JP5833331B2 - 相溶化剤を含むブレンドポリマー組成物 - Google Patents

相溶化剤を含むブレンドポリマー組成物 Download PDF

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Description

本発明はリビングラジカル重合化反応により製造されるブロックコポリマーを有する相溶化剤に係り、特にエポキシ基を含むブロックコポリマーを有する相溶化剤を含むブレンドポリマー組成物に関する発明である。
ポリマー組成物の応用範囲は拡大し続けており、異なる用途に応じてポリマー組成物に要求される特性も変わり得る。このため、様々な新しいポリマー組成物、特にそれぞれ異なる種類の樹脂を含むポリマー組成物をブレンドしたブレンドポリマー組成物が注目されている。これはブレンドポリマー組成物が異なる樹脂の特性や利点を組み合わせ得るためである。例えば、ブレンドポリマー組成物はコストを削減する可能性や、機械的強度を相対的に向上する可能性があり、また生分解性を有する可能性もある。このため、通常ブレンドポリマー組成物は特定の用途に応じて調製される。
例えば、純粋なアクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(ABS)の樹脂組成物はコスト削減のため、ABSとメタクリル酸ポリメチル(PMMA)とのブレンド樹脂組成物によって代替してもよい。また純粋なポリスチレン(PS)は、環境により優しいPSとポリ乳酸(PLA)のブレンドポリマー組成物によって代替してもよい。これは、PLAの使用で、石油ポリマーの量を減らすことができ、そして、PSとPLAのブレンドポリマー組成物は燃焼時の二酸化炭素生成量が比較的少なく、環境に対する負荷がより低いからである。更に、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のようなポリエステルは清涼飲料水などのボトルに一般的に使用されている。もしもポリエステルがリサイクルされて他のポリマーとブレンドされ、有用な製品として製造されて、ごみの量を減らすことになれば、再生ポリエステルもまた経済的利益を生み出し得る。
異なるポリマーは異なる化学構造や性質を有しているため、異なるポリマーをブレンドするときには相溶性の問題が生じ得る。このため、ブレンドポリマー組成物に適した相溶化剤の開発がますます重要になっている。
例えば、ブレンドポリマー組成物を製造するために、スチレン系ポリマーと脂肪族ポリエステルとをブレンドするとき、ビニル系モノマー単位とエポキシ基含有モノマー単位(不飽和酸グリシジルエステルモノマー単位)を有するコポリマーは、相溶化剤として加えられる(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この従来の相溶化剤はランダムコポリマーであってブロックブロックコポリマーではなく、リビングラジカル重合化によっては合成されない。このため、この従来の相溶化剤は広い分子量分布を有し、それを使用して製造されたブレンドポリマー組成物は機械的性質に関する実際の要求を満たせない可能性がある。
ブレンドポリマー組成物を製造するために、スチレン系ポリマーをポリ乳酸系ポリマーとブレンドするとき、スチレン-(メタ)クリレート系ブロックコポリマーが相溶化剤として加えられる。
このような相溶化剤は、相溶性の効果を達成するため、ブレンドポリマー組成物を構成する各ポリマーに対して親和力を有する複数のブロックを含んでいる。しかしながら、このような相溶化剤とポリマーとの間には化学結合は無い。このため、相溶化剤によってブレンドポリマー組成物の耐衝撃度のような機械的特性が向上されたとしても、これらの機械的特性を更に向上させる余地がある。一方、そのような相溶化剤はスチレン系ポリマーとポリ乳酸系ポリマーを含むブレンドポリマー組成物にのみ有用であって、その応用も限られたものとなっている。
国際公開第2007/015448号
本発明の発明者はブレンドポリマー組成物の機械的特性が、このブレンドポリマー組成物内の異なるポリマーがよく混じり合っているか否かに関連しているのではないかと考えた。すなわち、ブレンドポリマー組成物内のポリマー間の相溶性が機械的強度に影響を及ぼし得る可能性について想到した。
そのため、本発明の目的は、異なるポリマーの間の相溶性を改善する相溶化剤により、優れた耐衝撃性を有するブレンドポリマー組成物を提供することにある。
本発明者の検討により、上記の課題を十分に解決し得る優れた耐衝撃性を有するブレンドポリマー組成物が提供されるに至った。
すなわち本発明は、下記の成分(A)、(B)、及び、(C)を含有する、ブレンドポリマー組成物(以下、本発明のブレンドポリマー組成物ともいう)を提供する発明である。
(A)スチレン系ポリマー
(B)非スチレン系ポリマー
(C)下記(1)及び(2)のブロックを含み、かつ、エポキシ当量は1000〜20000g/eqであり、分子量分布指数は1.0〜2.0であるブロックコポリマー(以下、本発明のブロックコポリマーともいう)、を含有する相溶化剤(以下、本発明の相溶化剤ともいう)。
(1)エポキシ基を有する第一のモノマー単位、並びに、アクリレート系モノマー単位、メタクリレート系モノマー単位、及び、これらの組み合わせ、からなる群から選ばれる第二のモノマー単位を含む、第一のブロック;
(2)スチレン系モノマー単位を含む、第二のブロック。
本発明により、異なるポリマーの間の相溶性を改善する相溶化剤を含有する、優れた耐衝撃性を有するブレンドポリマー組成物が提供される。
実施例11のブレンドポリマー組成物を用いて形成された試料の透過型電子顕微鏡写真像を示す図面である。 実施例15のブレンドポリマー組成物を用いて形成された試料の透過型電子顕微鏡写真像を示す図面である。 比較例12のブレンドポリマー組成物を用いて形成された試料の透過型電子顕微鏡写真像を示す図面である。 比較例13のブレンドポリマー組成物を用いて形成された試料の透過型電子顕微鏡写真像を示す図面である。
本発明の相溶化剤
本発明の相溶化剤は、第一のブロックと第二のブロックとを含むブロックコポリマーからなる。第一のブロックはエポキシ基を含むが、第二のブロックはエポキシ基を含まない。
(1)第一のブロック
第一のブロックは第一のモノマー単位と第二のモノマー単位を含んでいる。第一のモノマー単位はエポキシ基を有し、第二のモノマー単位はアクリレート系モノマー単位、メタクリレート系モノマー単位、又はこれらの組み合わせを含む。第二のブロックはスチレン系のモノマー単位を含む。ブロックコポリマーのエポキシ当量は1000〜20000g/eqであり、分子量分布指数は1.0〜2.0である。
ブロックコポリマーのエポキシ当量は好ましくは1000〜10000g/eq、より好ましくは2000〜10000g/eq、更に好ましくは2000〜6000g/eqである。
ブロックコポリマーの分子量分布指数は好ましくは1.0〜1.8であり、より好ましくは1.0〜1.7であり、更に好ましくは1.0〜1.6である。
ブロックコポリマーの数平均分子量は好ましくは3000〜80000であり、より好ましくは5000〜50000であり、更に好ましくは7000〜25000である。第一のブロックの数平均分子量は好ましくは1000〜55000であり、より好ましくは2000〜35000であり、更に好ましくは3000〜15000である。相溶化剤中のブロックコポリマーと第一のブロックの数平均分子量が上述の範囲内にある場合、この相溶化剤を有するブレンドポリマー組成物は、ブレンドポリマー組成物の相溶性向上に加えて、良好な流動性と加工性を有するのである。
第一のモノマー単位はエポキシ基を有し、好ましくは、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位を含む。この不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位はアクリル酸グリシジル(GA)単位、メタクリル酸グリシジル(GMA)単位、エタクリル酸グリシジル単位、イタコン酸グリシジル単位、又はこれらの組み合わせであることが好ましい。
本発明におけるブロックコポリマーはリビングラジカル重合化反応により合成される。
アクリレート系モノマー単位はエポキシ基を含まないという条件の外に特段の制限は無い。アクリレート系モノマー単位を形成するためのアクリレート系モノマーの例として、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n‐プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸n‐ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2‐エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロドデシル、アクリル酸クロロメチル、アクリル酸2‐クロロエチル、アクリル酸2‐ヒドロキシエチル、アクリル酸3‐ヒドロキシプロピル、アクリル酸2,3,4,5,6‐ペンタヒドロキシヘキシル、 アクリル酸2,3,4,5‐テトラヒドロキシペンチル等が挙げられる。アクリレート系モノマーは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルから選ばれるのが好ましい。第二のモノマー単位は上述のアクリレート系モノマーからなるアクリレート系モノマー単位のうち一つ又はそれ以上のものを含んでも良い。
メタクリレート系モノマー単位は、エポキシ基を含まないこと以外に特段の制限は無い。メタクリレート系モノマー単位を形成するためのメタクリレート系モノマーの例として、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n‐プロピル、メタクリル酸n‐ブチル、メタクリル酸t‐ブチル、メタクリル酸n‐ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2‐エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸イソボルニル、 メタクリル酸シクロドデシル、メタクリル酸クロロメチル、メタクリル酸2‐クロロエチル、メタクリル酸2‐ヒドロキシエチル、メタクリル酸3‐ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2,3,4,5,6‐ペンタヒドロキシヘキシル、メタクリル酸2,3,4,5‐テトラヒドロキシペンチルなどが挙げられる。メタクリレート系モノマーはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n‐ブチルから選ばれるのが好ましい。第二のモノマー単位は上述のメタクリレート系モノマーからなるメタクリレート系モノマー単位のうち一つ又は複数を含み得る。
この他にも、第一のブロックは更に他のモノマー単位を含んでも良い。他のモノマー単位を形成するためのモノマーの例として、スチレン、α‐メチルスチレン、m‐メチルスチレン、o‐メチルスチレン、p‐メチルスチレン、o‐エチルスチレン、p-エチルスチレン、p‐t‐ブチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、酢酸ビニル、N‐メチルマレイミド、N‐エチルマレイミド、N‐シクロヘキシルマレイミド、N‐フェニルマレイミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、N‐メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N‐プロピルメタクリルアミドが挙げられる。第一のブロックは上述のモノマーからなるモノマー単位のうち一つ又は複数を含んでも良い。優れた相溶化剤であるためには、アクリレート系モノマー単位とメタクリレート系モノマー単位の総重量が第一のブロックの総重量に対して30wt%よりも大きいことが好ましく、50wt%よりも大きいことがより好ましく、80wt%よりも大きいことが更に好ましい。
(2)第二のブロック
スチレン系のモノマー単位について特段の制限は無い。スチレン系のモノマー単位を形成するためのスチレン系のモノマーの例として、スチレン、α‐メチルスチレン、4‐メチルスチレン、2‐メチルスチレン、3‐メチルスチレン、4‐メトキシスチレン、p‐t‐ブチルスチレン、p‐n‐ブチルスチレン、p‐tert‐ブチルメトキシスチレン、2‐ヒドロキシメチルスチレン、2‐クロロスチレン、4‐クロロスチレン、2,4‐ジクロロスチレン等が挙げられる。スチレン又はα‐メチルスチレンから選ぶのが好ましい。
この他にも、スチレン系モノマー単位に加えて、第二のブロックは更に他のモノマー単位を含んでも良い。他のモノマー単位を形成するためのモノマーの例として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、アクリル酸メチル、MMA、酢酸ビニル、N‐メチルマレイミド、N‐エチルマレイミド、N‐シクロヘキシルマレイミド、N‐フェニルマレイミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、N‐メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、N‐プロピルメタクリルアミド等が挙げられる。上述のモノマーは、アクリロニトリル又はMMAから選ばれるのが好ましい。第二のブロックは上述のモノマーからなるモノマー単位のうち一つ又は複数を含み得る。優れた相溶化剤であるためには、他のモノマー単位が第二のブロックに存在するとき、スチレン系モノマー単位の重量が第二のブロックの総重量に対して30wt%以上であることが好ましく、50wt%以上であることがより好ましく、80wt%以上であることが更に好ましい。
(3)ブロックコポリマーの製造
本発明のブロックコポリマーはリビングラジカル重合によって合成される。リビングラジカル重合を行うことは、分子量分布指数(PDI)を1.0〜2.0の範囲とするための本質的要素である。このリビングラジカル重合はニトロキシド媒介重合や、原子移動ラジカル重合、可逆的付加開裂連鎖移動重合、有機テルル媒介リビングラジカル重合、可逆的連鎖移動触媒重合であっても良い。
要約すると、本発明のブロックコポリマーは以下の手順で製造することが可能である。
(a)リビングラジカル重合を行うための重合開始剤を系に添加する。
(b)反応を2段階に分けて行う。この際、第一反応の反応物は第一ブロックのモノマー単位であり、第二反応の反応物は第二ブロックのモノマー単位である。
(c)エポキシ当量を1000〜20000g/eqとする。
本発明のブロックコポリマーをリビングラジカル重合によって合成する際、テルル含有化合物とアゾ系化合物から選択した重合開始剤を用いることが好ましい。
(3)−1:テルル含有化合物の使用
このテルル含有化合物は下記の化学式(1)で表される有機テルル化合物、下記の化学式(2)で表されるジテルリド化合物、又はこれらの組み合わせである。
化学式(1)において、Rは炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、置換アリール基、又は芳香族ヘテロ環基であり、RとRはそれぞれ水素又は炭素数1〜8のアルキル基であり、Rはアリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、オキシカルボニル基、又はシアノ基である。
で表される基の例は以下の通りである。
炭素数1〜8のアルキル基の例として、直鎖状でも、分岐鎖状でも、環状でも良く、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n‐ブチル基、sec‐ブチル基、tert‐ブチル基、シクロブチル基、n‐ペンチル基、n‐ヘキシル基、n‐ヘプチル基、n‐オクチル基等が挙げられる。このアルキル基は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましい。特に、メチル基、エチル基、n‐ブチル基がより好ましい。
アリール基の例として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。置換アリール基の例として、置換基を有しているフェニル基、置換基を有しているナフチル基等を挙げることができる。芳香族ヘテロ環基の例として、ピリジル基、ピロリル基、フリル基、チアントレニル基等が挙げられる。上記置換アリール基の置換基の例として、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、‐CORで表されるカルボニル含有基(Rは炭素数1〜8のアルキル基、アリール基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又はアリーロキシ基である)、スルホニル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。アリール基(置換アリール基も含む)の中で、フェニル基とトリフルオロメチル置換フェニル基が好ましい。また、置換アリール基の置換基は1個又は2個がパラ位又はオルト位にあることが好ましい。
2及びR3で表される基の例は以下の通りである。
炭素数1〜8のアルキル基の例はR1について上述したものと同様のものが含まれる。
4で表される基の例は以下の通りである。
アリール基、置換アリール基、芳香族へテロ環基の例はR1について上述したものと同様のものを含む。
アシル基の例はホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等を含む。
オキシカルボニル基の例としては、‐COOR(Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はアリール基)で表され、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、n‐ブトキシカルボニル基、sec‐ブトキシカルボニル基、tert‐ブトキシカルボニル基、n‐ペントキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等が挙げられる。メトキシカルボニル基とエトキシカルボニル基がオキシカルボニル基として好ましい。
4は好ましくはアリール基、置換アリール基、オキシカルボニル基、シアノ基である。アリール基として好ましいのはフェニル基である。置換アリール基として好ましいのはハロゲン原子置換フェニル基とトリフルオロメチル置換フェニル基である。置換基がハロゲン原子の場合、フェニル基は1〜5個置換されているのが好ましい。置換アリール基がアルコキシ基やトリフルオロメチル基によって置換されている場合、1個又は2個置換されているのが好ましい。1個置換されている場合は、パラ位又はオルト位が置換されているのが好ましい。2個置換されている場合はメタ位が置換されているのが好ましい。
化学式(1)で表される有機テルル化合物において、好ましくは、R1は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2とR3はそれぞれ水素又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R4はアリール基、置換アリール基又はオキシカルボニル基である。より好ましくは、R1は炭素数1〜4のアルキル基、R2とR3はそれぞれ水素又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R4はフェニル基、置換フェニル基、メトキシカルボニル基又はエトキシカルボニル基である。
化学式(1)で表される有機テルル化合物の例として、(メチルテラニル‐メチル)ベンゼン、(1‐メチルテラニル‐エチル)ベンゼン、(2‐メチルテラニル-プロピル)ベンゼン、1‐クロロ‐4‐(1‐メチルテラニル‐エチル)ベンゼン、1‐トリフルオロメチル‐4‐(1‐メチルテラニル‐エチル)ベンゼン、2‐メチルテラニル‐2‐メチルプロピオン酸メチル、2‐メチルテラニル‐2‐メチルプロピオン酸エチル、[エチル‐2‐メチル‐2‐メチルテラニル‐プロピオネート] 、2‐(n‐ブチルテラニル)‐2‐メチルプロピオン酸エチル、[エチル‐2‐メチル‐2‐n‐ブチルテラニル-プロピオネート]、1‐(1‐メチルテラニル-エチル)‐3,5‐bis‐トリフルオロメチルベンゼン、1,2,3,4,5‐ペンタフルオロ‐6‐(1‐メチルテラニル‐エチル)ベンゼン、2‐メチルテラニル‐プロピオニトリル、2‐メチル‐2‐メチルテラニル‐プロピオニトリル、 (エチルテラニル-メチル)ベンゼン、(1‐エチルテラニル-エチル)ベンゼン、(2‐エチルテラニル‐プロピル)ベンゼン、2‐エチルテラニル‐2‐メチルプロピオン酸メチル、2‐エチルテラニル‐2‐メチルプロピオン酸エチル、2‐エチルテラニル-プロピオニトリル、2‐メチル‐2‐エチルテラニルプロピオニトリル、(n‐ブチルテラニル‐メチル)ベンゼン、(1‐n‐ブチルテラニル‐エチル)ベンゼン、(2‐n‐ブチルテラニル‐プロピル)ベンゼン、2‐n‐ブチルテラニル‐2‐メチルプロピオン酸メチル、2‐n‐ブチルテラニル‐2‐メチルプロピオン酸エチル、2‐n‐ブチルテラニル‐プロピオニトリル、2‐メチル‐2‐n‐ブチルテラニル‐プロピオニトリル等が挙げられる。
化学式(2)で表されるジテルリド化合物のR7は、上述した化学式(1)で表される有機テルル化合物中のR1と同様である。
化学式(2)で表されるジテルリド化合物中、R7は好ましくは炭素数1〜4のアルキル基又はフェニル基である。
化学式(2)で表されるジテルリド化合物の例として、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ‐n‐プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ‐n‐ブチルジテルリド、ジ‐sec‐ブチルジテルリド、ジ‐tert‐ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス(p-メトキシフェニル)ジテルリド、ビス(p‐アミノフェニル)ジテルリド、ビス(p‐ニトロフェニル)ジテルリド、ビス(p‐シアノフェニル)ジテルリド、ビス(p‐スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリド、ジピリジルジテルリドなどが挙げられる。 中でもジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ‐n‐プロピルジテルリド、ジ‐n‐ブチルジテルリド及びジフェニルジテルリドが好ましく、更にジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ‐n‐プロピルジテルリド及びジ‐n‐ブチルジテルリドがより好ましい。
テルル含有化合物をリビングラジカル重合の重合開始剤として用いることにより、以下の利点が挙げられる。
(a)モノマーの適用範囲が広がる。例えば、非共役モノマー又は極性官能基を含むモノマーの連結を行うことが可能となる。
(b)一般のラジカル重合と同様の重合条件で重合することが可能である。
(c)数平均分子量が10万以上の高分子化合物を合成することが容易である。
(d)モノマーの転化率が高い。
(e)製造されるブロックコポリマーの性質が実用上良好である。
(3)−2:アゾ系化合物の使用
上述したように、リビング反応の重合開始剤としてアゾ系化合物を用いることが可能である。特に、重合速度を加速するため、アゾ系化合物を重合開始剤の一つとして、上記のテルル含有化合物などと共に加えるのが好ましい。アゾ系化合物については、通常のラジカル重合に使用できるものであればその他に特段の制限は無い。アゾ系化合物の例として、2,2’‐アゾビス‐イソブチロニトリル(AIBN)、2,2’‐アゾビス(2‐メチルブチロニトリル)(AMBN)、2,2’‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、1,1’‐アゾビス(1‐シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、ジメチル‐2,2’‐アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4’‐アゾビス(4‐シアノバレリックアシッド)(ACVA)、1,1’‐アゾビス(1‐アセトキシ‐1‐フェニルエタン)、2,2’‐アゾビス(2‐メチルブチルアミド)、2,2’‐アゾビス(4‐メトキシ‐2,4‐ジメチルバレロニトリル)、2,2’‐アゾビス(2,2,4‐トリメチルペンタン)、2‐シアノ‐2‐プロピルアゾホルムアミド、2,2’‐アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’‐アゾビス[2‐(2‐イミダゾリン‐2‐イル)プロパン]、2,2’‐アゾビス[2‐メチル‐N‐(2‐ ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’‐アゾビス(2,4,4‐トリメチルペンタン)、2,2’‐アゾビス(N‐ブチル‐2‐メチルプロピオンアミド)、2,2’‐アゾビス(N‐シクロヘキシル‐2‐メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。
アゾ系化合物は反応条件によって選択するのが好ましい。例えば、低温(40℃以下)で重合反応を起こさせる場合、アゾ系化合物はADVN又は2,2’‐アゾビス(4‐メトキシ‐2,4‐ジメチルバレロニトリル)から選択するのが好ましい。中温(40℃から80℃)で重合反応を起こさせる場合アゾ系化合物は、AIBN、AMBN、MAIB、1,1’‐アゾビス(1‐アセトキシ‐1‐フェニルエタン)から選択するのが好ましい。高温(80℃以上)で重合反応を起こさせる場合、アゾ系化合物はACHN、2‐シアノ‐2‐プロピルアゾホルムアミド、2,2’‐アゾビス(N‐ブチル‐2‐メチルプロピオンアミド)、2,2’‐アゾビス(N‐シクロヘキシル‐2‐メチルプロピオンアミド)、2,2’‐アゾビス(2,4,4‐トリメチルペンタン)から選択するのが好ましい。水性溶媒中で重合反応を行なうのであれば、アゾ系化合物はACVA、2,2’‐アゾビス(2‐メチルブチルアミド)、2,2’‐アゾビス(2‐メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’‐アゾビス[2‐(2‐イミダゾリン‐2‐イル)プロパン]、2,2’‐アゾビス[2‐メチル‐N‐(2‐ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]から選択するのが好ましい。
(3)−3:反応条件など
化学式(1)で表される有機テルル化合物とアゾ系化合物を使用する場合、化学式(1)の有機テルル化合物1モルあたり、アゾ系化合物は通常0.01〜100モル、好ましくは0.05〜100モル、より好ましくは0.1〜10モル、更に好ましくは0.1〜5モル使用する。
溶媒が存在しない場合も重合反応は可能であるが、一般的にラジカル重合には有機溶媒が使用される。使用可能な有機溶媒の例として、ベンゼン、トルエン、N,N‐ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、トリフルオロメチルベンゼン等が挙げられる。水性溶媒もまた使用可能であり、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n‐ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1‐メトキシ‐2‐プロパノール等が挙げられる。溶媒の使用量は適宜に調整し得る。例えば、ビニルモノマー1gに対して、0.01〜100ml、好ましくは0.01〜10ml、より好ましくは0.1〜1mlの溶媒を用いる。
次いで、混合物を撹拌する。ブロックコポリマーの重合反応の反応温度と反応時間は、得ようとする本発明のブロックコポリマーの分子量又は分子量分布に応じて適切となるよう調整し得る。混合物は0〜150℃で1分間〜100時間、好ましくは20〜100℃で0.1〜48時間、より好ましくは20〜80℃で0.1〜24時間、撹拌される。つまり、低い重合温度や短い重合時間であっても、狭い分子量分布指数(すなわちpolydispersity、PDI)を効率的に得ることができる。反応は通常大気圧のもとで行われるが、加圧環境下、又は減圧環境下で行われてもよい。
反応終了後、使用された溶媒と残存モノマーを減圧環境下で取り除き、所望の製品を得る。もしくは、所望の製品が溶解しないような溶媒を用いて再沈殿処理をおこなうことにより、所望の製品を分離してもよい。再沈殿処理は、所望の製品に影響を及ぼさない限り、どのような方法であっても構わない。
本発明のブロックコポリマーの分子量は反応時間や有機テルル化合物の量に応じて調整でき、数平均分子量は3000〜80000であることが好ましく、より好ましくは5000〜50000である。
重合反応が完了した後、分子の末端に残存するテルル原子を取り除くには、(1)トリブチルスズや硫黄含有化合物を用いたラジカル還元法、(2)活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、活性粘土、分子ふるい、高分子ポリマーなどを使用した吸着法、(3)イオン交換樹脂等を使用した金属吸着法、(4)空気又は酸素を注入しながら、ポリマーの末端にあるテルル原子が酸化、分解されるように過酸化水素水や過酸化ベンゾイルのような過酸化物を添加する方法、(5)溶液抽出法や固液抽出法のように、水や適切な溶媒を使用して残存するテルル原子を取り除く方法、などを用いることができる。更に、残存するテルル原子を取り除くために、これらの方法を組み合わせてもよい。
本発明の相溶化剤は、本発明のブロックコポリマーを主要な成分としてなるものである。本発明の相溶化剤自体が本発明のブロックコポリマーであってもよいし、必要に応じて公知の添加剤を必要に応じて配合することも可能であるが、本発明の相溶化剤は、実質的には本発明のブロックコポリマーからなるものである。
本発明のブレンドポリマー組成物
本発明のブレンドポリマー組成物は、スチレン系ポリマー、非スチレン系ポリマー、そして上述の相溶化剤といった成分からなる。
好ましいスチレン系ポリマーの例として、ポリスチレンポリマー、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)ポリマー、アクリロニトリル‐スチレン(AS)コポリマー、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(ABS)コポリマー、メタクリル酸メチル‐ブタジエン‐スチレン(MBS)コポリマー、メタクリル酸メチル‐アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(MABS)コポリマー、メタクリル酸メチル‐スチレン(MS)コポリマー、ブタジエン‐スチレンブロックコポリマー、スチレン‐エチレン‐ブチレン‐スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、スチレン‐イソプレンブロックコポリマー、スチレン‐エチレン‐プロピレン-スチレン(SEPS)ブロックコポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
非スチレン系ポリマーは、エポキシ基と反応可能なポリマー、メタクリレート系ポリマー、アクリレート系ポリマー、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるのが好ましい。
エポキシ基と反応可能なポリマーは、ヒドロキシ基(‐OH)、カルボン酸基(‐COOH)、アミノ基(‐NH2)、酸無水物、アミド基(‐CONH2)等の官能基のうち少なくとも一つを含んでいる。
エポキシ基と反応可能なポリマーの好ましい例として、ポリ乳酸(PLA)、でんぷん高分子、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
PLAの例は、ポリ‐L‐乳酸(PLLA)、ポリ‐D‐乳酸(PDLA)、ポリ‐D,L‐乳酸(PDLLA)、等を含む。
PCはビスフェノールA系の化合物が良く、例えば、2,2‐ビス‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐プロパン(ビスフェノールA)、ビス‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐メタン、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、1,1‐ビス‐(4‐ヒドロキシフェニル)‐エタン、2,2‐ビス‐(3‐メチル‐4‐ヒドロキシフェニル)‐プロパン等が挙げられる。エポキシ基との良好な反応性を有するためには、PCの末端ヒドロキシル基の割合はPCの末端基全体に対して2モル%よりも大きいことが好ましく、10モル%よりも大きいことがさらに好ましい。
PAの例として、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン46等が挙げられる。
メタクリレート系ポリマーはポリメタクリル酸メチル又はメタクリル酸メチル-アクリル酸メチルコポリマーが好ましい。
アクリレート系ポリマーはポリアクリル酸メチルが好ましい。
ブレンドポリマー組成物の上述の成分はバルク重合、溶液重合、バルク−懸濁重合、懸濁重合等の既に知られているいかなる方法によっても製造することができる。
本発明のブレンドポリマー組成物中の各成分の比率は限定的なものではなく、そのブレンドポリマー組成物に要求される機械的性質に基づいて調整してもよい。ただし、本発明における相溶化剤のブロックコポリマーは、1000〜20000g/eqのエポキシ当量と、1.0〜2.0の分子量分布指数を有する。更に、アクリレート系モノマー単位とメタクリレート系モノマー単位の総重量は、第一のブロックの総重量に対して30wt%以上であることが好ましく、50wt%以上であることが更に好ましく、80wt%以上であることが最も好ましい。更には、スチレン系モノマー単位の重量は、第二ブロックの総重量に対して30wt%以上であることが好ましく、50wt%以上であることが更に好ましく、更には80wt%であることが最も好ましい。
本発明のブロックポリマーのエポキシ当量と分子量分布指数の好ましい範囲は上記の通りであり、ここでは省略する。ブロックコポリマーのエポキシ当量が20000g/eq以上のとき、エポキシ基の量が不足し、ブレンドポリマー組成物の反応に効果的ではない。ブロックコポリマーのエポキシ当量が1000g/eq以下のとき、エポキシ基の量が過剰になり、ブロックコポリマーが自己架橋し得る。それゆえ、ブロックコポリマーのエポキシ当量が上記の範囲を外れると、ブロックコポリマーは、優れた相溶化剤として働かない。更に、ブロックコポリマーの分子量分布指数が2.0よりも大きいとき、ブレンドポリマー組成物中の成分の相溶性が優れない。
本発明のブロックコポリマー及びブロックコポリマーの第一のブロックの好ましい数平均分子量の範囲は上記の通りであり、ここでは省略する。
また、ブレンドポリマー組成物中の少なくとも1つの成分は、重合開始剤としてテルル含有化合物により生成されていることが好ましい。
より好ましいのは、本発明におけるブロックコポリマーは、重合開始剤としてテルル含有化合物により生成されている。
本発明のブレンドポリマー組成物において、スチレン系ポリマーと非スチレン系ポリマーとの重量比率は2:98〜98:2であり、5:95〜95:5であることが好ましく、15:75〜75:15であることが最も好ましい。
本発明のブレンドポリマー組成物は、スチレン系ポリマーと非スチレン系ポリマーの総重量100重量部に対して、ブロックコポリマーが0.1〜30重量部であり、0.2〜20重量部であることが好ましく、0.5〜15重量部であることが最も好ましい。
本発明のブレンドポリマー組成物は、スチレン系ポリマーと非スチレン系ポリマーをブロックコポリマーと混合して製造される。必要であれば、本発明のブレンドポリマー組成物に影響を及ぼさない他の添加物を更に加えても良く、例えば、潤滑剤(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、エチレンビスステアリン酸アマイド)、可塑剤(鉱油)、抗酸化物質(フェノール系抗酸化物質、リン系抗酸化物質)、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、着色剤、ジメチルシリコーン油などが挙げられる。
本発明のブレンドポリマー組成物は例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形などの任意の方法で成形することができる。ブレンドポリマー組成物は押出機で、例えば、非延伸、一軸延伸、又は二軸延伸のT字型の押出ダイと拡張ダイを用いて、シート、フィルム、又はチューブの形状に成形される。
本発明に係る相溶化剤のブロックコポリマーにおいて、第一のブロックは第一のブロックのエポキシ基により非スチレン系ポリマーと反応し、第二のブロックは分子間相互作用によりスチレン系ポリマーとブレンドする。例えば、非スチレン系ポリマーがPLAの場合、PLAの−OH基が第一のブロックのエポキシ基と結合する。非スチレン系ポリマーがPBTの場合、PBTの末端(−OH基又はCOOH基)が第一のブロックのエポキシ基と結合する。非スチレン系ポリマーがPAの場合、PAの末端(−NH基又はCOOH基)が第一のブロックのエポキシ基と結合する。
下記の実施例において、試験サンプルは、ブレンドポリマー組成物の成分の混合物を押出して、その後、射出成形される。押出す温度は、そのブレンドポリマー組成物の成分に基づいて設定された。
以下、実施例と比較例を挙げて本発明をより詳しく説明するが、本実施例及び比較例は、本発明を詳しく説明するためのものであって、これらにより本発明は限定されるものではない。
以下に示す数平均分子量(Mn)と分子量分布指数(PDI=Mw/Mn)は、液体クロマトグラフ shimadzu LC−10(カラム:Shodex K−804L + K−805L、ポリスチレン規格:TOSOH TSK規格)を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。
エポキシ当量は、次式(p)により算出される。
エポキシ当量=100/エポキシ価 (p)
式(p)において、エポキシ価は、ブロックポリマー100g当たりのエポキシ基のモル数であり、以下のステップにより求める。
(1)酢酸とトルエンを1:1の重量比で混合した混合液に、ブロックコポリマーを溶解する。
(2)混合液中のテトラブチル臭化アンモニウムの濃度が0.2Mになるようにテトラブチル臭化アンモニウムを混合液中に加える。
(3)電位差滴定で0.1M HCLOに滴定する。
〔相溶化剤として働くブロックコポリマーの調製〕
(実施例1)
実施例1におけるブロックコポリマーの製造は、以下のステップで行った。
(1)金属テルル〔Aldrich社製、商品名:Tellurium(−40mesh)〕6.38g(50mmol)をTHF50mlに懸濁させ、n−ブチルリチウム(55mol、Aldrich社製)を含む1.6Mのヘキサン溶液34.4mlを室温でゆっくり滴下した(10分間)。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで攪拌した(約20分間)。この反応溶液に、(1−ブロモエチル)ベンゼン11.0g(60mmoles)を室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物(BuTe‐(CH(CH3)Ph)8.66g(収率70%)を得た。
(2)反応容器(100ml)にAIBN0.1g、ステップ1で得られたBuTe‐(CH(CH3)Ph)0.5g、(Ph−Te)2(Acros社製、商品名:Diphenyl ditelluride)0,05g、GMA1.0g、MMA19.0g、トルエン20.0gを仕込み、窒素雰囲気中、温度60℃の条件で7時間重合し(第1の重合)、転化率100%、数平均分子量(Mn)19424、分子量分布指数(PDI)1.46の前駆体を得た。
(3)ステップ2で得られた前駆体と、スチレンモノマー(SM)40gと、トルエン40gとを、温度60℃で24時間重合した(第2の重合)。
(4)トルエン40gを更に加え、温度を95℃に上げて、更に24時間重合し、ブロックコポリマーを製造した。
(5)重合が終了後、n−へキサン1000gを加え、ブロックコポリマーを沈殿させ、浄化、ろ過及び乾燥のプロセスを経り、転化率65%、数平均分子量(Mn)30651、分子量分布指数(PDI)1.64、エポキシ当量5096g/eqのブロックコポリマーの製品を得た。
(実施例2〜10)
これらの実施例において、ブロックコポリマーは、実施例4のステップ2で第一の重合を24時間行ったこと以外はすべて、実施例1と同様の手順で製造した。更に、実施例2〜10のブロックコポリマーを製造するために用いられる反応物の量と種類はそれぞれ異なり、表1に示す。実施例2〜10のブロックコポリマーの分子量分布指数(PDI)とエポキシ当量は表3に示す。
(比較例1〜4)
比較例1〜4において、ブロックコポリマーは、製造に用いられた反応物の量と種類が実施例と異なることと、比較例1及び2のブロックコポリマーを製造するステップ2で重合を24時間行ったことと、比較例3のブロックコポリマーを製造するステップ4で重合を72時間行ったこと以外はすべて、実施例1と同様の手順で製造した。比較例1〜4のブロックコポリマーを製造するために用いられる反応物の量と種類は、表2に示す。比較例1〜4のブロックコポリマーの分子量分布指数(PDI)とエポキシ当量は表3に示す。
(比較例5)
比較例5のコポリマーは、以下のステップにより製造される。反応容器(100ml)にAIBN0.2g、SM20g、GMA1.0g、MMA19.0g、トルエン20gを仕込み、窒素雰囲気中、温度60℃の条件で36時間重合した。その後、トルエン20gを更に加え、温度を95℃に上げて、更に36時間重合し、コポリマーを製造した。なお、コポリマー中のモノマー(SM、GMA、MMA)から形成されたセグメントは、不規則に配列されている。
重合が終了後、n−へキサン1000gを加え、コポリマーを沈殿させ、浄化、ろ過及び乾燥のプロセスを経て、転化率92%、数平均分子量(Mn)21909、分子量分布指数(PDI)2.38、エポキシ当量5076g/eqのコポリマーの製品を得た。上記のデータは表3に示した。
比較例1のブロックコポリマーは、テルル含有化合物を用いたリビングラジカル重合が行われたが、GMA単位を加えておらずエポキシ基を有するモノマー単位が存在しないので、エポキシ当量は未測定である。比較例2のブロックコポリマーは、エポキシ当量が764g/eqで1000g/eq未満であり、エポキシ基の含量が本発明の範囲よりも多い。これはGMA:MMA=30:70とGMAが多いことに主に起因する。比較例3のブロックコポリマーは、エポキシ当量が21824g/eqで20000g/eqを超えており、エポキシ基の含量が本発明の範囲よりも少ない。これは第2ブロックの量が比較的多く(SMが600g)、反応時間を24時間から72時間に長くしたため、反応する第2ブロックの量が他の例よりも大きくなるため、第1ブロックのGMAを他の例と同様に1.0gとした条件下でも、比較例3のエポキシ当量はより高くなる。また、SMの量が十分に多いため反応系の粘度が大幅に上がることはなく、溶剤(トルエン)を添加しなくても反応に影響はない。なお、表3中の比較例3の第2ブロックにおいて、SM=100と記載されているが、この100重量部は第2ブロック全体がSMになっていることのみを示すものである。比較例4のブロックコポリマーは、比較例3とほぼ同様の考えで設定された比較例であるが、第2のブロックにおいてANが添加されているという点において比較例3と異なっている。ANは、SMに比べると反応性が比較的優れているので、反応時間は24時間である。比較例5のブロックコポリマーは、PDIが2.38で2.0を超えており、分子量分布が本発明の範囲を超えてブロードになっている。これは、比較例5のブロックコポリマーの製造は第2ブロックと第2ブロックの重合をワンステップで行っており、リビングラジカル重合を用いていないことに起因している。
本発明のブロックコポリマーは、エポキシ当量とPDIを所定の範囲内とすることが必要であるが、ここに示したようにエポキシ当量は、第1ブロックのエポキシ化合物の添加量、又は、第2ブロックの添加量により調整を行うことができる。また、PDIを所定の範囲内とすることは、重合反応をリビングラジカル重合とすることにより実現することができる。他の重合方法で、所定の範囲内にPDIを収めることは非常に困難である。
(比較例6〜8)
比較例6〜8において、これらのコポリマーは市販の製品である。比較例6のコポリマーは、ランダムコポリマー(東亞合成株式会社製、ARUFON UG−4040)であり、スチレンモノマー単位とエポキシ基含有モノマー単位とを有し、数平均分子量が11000、エポキシ当量が476g/eqである。比較例7のコポリマーはランダムコポリマー(東亞合成株式会社製、ARUFON UG−4070)であり、スチレンモノマー単位とエポキシ基含有モノマー単位とを有し、数平均分子量が9700、エポキシ当量が714g/eqである。比較例8のコポリマーはランダムコポリマー(Johnson polymers社製、JONCRYL ADR−4368)であり、数平均分子量が6800、エポキシ当量が285g/eq、分子量分布指数(PDI)が3以上である。
比較例6から8のコポリマーは特許文献1に開示されている相溶化剤と類似している。
〔ブレンドポリマー組成物の製造〕
(実施例11)
実施例11のブレンドポリマー組成物は、以下のようにして製造される。HIPS(奇美社製、商品名:PH−55Y)1.5kgと、PLA(Nature Works製、商品名:3001D)1.5kgと、実施例1のブロックコポリマー150gを押出機(IKEDA社製、商品名:EX−100)を用いて、190℃で10分間成形した。続いて、2軸押出機により押出成形及び造粒を行い、ブレンドポリマー組成物を得た。
ブレンドポリマー組成物は、射出成形によって厚さ1/8インチの試験片に加工され、試験片の耐衝撃度(すなわちアイゾッド強度)は、カンチレバー式衝撃試験装置によりASTMD256に準拠して測定した。試験結果は表4に示した。
(実施例12〜24及び比較例9〜17)
実施例12〜24及び比較例9〜17のブレンドポリマー組成物は、用いられる反応物の量と種類と押出成形の温度(表4に示す)が異なること以外、実施例11と同様の手順で製造した。
同様に、実施例12〜24及び比較例9〜17のブレンドポリマー組成物はそれぞれ、厚さ1/8インチの試験片に加工され、ASTM D256に準拠して耐衝撃度を測定した。試験結果は表4に示した。
実施例11〜14及び比較例9〜11のブレンドポリマー組成物は、同一のスチレン系ポリマー(HIPS)と同一の非スチレン系ポリマー(PLA)を用いて製造される。比較例9〜11に用いられる相溶化剤(比較例1から3)のエポキシ当量は表3に示されるように、本発明の所望のエポキシ当量(1000〜20000g/eq)の範囲外である。その結果、比較例9〜11のアイゾッド強度は実施例11〜14に比べて低くなった。更に、比較例9に含まれる相溶化剤(比較例1)はエポキシ基を有さず、背景技術として開示した従来のスチレン‐(メタ)クリレート系ブロックコポリマーに類似している。よって、エポキシ基を有する本発明の相溶化剤により、ブレンドポリマー組成物の耐衝撃度が、従来のスチレン−(メタ)クリレート系ブロックコポリマーよりも強くなったことは明らかである。
実施例15〜17、22〜24及び比較例12〜13のブレンドポリマー組成物は、同一のスチレン系ポリマー(ABS)と同一の非スチレン系ポリマー(PLA)により製造される。比較例12、13に用いられる相溶化剤(比較例6、7)のエポキシ当量は、1000g/eqよりも小さく(比較例6〜8の段落を参照)、本発明の所望のエポキシ当量(1000から20000g/eq)の範囲よりも低い。その結果、比較例12、13のアイゾッド強度は実施例15〜17及び22〜24に比べて非常に低くなった。
実施例19と比較例14、15のブレンドポリマー組成物は、同一のスチレン系ポリマー(ABS)と同一の非スチレン系ポリマー(PBT)により製造される。比較例14,15に用いられる相溶化剤(比較例5、8)の分子量分布指数(PDI)は、2.0よりも大きく(表3及び比較例6〜8の段落を参照)、本発明の所望の分子量分布指数(1.0から2.0)の範囲を超えている。その結果、比較例14、15のアイゾッド強度は実施例19よりも低くなった。
実施例20、21と比較例16、17のブレンドポリマー組成物は、同一のスチレン系ポリマー(HIPS)と同一の非スチレン系ポリマー(PCまたはPA)により製造される。比較例16、17に用いられる相溶化剤(比較例4)のエポキシ当量は、20000g/eqよりも大きく(表3を参照)、本発明の所望のエポキシ当量(1000から20000g/eq)の範囲を超えている。その結果、比較例16と17のアイゾッド強度はそれぞれ実施例20、21よりも低くなった。
更に、比較例12、13、15に含まれる相溶化剤(比較例6〜8)はランダムポリマーであり、特許文献1に開示された相溶化剤に類似している。その結果、上述により、当該ブロックコポリマーを有する本発明の相溶化剤により、ブレンドポリマー組成物の耐衝撃度が従来技術に示した従来のランダムポリマーよりも強くなった。
従って、エポキシ当量の範囲が1000〜20000g/eqであり、分子量分布指数(PDI)が1.0〜2.0である本発明の相溶化剤によれば、ただ特定の2種類のポリマーに限らず、スチレン系ポリマーと非スチレン系ポリマーとを良好にブレンドさせることができる。
〔ブレンドポリマー組成物の形態〕
実施例11、15及び比較例12、13のブレンドポリマー組成物を透過型電子顕微鏡(TEM)の試験サンプルとして使用し、倍率5000倍のTEMにより観察した各試験サンプルの写真を図1〜4に示す。
図1に示されるように、白い部分はPLA材を表し、ダークグレーの部分とサラミのような構造の微粒子はHIPS材を表している。 図1に示されるように、HIPS材各領域は、比較的小さく、PLA材と良く混ざり合っている。それゆえ、実施例11のブレンドポリマー組成物における成分の相溶性が優れる。
表2から4に示されるように、白い部分はPLA材を表し、黒とダークグレーの部分はABS材を表し、ライトグレーの部分はAS材を表す。図2のAS材の領域は図3又は図4よりも小さい。それゆえ、実施例15のブレンドポリマー組成物における成分の相溶性は比較例12、13よりも優れている。
上述のように、本発明はリビングラジカル重合反応により、特定のエポキシ当量及び分子量分布指数を有するブロックコポリマーを相溶化剤として製造する。本発明におけるブレンドポリマー組成物のそれぞれの成分は、ブロックコポリマーのエポキシ基により相溶性が向上し、良好にブレンドすることができ、それにより機械的性質が改善され得る。

Claims (11)

  1. 下記の成分(A)、(B)、及び、(C)を含有する、ブレンドポリマー組成物。
    (A)スチレン系ポリマー
    (B)非スチレン系ポリマーであって、エポキシ基と反応可能なポリマー、メタクリレート系ポリマー、アクリレート系ポリマー、及び、これらの組み合わせからなる群、から選択されるもの
    (C)下記(1)及び(2)のブロックを含み、かつ、エポキシ当量は1000〜20000g/eqであり、分子量分布指数は1.0〜2.0であるブロックコポリマー、を含有する相溶化剤。
    (1)エポキシ基を有する第一のモノマー単位、並びに、アクリレート系モノマー単位、メタクリレート系モノマー単位、及び、これらの組み合わせ、からなる群から選ばれる第二のモノマー単位を含む、第一のブロック;
    (2)スチレン系モノマー単位とアクリロニトリルモノマー単位とからなる、第二のブロック。
  2. 下記の成分(A)、(B)、及び、(C)を含有する、ブレンドポリマー組成物。
    (A)スチレン系ポリマー
    (B)非スチレン系ポリマーであって、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル-アクリル酸メチルコポリマー、ポリ乳酸、でんぷん高分子、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタラート、熱可塑性ポリウレタン樹脂、及び、これらの組み合わせ、からなる群から選択されるもの
    (C)下記(1)及び(2)のブロックを含み、かつ、エポキシ当量は1000〜20000g/eqであり、分子量分布指数は1.0〜2.0であるブロックコポリマー、を含有する相溶化剤。
    (1)エポキシ基を有する第一のモノマー単位、並びに、アクリレート系モノマー単位、メタクリレート系モノマー単位、及び、これらの組み合わせ、からなる群から選ばれる第二のモノマー単位を含む、第一のブロック;
    (2)スチレン系モノマー単位とアクリロニトリルモノマー単位とからなる、第二のブロック。
  3. ブロックコポリマー(C)のエポキシ当量は1000〜10000g/eqであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のブレンドポリマー組成物。
  4. ブロックコポリマー(C)の数平均分子量は3000〜80000であり、かつ、第一のブロックの数平均分子量は1000〜55000であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のブレンドポリマー組成物。
  5. ブロックコポリマー(C)の分子量分布指数は1.0〜1.8であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のブレンドポリマー組成物。
  6. ブロックコポリマー(C)の第一のブロックに含まれるエポキシ基を有する第一のモノマー単位は、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のブレンドポリマー組成物。
  7. 不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位は、アクリル酸グリシジル単位、メタクリル酸グリシジル単位、エタクリル酸グリシジル単位、イタコン酸グリシジル単位及びこれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項に記載のブレンドポリマー組成物。
  8. スチレン系ポリマーと非スチレン系ポリマーとの質量比率は、2:98から98:2であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のブレンドポリマー組成物。
  9. スチレン系ポリマーと非スチレン系ポリマーの総質量100質量部に対して、ブロックコポリマーは0.1から30質量部であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のブレンドポリマー組成物。
  10. ブロックコポリマー(C)は、重合開始剤としてのテルル含有化合物を用いて製造されてなることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載のブレンドポリマー組成物。
  11. ブロックコポリマー(C)の第一のブロックは、メタクリル酸グリシジルモノマー単位とメタクリル酸メチルモノマー単位からなっており、第一のブロックの総質量100質量部に対して、メタクリル酸グリシジルモノマー単位は5質量部であり、メタクリル酸メチルモノマー単位は95質量部であり、
    ブロックコポリマー(C)の第のブロックの総質量100質量部に対して、スチレン系モノマー単位は70質量部であり、アクリロニトリルモノマー単位は30質量部である
    ことを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のブレンドポリマー組成物。
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