JP5828402B2 - 塗布量制御方法及びロールコータ部 - Google Patents

塗布量制御方法及びロールコータ部 Download PDF

Info

Publication number
JP5828402B2
JP5828402B2 JP2012071259A JP2012071259A JP5828402B2 JP 5828402 B2 JP5828402 B2 JP 5828402B2 JP 2012071259 A JP2012071259 A JP 2012071259A JP 2012071259 A JP2012071259 A JP 2012071259A JP 5828402 B2 JP5828402 B2 JP 5828402B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
coating
speed
derived
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012071259A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013202438A (ja
Inventor
吉 田 世 顕
田 世 顕 吉
生 諒 介 麻
生 諒 介 麻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2012071259A priority Critical patent/JP5828402B2/ja
Publication of JP2013202438A publication Critical patent/JP2013202438A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5828402B2 publication Critical patent/JP5828402B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Description

本発明は、ピックアップロールとメタリングロールとを有し、ピックアップロールとメタリングロールとによって塗布液を貯留する貯留部が形成されるロールコータ部において、基材に塗布する塗布液の量を制御する塗布量制御方法と、このような塗布量制御方法を用いたロールコータ部に関する。
ロールコータ部による基材Mに対する塗布量は、図6に示す各ロール10,20,30,40,50の周速やロール10,20,30,40,50の加圧力によって調整される。具体的には、ゴム被膜されたピックアップロール10の周速V及び加圧力P、スチールからなるメタリングロール20の周速V及び加圧力P、ゴム被膜されたアプリケータロール30の周速V及び加圧力P、スチールからなるコーティングロール40の周速Vによって調整される。なお、ゴム被膜されたバックアップロール50の周速Vは、基材Mの速度と同じ値になっている。このように数多くのパラメータが塗布量に影響するため、所望の塗布量を得るために、試行錯誤によりパラメータの調整を行う場合が多いが、自動でパラメータを調整する種々の制御方法も提案されている。
特許文献1では、実験により各パラメータを変化させた場合の塗布量に対する傾向を予め求め、これを近似式で表して制御部に登録し、所望の塗布量を得るためのパラメータ最適値を導出している。しかしながら、特許文献1に記載された方法では、パラメータ毎に事前に実験を行わなければならず、資源と労力を要する。
特許文献2では、実験によらず、理論式をもとに各パラメータの最適値を繰り返し演算により求めているが、このような態様でロールコータ部を制御する場合には、最適パラメータを求めるまでロールコータ部を駆動することができず、時間的なロスが発生してしまう。
また、図7に示すように、膜圧を測定する膜厚測定部60が設けられ、膜厚測定部60の測定値をもとに制御部70が、各ロール10,20,30,40,50の周速及び加圧力をフィードバックして制御する方法も知られているが、膜厚測定部60はロールコータ部の下流側に設置されており、塗布膜がコーティングされてから膜厚値が測定されるまでの遅れ時間が発生するため、十分な応答性が得難いという欠点がある。
特開平10−323596号 特開2007−222723号
以上のような点に鑑み、本発明は、応答性が早く、迅速に適切な膜厚からなる塗布膜を形成することができる塗布量制御方法及びロールコータ部を提供することを目的とする。
本発明による塗布量制御方法は、
ピックアップロールと、該ピックアップロールに隣接して設けられたメタリングロールとを有し、前記ピックアップロールと前記メタリングロールとによって塗布液を貯留する貯留部が形成されるロールコータ部において、基材に塗布する前記塗布液の量を制御する塗布量制御方法であって、
前記基材の移動する速度Vから算出される値に基づいて前記メタリングロールの周速Vを制御することで、前記基材に塗布する前記塗布液の量を制御する計算制御工程を備え、
前記メタリングロールの周速Vが、
理論式から、基材の移動する速度Vを複数の速度で固定した上で、V/Vと塗布膜の膜厚又は塗布量hとの関係を導き、
速度を固定した上で理論式から導かれたV/Vとhとの関係に合致するように、hを変数とする多項式からなるV/Vの近似式を導き、
前記多項式からなるV/Vの近似式から、前記複数の速度毎のhの各係数を導き、
前記hの各係数とVとの関係に合致するように、Vを変数とする多項式からなる係数の近似式を導くことで、
前記V/Vの近似式と前記係数の近似式とから導かれる。
本発明による塗布量制御方法において、
/Vは、hの4次関数からなり、
/V={a(V)h+b(V)h+c(V)h+d(V)h}
で示されてもよい。
本発明による塗布量制御方法において、
前記hの係数a(V)、b(V)、c(V)及びd(V)の各々は、Vの2次関数からなってもよい。
本発明による塗布量制御方法は、
塗布膜の膜圧の値に基づいて前記メタリングロールの周速を制御することで、前記基材に塗布する前記塗布液の量を制御するフィードバック制御工程をさらに備え、
前記計算制御工程は、前記基材の移動する速度が昇速し始めたときに行われ、
前記フィードバック制御工程は、前記基材の移動する速度が所定の速度に達したときに行われてもよい。
本発明による塗布量制御方法において、
前記ピックアップロールは、ゴム被膜され、
前記メタリングロールは、金属からなってもよい。
本発明による塗布量制御方法において、
前記メタリングロールに隣接してアプリケータロールが設けられてもよい。
本発明による塗布量制御方法において、
前記アプリケータロールは、ゴム被膜されてもよい。
本発明による塗布量制御方法において、
コーティングロールと、該コーティングロールに隣接したバックアップロールとが設けられ、
前記コーティングロールと前記バックアップロールとの間で、基材が配置されて搬送されてもよい。
本発明による塗布量制御方法において、
前記コーティングロールは、金属からなり、
前記バックアップロールは、ゴム被膜されてもよい。
本発明によるロールコータ部は、
ピックアップロールと、
前記ピックアップロールに隣接して設けられたメタリングロールと、
基材の移動する速度に基づいて前記メタリングロールの周速Vを制御することで、前記基材に塗布する塗布液の量を制御する制御部と、
を備え、
前記ピックアップロールと前記メタリングロールとによって塗布液を貯留する貯留部が形成され、
前記制御部が、前記基材の移動する速度から算出される値に基づいて前記メタリングロールの周速Vを制御することで、前記基材に塗布する前記塗布液の量を制御し、
前記メタリングロールの周速Vが、
理論式から、基材の移動する速度Vを複数の速度で固定した上で、V/Vと塗布膜の膜厚又は塗布量hとの関係を導き、
速度を固定した上で理論式から導かれたV/Vとhとの関係に合致するように、hを変数とする多項式からなるV/Vの近似式を導き、
前記多項式からなるV/Vの近似式から、前記複数の速度毎のhの各係数を導き、
前記hの各係数とVとの関係に合致するように、Vを変数とする多項式からなる係数の近似式を導くことで、
前記V/Vの近似式と前記係数の近似式とから導かれる。
本発明によれば、基材の移動する速度Vから算出される値に基づいてメタリングロールの周速Vを制御することで、基材に塗布する塗布液の量が制御される。
メタリングロールの周速Vは、V/Vの近似式と塗布膜の膜厚又は塗布量hの係数の近似式とから導かれ、具体的には、(1)理論式から、基材の移動する速度Vを複数の速度で固定した上で、V/Vとhとの関係を導き、(2)速度を固定した上で理論式から導かれたV/Vとhとの関係に合致するように、hを変数とする多項式からなるV/Vの近似式を導き、(3)多項式からなるV/Vの近似式から、上述した複数の速度毎のhの各係数を導き、(4)hの各係数とVとの関係に合致するように、Vを変数とする多項式からなる係数の近似式を導くことで、基材の移動する速度Vに基づいて決定されるメタリングロールの周速Vが導かれる。
そして、本発明によれば、上述のようにして導かれた近似式によって、適切な膜厚からなる塗布膜を形成することができる。また、メタリングロールの周速Vは基材の移動する速度Vが決定されると即座に決定されることから、応答性が早く、迅速に膜圧を制御することができる。
本発明の実施の形態で用いられる塗布装置の構成を示した概略図。 理論式による計算値及び実測値における、メタリングロールの周速と膜厚との関係を示したグラフ。 ライン速度Vが100m/分、150m/分、200m/分及び250m/分の各々における、V/V×100とライン速度Vとの関係を示したグラフ。 式(4)で示した近似式の係数a、b、c及びdの値とライン速度Vとの関係を示したグラフ。 フィードバック制御のみを用いた場合の実験結果を示したグラフと、本発明の実施の形態による制御を用いた場合の実験結果を示したグラフ。 従来技術による塗布装置の構成を示した概略図。 従来技術による別の塗布装置の構成を示した概略図。
実施の形態
《構成》
以下、本発明に係る塗布量制御方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図5は本発明の実施の形態を説明するための図である。
図1に示すように、本実施の形態のロールコータ部は、ゴム被膜されたロール10,30,50と、スチールからなるロール20,40が交互に組み合わされた5本のロール10,20,30,40,50から構成される。具体的には、本実施の形態のロールコータ部は、ゴム被膜されたピックアップロール10と、ピックアップロール10に隣接して設けられ、スチール等の金属からなるメタリングロール20と、メタリングロール20の上方に隣接して設けられ、ゴム被膜されたアプリケータロール30と、アプリケータロール30の上方に隣接して設けられ、スチールからなり、基材Mに塗布液を塗布するコーティングロール40と、コーティングロール40の上方に隣接するとともに基材Mを挟んで設けられ、基材Mを上方から加圧するバックアップロール50と、を備えている。なお、ピックアップロール10とメタリングロール20の上方には、塗布液が貯留されており液溜まりIが形成されている。
また、コーティングロール40の周速を100%とした場合には、バックアップロール50の周速は100%からなり、アプリケータロール30の周速は例えば70%からなり、メタリングロール20の周速は例えば10〜20%からなり、ピックアップロール10の周速は例えば3%からなる。
図1に示すように、本実施の形態の塗布装置は、上述したロールコータ部と、ロールコータ部の下流側に設けられ、基材Mに塗布された塗布膜の膜厚を測定する膜厚測定部60と、基材Mの移動する速度V(以下、「ライン速度V」ともいう。)から算出される値及び膜厚測定部60によって測定された塗布膜の膜圧の値の両方に基づいてメタリングロール20の周速を制御する制御部70と、を備えている。
そして、制御部70は、基材Mの移動する速度Vが昇速し始めたとき(過渡状態のとき)には、基材Mの移動する速度Vから算出される値に基づいてメタリングロール20の周速Vを制御することで、基材Mに塗布する塗布液の量を制御する(計算制御工程)。他方、基材Mの移動する速度Vが所定の速度まで上がり、過渡状態が終了すると、制御部70は、膜厚測定部60によって測定された塗布膜の膜厚の値に基づいてメタリングロール20の周速を制御する(フィードバック制御工程)。
なお、制御部70は、膜厚測定部60で測定された塗布膜の膜厚に関する情報及びライン速度Vに関する情報を受信し、メタリングロール20の周速Vを制御するための情報を送信するように構成されている。
本実施の形態のメタリングロール20の周速Vは、
={a(V)h+b(V)h+c(V)h+d(V)h}×V
で示される。hは、基材Mに塗布される塗布膜の膜厚である。
上述した式のhの係数である、a(V)、b(V)、c(V)及びd(V)の各々は、基材Mの移動する速度Vに応じて変化し、本実施の形態のhの係数a(V)、b(V)、c(V)及びd(V)の各々は、Vの2次関数からなっている。以下に、これらの係数a(V)、b(V)、c(V)及びd(V)の一例を示す。但し、以下に示す数式は一例に過ぎず、当然、これらに限られることはない。
本実施の形態のa(V)、b(V)、c(V)及びd(V)の各々は、具体的には(有効数字2桁で示すと)、
a(V)=−0.000014V+0.0086V−3.6
b(V)=0.000079V−0.048V+17
c(V)=0.00014V−0.083V+28
d(V)=0.00023V−0.13V+35
からなる。
本実施の形態のa(V)、b(V)、c(V)及びd(V)の各々は、より具体的には(有効数字3桁で示すと)、
a(V)=−0.000014V+0.0086V−3.61
b(V)=0.000079V−0.0475V+17.4
c(V)=0.000138V−0.0825V+28.8
d(V)=0.000228V−0.131V+35.3
からなる。
本実施の形態のa(V)、b(V)、c(V)及びd(V)の各々は、さらにより具体的には、
a(V)=−0.000014V+0.008601V−3.60584
b(V)=0.000079V−0.047546V+17.4173
c(V)=0.000138V−0.082527V+28.76285
d(V)=0.000228V−0.13076V+35.29
からなる。
《メタリングロールの周速Vの算出方法の概略》
概念的に、メタリングロール20の周速Vを、V/Vの近似式とhの係数の近似式から導く方法について説明する。
まず、理論式(具体的には後述する式(3))から、基材Mの移動する速度Vを複数の速度で固定した上で、V/Vと塗布膜の膜厚hとの関係が導かれる(図3(a)−(d)の「破線」参照)。なお、本実施の形態では、V/Vと塗布膜の膜厚との関係が導かれる態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、V/Vと塗布量との関係が導かれる態様を用いてもよい。
次に、速度を固定した上で理論式をもとに導かれたV/Vとhとの関係に合致するように、hを変数とする多項式からなるV/Vの近似式が導かれる(図3(a)−(d)の「実線」参照)。なお、この多項式は、本実施の形態では{a(V)h+b(V)h+c(V)h+d(V)h}となっている。
次に、多項式からなるV/Vの近似式から、上述した複数の速度毎のhの各係数が導かれる(図4(a)−(d)の「プロット」参照)。
そして、hの各係数とVとの関係に合致するように、Vを変数とする多項式からなる係数の近似式が導かれる(図4(a)−(d)の「実線」参照)。
《メタリングロールの周速Vの算出方法の詳細》
以下に、メタリングロール20の周速Vを、V/Vの近似式と係数の近似式とから導く方法について、詳細に説明する。
《塗布量予測の理論式》
所望の塗布量を得るために、メタリングロール20の周速Vの最適値を求める必要があるが、以下に示す理論式をもとにこれを導出する。
ピックアップロール10及びメタリングロール20の間のバンクで生じるロールギャップg1は、弾性潤滑理論により、式(1)で示される。
g1=α・VPM 0.7×WPM −0.13×RPM 0.43・・・・・・(1)
ここで、αは実験値、VPMはピックアップロール10の周速V、メタリングロール20の周速Vの平均周速であり、(V+V)/2で示される。WPMはピックアップロール10とメタリングロール20との間の圧力であり、RPMはピックアップロール10の半径Rとメタリングロール20の半径Rの平均半径であり、1/(1/R+1/R)で示される。
各ロール間の膜厚***モデルは、周速のべき乗モデルを使用する。例えばピックアップロール10上の膜厚hP1とメタリングロール20上の膜厚hM1との関係は、式(2)で示される。
P1/hM1=(V/V2/3・・・・・・(2)
これらの式より、各ロール間の塗布液流量収支の条件を踏まえると、基材Mに塗布される塗布膜の膜厚hは、式(3)で示される。
h=(V/V5/3(V+V)g1/[2V(1+(V/V5/3{(1+(V/V5/3)(1+(V/V5/3+(V/V5/3+(V/V5/3−(V/V5/3}−(V/V5/3(1+(V/V5/3]・・・・・・(3)
式(3)に関して、膜厚の計算値と実測値の比較を行った結果例を図2に示す。図2の「プロット」が実測値であり、「実線」が式(3)で計算された計算値であり、計算値と実測値がよく一致していることが理解される。
《理論式を用いた最適制御パラメータの導出方法》
ロールコータ部の膜厚に関する理論式は、前述の式(3)のように非常に複雑な式となっており、所望の塗布量を得るためのメタジングロールの周速Vに関し、「V=」の形で解析的に解くことは困難である。そこで式(3)をもとに、各パラメータを変化させた場合のグラフを作成し、本グラフから曲線の近似式を求め、本近似式から所望のパラメータの最適値を求めることとする。
以下にライン速度Vを変化させた場合に、所望の膜厚hを得るためのメタリングロール20の周速Vを求めるための具体的な手順を示す。
〈手順1〉
式(3)をもとに、塗布膜の膜厚hとメタリングロール20の周速Vとの関係を示すグラフ(図3(a)−(d)では「破線」で示されている。)を数種類のライン速度Vについて作成する。図3(a)−(d)に、塗布膜の膜厚hと、メタリングロール20の周速V及びライン速度Vの比であるV/Vとの関係に関し、速度を4種類変化させた場合のグラフを示す。具体的には、図3(a)にはライン速度V=100m/分のときのグラフを示し、図3(b)にはライン速度V=150m/分のときのグラフを示し、図3(c)にはライン速度V=200m/分のときのグラフを示し、図3(d)にはライン速度V=250m/分のときのグラフを示す。
〈手順2〉
手順1で作成したグラフに関し、近似式を各々作成する(図3(a)−(d)では「実線」で示されている。)。
図3(a)−(d)には、4種類のライン速度Vに対し、塗布膜の膜厚hと、メタリングロール20の周速V及びライン速度Vの比であるV/Vとの関係を示した4次関数からなる近似式が示されている。なお、図3(a)−(d)に示された近似式では、「x」が膜厚hを示し、「y」がV/V×100を示している。
〈手順3〉
手順2で求めた近似式(V/V=ah+bh+ch+dh)に関し、hの係数a、b、c及びdとライン速度Vとの関係をグラフに表す(図4(a)−(d)では「プロット」で示されている。)。具体的には、図4(a)にはライン速度Vと係数aとの関係が示され、図4(b)にはライン速度Vと係数bとの関係が示され、図4(c)にはライン速度Vと係数cとの関係が示され、図4(d)にはライン速度Vと係数dとの関係が示される。
そして、ライン速度V毎(図4(a)では100m/分、150m/分、200m/分、250m/分)で導き出された係数aから、ライン速度Vを変数とする2次関数からなる近似式が導かれる。図4(a)では、近似式のグラフが「実線」で示されている。同様に、ライン速度V毎で導き出された係数bから、ライン速度Vを変数とする2次関数からなる近似式が導かれ、ライン速度V毎で導き出された係数cから、ライン速度Vを変数とする2次関数からなる近似式が導かれ、ライン速度V毎で導き出された係数dから、ライン速度Vを変数とする2次関数からなる近似式が導かれる。そして、図4(b)−(d)でも、図4(a)と同様に、近似式が「実線」で示されている。
導かれた近似式は、図4(a)−(d)に示されている。図4(a)−(d)に示された近似式では、「x」がライン速度Vを示し、「y」が係数の値を示している。
図4(a)−(d)より、各係数a、b、c及びdとライン速度Vとの間には明確な関係があることが理解される。
そして、V/Vは、ライン速度Vに応じて変化する係数a、b、c及びdを含む近似式で近似され、V/Vを以下の式(4)のように表すことができる。
/V=a(V)h+b(V)h+c(V)h+d(V)h・・・・・・(4)
図4(a)−(d)より、各係数a、b、c及びdは式(5)で表される。
a(V)=−0.000014V+0.008601V−3.60584
b(V)=0.000079V−0.047546V+17.4173
c(V)=0.000138V−0.082527V+28.76285
d(V)=0.000228V−0.13076V+35.29
・・・・・・(5)
以上のような手順1−3を通じ、式(4)及び式(5)を予め求めることで、ライン速度Vの場合に所望の膜厚hを得るためのメタリングロール20の周速Vを求めることができる。
《具体的な塗布量の制御方法》
次に、具体的な塗布量の制御方法について説明する。
運転開始時の昇速時には、時々刻々変化するライン速度Vに対して、所望の膜厚hを得るためのメタリングロール20の周速Vを式(4)及び式(5)をもとに制御部70で演算し、メタリングロール20の周速の制御を行う。
そして、所望のライン速度Vに近接したら(例えば所望のライン速度が200m/minの場合であれば、ライン速度Vが190m/min等になったら)、式(4)及び式(5)に基づくメタリングロール20の周速の制御をやめ、膜厚測定部60の膜厚測定値をもとにフィードバック制御を行い最終的に所望の膜厚を得るためのメタリングロール20の周速に微調整する。
このように制御を切り替える理由は、理論式から求めたメタリングロール20の周速のみでは理論式に含まれない様々な外乱による誤差を吸収できず、高精度に膜厚を合わせ込むことが困難な場合があるためである。
昇速時において、本実施の形態による制御を用いた場合の膜厚安定性の効果を示すために、本実施の形態による制御を用いた場合の実験結果を図5(b)に示し、膜厚測定部60のフィードバック制御のみを用いた場合の実験結果を図5(a)に示す。所望の塗布量1.0g±0.1gの範囲に収束するまでのロス量は、膜厚測定部60のフィードバック制御のみの場合では330mとなったのに対し、本実施の形態による制御を用いた場合には39mとなり、88%削減されていることが理解される。
《作用・効果》
本実施の形態によれば、(1)理論式から、基材の移動する速度Vを複数の速度で固定した上で、V/Vとhとの関係を導き、(2)速度を固定した上で理論式から導かれたV/Vとhとの関係に合致するように、hを変数とする多項式からなるV/Vの近似式を導き、(3)多項式からなるV/Vの近似式から、上述した複数の速度毎のhの各係数を導き、(4)hの各係数とVとの関係に合致するように、Vを変数とする多項式からなる係数の近似式を導くことで、基材の移動する速度Vに基づいて決定されるメタリングロールの周速Vが導かれる。このため、適切な膜厚からなる塗布膜を形成することができる。
一例としては、
={a(V)h+b(V)h+c(V)h+d(V)h}×V
a(V)=−0.000014V+0.008601V−3.60584
b(V)=0.000079V−0.047546V+17.4173
c(V)=0.000138V−0.082527V+28.76285
d(V)=0.000228V−0.13076V+35.29
からなる式を、制御部70に登録し、ライン速度Vに応じてメタリングロール20の周速Vを自動的に導き出すようにすることで、適切な膜圧を得るためのメタリングロール20の周速Vを、ライン速度Vから迅速に導き出すことができる。
また、本実施の形態によれば、メタリングロールの周速Vが基材Mの移動する速度(ライン速度)Vが決定されると即座に決定されることから、応答性が早く、迅速に膜圧を制御することができる。
また、昇速中などの過渡状態においては、応答性の速い上述した近似式による膜厚制御を行うが、過渡状態が終了した後は理論式に含まれない外乱誤差を補正するために、膜厚測定部60で測定された塗布膜の膜厚の値によりフィードバック制御し、微調整を行うので、より適切な膜厚で塗布膜を形成することができる。
そして、以上のことから、所望の膜厚の範囲に収束するまでの塗布液のロス量を格段に減らすことができる。
10 ピックアップロール
20 メタリングロール
30 アプリケータロール
40 コーティングロール
50 バックアップロール
60 膜厚測定部
70 制御部
I 液溜まり
M 基材

Claims (10)

  1. ピックアップロールと、該ピックアップロールに隣接して設けられたメタリングロールとを有し、前記ピックアップロールと前記メタリングロールとによって塗布液を貯留する貯留部が形成されるロールコータ部において、基材に塗布する前記塗布液の量を制御する塗布量制御方法であって、
    前記基材の移動する速度Vから算出される値に基づいて前記メタリングロールの周速Vを制御することで、前記基材に塗布する前記塗布液の量を制御する計算制御工程を備え、
    前記メタリングロールの周速Vは、
    理論式から、基材の移動する速度Vを複数の速度で固定した上で、V/Vと塗布膜の膜厚又は塗布量hとの関係を導き、
    速度を固定した上で理論式から導かれたV/Vとhとの関係に合致するように、hを変数とする多項式からなるV/Vの近似式を導き、
    前記多項式からなるV/Vの近似式から、前記複数の速度毎のhの各係数を導き、
    前記hの各係数とVとの関係に合致するように、Vを変数とする多項式からなる係数の近似式を導くことで、
    前記V/Vの近似式と前記係数の近似式とから導かれることを特徴とする塗布量制御方法。
  2. /Vは、hの4次関数からなり、
    /V={a(V)h+b(V)h+c(V)h+d(V)h}
    で示されることを特徴とする請求項1に記載の塗布量制御方法。
  3. 前記hの係数a(V)、b(V)、c(V)及びd(V)の各々は、Vの2次関数からなることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の塗布量制御方法。
  4. 塗布膜の膜圧の値に基づいて前記メタリングロールの周速を制御することで、前記基材に塗布する前記塗布液の量を制御するフィードバック制御工程をさらに備え、
    前記計算制御工程は、前記基材の移動する速度が昇速し始めたときに行われ、
    前記フィードバック制御工程は、前記基材の移動する速度が所定の速度に達したときに行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塗布量制御方法。
  5. 前記ピックアップロールは、ゴム被膜され、
    前記メタリングロールは、金属からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗布量制御方法。
  6. 前記メタリングロールに隣接してアプリケータロールが設けられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の塗布量制御方法。
  7. 前記アプリケータロールは、ゴム被膜されることを特徴とする請求項6に記載の塗布量制御方法。
  8. コーティングロールと、該コーティングロールに隣接したバックアップロールとが設けられ、
    前記コーティングロールと前記バックアップロールとの間で、基材が配置されて搬送されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の塗布量制御方法。
  9. 前記コーティングロールは、金属からなり、
    前記バックアップロールは、ゴム被膜されていることを特徴とする請求項8に記載の塗布量制御方法。
  10. ピックアップロールと、
    前記ピックアップロールに隣接して設けられたメタリングロールと、
    基材の移動する速度に基づいて前記メタリングロールの周速Vを制御することで、前記基材に塗布する塗布液の量を制御する制御部と、
    を備え、
    前記ピックアップロールと前記メタリングロールとによって塗布液を貯留する貯留部が形成され、
    前記制御部は、前記基材の移動する速度から算出される値に基づいて前記メタリングロールの周速Vを制御することで、前記基材に塗布する前記塗布液の量を制御し、
    前記メタリングロールの周速Vは、
    理論式から、基材の移動する速度Vを複数の速度で固定した上で、V/Vと塗布膜の膜厚又は塗布量hとの関係を導き、
    速度を固定した上で理論式から導かれたV/Vとhとの関係に合致するように、hを変数とする多項式からなるV/Vの近似式を導き、
    前記多項式からなるV/Vの近似式から、前記複数の速度毎のhの各係数を導き、
    前記hの各係数とVとの関係に合致するように、Vを変数とする多項式からなる係数の近似式を導くことで、
    前記V/Vの近似式と前記係数の近似式とから導かれる
    ことを特徴とするロールコータ部。
JP2012071259A 2012-03-27 2012-03-27 塗布量制御方法及びロールコータ部 Expired - Fee Related JP5828402B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012071259A JP5828402B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 塗布量制御方法及びロールコータ部

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012071259A JP5828402B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 塗布量制御方法及びロールコータ部

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013202438A JP2013202438A (ja) 2013-10-07
JP5828402B2 true JP5828402B2 (ja) 2015-12-02

Family

ID=49522147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012071259A Expired - Fee Related JP5828402B2 (ja) 2012-03-27 2012-03-27 塗布量制御方法及びロールコータ部

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5828402B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7125357B2 (ja) * 2019-01-21 2022-08-24 株式会社豊田中央研究所 湿潤粉体塗工装置制御プログラム、湿潤粉体塗工装置、及び塗工膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013202438A (ja) 2013-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN114713783B (zh) 用于在具有测量延迟的双辊带铸造中的周期性干扰的迭代学习控制
US11254535B2 (en) Control for parent roll unwinding apparatus and methods
JP2015112614A (ja) 圧延制御装置、圧延制御方法および圧延制御プログラム
JP5828402B2 (ja) 塗布量制御方法及びロールコータ部
TW201604115A (zh) 捲筒間搬送控制裝置
JP6173830B2 (ja) 圧延制御装置、圧延制御方法および圧延制御プログラム
JP5758827B2 (ja) 圧延制御装置、圧延制御方法および圧延制御プログラム
US11712713B2 (en) Method of slot die coating over deformable back-up roll
JP6308927B2 (ja) 圧延制御装置、圧延制御方法および圧延制御プログラム
JP6011007B2 (ja) 塗工システム
Perez et al. Optimization of slot-coating processes: minimizing the amplitude of film-thickness oscillation
JP4890433B2 (ja) 圧延材の温度予測方法、圧延材の冷却装置の制御方法、及び連続圧延設備
FI111033B (fi) Menetelmä rullan tiheyden määrittämiseksi
US20180159021A1 (en) Mems process power
US20190165766A1 (en) Method for averaging pulsating measurement quantities
WO2019102295A1 (en) Method and apparatus for coating on baggy web
US20220379372A1 (en) Fault detection for iterative learning control of time-varying systems
JP5632115B1 (ja) フィードバック制御方法、フィードバック制御装置及びプログラム
JP2016147276A (ja) 圧延機の板厚制御方法
Tsuda Dynamic response analysis and control of slot coating
JP4797334B2 (ja) コータ設備の塗布量制御方法
KR101518543B1 (ko) 전자기 진동제어장치 및 방법
EP4126391A1 (en) Slot die coating using concave die lip over deformable back-up roll
JP2016073911A (ja) 塗装膜厚の制御方法
JPH10277473A (ja) 連続塗工の塗膜厚制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150925

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151008

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5828402

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees