JP5820016B2 - インバータ装置 - Google Patents
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Description
以下、第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。図3は、特許文献1の第5図に相当しており、商用電源を直流に変換する整流部1,整流された電圧を平滑するコンデンサ2,例えば誘導電動機などの交流電動機4を駆動するインバータ部3等を備えている。インバータ部3は、6個のトランジスタ(若しくはIGBT)301〜306を三相ブリッジ接続して構成され、各トランジスタ301〜306のコレクタ,エミッタ間にはフリーホイールダイオード307〜312が接続されている。
交流電動機4の加速運転時又は定速運転時では、信号Sb1の極性が正になるためスイッチSW1はOFF,スイッチSW2はONとなっており、第3演算増幅器OA3の入力端子には抵抗素子R2のみが接続された状態となる。これにより、電圧制御回路21より出力される電圧Vcは、第1指令値のレベルとなっている。
図4ないし図8は第2実施形態であり、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。図4は、図3の一部相当図であり、加減速制限回路20に替えて、加減速タイミング決定部23が配置されている。加減速タイミング決定部23には、周波数設定器11に替わって配置される制御シーケンス出力部24より制御シーケンス指令が与えられる。また、電圧制御回路21に替わる電圧制御回路25は、図5に示すように、電圧制御回路21より遅延回路22,スイッチSW2及び抵抗素子R4を除いた構成となっている。
したがって、減速が開始される時刻より以前に交流電動機4の磁束を上昇させて交流電動機4の鉄損や銅損を増大させることができ、交流電動機4の回転をより早く停止させることができる。そして、電圧制御回路25は、出力電圧の指令値をステップ状に上昇させるので、交流電動機4の磁束をより急激に上昇させて鉄損や銅損を急激に増大させることができる。
図9は第3実施形態であり、第2実施形態と異なる部分のみ説明する。図9は、図3を要部のみ概略的に示したものであり、電圧制御回路25には、加減速タイミング決定部23に替えて、外部制御装置26によって信号Sb1,Sb2が与えられる。すなわち、外部制御装置26は、加減速タイミング決定部23の機能をインバータ装置の外部構成要素としたものであり、第3実施形態の作用は第2実施形態と同様である。また、電圧制御部25とインバータ部3との間に位置する駆動制御部27は、電圧・周波数変換回路14〜ベースドライブ回路16までの構成を包括したものである。以上のように構成される第3実施形態によれば、電圧制御回路25に対し、外部制御装置26によって信号Sb1,Sb2を与えるようにしたので、第2実施形態と同様の効果が得られる。
図10は第4実施形態である。第4実施形態では、交流電動機4の相電流を(例えば2相以上)電流センサ28及び電流検出部29により検出する。電流検出部29は、電流センサ28により検出された電流の実効値を演算して電圧制御回路30に出力する。電流閾値演算部31は、相電流の実効値について閾値を設定し、電圧制御回路30に出力する。そして、電圧制御回路30は、相電流の実効値と閾値との差分を得ると、その差分値について例えばPI制御演算を行い、PI制御の結果に応じて減速時に上昇させる指令値に制限を付すようにフィードバック制御する。
以上のように第4実施形態によれば、電圧制御回路30は、交流電動機4の減速を開始させた場合に、電流センサ28により検出される電流の実効値と予め定められた閾値との差分を、出力電圧の指令値を上昇させる制御にフィードバックさせるようにしたので、交流電動機4が過電流状態となることを防止しつつ、交流電動機4の停止時間を短縮することができる。
図11は第5実施形態である。第5実施形態の構成は基本的に第4実施形態と同様であるが、電圧制御回路30の作用が若干異なっている。また、電流閾値演算部31より与えられる閾値は、第4実施形態よりも高めに設定されている。図11は、電圧制御回路30が行う処理をフローチャートで示している。電圧制御回路30は、交流電動機4の減速運転中であり、且つ電流検出部29より与えられる電流の実効値が上記閾値を下回っている間は(ステップS1:YES)出力電圧の指令値を過励磁レベルに設定する(ステップS2)。一方、ステップS1において、電流の実効値が上記閾値を上回った場合は(NO)、出力電圧の指令値を通常レベルに設定する(ステップS3)。
電圧制御回路30が以上のように作用することで、交流電動機4の相電流が過電流状態になろうとした場合に、過励磁制御を停止させてインバータ部3や交流電動機4を保護することができる。尚、第5実施形態における電圧制御回路30の作用は、ハードウェア,ソフトウェアの何れで実現しても良い。
図12は第6実施形態であり、第5実施形態と異なる部分について説明する。第6実施形態では、交流電動機4の相電流を検出することに替えて、速度検出部32により交流電動機4の回転速度を検出する。そして、電圧制御回路33は、内部に回転速度の下限を設定する閾値を保持しており、減速運転中に過励磁レベル指令値を出力すると、交流電動機4の回転速度を参照し、その回転速度が上記閾値を下回った時点で出力電圧の指令値を通常レベルに低下させるようにする。
すなわち、交流電動機4の回転速度が十分低下した状態になれば、減速運転の目的は達成されたと考えられるので、その段階で電圧制御回路33により過励磁制御を停止させることで電力消費を抑制することができる。
図13は第7実施形態を示すものであり、第2実施形態と異なる部分について説明する。第7実施形態では、直流電圧検出部34は、インバータ部3の直流母線電圧(コンデンサ2の端子電圧,直流リンク電圧)を検出して、開閉制御部35に出力する。また、開閉制御部35には、直流電圧閾値演算部36により決定される直流電圧の閾値が与えられている。開閉制御部35は、交流電源と整流部1との間に挿入されている電磁接触器(MC)37の開閉を制御するもので、直流電圧検出部34により検出される直流電圧が閾値を上回ると、電磁接触器37を開くことでインバータ装置に対する電源供給を遮断し、トリップさせる。
以上のように第7実施形態によれば、直流電圧閾値演算部36は、交流電動機4の減速運転が開始されるタイミングで直流電圧の閾値を上昇させるので、減速運転時にインバータ装置をトリップさせることを防止して減速運転を継続させて、交流電動機4をより早く停止させることができる。
図14ないし図16は第8実施形態を示すものである。第8実施形態は、交流電動機4を速度センサレスでベクトル制御する場合であり、図14は、その制御系の構成を概略的な機能ブロックで示すものである。電流センサ28及び電流検出部29により検出された交流電動機4の相電流(負荷電流)は、電圧演算部40,速度推定部41,トルク電流指令演算部42,磁束設定値演算部43に入力されている。直流電圧検出部34は、インバータ部3の直流母線電圧を検出して、電圧演算部40,速度推定部41,トルク電流指令演算部42に出力する。
尚、図14は、速度センサレス制御の場合を示したが、速度センサを使用する場合には、速度推定部41を削除して、速度センサの出力信号をトルク電流指令演算部42及び周波数演算部45に入力すれば良い。
一方、図16(b)は、トルク電流指令演算部42が上記のようにトルク電流指令に制限を加えない場合の変化を示す。減速運転の開始により直流電圧が上昇し、閾値を超えると第7実施形態で示したようにトリップ状態となり、電源の供給が遮断される。すると、それ以降交流電動機4は惰性で回転し続けることになるため、回転の停止はある程度時間が経過した後になる。
図17は第9実施形態であり、第8実施形態のように交流電動機4をベクトル制御する構成において、第1実施形態と同様の制御をソフトウェアによって実行する場合を示す。与えられる速度指令値によって交流電動機4が定速運転又は加速運転中であると判断すると(ステップS11:NO)、磁束指令値演算部46は、磁束指令値を通常レベル(第1指令値)に設定する(ステップS15)。
ステップS13〜S15の実行後はステップS16に移行して、出力電圧が演算される。以上のように第9実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
第1〜第3指令値の比率については、(第1指令値)<(第3指令値)<(第2指令値)の関係を満たした上で適宜変更して良い。
第2〜第7実施形態についても、第8実施形態の構成を前提として、第9実施形態のように実施しても良い。
Claims (8)
- モータを駆動するインバータ主回路と、
このインバータ主回路に出力させる電圧の指令値を演算する電圧指令値演算手段と、
制御シーケンスに従い、前記モータの減速を開始させるタイミングを決定する減速開始タイミング決定手段と、
前記モータの減速を開始させるタイミングの直前から、前記電圧指令値演算手段により演算される指令値を上昇させる減速制御手段とを備えたことを特徴とするインバータ装置。 - モータを駆動するインバータ主回路と、
このインバータ主回路に出力させる電圧の指令値を演算する電圧指令値演算手段と、
前記モータの減速を開始させる直前から、前記電圧指令値演算手段により演算される指令値を上昇させる減速制御手段とを備え、
制御シーケンスに従って前記モータの駆動を制御する外部の制御装置より、前記電圧指令値演算手段に制御信号が与えられ、
前記減速制御手段は、前記制御装置より前記指令値の上昇を指示する指令が与えられることを特徴とするインバータ装置。 - 前記減速制御手段は、前記指令値をステップ状に上昇させることを特徴とする請求項1又は2記載のインバータ装置。
- 前記モータの相電流を検出する電流検出手段と、
前記モータの減速を開始させた場合に、前記電流検出手段により検出される電流の実効値と予め定められた閾値との差分を、前記減速制御手段が前記指令値を上昇させる制御にフィードバックさせるフィードバック手段とを備えたことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のインバータ装置。 - 前記モータの相電流を検出する電流検出手段と、
前記モータを減速させた場合に、前記電流検出手段により検出される電流が予め定められた閾値を超えると、前記減速制御手段の動作を停止させる制御停止手段を備えたことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のインバータ装置。 - 前記モータの速度を検出する速度検出手段と、
前記モータの減速を開始させた場合の速度が所定の閾値を下回ると、前記減速制御手段の動作を停止させる制御停止手段とを備えたことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のインバータ装置。 - 前記インバータ主回路に入力される直流電圧を検出する電圧検出手段と、
この電圧検出手段により検出される電圧が予め定められた閾値を超えると、前記インバータ主回路の出力を遮断する出力遮断手段と、
前記モータの減速を開始させた直後から一定期間は、前記閾値を上昇させる閾値変化手段とを備えたことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載のインバータ装置。 - 前記インバータ主回路に入力される直流電圧を検出する電圧検出手段と、
前記モータを減速させた場合に、前記電圧検出手段により検出される電圧と前記電圧について予め定められた閾値との差分を、前記指令値に基づいて前記モータに出力されるトルク電流にフィードバックさせるフィードバック手段とを備えたことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載のインバータ装置。
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