JP2012082265A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、自動車の高性能化、高馬力化が進む一方、安全性に対する意識も高まっており、タイヤに対するグリップ性能の要求も強まってきている。
グリップ性能は、ゴム組成物のヒステリシスロス特性に依存しており、従来、ゴム組成物のグリップ性能を高める手法としては、例えば、スチレンブタジエンゴムのスチレン量およびビニル量を多くしてガラス転移温度をより高くする手法が知られている。しかし、この場合、耐摩耗性が低下する傾向にあるだけでなく、低温時のグリップ性能も低下するおそれがある。また、オイルを多量に使用してグリップ性能を向上させる手法も知られている。しかし、この場合、破壊特性の低下により耐摩耗性が低下してしまう。
上記問題を解決するために、特許文献1には、イミダゾール類と、プロトン酸を配合したタイヤ用ゴム組成物が開示されている。しかし、グリップ性能の向上という点では、改善の余地がある。
本発明は、前記課題を解決し、グリップ性能を充分に向上でき、グリップ性能、耐摩耗性、操縦安定性を両立できるタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、下記式(I)で表されるイミダゾール類と、自己分散性カーボンブラックとを含むタイヤ用ゴム組成物に関する。
(式(I)中、Rは、同一若しくは異なって、水素原子、水酸基、アミノ基、メルカプト基、又は炭素数1〜10の炭化水素基を表し、該炭化水素基は、ヘテロ原子及び/又はハロゲン原子を有してもよい。N1及びN2は、窒素原子を表す。)
上記自己分散性カーボンブラックが、チッ素吸着比表面積が80〜280m2/gのカーボンブラックを酸化処理することによって得られたものであることが好ましい。
上記自己分散性カーボンブラックが含酸素親水性官能基を有することが好ましい。
上記含酸素親水性官能基が、カルボキシル基及び/又はそのアルカリ金属塩であることが好ましい。
上記イミダゾール類において、N1の電荷密度が正の値となることが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して、上記イミダゾール類を0.1〜30質量部、上記自己分散性カーボンブラックを2〜200質量部含むことが好ましい。
上記タイヤ用ゴム組成物が、トレッドに使用されることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関する。上記空気入りタイヤが高性能タイヤであることが好ましい。
本発明によれば、上記式(I)で表されるイミダゾール類と、自己分散性カーボンブラックとを含むタイヤ用ゴム組成物であるので、グリップ性能を充分に向上でき、さらに耐摩耗性、操縦安定性も向上でき、グリップ性能、耐摩耗性、操縦安定性を両立できる空気入りタイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上記式(I)で表されるイミダゾール類と、自己分散性カーボンブラックとを含む。
本発明で使用できるゴム成分としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらジエン系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、グリップ性能と耐摩耗性をバランスよく両立できるという理由から、SBRが好ましい。
SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
SBRのスチレン含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは35質量%以上である。10質量%未満であると、tanδが低く、高いグリップ性能が得られないおそれがある。また、上記スチレン含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。50質量%を超えると、常温でのゴム硬度が高すぎるため、グリップ性能を充分に発揮できないおそれがある。
本発明のゴム組成物がSBRを含有する場合、ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは100質量%である。50質量%未満であると、充分なグリップ性能及び操縦安定性が得られないおそれがある。
本発明では、下記式(I)で表されるイミダゾール類が使用される。これにより、自己分散性カーボンブラックとの間に働く相互作用に伴いエネルギーロスが発生し、グリップ性能、操縦安定性(特に、グリップ性能)が向上する。
下記式(I)で表されるイミダゾール類と、プロトン酸やフェノール誘導体とを併用した場合に比べて、下記式(I)で表されるイミダゾール類と、自己分散性カーボンブラックとを併用した本発明の方がグリップ性能の向上効果が高いのは、下記式(I)で表されるイミダゾール類と自己分散性カーボンブラックとの間に働く相互作用の方が、下記式(I)で表されるイミダゾール類とプロトン酸やフェノール誘導体との間に働く相互作用よりも大きいためと推測される。
Rの炭素数1〜10の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シアノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アシル基、アリール基、アラルキル基、アラルキレン基等が挙げられる。なかでも、アリール基、アラルキル基、アルキル基、アシル基が好ましい。特に、N2にアラルキル基が結合し、N1とN2の間に位置する炭素原子にアリール基が結合していることが好ましく、1−アラルキル−2−アリールイミダゾールがより好ましい。また、N2にアシル基が結合した1−アシルイミダゾールも好ましい。
上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基等が挙げられる。上記アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基等が挙げられる。上記アラルキレン基としては、例えば、ベンジリデン基等が挙げられる。上記アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。上記シアノアルキル基(式−CuH2uCNで表される基(ただし、uは1〜9の整数))としては、例えば、シアノメチル基、シアノエチル基等が挙げられる。
上記アリール基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。なかでも、性能改善効果が大きく、入手が容易であるという理由から、フェニル基、トリル基が好ましい。
上記アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基などの置換基を有していてもよく、例えば、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、フェネチル基、メチルフェネチル基、ジメチルフェネチル基などが挙げられる。なかでも、性能改善効果が大きいという理由から、ベンジル基、メチルベンジル基が好ましい。
上記アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。なかでも、性能改善効果が大きいという理由から、アセチル基、プロパノイル基が好ましい。
より効果的にタイヤ走行により発生する歪みや熱などのエネルギーロスが生じ、高いグリップ性能が得られるという理由から、上記式(I)で表されるイミダゾール類において、N1の電荷密度が正の値となることが好ましい。N1の電荷密度は、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.02以上である。
電荷密度は、GAUSSIAN(Gaussian社)、GAMESSなどの量子化学計算ソフトを用い、静電ポテンシャルの誘導電荷から求めることができる。この際に用いる基底関数としては精度と計算速度のバランスから6−31+G(d)以上のものが好ましい。なお、本明細書の電荷密度は、後述の実施例に記載の方法により計算した値である。
電荷密度は、GAUSSIAN(Gaussian社)、GAMESSなどの量子化学計算ソフトを用い、静電ポテンシャルの誘導電荷から求めることができる。この際に用いる基底関数としては精度と計算速度のバランスから6−31+G(d)以上のものが好ましい。なお、本明細書の電荷密度は、後述の実施例に記載の方法により計算した値である。
上記式(I)で表されるイミダゾール類としては、例えば、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ビニルイミダゾール、1−(2−プロペニル)イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、1,2,4,5−テトラメチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−アセチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。これらの化合物は単独で用いても良く、二種以上を組み合わせても良い。
上記式(I)で表されるイミダゾール類の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。0.1質量部未満であると、性能改善効果が小さく、充分なグリップ性能及び操縦安定性が得られないおそれがある。上記式(I)で表されるイミダゾール類の含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。30質量部を超えると、高コストになってしまうおそれがある。
本発明のゴム組成物は、自己分散性カーボンブラックを含む。これにより、上記式(I)で表されるイミダゾール類との間に働く相互作用に伴い、プロトン酸及び/又はフェノール誘導体を配合した場合よりも大きなエネルギーロスが発生し、グリップ性能、操縦安定性(特に、グリップ性能)が向上する。
従来からカーボンブラックを配合することにより、グリップ性能が向上することが知られていたが、本発明では、自己分散性カーボンブラックを上記式(I)で表されるイミダゾール類と併用することにより、高いグリップ性能が得られる。
通常、カーボンブラックは、水などの溶媒に対する分散性に劣るため、溶媒中に微細に分散させる場合、一般に、水溶性アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂などの分散剤を使用する必要がある。
本発明で使用する自己分散性カーボンブラックとは、分散剤を使用しなくても、溶媒中に容易に分散させられるものをいう。具体的には、通常のカーボンブラックに含酸素親水性官能基を付与したものがあげられ、一般的にはカーボンブラックを酸化することにより得られる。
含酸素親水性官能基としては、例えば、カルボキシル基、カルボキシル基のアルカリ金属塩、水酸基などが挙げられるが、グリップ性能の向上効果が高いという理由からカルボキシル基及び/又はそのアルカリ金属塩が好ましく、より効果的にタイヤ走行により発生する歪みや熱などのエネルギーロスが生じ、優れたグリップ性能の向上効果が得られることから、カルボキシル基がより好ましい。
カーボンブラックに含酸素親水性官能基を付与する方法としては、例えば、空気接触による酸化法、チッ素酸化物やオゾンとの反応による乾式酸化処理、硝酸、過マンガン酸カリウム、重クロム酸カリウム、過塩素酸、次亜塩素酸、次亜ハロゲン酸塩、過酸化水素、臭素水溶液、オゾン水溶液などの酸化剤を用いた湿式酸化処理などが挙げられるが、反応性の点から、次亜ハロゲン酸塩を用いる液相酸化法(湿式酸化処理)が好ましい。
自己分散性カーボンブラックを調製する場合、原材料カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(N2SA)は80m2/g以上が好ましく、100m2/g以上がより好ましく、120m2/g以上が更に好ましく、150m2/g以上が特に好ましい。原材料カーボンブラックのN2SAが80m2/g未満では、グリップ性能向上効果が小さい傾向がある。また、原材料カーボンブラックのN2SAは280m2/g以下が好ましく、220m2/g以下がより好ましい。原材料カーボンブラックのN2SAが280m2/gを超えると、自己分散性カーボンブラックの分散性が低下し、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K6217のA法によって求められる。
自己分散性カーボンブラックの表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度は70μmol/g以上が好ましく、200μmol/g以上がより好ましく、300μmol/g以上が更に好ましく、500μmol/g以上が特に好ましく、700μmol/g以上が最も好ましい。自己分散性カーボンブラックの表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度が70μmol/g未満では、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、自己分散性カーボンブラックの表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度は1400μmol/g以下が好ましく、1200μmol/g以下がより好ましい。自己分散性カーボンブラックの表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度が1400μmol/gをこえると、補強性が悪化し、耐摩耗性が低下するおそれがある。
なお、自己分散性カーボンブラックの表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度は、X線光電子分光法により測定できる。
なお、自己分散性カーボンブラックの表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度は、X線光電子分光法により測定できる。
自己分散性カーボンブラックとしては、例えば、キャボット社製のRegal400R、Regal330R、コロンビアン・カーボン社製のRaven7000、Raven5750、デグッサ社製のColor Black FW1、Color Black FW2、三菱化学(株)製のNo.25、No.33、オリエント化学工業(株)製のBonjet Black CW−2、SMPなどが挙げられる。
自己分散性カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは30質量部以上である。2質量部未満では、充分にグリップ性能を向上できない傾向がある。また、該自己分散性カーボンブラックの含有量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは120質量部以下である。200質量部を超えると、加工性が著しく低下するおそれがある。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、シリカ等の補強用充填剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、オゾン劣化防止剤、オイル、ワックス、加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合することができる。
本発明のゴム組成物は、オイルを配合してもよい。オイルを配合することにより、ゴムが軟化して加工性が良くなり、さらにはグリップ性能も向上する。オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物を用いることができる。
プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。パラフィン系プロセスオイルとして、具体的には出光興産(株)製のPW−32、PW−90、PW−150、PS−32などが挙げられる。また、アロマ系プロセスオイルとして、具体的には出光興産(株)製のAC−12、AC−460、AH−16、AH−24、AH−58、ジャパンエナジー社製のプロセスX−260などが挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。なかでも、アロマ系プロセスオイルが好適に用いられる。
プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。パラフィン系プロセスオイルとして、具体的には出光興産(株)製のPW−32、PW−90、PW−150、PS−32などが挙げられる。また、アロマ系プロセスオイルとして、具体的には出光興産(株)製のAC−12、AC−460、AH−16、AH−24、AH−58、ジャパンエナジー社製のプロセスX−260などが挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。なかでも、アロマ系プロセスオイルが好適に用いられる。
上記ゴム組成物がオイルを含有する場合、オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。5質量部未満では、ゴムへの軟化作用が不充分で、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。また、オイルの含有量は、好ましくは170質量部以下、より好ましくは90質量部以下である。170質量部を超えると、加工性が悪くなり、またゴムの破壊特性が低下し、耐摩耗性が低下するおそれがある。なお、上記オイル量には、油展ゴムに含まれるオイル量も含まれる。
本発明では、上記式(I)で表されるイミダゾール類と、自己分散性カーボンブラックとを併用することにより、充分にグリップ性能を向上できるため、オイル量を上記範囲とすることができ(オイルを多量に配合する必要が無く)、耐摩耗性の低下を抑制できる。
本発明では、上記式(I)で表されるイミダゾール類と、自己分散性カーボンブラックとを併用することにより、充分にグリップ性能を向上できるため、オイル量を上記範囲とすることができ(オイルを多量に配合する必要が無く)、耐摩耗性の低下を抑制できる。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。該ゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッドに好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、高性能タイヤ等として好適に用いられ、特に高性能タイヤとして好適に用いられる。
なお、本明細書における高性能タイヤとは、ドライグリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
なお、本明細書における高性能タイヤとは、ドライグリップ性能に特に優れたタイヤであり、競技車両に使用する競技用タイヤをも含む概念である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(製造例1)
カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製のショウブラックN110(N2SA:145m2/g))を次亜塩素酸カリウム溶液中に縣濁し、25℃で24時間撹拌し、カーボンブラックの湿式酸化処理を行い、カーボンブラックにカルボキシル基を生成させた。その後、6Nの塩酸を加えて中和した後、水により洗浄し、乾燥して、自己分散性カーボンブラック(1)を得た。
カーボンブラック(キャボットジャパン(株)製のショウブラックN110(N2SA:145m2/g))を次亜塩素酸カリウム溶液中に縣濁し、25℃で24時間撹拌し、カーボンブラックの湿式酸化処理を行い、カーボンブラックにカルボキシル基を生成させた。その後、6Nの塩酸を加えて中和した後、水により洗浄し、乾燥して、自己分散性カーボンブラック(1)を得た。
(製造例2)
使用したカーボンブラックをキャボットジャパン(株)製のショウブラックN762(N2SA:22m2/g)に変更した以外は、製造例1と同様に行い、自己分散性カーボンブラック(2)を得た。
使用したカーボンブラックをキャボットジャパン(株)製のショウブラックN762(N2SA:22m2/g)に変更した以外は、製造例1と同様に行い、自己分散性カーボンブラック(2)を得た。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:旭化成(株)製のタフデン4850(スチレン含有量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN110(N2SA:145m2/g)
自己分散性カーボンブラック(1):上記製造例1により得られた自己分散性カーボンブラック(1)(表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度:630μmol/g)
自己分散性カーボンブラック(2):上記製造例2により得られた自己分散性カーボンブラック(2)(表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度:80μmol/g)
自己分散性カーボンブラック(3):オリエント化学工業(株)製のSMP(表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度:900μmol/g、チッ素吸着比表面積が200m2/gのカーボンブラックを酸化処理することによって得られたもの)
アロマオイル:ジャパンエナジー社製のダイアナプロセスX140(アロマ系プロセスオイル)
化合物(1):アルドリッチ社製の1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(N1の電荷密度:0.155)
化合物(2):アルドリッチ社製の1−アセチルイミダゾール(N1の電荷密度:0.0477)
プロトン酸:和光純薬工業(株)製の安息香酸
フェノール誘導体:川口化学(株)製のアンテージW300(4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール))
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属工業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
SBR:旭化成(株)製のタフデン4850(スチレン含有量:39質量%、ゴム固形分100質量部に対してオイル分50質量部含有)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN110(N2SA:145m2/g)
自己分散性カーボンブラック(1):上記製造例1により得られた自己分散性カーボンブラック(1)(表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度:630μmol/g)
自己分散性カーボンブラック(2):上記製造例2により得られた自己分散性カーボンブラック(2)(表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度:80μmol/g)
自己分散性カーボンブラック(3):オリエント化学工業(株)製のSMP(表面カルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の合計濃度:900μmol/g、チッ素吸着比表面積が200m2/gのカーボンブラックを酸化処理することによって得られたもの)
アロマオイル:ジャパンエナジー社製のダイアナプロセスX140(アロマ系プロセスオイル)
化合物(1):アルドリッチ社製の1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(N1の電荷密度:0.155)
化合物(2):アルドリッチ社製の1−アセチルイミダゾール(N1の電荷密度:0.0477)
プロトン酸:和光純薬工業(株)製の安息香酸
フェノール誘導体:川口化学(株)製のアンテージW300(4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール))
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属工業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
なお、上記化合物(1)の電荷密度は、以下の条件により計算した。
計算ソフト:GAUSSIAN03
基底関数:6−31+G(d)
解析法:CHelpG
計算ソフト:GAUSSIAN03
基底関数:6−31+G(d)
解析法:CHelpG
実施例1〜6及び比較例1〜5
表1に示す配合内容に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、配合材料のうち、硫黄、加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫することで加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、170℃で12分間加硫することで試験用タイヤ(タイヤサイズ:215/45R17)を製造した。
表1に示す配合内容に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、配合材料のうち、硫黄、加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で3分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫することで加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせてタイヤに成形し、170℃で12分間加硫することで試験用タイヤ(タイヤサイズ:215/45R17)を製造した。
得られた加硫ゴム組成物、試験用タイヤを使用して、下記の評価を行った。それぞれの試験結果を表1に示す。
(グリップ性能)
グリップ性能は、上島製作所製フラットベルト式摩擦試験機(FR5010型)を用いて評価した。幅20mm、直径100mmの円筒形のゴム試験片(加硫ゴム組成物)を用い、速度20km/h、荷重4kgf、路面温度50℃で路面に対するサンプルのスリップ率を0〜70%まで変化させ、その際に検出される摩擦係数の中の最大値を読みとった。結果は、比較例4を100として指数表示した。指数が大きいほど、グリップ性能に優れることを示す。
グリップ性能は、上島製作所製フラットベルト式摩擦試験機(FR5010型)を用いて評価した。幅20mm、直径100mmの円筒形のゴム試験片(加硫ゴム組成物)を用い、速度20km/h、荷重4kgf、路面温度50℃で路面に対するサンプルのスリップ率を0〜70%まで変化させ、その際に検出される摩擦係数の中の最大値を読みとった。結果は、比較例4を100として指数表示した。指数が大きいほど、グリップ性能に優れることを示す。
(操縦安定性)
試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して、アスファルト路面のテストコースにて実車走行を行い、操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが5点満点で評価した。数値が大きいほど操縦安定性に優れることを示す。(5:良い、4:やや良い、3:普通、2:やや悪い、1:悪い)
試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して、アスファルト路面のテストコースにて実車走行を行い、操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが5点満点で評価した。数値が大きいほど操縦安定性に優れることを示す。(5:良い、4:やや良い、3:普通、2:やや悪い、1:悪い)
(耐摩耗性)
ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温、負荷荷重1.0kgf、スリップ率30%の条件下で、加硫ゴム組成物を3分間摩耗させて摩耗重量を測定し、その摩耗重量と比重から摩耗体積(以下、摩耗量という)を算出した。そして、比較例4の耐摩耗性指数を100とし、各配合の摩耗量を指数表示した。なお、耐摩耗性指数が大きいほど摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温、負荷荷重1.0kgf、スリップ率30%の条件下で、加硫ゴム組成物を3分間摩耗させて摩耗重量を測定し、その摩耗重量と比重から摩耗体積(以下、摩耗量という)を算出した。そして、比較例4の耐摩耗性指数を100とし、各配合の摩耗量を指数表示した。なお、耐摩耗性指数が大きいほど摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
上記式(I)で表されるイミダゾール類と、自己分散性カーボンブラックとを含む実施例では、グリップ性能を充分に向上でき、さらに耐摩耗性、操縦安定性も向上でき、グリップ性能、耐摩耗性、操縦安定性を両立できた。一方、上記式(I)で表されるイミダゾール類と、自己分散性カーボンブラックとを併用しない比較例では、実施例に比べて、性能が劣っていた。
Claims (9)
- 前記自己分散性カーボンブラックが、チッ素吸着比表面積が80〜280m2/gのカーボンブラックを酸化処理することによって得られたものである請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記自己分散性カーボンブラックが含酸素親水性官能基を有する請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記含酸素親水性官能基が、カルボキシル基及び/又はそのアルカリ金属塩である請求項3記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記イミダゾール類において、N1の電荷密度が正の値となる請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- ゴム成分100質量部に対して、前記イミダゾール類を0.1〜30質量部、前記自己分散性カーボンブラックを2〜200質量部含む請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- トレッドに使用される請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いた空気入りタイヤ。
- 高性能タイヤである請求項8記載の空気入りタイヤ。
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Cited By (4)
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JP2013241482A (ja) * | 2012-05-17 | 2013-12-05 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
WO2015059271A1 (fr) * | 2013-10-25 | 2015-04-30 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Composition de caoutchouc comprenant un élastomère diénique portant des fonctions imidazole reparties de façon aléatoire le long de la chaîne |
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-
2010
- 2010-10-07 JP JP2010227665A patent/JP2012082265A/ja active Pending
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FR3012460A1 (fr) * | 2013-10-25 | 2015-05-01 | Michelin & Cie | Composition de caoutchouc comprenant un elastomere dienique portant des fonctions imidazole reparties de facon aleatoire le long de la chaine |
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US10137734B2 (en) | 2013-10-25 | 2018-11-27 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Rubber composition comprising a 1,3-dipolar compound additive bearing an imidazole functional group |
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