JP5829118B2 - 熱可塑性重合体である練り込み型帯電防止剤の製造方法 - Google Patents

熱可塑性重合体である練り込み型帯電防止剤の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、活性エネルギー線を照射することによって重合反応して得られた熱可塑性重合物である練り込み型帯電防止剤、該帯電防止剤を含有する熱可塑性樹脂組成物並びに該樹脂組成物を用いた成形品に関する。
現在一般に使用されているプラスチックのほとんどは、電気の伝導性が低く帯電しやすい。プラスチックが帯電すると生産工程上の障害となったり、製品に汚れが付着したり、印刷不良が起きたりするため、帯電防止剤が使用されている。
帯電防止方法としては、帯電防止剤をプラスチック表面に塗布する方法と、プラスチック内部に練り込む方法とに大別される。工程が増えることなく簡便であり、また、効果の持続性も高いことから工業的には練り込む方法による帯電防止剤が主流となっている。練り込み型帯電防止剤の中でも、帯電防止効果が長く持続する永久帯電防止剤と呼ばれる練り込み型帯電防止剤の検討がなされている。
熱可塑性樹脂への練り込み型帯電防止剤の従来技術としては、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル樹脂(例えば特許文献1参照)やポリエーテルエステルアミド(例えば特許文献2参照)などが開示されている。しかし、上記の従来技術では、いずれも帯電防止剤の製造工程が複雑で時間がかかるため、より簡便な製造工程で得られる帯電防止性組成物が望まれていた。
また、多官能アクリルオリゴマーや多官能重合性単量体にカチオン性モノマーや反応性界面活性剤、イオン液体などを含有させ、これに光重合開始剤添加した溶液に活性エネルギー線を照射し、重合して得られる帯電防止性能を有する樹脂組成物が開発されている(例えば特許文献3参照)。
特開昭63−101444号公報 特開昭62−273252号公報 特開2011−12240号公報
本発明の目的は、活性エネルギー線を照射することにより簡便に重合して得られる熱可塑性を有する練り込み型帯電防止剤であって、熱可塑性樹脂成形品の外観を損なうことなく、優れた永久帯電防止性を付与する練り込み型帯電防止剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、1分子中に重合性官能
基であるアクリロイル基またはメタクリロイル基を1個含有する特定の重合性単量体、過塩素酸塩および光重合開始剤を配合した溶液に活性エネルギー線を照射して得られる熱可塑性重合物が、上記課題を解決すること見出した。本発明者らは、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記構成を有している。
(1)A成分:1分子中にポリアルキレングリコールと、アクリロイル基またはメタクリロイル基から選択される重合性官能基を1個含有する重合性単量体、
B成分:過塩素酸塩、
C成分:光重合開始剤、
を含有する溶液に活性エネルギー線を照射する工程を含むことを特徴とする熱可塑性重合体である練り込み型帯電防止剤の製造方法
(2)前記A成分、B成分及びC成分を含む溶液に、さらに
D成分:1分子中にアクリルアミド基を1個含有する重合性単量体
を含有することを特徴とする前記(1)に記載の熱可塑性重合体である練り込み型帯電防止剤の製造方法
(3)前記A成分が、ポリアルキレングリコールのオキシアルキレン基の平均付加モル数が45以上であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の熱可塑性重合体である練り込み型帯電防止剤の製造方法
参考発明として、以下の構成を挙げることができる。
(4)熱可塑性樹脂に前記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法で得られた熱可塑性重合体である練り込み型帯電防止剤を含有せしめたことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
(5)前記(4)に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
請求項1に示す本発明の練り込み型帯電防止剤は、熱可塑性樹脂成物に練り込むことによって帯電防止性を付与し、その帯電防止機能を長く維持することが可能である。
請求項2に示す本発明の練り込み型帯電防止剤は、A成分にD成分を併用することにより、その帯電防止機能を長く維持することが可能であり、かつ該帯電防止剤が固形化しやすく取り扱いが簡便であるという効果を発揮する。
請求項3に示す本発明の練り込み型帯電防止剤は、特定のポリアルキレングリコールを用いることにより、その帯電防止機能を長く維持することが可能であり、かつ該帯電防止剤の吸湿性が大幅に抑制されてべたつかず取り扱いやすいという効果を発揮する。
請求項4に示す本発明の熱可塑性樹脂組成物は、これを用いて、各種フィルム、シートおよび成形品を得ることが容易である。
請求項5に示す本発明の成形品は、その帯電防止機能を長く維持することが可能であり、特に、成形品について良好な外観[表面、内層(本発明に係る帯電防止剤の相溶状態をいう。)]を損なうことなく、耐屈曲性にも優れている。
本発明で用いられる1分子中にポリアルキレングリコールと、アクリロイル基またはメタクリロイル基から選択され重合性官能基を1個含有する重合性単量体(以下、単に「A成分」ということもある。)は、下記の一般式(1)で示すことができる。
Figure 0005829118
A成分中に含まれるポリアルキレングリコールのオキシアルキレン基の平均付加モル数(n)に特に制限はないが、好ましくは約4以上、より好ましくは約9以上、さらにより好ましくは約45以上である。オキシアルキレン基の平均付加モル数が約45以上であると、得られた練り込み型帯電防止剤の吸湿性が改善されるため好ましい。
A成分としては、具体的には、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリ
コール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、4−ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。本発明においては、これら具体例について、少なくとも1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの両方を意味する。以下の説明においても、同じ意味で用いる。
本発明で用いられる過塩素酸塩(以下、単に「B成分」ということもある。)は、例えば過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸アンモニウムなどが挙げられる。本発明においては、これら具体例について、少なくとも1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる光重合開始剤(以下、単に「C成分」ということもある。)は、紫外線などの活性エネルギー線でラジカルを発生する重合性の開始剤であり、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。本発明においては、これら具体例について、少なくとも1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる1分子中にアクリルアミド基を1個含有する重合性単量体(以下、単に「D成分」ということもある。)は、下記の一般式(2)で示すことができる。
Figure 0005829118
D成分としては、具体的には、例えば、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミドなどが挙げられる。本発明においては、これら具体例について、少なくとも1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
A成分からC成分までまたはA成分からD成分までを含有する溶液には、本発明の効果を阻害しない範囲で他の成分を配合することができ、この「他の成分」としては、例えば、A成分およびD成分以外の重合性単量体が挙げられる。この重合性単量体としては、具体的には1分子中にポリアルキレングリコールを持たず、且つアクリロイル基またはメタクリロイル基から選択され重合性官能基を1個含有する重合性単量体[アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート]、1分子中に重合性ビニル基を1個含有する重合性単量体(例えば、スチレン、酢酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドンなど)などが挙げられる。本発明においては、これら具体例について、少なくとも1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記各成分についての配合量に特に制限はないが、重合性単量体として、A成分の他にD成分を用いる場合、A成分およびD成分の比率としては、A:Dが100:0〜30:
70である。
また、(1)A成分、(2)A成分とD成分とを加えた総重合性単量体、(3)A成分とD成分とその他の重合性単量体を加えた総重合性単量体、または(4)A成分とその他の重合性単量体とを加えた総重合性単量体、のいずれかの100質量部に対し、B成分(過塩素酸塩)は約0.2〜5質量部が好ましく、より好ましくは約0.5〜3質量部である。そして、C成分(光重合開始剤)は、上記総重合性単量体100質量部に対して、約1〜10質量部が好ましく、より好ましくは約2〜7質量部である。
本発明の練り込み型帯電防止剤は、以下の方法で得ることができる。
(1)A成分またはA成分とD成分、(2)B成分、および(3)C成分を含有する溶液に活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線、X線など。)を照射してラジカル重合反応することにより熱可塑性を有する練り込み型帯電防止剤が得られる。ここで活性エネルギー線の照射量は、紫外線を用いる場合、好ましくは積算光量約1000〜4000mJ/cmである。上記方法によって得られる練り込み型帯電防止剤は熱可塑性を有しているため、熱を加えながら熱可塑性樹脂と混練することにより均一に練り込むことが可能となる。なお、ここで熱可塑性とは、熱分解が起こる前に流動性を示すことをいう。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ABS樹脂などが挙げられ、本発明においては、これらの一般的な熱可塑性樹脂が特別の制限なしで用いられてよい。
熱可塑性樹脂に本発明の練り込み型帯電防止剤を添加して均一に練り込むことにより帯電防止性を有する本発明の熱可塑性樹脂組成物が得られる。上記熱可塑性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で他の添加剤を配合することができ、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、造核剤、滑剤、難燃剤、充填剤、顔料、無機充填剤などを挙げることができる。これらの添加剤の具体例としては、従来公知のものを特別の制限なく挙げることができる。
練り込み型帯電防止剤を熱可塑性樹脂に添加する方法としては、例えば、練り込み型帯電防止剤と熱可塑性樹脂を加熱しながら練り込む方法、あらかじめ熱可塑性樹脂に対して練り込み型帯電防止剤を含有させたマスターバッチを作製し、マスターバッチと熱可塑性樹脂を加熱しながら練り込む方法などが挙げられる。練り込みに用いる装置としては公知の装置を用いることができ、例えば二軸押出機、バンバリーミキサーなどが挙げられる。
上記したマスターバッチは、練り込み型帯電防止剤を効果的に分散させるために有効であり、その配合は、例えば、マスターバッチ100質量部中の練り込み型帯電防止剤は約5〜40質量部、好ましくは約10〜30質量部が例示することができる。またその作製方法は、例えば二軸押出機、バンバリーミキサー、などにより混練する方法が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、Tダイ、インフレーション、カレンダーなどによりシート或いはフィルムへ成形することができる。フィルムについては延伸、無延伸のいずれのものでも構わない。また、射出成形機、圧縮成形機などを用いて各種の成形品を得ることもできる。例えば、ブロー成形によりボトルなどを成形する事ができる。
以下に実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
<練り込み型帯電防止剤の作製1>
(1)原材料
(A成分)
メトキシポリエチレングリコール#400アクリレート(商品名:NKエステルAM−90G;新中村化学工業社製、n=9)、
メトキシポリエチレングリコール#550アクリレート(商品名:NKエステルAM−130G;新中村化学工業社製、n=13)、
メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート(商品名:NKエステルM−90G;新中村化学工業社製、n=9)、
メトキシポリエチレングリコール#2000メタクリレート(商品名:NKエステルM−450G;新中村化学工業社製、n=45)、
メトキシポリエチレングリコール#4000メタクリレート(商品名:NKエステルM−900G;新中村化学工業社製、n=90)。
ただし、上記nは、オキシアルキレン基の平均付加モル数である。
(B成分)
過塩素酸ナトリウム(商品名:一級過塩素酸ナトリウム(無水);和光純薬社製)、
過塩素酸リチウム(商品名:一級過塩素酸リチウム(無水);和光純薬社製)。
(C成分)
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184;チバスペシャルティケミカルズ社製)、
2−メチル−1―[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名イルガキュア907;チバスペシャルティケミカルズ社製)。
(D成分)
2−ヒドロキシエチルアクリルアミド(商品名:HEAA;興人社製)、
アクリルアミド(商品名:一級アクリルアミド;和光純薬社製)、
N,N−ジメチルアクリルアミド(商品名:DMAA;興人社製)、
N−イソプロピルアクリルアミド(商品名:NIPAM;興人社製)。
(A成分およびD成分以外の重合性単量体)
ポリエチレングリコール#600ジアクリレート(商品名:NKエステルA−600;新中村化学工業社製)、
エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(商品名:NKエステルATM−3
5E;新中村化学工業社製)、
ラウリルアクリレート(商品名:LA;大阪有機化学工業社製)、
ステアリルアクリレート(商品名:STA;大阪有機化学工業社製)、
ポリアルキレンアルキルエーテルモノメタクリレート(商品名:NKエコノマーMTD−109;新中村化学工業社製)、
2−ヒドロキシエチルアクリレート(商品名:HEA;大阪有機化学工業社製)、
N−ビニル−2−ピロリドン(商品:N−ビニル−2−ピロリドン;日本触媒社製)。
(その他の成分)
ポリエチレングリコール#2000(商品名:一級ポリエチレングリコール2000;和光純薬社製)。
(2)配合
上記原材料を用いて作製した練り込み型帯電防止剤の配合組成を表1および表2に示した。
Figure 0005829118
Figure 0005829118
(3)練り込み型帯電防止剤の作製
[実施例1]
表1の配合量の2倍量を遮光容器に量りとり、マグネチックスターラー(型式:SR−350;アドバンテック東洋社製)と5cmの撹拌子を用いて約60rpmで、50℃・30分間撹拌混合した後、プラスチックトレー(25×15×2cm)に移し、紫外線照射機(型式:F300;フュージョンUVシステムジャパン社製)を用いて積算光量2000mJ/cmの紫外線を照射し光重合を行い、練り込み型帯電防止剤(実施例品1)を得た。
[実施例2〜14、比較例1〜7]
実施例1と同様の方法で操作を行ない、練り込み型帯電防止剤(実施例品2〜14、比較例品1〜7)を得た。
ここで実施例品1〜5、比較例品1〜3は熱可塑性を有するペースト状であり、実施例
品6〜14、比較例品6、7は熱可塑性を有する固形状であった。一方、比較例品4は熱可塑性のない固体状であり、比較例5は重合せず液体状であった。
<熱可塑性樹脂組成物並びに成形品の作製>
熱可塑性樹脂組成物並びに成形品の配合作製1
[試作1]
練り込み型帯電防止剤(実施例品1)を200gと、ポリプロピレン樹脂(商品名:F327;プライムポリマー社製)を800g用意し、両者をストランドダイを備えた小型異方向二軸押出機(型式:TP−20−T;サーモプラスティックス工業社製)に投入し、温度190〜230℃、圧力50〜80kgf/cm、スクリュー回転数40rpmの条件で溶融混練し、ストランドを水冷して切断してペレットを作製した。作製したペレットを100℃、5時間乾燥させマスターバッチとした。続いてマスターバッチを500gと、ポリプロピレン樹脂(商品名:プライムポリプロF327;プライムポリマー社製)を500g用意し、両者を混合し、射出成形機(型式:IS−55EPN;東芝機械社製)を用いて温度190℃の条件で平板状(98×79×2mm)の成形品(試作品1)を作製した。
[試作2〜10]
試作1の作製において、練り込み型帯電防止剤(実施例品1)を他の練り込み型帯電防止剤(実施例品2〜5、比較例品1〜5)に替えた以外は同様の操作を行い、成形品(試作品2〜10)を作製した。ここで、練り込み型帯電防止剤(比較例品4、5)は熱可塑性樹脂に練りこむことができなかったため試作品9、10を作製することはできなかった。
(2)熱可塑性樹脂組成物並びに成形品の配合作製2
[試作11]
練り込み型帯電防止剤(実施例品6)を100gと、ポリプロピレン樹脂(商品名:プライムポリプロF327;プライムポリマー社製)を900g用意し、両者を混合し、射出成形機(型式:IS−55EPN;東芝機械社製)を用いて温度190℃の条件で平板状(98×79×2mm)の成形品(試作品11)を作製した。
[試作12〜21]
試作11の作製において、練り込み型帯電防止剤(実施例品6)を他の練り込み型帯電防止剤(実施例品7〜14、比較例品6、7)に替えた以外は同様の操作を行い成形品(試作品12〜21)を作製した。
[試作22]
ポリプロピレン樹脂(商品名:プライムポリプロF327;プライムポリマー社製)1000gを射出成形機(型式:IS−55EPN;東芝機械社製)を用いて温度190℃の条件で平板状(98×79×2mm)の成形品(試作品22:無添加品)を作製した。
<熱可塑性樹脂組成物並びに成形品の評価>
得られた成形品(試作品1〜8、11〜22)の帯電防止性、外観(表面、内層)および耐屈性について下記方法で評価した。
(1)帯電防止性の評価(水拭き前)
得られた成形品を恒温槽を用いて、室温20℃、湿度65%RHで3時間エージングし、同条件で極超絶縁計(型式:SEM−10;東亜電波工業社製)を用いて表面固有抵抗を測定した。
(2)帯電防止性の評価(水拭き後)
得られた成形品の表面を25℃の水中で不織布を用いて1分間洗浄した。これを10回繰り返してから水気を除き、60℃2分間乾燥した後に、室温20℃、湿度65%RHで3時間エージングし、同条件で極超絶縁計(型式:SEM−10;東亜電波工業社製)を用いて表面固有抵抗を測定した。
上記の表面固有抵抗の測定は、JIS K6911に準じて測定した。結果を表4に示
す。
なお、成形品の表面固有抵抗は、通常1×1016Ω/□以上であるが、帯電防止剤を加えると1×10〜1012Ω/□程度に低下する。抵抗値が低いほど帯電防止性が良くなる。
(3)成形品の外観(表面の状態)評価
得られた成形品の表面の状態を目視にて表3の評価基準で評価した。結果を表4に示す。
(4)成形品の外観(内層の状態)評価
得られた成形品を蛍光灯の光に透かし、内層の状態(練り込み型帯電防止剤の相溶状態)を目視にて表3の評価基準で評価した。結果を表4に示す。
(5)成形品の耐屈曲性
得られた成形品を手で90度折り曲げ、折り曲げた部分の表面および内層の破壊状態、剥離状態を目視にて表3の評価基準で評価した。結果を表4に示す。なお、耐屈曲性が悪いと熱可塑性樹脂組成物の成形加工性が良くない結果となる。
Figure 0005829118
Figure 0005829118
結果より、実施例品の練り込み型帯電防止剤を用いた試作品は、水洗浄前および水洗浄後の表面固有抵抗がいずれも1×1012(Ω/□)以下であり、永久帯電防止性を有していた。また、試作品の外観(表面、内層)、耐屈性も良い評価であった。
一方、比較例品の練り込み型帯電防止剤を用いた試作品は、水洗浄後の表面固有抵抗、または水洗浄前および水洗浄後の表面固有抵抗は、1×1013(Ω/□)以上であり、永久帯電防止性を有していなかった。また、試作品6、20、21は、外観(表面、内層の少なくともいずれか)が好ましいものではなく、かつ、この試作品20、21は耐屈曲性が好ましいものではなかった。
<練り込み型帯電防止剤の吸湿性の評価>
吸湿性が高い練り込み型帯電防止剤は、保管条件が適切でないと吸湿してブロッキングを起こしハンドリングが悪くなる場合がある。また、吸湿性の高い練り込み型帯電防止剤を熱可塑性樹脂と混合して得た射出成形品は、表面に銀状痕が発生する場合がある。そこで、下記方法で練り込み型帯電防止剤の吸湿%の測定を行い吸湿性を評価した。
得られた練り込み型帯電防止剤各約3gをシャーレに正秤し、温度20℃、湿度65%RHの環境下で24時間静置した後、練り込み型帯電防止剤とシャーレの質量を測り、練り込み型帯電防止剤の吸湿%を下記式にて計算した。結果を表5に示す。吸湿%が少ないほど吸湿量が少なく、吸湿性が改善されていることになる。
吸湿%={(B−A)/A}×100
A=吸湿処理前の練り込み型帯電防止剤およびシャーレの質量
B=吸湿処理後の練り込み型帯電防止剤およびシャーレの質量
Figure 0005829118
結果より、実施例品11〜14は、他の実施例品と比較して吸湿%が低く、吸湿性が改善された。

Claims (3)

  1. A成分:1分子中にポリアルキレングリコールと、アクリロイル基またはメタクリロイル基から選択される重合性官能基を1個含有する重合性単量体、
    B成分:過塩素酸塩、
    C成分:光重合開始剤、
    を含有する溶液に活性エネルギー線を照射する工程を含むことを特徴とする熱可塑性重合体である練り込み型帯電防止剤の製造方法
  2. 前記A成分、B成分及びC成分を含む溶液に、さらに
    D成分:1分子中にアクリルアミド基を1個含有する重合性単量体
    を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性重合体である練り込み型帯電防止剤の製造方法
  3. 前記A成分が、ポリアルキレングリコールのオキシアルキレン基の平均付加モル数が45以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性重合体である練り込み型帯電防止剤の製造方法
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