JP5827538B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、自動車の高性能化、高馬力化が進む一方、安全性に対する意識も高まっており、タイヤに対するグリップ性能の要求も強まってきている。
グリップ性能は、ゴム組成物のヒステリシスロス特性に依存しており、従来、ゴム組成物のグリップ性能を高める手法としては、例えば、スチレンブタジエンゴムのスチレン量およびビニル量を多くしてガラス転移温度をより高くする手法が知られている。しかし、この場合、耐摩耗性が低下する傾向にあるだけでなく、低温時のグリップ性能(初期グリップ性能)も低下するおそれがある。また、オイルを多量に使用してグリップ性能を向上させる手法も知られている。しかし、この場合、破壊特性の低下により耐摩耗性が低下してしまう。
また、グリップ性能を向上させる手法として、タングステンなどの無機化合物を配合する手法(例えば、特許文献1)、アクリル系樹脂を配合する手法(例えば、特許文献2)、ウレタン系粒子を配合する手法(例えば、特許文献3)、窒素化合物とプロトン酸やフェノール化合物を配合する手法、自己分散性カーボンブラックを配合する手法(例えば、特許文献4)が提案されている。しかしながら、グリップ性能、耐ブロー性能、耐摩耗性をバランスよく改善することは困難であり、更なる改善が望まれていた。
特開2000−319447号公報 特開2002−80642号公報 特開2002−97303号公報 特開2008−13704号公報
本発明は、前記課題を解決し、グリップ性能、耐ブロー性能、耐摩耗性をバランスよく改善できるタイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、グリップ性能、耐ブロー性能、耐摩耗性をバランスよく改善できるタイヤ用ゴム組成物について鋭意検討した結果、下記式(I)で表されるイミダゾール類と、酸、及び自己分散性カーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種とを配合することによりグリップ性能を向上できるものの、耐ブロー性能、耐摩耗性が低下する場合があることを見出した。そして、この新たに見出した問題について、鋭意検討した結果、下記式(I)で表されるイミダゾール類、酸、自己分散性カーボンブラックがゴム組成物中で凝集しやすいため、耐ブロー性能、耐摩耗性が低下する場合があり、これらの化合物のゴム組成物中での分散性を向上させるために、これらの化合物を軟化剤と共に予め混合(マスターバッチ化)することが有効であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、軟化剤と、下記式(I)で表されるイミダゾール類と、酸、及び自己分散性カーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種とを混合して得られたマスターバッチを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
Figure 0005827538
(式(I)中、Rは、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、アミノ基、メルカプト基、又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、ヘテロ原子及び/又はハロゲン原子を有してもよい。N及びNは、窒素原子を表す。)
上記軟化剤は、オイル、及び重量平均分子量が50000以下の液状ジエン系重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記自己分散性カーボンブラックが、チッ素吸着比表面積が80〜280m/gのカーボンブラックを酸化処理することによって得られたものであることが好ましい。
上記自己分散性カーボンブラックが含酸素親水性官能基を有することが好ましい。
上記含酸素親水性官能基が、カルボキシル基及び/又はそのアルカリ金属塩であることが好ましい。
上記イミダゾール類において、Nの電荷密度が正の値となることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、トレッド用ゴム組成物として用いられることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
上記空気入りタイヤは、高性能タイヤであることが好ましい。
本発明によれば、軟化剤と、特定のイミダゾール類と、酸、及び自己分散性カーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種とを混合して得られたマスターバッチを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、グリップ性能、耐ブロー性能、耐摩耗性をバランスよく改善した空気入りタイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、軟化剤と、上記式(I)で表されるイミダゾール類と、酸、及び自己分散性カーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種とを混合して得られたマスターバッチを含む。
本発明では、上記式(I)で表されるイミダゾール類と、酸、及び自己分散性カーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種とを併用するため、上記式(I)で表されるイミダゾール類と、酸や自己分散性カーボンブラックとの間に働く相互作用に伴いエネルギーロスが発生し、グリップ性能が向上する。そして、上記マスターバッチは、上記式(I)で表されるイミダゾール類と、酸、及び自己分散性カーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種とを、軟化剤と共に混合して得られたものであるため、該マスターバッチを使用して得られたゴム組成物中で、上記式(I)で表されるイミダゾール類、酸、自己分散性カーボンブラックを好適に分散させることが可能となる。そのため、上記マスターバッチを使用すると、上記式(I)で表されるイミダゾール類、酸、自己分散性カーボンブラックを単に混合したゴム組成物に比べて、上記式(I)で表されるイミダゾール類と、酸、及び自己分散性カーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種とを併用することにより得られる良好なグリップ性能を維持しつつ、耐ブロー性能、耐摩耗性を改善できる。そのため、タイヤのグリップ性能、耐ブロー性能、耐摩耗性をバランスよく改善することが可能となる。なお、本明細書において、単にグリップ性能と記載する場合には、初期グリップ性能、後半グリップ性能の両方を含むこととする。
本発明で使用できるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらジエン系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、グリップ性能と耐摩耗性をバランスよく両立できるという理由から、SBRが好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは35質量%以上である。10質量%未満であると、tanδが低く、高いグリップ性能が得られないおそれがある。また、上記スチレン含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。50質量%を超えると、常温でのゴム硬度が高すぎるため、グリップ性能を充分に発揮できないおそれがある。
本発明のゴム組成物がSBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは100質量%である。50質量%未満であると、充分なグリップ性能及び操縦安定性が得られないおそれがある。
なお、後述する軟化剤は、ゴム成分には含まれない。
本発明におけるマスターバッチは、軟化剤と、上記式(I)で表されるイミダゾール類と、酸、及び自己分散性カーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種とを混合して得られたものである。
上記軟化剤としては、特に限定されないが、オイル、重量平均分子量が50000以下の液状ジエン系重合体などを好適に使用でき、なかでも、液状ジエン系重合体が好ましい。これにより、前記性能バランスを改善できる。
オイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどの石油系プロセスオイルや植物油脂を用いることができる。なかでも、ゴムとの親和性が良い(SP値も近い)という理由から、アロマ系プロセスオイルが好ましい。
液状ジエン系重合体としては、重量平均分子量が50000以下のジエン系重合体であれば特に限定されず、例えば、スチレンブタジエン共重合体(ゴム)、ブタジエン重合体(ゴム)、イソプレン重合体(ゴム)、アクリロニトリルブタジエン共重合体(ゴム)等が挙げられる。液状ジエン系重合体のなかでも、グリップ性能の向上効果が大きいことから、液状スチレンブタジエン共重合体(液状スチレンブタジエンゴム(液状SBR))が好ましい。また、耐摩耗性の向上効果が大きいことから、液状ブタジエン重合体(液状ブタジエンゴム(液状BR))が好ましい。
液状ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は好ましくは1000以上、より好ましくは1500以上である。Mwが1000未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、Mwは好ましくは50000以下、より好ましくは20000以下、更に好ましくは15000以下である。Mwが50000を超えると、グリップ性能、特に初期グリップ性能が低下する傾向がある。また、ゴム成分との分子量の差が小さくなり、軟化剤としての効果が発揮されにくい傾向がある。なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
液状SBRの重量平均分子量(Mw)は好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上である。Mwが2000未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、液状SBRのMwは好ましくは50000以下、より好ましくは40000以下、更に好ましくは20000以下、特に好ましくは15000以下である。Mwが50000を超えると、グリップ性能(特に、初期グリップ性能)が低下する傾向がある。また、ゴム成分との分子量の差が小さくなり、軟化剤としての効果が発揮されにくい傾向がある。
液状BRの重量平均分子量(Mw)は好ましくは5000以上、より好ましくは6000以上である。Mwが5000未満では、液状BRがゴム組成物中を移行しやすく、オイルと同様の性質を示し、耐摩耗性の改善効果が低下する傾向がある。また、液状BRのMwは好ましくは50000以下、より好ましくは30000以下、更に好ましくは20000以下である。Mwが50000を超えると、グリップ性能(特に、初期グリップ性能)が低下する傾向がある。また、ゴム成分との分子量の差が小さくなり、軟化剤としての効果が発揮されにくい傾向がある。
液状ジエン系重合体のガラス転移温度(Tg)は、−90℃以上が好ましく、−60℃以上がより好ましく、−50℃以上が更に好ましい。Tgが−90℃未満では、エネルギーロスが低く、所望のグリップ性能が得られない傾向がある。また、Tgは、−10℃以下が好ましく、−15℃以下がより好ましい。Tgが−10℃を超えると、低温で硬くなり、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。なお、ガラス転移温度(Tg)は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
液状ジエン系重合体の共役ジエン部の二重結合は、水素添加されていてもよい。水素添加された液状ジエン系重合体を配合することにより、ゴム組成物の架橋度(SWELL)が高くなり、耐摩耗性、耐ブロー性能をより向上できる。
液状ジエン系重合体の共役ジエン部の二重結合の水素添加率(液状ジエン系重合体の共役ジエン部に対して水素添加された割合(液状ジエン系重合体が液状スチレンブタジエン共重合体の場合はスチレンブタジエン共重合体のブタジエン部に対して水素添加された割合))は好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは70モル%以上である。50モル%未満では、tanδの向上が不充分であり、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、ゴム組成物の架橋度(SWELL)が低下し、充分な耐摩耗性が得られないおそれがある。また、水素添加率は、好ましくは90モル%以下、より好ましくは85モル%以下である。90モル%を超えると、ゴム組成物が硬くなり、充分なグリップ性能(特に、初期グリップ性能)および耐摩耗性が得られないおそれがある。なお、水素添加率は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
液状ジエン系重合体に対する水素添加反応としては、例えば、有機溶媒中で金属触媒の存在下で水素を加圧する方法、ヒドラジンを用いる方法などの従来公知の方法を用いることができる(特開昭59−161415号公報など)。
液状SBRのビニル含量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。ビニル含量が10質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。該ビニル含量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは75質量%以下である。ビニル含量が90質量%を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
なお、液状SBRのビニル含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
液状SBRのスチレン含量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。スチレン含量が10質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。該スチレン含量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。スチレン含量が60質量%を超えると、軟化点が高くなり、ゴムが硬くなり、グリップ性能が悪化するおそれがある。
なお、液状SBRのスチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
次に、下記式(I)で表されるイミダゾール類について説明する。
Figure 0005827538
(式(I)中、Rは、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH)、メルカプト基(−SH)、又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、ヘテロ原子及び/又はハロゲン原子を有してもよい。N及びNは、窒素原子を表す。)
Rの炭素数1〜10の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アシル基、アリール基、アラルキル基、アラルキレン基等が挙げられる。なかでも、アリール基、アラルキル基が好ましい。特に、Nにアラルキル基が結合し、NとNの間に位置する炭素原子にアリール基が結合していることが好ましく、1−アラルキル−2−アリールイミダゾールがより好ましい。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基等が挙げられる。上記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基等が挙げられる。上記アラルキレン基としては、例えば、ベンジリデン基等が挙げられる。上記アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。上記シアノアルキル基(式−C2uCNで表される基(ただし、uは1〜9の整数))としては、例えば、シアノメチル基、シアノエチル基等が挙げられる。
上記アリール基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。なかでも、性能改善効果が大きく、入手が容易であるという理由から、フェニル基、トリル基が好ましい。
上記アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよく、例えば、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、ジメチルフェネチル基などが挙げられる。なかでも、性能改善効果が大きいという理由から、ベンジル基、メチルベンジル基が好ましい。
上記アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。なかでも、性能改善効果が大きいという理由から、アセチル基、プロパノイル基が好ましい。
より効果的にタイヤ走行により発生する歪みや熱などのエネルギーロスが生じ、高いグリップ性能が得られるという理由から、上記式(I)で表されるイミダゾール類において、Nの電荷密度が正の値となることが好ましい。Nの電荷密度は、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.02以上である。
電荷密度は、GAUSSIAN(Gaussian社)、GAMESSなどの量子化学計算ソフトを用い、静電ポテンシャルの誘導電荷から求めることができる。この際に用いる基底関数としては精度と計算速度のバランスから6−31+G(d)以上のものが好ましい。なお、本明細書の電荷密度は、後述の実施例に記載の方法により計算した値である。
上記式(I)で表されるイミダゾール類としては、例えば、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ビニルイミダゾール、1−(2−プロペニル)イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−アセチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。これらの化合物は単独で用いても良く、二種以上を組み合わせても良い。
本発明におけるマスターバッチは、酸、及び自己分散性カーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種を含むが、グリップ性能の向上効果が大きいという理由から、自己分散性カーボンブラックを含むことが好ましい。上記式(I)で表されるイミダゾール類と、酸(プロトン酸やフェノール誘導体)とを併用した場合に比べて、上記式(I)で表されるイミダゾール類と、自己分散性カーボンブラックとを併用した場合の方がグリップ性能の向上効果が高いのは、上記式(I)で表されるイミダゾール類と自己分散性カーボンブラックとの間に働く相互作用の方が、上記式(I)で表されるイミダゾール類と酸(プロトン酸やフェノール誘導体)との間に働く相互作用よりも大きいためと推測される。
酸としては、特に限定されず、例えば、カルボン酸、フェノール誘導体、スルホン酸などが挙げられる。なかでも、加硫特性に悪影響を与えずにグリップ性能を向上できるという理由から、カルボン酸、フェノール誘導体が好ましく、フェノール誘導体がより好ましい。
カルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、オレイン酸などの脂肪族モノカルボン酸、コハク酸、マレイン酸などの脂肪族ジカルボン酸、安息香酸、安息香酸誘導体、ケイ皮酸、ナフトエ酸などの芳香族モノカルボン酸、フタル酸、無水フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。安息香酸誘導体としては、例えば、安息香酸に炭化水素基(アルキル基、アルコキシ基など)、水酸基などの官能基が導入されたものが挙げられ、具体的には、p−メチル安息香酸、p−メトキシ安息香酸、p−クロロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、サリチル酸などが挙げられる。カルボン酸のなかでも、安息香酸、安息香酸誘導体が好ましく、安息香酸がより好ましい。
フェノール誘導体としては、例えば、2−tert−ブチルフェノール;2−エチル−6−メチルフェノール;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;3−メチル−2,6−ビス(1−メチルエチル)フェノール;4−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;3−メチル−2,6−ビス(1−メチルプロピル)フェノール;2−ブチル−6−エチルフェノール;4−ブチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェノール;6−tert−ブチル−2,3−ジメチルフェノール;2−tert−ブチル−4−メチルフェノール;2−シクロヘキシル−6−tert−ブチルフェノール;2−シクロヘキシル−6−tert−ブチル−4−メチルフェノール;2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール;4,4’−ジヒドロキシビフェニル;4,4’−チオビスフェノール;ヒドロキノン;1,5−ヒドロキシナフタレン;4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4’−エチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4’−プロピリデンビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);4,4’−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール);4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール);2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)などを挙げることができる。なかでも、上記式(I)で表されるイミダゾール類と水素結合を形成しやすいという理由から、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)が好ましい。
上記酸は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次に、自己分散性カーボンブラックについて説明する。
従来からカーボンブラックを配合することにより、グリップ性能が向上することが知られていたが、本発明では、自己分散性カーボンブラックを上記式(I)で表されるイミダゾール類と併用することにより、高いグリップ性能が得られる。
通常、カーボンブラックは、水などの溶媒に対する分散性に劣るため、溶媒中に微細に分散させる場合、一般に、水溶性アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂などの分散剤を使用する必要がある。
本発明で使用する自己分散性カーボンブラックとは、分散剤を使用しなくても、溶媒中に容易に分散させられるものをいう。具体的には、通常のカーボンブラックに含酸素親水性官能基を付与したものがあげられ、一般的にはカーボンブラックを酸化することにより得られる。
含酸素親水性官能基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシル基のアルカリ金属塩、水酸基などが挙げられるが、グリップ性能の向上効果が高いという理由からカルボキシル基及び/又はそのアルカリ金属塩が好ましく、より効果的にタイヤ走行により発生する歪みや熱などのエネルギーロスが生じ、優れたグリップ性能の向上効果が得られることから、カルボキシル基がより好ましい。
カーボンブラックに含酸素親水性官能基を付与する方法としては、例えば、空気接触による酸化法、チッ素酸化物やオゾンとの反応による乾式酸化処理、硝酸、過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウム、過塩素酸、次亜塩素酸、次亜ハロゲン酸塩、過酸化水素、臭素水溶液、オゾン水溶液などの酸化剤を用いた湿式酸化処理などが挙げられるが、反応性の点から、次亜ハロゲン酸塩を用いる液相酸化法(湿式酸化処理)が好ましい。
自己分散性カーボンブラックを調製する場合、原材料カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は80m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましく、120m/g以上が更に好ましい。原材料カーボンブラックのNSAが80m/g未満では、グリップ性能向上効果が小さい傾向がある。また、原材料カーボンブラックのNSAは280m/g以下が好ましく、220m/g以下がより好ましく、170m/g以下が更に好ましい。原材料カーボンブラックのNSAが280m/gを超えると、自己分散性カーボンブラックの分散性が低下し、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
自己分散性カーボンブラックの表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度は70μmol/g以上が好ましく、200μmol/g以上がより好ましく、300μmol/g以上が更に好ましく、500μmol/g以上が特に好ましい。自己分散性カーボンブラックの表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度が70μmol/g未満では、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、自己分散性カーボンブラックの表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度は1400μmol/g以下が好ましく、1200μmol/g以下がより好ましく、1000μmol/g以下が更に好ましい。自己分散性カーボンブラックの表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度が1400μmol/gを超えると、補強性が悪化し、耐摩耗性が低下するおそれがある。
なお、自己分散性カーボンブラックの表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度は、X線光電子分光法により測定できる。
自己分散性カーボンブラックとしては、例えば、キャボット社製のRegal400R、Regal330R、コロンビアン・カーボン社製のRaven7000、Raven5750、デグッサ社製のColor Black FW1、Color Black FW2、三菱化学(株)製のNo.25、No.33、オリエント化学工業(株)製のBonjet Black CW−2、SMPなどが挙げられる。
上記マスターバッチにおいて、上記式(I)で表されるイミダゾール類及び軟化剤の質量比(上記式(I)で表されるイミダゾール類/軟化剤)は、常温で液体の軟化剤を適量添加することにより、上記マスターバッチが配合ゴム中に適度に膨潤し、ゴム成分に混ざり易く、本発明の効果が好適に得られるという理由から、好ましくは0.05〜0.8、より好ましくは0.05〜0.5である。
上記マスターバッチにおいて、酸を使用する場合、酸及び軟化剤の質量比(酸/軟化剤)は、上記式(I)で表されるイミダゾール類及び軟化剤の質量比と同様の理由により、好ましくは0.05〜0.8、より好ましくは0.05〜0.5である。
上記マスターバッチにおいて、自己分散性カーボンブラックを使用する場合、自己分散性カーボンブラック及び軟化剤の質量比(自己分散性カーボンブラック/軟化剤)は、上記式(I)で表されるイミダゾール類及び軟化剤の質量比と同様の理由により、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.8〜1.2である。
上記マスターバッチは、軟化剤と、上記式(I)で表されるイミダゾール類と、酸、及び自己分散性カーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種とを混合することで調製できる。
例えば、30〜150℃(好ましくは50〜130℃)の条件下で、2〜20分間(好ましくは5〜15分間)上記各成分を混合すればよい。混合方法は特に限定されず、例えば、公知の混合装置を用いて行うことができる。
本発明のゴム組成物において、上記軟化剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは80質量部以上である。5質量部未満では、グリップ性能の発現が充分でない傾向がある。また、該軟化剤の含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは120質量部以下である。200質量部を超えると、耐摩耗性が低下し、更には低燃費性も悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物において、上記式(I)で表されるイミダゾール類の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。0.1質量部未満であると、性能改善効果が小さく、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。上記式(I)で表されるイミダゾール類の含有量の含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。30質量部を超えると、耐ブロー性能、耐摩耗性が低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物において、酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。0.1質量部未満であると、窒素化合物と水素結合を充分に形成できず、グリップ性能の向上効果が充分に得られないおそれがある。酸の含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。30質量部を超えると、架橋阻害により耐摩耗性、耐ブロー性能が悪化するおそれがある。
本発明のゴム組成物において、自己分散性カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは30質量部以上である。2質量部未満では、充分にグリップ性能を向上できない傾向がある。また、該自己分散性カーボンブラックの含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは120質量部以下である。200質量部を超えると、加工性が著しく低下するおそれがある。
なお、軟化剤、上記式(I)で表されるイミダゾール類、酸、自己分散性カーボンブラックはマスターバッチの他に別途配合してもよく、その場合、上記各含有量はゴム組成物中に含まれる総量を意味する。また、軟化剤の含有量には、油展ゴムに含まれるオイル量も含まれる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、自己分散性カーボンブラック以外のカーボンブラックを使用してもよい。使用できるカーボンブラックとしては、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAFなどが挙げられるが、特に限定されない。これにより、グリップ性能、耐摩耗性を改善でき、前記性能バランスを改善できる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、80m/g以上が好ましく、100m/g以上がより好ましく、120m/g以上が更に好ましい。カーボンブラックのNSAが80m/g未満では、グリップ性能および耐摩耗性が低下する傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは280m/g以下が好ましく、200m/g以下がより好ましく、175m/g以下が更に好ましい。カーボンブラックのNSAが280m/gを超えると、カーボンブラックの分散性が低下し、耐摩耗性が低下する傾向がある。
自己分散性カーボンブラック、カーボンブラックの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5質量部以上が好ましく、75質量部以上がより好ましい。該合計含有量は、200質量部以下が好ましく、125質量部以下がより好ましい。上記範囲内に調整することで、良好な補強性、グリップ性能、耐摩耗性が得られる。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、シリカ等の補強用充填剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、硫黄、加硫促進剤などを必要に応じて配合してもよい。
硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などが挙げられる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1〜3質量部である。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系加硫促進剤〔N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなど〕、グアニジン系加硫促進剤(ジフェニルグアニジン(DPG)、ジオルトトリグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなど)が好ましい。なかでも、CBSがより好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法は、一般的な方法で製造される。例えば、前記各成分をバンバリーミキサー、ニーダー、オープンロール等のゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッドに好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、トレッド)の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等として用いられ、特に、高性能タイヤとして好適に用いられる。なお、本明細書における高性能タイヤとは、グリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(製造例1)
カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製のショウブラックN110(NSA:145m/g))を次亜塩素酸カリウム溶液中に縣濁し、25℃で24時間撹拌し、カーボンブラックの湿式酸化処理を行い、カーボンブラックにカルボキシル基を生成させた。その後、6Nの塩酸を加えて中和した後、水により洗浄し、乾燥して、自己分散性カーボンブラックを得た。
以下、製造例2で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
液状SBR:サートマー社製のRAICON100(スチレン含量:20質量%、ビニル含量:70質量%)
10%パラジウムカーボン:東京化成工業(株)製
(製造例2)
(水素添加液状SBRの調製)
攪拌翼つきの3Lオートクレーブに、液状SBRを80g、10%パラジウムカーボンを5g加え、窒素置換した後、圧力が5.0kg/cmとなるように水素置換して80℃で水素添加反応を行い、水素添加液状SBRを得た。
液状SBR(サートマー社製のRAICON100)、製造例2により得られた水素添加液状SBR、液状BR(サートマー社製のRAICON142)について、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(重量平均分子量(Mw)の測定)
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた。
(水素添加率の測定)
水素添加率は、四塩化炭素を溶媒として用い、15質量%の濃度となるようにスチレンブタジエン共重合体(液状SBR又は製造例2により得られた水素添加液状SBR)又は液状BRを溶解し、当該溶液について、100MHzのH−NMRにより測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から算出した。
(ガラス転移温度(Tg)の測定)
ガラス転移温度(Tg)は、JIS−K7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製の示差走査熱量計(Q200)を用いて昇温速度10℃/分で昇温しながら測定することによリ、ガラス転移開始温度として求めた。
Figure 0005827538
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:旭化成(株)製のタフデン4850(スチレン含有量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN110(NSA:145m/g)
自己分散性カーボンブラック:上記製造例1により得られた自己分散性カーボンブラック(表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度:630μmol/g)
アロマオイル:ジャパンエナジー社製のダイアナプロセスX140(アロマ系プロセスオイル)
液状SBR:サートマー社製のRAICON100(液状ジエン系重合体)
水素添加液状SBR:上記製造例2で調製した水素添加液状SBR(液状ジエン系重合体)
液状BR:サートマー社製のRAICON142(液状ジエン系重合体)
化合物(1):アルドリッチ社製の1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(上記式(I)で表されるイミダゾール類、Nの電荷密度:0.155)
プロトン酸:和光純薬工業(株)製の安息香酸
フェノール誘導体:川口化学(株)製のアンテージW300(4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール))
マスターバッチ1〜6:下記調製方法にて調製したマスターバッチ1〜6
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
なお、上記化合物(1)の電荷密度は、以下の条件により計算した。
計算ソフト:GAUSSIAN03
基底関数:6−31+G(d)
解析法:CHelpG
(マスターバッチの調製)
表2に示す配合に従い、80℃の条件下で、10分間各成分を混合することで、マスターバッチ1〜6を得た。
Figure 0005827538
(実施例及び比較例)
表3に示す配合内容に従い、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫することで加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、170℃で12分間加硫することで試験用カートタイヤ(タイヤサイズ:11×7.10−5)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物、試験用カートタイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表3に示す。
(粘弾性試験)
粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度50℃、初期歪10%、動歪2%、周波数10Hzの条件下で、加硫ゴム組成物の複素弾性率(E’)、損失正接(tanδ)を測定し、比較例1のE’、tanδを100とし、各配合のE’、tanδを指数表示した。E’(指数)が大きいほど、剛性感に優れ、tanδ(指数)が大きいほど、グリップ性能に優れることを示す。
(引張試験)
JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、加硫ゴム組成物からなる3号ダンベル型ゴム試験片を用いて引張試験を行い、300%伸張時応力(M300)を測定した。そして、比較例1のM300指数を100とし、各配合のM300を指数表示した。なお、M300指数が大きいほど、耐アブレージョン摩耗性能に優れることを示す。ただし、ブローが発生した場合には、M300指数に関わらず、耐アブレージョン摩耗性能は低下する。
(M300指数)=(各配合のM300)/(比較例1のM300)×100
(実車評価)
試験用カートに試験用カートタイヤを装着させ、1周2kmのテストコースを8周走行し、比較例1のタイヤの初期グリップ性能、後半グリップ性能を100とし、テストドライバーが官能評価した。なお、初期グリップ性能は1〜4周目の(低温条件下での)グリップ性能、後半グリップ性能は5〜8周目の(高温条件下での)グリップ性能を示し、指数が大きいほど各グリップ性能に優れることを示す。
試験用カートに試験用カートタイヤを装着させ、1周2kmのテストコースを18周走行した。走行後、タイヤの摩耗外観を観察し、比較例1のタイヤの摩耗外観を100とし、評価した。指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。さらに、走行後のタイヤを解体し、トレッド断面のブローの発生度合いを観察し、比較例1を100とし、耐ブロー性能を評価した。指数が大きいほど耐ブロー性能に優れることを示す。
Figure 0005827538
表3の結果より、軟化剤と、特定のイミダゾール類と、酸、及び自己分散性カーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種とを混合して得られたマスターバッチを含む実施例は、グリップ性能(初期グリップ性能、後半グリップ性能)、耐ブロー性能、耐摩耗性をバランスよく改善できた。

Claims (8)

  1. 軟化剤と、1−アラルキル−2−アリールイミダゾールと、酸、及び自己分散性カーボンブラックからなる群より選択される少なくとも1種とを混合して得られたマスターバッチを含むタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記軟化剤は、オイル、及び重量平均分子量が50000以下の液状ジエン系重合体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記自己分散性カーボンブラックが、チッ素吸着比表面積が80〜280m/gのカーボンブラックを酸化処理することによって得られたものである請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記自己分散性カーボンブラックが含酸素親水性官能基を有する請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記含酸素親水性官能基が、カルボキシル基及び/又はそのアルカリ金属塩である請求項4記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. トレッド用ゴム組成物として用いられる請求項1〜のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
  8. 高性能タイヤである請求項記載の空気入りタイヤ。
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