JP5828402B2 - 塗布量制御方法及びロールコータ部 - Google Patents
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Description
ピックアップロールと、該ピックアップロールに隣接して設けられたメタリングロールとを有し、前記ピックアップロールと前記メタリングロールとによって塗布液を貯留する貯留部が形成されるロールコータ部において、基材に塗布する前記塗布液の量を制御する塗布量制御方法であって、
前記基材の移動する速度Vから算出される値に基づいて前記メタリングロールの周速VMを制御することで、前記基材に塗布する前記塗布液の量を制御する計算制御工程を備え、
前記メタリングロールの周速VMが、
理論式から、基材の移動する速度Vを複数の速度で固定した上で、VM/Vと塗布膜の膜厚又は塗布量hとの関係を導き、
速度を固定した上で理論式から導かれたVM/Vとhとの関係に合致するように、hを変数とする多項式からなるVM/Vの近似式を導き、
前記多項式からなるVM/Vの近似式から、前記複数の速度毎のhの各係数を導き、
前記hの各係数とVとの関係に合致するように、Vを変数とする多項式からなる係数の近似式を導くことで、
前記VM/Vの近似式と前記係数の近似式とから導かれる。
VM/Vは、hの4次関数からなり、
VM/V={a(V)h4+b(V)h3+c(V)h2+d(V)h}
で示されてもよい。
前記hの係数a(V)、b(V)、c(V)及びd(V)の各々は、Vの2次関数からなってもよい。
塗布膜の膜圧の値に基づいて前記メタリングロールの周速を制御することで、前記基材に塗布する前記塗布液の量を制御するフィードバック制御工程をさらに備え、
前記計算制御工程は、前記基材の移動する速度が昇速し始めたときに行われ、
前記フィードバック制御工程は、前記基材の移動する速度が所定の速度に達したときに行われてもよい。
前記ピックアップロールは、ゴム被膜され、
前記メタリングロールは、金属からなってもよい。
前記メタリングロールに隣接してアプリケータロールが設けられてもよい。
前記アプリケータロールは、ゴム被膜されてもよい。
コーティングロールと、該コーティングロールに隣接したバックアップロールとが設けられ、
前記コーティングロールと前記バックアップロールとの間で、基材が配置されて搬送されてもよい。
前記コーティングロールは、金属からなり、
前記バックアップロールは、ゴム被膜されてもよい。
ピックアップロールと、
前記ピックアップロールに隣接して設けられたメタリングロールと、
基材の移動する速度に基づいて前記メタリングロールの周速VMを制御することで、前記基材に塗布する塗布液の量を制御する制御部と、
を備え、
前記ピックアップロールと前記メタリングロールとによって塗布液を貯留する貯留部が形成され、
前記制御部が、前記基材の移動する速度から算出される値に基づいて前記メタリングロールの周速VMを制御することで、前記基材に塗布する前記塗布液の量を制御し、
前記メタリングロールの周速VMが、
理論式から、基材の移動する速度Vを複数の速度で固定した上で、VM/Vと塗布膜の膜厚又は塗布量hとの関係を導き、
速度を固定した上で理論式から導かれたVM/Vとhとの関係に合致するように、hを変数とする多項式からなるVM/Vの近似式を導き、
前記多項式からなるVM/Vの近似式から、前記複数の速度毎のhの各係数を導き、
前記hの各係数とVとの関係に合致するように、Vを変数とする多項式からなる係数の近似式を導くことで、
前記VM/Vの近似式と前記係数の近似式とから導かれる。
《構成》
以下、本発明に係る塗布量制御方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図5は本発明の実施の形態を説明するための図である。
VM={a(V)h4+b(V)h3+c(V)h2+d(V)h}×V
で示される。hは、基材Mに塗布される塗布膜の膜厚である。
a(V)=−0.000014V2+0.0086V−3.6
b(V)=0.000079V2−0.048V+17
c(V)=0.00014V2−0.083V+28
d(V)=0.00023V2−0.13V+35
からなる。
a(V)=−0.000014V2+0.0086V−3.61
b(V)=0.000079V2−0.0475V+17.4
c(V)=0.000138V2−0.0825V+28.8
d(V)=0.000228V2−0.131V+35.3
からなる。
a(V)=−0.000014V2+0.008601V−3.60584
b(V)=0.000079V2−0.047546V+17.4173
c(V)=0.000138V2−0.082527V+28.76285
d(V)=0.000228V2−0.13076V+35.29
からなる。
概念的に、メタリングロール20の周速VMを、VM/Vの近似式とhの係数の近似式から導く方法について説明する。
以下に、メタリングロール20の周速VMを、VM/Vの近似式と係数の近似式とから導く方法について、詳細に説明する。
所望の塗布量を得るために、メタリングロール20の周速VMの最適値を求める必要があるが、以下に示す理論式をもとにこれを導出する。
g1=α・VPM 0.7×WPM −0.13×RPM 0.43・・・・・・(1)
ここで、αは実験値、VPMはピックアップロール10の周速VP、メタリングロール20の周速VMの平均周速であり、(VP+VM)/2で示される。WPMはピックアップロール10とメタリングロール20との間の圧力であり、RPMはピックアップロール10の半径RPとメタリングロール20の半径RMの平均半径であり、1/(1/RP+1/RM)で示される。
hP1/hM1=(VP/VM)2/3・・・・・・(2)
h=(VB/VP)5/3(VP+VM)g1/[2V(1+(VM/VP)5/3{(1+(VA/VM)5/3)(1+(VB/Vc)5/3+(VC/VA)5/3+(VB/VA)5/3−(VC/VA)5/3}−(VA/VM)5/3(1+(VB/Vc)5/3]・・・・・・(3)
ロールコータ部の膜厚に関する理論式は、前述の式(3)のように非常に複雑な式となっており、所望の塗布量を得るためのメタジングロールの周速VMに関し、「VM=」の形で解析的に解くことは困難である。そこで式(3)をもとに、各パラメータを変化させた場合のグラフを作成し、本グラフから曲線の近似式を求め、本近似式から所望のパラメータの最適値を求めることとする。
式(3)をもとに、塗布膜の膜厚hとメタリングロール20の周速VMとの関係を示すグラフ(図3(a)−(d)では「破線」で示されている。)を数種類のライン速度Vについて作成する。図3(a)−(d)に、塗布膜の膜厚hと、メタリングロール20の周速VM及びライン速度Vの比であるVM/Vとの関係に関し、速度を4種類変化させた場合のグラフを示す。具体的には、図3(a)にはライン速度V=100m/分のときのグラフを示し、図3(b)にはライン速度V=150m/分のときのグラフを示し、図3(c)にはライン速度V=200m/分のときのグラフを示し、図3(d)にはライン速度V=250m/分のときのグラフを示す。
手順1で作成したグラフに関し、近似式を各々作成する(図3(a)−(d)では「実線」で示されている。)。
手順2で求めた近似式(VM/V=ah4+bh3+ch2+dh)に関し、hの係数a、b、c及びdとライン速度Vとの関係をグラフに表す(図4(a)−(d)では「プロット」で示されている。)。具体的には、図4(a)にはライン速度Vと係数aとの関係が示され、図4(b)にはライン速度Vと係数bとの関係が示され、図4(c)にはライン速度Vと係数cとの関係が示され、図4(d)にはライン速度Vと係数dとの関係が示される。
VM/V=a(V)h4+b(V)h3+c(V)h2+d(V)h・・・・・・(4)
a(V)=−0.000014V2+0.008601V−3.60584
b(V)=0.000079V2−0.047546V+17.4173
c(V)=0.000138V2−0.082527V+28.76285
d(V)=0.000228V2−0.13076V+35.29
・・・・・・(5)
次に、具体的な塗布量の制御方法について説明する。
本実施の形態によれば、(1)理論式から、基材の移動する速度Vを複数の速度で固定した上で、VM/Vとhとの関係を導き、(2)速度を固定した上で理論式から導かれたVM/Vとhとの関係に合致するように、hを変数とする多項式からなるVM/Vの近似式を導き、(3)多項式からなるVM/Vの近似式から、上述した複数の速度毎のhの各係数を導き、(4)hの各係数とVとの関係に合致するように、Vを変数とする多項式からなる係数の近似式を導くことで、基材の移動する速度Vに基づいて決定されるメタリングロールの周速VMが導かれる。このため、適切な膜厚からなる塗布膜を形成することができる。
VM={a(V)h4+b(V)h3+c(V)h2+d(V)h}×V
a(V)=−0.000014V2+0.008601V−3.60584
b(V)=0.000079V2−0.047546V+17.4173
c(V)=0.000138V2−0.082527V+28.76285
d(V)=0.000228V2−0.13076V+35.29
からなる式を、制御部70に登録し、ライン速度Vに応じてメタリングロール20の周速VMを自動的に導き出すようにすることで、適切な膜圧を得るためのメタリングロール20の周速VMを、ライン速度Vから迅速に導き出すことができる。
20 メタリングロール
30 アプリケータロール
40 コーティングロール
50 バックアップロール
60 膜厚測定部
70 制御部
I 液溜まり
M 基材
Claims (10)
- ピックアップロールと、該ピックアップロールに隣接して設けられたメタリングロールとを有し、前記ピックアップロールと前記メタリングロールとによって塗布液を貯留する貯留部が形成されるロールコータ部において、基材に塗布する前記塗布液の量を制御する塗布量制御方法であって、
前記基材の移動する速度Vから算出される値に基づいて前記メタリングロールの周速VMを制御することで、前記基材に塗布する前記塗布液の量を制御する計算制御工程を備え、
前記メタリングロールの周速VMは、
理論式から、基材の移動する速度Vを複数の速度で固定した上で、VM/Vと塗布膜の膜厚又は塗布量hとの関係を導き、
速度を固定した上で理論式から導かれたVM/Vとhとの関係に合致するように、hを変数とする多項式からなるVM/Vの近似式を導き、
前記多項式からなるVM/Vの近似式から、前記複数の速度毎のhの各係数を導き、
前記hの各係数とVとの関係に合致するように、Vを変数とする多項式からなる係数の近似式を導くことで、
前記VM/Vの近似式と前記係数の近似式とから導かれることを特徴とする塗布量制御方法。 - VM/Vは、hの4次関数からなり、
VM/V={a(V)h4+b(V)h3+c(V)h2+d(V)h}
で示されることを特徴とする請求項1に記載の塗布量制御方法。 - 前記hの係数a(V)、b(V)、c(V)及びd(V)の各々は、Vの2次関数からなることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の塗布量制御方法。
- 塗布膜の膜圧の値に基づいて前記メタリングロールの周速を制御することで、前記基材に塗布する前記塗布液の量を制御するフィードバック制御工程をさらに備え、
前記計算制御工程は、前記基材の移動する速度が昇速し始めたときに行われ、
前記フィードバック制御工程は、前記基材の移動する速度が所定の速度に達したときに行われることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塗布量制御方法。 - 前記ピックアップロールは、ゴム被膜され、
前記メタリングロールは、金属からなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗布量制御方法。 - 前記メタリングロールに隣接してアプリケータロールが設けられることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の塗布量制御方法。
- 前記アプリケータロールは、ゴム被膜されることを特徴とする請求項6に記載の塗布量制御方法。
- コーティングロールと、該コーティングロールに隣接したバックアップロールとが設けられ、
前記コーティングロールと前記バックアップロールとの間で、基材が配置されて搬送されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の塗布量制御方法。 - 前記コーティングロールは、金属からなり、
前記バックアップロールは、ゴム被膜されていることを特徴とする請求項8に記載の塗布量制御方法。 - ピックアップロールと、
前記ピックアップロールに隣接して設けられたメタリングロールと、
基材の移動する速度に基づいて前記メタリングロールの周速VMを制御することで、前記基材に塗布する塗布液の量を制御する制御部と、
を備え、
前記ピックアップロールと前記メタリングロールとによって塗布液を貯留する貯留部が形成され、
前記制御部は、前記基材の移動する速度から算出される値に基づいて前記メタリングロールの周速VMを制御することで、前記基材に塗布する前記塗布液の量を制御し、
前記メタリングロールの周速VMは、
理論式から、基材の移動する速度Vを複数の速度で固定した上で、VM/Vと塗布膜の膜厚又は塗布量hとの関係を導き、
速度を固定した上で理論式から導かれたVM/Vとhとの関係に合致するように、hを変数とする多項式からなるVM/Vの近似式を導き、
前記多項式からなるVM/Vの近似式から、前記複数の速度毎のhの各係数を導き、
前記hの各係数とVとの関係に合致するように、Vを変数とする多項式からなる係数の近似式を導くことで、
前記VM/Vの近似式と前記係数の近似式とから導かれる
ことを特徴とするロールコータ部。
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JP2012071259A JP5828402B2 (ja) | 2012-03-27 | 2012-03-27 | 塗布量制御方法及びロールコータ部 |
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