JP5825671B2 - 水素吸蔵合金及びこの水素吸蔵合金を用いたニッケル水素二次電池 - Google Patents

水素吸蔵合金及びこの水素吸蔵合金を用いたニッケル水素二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、水素吸蔵合金及びこの水素吸蔵合金を用いたニッケル水素二次電池に関する。
ニッケル水素二次電池は、ニッケルカドミウム二次電池に比べて高容量で、且つ環境安全性にも優れているという点から、各種のポータブル機器やハイブリッド電気自動車等、さまざまな用途に使用されるようになっている。
このニッケル水素二次電池の負極に用いられる水素吸蔵合金としては、例えば、結晶構造がCaCu5型である希土類−Ni系水素吸蔵合金、即ち、LaNi5系水素吸蔵合金が一般的に使用されている。
しかし、この水素吸蔵合金は、水素吸蔵能力が必ずしも十分ではなく、この水素吸蔵合金を負極に用いたニッケル水素二次電池の場合、更なる高容量化が困難であった。このため、ニッケル水素二次電池の更なる高容量化を図るべく、水素吸蔵合金の水素吸蔵能力の向上が望まれていた。
そこで、水素吸蔵合金の水素吸蔵能力を向上させるべく種々の研究が行われ、近年においては、希土類−Ni系水素吸蔵合金に含有されている希土類元素の一部をMgで置換した希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金が開発された。この希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金は、従来の希土類−Ni系水素吸蔵合金に比べて高い水素吸蔵能力を示すことが見出されたことから、ニッケル水素二次電池の負極に用いることが提案されている。このような希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金を負極要素に用いたニッケル水素二次電池としては、例えば、特許文献1の二次電池が知られている。
特開平11−323469号公報
ところで、特許文献1の二次電池は、高容量化は図られているが、サイクル寿命が短いという問題を有している。
詳しくは、希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金は、Mgを多く含む場合、水素吸蔵量を多くできるものの、耐久性が低くなり水素の吸蔵・放出の繰り返しにともない合金が割れて微粉化しやすい。このように、合金が割れていくと反応性が高い割れ面が多数発生する。この場合、割れ面にて電池内の電解液と合金とが反応して合金が酸化され、合金は劣化する。それ故、水素の吸蔵量が減り、放電容量の低下を招く。しかも、割れ面での電解液と合金との反応は、電解液を消費させることから、電解液の減少を伴う。このことは、電池の内部抵抗を増加させる結果、放電を困難にし、放電容量の更なる低下を引き起す。
このように、希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金を負極に用いたニッケル水素二次電池では、充放電を繰り返していくと、放電容量の低下が起こりやすく、電池のサイクル寿命が短くなる。
そこで、希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金を負極に用いたニッケル水素二次電池のサイクル寿命を改善するため、希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金のMgの含有量を少なくして合金の耐久性を改良することが試みられてきた。しかしながら、Mgの含有量を減らすと水素吸蔵量が大幅に低下し、電池の高容量化が図れなくなってしまう。つまり、所要の水素吸蔵量を確保するには、Mgは一定量以上含有させる必要があった。
以上のように、希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金を負極に用いたニッケル水素二次電池では、高容量化を図るにはサイクル寿命特性をある程度犠牲にしなければならず、逆に、サイクル寿命特性を向上させるには高容量化をある程度犠牲にしなければならなかった。
本発明は、希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金を負極要素に備えたニッケル水素二次電池における上記のような問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、電池の高容量化及びサイクル寿命特性の向上の両立を図ることができる水素吸蔵合金及びこの水素吸蔵合金を用いたニッケル水素二次電池を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によれば、希土類−Mg−Ni系の水素吸蔵合金であって、Ce2Ni7型の結晶構造を有するとともに、次の一般式(I)にて表される組成を有し、
RE1-x-ySmxMgyNia-b Al b ・・・(I)
前記一般式(I)中、REは、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Sc及びYよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を表し、添字x、y、a、bは、それぞれ0.74≦x≦0.97、0.03≦y≦0.05、3.3≦a≦3.6、0<b≦0.30を満たす数を表すことを特徴とする水素吸蔵合金が提供される(請求項1)。
好ましくは、前記一般式(I)中、REの含有量1−x−yが、1−x−y=0の関係を満たす構成とする(請求項2)。
また、本発明によれば、請求項1又は2に記載の水素吸蔵合金を含む負極要素を備えることを特徴とするニッケル水素二次電池が提供される(請求項)。
本発明に係る水素吸蔵合金は、結晶構造がCe2Ni7型であり、一般式:RE1-x-ySmxMgyNia-b Al b (但し、式中、REは、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Sc及びYよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を表し、添字x、y、a、bは、それぞれ0.74≦x≦0.97、0.03≦y≦0.05、3.3≦a≦3.6、0<b≦0.30を満たす数を表す)にて表される組成を有する構成を備えており、この構成により、水素の吸蔵量が高められ、且つ、水素の吸蔵放出を繰り返した際の水素の吸蔵量低下を抑制することができる。また、この水素吸蔵合金を含む負極要素を備える本発明のニッケル水素二次電池は、高容量で、且つ、サイクル寿命特性に優れたものとなる。
開放型のニッケル水素二次電池の概略構成を示した断面図である。
本発明の一実施形態に係る水素吸蔵合金は、結晶構造がCe2Ni7型であり、次の一般式(I)にて表される組成を有する希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金である。
RE1-x-ySmxMgyNia-b Al b ・・・(I)
但し、前記一般式(I)中、REは、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Sc及びYよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を表し、添字x、y、aは、それぞれ0.74≦x≦0.97、0.03≦y≦0.05、3.3≦a≦3.6、0<b≦0.30を満たす数を表している。
ここで、Ce2Ni7型の結晶構造を有する水素吸蔵合金は、割れが生じ難く水素の吸蔵量が多い相と、割れが生じ易いが水素の吸蔵放出が安定している相が所定の比率で繰り返し積層されてなる積層構造をなしており、全体として割れにくいバランスのとれた構造となっている。よって、本発明に係る水素吸蔵合金は、水素の吸蔵放出を繰り返しても、割れ難くいため、合金が酸化されて劣化することを抑制することができる。
また、本発明に係る水素吸蔵合金は、希土類元素として少なくともSmを含んでいる。このSmは、Mgの量を従来必要とされていた一定量(最低含有量)以下に削減しても水素吸蔵量の減少を抑制する効果を奏する。つまり、本発明の水素吸蔵合金は、少なくともSmが含まれることにより、従来よりも少ないMg量で十分高い水素吸蔵量を確保することができる。また、Mg量を減らした分だけ水素吸蔵合金の耐久性の向上も図れる。このため、本発明の水素吸蔵合金を負極要素として採用したニッケル水素二次電池は、高容量化及びサイクル寿命特性の向上の両立が図れる。
本発明の水素吸蔵合金において、Smの含有量xが0.74より少ないとMgの含有量を低減させた際の水素吸蔵量の減少を抑制する効果が得難くなる。一方、Smの含有量xが0.97を超えると前記効果は飽和する。よって、Smの含有量xは、0.74以上、0.97以下とする。
また、Mgの含有量yが0.07を超えると合金の割れが生じ易く耐久性に劣る。また、Ce2Ni7型の結晶構造が得難くなる。一方、Mgの含有量yが0.03より少なくなると水素吸蔵量が減少し、電池の高容量化が図れなくなる。よって、Mgの含有量yは、0.03以上、0.07以下とする。
ここで、Smは、LaやNdなどの他の希土類元素に比べて原子半径が小さい。このように原子半径が比較的小さいSmの含有量を0.74以上とし、軽元素であるMgの含有量を減らしたことにより、本発明の水素吸蔵合金は、合金密度が比較的高くなる。このように合金密度が高い水素吸蔵合金は、合金密度の低い水素吸蔵合金と比べた場合、単位重量当たりの水素吸蔵量が同じであっても、単位体積当たりの水素吸蔵量が多くなる。このため、本発明の水素吸蔵合金は、体積が規定されている電池に採用した場合、斯かる電池の高容量化に特に有利である。
また、Smの原子半径が比較的小さいことに起因して、水素吸蔵合金の結晶格子中に形成される水素が吸蔵される隙間が比較的小さくなる。このように、水素が吸蔵される隙間が小さいと、水素は安定化せずにエネルギーが高い状態で吸蔵されているので、放出が容易である。このため、本発明の水素吸蔵合金は、比較的高い圧力で水素を放出することができる。つまり、本発明の水素吸蔵合金の水素平衡圧は高い。ここで、水素吸蔵合金の水素平衡圧は、電池の電圧と相関関係があるため、水素平衡圧が高い本発明の水素吸蔵合金を採用したニッケル水素二次電池では、電池電圧を高くすることができる。
本発明の水素吸蔵合金は、Sm以外の希土類元素も含むが、上記したように合金密度を高めるとともに、水素吸蔵量の増加と合金の耐久性の向上を図るにはSmを含むことが特に有効であることから、希土類元素としては、Smのみとし、それ以外の希土類元素を含まない構成とすることが好ましい。よって、一般式(I)において、REの含有量1−x−yが1−x−y=0の関係を満たすようにすることが好ましい。
次に、Niは、その含有量aが3.3より少なくても、3.6より多くてもCe2Ni7型の結晶構造を得ることができない。よって、Niの含有量aは、3.3以上、3.6以下とする。より好ましくは、Niの含有量aは、3.5とする。
また、Alは、水素吸蔵合金の耐久性を高める働きをするので、Niの一部をAlで置換する。REとSmとMgの原子数の和を1としたときに前記Alの置換量が0.30を超えると水素吸蔵量が減少する。このため、Alの置換量は、0.30以下とする
方、置換されたAlの含有量bについては、0<b≦0.30であり、より好ましくは、0.10≦b≦0.20とする。
更に、Ce2Ni7型の結晶構造を得ることができる範囲であれば、他の元素によってNiの一部を置換してもよい。前記他の元素としては、具体的には、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ga、Zn、Sn、In、Cu、Si、P及びBのうちの少なくとも1種が挙げられる。これら元素の置換量は、REとSmとMgの原子数の和を1としたときに0.0以上、0.3以下である。
次に、本発明の水素吸蔵合金は、例えば以下のようにして得られる。
まず、所定の組成となるよう金属原材料を秤量して混合し、この混合物を例えば高周波誘導溶解炉で溶解したのち冷却してインゴットにする。得られたインゴットに対し、不活性ガス雰囲気下にて900〜1200℃に加熱し5〜24時間保持する熱処理を施すことにより本発明の水素吸蔵合金が得られる。この後、前記インゴットを粉砕し、篩分けにより所望粒径に分級して、水素吸蔵合金粒子とする。
(1)水素吸蔵合金電極(負極)の作製及びこの負極を用いたニッケル水素二次電池の作製
参考例1
La、Sm、Mg、Ni及びAlを所定の組成となるように秤量して混合し、得られた混合物をアルゴンガス雰囲気中で高周波誘導溶解炉にて溶解し、溶湯を鋳型に流し込み、室温まで冷却して水素吸蔵合金のインゴットを得た。
そして、この水素吸蔵合金のインゴットに対し、アルゴンガス雰囲気中において1000℃に加熱し10時間保持する熱処理を施した。
ついで、熱処理後のインゴットをアルゴンガス雰囲気下で機械的に粉砕することにより、平均粒径が60μmである希土類−Mg−Ni系の水素吸蔵合金粉末を得た。
得られた水素吸蔵合金粉末1重量部と、導電剤として平均粒径2.5μmのニッケル粉末3重量部とを混合し、得られた混合物を加圧成型して1gのペレット状の水素吸蔵合金負極14を作製した。
次に、水素吸蔵合金の電気化学容量(合金容量)を測定するために、図1に示す開放型の液リッチなニッケル水素二次電池10を作製した。なお、このニッケル水素二次電池10は、負極容量規制である。また、図1から明らかなように、このニッケル水素二次電池10は、ポリプロピレン製の容器12を備えており、この容器12内に上記したようにして得られた水素吸蔵合金の負極14と、この負極14近傍の位置に酸化水銀電極からなる参照極16とを配置した。更に、これら負極14及び参照極16を囲むようにして筒形状をなす正極18を配置した。この正極18は、負極14に対して十分大きな容量を有する焼結式ニッケル正極からなる。そして、これら負極14、参照極16、正極18が完全に浸かるように7NのKOH溶液からなるアルカリ電解液20を容器12内に注入し、開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。なお、図1中の参照符号22、24、26は、負極14、参照極16、正極18それぞれに接続されたリードを表し、これらリード22、24、26は、図示しない充電用電源、測定機器等に接続されている。
参考例2
Laを含まないこと及びSmの量を変更したこと以外は参考例1と同様にして水素吸蔵合金負極を作製した。そして、このようにして得られた負極を用いたこと以外は、参考例1と同様にして開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。
実施例
Sm及びMgの量を変更したこと以外は参考例2と同様にして水素吸蔵合金負極を作製した。そして、このようにして得られた負極を用いたこと以外は、参考例1と同様にして開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。
実施例
La、Sm及びMgの量を変更したこと以外は参考例1と同様にして水素吸蔵合金負極を作製した。そして、このようにして得られた負極を用いたこと以外は、参考例1と同様にして開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。
実施例
Alの置換量及びNiの量を変更したこと以外は実施例と同様にして水素吸蔵合金負極を作製した。そして、このようにして得られた負極を用いたこと以外は、参考例1と同様にして開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。
実施例
Alの置換量及びNiの量を変更したこと以外は実施例と同様にして水素吸蔵合金負極を作製した。そして、このようにして得られた負極を用いたこと以外は、参考例1と同様にして開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。
実施例
Sm及びMgの量を変更したこと以外は参考例2と同様にして水素吸蔵合金負極を作製した。そして、このようにして得られた負極を用いたこと以外は、参考例1と同様にして開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。
実施例
La、Sm及びMgの量を変更したこと以外は参考例1と同様にして水素吸蔵合金負極を作製した。そして、このようにして得られた負極を用いたこと以外は、参考例1と同様にして開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。
比較例1
Sm及びMgの量を変更したこと以外は参考例2と同様にして水素吸蔵合金負極を作製した。そして、このようにして得られた負極を用いたこと以外は、参考例1と同様にして開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。
比較例2
La、Sm及びMgの量を変更したこと以外は参考例1と同様にして水素吸蔵合金負極を作製した。そして、このようにして得られた負極を用いたこと以外は、参考例1と同様にして開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。
比較例3
La、Sm及びMgの量を変更したこと以外は参考例1と同様にして水素吸蔵合金負極を作製した。そして、このようにして得られた負極を用いたこと以外は、参考例1と同様にして開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。
比較例4
La、Sm及びMgの量を変更したこと以外は参考例1と同様にして水素吸蔵合金負極を作製した。そして、このようにして得られた負極を用いたこと以外は、参考例1と同様にして開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。
比較例5
La、Sm及びMgの量を変更したこと以外は参考例1と同様にして水素吸蔵合金負極を作製した。そして、このようにして得られた負極を用いたこと以外は、参考例1と同様にして開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。
比較例6
Mgを含まず、Smの量を変更したこと以外は参考例2と同様にして水素吸蔵合金負極を作製した。そして、このようにして得られた負極を用いたこと以外は、参考例1と同様にして開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。
比較例7
La、Sm、Mg及びNiの量並びにAlの置換量を変更したこと以外は参考例1と同様にして水素吸蔵合金負極を作製した。そして、このようにして得られた負極を用いたこと以外は、参考例1と同様にして開放型のニッケル水素二次電池10を作製した。
(2)水素吸蔵合金の評価
(i)組成分析
各参考例、各実施例及び各比較例における熱処理後の水素吸蔵合金インゴットから組成分析用の試料を予め採取しておき、この試料に対し高周波プラズマ分光分析法(ICP)による組成分析を行った。その結果を水素吸蔵合金の組成として表1に示した。また、水素吸蔵合金中のMg含有量y及びSm含有量xも併せて表1に示した。
(ii)結晶構造の分析
各参考例、各実施例及び各比較例の水素吸蔵合金粉末から予め結晶構造分析用の試料を採取しておき、この試料に対してX線回折測定(XRD測定)を行った。その結果、各参考例、各実施例及び各比較例の水素吸蔵合金の結晶構造は、全てCe2Ni7型であった。
(iii)合金密度の測定
各参考例、各実施例及び各比較例における熱処理後の水素吸蔵合金インゴットから合金密度測定用の試料を予め採取しておき、この試料に対して乾式法による密度測定を行った。測定結果を真密度として表1に示した。ここで、Laを多く含み、軽元素のMgが多いほど低密度になることを確認した。
(iv)水素平衡圧の測定
各参考例、各実施例及び各比較例の水素吸蔵合金粉末から予め水素平衡圧の測定用の試料を採取しておき、この試料に対してPCT(Pressure−Composition−Temperature:圧力−組成−等温)特性を測定することにより水素平衡圧を求めた。詳しくは、ジーベルツ型の水素化特性評価装置の試料室に前記試料をセットし、80℃で排気した後、80℃の雰囲気下で水素ガスを1.0MPaの圧力で印加し、その後室温まで冷却する操作を行って活性化を行った。次いで、試料室を排気した後80℃の雰囲気下で試料に加わる水素ガス圧を1.0MPaまで変化させ、平衡圧力を測定するとともにガスの体積と圧力変化から水素吸蔵量を求めた。ここで、水素吸蔵量は、被吸蔵水素の原子数と合金構成金属の原子数の比を表すH/M値で表される。そして、80℃の雰囲気下でのH/M=0.4における水素平衡圧を各参考例、各実施例及び各比較例の水素吸蔵合金につき確認した。その結果、Laを多く含む合金ほど水素平衡圧が低下する傾向が認められた。また、いずれの参考例及び実施例においてもMg量が少ないにもかかわらず、十分高い水素平衡圧を得ていた。水素平衡圧は、ニッケル水素二次電池の電池電圧と相関関係があるので、参考例及び実施例に係る水素吸蔵合金を用いた電池の電池電圧は十分高い値となると考えられる。
(3)ニッケル水素二次電池の評価
(i)得られた開放型の負極容量規制のニッケル水素二次電池10に対し、温度25℃において、水素吸蔵合金1gに対して300mAの電流で170分間充電し、その後10分間休止したのち、充電時と同じ電流で参照極16(酸化水銀電極)に対する負極14の電圧が−0.7Vになるまで放電し、その後10分間休止することを1サイクルとする操作を40回繰り返し行った。そして、各サイクル毎の放電容量を測定し、この測定値から水素吸蔵合金1g当たりの放電容量を求め、これをサイクル容量とした。ここで、全サイクル容量のうちの最大値である最大容量を水素吸蔵合金1g当たりに換算して合金容量として表1に示した。
(ii)また、合金の真密度及び単位重量当たりの合金容量から水素吸蔵合金の1cm3当たりの合金容量を求め、これを単位体積当たりの合金容量として表1に示した。
(iii)更に、40サイクル目のサイクル容量を40サイクル容量とした。そして、以下の(III)式で示される最大容量に対する40サイクル容量の比(容量維持率)を求めた。その結果を40サイクル後の容量維持率として表1に示した。
40サイクル後の容量維持率(%)=(40サイクル容量/最大容量)×100・・・(III)
Figure 0005825671
(4)表1より次のことが明らかである。
(i)参考例1、2、実施例1〜6の水素吸蔵合金を用いた電池は、合金容量及び40サイクル後の容量維持率がともに高い値を示している。具体的には、単位重量当たりの合金容量が323mAh/g以上、単位体積当たりの合金容量が2.80A/cm3以上、40サイクル後の容量維持率が95.5%以上といった特性を兼ね備えている。このことから、参考例1、2、実施例1〜6の水素吸蔵合金は、水素吸蔵量が多く、しかも、水素の吸蔵放出を繰り返しても水素の吸蔵量を高い値で維持できているといえる。つまり、本発明の水素吸蔵合金は、ニッケル水素二次電池に使用した場合、電池の高容量化及びサイクル寿命特性の向上の両立を図ることができる優れた特性を有しているといえる。
これは、参考例1、2、実施例1〜6の水素吸蔵合金は、希土類元素としてSmを含み、このSmの含有量xが0.74以上、0.97以下の範囲であるため、Mgの含有量yを0.03以上、0.07以下といった従来よりも少ない範囲に設定しても水素の吸蔵量を増加させることができているためと考えられる。しかも、Mgを従来よりも減らしたことにより耐久性の向上も併せて発揮されるので、サイクル数が進んでも水素の放出量を高く維持できているためと考えられる。その結果、電池の容量を高く維持でき、しかもサイクル寿命を延ばすことができたものと考えられる。
(ii)比較例1及び比較例5の水素吸蔵合金を用いた電池においては、合金容量及び40サイクル後の容量維持率のうちどちらか一方が低い値を示している。
これは、Smの含有量及びMgの含有量のどちらか一方が本発明の規定する範囲内にあっても、他方が本発明の規定する範囲を外れていた場合、電池の高容量化及びサイクル寿命特性の向上の両立が困難であることを示している。
(iii)比較例2及び比較例3の水素吸蔵合金を用いた電池においては、合金容量は比較的高い値を示しているが、40サイクル後の容量維持率が低い値を示している。
これは、Mgの含有量が従来程度に多く含まれているので、水素吸蔵量は高められているが、合金の耐久性が低下しているためと考えられる。
(iv)比較例4は、単位体積当たりの合金容量が比較的低く、40サイクル後の容量維持率が比較的高い値を示している。
これは、Mgの含有量が比較例2及び3よりは少ないので、サイクル寿命は改善されているが、Smの含有量が本発明の範囲よりも少ないので、水素吸蔵量を増やす効果が十分発揮されていないためと考えられる。
(v)比較例6は、単位重量当たりの合金容量、単位体積当たりの合金容量及び40サイクル後の容量維持率の全てが比較的低い値となっている。
これは、Mgを全く含ませずに、Smのみ多量に含有させても所要の合金容量及びサイクル寿命特性は得られないことを示している。つまり、Sm単独では、電池の高容量化及びサイクル寿命特性の向上の両立は困難であることを示している。よって、SmはMgとの組合せで優れた効果を奏すると考えられる。
(vi)比較例7は、単位重量当たりの合金容量及び単位体積当たりの合金容量は比較的高い値を示しているが、40サイクル後の容量維持率が比較的低い値となっている。
これは、Mgの含有量が比較的多いので、合金容量は高められているが耐久性が低下したためと考えられる。一方、希土類元素として、Smを少なくしLaを多く含んでいるが、この構成では、サイクル寿命を延ばすことができないことを示している。
(vii)以上より、比較例1〜7の水素吸蔵合金を用いた電池においては、単位重量当たり及び単位体積当たりの合金容量と、40サイクル後の容量維持率とがともに高い値を示すものは存在していない。
これは、希土類元素としてSmの含有量及びMgの含有量の一方又は両方が本発明で規定した範囲を外れると、得られる水素吸蔵合金は、水素吸蔵量を増やすことができないか、合金の耐久性が劣化してしまい、得られるニッケル水素二次電池としては、高容量化及びサイクル寿命特性の向上の両立が困難になることを示している。
このことからも、本発明の水素吸蔵合金のように、Smの含有量xが0.74以上、0.97以下の範囲を満たし、Mgの含有量yが0.03以上、0.07以下の範囲を満たす構成とすることが、ニッケル水素二次電池の高容量化及びサイクル寿命特性の向上の両立を図る上で有効であることがわかる。
なお、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明に係る水素吸蔵合金を含む負極要素を用いるニッケル水素二次電池としては、上記した開放型のニッケル水素二次電池に限られるものではなく、密閉型のニッケル水素二次電池に用いても構わない。
10 開放型のニッケル水素二次電池
12 容器
14 負極
16 参照極
18 正極
20 アルカリ電解液
22、24、26 リード

Claims (3)

  1. 希土類−Mg−Ni系の水素吸蔵合金であって、
    Ce2Ni7型の結晶構造を有するとともに、
    次の一般式(I)にて表される組成を有し、
    RE1-x-ySmxMgyNia-b Al b ・・・(I)
    前記一般式(I)中、
    REは、La,Ce,Pr,Nd,Pm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Sc及びYよりなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を表し、
    添字x、y、a、bは、それぞれ0.74≦x≦0.97、0.03≦y≦0.05、3.3≦a≦3.6、0<b≦0.30を満たす数を表す
    ことを特徴とする水素吸蔵合金。
  2. 前記一般式(I)中、REの含有量1−x−yが、
    1−x−y=0
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の水素吸蔵合金。
  3. 請求項1又は2に記載の水素吸蔵合金を含む負極要素を備えることを特徴とするニッケル水素二次電池。
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