JP5829134B2 - 炭素繊維フェルトの製造方法 - Google Patents

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本発明は、炭素繊維フェルトの製造方法に関する。
炭素繊維系の断熱材は、熱的安定性や断熱性能に優れ且つ軽量であることから、種々の用途で使用されている。このような断熱材には、炭素繊維を交絡してなる炭素繊維フェルトや、炭素繊維フェルトに樹脂材料を含浸させ炭素化させた炭素繊維成形断熱材がある。炭素繊維フェルトは可とう性に優れるという長所を有し、炭素繊維成形断熱材は、形状安定性に優れ、微細な加工が可能であるという長所を有する。
何れの断熱材を使用するかは、使用目的や用途に応じて適宜選択される。前者の炭素繊維フェルトは、可とう性に優れることから、単結晶シリコン引き上げ装置、多結晶シリコンキャスト炉、金属やセラミックスの焼結炉、真空蒸着炉等の高温炉の断熱材として使用されている。
炭素繊維フェルトに関する技術としては、例えば特許文献1がある。また、炭素繊維を製造する方法に関する技術としては、特許文献2がある。
特開2009-73715号公報 特公昭58-57374号公報
特許文献1は、レーヨン繊維と、レーヨン繊維が炭化する温度以下の温度で軟化、溶融する有機質繊維とを、レーヨン繊維90〜50重量部、有機質繊維10〜50重量部の割合で混紡し、ニードルパンチした不織布を複数枚積層し、積層体の両面を耐熱性板で挟持して、150〜500Paの加圧力を付加しながら、非酸化性雰囲気中700〜1000℃の温度で一次熱処理して炭化し、更に2000℃以上の温度で二次熱処理することを特徴とする炭素繊維質断熱材の製造方法を開示している。この技術によると、熱硬化性樹脂などの樹脂バインダーを使用せずに安価で能率よく、ハンドリング性に優れた強度と低熱伝導率を備えた炭素繊維質断熱材を提供できるとされる。
特許文献2は、渦流法により、粘稠物質から曲状の繊維を製造する方法を開示している。
しかしながら、特許文献1の技術にかかる炭素繊維フェルトや、特許文献2の技術で得られる繊維を炭素化した炭素繊維のみを用いた炭素繊維フェルトの断熱性能は、十分なものではなかった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、断熱性の高い炭素繊維フェルトの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、次のように構成されている。
曲状の炭素繊維と、不融繊維と、を交絡させ、ニードリングを行って、前記曲状の炭素繊維と、前記不融繊維とからなる混紡フェルトとなす混紡工程と、前記混紡フェルトを非酸化性雰囲気で焼成して、前記不融繊維を炭素化させる炭素化工程と、を備え、前記曲状の炭素繊維が、繊維を直線状に引っ張ったときの長さをL1、湾曲した繊維の自然状態での最大長さをL2とするとき、L1/L2が1.3以上で規定される湾曲形状を有し、前記曲状の炭素繊維と、前記不融繊維と、の質量比が20:80〜50:50であり、前記不融繊維は、不活性雰囲気下2000℃で5時間熱処理した場合の質量残存率が7〜30%である炭素繊維フェルトの製造方法。


ここで、本明細書における炭素化工程とは、主要な構成元素がほぼ炭素のみとなる1000℃程度の温度や、それ以上の温度、例えば2000〜2800℃という温度領域をも含む温度で、熱処理する工程をいう。従って、本明細書でいう炭素化は、黒鉛化をも含む広義の意味で使用される。
この構成の技術的意義を説明する。炭素繊維を細くし、炭素繊維を通じる固体伝導を小さくするとともに、また、繊維間の空隙を大きくして熱輻射のロスが大きくなるようにすると、断熱性を高めることができる。ここで、炭素繊維フェルトの断熱性とは、フェルトの厚み方向の断熱性を意味し、フェルトの面方向に繊維がより配向する構造とすることにより炭素繊維による固体伝導がフェルトの厚み方向に向かうのをより少なくすることができる。
上記本発明のように、不融繊維と曲状の炭素繊維とからなる混紡フェルトを作製した後に炭素化して炭素繊維フェルトを製造する方法によると、ニードリングの際にしなやかな不融繊維が面方向により配向し易い。そして、この混紡フェルトの炭素化を行うと、不融繊維から水素や酸素等の炭素以外の構成元素が除かれて、残存質量が元の質量の7〜30%となるとともに、比重が1.5程度と、一般的な不融繊維と同程度(おおむね比重1.3〜1.6程度)となるので、その体積が顕著に小さくなる。このとき、不融繊維の長さ方向にはほとんど体積収縮が起きず、繊維径が顕著に縮小する結果、繊維径はおよそ30〜45%程度に顕著に小さくなる(細径化する)。
一方、曲状の炭素繊維はすでに炭素化されており、炭素化工程での体積収縮が起こらない。よって、炭素化工程では、フェルト骨格が曲状の炭素繊維により維持されつつ、不融繊維が質量減少を伴って細径化する。
それゆえ、上記製造方法によると、炭素繊維フェルトのかさ密度を小さくすることができる。そして、不融繊維の炭素化繊維は炭素繊維フェルトの面方向に配向しやすくなるとともに、径の細い不融繊維の炭素化繊維の存在により繊維間の空隙が大きい構造の炭素繊維フェルトを製造することができる。このため、上記製造方法によると、フェルトの面方向に繊維がより配向することにより炭素繊維による固体伝導がフェルトの厚み方向に向かうのをより少なくすることができると同時に、熱輻射を発現させる繊維間の空隙をより効果的に作ることができる。すなわち、上記製造方法により得られる炭素繊維フェルトは、炭素繊維を通じる固体伝導が小さくなり、また、繊維間の空隙による熱輻射のロスが大きくなるので、熱伝導率が顕著に小さい。なお、フェルトの面方向とはフェルトの長手方向と幅方向で仕切られる面およびそれに平行な方向であり、厚み方向とはフェルトの厚みの方向であって面方向に垂直な方向である。
なお、不融繊維を炭素化させた炭素化繊維と、曲状の炭素繊維とを用いて炭素繊維フェルトを作製する場合には、本発明のような効果が得られない。例えば熱伝導し難い細径の炭素化繊維を用いると、混紡工程でのニードリングによって炭素化繊維が折れ易くなり、良質な炭素繊維フェルトの作製が困難となる。他方、折れを防止するために太径の炭素化繊維を用いると、炭素繊維を介した熱伝導が起こり易くなるという問題を生じる。
また、不融繊維のみからなるフェルトを炭素化させた炭素繊維フェルトでは、フェルトの骨格が維持されることなく全体的に均質に細径化するので、かさ密度を小さくし難く、且つ、熱伝導率を小さくし難い。他方、曲状の炭素繊維のみからなる炭素繊維フェルトでは、かさ密度を小さくし難いとともに、炭素繊維を介した熱伝導が起こり易くなる。
また、不活性雰囲気下2000℃で5時間熱処理した場合の質量残存率が30%より大きい不融繊維を用いる場合、不融繊維の細径化が十分ではなく、熱伝導率を十分に低下させることができない。他方、不活性雰囲気下2000℃で5時間熱処理した場合の質量残存率が7%より小さい不融繊維を用いる場合、炭素化によって繊維が破断するおそれが高まり、炭素繊維フェルトの強度の低下を招く。よって、本発明では、不活性雰囲気下2000℃で5時間熱処理した後の不融繊維の質量残存率を、7〜30%とする。
なお、曲状の炭素繊維と、不融繊維と、の混合比を、20:80〜50:50とするのは、不融繊維と曲状の炭素繊維の両方の作用を十分に得るためである。
ここで、不融繊維とは、熱硬化性樹脂繊維、天然繊維、植物系再生繊維等の熱溶融を起こさない材料からなる繊維や、所定の熱処理等を行うことにより不融化された材料からなる繊維を意味する。
また、自然状態の長さL2は、一度長さL1となるように繊維を引っ張った後、繊維を所定の高さ(30cm)から自由落下させた後、当該繊維に重力及びその応力以外の力を作用させない状態で測定した最大長さとする。
上記構成において、前記炭素工程後の炭素繊維フェルトのかさ密度は、0.05〜0.09g/cmとすることが好ましい。
また、曲状の炭素繊維としては、安価でL1/L2を1.3以上に規制し易い等方性ピッチ系炭素繊維を用いることが好ましい。
不融繊維としては、炭素繊維よりも伸延性が良いために混紡フェルトの製造が容易であり、不活性雰囲気下2000℃で5時間熱処理した場合の質量残存率が7〜30%程度である熱硬化性樹脂繊維を用いることが好ましく、なかでも、安価なレーヨン繊維を用いることが好ましい。
また、L1/L2の値は、3以下であることが好ましく、1.4〜2.5であることがより好ましい。
また、レーヨン繊維等の不融繊維の繊維径は、1.7〜3.3デシテックスであることが好ましい。
以上に説明したように、本発明によると、断熱性能に優れた炭素繊維フェルトを簡便な手法で製造することができる。
実施例1で用いたレーヨン繊維の顕微鏡写真である。 実施例1に係る炭素繊維フェルトの顕微鏡写真である。
(実施の形態)
本発明を実施するための形態を、実施例を参照して以下に説明する。
〈実施例1〉
等方性ピッチを渦流法により溶融紡糸して、曲状の繊維を得た。この繊維を空気雰囲気下常温から約300℃まで2時間熱処理して、不融化した。この後、この繊維を不活性ガス雰囲気中で、1000℃で30分処理して炭素化した。このピッチ系炭素繊維の平均直径は、13μmであった。
上記ピッチ系炭素繊維をランダムに25抽出し、繊維を直線状に引っ張ったときの長さL1と、湾曲した繊維の自然状態での最大長さL2とを測定し、L1/L2を算出した。この時、L1/L2の値が高いほうから2つと、低いほうから2つと、を除いた21個の値の平均値を算出したところ、1.93であった。なお、25のL1/L2は、下記表1に示す。なお、下記表1におけるxは、平均値算出の際に除いたサンプルであることを示すものである。また、L2は、湾曲した繊維の自然状態での最大長さ(湾曲した繊維上の任意の2点間の距離を測定したとき、この距離が最も大きくなる長さ)を意味し、繊維の両端点間距離を必ずしも意味するものではない。
(混紡工程)
曲状のピッチ系炭素繊維50質量部と、レーヨン繊維(2.2デシテックス)50質量部と、を混合器により混合した。この後、カード機を用いてカーディングしてウェブを作製した。この後、ウェブを重ね合わせながらニードルパンチ機を用いてニードリングして、混紡フェルト(厚み12mm)を作製した。
こののち、混紡フェルトを不活性雰囲気で2000℃で5時間熱処理して、レーヨン繊維を炭素化させて、実施例1に係る炭素繊維フェルトを作製した。なお、実施例1に係る炭素繊維フェルトの厚みは10mm、かさ密度は、0.07g/cmであった。
〈実施例2〉
混紡工程において、ピッチ系炭素繊維と、レーヨン繊維と、を質量比20:80で混合したこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2に係る炭素繊維フェルトを作製した。なお、実施例2に係る炭素繊維フェルトの厚みは10mm、かさ密度は、0.06g/cmであった。
〈比較例1〉
曲状のピッチ系炭素繊維のみを用いたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1に係る炭素繊維フェルトを作製した。なお、比較例1に係る炭素繊維フェルトの厚みは30mm、かさ密度は、0.07g/cmであった。
〈比較例2〉
レーヨン繊維のみを用いたしたこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例2に係る炭素繊維フェルトを作製した。なお、比較例2に係る炭素繊維フェルトの厚みは30mm、かさ密度は、0.09g/cmであった。
〈比較例3〉
ポリアクリロニトリル(PAN)の耐炎化繊維50質量%と曲状のピッチ系炭素繊維50重量%とを混合器を用いて均一に混合し、ウェブを重ね合わせながらニードルパンチ機を用いてニードリングして、厚み12mmの混紡フェルトを得たこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例3に係る炭素繊維フェルトを作製した。なお、比較例3に係る炭素繊維フェルトの厚みは10mm、かさ密度は0.09g/cmであった。
(熱伝導率の測定)
上記のように作製された実施例1、2、比較例3に係る炭素繊維フェルトを、厚みが30mmとなるように重ね合わせた。厚みが30mmにそろえられた実施例1、2、比較例1〜3に係る炭素繊維フェルトを、直径350mmのサイズに切断して、試験片を作製した。この試験片を用いて、窒素ガス雰囲気中で標準平板法により、試料平均温度が600℃、1000℃、1500℃での熱伝導率を測定した。この試験結果を下記表2に示す。なお、試料平均温度とは、試料の高温側(加熱側)と低温側の両面の温度の算術平均値を意味する。
上記表1より、実施例1、2に係る炭素繊維フェルトは、熱伝導率が低温側から順に、0.15〜0.17、0.26〜0.28、0.47〜0.49であり、比較例1〜3に係る炭素繊維フェルトの熱伝導率、0.24〜0.41、0.35〜0.49、0.60〜0.70よりも低いことが分かる(単位はいずれもW/m・K)。
炭素繊維を細くし、炭素繊維を通じる固体伝導を小さくするとともに、また、繊維間の空隙を大きくして熱輻射のロスが大きくなるようにすると、断熱性を高めることができる。ここで、炭素繊維フェルトの断熱性とは、フェルトの厚み方向の断熱性を意味し、フェルトの面方向に繊維がより配向する構造とすることにより炭素繊維による固体伝導がフェルトの厚み方向に向かうのをより少なくすることができる。
実施例1、2のように、レーヨン繊維と曲状の炭素繊維との混紡フェルトを作製した後に炭素化する製造方法では、ニードリングによってレーヨン繊維が面方向に配向し易い。そして、この混紡フェルトの炭素化を行うと、重縮合反応により、レーヨン繊維から水素や酸素等の炭素以外の構成元素が除かれて、残存質量が元の質量の7〜30%程度となるとともに、その比重が1.5程度であり、炭素化前のレーヨン繊維と同程度であるので、繊維体積が顕著に小さくなる。このとき、レーヨン繊維は長さ方向への体積収縮が少ないので、繊維径を顕著に(およそ30〜40%程度に)減少できる。
一方、曲状の炭素繊維はすでに炭素化されており、この炭素化工程では体積収縮が起こらない。よって、炭素化工程では、フェルト骨格が曲状の炭素繊維により維持されつつ、不融繊維が質量減少を伴って体積収縮する。
それゆえ、実施例1,2の製造方法によると、かさ密度が小さく、炭素繊維は炭素繊維フェルトの面方向により配向された、径の細い不融繊維の炭素化繊維の存在により繊維間の空隙が大きい構造の炭素繊維フェルトを製造することができる。したがって、実施例に係る炭素繊維フェルトは、繊維が細くかさ密度が小さくなっており、不融繊維の炭素化繊維は炭素繊維フェルトの面方向により配向され、且つ、径の細い不融繊維の炭素化繊維の存在により繊維間の空隙が大きい構造となる。
すなわち、実施例に係る炭素繊維フェルトは、炭素繊維を通じる固体伝導が小さくなり、また、繊維間の空隙により熱輻射のロスが大きくなるとともに、熱輻射を発現させる繊維間の空隙が効果的に形成されている。このため、実施例1,2の炭素繊維フェルトの熱伝導率は顕著に小さくなる。
なお、レーヨン繊維を炭素化させたレーヨン炭素化繊維と、曲状の炭素繊維とを用いて炭素繊維フェルトを作製する場合には、実施例のような効果が得られない。例えば、細径のレーヨン炭素化繊維を用いる場合、混紡工程でのニードリング等によって炭素繊維が折れ易くなり、良質な炭素繊維フェルトの作製が困難となる。他方、折れを防止するために太径のレーヨン炭素化繊維を用いる場合、この、炭素繊維を介した熱伝導が起こり易くなるという問題がある。
また、曲状の炭素繊維のみからなる比較例1では、かさ密度を小さくし難いとともに、炭素繊維を介した熱伝導が起こり易くなる。他方、レーヨン繊維のみからなるフェルトを炭素化させた比較例2では、フェルトの骨格が維持されることなく全体的に均質に細径化するので、かさ密度を小さくし難く、且つ、熱伝導率を小さくし難い。このため、比較例1,2の熱伝導率は、実施例1,2よりも高くなる。
また、レーヨン繊維に代えて、不活性雰囲気下2000℃で5時間熱処理した場合の質量残存率が40〜50%程度のポリアクリロニトリル耐炎化繊維を用いた比較例3では、炭素化によるポリアクリロニトリル耐炎化繊維の細径化が十分に行えず、熱伝導率を十分に低下させることができない。このため、混紡フェルトに用いる不融繊維の不活性雰囲気下2000℃で5時間熱処理した場合の質量残存率は、7〜30%とする。
ここで、実施例1で用いたレーヨン繊維3の顕微鏡写真(図1)と、実施例1に係る炭素繊維フェルトの顕微鏡写真(図2)とを比較すると、レーヨン繊維は炭素化によって、径が1/3程度に小さくなっていることが分かる。そして、実施例1に係る炭素繊維フェルトでは、径の細いレーヨン系炭素繊維1と、径の太い曲状のピッチ系炭素繊維2とが交絡していることが分かる。
なお、曲状の炭素繊維と、レーヨン繊維と、の両者の作用を十分に得るためには、曲状の炭素繊維と、不融繊維と、の混合比を、20:80〜50:50とする。
以上のことから、不活性雰囲気下2000℃で5時間熱処理した場合の質量残存率が7〜30%の不融繊維(レーヨン繊維等)を炭素化させる前に曲状の炭素繊維と混合・交絡させ、その後炭素化を行うことにより、断熱性に優れた炭素繊維フェルトが得られることが分かる。
なお、上記実施例では平均直径13μmの炭素繊維を用いたが、この太さに限定されることはない。ただし、繊維の直径は、製造される炭素繊維フェルトの断熱性能やかさ密度等に影響を及ぼすので、目的とする断熱性能・かさ密度に応じて直径等を選択すればよい。
また、不融繊維としては、不活性雰囲気下2000℃で5時間熱処理した場合の質量残存率が7〜30%であればよく、レーヨン繊維以外に、天然繊維や熱硬化性樹脂繊維等を用いることができる。
本発明に係る炭素繊維フェルトは、そのまま断熱材として使用できることはもちろん、樹脂を含浸させ、焼成することにより、成形断熱材とすることもできる。
上記で説明したように、本発明によると、断熱性能に優れた炭素繊維フェルトを簡便な手法で製造できるので、その産業上の利用可能性は大きい。
1 レーヨン系炭素繊維(炭素化工程後のレーヨン繊維)
2 曲状のピッチ系炭素繊維
3 レーヨン繊維

Claims (4)

  1. 曲状の炭素繊維と、不融繊維と、を交絡させ、ニードリングを行って、前記曲状の炭素繊維と、前記不融繊維とからなる混紡フェルトとなす混紡工程と、
    前記混紡フェルトを非酸化性雰囲気で焼成して、前記不融繊維を炭素化させる炭素化工程と、
    を備え、
    前記曲状の炭素繊維が、繊維を直線状に引っ張ったときの長さをL1、湾曲した繊維の自然状態での最大長さをL2とするとき、L1/L2が1.3以上で規定される湾曲形状を有し、
    前記曲状の炭素繊維と、前記不融繊維と、の質量比が20:80〜50:50であり、
    前記不融繊維は、不活性雰囲気下2000℃で5時間熱処理した場合の質量残存率が7〜30%である、炭素繊維フェルトの製造方法。
  2. 前記炭素化工程後の炭素繊維フェルトのかさ密度が0.05〜0.09g/cm3である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維フェルトの製造方法。
  3. 前記曲状の炭素繊維が、等方性ピッチ系炭素繊維である、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素繊維フェルトの製造方法。
  4. 前記不融繊維が、レーヨン繊維である、
    ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の炭素繊維フェルトの製造方法。
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