JP5821295B2 - 電子書籍閲覧装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子書籍閲覧装置に関し、特に、書籍データに基づいて電子書籍を頁単位で画面上に表示して閲覧させる装置に関する。
ここ数年来、ノートパソコン、タブレット型電子端末、スマートフォンなど、様々な電子機器の普及により、電子書籍の利用者が急増している。電子書籍は、紙媒体の通常書籍に比べ、圧倒的に省スペース性に優れており、これまで書棚に並んでいた多数の書籍の情報を、小型の電子機器1台に収容することが可能になる。また、インターネットを介して新たな書籍データを入手することも容易であるため、新刊を購入する利便性にも優れている。
電子書籍を閲覧するために必要な電子書籍閲覧装置は、様々な電子機器に専用のアプリケーションプログラムを組み込むことにより実現することができる。このため、今後は、多くの電子機器が電子書籍閲覧装置としての機能を備えるようになるものと予想される。また、電子機器に組み込むプログラムをアップデートすることにより、新たな機能を付加することも容易であり、従来から、様々な付加機能が提案されている。
たとえば、下記の特許文献1には、閲覧者の閲覧操作を履歴として記録しておき、後に、閲覧履歴を確認できるようにする付加機能が開示されている。また、特許文献2には、このような閲覧履歴を利用して、頻繁に閲覧される頁が書籍の先頭側にくるように、頁ごとの表示順序を変更する付加機能が開示されている。更に、特許文献3には、FM信号として受信した文字情報を頁単位で表示する機能をもった装置に、自動頁送り機能を付加し、頁送りの速度を、表示対象となる文字の種類に応じて変化させることにより、閲覧者が読みやすくなるようにする技術が開示されている。
特開2003−99314号公報 特開2006−260065号公報 特開平9−74390号公報
電子書籍閲覧装置は、ディスプレイ画面上に電子書籍の頁を表示し、紙媒体の書籍の閲覧状態をシミュレートする装置ということができ、現実の閲覧状態を疑似体験させるために、様々な工夫が施されている。たとえば、タブレット型電子端末など、ディスプレイ画面にタッチパネルを採用する電子機器を利用した装置の場合、閲覧者が画面上で指による頁めくり操作を行うと、これに同期して画面上で頁がめくられるユーザインターフェイスが採用されている。また、特定の箇所にしおり情報、メモ情報、ハイライト情報などを付加する機能も利用されている。
このように、紙媒体の書籍に近い閲覧状態を擬似的に体験させるために、従来から様々な機能が提案されている。しかしながら、紙媒体の書籍における物理的な構造変化までをシミュレートする、という着想はこれまでにないため、従来の電子書籍閲覧装置では、「過去の閲覧時に留意した部分は、目につきやすくなる」という現象を再現することができず、頁送り操作を行ったときに、特定の留意部分が見つけにくい、という問題がある。
たとえば、紙媒体の書籍の場合、ある特定の頁を何度も繰り返して読んだとすると、当該頁を開いている時間が長くなり、その書籍の製本状態に物理的な変化が生じ、当該頁が開きやすい状態になる。また、特定の頁の角を三角形に折り込んだり、しおりを挟んだり、書き込みをしたりした場合も、当該頁は開きやすい状態になる。これは、当該頁を構成する紙やその綴じ目に物理的な変化が生じるためである。
このように、紙媒体の書籍では、物理的な閲覧動作によって、紙媒体自体に物理的な構造変化が生じるため、後に、その書籍を両手にとってパラパラと頁をめくり、書籍全体を流し見する動作を行うと、過去の閲覧時に留意した頁は、開きやすく、目につきやすい状態になる。具体的には、閲覧者がパラパラと頁を弾きながら、書籍の全頁を順に送ってゆく操作を行った場合、各頁を均等に弾いたとしても、過去に留意した頁の位置で、頁送り動作が一時中断し、過去の留意箇所が閲覧者の目に触れる確率が高くなる。
これは、紙媒体の書籍が本質的に備えている物理的な性質であり、閲覧者にとっては、過去の留意箇所を探す上で非常に好都合な性質である。閲覧者は、過去に閲覧した際の留意箇所を再度参照したい場合、通常、書籍の頁をパラパラと弾きながら流し見を行い、該当箇所を探す動作を行うことになろう。このとき、過去の留意箇所で頁送り動作が一時中断すれば、当該箇所を見つける作業効率は格段に向上する。
ところが、従来の電子書籍閲覧装置は、このような物理的な構造変化までをシミュレートする機能をもたないため、頁送り操作を行ったときに、過去の閲覧時における留意部分が見つけにくい、という問題がある。もちろん、前掲の特許文献1に開示されている技術を利用すれば、頻繁に閲覧した頁やマーキングした頁をリスト化し、リストから所望の頁を直接表示させることが可能である。しかしながら、このようなリストを用いた検索動作は、書籍の頁を順に送りながら行う一般的な検索動作とはかけ離れており、一般の閲覧者にとって馴染みのある検索動作にはならない。また、前掲の特許文献2に開示されている技術を利用すれば、頻繁に閲覧される頁が書籍の先頭側にくるため、留意頁を見つけやすくなることは確かであるが、頁の順序が変更されてしまうため、閲覧者に大きな違和感が生じることは否めない。
そこで本発明は、頁送り中の画像を、特定の留意部分を見つけやすい形態で表示することが可能な電子書籍閲覧装置を提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、電子書籍を頁単位で画面上に表示して閲覧させる電子書籍閲覧装置において、
電子書籍の内容を示す書籍データを、電子書籍の構成単位となるブロックの集合体として格納する書籍データ格納部と、
閲覧者からの閲覧操作を入力する閲覧操作入力部と、
閲覧操作に応じた画面表示がなされるように、書籍データ内の特定のブロックのデータに基づいて頁単位の表示画像を作成する表示画像作成部と、
表示画像を画面上に表示する表示部と、
閲覧操作および表示画像に基づいて、個々のブロックごとに、それぞれ閲覧履歴を収集する閲覧履歴収集部と、
閲覧履歴に基づいて、画面上で頁を送る際の抵抗値を、個々の頁について定義した抵抗関数を生成する抵抗関数生成部と、
抵抗関数を格納する抵抗関数格納部と、
を設け、
閲覧操作入力部が、画面上で頁を順に送るための頁送り操作を入力する機能を有し、
抵抗関数生成部が、個々の頁について、その頁に含まれるブロックについての閲覧履歴に基づいて抵抗関数を生成し、
表示画像作成部が、頁送り操作が与えられたときに、抵抗関数によって定義された抵抗値が大きい頁ほど、画面上の滞在時間が長くなるように、表示画像を更新する頁送り処理を行うようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述した第1の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
閲覧履歴収集部が、見出しを構成する一群の文字列、パラグラフを構成する一群の文字列、キャプションを構成する一群の文字列、画像、もしくはテーブルを1ブロックとして、それぞれ閲覧履歴を収集するようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述した第1または第2の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
閲覧履歴収集部が、個々のブロックごとに、それぞれ累積表示時間を閲覧履歴として収集し、
抵抗関数生成部が、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての累積表示時間が長いほど大きな抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成するようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述した第3の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
抵抗関数生成部が、ブロック番号Bのブロックについて、当該ブロックについての累積表示時間に応じた量を示す表示時間ポイントT(B)を求め、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての表示時間ポイントT(B)の総和に基づいて抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成するようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述した第1または第2の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
閲覧履歴収集部が、個々のブロックごとに、それぞれ閲覧操作によって付加された付加情報を閲覧履歴として収集し、
抵抗関数生成部が、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックに付加されている付加情報が多いほど大きな抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成するようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述した第5の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
抵抗関数生成部が、ブロック番号Bのブロックについて、当該ブロックについて付加された付加情報の量を示す付加情報ポイントA(B)を求め、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての付加情報ポイントA(B)の総和に基づいて抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成するようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述した第1または第2の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
閲覧履歴収集部が、個々のブロックごとに、それぞれ累積表示時間と閲覧操作によって付加された付加情報とを閲覧履歴として収集し、
抵抗関数生成部が、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての累積表示時間が長いほど、かつ、当該頁に含まれるブロックに付加されている付加情報が多いほど、大きな抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成するようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述した第7の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
抵抗関数生成部が、ブロック番号Bのブロックについて、当該ブロックについての累積表示時間に応じた量を示す表示時間ポイントT(B)を求めるとともに、当該ブロックについて付加された付加情報の量を示す付加情報ポイントA(B)を求め、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての表示時間ポイントT(B)および付加情報ポイントA(B)の総和に基づいて抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成するようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述した第4または第8の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
抵抗関数生成部が、1冊の電子書籍に含まれる複数m個のブロックの各累積表示時間tに対して所定の正規化関数N(t)を作用させて正規化し、得られた正規化時間Nを所定規則に従って量子化することにより、複数段階の値をもった表示時間ポイントT(B)を求めるようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述した第6または第8の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
閲覧操作入力部が、書籍の特定箇所にしおり情報、メモ情報、もしくはハイライト情報を付加情報として付加する機能を有し、
閲覧履歴収集部が、個々のブロックごとに、それぞれ当該ブロックに対応する箇所に付加された付加情報を閲覧履歴として収集し、
抵抗関数生成部が、しおり情報、メモ情報、もしくはハイライト情報のそれぞれについて予め設定されたポイント値に基づいて付加情報ポイントA(B)を求めるようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述した第1〜第10の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
閲覧操作入力部が、閲覧者が表示画面上において指を移動することにより、表示されている頁をスライドさせる操作もしくは表示されている頁をめくる操作を行った場合に、当該操作を頁送り操作として入力する機能を有し、
表示画像作成部が、指を移動させる操作に追従して頁が送られるように画像を更新する頁送り処理を行い、かつ、抵抗値の大きな頁ほど、追従動作に遅延を生じさせるようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述した第11の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
閲覧操作入力部が、閲覧者の指の移動速度Vswipeを検知し、
抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
表示画像作成部が、第P頁目が画面に表示されているときの頁送り速度をVpageとしたときに、Vpageの値が、R(P)の増加に伴ってVswipeの値から単調減少する値となるように設定するようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述した第11の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
閲覧操作入力部が、閲覧者の指の移動速度Vswipeを検知し、
抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
表示画像作成部が、第Pbegin頁〜第Pend頁が画面に表示されているときの頁送り速度をVpageとしたときに、Vpageの値が、ΣP=Pbegin〜Pend R(P)の増加に伴ってVswipeの値から単調減少する値となるように設定するようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述した第1〜第10の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
閲覧操作入力部が、頁送りボタンもしくは頁送り領域に対する閲覧者のタップ操作を頁送り操作として入力する機能を有し、
抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
表示画像作成部が、第P頁目が表示されている状態においてタップ操作の入力があった場合に、Delay=k・R(P)なる遅延時間(但し、kは所定の比例定数)だけ遅延して表示画像の更新を開始するようにしたものである。
(15) 本発明の第15の態様は、上述した第1〜第10の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
閲覧操作入力部が、頁送りボタンもしくは頁送り領域に対する閲覧者のタップ操作を頁送り操作として入力する機能を有し、
抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
表示画像作成部が、第Pbegin頁〜第Pend頁が画面に表示されている状態においてタップ操作の入力があった場合に、Delay=k・ΣP=Pbegin〜Pend R(P)なる遅延時間(但し、kは所定の比例定数)だけ遅延して表示画像の更新を開始するようにしたものである。
(16) 本発明の第16の態様は、上述した第1〜第10の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
閲覧操作入力部が、頁送りボタンもしくは頁送り領域に対する閲覧者の押圧操作を頁送り操作として入力する機能を有し、
抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
表示画像作成部が、押圧操作が継続している間、画面上で連続的な頁送り処理を行い、第P頁目が画面に表示されているときの頁送り速度をVscrollとしたときに、Vscrollの値が、R(P)の増加に伴って標準速度Vstandardの値から単調減少する値となるように設定するようにしたものである。
(17) 本発明の第17の態様は、上述した第1〜第10の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
閲覧操作入力部が、頁送りボタンもしくは頁送り領域に対する閲覧者の押圧操作を頁送り操作として入力する機能を有し、
抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
表示画像作成部が、押圧操作が継続している間、画面上で連続的な頁送り処理を行い、第Pbegin頁〜第Pend頁が画面に表示されているときの頁送り速度をVscrollとしたときに、Vscrollの値が、ΣP=Pbegin〜Pend R(P)の増加に伴って標準速度Vstandardの値から単調減少する値となるように設定するようにしたものである。
(18) 本発明の第18の態様は、上述した第1〜第10の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
閲覧操作入力部が、頁送りボタンもしくは頁送り領域に対する閲覧者の押圧操作を頁送り操作として入力する機能を有し、
抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
表示画像作成部が、押圧操作が継続している間、画面上で断続的な頁送り処理を行い、第P頁目が画面に表示されているときの次回の頁更新時までの待ち時間をTwaitとしたときに、Twait=Tstandard+k・R(P)とする(但し、Tstandardは標準待ち時間、kは、所定の比例定数)ようにしたものである。
(19) 本発明の第19の態様は、上述した第1〜第10の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
閲覧操作入力部が、頁送りボタンもしくは頁送り領域に対する閲覧者の押圧操作を頁送り操作として入力する機能を有し、
抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
表示画像作成部が、押圧操作が継続している間、画面上で断続的な頁送り処理を行い、第Pbegin頁〜第Pend頁が画面に表示されているときの次回の頁更新時までの待ち時間をTwaitとしたときに、Twait=Tstandard+k・ΣP=Pbegin〜Pend R(P)とする(但し、Tstandardは標準待ち時間、kは、所定の比例定数)ようにしたものである。
(20) 本発明の第20の態様は、上述した第1〜第10の態様に係る電子書籍閲覧装置において、
抵抗関数格納部には、各頁が「抵抗なし」もしくは「抵抗あり」のいずれであるかを示す情報が抵抗関数として格納されており、
表示画像作成部は、「抵抗なし」の頁については画面上の滞在時間が標準滞在時間となり、「抵抗あり」の頁については画面上の滞在時間が標準滞在時間よりも長い長期滞在時間となるように、表示画像を更新する頁送り処理を行うようにしたものである。
(21) 本発明の第21の態様は、上述した第1〜第20の態様に係る電子書籍閲覧装置を、コンピュータにプログラムを組み込むことにより構成したものである。
(22) 本発明の第22の態様は、電子書籍を頁単位で画面上に表示して閲覧させる電子書籍閲覧装置と、この電子書籍閲覧装置に対してネットワークを介して情報のやりとりを行う機能をもったサーバ装置と、を備えた電子書籍閲覧システムにおいて、
電子書籍閲覧装置には、
電子書籍の内容を示す書籍データを、電子書籍の構成単位となるブロックの集合体として格納する書籍データ格納部と、
閲覧者からの閲覧操作を入力する閲覧操作入力部と、
閲覧操作に応じた画面表示がなされるように、書籍データ内の特定のブロックのデータに基づいて頁単位の表示画像を作成する表示画像作成部と、
この表示画像を画面上に表示する表示部と、
画面上で頁を送る際の抵抗値を、個々の頁について定義した抵抗関数を格納する抵抗関数格納部と、
を設け、
閲覧操作入力部が、画面上で頁を順に送るための頁送り操作を入力する機能を有し、
表示画像作成部が、頁送り操作が与えられたときに、抵抗関数によって定義された抵抗値が大きい頁ほど、画面上の滞在時間が長くなるように、表示画像を更新する頁送り処理を行うようにし、
サーバ装置には、
電子書籍閲覧装置の閲覧操作および表示画像に基づいて、ネットワークを介して、個々のブロックごとに、それぞれ閲覧履歴を収集する閲覧履歴収集部と、収集した閲覧履歴に基づいて抵抗関数を生成する抵抗関数生成部と、を設け、
抵抗関数生成部が、個々の頁について、その頁に含まれるブロックについての閲覧履歴に基づいて抵抗関数を生成し、
電子書籍閲覧装置が、ネットワークを介して、抵抗関数生成部が生成した抵抗関数を抵抗関数格納部に格納する機能を有するようにしたものである。
(23) 本発明の第23の態様は、上述した第22の態様に係る電子書籍閲覧システムにおいて、
複数n台の電子書籍閲覧装置を設け、
閲覧履歴収集部が、このn台の電子書籍閲覧装置から閲覧履歴を収集し、
抵抗関数生成部が、このn台の電子書籍閲覧装置から収集した閲覧履歴に基づいて抵抗関数を生成するようにしたものである。
本発明に係る電子書籍閲覧装置によれば、電子書籍を構成する個々の頁について画面上で頁を送る際の抵抗値を定義した抵抗関数が設定され、頁送り操作が与えられたときに、抵抗値が大きい頁ほど画面上の滞在時間が長くなるように、表示画像を更新する頁送り処理が行われる。したがって、特定の留意部分が掲載されている頁について大きな抵抗値が定義された抵抗関数を定義しておけば、頁送り操作を行ったとき、該当頁の画面上の滞在時間が長くなり、当該特定の留意部分が見つけやすい表示形態が可能になる。
また、閲覧履歴収集部を備えた実施形態の場合、閲覧者の過去の閲覧履歴を収集し、当該閲覧履歴に基づいて抵抗関数を生成することができるので、留意部分を自動認識し、抵抗関数を自動的に生成することが可能になる。
一般的な電子書籍閲覧装置の基本構成の一例を示すブロック図である。 図1に示す電子書籍閲覧装置による表示画面の一例を示す平面図である。 図2に示す表示画面に対して、頁送り操作を行っている状態を示す平面図である。 図3に示す頁送り操作が完了した状態を示す平面図である。 図2〜図4に示す表示内容に対応する書籍データの一例を示す図である。 本発明の基本的実施形態に係る電子書籍閲覧装置の構成を示すブロック図である。 図6に示す電子書籍閲覧装置における閲覧履歴収集部50によって収集されたブロックごとの累積表示時間の一例を示すグラフである。 累積表示時間に対する正規化を行うために用いる正規化関数の一例を示すグラフである。 図7のグラフに示す各累積表示時間tに対して、図8に示す正規化関数N(t)を作用させて正規化を行った状態を示すグラフである。 正規化された時間を量子化して表示時間ポイントT(B)を得るための規則の一例を示す図である。 図9に示す正規化時間を図10に示す規則に基づいて量子化することにより得られた表示時間ポイントT(B)を示すグラフである。 図6に示す電子書籍閲覧装置における閲覧履歴収集部50によって収集されたブロックごとの付加情報に基づいて付加情報ポイントA(B)を定義する規則の一例を示す図である。 図6に示す電子書籍閲覧装置によって特定の頁に付加情報を付加した状態を示す平面図である。 図6に示す電子書籍閲覧装置における閲覧履歴収集部50によって収集されたブロックごとの付加情報に基づいて得られた付加情報ポイントA(B)の一例を示すグラフである。 図11に示す表示時間ポイントT(B)と図14に示す付加情報ポイントA(B)とを加算することによって得られた合算ポイントS(B)を示すグラフである。 図15に示す合算ポイントS(B)に基づいて、頁ごとの抵抗値R(P)を求める式を示す図である。 指による頁送り操作に追従して画面上で頁送り処理を行う基本原理を示す図である。 1画面2頁という表示形態を採る電子書籍閲覧装置において、指によって頁をスライドさせる操作を行うことにより、画面上で頁送り処理が行われている状態を示す平面図である。 1画面2頁という表示形態を採る電子書籍閲覧装置において、指によって頁をめくる操作を行うことにより、画面上で頁送り処理が行われている状態を示す平面図である。 頁送りバー上で指をスライドさせる操作を行うことにより、画面上で頁送り処理を行う例を示す平面図である。 画面上に表示された頁送りボタンを指で操作することにより、画面上で頁送り処理を行う例を示す平面図である。 頁送りボタンに対するタップ操作に対する、表示画像の更新開始時点の遅延時間Delayを算出する式を示す図である。 頁送りボタンに対する押圧操作時に、連続的な頁送り処理を行う場合の頁送り速度Vscrollを算出する式を示す図である。 頁送りボタンに対する押圧操作時に、断続的な頁送り処理を行う場合の待ち時間Twaitを算出する式を示す図である。 本発明に係る電子書籍閲覧システムの基本構成を示すブロック図である。
<<< §1. 一般的な電子書籍閲覧装置の基本構成 >>>
図1は、一般的な電子書籍閲覧装置の基本構成の一例を示すブロック図である。この装置は、電子書籍を頁単位で画面上に表示して閲覧させる機能を有し、図示のとおり、電子書籍の頁を構成する画像を画面上に表示する表示部10と、電子書籍の内容を示す書籍データを格納する書籍データ格納部20と、閲覧者からの閲覧操作を入力する閲覧操作入力部30と、この閲覧操作に応じた画面表示がなされるように、書籍データに基づいて表示画像を作成する表示画像作成部40と、を備えている。
書籍データ格納部20は、複数の電子書籍のデータを格納することができる。閲覧者は、まず、閲覧操作入力部30から、どの電子書籍を開くかを指定する指示を入力し、更に、どの頁を表示させるかを指定する指示を入力する。表示画像作成部40は、これらの指示に基づいて、所定の書籍の所定の頁に対応する表示画像を生成し、表示部10に表示する処理を行うことになる。また、閲覧操作入力部30は、現在表示中の頁に対して、様々な付加情報を付加するための指示を入力する機能も有しており、閲覧者が付加した付加情報は、書籍データ格納部20内に、書籍データとともに格納される。
図2は、図1に示す電子書籍閲覧装置による表示画面の一例を示す平面図であり、図3,図4は、この装置において頁送り操作を行っている状態の表示画面を示す平面図である。この例では、ダムに関する電子書籍の第86頁が表示されている状態(図2)において、閲覧者が画面上で人差し指をスライドさせる頁送り操作を行うと(図3)、画面上で頁の画像が左方向へとスライドし、第87頁が表示された状態(図4)に切り替わる様子が示されている。
この例は、タブレット型電子端末に専用のアプリケーションプログラムを組み込むことにより電子書籍閲覧装置として利用した例であり、装置自体は薄型平板状の筐体の上面にタッチパネル付きディスプレイ装置が嵌め込まれた形態をなす。したがって、図1にブロック図として示されている表示部10および閲覧操作入力部30は、このタッチパネル付きディスプレイ装置およびそのインターフェイスプログラムによって構成され、書籍データ格納部20は、この装置筐体内に組み込まれた記憶装置(たとえば、半導体メモリ)によって構成され、表示画像作成部40は、この装置筐体内に組み込まれたCPUおよびプログラムによって構成されることになる。
図3に示すように、閲覧者がタッチパネル上を指で触れ、この指を矢印で示すようにスライドさせると、当該指の動きは閲覧操作入力部30によって、次の頁への頁送り操作として入力される。表示画像作成部40は、このような頁送り操作の入力を受けると、現在表示中の第86頁から次の第87頁への頁送りアニメーションを表示するための表示画像を作成する。具体的には、表示画像を逐次更新する頁送り処理を行うことになる。
図5は、図2〜図4に示す表示内容に対応する書籍データの一例を示す図である。通常、1冊の電子書籍の内容を示す書籍データは、1つのファイルとして書籍データ格納部20内に格納される。図5に示す書籍データは、このような1つのファイルに含まれているデータの一部(第86頁と第87頁の部分)を例示したものである。この例は、電子書籍用のデータフォーマットの1つであるEPUBの規格で記述された書籍データの例を示している。EPUBの規格では、1冊の書籍データは、頁の集合体ではなく、ブロックの集合体によって構成される。図示の書籍データは、ブロックB1011〜B1017によって構成され、図2に示す第86頁の表示画面は、ブロックB1011〜B1014のデータに基づいて作成されたものであり、図4に示す第87頁の表示画面は、ブロックB1015〜B1017のデータに基づいて作成されたものである。
各ブロックのデータの本体部分は、山括弧で囲まれた一対のタグで挟まれている。たとえば、ブロックB1011は、<h1 id="1011"> なるタグと </h1> なるタグとの間に、「第6章 ダムと自然環境」という文字列が挟まれたデータによって構成されており、「第6章 ダムと自然環境」なる一群の文字列を、見出し1(header1)として表示することを示している。記号「h1」は、この見出し1を示すものであり、id="1011"は、当該ブロックの識別コードが「1011」であることを示すものである。同様に、ブロックB1012は、見出し2についてのブロックである。
また、ブロックB1013は、<p id="1013"> なるタグと </p> なるタグとの間に挟まれた一群の文字列からなり、これらの文字列をパラグラフ(paragraph)として表示することを示している。一方、ブロックB1014は、<p id="1014"> なるタグと </p> なるタグとの間に挟まれた画像およびキャプションからなるパラグラフを示すものである。このパラグラフには、画像およびキャプションのタグが入れ子状に配置されている。すなわち、<img id="abcd" src="FILE001.png"/> なるタグは、"FILE001.png"なるファイル名をもった画像を表示することを示しており、<caption id="efgh"> なるタグと </caption> なるタグとの間に挟まれた一群の文字列は、これらの文字列をキャプション(caption)として表示することを示している。
同様に、ブロックB1017は、<table id="1017"> なるタグと </table> なるタグとの間に挟まれた記号(内容の図示は省略)からなり、所定のテーブル(table)を表示することを示している。したがって、実際には、書籍データ格納部20内には、この書籍データファイルの他に、画像ファイルやテーブルファイルが格納されていることになる。
このように、EPUBの規格では、電子書籍の構成単位を頁ではなくブロックとして取り扱うことになるが、これは電子書籍閲覧装置として利用される電子機器のディスプレイの大きさや解像度が様々であり、また、同一の電子機器を用いた場合でも、表示フォントのサイズにバリエーションがあることもあり、各頁に実際に表示される電子書籍の内容が一義的に定まらないためである。すなわち、図2〜図4に示す例は、特定の大きさおよび解像度をもったタブレット型電子端末を利用して電子書籍閲覧装置を構成し、特定サイズのフォントで表示を行った例であり、この例の場合は、図5に示すとおり、ブロックB1011〜B1014が第86頁として表示され、ブロックB1015〜B1017が第87頁として表示されているが、電子書籍閲覧装置やフォントサイズを変えると、頁構成はそれぞれ異なったものになる。
もちろん、pdfなどのデータフォーマットでは、文書データの構成単位は頁になり、どのような電子書籍閲覧装置を用いて表示を行った場合でも、同一の頁構成で表示がなされるが、以下に述べる実施形態では、図5に示す例のように、ブロックを構成単位とした書籍データを取り扱う場合を例にとって説明を行うことにする。
<<< §2. 本発明の基本的実施形態 >>>
ここでは、本発明の基本的実施形態に係る電子書籍閲覧装置の構成を、図6のブロック図を参照しながら説明する。この図6に示す電子書籍閲覧装置は、電子書籍を頁単位で画面上に表示して閲覧させる装置であり、図示の構成において、表示部10、書籍データ格納部20、閲覧操作入力部30は、図1に示す従来装置における同符号の構成要素と全く同じものである。すなわち、表示部10は、電子書籍の頁を構成する画像を画面上に表示する機能を有し、書籍データ格納部20は、電子書籍の内容を示す書籍データを格納する機能を有し、閲覧操作入力部30は、閲覧者からの閲覧操作を入力する機能を有している。
一方、表示画像作成部45は、基本的には、図1に示す従来装置における表示画像作成部40と同様に、閲覧操作入力部30によって入力された閲覧操作に応じた画面表示がなされるように、書籍データ格納部20内の書籍データに基づいて表示画像を作成する機能を果たす。ただ、後述するように、閲覧操作入力部30から頁送り操作が与えられたときに、本発明に固有の特別な頁送り処理を行う機能を有している。
図6に示す電子書籍閲覧装置の大きな特徴は、新たな構成要素として、閲覧履歴収集部50、抵抗関数生成部60、抵抗関数格納部70を設けた点にある。
閲覧履歴収集部50は、閲覧操作入力部30が入力した閲覧操作および表示画像作成部45が作成した表示画像に基づいて、閲覧者の閲覧履歴を収集し、これを格納する機能を果たす構成要素である。こうして収集された閲覧履歴は、抵抗関数を生成するために利用される。後に§3で述べる実施形態の場合、閲覧者が、電子書籍のどの部分をどの程度の時間にわたって閲覧していたかを示す累積表示時間と、閲覧者が、電子書籍のどの部分にどのような情報を付加したかを示す付加情報と、を閲覧履歴として収集している。
前述したとおり、表示画像作成部45は、閲覧操作入力部30が入力した閲覧操作に基づいて、閲覧者が指定した特定の頁を表示するための表示画像を作成する機能を有している。したがって、閲覧履歴収集部50は、この閲覧操作および表示画像をモニタしていれば、電子書籍のどの部分がどの程度の時間にわたって表示されていたかを示す累積表示時間に関する情報を収集し、これを蓄積しておくことができる。また、閲覧者は、閲覧操作入力部30に対して、閲覧中の特定箇所にしおり情報、メモ情報、ハイライト情報といった付加情報を付加する指示を与えることができ、当該付加情報は、書籍データ格納部20内に、書籍データの当該特定箇所に関連づけられて格納される。表示画像作成部45は、このような付加情報が付加されている箇所を表示する際に、当該付加情報を含む表示画像を作成することになる。したがって、閲覧履歴収集部50は、付加情報を付加するための閲覧操作をモニタしていれば、電子書籍のどの部分にどのような付加情報が付加されたかを示す情報を収集し、これを蓄積しておくことができる。
抵抗関数生成部60は、こうして収集された閲覧履歴に基づいて、抵抗関数を生成する機能を果たし、抵抗関数格納部70は、こうして生成された抵抗関数を格納する機能を果たす。ここで、抵抗関数とは、画面上で頁を送る際の抵抗値を、個々の頁について定義した関数である。表示画像作成部45は、書籍データ格納部20内に格納されている書籍データに基づいて、特定の頁についての表示画像を作成する処理を行うことになるが、抵抗関数格納部70には、表示画像作成部45が作成する個々の頁についての抵抗値が抵抗関数として格納されることになる。具体的には、後述するように、抵抗関数格納部70には、第P頁目(Pは、書籍の1頁目から最終頁に至る頁番号)の抵抗値を示す抵抗関数R(P)が格納される。
§1で述べたとおり、閲覧操作入力部30は、画面上で頁を順に送るための頁送り操作を入力する機能を有している。たとえば、図3に示す例の場合、閲覧者が画面上で人差し指をスライドさせる頁送り操作を行うと、表示画像作成部45は、頁が左方向へとスライドしてゆくアニメーションが表示されるように、表示画像を逐次更新する処理を行うことになる。表示画像作成部45は、このように、閲覧操作入力部30から頁送り操作が与えられたときに、表示画像を更新する頁送り処理を行うことになるが、その際、抵抗関数格納部70に格納されている抵抗関数を参照して、この抵抗関数によって定義された抵抗値が大きい頁ほど、画面上の滞在時間が長くなるように、表示画像の更新を行う。その具体的な方法については、§4で詳述する。
図5に例示したとおり、ここで述べる実施形態では、電子書籍の構成単位はブロックになっているので、閲覧履歴収集部50は、個々のブロックごとに、それぞれ閲覧履歴を収集する機能を有している。より具体的には、閲覧履歴収集部50は、見出しを構成する一群の文字列、パラグラフを構成する一群の文字列、キャプションを構成する一群の文字列、画像、もしくはテーブルを1ブロックとして、それぞれ閲覧履歴を収集することになる。したがって、たとえば、図2に示すように、第86頁が30秒間表示されたとすると、この第86頁に含まれているブロックB1011〜B1015のすべてについて、それぞれ30秒間という表示時間が累積される。
一方、抵抗関数生成部60は、個々の頁について、その頁に含まれるブロックについての閲覧履歴に基づいて抵抗関数を生成する。たとえば、図2に示すような第86頁についての抵抗値は、そこに含まれているブロックB1011〜B1015のすべてについての閲覧履歴を参照して決定されることになる。
本発明における抵抗関数は、画面上で頁を送る際の抵抗値を、個々の頁について定義した関数であり、あくまでも、個々の頁単位で定義されるものである。それにもかかわらず、閲覧履歴収集部50が、頁単位ではなくブロック単位で閲覧履歴を収集するのは、閲覧時の表示モードによって、各頁の表示内容が変化する場合にも対応できるようにするためである。たとえば、図2に示す例の場合、第6章の内容が第86頁に表示されているが、フォントサイズを変更した別な表示モードでは、別なブロックの内容が表示されることになろう。このように閲覧時の頁構成が変わった場合でも、ブロック単位で閲覧履歴を収集しておけば、表示頁に含まれているブロックについての閲覧履歴に基づいて、当該頁の抵抗値を定義することができるので、支障なく対応することが可能になる。
閲覧履歴収集部50によって収集され、蓄積された個々のブロックごとの閲覧履歴は、当該ブロックに対する閲覧者の留意度(関心や興味の程度、着目度)を示すパラメータになる。たとえば、過去の閲覧履歴において、累積表示時間が長いブロックは、閲覧者がそれだけ長い時間に渡って閲読したと推定される部分であり、それだけ留意度が高い部分と考えられる。また、過去の閲覧履歴において、しおりが挟まれている部分、メモが付加された部分、ハイライト(マーカー)が付加された部分は、閲覧者がそれだけ重要な部分と判断しているものと推定される部分であり、やはり留意度が高い部分と考えられる。
既に述べたとおり、紙媒体の書籍の場合、このように長い時間に渡って開かれていた頁や、しおりを挟んだり、書き込みをしたりした頁は、紙の綴じ目に物理的な変化が生じるため、パラパラと頁をめくって流し見をしたとき、頁送り動作が一時中断し、目に触れる確率が高くなる。本発明に係る電子書籍閲覧装置は、このような現象を、個々の頁について定義された抵抗値というパラメータを用いて、擬似的に表現する機能を有している。
§3で詳述するとおり、抵抗関数生成部60は、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての累積表示時間が長いほど大きな抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成し、当該頁に含まれるブロックに付加されている付加情報が多いほど大きな抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成する。別言すれば、過去の閲覧履歴により、閲覧者の留意度が高いと判断されたブロックを含む頁に対しては、それだけ高い抵抗値が定義されることになる。
その一方で、表示画像作成部45は、閲覧操作入力部30から頁送り操作が与えられたときに、抵抗関数によって定義された抵抗値が大きい頁ほど、画面上の滞在時間が長くなるように、表示画像を更新する頁送り処理を行う。結局、本発明に係る電子書籍閲覧装置の画面上で、閲覧者が、流し見を行うように頁送り操作を行った場合、過去の閲覧履歴により留意度が高いと判断された箇所を含む頁は、他の頁に比べて画面上での表示時間が長くなるので、閲覧者にとって見つけやすくなる。かくして、頁送り中の画像を、特定の留意部分を見つけやすい形態で表示することが可能になる。
なお、図6に示す電子書籍閲覧装置は、実際には、パソコン、タブレット型電子端末、スマートフォンなど、コンピュータを含む電子機器に、専用のアプリケーションプログラムを組み込むことにより実現される。したがって、表示部10は、このような電子機器に備えられたディスプレイ装置によって構成され、書籍データ格納部20および抵抗関数格納部70は、このような電子機器に備えられた記憶装置(たとえば、半導体メモリ)によって構成され、閲覧操作入力部30は、このような電子機器に備えられた入力装置(たとえば、タッチパネルおよびそのインターフェイスプログラム)によって構成される。また、表示画像作成部45、閲覧履歴収集部50、抵抗関数生成部60は、このような電子機器に備えられたCPUおよび専用のプログラムによって構成される。なお、閲覧履歴収集部50は、必要に応じて、収集した閲覧履歴を蓄積するための記憶装置を備える構成にするとよい。
<<< §3. 抵抗関数の生成 >>>
続いて、図6に示す電子書籍閲覧装置における抵抗関数生成部60の具体的な処理機能を、いくつかの実施形態に基づいて説明する。上述したとおり、抵抗関数生成部60は、閲覧履歴収集部50が収集した閲覧履歴に基づいて、抵抗関数を生成する処理を行い、生成された抵抗関数は、抵抗関数格納部70に格納される。
抵抗関数は、過去の閲覧履歴に基づいて生成される関数であるから、当然、個々の書籍ごとに別個独立した抵抗関数が生成される。たとえば、書籍データ格納部20内に、3冊の書籍甲,乙,丙についての書籍データが格納されていた場合、書籍甲についての抵抗関数、書籍乙についての抵抗関数、書籍丙についての抵抗関数がそれぞれ別個独立して生成され、抵抗関数格納部70に格納されることになる。もちろん、書籍甲についての抵抗関数は、書籍甲に対する閲覧履歴に基づいて生成される。また、表示画像作成部45は、書籍甲についての頁送り処理を行う際には、書籍甲についての抵抗関数を参照して、表示画像を更新することになる。
抵抗関数生成部60が抵抗関数を生成するにあたっての基本事項は、過去の閲覧履歴に基づいて、書籍の各部分(各ブロック)に対する閲覧者の留意度(関心や興味の程度、着目度)を判定し、より留意度の高い部分(ブロック)に対して、より高い抵抗値を定義する、ということである。このような基本事項に則った方法であれば、どのような方法で抵抗関数を生成してもかまわないが、ここでは、累積表示時間に基づく生成法と付加情報に基づく生成法との2通りの生成法を説明する。
<3.1 累積表示時間に基づく生成法 >
閲覧者の留意度を判定する最も好適な材料は、累積表示時間である。表示画像作成部45は、閲覧操作入力部30が入力した閲覧操作(すなわち、閲覧者による指示)に基づいて表示画像を作成し、作成された画像が表示部10によって画面に表示される。したがって、画面上の表示内容は、閲覧者自身の指示によるものであり、いつからいつまで電子書籍のどの部分を表示させるかは、閲覧者の意思に基づいて決定されることになる。
このような点を鑑みると、画面上に表示されていた累積表示時間が長い部分ほど、閲覧者が注意を払って閲覧していた可能性が高い。すなわち、閲覧者は、留意すべき部分については、じっくりと時間をかけて読んだり、何度も繰り返し読んだりすることになるであろうから、必然的に、閲覧者が留意した部分についての累積表示時間は長くなると推定される。したがって、累積表示時間の長い部分ほど大きな抵抗値を定義する、という方針で抵抗関数を生成するというアプローチは、理にかなっている。
このようなアプローチをとる場合は、閲覧履歴収集部50が、個々のブロックごとに、それぞれ累積表示時間を閲覧履歴として収集するようにし、抵抗関数生成部60が、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての累積表示時間が長いほど大きな抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成するようにすればよい。
ただ、累積表示時間は、時分秒という単位で取得される物理量であるから、このような物理量をそのまま抵抗値として採用すると、取り扱いが不便であり、また、時間軸上のスケーリングをそのまま抵抗値軸上のスケーリングとして採用すると、実用上の観点から相応しくない。そこで、ここで述べる実施形態の場合、累積表示時間を、一旦、表示時間ポイントという抽象的なポイント値に変換し、この表示時間ポイントに基づいて抵抗値を定義するという方法を採っている。すなわち、抵抗関数生成部60は、ブロック番号Bのブロックについて、当該ブロックについての累積表示時間に応じた量を示す表示時間ポイントT(B)を求め、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての表示時間ポイントT(B)の総和に基づいて抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成する。以下、このような抵抗関数の生成法による具体的な処理を、実例を挙げながら説明する。
ここでは、閲覧履歴収集部50によって、ブロックごとの累積表示時間として、図7のグラフに示すような結果が収集された場合を考えてみよう。ここで、グラフの横軸はブロック番号Bを示しており、縦軸は、各ブロック番号で特定されるブロックの内容が、表示部10によって画面上に表示されていた累積表示時間tを示している。グラフに示された個々の棒グラフは、各ブロックの累積表示時間を示し、折れ線グラフは、各棒グラフの頂点位置の変遷を示している。どのブロックの内容がどれだけの時間だけ表示されていたかを示す情報は、閲覧操作入力部30が入力した閲覧操作と表示画像作成部45が作成した表示画像とをモニタすることにより容易に収集することができる。
続いて、図8のグラフに示すような正規化関数N(t)を用意する。この関数N(t)は、累積表示時間tを正規化時間Nに変換するための関数である。グラフの横軸は、0〜Tmaxまでの区間の累積表示時間tを示しており、縦軸は、0〜1の範囲に正規化された時間Nを示している。Tmaxは、累積表示時間tの最大値であり、図7に示す棒グラフの最大値ということになる。図7のグラフに示す累積表示時間tに対して、図8に示す正規化関数N(t)を作用させると、累積表示時間tは、0〜1の範囲内の値をもつ正規化時間Nに変換される。正規化関数N(t)としては、線形関数を用いてもかまわないが、ここに示す実施形態では、累積表示時間tの大きな値がより強調されるよう、図8に示すような非線形関数を用いている。
図9は、図7のグラフに示す各累積表示時間tに対して、図8に示す正規化関数N(t)を作用させて正規化を行った状態を示すグラフである。このような正規化を行う理由は、読書の速度や閲覧回数には個人差があり、また、書籍の内容によっても、閲覧に必要な時間に差が生じるためである。本発明において、閲覧履歴として累積表示時間tを収集する目的は、1冊の書籍の中で、閲覧者が留意した特定箇所を推定することにある。したがって、個々のブロックについて、累積表示時間tの絶対値を取得することは、あまり意味をもたず、1冊の電子書籍に含まれる複数m個のブロックの中で、他のブロックに比べて累積表示時間が比較的大きなブロックを特定することが重要である。このような点から、1冊の電子書籍について、各ブロックの累積表示時間tを正規化することは非常に有用であり、実用上は、累積表示時間に対する正規化を行うのが好ましい。
ここに示す実施形態の場合、図9のグラフに破線で示すように、正規化時間N=0.5をしきい値として、このしきい値以上の正規化時間Nをもった部分(ブロック)のみを、閲覧者が留意した部分(ブロック)と判定するようにし、当該部分(ブロック)に1以上の表示時間ポイントT(B)を与えるようにし、しきい値未満の部分(ブロック)については、表示時間ポイントT(B)を0とするようにしている。したがって、図9のグラフの場合、ブロックBa〜Beの5つについて、1以上の表示時間ポイントT(B)が与えられ、それ以外のブロックの表示時間ポイントT(B)は0になる。
また、ここに示す実施形態の場合、しきい値以上の正規化時間Nをもった部分(ブロック)については、4段階の量子化を行い、1,2,3,4のいずれかの表示時間ポイントT(B)を与えている。図10は、正規化時間Nを量子化して表示時間ポイントT(B)を得るための規則の一例を示す図である。この規則では、正規化時間Nが0.9以上あればポイント4を与え、0.9未満0.8以上であればポイント3を与え、0.8未満0.7以上であればポイント2を与え、0.7未満0.5以上であればポイント1を与え、0.5未満であればポイント0を与えることになる。
図11は、図9に示す正規化時間Nを図10に示す規則に基づいて量子化することにより得られた表示時間ポイントT(B)を示すグラフである。ブロックBa〜Beの5つについて、1以上の表示時間ポイントT(B)が与えられ、それ以外のブロックの表示時間ポイントT(B)は0になっている。このような処理を行うことにより、図7のグラフに示されている累積表示時間tは、図11に示すような表示時間ポイントT(B)に変換されることになる。すなわち、時分秒という実時間の単位をもった累積表示時間tは、正規化および量子化を経て、0,1,2,3,4という5段階の値をもった表示時間ポイントT(B)に変換される。
要するに、ここに示す実施形態の場合、抵抗関数生成部60は、1冊の電子書籍に含まれる複数m個のブロックの各累積表示時間tに対して所定の正規化関数N(t)を作用させて正規化し、得られた正規化時間Nを所定規則に従って量子化することにより、複数段階の値をもった表示時間ポイントT(B)を求める処理を行うことになる。そして、個々の頁の抵抗値は、当該頁に含まれるブロックについての表示時間ポイントT(B)の総和として定義することができる。
たとえば、図5に示す例の場合、ブロックB1011〜B1014について求められた表示時間ポイントT(B)の総和が第86頁についての抵抗値となり、ブロックB1015〜B1017について求められた表示時間ポイントT(B)の総和が第87頁についての抵抗値となる。なお、各頁の抵抗値を算出する際に、1つのブロックの内容が複数の頁に跨がって表示される場合、当該ブロックについての表示時間ポイントT(B)は、代表となるいずれか1頁についてのみカウントするようにしてもよいし、すべての頁についてカウントするようにしてもよい。あるいは、頁に跨がる割合に応じて按分したポイントを各頁についてカウントするようにしてもよい。
こうして個々の頁に定義された抵抗値は、既に述べたとおり、表示画像作成部45が頁送り処理を行う際に参照され、抵抗値が大きい頁ほど、画面上の滞在時間が長くなるような頁送りが行われる。上例のような量子化により複数段階の値をもった表示時間ポイントT(B)を求めるようにすれば、抵抗値も複数段階の値として定義されるようになる。その結果、頁送りを行う際に、頁ごとの画面上の滞在時間に段階的な相違が生じるようになるので、閲覧者は、当該段階的な相違が容易に把握できるようになり、頁送りに時間を要する頁(すなわち、過去の閲覧時における留意度が高い頁)に気付きやすくなる。
たとえば、図11に示す例の場合、閲覧者がパラパラと頁をめくって書籍全体を流し見する頁送り操作を行うと、ブロックBbやBcを含む頁は、他の頁に比べて格段に、頁送りに時間を要することになる(画面上の滞在時間が長くなる)ので、閲覧者の目に付きやすくなる。かくして、特定の留意部分を見つけやすい形態で、頁送りの画像表示を行うことが可能になる。
<3.2 付加情報に基づく生成法 >
閲覧者の留意度を判定する別な材料は、閲覧時に特定箇所に付加される付加情報(いわゆるアノテーション情報)である。既に述べたとおり、閲覧者は、閲覧操作入力部30に対して、現在閲覧中の特定箇所に対して、所望の付加情報を付加する旨の操作入力を行うことができる。閲覧者が付加した付加情報は、書籍データ格納部20内に、書籍データとともに格納され、必要に応じて、表示画像作成部45が作成する表示画像中に組み込まれ、表示部10によって表示される。
このような付加情報は、閲覧者自身の意図によって付加されるものであり、付加情報を付加する対象となった箇所は、閲覧者が何らかの関心をもっていた箇所である可能性が高い。したがって、付加情報が多い箇所ほど大きな抵抗値を定義する、という方針で抵抗関数を生成するアプローチは、理にかなっている。
このようなアプローチをとる場合は、閲覧履歴収集部50が、個々のブロックごとに、それぞれ閲覧操作によって付加された付加情報を閲覧履歴として収集するようにし、抵抗関数生成部60が、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックに付加されている付加情報が多いほど大きな抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成するようにすればよい。
ここで述べる実施形態の場合、様々な付加情報を所定の尺度で定量的に取り扱うことができるように、付加情報ポイントという抽象的なポイント値を定義し、この付加情報ポイントに基づいて抵抗値を定義するという方法を採っている。すなわち、抵抗関数生成部60は、ブロック番号Bのブロックについて、当該ブロックについて付加された付加情報の量(必ずしも物理的なデータ量ではなく、情報の内容も考慮した抽象概念としての量)を示す付加情報ポイントA(B)を求め、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての付加情報ポイントA(B)の総和に基づいて抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成する。以下、このような抵抗関数の生成法による具体的な処理を、実例を挙げながら説明する。
図12は、閲覧履歴収集部50によって収集されたブロックごとの付加情報に基づいて付加情報ポイントA(B)を定義する規則の一例を示す図である。ここに示す例は、閲覧操作入力部30が、書籍の特定箇所にしおり情報、メモ情報、もしくはハイライト情報を付加情報として付加する機能を有することを前提としたものである。
しおり情報は、特定の頁を対象として付加される情報であり、ここに示す規則の場合、しおり情報が付加された場合には、付加対象頁に含まれる代表ブロック(たとえば、付加対象頁の先頭ブロック)に+1ポイントが付加されることになる。もちろん、付加対象頁に含まれる全ブロックに+1ポイントを付加するようにしてもよい。一方、メモ情報は特定箇所を対象として付加される文字列からなる情報であり、ここに示す規則の場合、文字列の長さにかかわらず、メモ情報の付加対象箇所を含む対象ブロックに+2ポイントが付加される。また、ハイライト情報は特定の文字列を対象として付加される情報であり、ここに示す規則の場合、文字列の長さにかかわらず、ハイライト情報の付加対象文字列を含む対象ブロックに+1ポイントが付加される。
図13は、図6に示す電子書籍閲覧装置によって特定の頁に付加情報を付加した状態を示す平面図である。具体的には、図4に示す第87頁について、付加情報A1,A2,A3が付加された状態を示している。付加情報A1は、しおり情報であり、この第87頁を付加対象頁として付加されている。しおり情報が付加された頁は、しおり頁を開くための所定の操作を行うことにより直ちに開くことができるようになる。付加情報A2はハイライト情報であり、図示の例の場合、「地球温暖化」という文字列を付加対象として付加されている。ハイライト情報が付加された文字列は、図示のように、ハイライト表示される。付加情報A3はメモ情報であり、図示の例の場合、表を付加対象として付加されている。メモ情報の実体は文字列であり、閲覧者は、任意の文字列を所定の方法でメモ情報として入力することができる。メモ情報の内容は、メモ情報が付加された箇所に対して、たとえば、クリック操作などを行うことにより表示させることができる。図では、表の部分に対するクリック操作により、吹き出しの形式でメモ情報の内容が表示された状態が示されている。
なお、ここで例示したしおり情報、メモ情報、ハイライト情報は、既に多くの電子書籍閲覧装置で採用されている付加情報である。したがって、これら付加情報についての具体的な付加操作、データ構造、表示方法などは公知の技術であり、ここでは詳しい説明は省略する。
閲覧履歴収集部50は、個々のブロックごとに、それぞれ当該ブロックに対応する箇所に付加された付加情報を閲覧履歴として収集する。そして、抵抗関数生成部60は、しおり情報、メモ情報、もしくはハイライト情報のそれぞれを参照し、図12に例示したような規則によって予め設定されたポイント値に基づいて、各ブロックについての付加情報ポイントA(B)を求める。たとえば、図13に示すような付加情報A1,A2,A3が付加された場合、図5に示す各ブロックのうち、付加情報A1(しおり情報)についてのポイント+1がブロックB1015(第87頁の先頭ブロック)に加点され、付加情報A2(ハイライト情報)についてのポイント+1がブロックB1016(「地球温暖化」なる文字列を含むブロック)に加点され、付加情報A3(メモ情報)についてのポイント+2がブロックB1017(付加対象となるテーブルを含むブロック)に加点される。結局、図示の例の場合、第87頁に含まれる全ブロックに付加された付加情報ポイントA(B)の総和は4ポイントということになり、第87頁に対する抵抗値=4と定義することができる。
図14は、閲覧履歴収集部50によって収集されたブロックごとの付加情報に基づいて得られた付加情報ポイントA(B)の一例を示すグラフである。図12に例示するような規則によって付加情報ポイントA(B)を定義し、各ブロックについての付加情報ポイントA(B)を、当該ブロックに加点されるポイントの合計値として求めることにすれば、得られる付加情報ポイントA(B)は0,1,2,3,...といった整数値になり、前述した表示時間ポイントT(B)と同様に量子化された値になる。
もちろん、図12に示す規則は、説明の便宜上、非常に単純な一例を示すものであり、より細かな加点規則を設定してもかまわない。たとえば、メモ情報やハイライト情報については、付加対象となる文字数に応じてポイントが上がるような規則を採用してもよい。また、通常、付加情報は、閲覧者が不要になったと判断した時点で、閲覧操作入力部30に対して削除指示を与えることにより削除することができる。このように、付加情報が削除された場合、当該付加情報に起因して加点されていた付加情報ポイントA(B)に対しても削除処理(減点処理)を行うようにすればよい。
<3.3 実用的な抵抗値の生成法 >
以上、抵抗関数生成部60が抵抗関数を生成する方法として、累積表示時間に基づく生成法と付加情報に基づく生成法とを述べたが、実用上は、これら2通りの生成法を併用した方法を採るのが好ましい。そうすれば、閲覧者の留意度をより反映した抵抗関数を生成することが可能になる。
すなわち、閲覧履歴収集部50は、個々のブロックごとに、それぞれ累積表示時間と閲覧操作によって付加された付加情報とを閲覧履歴として収集し、抵抗関数生成部60は、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての累積表示時間が長いほど、かつ、当該頁に含まれるブロックに付加されている付加情報が多いほど、大きな抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成するようにする。
より具体的には、抵抗関数生成部60は、ブロック番号Bのブロックについて、当該ブロックについての累積表示時間に応じた量を示す表示時間ポイントT(B)を求めるとともに、当該ブロックについて付加された付加情報の量を示す付加情報ポイントA(B)を求め、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての表示時間ポイントT(B)および付加情報ポイントA(B)の総和に基づいて抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成すればよい。
図15は、図11に示す表示時間ポイントT(B)と図14に示す付加情報ポイントA(B)とを加算することによって得られた合算ポイントS(B)を示すグラフである。すなわち、合算ポイントS(B)は、S(B)=T(B)+A(B)として求められ、累積表示時間と付加情報との双方を考慮して得られる留意度を示すパラメータということができる。なお、合算時に所定の係数k1,k2を用いて、S(B)=k1・T(B)+k2・A(B)のような式で合算ポイントS(B)を定義してもかまわない。
この図15に示す合算ポイントS(B)は、個々のブロックについて、それぞれ留意度を示すものであるので、個々の頁の抵抗値は、当該頁に含まれるブロックについての合算ポイントS(B)の総和として定義することができる。図16は、図15に示す合算ポイントS(B)に基づいて、頁ごとの抵抗値R(P)を求める式を示す図である。すなわち、第P頁についての抵抗値R(P)は、R(P)=ΣB=Bbegin〜Bend S(B)なる式で算出できる(電子出願の制約上、本願明細書および特許請求の範囲では、変数Xを初期値X1から終値X2まで変化させたときの関数F(X)の値の総和を、便宜上、ΣX=X1〜X2 F(X)と表記する。)。ここで、Bbeginは、第P頁に含まれる最初のブロックのブロック番号であり、Bendは、第P頁に含まれる最後のブロックのブロック番号である。
このような方法で各頁について抵抗値R(P)を定義すれば、累積表示時間の長いブロックや付加情報の多いブロックを含む頁、すなわち、過去の閲覧履歴により閲覧者の留意度が高いと推定される頁には、より大きな抵抗値が定義されることになる。したがって、これらの頁は、頁送りを行う場合に画面上の滞在時間がより長くなり、閲覧者にとって見つけやすくなる。
ここで述べる実施形態の場合、閲覧履歴は個々のブロック単位で収集されるのに対して、抵抗関数は、個々の頁について定義された抵抗値を示す関数であるから、表示部10に表示する頁構成が変わると、抵抗関数も変わることになる。たとえば、表示画像作成部45が、図2〜図4に示すサイズのフォントを用いて表示画像を作成する表示モードM1と、これより小さいサイズのフォントを用いて表示画像を作成する表示モードM2と、を備えており、閲覧操作入力部30に対して与えるモード切替操作によって、表示モードM1/M2を切り替えることができる機能が設けられていた場合、同じ書籍であっても、表示モードによって、実際に表示される頁の構成は異なってくる。
このような場合、抵抗関数生成部60は、個々の表示モードごとに異なる抵抗関数を生成し、それぞれを抵抗関数格納部70に格納すればよい。すなわち、上例の場合、同じ書籍甲について、表示モードM1で表示する場合の抵抗関数と、表示モードM2で表示する場合の抵抗関数とが、それぞれ別個独立して生成され、抵抗関数格納部70に格納されることになる。また、表示画像作成部45は、切り換えられた表示モードに応じた抵抗関数を参照して、頁送り処理を行うことになる。
なお、pdf形式のファイルなど、頁構成が固定の電子書籍を取り扱う場合は、閲覧履歴収集部50が、1頁を1ブロックとして、個々の頁単位で閲覧履歴を収集するようにし、抵抗関数生成部60が、個々の頁について、当該頁を1ブロックとして収集した閲覧履歴に基づいて抵抗関数を生成するようにすればよい。すなわち、頁構成が固定の電子書籍では、これまでの説明で述べてきた「ブロック」を「頁」に置き換えた取り扱いを行うことが可能になる。この場合、図7,図9,図11,図14,図15に示すグラフの横軸は、ブロック番号Bではなく、頁番号Pとなるので、たとえば、図15に示す合算ポイントS(B)は、そのまま抵抗関数R(P)としての機能を果たすことができる。
ところで、これまでの説明では、抵抗関数生成部60が抵抗関数を生成するタイミングについては、特に言及しなかったが、実用上は、抵抗関数の生成タイミングを予め定めておき、当該タイミングが到来した時点で、それまでに閲覧履歴収集部50が収集した閲覧履歴に基づいて最新の抵抗関数を生成し、これを抵抗関数格納部70に格納する処理を行うようにするのが好ましい。閲覧者が閲覧操作を行うたびに、新たな閲覧履歴が収集されることになるので、抵抗関数生成部60が生成する抵抗関数は、生成タイミングに応じて常に変遷することになる。そこで、抵抗関数格納部70には、常に、最新の抵抗関数のみが格納されるようにしておけば、表示画像作成部45は、最新の抵抗関数を参照して、頁送り処理を行うことができる。
抵抗関数の生成タイミングとしては、たとえば、この電子書籍閲覧装置の起動時(電子書籍閲覧装置として機能するアプリケーションプログラムの起動時)を設定しておくことができる。そのような設定では、電子書籍閲覧装置が起動されるたびに、書籍データ格納部20に格納されている各電子書籍について、閲覧履歴収集部50にその時点で格納されている過去の閲覧履歴に基づいて、新たな抵抗関数が生成され、抵抗関数格納部70に格納されることになる。もちろん、電子書籍閲覧装置の終了時を抵抗関数の生成タイミングとして設定しておくことも可能であるし、その他の任意の時点を抵抗関数の生成タイミングとして設定しておくことも可能である。もちろん、電子書籍閲覧装置の起動中は、5分おきに新たな抵抗関数を生成する、というような運用も可能である。
<<< §4. 頁送り処理 >>>
前述したとおり、図6に示す電子書籍閲覧装置における表示画像作成部45は、閲覧操作入力部30から頁送り操作が与えられたときに、抵抗関数によって定義された抵抗値が大きい頁ほど、画面上の滞在時間が長くなるように、表示画像を更新する頁送り処理を実行する。一般に、電子書籍閲覧装置における頁送り操作および当該操作に応じて行われる頁送り処理には、様々な形態が利用されている。そこで、ここでは、この頁送り処理の詳細を、いくつかの実施形態に基づいて説明する。
<4.1 指の移動に追従した頁送り処理 >
タブレット型電子端末やスマートフォンなど、表示画面上にタッチパネルを採用している電子機器を利用した電子書籍閲覧装置では、タッチパネル上での指の移動操作を頁送り操作として検出し、この指の移動に追従して頁送りを行う形態が広く利用されている。たとえば、図3に示す例の場合、閲覧者が人差し指を表示画面に接触させた状態で、矢印に示すように左方向へスライドさせると、頁が指の移動に追従して左方向へとスライドするアニメーションが表示される。頁がある程度送られた状態で指を離すと、慣性によって頁がそのまま移動し続け、図4に示すように、次の頁が表示された状態で頁の移動が停止するようなアニメーションを採用する例が多い。
このようなユーザインターフェイスを採用する装置では、閲覧者は、あたかも指で実在の頁をスライドさせる操作を行っている感覚で、頁送り操作を行うことができる。閲覧者は、電子書籍の中の特定箇所を探す場合、図3に示す指の移動操作を繰り返し実行して頁を順次送り、書籍全体を流し見すればよい。このように、頁を順に送りながら書籍全体を流し見て特定箇所を探す方法は、紙媒体の書籍において古くから親しまれてきた方法であり、電子書籍においても頻繁に利用されている。これは、人間の脳が、書籍の内容を熟読しないまでも、文字や図の配置パターンを視覚的に把握する能力をもっているためであり、今後、電子書籍閲覧装置に様々な検索機能が備わったとしても、頁を順に送りながら書籍全体を流し見しながら特定箇所を探す原始的な方法は、単純かつ直観的な方法として、多くの閲覧者が利用することになろう。
しかしながら、前述したとおり、紙媒体の書籍では、物理的な閲覧動作によって紙媒体自体に物理的な構造変化が生じるため、書籍の全頁を順に送ってゆく操作を行った場合、過去に留意した頁の位置が開きやすくなっており、その位置で頁送り動作が一時中断し、過去の留意箇所が閲覧者の目に触れる確率が高くなる。たとえば、長時間にわたって熟読したり、マーカーを用いてラインを引いたり、メモを書込んだりした頁は、紙の綴じ目が物理的に開きやすい状態になるので、パラパラと頁をめくってゆく動作を行った場合、連続的な頁めくり操作が中断しやすくなり、閲覧者の目に触れやすくなる。
これに対して、従来の電子書籍閲覧装置において、頁を順に送りながら書籍全体を流し見する操作を行った場合、紙の綴じ目に物理的な変化が生じることがないので、頁送り操作に関してはどの頁も均等である。その一方で、図3に例示するような指の移動による頁送り操作は、非常に単調な操作であり、無意識のうちに同じ操作を繰り返しやすい。このため、探していた特定箇所を見落としてしまったり、視覚的には認識できたが、指が無意識に繰り返し動作を行ってしまったため、通り過ぎてしまったり、という事態が生じやすい。
本発明の主眼は、電子書籍閲覧装置における、このような弊害を解消することにある。既に述べたとおり、本発明に係る電子書籍閲覧装置では、過去の閲覧履歴に基づいて、閲覧者が留意した頁に対しては大きな抵抗値が定義されることになり、閲覧者が頁送り操作を行った場合、定義された抵抗値が大きい頁ほど、画面上の滞在時間が長くなるように、表示画像を更新する頁送り処理が実行される。たとえば、図3に例示するように、指をスライドさせることによって頁を送るユーザインターフェイスを採用している装置の場合、閲覧者が、全く同じテンポで指をスライドさせる操作を繰り返したとしても、大きな抵抗値が定義された頁は、画面上でのスライド速度が遅くなり、画面上の滞在時間が長くなる。したがって、過去に留意した頁(すなわち、累積表示時間の長い頁や付加情報を付加した頁)は、見つけやすくなる。
図17は、指による頁送り操作に追従して画面上で頁送り処理を行う基本原理を示す図である。図には、左から右へ向かって、第83頁〜第89頁が並んだ状態が示されているが、これは、連続した頁が画面上で順次送られる状態を説明するための概念を示すものである。図に太線で示す表示フレームFは、表示部10の表示画面に相当するものであり、実際には、第83頁〜第89頁の情報のうち、表示フレームF内の情報のみが画面上に表示されることになる。
この例では、閲覧者が、画面上(タッチパネル上)に指を接触させ、左方向へとスライドさせる動作を行うと、頁は1頁分だけ左方向へスライドすることになる。したがって、閲覧者が、このようなスライド動作を繰り返し実行すれば、頁は1頁分ずつ順方向(頁番号の昇順)にスライドしてゆくことになる。このようなスライドアニメーションを表示させるユーザインターフェイスを採用する場合、頁送り速度Vpageを指の移動速度Vswipeに一致させるのが一般的である。すなわち、閲覧者が、指を速く移動させれば、それだけ頁の移動速度も速くなる。
このように、Vpage=Vswipeという設定をすると、閲覧者には、紙媒体の書籍の頁をめくる操作に近い自然な感覚が得られる。これは、指の移動に追従して、頁が移動するため、あたかも実在の頁を指で動かしているような感触が得られるためである。これに対して、ここで述べる実施形態では、抵抗値の大きな頁に関しては、敢えてVpage<Vswipeという設定を採用するのである。すなわち、図17において、指を左方向にVswipeという速度でスライドさせた場合、表示フレームF内の頁も左方向にスライドすることになるが、その速度Vpageは、当該頁の抵抗値に応じて小さくなるような設定が行われるようにする。
具体的には、第P頁目が画面に表示されているときに、当該頁を左にスライドさせて第(P+1)頁目、あるいは、当該頁を右にスライドさせて第(P−1)頁目を表示させるために、閲覧者が速度Vswipeで指を左あるいは右に移動させる頁送り操作を行った場合、図17に示されているように、抵抗関数R(P)を用いて、Vpage=Vswipe−k・R(P)なる式で求まる頁送り速度Vpageで、表示フレームF内の頁が送られるようなアニメーションを表示すればよい。ここで、kは所定の比例定数であり、Vpageが常に正になるような値に設定する(すなわち、R(P)の最大値をRmaxとしたときに、k・Rmax<Vswipeとなるような値kを設定すればよい)。
閲覧操作入力部30に、閲覧者の指の移動速度Vswipeを検知する機能をもたせておけば、表示画像作成部45は、抵抗関数格納部70に格納されている抵抗関数R(P)を用いて、上記演算式による演算を行い、頁送り速度Vpageを決定することができるので、当該速度Vpageで頁送りを行うアニメーションを表示することができる。抵抗関数R(P)によって定義された抵抗値が0の頁を送る際には、従来装置で一般的に行われているように、指の移動操作に完全に追従して頁が送られることになるが、0を超える抵抗値が定義された頁を送る際には、頁送り速度Vpageが指の移動速度Vswipeよりも小さくなるため、頁送りの追従動作に遅延が生じることになる。すなわち、閲覧者には、当該頁が若干スリップしながら送られる感触が伝わり、頁送りを行う際に、抵抗値に応じた抵抗が作用しているように感じられることになる。
結局、定義された抵抗値が大きい頁ほど、画面上の滞在時間が長くなるように、表示画像を更新する頁送り処理が行われることになり、抵抗値が大きい頁ほど(すなわち、過去の閲覧履歴によって留意度が高いと判断された頁ほど)、閲覧者の目に触れやすい形で頁送りがなされる。
なお、表示部10による表示形態は、必ずしも1画面1頁という形態ではなく、1画面に複数頁を表示する形態が採られる場合もある。そのような場合には、表示されている複数の頁の抵抗値を総合的に参照して、頁送り速度Vpageを決定するようにすればよい。たとえば、図17の下段に括弧書きで示す式は、表示されている複数の頁の抵抗値の総和に基づいて、頁送り速度Vpageを決定する式である。すなわち、この例の場合、頁送り速度Vpageは、Vpage=Vswipe−k・ΣP=Pbegin〜Pend R(P)なる式に基づいて決定される。ここで、Pbeginは、頁送り処理を行う際に画面上に表示されている表示開始頁の番号、Pendは、表示終了頁の番号であり、kは、Vpageが常に正になるように設定した所定の比例定数である。
図18は、1画面2頁という表示形態を採る電子書籍閲覧装置において、指によって頁をスライドさせる操作を行うことにより、画面上で頁送り処理が行われている状態を示す平面図である。具体的には、画面上に第86頁と第87頁とが並列して表示されている状態において、閲覧者が指をスライドさせる頁送り操作を行うことにより、第88頁と第89頁とが並列して表示される状態へ変遷するアニメーションが表示されることになる。
この場合も、指の移動に追従して頁がスライドすることになるが、表示開始頁Pbegin=86,表示終了頁Pend=87であるから、頁送り速度Vpageは、Vpage=Vswipe−k・ΣP=86〜87 R(P)なる式に基づいて決定される。すなわち、現在表示中の第86頁および第87頁の抵抗値の和(R(86)+R(87))に比例定数kを乗じた値を、指の移動速度Vswipeから減じることにより、頁送り速度Vpageが算出される。したがって、やはり過去の閲覧履歴によって留意度が高いと判断された頁ほど、画面上の滞在時間が長くなり、閲覧者が見つけやすくなる。
一般的には、1画面1頁もしくは1画面2頁という表示形態が採られることが多いが、もちろん、1画面4頁、1画面6頁という表示形態を採る場合も、上記式に基づいて、表示されている複数頁の抵抗値の総和により、頁送り速度Vpageを決定すればよい。
また、閲覧者が行う頁送り操作としては、図18に示すように頁をスライドさせる操作だけでなく、図19に示すように頁をめくる操作が採用されることもあるが、ここで述べる実施形態による処理は、いずれの操作にも対応可能である。頁をスライドさせる操作も、頁をめくる操作も、実際にタッチパネル上で行われる物理的な操作は、指をタッチパネルに接触させた状態で所定方向に移動させる操作である。したがって、両者の違いは、閲覧者による物理的な操作そのものにあるわけではなく、頁が送られている様子を示すアニメーションの形態の違いということになる。結局、表示画像作成部45が、図17に示す式に基づいて頁送り速度Vpageを決定し、当該速度Vpageで頁がめくられるアニメーションを表示すれば、図19に示すように頁をめくる操作を採用する装置についても、この実施形態による処理を適用することが可能である。
更に、この実施形態による処理は、図20に例示するように、頁送りバーI上で指をスライドさせる操作を行うことにより、画面上で頁送り処理を行うユーザインターフェイスを採用する装置にも適用可能である。図は、全100頁から構成される電子書籍について、頁送りバーIを利用して頁送り操作を行っている状態を示している。この例の場合、頁送りバーIは、必要なときに表示画面の上端や下端に、表示頁の上に重ねて表示させることができ、図に三角形で示す頁位置カーソルCを左右に移動させることにより、所望の頁を表示させることができる。頁位置カーソルCは、頁送りバーIに沿って左右に移動させることが可能であり、画面には、常に、頁位置カーソルCが示す位置の頁が表示される(図示の例の場合、画面には第58頁目あたりが表示されていることになる)。
頁位置カーソルCは、指fの左右の動きに追従して移動する。すなわち、図示のように指fを右方向へ移動させると、この指の動きに追従して、頁位置カーソルCも右方向へと移動する。ただし、頁位置カーソルCによって示されている頁(すなわち、現在、表示されている頁)を第P頁とし、指の移動速度をVswipeとすれば、図17に示す式に基づいて、頁送り速度Vpageが決定される。したがって、基本的には、指fを速く動かせば、頁位置カーソルCもこれに追従して速く移動し、頁送りも速く行われることになるが、頁送り速度Vpageは各頁に定義された抵抗値に応じて減じられるため、頁位置カーソルCの追従動作には遅延が生じることになる。
このように、ユーザインターフェイスには様々な形態を採用することが可能であるが、ここで述べた実施形態の本質的な特徴は次のとおりである。まず、閲覧操作入力部30は、閲覧者が表示画面上において指を移動することにより、表示されている頁をスライドさせる操作(たとえば、図18に示す操作)もしくは表示されている頁をめくる操作(たとえば、図19に示す操作)を行った場合に、当該操作を頁送り操作として入力する。具体的には、閲覧操作入力部30は、閲覧者の指の移動方向とともに移動速度Vswipeを検知する機能を有している。そして、表示画像作成部45は、この指を移動させる操作に追従して頁が送られるように画像を更新する頁送り処理(頁送りのアニメーション表示処理)を行い、かつ、抵抗値の大きな頁ほど、追従動作に遅延を生じさせるような処理を行うことになる。
頁送りの追従動作に遅延を生じさせる具体的な方法としては、抵抗関数格納部70に格納されている抵抗関数R(P)を利用して、第P頁目が画面に表示されているときの頁送り速度をVpageとしたときに、Vpage=Vswipe−k・R(P)なる演算式(但し、kは、Vpageが常に正になるように設定した所定の比例定数)に基づいて頁送り速度Vpageを決定し、当該速度で第P頁目に対する頁送りアニメーションが表示されるようにすればよい。また、1画面に複数頁を表示する形態を採る場合は、第Pbegin頁〜第Pend頁が画面に表示されているときの頁送り速度をVpageとしたときに、Vpage=Vswipe−k・ΣP=Pbegin〜Pend R(P)なる演算式(但し、kは、Vpageが常に正になるように設定した所定の比例定数)に基づいて頁送り速度Vpageを決定すればよい。
もちろん、上記演算式は、一実施例を示すものであり、頁送り速度Vpageを決定するための演算式は、上記演算式に限定されるものではない。要するに、1画面に1頁を表示する形態を採る場合は、Vpageの値が、R(P)の増加に伴ってVswipeの値から単調減少する値となるように設定すればよい。また、1画面に複数頁を表示する形態を採る場合は、Vpageの値が、ΣP=Pbegin〜Pend R(P)の増加に伴ってVswipeの値から単調減少する値となるように設定すればよい。
<4.2 頁送りボタンによる頁送り処理 >
電子書籍閲覧装置によっては、閲覧者に頁送りボタンを操作させて頁送り処理を実行するユーザインターフェイスを採用するものもある。ここでは、そのような装置に適した頁送り処理の具体的な方法を説明する。
図21は、画面上に表示された頁送りボタンを指で操作することにより、画面上で頁送り処理を行う例を示す平面図である。すなわち、この例では、画面左下に頁送りボタンS1、画面右下に頁送りボタンS2が表示されており、第P頁目が表示されている状態において、閲覧者が指でボタンS1をタップすると、前頁へスライドするアニメーションが表示されて第(P−1)頁目の表示に切り替わり、閲覧者が指でボタンS2をタップすると、後頁へスライドするアニメーションが表示されて第(P+1)頁目の表示に切り替わる。
このように、閲覧者のタップ操作に基づいて頁送りを行うユーザインターフェイスを採用する装置では、通常、タップ操作の入力があったときに直ちに頁送り処理が行われる。たとえば、図21に示す例の場合、第87頁が表示されている状態において、閲覧者が頁送りボタンS1をタップすると、直ちに第86頁への頁送り処理が開始され、画面上で頁がスライドするアニメーションを表示するための表示画像の更新処理が行われる。図は、このようなスライドアニメーションの途中の状態を示している。
一般に、閲覧者に対して良好なユーザインターフェイスを提供するという観点では、タップ操作の入力後に、直ちに頁送り処理を実行するのが好ましい。閲覧者は、タップ操作の実行後、当該操作に対するレスポンスとして、頁送りアニメーションを直ちに確認することができるので、良好な操作性を体感することができる。これに対して、ここで述べる実施形態は、頁送りアニメーションが開始するまでに、敢えて抵抗値に応じた遅延時間を設定するという方法を採ることにより、定義された抵抗値が大きい頁ほど、画面上の滞在時間が長くなるように、表示画像を更新する頁送り処理を行う。
具体的には、閲覧操作入力部30に、頁送りボタンS1,S2に対する閲覧者のタップ操作を頁送り操作として入力する機能をもたせておき、表示画像作成部45は、第P頁目が表示されている状態においてタップ操作の入力があった場合に、Delay=k・R(P)なる遅延時間(但し、kは所定の比例定数)だけ遅延して表示画像の更新を開始するようにすればよい。図22は、このような方法で遅延時間Delayを算出する式を示している。括弧内の式は、1画面に複数頁を表示する形態を採る場合の式であり、第Pbegin頁〜第Pend頁が画面に表示されている状態においてタップ操作の入力があった場合に、Delay=k・ΣP=Pbegin〜Pend R(P)なる遅延時間(但し、kは所定の比例定数)だけ遅延して表示画像の更新を開始することになる。
たとえば、図21に示す例のように、1画面1頁の表示形態を採る装置において、第87頁が表示されている状態で、閲覧者が頁送りボタンS1をタップした場合を考えてみる。この場合、第87頁について、Delay=0.5秒という遅延時間が算出されたとすると、タップ操作から0.5秒だけ遅延して、頁送り処理が実行されることになる。閲覧者から見ると、頁送りボタンをタップしてから0.5秒だけ遅延して、当該タップ操作のレスポンスとしての頁送りアニメーションが開始することになる。
このように、タップ操作に対するレスポンスという点のみに着目すると、遅延時間Delayは、閲覧者の操作に対する応答性を阻害する要因になるが、閲覧者が、頁を順に送りながら書籍全体を流し見て特定箇所を探す操作を行っている場合には、当該特定箇所が見つかりやすくする特有の効果を奏することになる。すなわち、閲覧者は、書籍全体を流し見る場合、頁送りボタンS1もしくはS2を繰り返しタップする操作を続けることになるが、このようなタップ操作の繰り返しは、非常に単調な操作であり、無意識のうちに同じ操作を繰り返しやすい。このため、探していた特定箇所を見落としてしまったり、視覚的には認識できたが、指が無意識にタップ操作を繰り返してしまったため、通り過ぎてしまったり、という事態が生じやすい。
ここに述べる実施形態の場合、定義された抵抗値が大きい頁ほど、遅延時間Delayが大きくなるため、連続したタップ操作で頁を連続的に送った場合、抵抗値が大きい頁は画面上の滞在時間が長くなり、閲覧者の目に触れやすくなる。また、頁送りボタンをタップしてから遅延時間Delayが経過するまでの間に、所定のキャンセル操作(たとえば、頁送りボタン以外の任意の表示画面をタップする操作)を行うことにより、頁送り操作を取り消すことができるようにしておけば、探している特定箇所が表示されたときに、指が無意識にタップ操作を繰り返してしまった場合でも、遅延時間Delay内にキャンセル操作を行うことにより、そのまま特定箇所を表示させておくことが可能になる。
一方、頁送りボタンを利用したユーザインターフェイスを採用する装置であっても、タップ操作ではなく、継続的な押圧操作による入力を前提とするものもある。たとえば、図21に示す頁送りボタンS1もしくはS2を指で押し続けていると、押し続けている間、連続的に頁が送られてゆき、指を離した時点で頁送りが停止する、というユーザインターフェイスを採用する装置では、閲覧操作入力部30が、頁送りボタンに対する閲覧者の押圧操作を頁送り操作として入力する機能を有していることになる。
このような装置に本発明を適用するには、表示画像作成部45が、押圧操作が継続している間、画面上で連続的な頁送り処理を行うようにし、しかも、第P頁目が画面に表示されているときの頁送り速度Vscrollを、図23に示すように、Vscroll=Vstandard−k・R(P)なる演算式で算出するようにすればよい。ここで、R(P)は、抵抗関数格納部70に格納されている抵抗関数、Vstandardは標準速度、kは、Vscrollが常に正になるように設定した所定の比例定数である(R(P)の最大値をRmaxとしたときに、k・Rmax<Vstandardとなるような値kを設定すればよい)。なお、図23に示されている括弧内の式は、1画面に複数頁を表示する形態を採る場合の式であり、第Pbegin頁〜第Pend頁が画面に表示されているときには、Vscroll=Vstndard−k・ΣP=Pbegin〜Pend R(P)なる演算式を用いて頁送り速度Vscrollを決定すればよい(ここでも、kは、Vscrollが常に正になるように設定した所定の比例定数)。
もちろん、上記演算式は、一実施例を示すものであり、頁送り速度Vscrollを決定するための演算式は、上記演算式に限定されるものではない。要するに、1画面に1頁を表示する形態を採る場合は、Vscrollの値が、R(P)の増加に伴って標準速度Vstandardの値から単調減少する値となるように設定すればよい。また、1画面に複数頁を表示する形態を採る場合は、Vscrollの値が、ΣP=Pbegin〜Pend R(P)の増加に伴って標準速度Vstandardの値から単調減少する値となるように設定すればよい。
上述した頁送り処理を採用すれば、閲覧者が頁送りボタンS1もしくはS2を指で押し続けると、表示画面上の頁は自動的に送られてゆくことになるが、頁送り速度Vscrollは、個々の頁について定義された抵抗値に応じて減速されることになる。すなわち、大きな抵抗値が定義された頁ほど(すなわち、過去の閲覧履歴によって留意度が高いと判断された頁ほど)、ゆっくりと送られることになり、閲覧者の目に触れやすい形で頁送りがなされるようになる。
また、頁送りボタンに対する閲覧者の押圧操作を頁送り操作として入力する機能を有する装置であっても、画面に表示される頁送りのアニメーションを、連続的な頁送りアニメーションではなく、断続的な頁送りアニメーションとする装置も存在する。たとえば、図21に示す頁送りボタンS1もしくはS2を指で押し続けていると、押し続けている間、断続的に頁が送られてゆき、指を離した時点で頁送りが停止する、というユーザインターフェイスを採用する装置も存在する。
このような装置では、予め所定の待ち時間Twaitが設定されており、この待ち時間Twaitだけ所定頁を静止状態で表示したら、頁を更新する動作を行い、更新された頁を再び待ち時間Twaitだけ表示したら、次の頁更新動作を行う、という処理が、頁送りボタンに対する押圧操作が行われている間、繰り返される。たとえば、待ち時間Twait=0.8秒、頁の更新時間(新たな頁表示に切り換えるためのアニメーション表示時間)を0.2秒とすれば、閲覧者は、頁送りボタンを押し続けている限り、1秒周期で表示頁が更新される様子を閲覧することができる。
このような装置に本発明を適用するには、表示画像作成部45が、押圧操作が継続している間、画面上で断続的な頁送り処理を行うようにし、しかも、第P頁目が画面に表示されているときの次回の頁更新時までの待ち時間Twaitを、図24に示すように、Twait=Tstandard+k・R(P)なる演算式で算出するようにすればよい。ここで、R(P)は、抵抗関数格納部70に格納されている抵抗関数、Tstandardは標準待ち時間、kは所定の比例定数である。なお、図24に示されている括弧内の式は、1画面に複数頁を表示する形態を採る場合の式であり、第Pbegin頁〜第Pend頁が画面に表示されているときには、Twait=Tstandard+k・ΣP=Pbegin〜Pend R(P)とする演算式を用いて待ち時間Twaitを決定すればよい(ここでも、kは、所定の比例定数)。
上述した頁送り処理を採用すれば、閲覧者が頁送りボタンS1もしくはS2を指で押し続けると、表示画面上の頁は断続的に送られてゆくことになるが、頁更新動作が行われるまでの待ち時間Twaitは、個々の頁について定義された抵抗値に応じて増加することになる。すなわち、大きな抵抗値が定義された頁ほど(すなわち、過去の閲覧履歴によって留意度が高いと判断された頁ほど)、より長く表示されることになり、閲覧者の目に触れやすい形で頁送りがなされるようになる。
なお、ここで述べた頁送りボタンによる頁送り処理を実行する際の、新たな頁表示に切り換えるためのアニメーションは、画面上で頁がスライドするアニメーションでもよいし、頁が立体的にめくられるアニメーションでもよいし、頁が瞬間的に切り替わるだけの単純なアニメーションでもかまわない。
また、図21に示す例は、頁送りボタンS1,S2として、ソフトウエアによってディスプレイ画面上に表示されたボタンを用いた例であるが、もちろん、ディスプレイ画面外にハードウエアとして動作するボタンが装備された装置の場合は、このハードウエアボタンを頁送りボタンとして利用してもかまわない。
更に、閲覧者からのタップ操作や押圧操作を受ける対象物は、必ずしも「ボタン」の形態をしている必要はなく、ディスプレイ画面上に定義された「領域」でもかまわない。たとえば、図21に示す例において、頁送りボタンS1,S2を設ける代わりに、ディスプレイ画面の左半分の領域を、頁送りボタンS1の代用となる頁送り領域とし、ディスプレイ画面の右半分の領域を、頁送りボタンS2の代用となる頁送り領域とすることができる。この場合、左半分の頁送り領域に対するタップ操作や押圧操作が行われたときには、これまで述べてきた実施形態における頁送りボタンS1に対する同様の操作が行われたものとして取り扱い、右半分の頁送り領域に対するタップ操作や押圧操作が行われたときには、これまで述べてきた実施形態における頁送りボタンS2に対する同様の操作が行われたものとして取り扱えばよい。
なお、抵抗関数格納部70に格納される抵抗関数は、必ずしもすべての頁について何らかの具体的な数値を抵抗値として対応づける関数である必要はない。たとえば、各頁が「抵抗なし」もしくは「抵抗あり」のいずれであるかを示す情報を抵抗関数として定義し、これを抵抗関数格納部70に格納するようにしてもよい。具体的には、これまで述べてきた種々の実施例において得られた抵抗値R(P)を、所定のしきい値と比較し、しきい値以上の場合には「抵抗あり」、しきい値未満の場合には「抵抗なし」という二値情報からなる抵抗関数を定義すればよい。
このように、各頁が「抵抗なし」もしくは「抵抗あり」のいずれであるかを示す情報を抵抗関数として利用した場合、抵抗関数格納部70には、各頁について、抵抗の有無を示す二値情報が格納されていれば足りるので、具体的な抵抗値を格納しておく必要はない。たとえば、「抵抗あり」の頁のノンブルを列挙するような情報を、抵抗関数として格納しておくこともできる。一方、表示画像作成部45は、「抵抗なし」の頁については画面上の滞在時間が標準滞在時間(たとえば、0.5秒)となり、「抵抗あり」の頁については画面上の滞在時間が前記標準滞在時間よりも長い長期滞在時間(たとえば、1.0秒)となるように、表示画像を更新する頁送り処理を行うようにすればよい。
<<< §5. 本発明に係る電子書籍閲覧システム >>>
以上、図6に示す電子書籍閲覧装置について、各部の構成および動作を詳述した。既に述べたとおり、この電子書籍閲覧装置は、実際には、パソコン、タブレット型電子端末、スマートフォンなど、コンピュータを含む電子機器に、専用のアプリケーションプログラムを組み込むことにより実現される装置である。しかも、閲覧履歴収集部50および抵抗関数生成部60を内蔵しており、自分自身でユーザの閲覧履歴を解析し、抵抗関数を生成する機能を有している。
しかしながら、本発明を実施する上で、閲覧履歴収集部50および抵抗関数生成部60は、必ずしもユーザ(閲覧者)が利用する電子書籍閲覧装置の内部に設ける必要はなく、外部のサーバ装置に設けるようにしてもかまわない。この場合、本発明は、ユーザ(閲覧者)が利用する電子書籍閲覧装置と、この電子書籍閲覧装置に対してネットワークを介して情報のやりとりを行う機能をもったサーバ装置と、によって構成される電子書籍閲覧システムという形で具現化されることになる。
図25は、このような電子書籍閲覧システムの基本構成を示すブロック図である。図示のシステムは、複数台の電子書籍閲覧装置100A,100B,100C,...と、これらに対してインターネット200を介して接続されたサーバ装置300と、によって構成されている。
各電子書籍閲覧装置100A,100B,100C,...(以下、単に電子書籍閲覧装置100という)は、いずれも図6に示す電子書籍閲覧装置から、閲覧履歴収集部50および抵抗関数生成部60を省いた構成を有している。これらの電子書籍閲覧装置は、電子書籍を頁単位で画面上に表示して閲覧させる機能を有するという点において、図6に示す電子書籍閲覧装置と共通した機能をもっている。そして、その基本的な構成要素は、図示のとおり、表示画像を画面上に表示する表示部10、電子書籍の内容を示す書籍データを格納する書籍データ格納部20、閲覧者からの閲覧操作を入力する閲覧操作入力部30、閲覧操作に応じた画面表示がなされるように、書籍データに基づいて表示画像を作成する表示画像作成部45、画面上で頁を送る際の抵抗値を、個々の頁について定義した抵抗関数を格納する抵抗関数格納部70である。
ここで、閲覧操作入力部30が、画面上で頁を順に送るための頁送り操作を入力する機能を有し、表示画像作成部45が、この頁送り操作が与えられたときに、抵抗関数格納部70内に格納されている抵抗関数によって定義された抵抗値が大きい頁ほど、画面上の滞在時間が長くなるように、表示画像を更新する頁送り処理を行う点も、図6に示す装置と全く同様である。ただ、電子書籍閲覧装置100には、閲覧履歴収集部50および抵抗関数生成部60が省略されているため、自分自身でユーザの閲覧履歴を解析し、抵抗関数を生成する機能は備わっていない。したがって、抵抗関数格納部70には、外部で作成した抵抗関数を格納する必要がある。
この抵抗関数を作成する役割を果たすのが、サーバ装置300である。サーバ装置300は、電子書籍閲覧装置100の閲覧操作および表示画像に基づいて、ネットワーク(図示の例では、インターネット200)を介して閲覧履歴を収集する閲覧履歴収集部55と、収集した閲覧履歴に基づいて抵抗関数を生成する抵抗関数生成部65と、を有している。閲覧履歴収集部55の基本機能は、図6に示す閲覧履歴収集部50の基本機能と同様である。ただ、インターネット200を介して閲覧履歴の収集が行われる点が異なるだけである。また、抵抗関数生成部65の基本機能も、図6に示す抵抗関数生成部60の基本機能と同様である。ただ、生成された抵抗関数は、インターネット200を介して、電子書籍閲覧装置100に送信される。電子書籍閲覧装置100は、インターネット200を介して、抵抗関数生成部65が生成した抵抗関数を抵抗関数格納部70に格納する機能を有している。
結局、この図25に示す電子書籍閲覧システムでは、電子書籍閲覧装置100が、抵抗関数作成処理を外部のサーバ装置300に委託した形態をとることになる。抵抗関数作成処理は、比較的負担の大きな処理になるので、サーバ装置300に委託すれば、電子書籍閲覧装置100側の処理負担を軽減することができる。なお、電子書籍閲覧装置100とサーバ装置300とが常時接続の環境にない場合には、電子書籍閲覧装置100内に閲覧履歴を一時的に保存しておく保管場所を設けておき、サーバ装置300に接続された時点で、一時保管されていた閲覧履歴が閲覧履歴収集部55によって収集される構成をとるようにすればよい。
サーバ装置300の基本的な運用形態は、電子書籍閲覧装置100Aから収集した閲覧履歴に基づいて作成した抵抗関数を、電子書籍閲覧装置100Aに返し、電子書籍閲覧装置100A内の抵抗関数格納部70内に格納するようにし、電子書籍閲覧装置100Bから収集した閲覧履歴に基づいて作成した抵抗関数を、電子書籍閲覧装置100Bに返し、電子書籍閲覧装置100B内の抵抗関数格納部70内に格納するようにし、...、というものである。このような基本的な運用形態を採る限り、各電子書籍閲覧装置100の基本動作は、図6に示す電子書籍閲覧装置の基本動作と変わらない。すなわち、電子書籍閲覧装置100A内に格納される抵抗関数は、電子書籍閲覧装置100A自身の閲覧履歴に基づいて作成された関数になり、電子書籍閲覧装置100B内に格納される抵抗関数は、電子書籍閲覧装置100B自身の閲覧履歴に基づいて作成された関数になる。
ただ、電子書籍によっては、複数の電子書籍閲覧装置から収集した閲覧履歴を総合的に参照して抵抗関数を生成し、この抵抗関数を共通の抵抗関数として、複数の電子書籍閲覧装置で共用した方が好ましいケースもある。たとえば、受験用の参考書であれば、多数の受験生が利用する多数の電子書籍閲覧装置から閲覧履歴を収集し、これらを総合的に参照して共通の抵抗関数を生成するようにすれば、多くの受験生が重要と考えている頁に対して大きな抵抗値が定義されることになる。したがって、この共通の抵抗関数を各電子書籍閲覧装置に格納して利用すれば、頁送り操作を行った場合に、多くの受験生が重要と考えている頁が見つけやすくなる。
このように、複数の電子書籍閲覧装置から収集した閲覧履歴に基づいて共通の抵抗関数を生成するためには、複数n台の電子書籍閲覧装置100を用意し、サーバ装置300内の閲覧履歴収集部55が、このn台の電子書籍閲覧装置100から閲覧履歴を収集するようにし、抵抗関数生成部65が、このn台の電子書籍閲覧装置100から収集した閲覧履歴に基づいて抵抗関数を生成すればよい。具体的には、たとえば、1台の電子書籍閲覧装置から収集した閲覧履歴に基づいて、図15に示すような合算ポイントS(B)が得られる場合、これらの合算ポイントS(B)をn台分加え合わせて共通合算ポイントを生成し、この共通合算ポイントに基づいて抵抗関数を生成すればよい。
10:表示部
20:書籍データ格納部
30:閲覧操作入力部
40:表示画像作成部
45:表示画像作成部
50:閲覧履歴収集部
55:閲覧履歴収集部
60:抵抗関数生成部
65:抵抗関数生成部
70:抵抗関数格納部
100A,100B,100C:電子書籍閲覧装置
200:インターネット
300:サーバ装置
A1:付加情報(しおり情報)
A2:付加情報(ハイライト情報)
A3:付加情報(メモ情報)
A(B):付加情報ポイント
B:ブロック番号
Ba〜Be:ブロック番号
B1011〜B1017:電子書籍の構成単位となるブロック
C:頁位置カーソル
Delay:遅延時間
F:表示フレーム
f:閲覧者の指
I:頁送りバー
k:比例定数
N:正規化時間
N(t):正規化関数
P:頁番号
Pbegin:表示開始頁
Pend:表示終了頁
R(P):抵抗関数/第P頁の抵抗値
S(B):合算ポイント
S1,S2:頁送りボタン
t:累積表示時間
Tmax:累積表示時間tの最大値
Twait:次回の頁送り動作開始までの待ち時間
T(B):表示時間ポイント
Vpage:頁送り速度
Vscroll:頁送り速度
Vstandard:標準速度
Vswipe:指の移動速度

Claims (23)

  1. 電子書籍を頁単位で画面上に表示して閲覧させる電子書籍閲覧装置であって、
    電子書籍の内容を示す書籍データを、電子書籍の構成単位となるブロックの集合体として格納する書籍データ格納部と、
    閲覧者からの閲覧操作を入力する閲覧操作入力部と、
    前記閲覧操作に応じた画面表示がなされるように、前記書籍データ内の特定のブロックのデータに基づいて頁単位の表示画像を作成する表示画像作成部と、
    前記表示画像を画面上に表示する表示部と、
    前記閲覧操作および前記表示画像に基づいて、個々のブロックごとに、それぞれ閲覧履歴を収集する閲覧履歴収集部と、
    前記閲覧履歴に基づいて、画面上で頁を送る際の抵抗値を、個々の頁について定義した抵抗関数を生成する抵抗関数生成部と、
    前記抵抗関数を格納する抵抗関数格納部と、
    を備え、
    前記閲覧操作入力部が、画面上で頁を順に送るための頁送り操作を入力する機能を有し、
    前記抵抗関数生成部は、個々の頁について、その頁に含まれるブロックについての閲覧履歴に基づいて抵抗関数を生成し、
    前記表示画像作成部は、前記頁送り操作が与えられたときに、前記抵抗関数によって定義された抵抗値が大きい頁ほど、画面上の滞在時間が長くなるように、表示画像を更新する頁送り処理を行うことを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  2. 請求項1に記載の電子書籍閲覧装置において、
    閲覧履歴収集部が、見出しを構成する一群の文字列、パラグラフを構成する一群の文字列、キャプションを構成する一群の文字列、画像、もしくはテーブルを1ブロックとして、それぞれ閲覧履歴を収集することを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  3. 請求項1または2に記載の電子書籍閲覧装置において、
    閲覧履歴収集部が、個々のブロックごとに、それぞれ累積表示時間を閲覧履歴として収集し、
    抵抗関数生成部が、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての累積表示時間が長いほど大きな抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成することを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  4. 請求項3に記載の電子書籍閲覧装置において、
    抵抗関数生成部が、ブロック番号Bのブロックについて、当該ブロックについての累積表示時間に応じた量を示す表示時間ポイントT(B)を求め、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての表示時間ポイントT(B)の総和に基づいて抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成することを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  5. 請求項1または2に記載の電子書籍閲覧装置において、
    閲覧履歴収集部が、個々のブロックごとに、それぞれ閲覧操作によって付加された付加情報を閲覧履歴として収集し、
    抵抗関数生成部が、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックに付加されている付加情報が多いほど大きな抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成することを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  6. 請求項5に記載の電子書籍閲覧装置において、
    抵抗関数生成部が、ブロック番号Bのブロックについて、当該ブロックについて付加された付加情報の量を示す付加情報ポイントA(B)を求め、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての付加情報ポイントA(B)の総和に基づいて抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成することを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  7. 請求項1または2に記載の電子書籍閲覧装置において、
    閲覧履歴収集部が、個々のブロックごとに、それぞれ累積表示時間と閲覧操作によって付加された付加情報とを閲覧履歴として収集し、
    抵抗関数生成部が、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての累積表示時間が長いほど、かつ、当該頁に含まれるブロックに付加されている付加情報が多いほど、大きな抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成することを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  8. 請求項7に記載の電子書籍閲覧装置において、
    抵抗関数生成部が、ブロック番号Bのブロックについて、当該ブロックについての累積表示時間に応じた量を示す表示時間ポイントT(B)を求めるとともに、当該ブロックについて付加された付加情報の量を示す付加情報ポイントA(B)を求め、個々の頁について、当該頁に含まれるブロックについての表示時間ポイントT(B)および付加情報ポイントA(B)の総和に基づいて抵抗値が定義されるような抵抗関数を生成することを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  9. 請求項4または8に記載の電子書籍閲覧装置において、
    抵抗関数生成部が、1冊の電子書籍に含まれる複数m個のブロックの各累積表示時間tに対して所定の正規化関数N(t)を作用させて正規化し、得られた正規化時間Nを所定規則に従って量子化することにより、複数段階の値をもった表示時間ポイントT(B)を求めることを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  10. 請求項6または8に記載の電子書籍閲覧装置において、
    閲覧操作入力部が、書籍の特定箇所にしおり情報、メモ情報、もしくはハイライト情報を付加情報として付加する機能を有し、
    閲覧履歴収集部が、個々のブロックごとに、それぞれ当該ブロックに対応する箇所に付加された付加情報を閲覧履歴として収集し、
    抵抗関数生成部が、しおり情報、メモ情報、もしくはハイライト情報のそれぞれについて予め設定されたポイント値に基づいて付加情報ポイントA(B)を求めることを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の電子書籍閲覧装置において、
    閲覧操作入力部が、閲覧者が表示画面上において指を移動することにより、表示されている頁をスライドさせる操作もしくは表示されている頁をめくる操作を行った場合に、当該操作を頁送り操作として入力する機能を有し、
    表示画像作成部が、前記指を移動させる操作に追従して頁が送られるように画像を更新する頁送り処理を行い、かつ、抵抗値の大きな頁ほど、追従動作に遅延を生じさせるようにすることを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  12. 請求項11に記載の電子書籍閲覧装置において、
    閲覧操作入力部が、閲覧者の指の移動速度Vswipeを検知し、
    抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
    表示画像作成部が、第P頁目が画面に表示されているときの頁送り速度をVpageとしたときに、Vpageの値が、R(P)の増加に伴ってVswipeの値から単調減少する値となるように設定することを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  13. 請求項11に記載の電子書籍閲覧装置において、
    閲覧操作入力部が、閲覧者の指の移動速度Vswipeを検知し、
    抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
    表示画像作成部が、第Pbegin頁〜第Pend頁が画面に表示されているときの頁送り速度をVpageとしたときに、Vpageの値が、ΣP=Pbegin〜Pend R(P)の増加に伴ってVswipeの値から単調減少する値となるように設定することを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  14. 請求項1〜10のいずれかに記載の電子書籍閲覧装置において、
    閲覧操作入力部が、頁送りボタンもしくは頁送り領域に対する閲覧者のタップ操作を頁送り操作として入力する機能を有し、
    抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
    表示画像作成部が、第P頁目が表示されている状態において前記タップ操作の入力があった場合に、Delay=k・R(P)なる遅延時間(但し、kは所定の比例定数)だけ遅延して表示画像の更新を開始することを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  15. 請求項1〜10のいずれかに記載の電子書籍閲覧装置において、
    閲覧操作入力部が、頁送りボタンもしくは頁送り領域に対する閲覧者のタップ操作を頁送り操作として入力する機能を有し、
    抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
    表示画像作成部が、第Pbegin頁〜第Pend頁が画面に表示されている状態において前記タップ操作の入力があった場合に、Delay=k・ΣP=Pbegin〜Pend R(P)なる遅延時間(但し、kは所定の比例定数)だけ遅延して表示画像の更新を開始することを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  16. 請求項1〜10のいずれかに記載の電子書籍閲覧装置において、
    閲覧操作入力部が、頁送りボタンもしくは頁送り領域に対する閲覧者の押圧操作を頁送り操作として入力する機能を有し、
    抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
    表示画像作成部が、前記押圧操作が継続している間、画面上で連続的な頁送り処理を行い、第P頁目が画面に表示されているときの頁送り速度をVscrollとしたときに、Vscrollの値が、R(P)の増加に伴って標準速度Vstandardの値から単調減少する値となるように設定することを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  17. 請求項1〜10のいずれかに記載の電子書籍閲覧装置において、
    閲覧操作入力部が、頁送りボタンもしくは頁送り領域に対する閲覧者の押圧操作を頁送り操作として入力する機能を有し、
    抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
    表示画像作成部が、前記押圧操作が継続している間、画面上で連続的な頁送り処理を行い、第Pbegin頁〜第Pend頁が画面に表示されているときの頁送り速度をVscrollとしたときに、Vscrollの値が、ΣP=Pbegin〜Pend R(P)の増加に伴って標準速度Vstandardの値から単調減少する値となるように設定することを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  18. 請求項1〜10のいずれかに記載の電子書籍閲覧装置において、
    閲覧操作入力部が、頁送りボタンもしくは頁送り領域に対する閲覧者の押圧操作を頁送り操作として入力する機能を有し、
    抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
    表示画像作成部が、前記押圧操作が継続している間、画面上で断続的な頁送り処理を行い、第P頁目が画面に表示されているときの次回の頁更新時までの待ち時間をTwaitとしたときに、Twait=Tstandard+k・R(P)とする(但し、Tstandardは標準待ち時間、kは、所定の比例定数)ことを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  19. 請求項1〜10のいずれかに記載の電子書籍閲覧装置において、
    閲覧操作入力部が、頁送りボタンもしくは頁送り領域に対する閲覧者の押圧操作を頁送り操作として入力する機能を有し、
    抵抗関数格納部が、第P頁目の抵抗値を示す抵抗関数R(P)を格納し、
    表示画像作成部が、前記押圧操作が継続している間、画面上で断続的な頁送り処理を行い、第Pbegin頁〜第Pend頁が画面に表示されているときの次回の頁更新時までの待ち時間をTwaitとしたときに、Twait=Tstandard+k・ΣP=Pbegin〜Pend R(P)とする(但し、Tstandardは標準待ち時間、kは、所定の比例定数)ことを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  20. 請求項1〜10のいずれかに記載の電子書籍閲覧装置において、
    抵抗関数格納部には、各頁が「抵抗なし」もしくは「抵抗あり」のいずれであるかを示す情報が抵抗関数として格納されており、
    表示画像作成部は、「抵抗なし」の頁については画面上の滞在時間が標準滞在時間となり、「抵抗あり」の頁については画面上の滞在時間が前記標準滞在時間よりも長い長期滞在時間となるように、表示画像を更新する頁送り処理を行うことを特徴とする電子書籍閲覧装置。
  21. 請求項1〜20のいずれかに記載の電子書籍閲覧装置としてコンピュータを機能させるプログラム。
  22. 電子書籍を頁単位で画面上に表示して閲覧させる電子書籍閲覧装置と、この電子書籍閲覧装置に対してネットワークを介して情報のやりとりを行う機能をもったサーバ装置と、を備えた電子書籍閲覧システムであって、
    前記電子書籍閲覧装置は、
    電子書籍の内容を示す書籍データを、電子書籍の構成単位となるブロックの集合体として格納する書籍データ格納部と、
    閲覧者からの閲覧操作を入力する閲覧操作入力部と、
    前記閲覧操作に応じた画面表示がなされるように、前記書籍データ内の特定のブロックのデータに基づいて頁単位の表示画像を作成する表示画像作成部と、
    前記表示画像を画面上に表示する表示部と、
    画面上で頁を送る際の抵抗値を、個々の頁について定義した抵抗関数を格納する抵抗関数格納部と、
    を備え、
    前記閲覧操作入力部が、画面上で頁を順に送るための頁送り操作を入力する機能を有し、
    前記表示画像作成部は、前記頁送り操作が与えられたときに、前記抵抗関数によって定義された抵抗値が大きい頁ほど、画面上の滞在時間が長くなるように、表示画像を更新する頁送り処理を行い、
    前記サーバ装置は、
    前記電子書籍閲覧装置の閲覧操作および表示画像に基づいて、前記ネットワークを介して、個々のブロックごとに、それぞれ閲覧履歴を収集する閲覧履歴収集部と、収集した前記閲覧履歴に基づいて抵抗関数を生成する抵抗関数生成部と、を有し、
    前記抵抗関数生成部は、個々の頁について、その頁に含まれるブロックについての閲覧履歴に基づいて抵抗関数を生成し、
    前記電子書籍閲覧装置は、前記ネットワークを介して、前記抵抗関数生成部が生成した抵抗関数を前記抵抗関数格納部に格納する機能を有することを特徴とする電子書籍閲覧システム。
  23. 請求項22に記載の電子書籍閲覧システムにおいて、
    複数n台の電子書籍閲覧装置を備え、
    閲覧履歴収集部が、このn台の電子書籍閲覧装置から閲覧履歴を収集し、
    抵抗関数生成部が、このn台の電子書籍閲覧装置から収集した閲覧履歴に基づいて抵抗関数を生成することを特徴とする電子書籍閲覧システム。
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