JP5822619B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
また、上述したエアミックスダンパと一体に動作する再熱防止ダンパを設けることにより、冷房運転時にヒータコアを通過した温風が冷風に流入することを防止または抑制することも行われている。
この偏差は車室内の吹出位置に応じて生じ、特に、車室内の車幅方向においては、運転席及び助手席間の中央側と左右両側面側との偏差として現れることが多く、また、冷房時と暖房時とで温度差が逆転する傾向も見られる。
しかし、特許文献1に開示されたリブのように、単なる流れのガイド部材を設置した構成では、冷房運転時(もしくは暖房運転時)の温度差を解消できたとしても、暖房運転時(もしくは冷房運転時)の温度差まで解消することは困難である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、空気流路内に導入して空調した空気を車室内に吹き出す車室内吹出温度について、車室内の吹出位置による温度偏差の抑制または解消を可能にした車両用空調装置を提供することにある。
本発明に係る車両用空調装置は、ケーシング内の空気流路に配置されたエバポレータ及びヒータコアを備え、前記空気流路内に導入した空気を空調した車室内吹出温度が、前記エバポレータを通過して冷却される冷風と前記ヒータコアを通過して加熱される温風との混合割合を合流部に設けたエアミックスダンパの開度に応じて調整される車両用空調装置であって、前記エアミックスダンパの冷風側先端の車幅方向端部に、暖房運転時に冷風を車幅方向中央部に形成される貫通流路へ導くリブが立設され、前記エアミックスダンパの高さが前記車幅方向端部に立設された前記リブにおいて最も高くなることを特徴とするものである。
なお、この場合のリブは、エアミックスダンパの回転軸と平行に設けられてもよいし、あるいは、流れを軸方向中央部に導くようなハの字状に設けられてもよい。
また、他の好適な貫通流路は、前記リブを軸方向に分割した複数枚を、軸方向において中央部を除く領域で一部が重なるよう空気流流れ方向にずらした配置により形成されたものでもよい。この場合のリブも、エアミックスダンパの回転軸と平行に設けられてもよいし、あるいは、流れを軸方向中央部に導くようなハの字状に設けられてもよい。
なお、本発明の貫通流路には、三角形、半円及び半楕円等の形状を有する凹部は勿論のこと、軸方向にスライドして流路幅の調整が可能となる可動扉としてもよい。
図8は、本実施形態に係る車両用空調装置の一例を模式的に示す概略構成例の縦断面図であり、車両の左側面から見た図である。なお、図中の矢印は、主な空気(空調前の空気、冷風、温風及び空調後の空気等)の流れ方向を示している。
なお、車両の前方から取り込む空気は、車室外から取り込む外気と、車室内から取り込む内気との選択切換が可能となっている。
エアミックス領域7には、ヒータコア5をバイパスする空気量及びヒータコア5に流入する空気量を調整するためのエアミックスダンパ8が設けられ、エバポレータ4で冷却された冷却空気量(冷風量)と、ヒータコア5で加熱された加熱空気量(温風量)との混合割合を調整できるようになっている。なお、図示のエアミックスダンパ8は、車両の車幅方向に配置されている。
一方、ケーシング2の上部において、エアミックス領域7の上方近傍の部分には、フェイス吹出口11が設けられており、さらに、このフェイス吹出口11より前方には、デフロスト吹出口12が設けられている。また、フェイス吹出口11にはフェイスダンパ13が設けられており、デフロスト吹出口12にはデフロストダンパ14が設けられている。
また、図示のエアミックスダンパ8は、支軸8aを中心として一体に回動する再熱防止ダンパ17を備えている。この再熱防止ダンパ17は、混合割合を冷風100%にして冷房能力を最大にする冷房運転時において、温風風路aからエアミックス領域7に温風が流入しないよう全閉とするダンパである。
上述したように、本実施形態に係る車両用空調装置1は、ケーシング2内の空気流路に配置されたエバポレータ4及びヒータコア5を備えており、空気流路内に導入した空気を空調した車室内吹出温度が、エバポレータ4を通過して冷却される冷風とヒータコア5を通過して加熱される温風との混合割合を合流部に設けたエアミックスダンパ8の開度に応じて調整するようになっている。
そして、本実施形態においては、たとえば図1(a)に示すように、エアミックスダンパ8の冷風側先端に、暖房運転時に冷風を中央寄りに転向させて増速する空気流集束部20が設けられている。
このような凹部22,22Aは、略矩形板状としたリブ21,21Aの一部を矩形状に除去した部分であり、冷風風路bの開度が略全閉または小さくなる暖房運転時において、エアミックスダンパ8の軸方向中央部に、すなわち、車両の車幅方向中央部に冷風の流れを集めてエアミックス領域7に導く冷風流路となる。
凹部22に限定されることはなく、たとえば下記に例示する変形例が可能である。
図2に示す第1変形例では、空気流集束部20Bとなる貫通流路として、1または複数のスリット23を設けてもよい。図2に示す構成例の空気流収束部20Bは、図1(a)に示した凹部22の両側にそれぞれ3本のスリット23を設けているが、1または複数のスリット23のみを設けてもよい。スリット23のみで貫通流路を形成する場合には、中央部程スリット幅やスリット数を増すようにして、暖房運転時の冷風を中央部に収束させればよい。
なお、複数のリブ21Cは、エアミックスダンパ8の支軸と平行に配置されているが、たとえば中央部を支軸8a側へ近づけたハの字状としてもよい。
このようなバイパス風路24を形成する貫通流路の空気流集束部20Dとすれば、リブが不要になるとともに、風量の少ない冷風の流れを中央寄りに転向させ、かつ、流速を増加させることができる。
続いて、本発明に係る第2の実施形態を図5に基づいて説明する。この実施形態は、エアミックスダンパ8と一体に回動する再熱防止ダンパ17に適用したもので、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、たとえば図5に示すように、再熱防止ダンパ17の温風側先端に、冷房運転時に温風を中央寄りに転向させて増速する空気流集束部30が設けられている。
このような凹部32は、略矩形板状としたリブ31の一部を矩形状に除去した部分であり、温風風路aの開度が略全閉または小さくなる冷房運転時において、再熱防止ダンパ17の軸方向中央部に、すなわち、車両の車幅方向中央部に温風の流れを集めてエアミックス領域7に導く温風流路となる。
図6(a)に示す実施例では、図1(a)に示した凹部22の両端から支軸8a方向に一対のガイドリブ40が対向して設けられている。このガイドリブ40は、エアミックスダンパ8に立設された板状のガイド部材を支軸8aと直交する方向に設けてあるが、ハの字状に対向させて支軸8a側の面間距離を狭めてもよい。
従って、車室内に吹き出す空調空気は、吹出温度の分布が車幅方向において略均一化される。
同様に、再熱防止ダンパ17側においても、たとえば図7に示すように、凹部32の両端から支軸8a方向に一対のガイドリブ40を対向して設けることで、温風の流れが幅方向に広がることを防止でき、車幅方向における空調空気の吹出温度を均一化できる。
同様に、上述したリブ31は、再熱防止ダンパ17の先端に設置されているため、開度の大きい暖房運転時はほとんど流路抵抗とならず、温風の風量低下を抑制できる。
なお、上述した各実施形態は、それぞれ単独での適用が可能なだけでなく、適宜組み合わせた構成、たとえば、空気流収束部20を備えたエアミックスダンパ8及び空気流収束部30を備えた再熱防止ダンパ17を併用した構成が可能なことは言うまでもない。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
2 ケーシング
3 空気導入部
4 エバポレータ
5 ヒータコア
6 仕切板
7 エアミックス領域
8 エアミックスダンパ
13 フェイスダンパ
14 デフロストダンパ
15 フットダンパ
17 再熱防止ダンパ
20,20A〜20D,30 空気流集束部
21,21A,31 リブ
22,22A,32 凹部
23 スリット
24 バイパス風路
40 ガイドリブ
a 温風風路
b 冷風風路
Claims (8)
- ケーシング内の空気流路に配置されたエバポレータ及びヒータコアを備え、前記空気流路内に導入した空気を空調した車室内吹出温度が、前記エバポレータを通過して冷却される冷風と前記ヒータコアを通過して加熱される温風との混合割合を合流部に設けたエアミックスダンパの開度に応じて調整される車両用空調装置であって、
前記エアミックスダンパの冷風側先端の車幅方向端部に、暖房運転時に冷風を車幅方向中央部に形成される貫通流路へ導くリブが立設され、
前記エアミックスダンパの高さが前記車幅方向端部に立設された前記リブにおいて最も高くなることを特徴とする車両用空調装置。 - ケーシング内の空気流路に配置されたエバポレータ及びヒータコアを備え、前記空気流路内に導入した空気を空調した車室内吹出温度が、前記エバポレータを通過して冷却される冷風と前記ヒータコアを通過して加熱される温風との混合割合を合流部に設けたエアミックスダンパの開度に応じて調整される車両用空調装置であって、
前記エアミックスダンパが一体に動作する再熱防止ダンパを備え、該再熱防止ダンパの前記合流部側の面の温風側先端に、冷房運転時に前記合流部へ流入する温風を中央寄りに転向させて増速する空気流集束部を設けたことを特徴とする車両用空調装置。 - 前記空気流集束部は、前記再熱防止ダンパの温風側先端に立設したリブの軸方向中央部に形成された貫通流路であることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
- 前記貫通流路は、前記リブに形成した1または複数段の段差を備えた凹部であることを特徴とする請求項1または3に記載の車両用空調装置。
- 前記貫通流路は、前記リブに形成した1または複数のスリットであることを特徴とする請求項1または3に記載の車両用空調装置。
- 前記貫通流路は、前記リブを軸方向に分割した複数枚を、軸方向において中央部を除く領域で一部が重なるよう空気流流れ方向にずらした配置により形成されていることを特徴とする請求項1または3に記載の車両用空調装置。
- 前記貫通流路は、空気流の軸方向分散を抑制するガイドリブを備えていることを特徴とする請求項1、3から6のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
- 前記空気流集束部は、前記再熱防止ダンパの温風側先端部中央にダンパ部材を貫通または除去して形成されたバイパス風路であることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
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