刷の開始と終わりでは、2つのローラー対Rのうちの一方のローラー対Rのみが用紙Sを挟持することになる。この場合、用紙Sの平坦性を確保することがより難しくなり、搬送方向の位置が異なる画素でのペーパーギャップPGの差がより大きくなってしまう。
例えば、図8に示すように、キャリッジセンサー52がペーパーギャップPGを検出した画素(搬送方向の位置Y3)が第4ヘッド41(4)のノズル#178に割り当てられたとする。そして、第4ヘッド41(4)のノズル#178に対応するペーパーギャップPG(X2)に対して、第1ヘッド41(1)のノズル#4に対応するペーパーギャップPG(X2)+αが大幅に大きいとする。
比較例では、第4ヘッド41(4)のノズル#178に対応するペーパーギャップPG(X2)に基づいて、ヘッドユニット40に属する全ノズルNzの吐出タイミングが補正される。そのため、第4ヘッド41(4)のノズル#178からのインクの着弾位置ずれは、正しく補正される。しかし、実際のペーパーギャップPG(X2)+αよりも小さいペーパーギャップPG(X2)に基づいて補正された第1ヘッド41(1)のノズル#4からのインクの着弾位置ずれは、正しく補正されない。
つまり、比較例の補正方法では、キャリッジセンサー52が印刷動作時に検出するペーパーギャップPG、即ち、移動方向におけるペーパーギャップPGの変化のみに基づいて、吐出タイミングを補正し、搬送方向における所定の一点でのペーパーギャップPGに基づいて、搬送方向の別の地点に位置するノズルNzの吐出タイミングを補正する。そのため、複数のヘッド41が搬送方向に並ぶ等して、搬送方向の位置が異なる画素でのペーパーギャップPGに差が生じ易くなる場合、比較例の補正方法では、インクの着弾位置ずれの補正精度が低くなってしまう。
そこで、本実施形態では、インクの着弾位置ずれをより低減することを目的とする。
===インクの着弾位置ずれの補正方法:実施例1===
図9Aから図9Dは、実施例1におけるインクの着弾位置ずれの補正方法を説明する図である。実施例1では、キャリッジセンサー52が検出したペーパーギャップPGに加えて、上流側センサー53が検出したペーパーギャップPGを用いて、インクの着弾位置ずれを補正する。
上流側センサー53は、キャリッジセンサー52と同じ構造であり(図4)、対向する用紙Sの部位のペーパーギャップPGを検出可能とする。図9Aに示すように、ヘッドユニット40よりも搬送方向上流側の位置であり、移動方向に移動するヘッドユニット40及びキャリッジ31と接触しない位置に、上流側センサー53は設けられている。また、移動方向における用紙Sの中央部(位置Xm)に上流側センサー53は設けられている。
実施例1においても、比較例(図7)と同様に、印刷動作時に、キャリッジセンサー52がキャリッジ31により移動方向に移動しながらペーパーギャップPGを検出する。即ち、キャリッジセンサー52が、搬送方向における所定の一点(例えば、位置Y3)での移動方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出する。
それに加えて、実施例1では、用紙Sの搬送動作時(給紙時も含む)に、上流側センサー53がペーパーギャップPGを検出する。搬送動作時には、位置が固定された上流側センサー53に対して、用紙Sが搬送方向の下流側に搬送される。よって、上流側センサー53は、用紙Sの移動方向中央部(位置Xm)での搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出する。
また、上流側センサー53はヘッドユニット40よりも搬送方向上流側の位置に設けられている。そのため、上流側センサー53は、これから画像が印刷される用紙Sの部位に関して、搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出する。なお、ここでは、上流側センサー53は、搬送方向に並ぶ用紙S上の画素ごとにペーパーギャップPGを検出する。
このように、実施例1では、キャリッジセンサー52によって移動方向におけるペーパーギャップPGの変化が検出され、上流側センサー53によって搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化が検出される。そして、コントローラー10が、これらの検出結果に基づいて、ヘッドユニット40に属するノズルNz毎のペーパーギャップPGを取得し、取得したノズルNz毎のペーパーギャップPGに基づいて、各ノズルNzからのインクの吐出タイミングを補正する。
以下、パスN+1(図7A参照)でのインクの着弾位置ずれの補正を例に挙げて説明する。なお、ここでは、図3に示すコントローラー10内の「PG設定部145」が各ノズルNzに対応するペーパーギャップPGを取得する。
印刷動作や搬送動作が実行されると、メモリー13には、図9Bに示すように、キャリッジセンサー52によるペーパーギャップPGの検出結果と、上流側センサー53によるペーパーギャップPGの検出結果とが、記憶される。
まず、PG設定部145は、メモリー13に記憶されている検出結果の中から、パスN+1の補正に必要な検出結果を取得する。パスN+1では、図7Aに示すように、搬送方向の位置Y2〜Y4の用紙Sの部位に画像が印刷される。従って、PG設定部145は、キャリッジセンサー52による検出結果のうち、搬送方向の位置Y2〜Y4の間の位置Y3での移動方向におけるペーパーギャップPGの変化(図9Bの上図)を取得し、上流側センサー53による検出結果のうち、搬送方向の位置Y2〜Y4のペーパーギャップPGの変化(図9Bの下図)を取得する。
次に、PG設定部145は、上流側センサー53の検出結果に基づいて、図9Cに示すように、ノズルNz毎の「ペーパーギャップの補正量ΔPG」を算出する。ペーパーギャップの補正量ΔPGとは、キャリッジセンサー52によりペーパーギャップPGが検出される搬送方向の位置とそうでない位置とのペーパーギャップPGのずれ量である。つまり、ペーパーギャップの補正量ΔPGにより、キャリッジセンサー52が検出したペーパーギャップPGに対して、各ノズルNzに割り当てられる搬送方向の位置のペーパーギャップPGが、どの程度ずれているかを判断することが出来る。
従って、上流側センサー53の検出結果のうち、キャリッジセンサー52が検出した搬送方向の位置Y3のペーパーギャップPG(Y3)を基準値とする。そして、上流側センサー53の検出結果において各ノズルNzに割り当てられる搬送方向の位置のペーパーギャップPGから基準値PG(Y3)を減算することで、各ノズルNzのペーパーギャップの補正量ΔPGが算出される。
なお、パスN+1で画像が印刷される用紙Sのうち、搬送方向における最下流側の位置Y2(の画素)が第4ヘッド41(4)のノズル#180に割り当てられ、搬送方向における最上流側の位置Y4が第1ヘッド41(1)のノズル#1に割り当てられ、搬送方向における位置Y3(キャリッジセンサー52がペーパーギャップPGを検出した位置)が第4ヘッド41(4)のノズル#178に割り当てられる。よって、第4ヘッド41(4)のノズル#178の補正量ΔPGが0となる。
具体的に説明するために、基準値PG(Y3)が「10」であり、位置Y2のペーパーギャップPG(Y2)が「12」であり、位置Y4のペーパーギャップPG(Y4)が「7」であるとする。
この場合、第4ヘッド41(4)のノズル#180の補正量ΔPG(1)(=PG(Y2)−PG(Y3))は「2(=12−10)」となる。よって、キャリッジセンサー52が検出したペーパーギャップPGに対して、第4ヘッド41(4)のノズル#180に割り当てられる画素でのペーパーギャップPGは約「2」大きいことが分かる。
また、第1ヘッド41(1)のノズル#1の補正量ΔPG(n)(=PG(Y4)−PG(Y3))は「−3(=7−10)」となる。よって、キャリッジセンサー52が検出したペーパーギャップPGに対して、第1ヘッド41(1)のノズル#1に割り当てられる画素でのペーパーギャップPGは約「3」小さいことが分かる。
次に、PG設定部145は、キャリッジセンサー52の検出結果(図9Bの上図)にノズルNz毎のペーパーギャップの補正量ΔPG(図9C)を加算し、各ノズルNzに対応するペーパーギャップPGを取得する。以下、移動方向の位置がX2である画素にインクを吐出するノズルNzの吐出タイミングを補正する場合を例に挙げる。
この場合、PG設定部145は、まず、キャリッジセンサー52の検出結果の中から、移動方向の位置X2のペーパーギャップPG(X2)を取得する。具体的に説明するために、PG(X2)が「5」であるとする。
キャリッジセンサー52の検出結果「5」に、第4ヘッド41(4)のノズル#180の補正量ΔPG(1)「2」を加算することで、移動方向の位置X2における第4ヘッド41(4)のノズル#180に対応するペーパーギャップPGが「7(=5+2)」と算出される。
また、キャリッジセンサー52の検出結果「5」に、第1ヘッド41(1)のノズル#1の補正量ΔPG(n)「−3」を加算することで、移動方向の位置X2における第1ヘッド41(1)のノズル#1に対応するペーパーギャップPGが「2(=5+(−3))」と算出される。
こうして取得された各ノズルNzに対応するペーパーギャップPGに基づいて、前述の図6にて説明したように、コントローラー10はノズルNz毎にインクの吐出タイミングを補正する。即ち、補正距離ΔLの算出式における実際のペーパーギャップPGdを、各ノズルNzに対応するペーパーギャップPGとする。なお、吐出タイミングの具体的な遅延方法等については後述する。
そうすることで、キャリッジセンサー52の検出結果よりも大きいペーパーギャップPGとなる搬送方向の位置(例:Y2)が割り当てられるノズル(例:第4ヘッド41(4)のノズル#180)に関しては、キャリッジセンサー52の検出結果(例:5)を大きい値に補正したペーパーギャップ(例:7)に基づいて、吐出タイミングが補正される。
逆に、キャリッジセンサー52の検出結果よりも小さいペーパーギャップPGとなる搬送方向の位置(例:Y4)が割り当てられるノズル(例:第1ヘッド41(1)のノズル#1)に関しては、キャリッジセンサー52の検出結果(例:5)を小さい値に補正したペーパーギャップ(例:2)に基づいて、吐出タイミングが補正される。
つまり、各ノズルNzに割り当てられる搬送方向の位置(画素)のペーパーギャップPGにより近い値に基づいて、各ノズルNzからの吐出タイミングが補正される。そのため、インクの着弾位置ずれをより精度よく補正することができ、インクの着弾位置ずれをより低減することができる。その結果、印刷画像の画質をより向上させることができる。
以上をまとめると、実施例1のプリンター1には、ペーパーギャップPGを検出するためのセンサー(検出手段に相当)として、上流側センサー53(第1の検出手段)とキャリッジセンサー52(第2の検出手段に相当)が設けられ、用紙Sの搬送動作時に、上流側センサー53は、用紙Sと対向する位置に設けられ、これから画像が印刷される用紙Sの部位に関して搬送方向におけるペーパーギャップ(距離に相当)の変化を検出し、印刷動作時に、キャリッジセンサー52は、キャリッジユニット30により用紙Sに対して移動方向に移動し、移動方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出する。
そして、コントローラー10は、搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化と移動方向におけるペーパーギャップPGの変化に基づいて、各ノズルNzに対応するペーパーギャップPGを取得し、取得した各ノズルNzに対応するペーパーギャップPGに基づいて、各ノズルNzからインクを吐出させるタイミングを補正し、用紙Sに画像を印刷させる。
そうすることで、本実施形態のプリンター1のように、搬送方向にノズルNzが長く並び、搬送方向の位置が異なる画素でのペーパーギャップPGに差が生じ易くとも、各ノズルNzに割り当てられる画素での実際のペーパーギャップPGにより近い値に基づいて、各ノズルNzからの吐出タイミングが補正される。よって、インクの着弾位置ずれをより低減することができる。
また、仮に、上流側センサー53でなく、キャリッジセンサー52が、搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出するとした場合、印刷動作中に用紙Sを通り越したキャリッジセンサー52を、搬送動作時に再び用紙Sと対向する位置に戻す必要がある。そのため、キャリッジセンサー52の移動時間分だけ印刷時間が長くなってしまう。これに比べて、実施例1では、キャリッジセンサー52とは別に上流側センサー53が設けられるため、キャリッジセンサー52が搬送動作時に再び用紙Sと対向する位置に戻る必要がなく、印刷時間を短縮できる。
また、実施例1では、用紙Sの搬送動作時に、移動方向における用紙Sの中央部(図9Aの位置Xm)と対向する位置に上流側センサー53を設ける。つまり、用紙Sの移動方向中央部(Xm)を基準に、ペーパーギャップの補正量ΔPG(図9C)を算出し、キャリッジセンサー52が検出したペーパーギャップPGを補正する。
用紙Sの移動方向中央部でのペーパーギャップPGは、用紙Sの左端、及び、右端でのペーパーギャップPGの影響をそれぞれ受ける(例えば、用紙Sのうねりの状態や用紙Sを支持するプラテンの状態の影響を受ける)。そのため、用紙Sの移動方向中央部に上流側センサー53を設けることで、平均的な搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を取得することができ、ノズルNz毎の平均的なペーパーギャップの補正量ΔPGを取得することができる。その結果、移動方向の位置によらずに、インクの着弾位置ずれを平均的に補正することができる。
なお、用紙Sの移動方向中央部に上流側センサー53を設けるに限らず、移動方向における何れの位置に上流側センサー53を設けてもよい。また、複数サイズの用紙Sを印刷するプリンター1の場合には、用紙Sの移動方向中央部に上流側センサー53を設けるために、ガイドレール54に沿って上流側センサー53を移動可能にしてもよい。
また、図2では、キャリッジセンサー52を何れのヘッド41よりも搬送方向上流側の位置に設けているが、これに限らない。例えば、キャリッジセンサー52とヘッド41を移動方向に並べて配置してもよい。この場合、移動方向に移動しながらキャリッジセンサー52が検出するペーパーギャップPGを、その移動中の吐出タイミングの補正に適用するとよい。
===インクの着弾位置ずれの補正方法:実施例2===
図10は、実施例2におけるインクの着弾位置ずれの補正方法を説明する図である。実施例2においても、実施例1と同様に、印刷動作時に、キャリッジセンサー52が移動方向に移動しながら移動方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出する。ただし、用紙Sの搬送動作時に、実施例1では上流側センサー53が搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出するのに対して、実施例2ではキャリッジセンサー52が搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出する。
例えば、キャリッジセンサー52が印刷動作時に移動方向の右側に移動しながらペーパーギャップPGを検出し、印刷動作が終了した時点で、キャリッジセンサー52が用紙Sの右端を越えた地点に位置したとする。この場合、コントローラー10は、搬送動作が開始する前に、キャリッジセンサー52を移動方向の左側に移動し、キャリッジセンサー52と用紙Sを対向させる。そうすることで、用紙Sの搬送動作時に、キャリッジセンサー52が、搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を取得することが可能となる。
つまり、実施例2では、用紙Sの搬送動作時に、キャリッジセンサー52(検出手段に相当)が、用紙Sと対向する位置に設けられ、これから画像が印刷される用紙Sの部位に関して搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出し、印刷動作時にも、キャリッジセンサー52が、キャリッジユニット30によりヘッドユニット40と共に移動方向に移動しながら、移動方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出する。
そして、実施例1と同様に、コントローラー10が、搬送方向及び移動方向におけるペーパーギャップPGの変化に基づいて、各ノズルNzに対応するペーパーギャップPGを取得し、各ノズルNzからインクを吐出させるタイミングを補正する。
そうすることで、各ノズルNzに割り当てられる画素での実際のペーパーギャップPGにより近い値に基づいて、各ノズルNzからの吐出タイミングが補正される。よって、各ノズルNzからのインクの着弾位置ずれをより低減することができる。
また、実施例2では、上流側センサー53(図9A)を設けることなく、キャリッジセンサー52によって、搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出する。そのため、キャリッジセンサー52を有効に使用し、センサー数を減らすことができるので、コストダウンを図ることができる。ただし、搬送動作時に、用紙Sと対向する位置にキャリッジセンサー52を戻す必要があるため、実施例1に比べると、印刷時間が長くなってしまう。
また、図10に示すように、移動方向における用紙Sの中央部Xmと対向する位置にキャリッジセンサー52を設けることで、移動方向の位置によらずに平均的にインクの着弾位置ずれを補正することができる。ただし、これに限らず、用紙Sと対向する位置であれば移動方向の何れの位置にキャリッジセンサー52を設けてもよい。
===インクの着弾位置ずれの補正方法:実施例3===
図11は、実施例3におけるインクの着弾位置ずれの補正方法を説明する図である。前述の実施例1及び実施例2では、用紙Sの搬送動作時に、上流側センサー53又はキャリッジセンサー52の位置が固定されている状態で、搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化が検出される。即ち、移動方向における所定の一点(例えば、中央部Xm)での搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化に基づいて、各ノズルNzの吐出タイミングが補正される。
これに対して、実施例3では、用紙Sの搬送動作時に、上流側センサー53又はキャリッジセンサー52が移動方向に移動しながらペーパーギャップPGを検出する。例えば、図11に示すように、搬送動作時に搬送方向の下流側に搬送される用紙Sに対して、上流側センサー53がガイドレール54に沿って用紙Sの左端X1から右端Xnまで移動したとする。なお、図11では、上流側センサー53が搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出する場合を例に挙げるが、キャリッジセンサー52が検出する場合も同様である。
この場合、上流側センサー53は、移動方向に対して斜め方向に沿って、ペーパーギャップPGの変化を検出したことになる。そのため、搬送方向下流側におけるペーパーギャップPGの変化は、用紙Sの左側でのペーパーギャップPGの影響を受け(例えば、用紙Sのうねりの状態や用紙Sを支持するプラテンの状態の影響を受け)、搬送方向上流側におけるペーパーギャップPGの変化は、用紙Sの右側でのペーパーギャップPGの影響を受ける。
そのため、移動方向における所定の一点での搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化の影響を受けずに、平均的な搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を取得することができ、ノズルNz毎の平均的なペーパーギャップの補正量ΔPG(図9C参照)を取得することができる。その結果、移動方向の位置によらずに、インクの着弾位置ずれを平均的に補正することができる。
===インクの着弾位置ずれの補正方法:実施例4===
図12は、実施例4におけるインクの着弾位置ずれの補正方法を説明する図である。実施例4では、用紙Sの搬送動作時に、上流側センサー53(第1の検出手段)が用紙Sと対向する位置に設けられ、且つ、キャリッジセンサー52(第2の検出手段)が用紙Sと対向する位置であって上流側センサー53が設けられた位置とは異なる移動方向の位置に設けられ、それぞれのセンサー52,53が、これから画像が印刷される用紙Sの部位に関して搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出する。つまり、実施例4では、移動方向における二点での搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化に基づいて、各ノズルNzの吐出タイミングを補正する。
例えば、図12では、搬送動作時に、上流側センサー53が用紙Sの左端Xaと中央部Xcの間の中央部Xbに設けられ、キャリッジセンサー52が用紙Sの右端Xeと中央部Xcの間の中央部Xdに設けられる場合が示されている。この場合、上流側センサー53は、用紙Sの左側での搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を取得し、キャリッジセンサー52は、用紙Sの右側での搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を取得することになる。
そこで、コントローラー10(PG設定部145)は、上流側センサー53とキャリッジセンサー52が各々検出した搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化をそれぞれ用いて、ノズルNz毎のペーパーギャップの補正量ΔPG(図9C参照)を算出する。そして、コントローラー10は、移動方向左側(Xa〜Xc)の画素に向けてのインクの吐出タイミングを、上流側センサー53の検出結果によるペーパーギャップの補正量ΔPGに基づくノズルNz毎のペーパーギャップPGを用いて補正し、移動方向右側(Xc〜Xe)の画素に向けてのインクの吐出タイミングを、キャリッジセンサー52の検出結果によるペーパーギャップの補正量ΔPGに基づくノズルNz毎のペーパーギャップPGを用いて補正する。
そうすることで、移動方向の各部(ここでは左側と右側)にて実際に発生している搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化に基づいて、移動方向の各部でのノズルNz毎のペーパーギャップPGが取得される。よって、実際のペーパーギャップPGにより近い値に基づいて各ノズルNzからの吐出タイミングが補正されるので、インクの着弾位置ずれをより低減することができる。
また、上流側センサー53とキャリッジセンサー52の他に新たなセンサーを設けることなく、移動方向における二点(Xb,Xd)での搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を取得することができるので、着弾位置ずれの補正精度を上げつつ、コスト上昇を抑えることができる。
ただし、搬送動作時に、用紙Sと対向する位置にキャリッジセンサー52を戻す必要があるので、実施例1に比べると、印刷時間が長くなってしまう。
そこで、往路でも復路でも画像を印刷する双方向印刷を実行する場合に、上流側センサー53を移動方向に移動可能にするとよい。そして、ヘッドユニット40が移動方向の右側に移動する印刷動作の後(図12)、即ち、キャリッジセンサー52が用紙Sの右端を越えた後は、キャリッジセンサー52を用紙Sの右側中央部Xdに設け、上流側センサー53を用紙Sの左側中央部Xbに設ける。逆に、ヘッドユニット40が移動方向の左側に移動する印刷動作の後、即ち、キャリッジセンサー52が用紙Sの左端を越えた後は、キャリッジセンサー52を用紙Sの左側中央部Xbに設け、上流側センサー53を用紙Sの右側中央部Xdに設ける。
そうすることで、印刷動作の後にキャリッジセンサー52が用紙S上に戻る時の移動距離を出来る限り短くすることができ、印刷時間を出来る限り短縮することができる。なお、上流側センサー53は、印刷動作中に移動してもよいし、キャリッジセンサー52と同時に移動してもよいとする。
===インクの着弾位置ずれの補正方法:実施例5===
図13は、実施例5におけるインクの着弾位置ずれの補正方法を説明する図である。実施例5では、搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を検出する検出手段として複数の上流側センサー53が設けられ、用紙Sの搬送動作時に、移動方向の異なる位置に各上流側センサー53が設けられる。つまり、実施例5では、移動方向における複数の地点での搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化に基づいて、各ノズルNzの吐出タイミングが補正される。
例えば、図13では、移動方向に3分割した用紙Sのうち、左側の部位(Xa〜Xc)の中央部Xbに第1上流側センサー53(1)が設けられ、中央の部位(Xc〜Xe)の中央部Xdに第2上流側センサー53(2)が設けられ、右側の部位(Xe〜Xg)の中央部Xfに第3上流側センサー53(3)が設けられている。
この場合にも、実施例4と同様に、コントローラー10は、移動方向左側の1/3の画素(Xa〜Xc)に向けてのインクの吐出タイミングを第1上流側センサー53(1)の検出結果に基づいて補正し、移動方向中央部の1/3の画素(Xc〜Xe)に向けてのインクの吐出タイミングを第2上流側センサー53(2)の検出結果に基づいて補正し、移動方向右側の1/3の画素(Xe〜Xg)に向けてのインクの吐出タイミングを第3上流側センサー53(3)の検出結果に基づいて補正する。
そうすることで、移動方向の各部(左側、中央部、右側)にて実際に発生している搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化に基づいて、移動方向の各部でのノズルNz毎のペーパーギャップPGが取得される。よって、実際のペーパーギャップPGにより近い値に基づいて各ノズルNzからの吐出タイミングが補正されるので、インクの着弾位置ずれの補正精度を上げることができる。また、複数の上流側センサー53に加えて、キャリッジセンサー52も、搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化を取得するようにしてもよい。
===吐出タイミングの遅延方法===
図14Aは、リニア式エンコーダーの出力に基づくPTS信号と駆動信号DRVの関係を説明する図であり、図14Bは、ヘッドユニット40に定めた基準位置とノズル列との移動方向のずれ量を説明する図である。前述のように、本実施形態のプリンター1では、リニア式エンコーダーによって、キャリッジ31の移動方向の位置が検出される。よって、目標の画素にインクが着弾するように、リニア式エンコーダーからの信号に基づいて、各ノズルNzからのインクの吐出タイミングが設定される。
具体的に説明すると、キャリッジ31の背面に設けられたスリットセンサーがリニアスケール51のスリットを検出するごとに、コントローラー10に信号が送られる。なお、ここでは、図14Bに示すように、キャリッジ31が移動方向の右側に移動する場合を例に挙げ、ヘッドユニット40の右端を基準位置とする。
そして、図3に示すコントローラー10内の「基準PTS生成回路146」が、スリットセンサーからの信号に基づいて基準PTSを生成する。基準PTSは、基準位置(ヘッドユニット40の右端)におけるインクの吐出タイミングを規定する信号であり、基準PTSでは、繰り返し周期Tが開始するタイミングでパルスが発生する。なお、ここでは、リニアスケール51のスリット間隔λが1画素の長さと等しく、スリットセンサーがコントローラー10に信号を送る時間間隔と繰り返し周期Tが等しいとする。
また、基準PTS生成回路146は、基準位置から吐出したインクが目標の画素に着弾するタイミングで、基準PTSのパルスを発生させる。即ち、基準位置が目標の画素よりも、図5Aに示す「基準の飛翔距離Ls(=(Vcs×PGs)/Vms)」だけ手前側に位置するタイミングで、基準PTSのパルスを発生させる。従って、仮に、基準PTSの或るパルスから次のパルスまでの期間内に駆動パルスW1,W2を発生させた駆動信号DRVに基づいて、基準位置からインクを吐出させたとすると、そのインクは、計算上、目標の画素に着弾する。
しかし、実際には、ペーパーギャップPGやキャリッジ速度Vcが基準の値からずれ、インクの着弾位置がずれるので、図6にて説明したように、基準の飛翔距離Lsと実際の飛翔距離Ldの差である補正距離ΔLに応じて、吐出タイミングを遅延させる必要がある。
また、図14Bに示すように、実際にインクを吐出するノズル列は基準位置よりも移動方向の手前側に位置している。そのため、基準位置と同じタイミングで各ノズル列からインクを吐出すると、目標の画素よりも手前側にインクが着弾してしまう。よって、基準位置と各ノズル列の移動方向のずれ量(以下、第2補正距離Δl)も考慮して、吐出タイミングを遅延させる必要がある。
例えば、第2ヘッド41(2)及び第4ヘッド41(4)のブラックノズル列Kは基準位置よりも距離Δl(1)だけ手前側に位置するので、第2補正距離Δl(1)をキャリッジ31が移動する時間分だけ吐出タイミングを遅延させるとよい。同様に、第1ヘッド41(1)及び第3ヘッド41(3)のブラックノズル列Kは基準位置よりも距離Δl(2)だけ手前側に位置するので、第2補正距離Δl(2)をキャリッジ31が移動する時間分だけ吐出タイミングを遅延させるとよい。なお、図3に示すコントローラー10内の「ノズル位置テーブル143」が、基準位置と各ノズル列の移動方向のずれに関する第2補正距離Δlを記憶しているとする。
図3に示すコントローラー10内の「タイミング補正回路142」が、基準PTSにおけるパルスの発生タイミングを吐出タイミングの遅延時間分だけずらし、基準PTSを補正PTSに変換する。なお、前述のように、本実施形態では、移動方向におけるペーパーギャップPGの変化と搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化に基づいて、ノズルNz毎にペーパーギャップPGdを取得し、ノズルNz毎に吐出タイミングを補正する。そのため、コントローラー10には、ノズルNz毎に、駆動信号生成回路141とタイミング補正回路142が設けられている。
タイミング補正回路142は、基準PTSを補正PTSに変換するために、ノズル位置テーブル143から第2補正距離Δl(ノズル列と基準位置のずれ量)を取得し、Vc算出部144から実際のキャリッジ速度Vcdを取得し、PG設定部145から各ノズルNzに対応するペーパーギャップPGdを取得し、基準PTS生成回路146から基準PTSを取得する。
そして、タイミング補正回路142は、吐出タイミングの遅延時間が、n分割した繰り返し周期Tのうちの何段目(m段目)に相当するのかを算出する。ここでは、繰り返し周期Tの間にキャリッジ31が移動する距離がスリット間隔λと等しいとするため、繰り返し周期Tをn分割した1段分に相当する長さは「λ/n」となる。
従って、遅延時間に相当するm段目は、基準の飛翔距離Lsと実際の飛翔距離Ldの差である補正距離ΔLと、ノズル列と基準位置のずれ量である第2補正距離Δlとの合計距離(ΔL+Δl)を、1段分に相当する長さ(λ/n)で除算することにより算出される。遅延時間に相当するmは、以下の式で算出される。
Figure 0005834555
なお、基準のキャリッジ速度Vcs、基準のペーパーギャップPGs、インクの吐出速度Vmsは、固定値である。また、上式でmが整数とならないときは、例えば、切り下げ、四捨五入、切り上げなどを行って、mを整数にするとよい。
タイミング補正回路142は、補正PTSにおけるパルスの発生タイミングを、算出されたm段目に相当する時間分だけ、基準PTSにおけるパルスの発生タイミングから遅らせる。
そして、駆動信号生成回路141が、タイミング補正回路142からの補正PTSに基づいて、補正PTSの或るパルスから次のパルスまでの期間内に駆動パルスW1,W2を発生させた駆動信号DRVを生成する。この駆動信号DRVに基づいて駆動素子を駆動してノズルNzからインクを吐出させることで、ノズルNz毎の補正距離(図6の補正距離ΔLと図14Bの第2補正距離Δl)に応じた時間分だけ、ノズルNzからの吐出タイミングを遅延させることができる。その結果、ノズルNzから吐出されたインクを目標の画素に着弾させることができ、印刷画像の画質を向上させることができる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主として画像記録装置について記載されているが、これに限らず、画像記録方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
<画像記録装置>
前述の実施形態では、ヘッドユニット40が移動方向に移動しながら画像を印刷する印刷動作と用紙Sの搬送動作を繰り返すプリンター1を例に挙げているが、これに限らない。例えば、ノズルが並ぶノズル列方向と交差する方向にヘッドユニット40が移動しながら画像を印刷する動作と、ノズル列方向にヘッドユニット40が移動する動作を繰り返すプリンター1でもよい。また、画像記録装置としてインクジェットプリンターを例に挙げているが、これに限らず、例えば、ファクシミリ装置や複合機などのOA機器に本発明を適用してもよい。
また、前述の実施形態では、用紙Sの搬送方向にノズルNzが長く並ぶ場合に、搬送方向の位置が異なる画素でのペーパーギャップPGに差が生じ易いため、移動方向だけでなく、搬送方向におけるペーパーギャップPGの変化も考慮した補正を行うとしている。ただし、これに限らず、例えば、ヘッドユニット40に対して回転ドラムが用紙Sを湾曲させながら搬送するプリンターや、ロボットアームを用いて立体物に画像を印刷するプリンターの場合にも、所定の方向だけでなく、所定の方向と交差する方向にもペーパーギャップPGに差が生じ易いので、本発明を適用するとよい。
1 プリンター、10 コントローラー、11 インターフェース部、
12 CPU、13 メモリー、14 ユニット制御回路、
sw スイッチ、141 駆動信号生成回路、142 タイミング補正回路、
143 ノズル位置テーブル、144 Vc算出部、145 PG設定部、
146 基準PTS生成回路、20 搬送ユニット、R ローラー対、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、40 ヘッドユニット、
41 ヘッド、HC ヘッド制御部、50 検出器群、51 リニアスケール、52 キャリッジセンサー、53 上流側センサー、54 ガイドレール、
60 コンピューター

Claims (8)

  1. 流体を吐出可能な複数のノズルが第1の方向に並んだノズル群と、
    前記ノズル群と被記録媒体とが第1の方向に相対移動する第1の移動動作を実行する第1の移動手段と、
    前記ノズル群と前記被記録媒体とが前記第1の方向と交差する第2の方向に相対移動する第2の移動動作を実行する第2の移動手段と、
    前記ノズル群から前記被記録媒体までの距離を検出する検出手段と、
    前記第1の移動動作と前記第2の移動動作とを繰り返し実行させつつ、前記第2の移動動作時に前記ノズルから流体を吐出させることにより、前記被記録媒体に画像を記録させる制御部であって、
    前記第1の移動動作時に前記被記録媒体と前記第1の方向に相対移動した前記検出手段が検出した結果である前記第1の方向における前記距離の変化と、前記第2の移動動作時に前記被記録媒体と前記第2の方向に相対移動した前記検出手段が検出した結果である前記第2の方向における前記距離の変化と、に基づいて、各前記ノズルに対応する前記距離を取得し、
    取得した各前記ノズルに対応する前記距離に基づいて、各前記ノズルから流体を吐出させるタイミングを補正する制御部と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
  2. 請求項1に記載の画像記録装置であって、
    前記検出手段は、第1の検出手段と第2の検出手段とを有し、
    前記第1の移動動作時に、前記第1の検出手段が、前記被記録媒体と対向する位置に設けられ、これから画像が記録される前記被記録媒体の部位に関して前記第1の方向における前記距離の変化を検出し、
    前記第2の移動動作時に、前記第2の検出手段が、前記第2の移動手段により前記ノズル群と共に前記被記録媒体に対して前記第2の方向に移動し、前記第2の方向における前記距離の変化を検出する、
    画像記録装置。
  3. 請求項2に記載の画像記録装置であって、
    前記第1の移動動作時に、前記第2の検出手段が、前記被記録媒体と対向する位置であって前記第1の検出手段が設けられた位置とは異なる前記第2の方向の位置に設けられ、これから画像が記録される前記被記録媒体の部位に関して前記第1の方向における前記距離の変化を検出する、
    画像記録装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の画像記録装置であって、
    前記検出手段は、複数の前記第1の検出手段を有し、
    前記第1の移動動作時に、前記第2の方向における異なる位置に各前記第1の検出手段が設けられる、
    画像記録装置。
  5. 請求項1に記載の画像記録装置であって、
    前記第1の移動動作時に、前記検出手段が、前記被記録媒体と対向する位置に設けられ、これから画像が記録される前記被記録媒体の部位に関して前記第1の方向における前記距離の変化を検出し、
    前記第2の移動動作時に、前記検出手段が、前記第2の移動手段により前記ノズル群と共に前記被記録媒体に対して前記第2の方向に移動し、前記第2の方向における前記距離の変化を検出する、
    画像記録装置。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の画像記録装置であって、
    前記第1の移動動作時に、前記検出手段が、前記被記録媒体の前記第2の方向における中央部と対向する位置に設けられる、
    画像記録装置。
  7. 請求項2または請求項5に記載の画像記録装置であって、
    前記第1の移動動作時に、前記検出手段が前記第2の方向に移動する、
    画像記録装置。
  8. 請求項1から請求項7の何れか1項に記載の画像記録装置を用いて前記被記録媒体に画像を記録することを特徴とする画像記録方法。
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