JP5831591B2 - フラットパネルディスプレイ用カバーガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像表示部分の全面を覆うフラットパネルディスプレイ用カバーガラスの製造方法に関する。
近年、フラットパネルディスプレイにおいて、画像表示部分よりも広い領域となるように薄い板状のフラットパネルディスプレイ用カバーガラスをディスプレイの前面に配置することが行なわれている(例えば、特許文献1)。
また、このフラットパネルディスプレイ用カバーガラスをフラットパネルディスプレイの全面を覆うように配置することによって、枠の凸部を無くし美観を高めるという構成が採用されている。
特開2010−169788号公報
しかしながら、フラットパネルディスプレイ用カバーガラスをフラットパネルディスプレイの全面を覆うように配置した場合、エッジがフラットパネルディスプレイの前方側に露出することになるため、エッジの面取り処理等を精密に行う必要があった。また、エッジに物等が接触した場合にエッジが欠けてしまうというおそれがあった。
また、産業界からはガラスの質感を利用してよりデザイン性の高いフラットパネルディスプレイ用カバーガラスが求められており、改善の余地があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、エッジの処理を簡略化することができ、デザイン性の高いフラットパネルディスプレイ用カバーガラスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を提供するものである。
) 画像表示部分の前面に位置し平面状に延びる表示部と、前記表示部の幅方向両側において前記表示部から屈曲する屈曲部と、を有し、板状ガラスから形成されるフラットパネルディスプレイ用カバーガラスの製造方法であって、
化学強化工程とその化学強化工程に投入される板状ガラスを作製する板状ガラス加工工程とを有し、当該板状ガラス加工工程が、
ガラス板を、そのうち前記表示部及び前記屈曲部に対し前記表示部とは反対側に位置するスカート部となる領域又は前記ガラス板の全体を所定の粘度となるように加熱する加熱工程と、
前記ガラス板のうち前記屈曲部となる領域を局所加熱する局所加熱工程と、
前記局所加熱工程中又は前記局所加熱工程後に、前記ガラス板を前記屈曲部となる領域で折り曲げることで前記スカート部を形成する曲げ工程と、
前記曲げ工程後に、前記屈曲部又は前記屈曲部と前記スカート部との間で切断して前記スカート部を除去するスカート部除去工程と、を備えことを特徴とするフラットパネルディスプレイ用カバーガラスの製造方法。
本発明の()に記載のフラットパネルディスプレイ用カバーガラスの製造方法によれば、デザイン性がよく、ガラスの質感を利用してより高級感のあるフラットパネルディスプレイ用カバーガラスを製造することができる。また、フラットパネルディスプレイ用カバーガラスのエッジは屈曲部に設けられて後方を向くので、エッジが前方に露出する場合に比べて面取り処理を簡略化することができる。さらにエッジの欠けが生じるおそれを低減できる。
本発明の一実施形態のフラットパネルディスプレイ用カバーガラスが配置されたフラットパネルディスプレイ装置の断面図である。 図1のフラットパネルディスプレイ用カバーガラスの部分拡大図である。 パネルディスプレイ用カバーガラスの製造方法のフロー図である。 パネルディスプレイ用カバーガラスの製造装置の概略図である。 局所加熱を説明する模式図である。 (a)均一加熱、(b)スカート全体加熱、(c)局所加熱の加熱条件とそれにより得られたシミュレーション結果を示すグラフである。 図6(a)の均一加熱によるフラットパネルディスプレイ用カバーガラスの断面形状を示す図である。 図6(a)の均一加熱で製造したフラットパネルディスプレイ用カバーガラスに蛍光灯を照射した写真である。 図6(c)の局所加熱と異なる加熱条件とそれにより得られたシミュレーション結果を示すグラフである。 本発明の変形例のフラットパネルディスプレイ用カバーガラスが配置されたフラットパネルディスプレイ装置の断面図である。
以下、本発明のフラットパネルディスプレイ用カバーガラス及びその製造方法について説明する。図1は本発明の一実施形態のフラットパネルディスプレイ用カバーガラスが配置されたディスプレイ装置の断面図であり、図2は図1のフラットパネルディスプレイ用カバーガラスの部分拡大図である。
先ず、図1を参照して本発明のフラットパネルディスプレイ用カバーガラス(以下、単にカバーガラスと呼ぶことがある。)を用いたフラットパネルディスプレイ装置(以下、単にディスプレイ装置と呼ぶことがある。)の一実施形態について説明する。なお、以下の説明において、前後左右は図中の矢印の向きを基準とする。
ディスプレイ装置10は、図1に示すように、概して筐体15内に設けられた表示パネル20と、表示パネル20の全面を覆い筐体15の前方を囲うように設けられるカバーガラス30とを備える。
カバーガラス30は、主として、ディスプレイ装置10の美観や強度の向上、衝撃破損防止などを目的として設置されるものであり、真っ直ぐな一枚の板状ガラス又は板状の合わせガラス(以下、総称して板状ガラス1(図4参照)と呼ぶ。)から形成される。真っ直ぐなとは、外観としての全体形状が略平面状になっていることをいい、通常、ガラス板と言われるものである。カバーガラス30は、表示パネル20の前面に位置し平面状に延びる表示部31と、表示部31の左右方向(幅方向)両側において表示部31から屈曲する屈曲部33と、屈曲部33から後方に延びるスカート部32と、を有する。なお、カバーガラス30は、図1に示すように、表示パネル20の表示側(前側)から離間するように(空気層を有するように)設置されていてもよく、透光性を有する接着膜(図示せず)を介して表示パネル20の表示側に貼り付けられてもよい。
スカート部32は、後述するように板状ガラス1を屈曲部33で折り曲げることで形成され、筐体15の側壁15aを両スカート部32で挟むように設けられる。
表示部31の表示パネル20からの光を出射する前面には機能膜41が設けられ、表示パネル20からの光が入射する背面には、表示パネル20と対応する位置に機能膜42が設けられている。なお、機能膜41、42は、図1では両面に設けたが、これに限らず前面又は背面に設けてもよく、省略してもよい。
機能膜41、42は、例えば、周囲光の反射防止、衝撃破損防止、電磁波遮蔽、近赤外線遮蔽、色調補正、及び/又は耐傷性向上などの機能を有し、厚さおよび形状などは用途に応じて適宜選択される。機能膜41、42は、例えば樹脂製の膜をカバーガラス30に貼り付けることにより形成され、あるいは、蒸着法、スパッタ法、CVD法などの薄膜形成法により形成されてもよい。
また、表示部31の背面のうち表示パネル20よりも外側の領域と、屈曲部33及びスカート部32の背面には、黒色層44が全周にほぼ枠状に設けられている。黒色層44は、例えば、顔料粒子を含むインクをカバーガラス30に塗布し、これを紫外線照射、または加熱焼成した後、冷却することによって形成された被膜であり、筐体15の外側からは表示パネル20等が見えなくなり、外観の審美性を向上させる。
カバーガラス30は、図2に示すように、表示部31の表示パネル20よりも外側の領域が、例えば30〜100mmであることが好ましく、スカート部32の長さが、例えば5〜20mmであることが好ましく、屈曲部33の曲率半径が、例えば5〜15mmであることが好ましく、板状ガラス1の板厚が例えば0.7〜1.1mmであることが好ましい。
このフラットパネルディスプレイ用カバーガラス30としては、例えば以下の組成のガラスが使用される。
(i)モル%で表示した組成で、SiOを50〜80%、Alを2〜25%、LiOを0〜10%、NaOを0〜18%、KOを0〜10%、MgOを0〜15%、CaOを0〜5%およびZrOを0〜5%を含むガラス
(ii)モル%で表示した組成が、SiOを50〜74%、Alを1〜10%、NaOを6〜14%、KOを3〜11%、MgOを2〜15%、CaOを0〜6%およびZrOを0〜5%含有し、SiOおよびAlの含有量の合計が75%以下、NaOおよびKOの含有量の合計が12〜25%、MgOおよびCaOの含有量の合計が7〜15%であるガラス
(iii)モル%で表示した組成が、SiOを68〜80%、Alを4〜10%、NaOを5〜15%、KOを0〜1%、MgOを4〜15%およびZrOを0〜1%含有するガラス
(iv)モル%で表示した組成が、SiOを67〜75%、Alを0〜4%、NaOを7〜15%、KOを1〜9%、MgOを6〜14%およびZrOを0〜1.5%含有し、SiOおよびAlの含有量の合計が71〜75%、NaOおよびKOの含有量の合計が12〜20%であり、CaOを含有する場合その含有量が1%未満であるガラス
次に、フラットパネルディスプレイ用カバーガラス30の製造方法について説明する。図3はパネルディスプレイ用カバーガラスの製造方法のフロー図であり、図4はパネルディスプレイ用カバーガラスの製造装置の概略図であり、図5は局所加熱を説明する模式図である。
カバーガラス30の製造方法は、図3に示すように、概して形状加工工程(S1)と、加熱工程(S2)と、局所加熱工程(S3)と、曲げ工程(S4)と、化学強化工程(S5)と、プリント工程(S6)と、から構成される。
形状加工工程(S1)は板状ガラス1を所定の形状、典型的には矩形状に切り出す処理であり、加熱工程(S2)は板状ガラス1を所定の粘度になるように加熱する処理であり、局所加熱工程(S3)は板状ガラス1を局所加熱する処理であり、曲げ工程(S4)は板状ガラス1を所定形状に曲げる処理であり、化学強化工程(S5)は板状ガラス1を化学強化する処理であり、プリント工程(S6)は黒色層44を形成する処理である。なお、形状加工工程(S1)、化学強化工程(S5)及びプリント工程(S6)は、公知の方法が採用され、形状加工工程(S1)、加熱工程(S2)、局所加熱工程(S3)および曲げ工程(S4)は板状ガラス加工工程を構成する。
以下、本発明の特徴である加熱工程(S2)、局所加熱工程(S3)及び曲げ工程(S4)について詳細に説明する。
加熱工程(S2)、局所加熱工程(S3)及び曲げ工程(S4)は、図4に示す電気炉内で行なわれる。電気炉内には、板状ガラス1を設置可能な金型60と、金型60の両端部上方に可動式の電気ヒーター67が設けられる。
金型60は、図4及び図5に示すように、下端部にフランジ61が形成された直方体形状の板状ガラス設置台62の上面に並列に2枚の真っ直ぐな板状ガラス1を配置可能に凹状に2つの板状ガラス配置部63が設けられて構成されている。各板状ガラス配置部63は、重力方向に直交する方向に延びる水平面63aと、水平面63aと板状ガラス設置台62の垂直面62aとを結ぶ所定の曲率を有する円弧面63bと有して構成され、水平面63aの幅方向長さは板状ガラス1の幅方向長さよりも短くなっている。板状ガラス1は、表示部31となる領域1aが水平面63a上に配置され、屈曲部33となる領域1bが円弧面63bと対向するように且つスカート部32となる領域1cが金型60の垂直面62aからはみ出すように配置される。なお、金型60の形状はこれに限定されるものではなく、重力方向に伸びる垂直面62aと、重力方向に直交する方向に延びる水平面63aと、これら両面を結ぶ円弧面63bとを有していればよく、板状ガラス配置部63は1枚の板状ガラス1を設置できればよく、3枚以上の板状ガラス1を設置できるものでもよい。
そして、加熱工程(S2)では、電気炉内で板状ガラス1全体を所定粘度、例えば1011Pa・s〜1015Pa・sとなるように加熱する。局所加熱工程(S3)では、電気ヒーター67を屈曲部33となる領域1bの直上に移動させて非接触状態で所定温度まで加熱することで領域1bを局所的に加熱する。このとき、領域1bの最高粘度が10Pa・s〜10Pa・sとなるように、且つ領域1bの最高粘度を示す最高粘度点と1011Pa・s〜1015Pa・sとなる領域のうち最高粘度点に幅方向で最も近い低粘度近接点との幅方向距離が30mm以下となるように局所加熱する。なお、加熱工程(S2)と局所加熱工程(S3)は同時に行なうこともできる。この場合、加熱工程(S2)では板状ガラス1の領域1bを除く領域1a、1cが所定粘度、例えば1011Pa・s〜1015Pa・sとなるように加熱し、局所加熱工程(S3)では、領域1bの最高粘度が10Pa・s〜10Pa・sとなるように、且つ領域1bの最高粘度を示す最高粘度点と低粘度近接点との幅方向距離が30mm以下となるように局所加熱する。
ここで、板状ガラス1の領域1aと領域1b、領域1bと領域1cの境界は必ずしも明確に区別されるものではないが、領域1a、1b、1cはそれぞれ必ず表示部31、屈曲部33、スカート部32を含むものである。また、領域1bの局所加熱が領域1a、1cに影響を与えることがあるが、屈曲部33となる領域1bを局所加熱するとは、領域1bを中心に加熱することを意味し、領域1a、1c全体を加熱することまで含むものではない。
加熱工程(S2)では、板状ガラス1全体が1013Pa・s〜1015Pa・sとなるように加熱することがより好ましく、局所加熱工程(S3)では、領域1bの最高粘度が10Pa・s〜10Pa・sとなるように、且つ領域1bの最高粘度を示す最高粘度点と低粘度近接点との幅方向距離が10mm以下となるように局所加熱することがより好ましい。なお、ガラスの粘度と温度は、板状ガラス1の組成により異なる値を示すが、700〜800℃近傍で10Pa・s〜1010Pa・sとなる組成のガラスを選択することが製造上好ましい。
このように電気ヒーター67を用いて屈曲部33となる領域1bを局所加熱することで、板状ガラス1は所定の粘度以上になると領域1bで自重により折れ曲がり、領域1bの外側に位置する領域1cが金型60の垂直面62aに沿うように表示部31に対し略直交するスカート部32が形成される(曲げ工程(S4))。
なお、上記実施形態では板状ガラス1が自重により板状ガラス1が曲がる例を説明したが、自重に代えて又は自重とともに、板状ガラス1の領域1cをプレスしたり、ピンチで領域1cの先端をつまんで折り曲げてもよい。また、曲げ加工(S4)後、スカート部32(領域1c)の先端を切断してもよい。さらに、図3では省略したが、カバーガラス30の製造方法は面取り工程を含み、典型的には形状加工工程(S1)と加熱工程(S2)との間に行なうが、曲げ工程(S4)の後にスカート部32の先端を切断する必要がある場合には、曲げ工程(S4)の後に行なってもよい。いずれにしても面取り工程は、カバーガラス30のエッジがスカート部32の後方に位置するため従来よりも簡易な処理とすることができる。
以下に局所過熱の加熱条件を変えて製造したカバーガラスのシミュレーション結果について説明する。以下に示すシミュレーションでは、モル%でSiOを71.95%、Alを1.34%、LiOを0%、NaOを8.82%、KOを5.37%、MgOを0.03%、CaOを0.24%およびZrOを1.14%含む組成のガラスであって、厚さが0.7mmの板状ガラスを想定して行なった。この板状ガラスでは、600℃で粘度が1.13Pa・s、700℃で粘度が0.765Pa・sを示し、800℃で粘度が0.640Pa・sを示す。
図6(a)は比較例として、板状ガラス1全体を均一に700℃(粘度:0.765Pa・s)となるように炉内温度を設定して板状ガラス1の曲げ成形を行なった場合のシミュレーション結果を示すものである。このとき、図7に示すように、厚さ方向の断面において、表示部31を構成する板状ガラス1の背面を幅方向に延長した第1の仮想線L1(図中、金型60の水平面63aと一致)と屈曲部33を構成する板状ガラス1の背面との間には前方に第1の空間部S1が形成され、第1の仮想線L1に直交しスカート部32の後方内側端部を通る第2の仮想線L2(図中、金型60の垂直面62aと一致)と屈曲部33を構成する板状ガラス1の背面との間には側方に第2の空間部S2が形成される。これは板状ガラス1の粘度を高くした場合であっても板状ガラス1自体の剛性により金型60に完全には沿わないことによるものである。なお、表示部31を構成する板状ガラス1の背面及び屈曲部33を構成する板状ガラス1の背面とは、それぞれの大部分をなす領域をいい局所的な部分をいうものではない。また、場合によっては、第2の空間部S2は、第2の仮想線L2とスカート部32を構成する板状ガラス1の背面との間で最大距離をとる場合がある。
図7では、この第1の空間部S1の前後方向における最大距離T1(以下、最大距離T1と呼ぶ。)は0.234mmを示し、第2の空間部S2の幅方向における最大距離T2(以下、最大距離T2と呼ぶ。)は1.371mmを示した。また、このシミュレーションと同様に実際に曲げ加工を施したカバーガラス30に3本の蛍光灯を照射すると、図8に示すように光学歪の影響により反射光にうねりの発生が見られた。
また、図6(b)は比較例として、表示部31となる領域1aを均一に600℃(粘度:1.13Pa・s)となるように炉内温度を設定するとともにスカート部32となる領域1c全体を均一に700℃(粘度:0.765Pa・s)となるように電気ヒーター67で加熱し、最高粘度点と低粘度近接点との幅方向距離を20mmに設定した板状ガラス1の曲げ成形を行なった場合のシミュレーション結果を示すものである。なお、屈曲部33となる領域1bは電気ヒーター67による加熱の影響で温度勾配を有している。このとき、最大距離T1は0.1511mmを示し、最大距離T2は0.7341mmを示した。
図6(c)は本発明の実施例として、表示部31、スカート部32となる領域1a、1cを均一に600℃(粘度:1.13Pa・s)となるように炉内温度を設定するとともに屈曲部33となる領域1bの最高粘度点を700℃(粘度:0.765Pa・s)となるように電気ヒーター67で加熱して最高粘度点と低粘度近接点との幅方向距離を20mmに設定した板状ガラス1の曲げ成形を行なった場合のシミュレーション結果を示すものである。このとき、最大距離T1は0.1094mmを示し、最大距離T2は1.0618を示した。
カバーガラス30としては、最大距離T1は0.14mm以下が好ましい。最大距離T1を0.14mm以下とすることで屈曲部33の外観に与える影響を低減でき、さらに表示部31となる領域1aの粘度を1011Pa・s以上とすることで光学歪の発生を抑制できる。T1はより好ましくは0.11mm以下、特に好ましくは0.07mm以下である。また、最大距離T2は0.5mm以下であることが好ましい。最大距離T2を0.5mm以下とすることで屈曲部33及びスカート部32の外観に与える影響を低減できる。このため、図6(a)及び(b)に示す方法では、最大距離T1が0.14mmより大きくなり屈曲部33の外観に悪影響がある。これに対し、図6(c)に示す方法では、最大距離T1が0.14mm以下になるとともに最大距離T2が0.5mm以下となり、カバーガラス30としての要求を満たした。
図9は、図6(c)の局所加熱と異なる加熱条件とそれにより得られたシミュレーション結果を示すグラフである。図9(a)は図6(c)より高温となるように局所加熱したものであり、図9(b)は図6(c)より高温且つより急激な温度勾配となるように局所加熱したものである。
図9(a)は、表示部31、スカート部32となる領域1a、1cを均一に600℃(粘度:1.13Pa・s)となるように炉内温度を設定するとともに屈曲部33となる領域1bの最高粘度点を800℃(粘度:0.640Pa・s)となるように電気ヒーター67で加熱して最高粘度点と低粘度近接点との幅方向距離を20mmに設定した板状ガラス1の曲げ成形を行なった場合のシミュレーション結果を示すものである。このとき最大距離T1は0.005mmを示し、最大距離T2は0.125mmを示し、図6(c)に比べて最大距離T1、T2の両方を小さくすることができた。
さらに図9(b)は、表示部31、スカート部32となる領域1a、1cを均一に600℃(粘度:1.13Pa・s)となるように炉内温度を設定するとともに屈曲部33となる領域1bの最高粘度点を800℃(粘度:0.640Pa・s)となるように電気ヒーター67で加熱して最高粘度点と低粘度近接点との幅方向距離を10mmに設定した板状ガラス1の曲げ成形を行なった場合のシミュレーション結果を示すものである。このとき最大距離T1は0.004mmを示し、最大距離T2は0.03mmを示し、図6(c)に比べて最大距離T1、T2の両方を低減することができた。
例えば図6(c)の上記シミュレーションは、実際に600℃に温められた電気炉内(大気雰囲気)で電機ヒーター(坂口電熱社製、レイロッドスーパー、Φ6mm)を屈曲部22の直上5mmに配置して設定温度を820℃とし、その状態で5分間維持しその後5時間かけて室温まで除冷することで実現される。
以上説明したように本実施形態のカバーガラス30によれば、表示部31の幅方向両側において表示部31に対し後方に延びるスカート部32が形成されることにより、よりデザイン性が向上し、ガラスの質感を利用してよりカバーガラス30に高級感を与えることができる。また、カバーガラス30のエッジはスカート部32に設けられて後方を向くので、エッジが前方に露出する場合に比べて面取り処理を簡略化することができる。さらにエッジの欠けが生じるおそれを低減できる。
また、スカート部32は、真っ直ぐな一枚の板状ガラス1を屈曲部33で折り曲げることで形成され、厚さ方向の断面において、表示部31を構成する板状ガラス1の背面を幅方向に延長した第1の仮想線L1と屈曲部33を構成する板状ガラス1の背面との間には前方に第1の空間部S1が形成され、第1の空間部S1の前後方向における最大距離T1が0.14mm以下であり、第1の仮想線L1に直交しスカート部32の後方内側端部を通る第2の仮想線L2と屈曲部33とスカート部32の少なくとも一方を構成する板状ガラス1の背面との間には側方に第2の空間部S2が形成され、第2の空間部S2の幅方向における最大距離T2が0.5mm以下であるので、カバーガラス30のデザイン性の悪化を防止できる。
また、本実施形態のカバーガラス30の製造方法によれば、板状ガラス1のうち屈曲部33となる領域1bを局所加熱することによりデザイン性がよく、ガラスの質感を利用してより高級感のあるカバーガラス30を製造することができる。また、カバーガラス30のエッジはスカート部32に設けられて後方を向くので、エッジが前方に露出する場合に比べて面取り処理を簡略化することができる。さらにエッジの欠けが生じるおそれを低減できる。
また、加熱工程(S2)では、板状ガラス1のうち表示部31及びスカート部32となる領域1a、1c又は板状ガラス1の全体1a〜1cの粘度が1011Pa・s〜1015Pa・sとなるように加熱し、局所加熱工程(S3)では、屈曲部33となる領域1bの最高粘度が10Pa・s〜10Pa・sとなるように、且つ、屈曲部33となる領域1bの最高粘度を有する最高粘度点と、1011Pa・s〜1015Pa・sとなる領域のうち最高粘度点に幅方向で最も近い低粘度近接点との幅方向距離が30mm以下となるように局所加熱することにより、表示部31の視認性への影響を抑制し且つガラスの割れ等を抑制しながら、デザイン性の高いカバーガラス30を製造することができる。
また、局所加熱工程においては、板状ガラス1は自重により屈曲部33となる領域1bで折り曲げられて形成されるか、又は、スカート部32となる領域1cを金型60の垂直面62aにプレスすること等により形成されることにより、カバーガラス30の生産性を向上させることができる。
また、局所加熱工程においては、炉内で屈曲部33となる領域1bを電気ヒーター67で非接触に加熱することにより板状ガラス1を所望の粘度に局所加熱することができる。
なお、上記実施形態では、表示パネル20の前面に位置し平面状に延びる表示部31と、表示部31の左右方向(幅方向)両側において表示部31から屈曲する屈曲部33と、屈曲部33から後方に延びるスカート部32と、を有するカバーガラス30を例示したが、これに限らず、カバーガラスは、図10に示すように、表示パネル20の前面に位置し平面状に延びる表示部31と、表示部31の左右方向(幅方向)両側において表示部31から屈曲する屈曲部33と、からなる構成としてもよい。このカバーガラスによっても、表示部31の幅方向両側に屈曲部33が形成されることにより、デザイン性が向上し、ガラスの質感を利用してよりカバーガラスに高級感を与えることができる。また、カバーガラス30のエッジは屈曲部33に設けられて後方を向くので、エッジが前方に露出する場合に比べて面取り処理を簡略化することができる。さらにエッジの欠けが生じるおそれを低減できる。
このカバーガラスの製造方法は、図3で示したパネルディスプレイ用カバーガラスの製造方法のフローにおいて、曲げ工程(S4)と化学強化工程(S5)との間に、屈曲部33又は屈曲部33とスカート部32との間で切断してスカート部32を除去するスカート部除去工程が設けられる。
筐体15の側壁15aは屈曲部33の内側に位置してもよく、屈曲部33を外側から覆うように構成してもよい。屈曲部33を外側から覆うように構成することで、面取り処理工程を従来よりもさらに簡易な処理とすることができ、また、省略することもできる。
1 板状ガラス
1a 表示部となる領域
1b 屈曲部となる領域
1c スカート部となる領域
20 表示パネル(画像表示部分)
30 カバーガラス(フラットパネルディスプレイ用カバーガラス)
31 表示部
32 スカート部
33 屈曲部
60 金型
62a 垂直面
63a 水平面
63b 円弧面
67 電気ヒーター(加熱部材)
L1 第1の仮想線
L2 第2の仮想線
S1 第1の空間部
S2 第2の空間部

Claims (1)

  1. 画像表示部分の前面に位置し平面状に延びる表示部と、前記表示部の幅方向両側において前記表示部から屈曲する屈曲部と、を有し、板状ガラスから形成されるフラットパネルディスプレイ用カバーガラスの製造方法であって、
    化学強化工程とその化学強化工程に投入される板状ガラスを作製する板状ガラス加工工程とを有し、当該板状ガラス加工工程が、
    ガラス板を、そのうち前記表示部及び前記屈曲部に対し前記表示部とは反対側に位置するスカート部となる領域又は前記ガラス板の全体を所定の粘度となるように加熱する加熱工程と、
    前記ガラス板のうち前記屈曲部となる領域を局所加熱する局所加熱工程と、
    前記局所加熱工程中又は前記局所加熱工程後に、前記ガラス板を前記屈曲部となる領域で折り曲げることで前記スカート部を形成する曲げ工程と、
    前記曲げ工程後に、前記屈曲部又は前記屈曲部と前記スカート部との間で切断して前記スカート部を除去するスカート部除去工程と、を備えことを特徴とするフラットパネルディスプレイ用カバーガラスの製造方法。
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