JP5824689B1 - 輻射ヒーター - Google Patents

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Abstract

【課題】石英ガラス管等の透明管を用いたヒーターは、透明管であるが故に熱輻射が透過するので、反射板機能の付加が可能となっている。その反射板機能により管内の発熱体から発せられる熱輻射が、所定方向に反射して透明管を透過し、被加熱物方向への加熱効率を高めている。これに対し、不透明な素材で構成された管状ヒーターを用いるため、透明管ヒーターのように反射板機能を有せず、その管状ヒーターの要加熱方向側の表面からの輻射束を増大して、高い加熱効率を持つ輻射ヒーターを提供する。【解決手段】不透明な素材で構成された管状ヒーターの管表面1の一部に対して、その管表面の輻射率より低い輻射率の帯状の素材で低被覆面2を形成することにより、要加熱方向側の管表面からの輻射束を増大させて、加熱効率を向上させた熱輻射の指向性を有する輻射ヒーターとした。【選択図】図1

Description

本発明は、熱輻射(赤外線)による加熱方法としての電気輻射ヒーターに関するものである。
熱輻射による加熱を特徴とした電気輻射ヒーターには、赤外線ランプ、ハロゲンヒーター、カーボンヒーター、石英管ヒーター、透光性アルミナ管ヒーター、遠赤外線ヒーター、セラミックスヒーター、シースヒーター等々があり、一般的には反射板を併用して、効率的な熱輻射による加熱を行っている。
しかしながら、反射板を併用した加熱器においては、反射板及びその組み付け部品の調達とその組み付け作業が必要であり、さらには使用中における反射板への汚れの付着が反射率の低下をきたすことになり、反射板の清掃が欠かせない煩雑作業となる。また、加熱器の構造によっては、反射板の使用が困難な場合もある。このようなことから反射板の装着なしでそれと同等に近い加熱効率の得られる輻射ヒーターの開発が要望されている。
特開平07−288175 特開平2011−177926 特許番号4939961
書籍「真空ハンドブック」p.133〜134(日本真空技術株式会社編、株式会社オーム社発行、平成4年11月30日)
電熱線やタングステンフィラメント、グラファイト(カーボン)、炭化ケイ素等の抵抗発熱体からの熱輻射を透過させる透明管(石英ガラス管、あるいは透光性アルミナ管等)を用いたヒーターは、その透明な管の内面側、あるいは外面側に金属やセラミックス等の反射物質をコーティング処理、あるいは二重管にして管内に反射板を取り付ける等で、反射板の機能を付加しており、その透明管を用いたヒーターには、ハロゲンヒーターやカーボンヒーター等がある。
特許文献1は、石英ガラスなどの管状外囲器の内表面、あるいは外表面にその円周方向の一部を除いてアルミニウム蒸着膜などの赤外線反射層を設けて、タングステンフィラメントから放射される赤外線をその反射層で反射する赤外線ヒーターである。インクジェットプリンターのインク乾燥用向けの加熱用ヒーターとして開発されている。
特許文献2は、特許文献1の石英管においてアルミニウム蒸着膜の代わりにアルミナとシリカを主成分とするセラミックス材をホワイトコートして、タングステンフィラメントから照射される近赤外線を反射させる方法である。そのホワイトコート開口部の開口角を120°±10°に設定規制し、一定レベル以上の加熱効率のアップを得ることで、ポリエチレンテレフタレート樹脂製プリフォームを壜体状に2軸延伸ブロー成形する際に用いる近赤外線ヒーターが開示されている。
特許文献3は、ガラス管の内管に炭素質発熱体をアルゴンガス等の不活性ガスと共に内管に封入し、炭素質発熱体から発生する遠赤外線放射熱を所定の方向へ向けて放射させる反射板を外管内で内管の外側に設け、装着された反射板が汚れないように二重管にした赤外線ヒーターを開示している。業務用調理器のフライヤーやゆで麺機等の用途向けに開発しており、熱い油や温水の中に浸漬されるため、「熱輻射・熱伝導熱・対流熱伝達」の「伝熱の3形態」の伝熱作用が働き、ヒーター表面からの伝熱が大きいのが特徴である。
特許文献1から特許文献3に係る透明管を用いたヒーターは、透明管であるが故に熱輻射が透過するので、反射板機能の付加が可能となっている。反射板機能により管内の発熱体から発せられる熱輻射が、所定方向に反射して透明管を透過し、被加熱物(加熱対象物)方向への加熱効率を高めている。
これに対し、本発明に係る輻射ヒーターは、特許文献1から特許文献3に係る透明管を用いたヒーターのように反射板機能を有せず、不透明な素材で構成された管状(チューブ状)ヒーターの被加熱物に対向する側の表面からの輻射束を増大させて、高い加熱効率を持つ輻射ヒーターを提供することを目的としている。尚、輻射束とは、単位時間当たりに放出、伝熱、または入射する輻射エネルギーのことであり、[W]の単位で表示される。
上述した目的を達成するために、本発明に係る輻射ヒーターは、不透明な素材で構成された管状ヒーター表面に、管外周に輻射率の異なる素材を被覆し、被覆表面と未被覆表面、あるいは異なる被覆面同士からの輻射発散度の差により、図1から図3に示すような熱輻射の必要な加熱方向(以下、「要加熱方向」と称することがある)F 側への加熱効率の向上を図るものである。尚、輻射発散度とは、単位面積当たりに発散される輻射束であり、[W/cm]の単位で表示される。
図1に示すように、本発明に係る輻射ヒーター(以下、単に「輻射ヒーター」と称することがある)は、不透明な素材で構成された管状ヒーターの管表面1の熱輻射の不要な方向(以下、「非加熱方向」と称することがある)B側の表面からの輻射束を抑制するために、ヒーターの管外周の一部に対して、非加熱方向B側を中心に、管長の軸方向に沿い全長に渡って、管表面1の輻射率より低い輻射率の帯状の素材を以って、輻射率の低い素材からなる被覆面(以下、「低被覆面」と称することがある)2を形成した輻射ヒーターである。その低被覆面2からの輻射発散度を抑制することで、ヒーターの表面温度の上昇を図り、要加熱方向F側の表面からの輻射束を増大させて、要加熱方向F側への加熱効率を向上させることができる。
また、図2に示すように、輻射ヒーターは、不透明な素材で構成された管状ヒーターの管外周の一部に対して、要加熱方向F側を中心に、管長の軸方向に沿い全長に渡って、管表面1の輻射率より高い輻射率の帯状の素材を以って、輻射率の高い素材からなる被覆面(以下、「高被覆面」と称することがある)5を形成した輻射ヒーターである。その高被覆面5から要加熱方向F側への輻射束を増大させて、加熱効率を向上させることができる。
さらに、図3に示すように、輻射ヒーターは、不透明な素材で構成された管状ヒーターの管表面1の非加熱方向B側の表面からの輻射発散度を抑制するために、ヒーターの管外周の一部に対して、非加熱方向B側を中心に、管長の軸方向に沿い全長に渡って、管表面1の輻射率より低い輻射率の帯状の素材を以って、低被覆面2を形成し、その管状ヒーターの未被覆面の一部、あるいは全部に対して、要加熱方向F側を中心に、管長の軸方向に沿い全長に渡って、管表面1の輻射率より高い輻射率の帯状の素材を以って、高被覆面5を形成した輻射ヒーターであり、未被覆面が残る場合もある。管状ヒーターに低被覆面2及び高被覆面5を形成することによって、低被覆面2からの輻射発散度が抑制され、輻射ヒーターの高被覆面5側からの輻射発散度は増大し、要加熱方向F側への加熱効率を向上させることができる。
輻射率の低い素材及び輻射率の高い素材の詳細は、前記非特許文献1に記載のものがあげられ、非特許文献1における「放射率」を本発明では、「輻射率」と表記する。また、低被覆面2及び高被覆面5を形成する方法には、めっき、塗布、溶射、真空蒸着等によるコーティング処理、あるいは単体の被覆材で被覆する方法等がある。
本発明では、次に列挙する効果が得られる。
(1)本発明に係る輻射ヒーターは、ヒーターの低被覆面2側からの輻射発散度を抑制し、輻射ヒーターの表面温度を上昇させ、輻射率の高い素材である管表面1側からの輻射発散度を増大させて、要加熱方向F側への加熱効率の向上ができる。
(2)本発明に係る輻射ヒーターは、ヒーターの高被覆面5側からの輻射発散度を増大させて、要加熱方向F側への加熱効率の向上ができる。
(3)前記(1)の輻射ヒーターに対して、ヒーターの管表面1の未被覆面に高被覆面5を形成し、あるいは前記(2)の輻射ヒーターに対して、ヒーターの管表面1の未被覆面に低被覆面2を形成することで、高被覆面5側からの輻射発散度は増大し、要加熱方向F側への加熱効率の向上ができる。
(4)前記(1)から(3)において、要加熱方向F側への加熱効率の向上できることから、被覆前のヒーターと同じ加熱効率にした場合、輻射ヒーターの消費電力の削減ができる。
本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーターの正面図(a)及びその拡大断面図(b)である。 本発明の第2実施形態に係る輻射ヒーターの正面図(a)及びその拡大断面図(b)である。 本発明の第3実施形態に係る輻射ヒーターの正面図(a)及びその拡大断面図(b)である。 本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーターにおいて、低被覆面幅の割合Abと要加熱方向F側への加熱効率の向上率Kの理論数値曲線である。 本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーターを適用した調理用下火焼き器の平 面図(a)及び正面断面図(b)である。 従来のヒーターを適用した調理用加熱装置(a)及び本発明の第1実施形態 に係る輻射ヒーターを適用した調理用加熱装置(b)を比較した図である。
以下、本発明に係る輻射ヒーターを図に基づいて説明する。
本発明において、適用できるヒーターは、炭化ケイ素等の抵抗発熱体及び遠赤外線ヒーター、セラミックスヒーター、シースヒーター等の不透明な素材で構成された管状、あるいは棒状のものを指し、図1から図3に示されているようなヒーター断面が、円形状以外であっても構わず、また軸方向に沿った直線形状以外でも適用できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーターの正面図(a)及びその拡大断面図(b)である。輻射ヒーターは、両端に碍子3、端子4を備え、不透明な素材で構成された管状ヒーターの管外周の一部に対して、非加熱方向B側を中心に、管長の軸方向に沿い全長に渡って、その管表面1の素材の輻射率よりも低い輻射率の帯状の素材を以って、低被覆面2を形成し、その低被覆面2からの輻射発散度を抑制することで、ヒーターの表面温度の上昇を図り、要加熱方向F側の表面から輻射束を増大させて、要加熱方向F側への加熱効率を向上させた熱輻射の指向性を有する第1実施形態に係る輻射ヒーターである。
輻射率の低い素材の詳細は、前記非特許文献1に記載のものがあげられるが、ヒーターの管表面1の輻射率より低い値のものであれば使用することが可能であり、管表面1と低被覆面2との輻射率の差が大きいほど、輻射ヒーターの表面温度が高くなり、要加熱方向F側の表面から輻射束は増大し、要加熱方向F側への加熱効率は向上する。
純金の研磨面の輻射率は0.035と極めて低い輻射率であり、大気中における表面酸化がなく、その輻射率を維持するため、輻射率の低い素材として最適である。ステンレスSUS316酸化面の輻射率は0.3と、輻射率の低い素材である。
輻射ヒーターの管外周に対する低被覆面2の幅の割合(以下、「低被覆面幅の割合」と称することがある)Abは、少しであっても加熱効率は向上し、被加熱物との位置や距離等の使用条件を勘案して、低被覆面幅の割合Abの割合を決める。例えば、輻射ヒーターの上側半外周を要加熱方向F側、下側半外周を非加熱方向B側と仮定した場合に、低被覆面幅の割合Abは、50%で要加熱方向F側への加熱効率が最大となるが、要加熱方向F側への指向性をより持たせるには、低被覆面幅の割合Abが50%より大きくすることが良い。
図2は、本発明の第2実施形態に係る輻射ヒーターの正面図(a)及びその拡大断面図(b)である。輻射ヒーターは、両端に碍子3、端子4を備え、不透明な素材で構成された管状ヒーターの管外周の一部に対して、要加熱方向F側を中心に、管長の軸方向に沿い全長に渡って、管表面1の輻射率より高い輻射率の帯状の素材を以って、輻射率の高い素材からなる高被覆面5を形成し、その高被覆面5から要加熱方向F側への輻射束を増大させて、加熱効率を向上した熱輻射の指向性を有する第2実施形態に係る輻射ヒーターである。
輻射率の高い素材の詳細は、前記非特許文献1に記載のものがあげられるが、ヒーターの管表面1の輻射率より高い値の素材であれば使用することが可能であり、管表面1と高被覆面5との輻射率の差が大きいほど、要加熱方向F側の表面から輻射束は増大し、要加熱方向F側への加熱効率が向上する。
輻射率の高い素材には、セラミックスや金属酸化物等があり、ジルコンの輻射率は0.8と輻射率の高い素材である。また、アルミナの輻射率は0.5、アルミナシリカ(ムライト)の輻射率は0.61である。
輻射ヒーターの管外周に対する高被覆面5の幅の割合(以下、「高被覆面幅の割合」と称することがある)Afは、少しであっても加熱効率は向上し、被加熱物との位置や距離等の使用条件を勘案して管外周に対する高被覆面幅の割合Afを決める。例えば、輻射ヒーターの上側半外周を要加熱方向F側、下側半外周を非加熱方向B側と仮定した場合に、高被覆面幅の割合Afは、50%で要加熱方向F側への加熱効率が最大となるが、要加熱方向F側への指向性をより持たせるには、高被覆面幅の割合Afは50%より小さくすることが良い。
図3は、本発明の第3実施形態に係る輻射ヒーターの正面図(a)及びその拡大断面図(b)である。輻射ヒーターは、両端に碍子3、端子4を備え、不透明な素材で構成された管状ヒーターの管表面1の非加熱方向B側の表面からの輻射束を抑制するために、ヒーターの管外周の一部に対して、非要加熱方向B側を中心に、管長の軸方向に沿い全長に渡って、管表面1の輻射率より低い輻射率の帯状の素材を以って、低被覆面2を形成し、その管状ヒーターの未被覆面の一部、あるいは全部に対して、要加熱方向F側を中心に、管長の軸方向に沿い全長に渡って、管表面1の輻射率より高い輻射率の帯状の素材を以って、高被覆面5を形成したものである。管状ヒーターに低被覆面2及び高被覆面5を形成することによって、低被覆面2からの輻射発散度が抑制され、輻射ヒーターの高被覆面5側からの輻射発散度は増大し、要加熱方向F側への加熱効率を向上させた熱輻射の指向性を有する第3実施形態に係る輻射ヒーターである。
低被覆面2及び高被覆面5を各々形成する素材の輻射率に関しては、前記非特許文献1に記載のものがあげられ、被覆する素材の輻射率の高低は、管表面1、低被覆面2及び高被覆面5の素材相互間で相対的に決まるものであり、その素材についても制限の無いことは勿論である。
輻射ヒーターの管外周に対する低被覆面幅の割合Ab及び高被覆面幅の割合Afは、少しであっても加熱効率は向上し、被加熱物との位置や距離等の使用条件を勘案して、低被覆面幅の割合Ab及び高被覆面幅の割合Afを決める。例えば、輻射ヒーターの上側半外周を要加熱方向F側、下側半外周を非加熱方向B側と仮定した場合に、低被覆面幅の割合Ab、あるいは高被覆面幅の割合Afは、50%で要加熱方向F側への加熱効率が最大となり、要加熱方向F側への指向性をより高めるには、低被覆面幅の割合Abは、50%より大きく、高被覆面幅の割合Afは、50%より小さくすることが良い。
以上、本発明に係る輻射ヒーターは、ヒーターの管表面1と、低被覆面2、あるいは高被覆面5との輻射率の差が大きいほど、輻射率の高い素材の表面側からの輻射発散度は増大し、加熱効率の向上が図られる。また、低被覆面2及び高被覆面5を形成する方法には、めっき、塗布、溶射、真空蒸着等によるコーティング処理、あるいは単体の被覆材で被覆する方法等がある。
[本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーターにおける低被覆面幅の割合Abと要加熱方向F側への加熱効率の向上率Kの理論数値曲線]
図4は、本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーターの投入電力が全て熱輻射として利用され、かつ上側半外周を要加熱方向F側、下側半外周を非加熱方向B側と仮定した場合における、低被覆面幅の割合Abと要加熱方向F側への加熱効率の向上率Kの理論数値曲線である。尚、管表面1の輻射率εを0.8とし、低被覆面2の輻射率εを0.035から0.7まで変化させている。
本発明の中で示す輻射ヒーターの加熱効率Hβとは、輻射ヒーターの要加熱方向F側への輻射束ΦβFを全輻射束Φで除した数値(Hβ=ΦβF/Φ)である。また、被覆前のヒーターの加熱効率Hαとは、被覆前のヒーターの要加熱方向F側への輻射束ΦαFを全輻射束Φで除した数値(Hα=ΦαF/Φ)である。
また、本発明の中で示す要加熱方向F側への加熱効率の向上率Kとは、被覆後の輻射ヒーターの加熱効率Hβを被覆前のヒーターの加熱効率Hαで除した数値(K=Hβ/Hα)である。
輻射ヒーターの低被覆面幅の割合Abを50%とした場合が、要加熱方向F側に対する加熱効率の向上率Kは最大になる。E1曲線は、E2曲線からE4曲線と比較して、低被覆面2の輻射率εと管表面1の輻射率εの比(ε/ε)が0.044と小さく、低被覆面2が少しであっても加熱効率は向上し、低被覆面幅の割合Abが50%で要加熱方向F側への加熱効率の向上率Kの理論数値は、1.92になる。
E2曲線は、輻射率の比(ε/ε)が0.375であり、低被覆面幅の割合Abが50%で、要加熱方向F側への加熱効率の向上率Kの理論数値は、1.45と高く、低被覆面幅の割合Abが20%から90%の範囲で、その向上率Kの理論数値は、1.1以上ある。
E3曲線は、輻射率の比(ε/ε)が0.7であり、低被覆面幅の割合Abが50%で、要加熱方向F側への加熱効率の向上率Kの理論数値は、1.18であり、低被覆面幅の割合Abが30%から70%の範囲で、その向上率Kの理論数値が1.1以上ある。輻射率の比(ε/ε)が大きくなるほど、その向上率Kは低くなる。
E4曲線は、輻射率の比(ε/ε)が0.875であり、低被覆面幅の割合Abが50%で、要加熱方向F側への加熱効率の向上率Kの理論数値は、1.07であり、輻射率の比(ε/ε)が0.82よりも大きいと、その向上率Kの理論数値は1.1を越えず、消費電力の削減率も小さくなる。
以下、本発明の実施例を図と表と数に基づいて説明する。
管外径が26mm、長さが340mmで輻射率0.8のセラミックス管を用い、管長の軸方向に沿い全長に渡って、その管外周に対する低被覆面幅の割合Abが50%で輻射率0.035の金蒸着膜を帯状に形成し、両端に碍子、端子を備え、電気抵抗値が9.5Ωの電熱線が組み込まれた全長430mmの第1実施形態に係る輻射ヒーターの金被覆セラミックスヒーターを製作した。
[実施例1の試験結果1]
表1は、輻射率0.8の無処理のセラミックスヒーターと、実施例1に示す金被覆セラミックスヒーターにおいて、消費電力を変化させた時のヒーター表面温度の変化を実測した結果である。尚、無処理のセラミックスヒーターは、金被覆セラミックスヒーターと金被覆以外は、同一仕様のヒーターである。
Figure 0005824689
表1の結果より、金被覆セラミックスヒーターの表面温度は、消費電力550Wで596℃であり、無処理のセラミックスヒーターの消費電力900Wの時の表面温度と同じとなり、数1より消費電力の削減率が求められる。
Figure 0005824689
数1の計算の結果から、金被覆セラミックスヒーターは、無処理のセラミックスヒーターと比較して、約4割の消費電力が削減できたことになる。
表1より消費電力900Wにおける比較で、無処理のセラミックスヒーターの表面温度よりも、金被覆セラミックスヒーターの表面温度は111℃上昇している。輻射束は、素材表面の絶対温度の4乗に比例して増大するので、金被覆セラミックスヒーターの要加熱方向F側への加熱効率の向上率Kは、1.62に増大したことになる。尚、図4のE1曲線より要加熱方向F側への加熱効率の向上率Kの理論数値は、1.92である。
[実施例1の試験結果2]
表2は、実施例1の金被覆セラミックスヒーター及び無処理のセラミックスヒーターを用いて、ビーカー内の水に対する加熱効果を調べた試験結果である。試験の操作方法は、水道水400mlを入れた1■ビーカーを、金被覆セラミックスヒーター及び無処理のセラミックスヒーターで加熱し、30℃から40℃までの昇温に要した時間を測定したものである。
Figure 0005824689
表2の結果から、金被覆セラミックスヒーターによる加熱は、無処理のセラミックスヒーターによる加熱と比較して、ビーカー内の水が短時間で昇温したことから、高い加熱効果が確認された。無処理のセラミックスヒーターが消費電力800W、金被覆セラミックスヒーターが消費電力500Wで、昇温時間がほぼ同じであり、数2より消費電力の削減率が求められる。
Figure 0005824689
数2の計算結果から、金被覆セラミックスヒーターは、無処理のセラミックスヒーターと比較して、約4割の消費電力の削減ができたことになる。
第1実施形態に係る輻射ヒーターの一例である金被覆セラミックスヒーターは、無処理のセラミックスヒーターと比較して、要加熱方向F側への加熱効率の向上率Kが高くなり、数1及び数2による計算結果より、各々約4割の消費電力の削減ができることを示した。
管外径が28mm、長さが300mm、厚さが1mmのステンレスSUS316管を管長の軸方向に沿って全長に渡り、均等に3分割にした1/3パイプを用い、(0045)及び(0051)に示す試験で使用した無処理のセラミックスヒーターに被覆し、両端をステンレスバンドで固定し、低被覆面幅の割合Abが30%で帯状の低被覆面2を形成した第1実施形態に係る輻射ヒーターのステンレス被覆セラミックスヒーターを製作した。
(0045)に示す同様の試験をステンレス被覆セラミックスヒーターでも実施し、要加熱方向F側への加熱効率の向上率Kは、1.19に増大した。ステンレスSUS316の酸化面の輻射率は、0.3であり、図4のE2曲線より、低被覆面幅の割合Abが30%の要加熱方向F側への加熱効率の向上率Kの理論数値は、1.23であり、近似した試験結果になった。
[本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーターの適用例1]
以下に、本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーターを適用例について、図に基づいて説明する。
図5は、本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーターを適用した調理用下火焼き器の平面図(a)及び正面断面図(b)である。下火焼き器6へのヒーター使用は、魚や肉等の被加熱物7から油脂を含むドリップ等が落下するため、反射板の設置は困難であり、輻射束の半分近くが非加熱方向B側へ捨てられ、消費電力が無駄になってしまう。そこで、第1実施形態に係る輻射ヒーターを使用した場合は、同一の消費電力の投入でヒーター表面温度が高くなり、反射板を設置しなくても要加熱方向F側への輻射束が増大し、加熱効率が向上して、焼き時間の短縮ができる。
下火焼き器6に従来のヒーターを用いた場合は、水槽の水8が加温されて蒸発減少が著しい。しかし、第1実施形態に係る輻射ヒーターを用いた場合は、要加熱方向B側への輻射束が抑制されているため、水槽の水8の蒸発も抑えられ、輻射ヒーターから水面までの距離Lw1が短くでき、下火焼き器6の高さを低くした設計にできる。
[本発明の第1実施形態に係る輻射ヒーターの適用例2]
図6は、従来のヒーターを適用した加熱装置(a)及び本発明の第1実施例の輻射ヒーターを適用した加熱装置(b)を比較した図である。加熱装置に従来のヒーターを使用した場合は、上側の壁に反射板9を設置して加熱効率を高めるが、その加熱効率が落ちないように随時反射板の洗浄を必要とする。また反射板の設置空間も必要であり、ヒーターから壁面までの距離Lc2を長く取らなければならない。そこで、加熱装置に第1実施形態に係る輻射ヒーターを使用した場合は、反射板を設置しなくても加熱効率の向上した加熱装置になり、輻射ヒーターから壁面までの距離Lc1は短くでき、またヒーターから水面までの距離Lw2を長くとるのが普通であるが、輻射ヒーターから水面までの距離Lw1も短くでき、水槽の水8の蒸発が抑制され、加熱装置内の省スペース化(装置内空間を狭くできること)が可能になる。
また、輻射ヒーターの適用により加熱装置内の省スペース化になることは、加熱装置の外寸も小さくできるため、製作資材等が削減でき、装置からの放熱も減り、省エネルギー化した加熱装置になる。
本発明に係る輻射ヒーターは、反射板を設置しなくとも加熱効率の高いヒーターであり、被加熱物7が、紙や繊維、木材、樹脂等の有機物、あるいは金属酸化物やセラミックス等の無機物に対する加熱源としても有効なのは、明らかである。
1 ヒーターの管表面(管表面)
2 輻射率の低い素材からなる被覆面(低被覆面)
3 碍子
4 端子
5 輻射率の高い素材からなる被覆面(高被覆面)
6 下火焼き器(下からの上向き加熱で焼くタイプの焼き器)
7 被加熱物(加熱対象物)
8 水槽の水
9 反射板
F 熱輻射の必要な加熱方向(要加熱方向)
B 熱輻射の不要な加熱方向(非加熱方向)
Ab 低被覆面2の幅の割合(低被覆面幅の割合)
Af 高被覆面5の幅の割合(高被覆面幅の割合)
Lw1 輻射ヒーターから水面までの距離
Lw2 ヒーターから水面までの距離
Lc1 輻射ヒーターから壁面までの距離
Lc2 ヒーターから壁面までの距離

Claims (3)

  1. 反射板の設置が困難な加熱装置に適用される、管状セラミックスヒーター、管状シースヒーター等の不透明な素材で構成された管状遠赤外線ヒーターの管外周に対して、管長の軸方向に沿って連続的に全長に渡り、周方向の一部を覆うように、低輻射率(ε)の素材を以って低被覆面を形成し、その低被覆面側からの輻射発散度を抑制し、ヒーター表面温度を上昇させ、輻射率の高い素材である管表面側からの輻射発散度を増大させて、要加熱方向F側への加熱効率を向上させ熱輻射の指向性を有する輻射ヒーター。
  2. ヒーター管表面の輻射率(ε )と低輻射率(ε )素材の輻射率の比 (ε /ε )が0.7以下で形成される請求項1の輻射ヒーター。
  3. 低輻射率素材を 管状ヒーターの管外周に対して、管長の軸方向に沿って連続的に全長に渡り、周方向の一部を覆うように、めっ き、塗布、溶射、真空蒸着等によるコーティング処理、あるいは単体の被覆材で被覆面を形成した、請求項1の輻射ヒーター。
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