JP5819280B2 - 燃料電池用電極触媒およびその用途 - Google Patents

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Description

本発明は燃料電池用電極触媒の製造方法およびその用途に関する。更に詳しくは、従来の製造方法より、粒子径が小さく、高性能な触媒が得られる燃料電池用電極触媒の製造方法および該触媒を含む燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池は、固体高分子固体電解質をアノードとカソードとで挟み、アノードに燃料を供給し、カソードに酸素または空気を供給して、カソードで酸素が還元されて電気を取り出す形式を有する燃料電池である。燃料には水素またはメタノールなどが主として用いられる。
従来、燃料電池の反応速度を高め、燃料電池のエネルギー変換効率を高めるために、燃料電池のカソード(空気極)表面やアノード(燃料極)表面には、触媒を含む層(以下「燃料電池用触媒層」とも記す。)が設けられていた。
この触媒として、一般的に貴金属が用いられており、貴金属の中でも高い電位で安定であり、活性が高い白金、パラジウムなどの貴金属が主として用いられてきた。しかし、これらの貴金属は価格が高く、また資源量が限られていることから、代替可能な触媒の開発が求められていた。
また、カソード表面に用いる貴金属は酸性雰囲気下では溶解する場合があり、長期間に渡る耐久性が必要な用途には適さないという問題があった。このため酸性雰囲気下で腐食せず、耐久性に優れ、高い酸素還元能を有する触媒の開発が強く求められていた。
このような事情の下、貴金属代替触媒として、遷移金属化合物、特に遷移金属炭窒酸化物の研究が進められている。これらの遷移金属材料は白金などの貴金属材料に比べて、安価であり、資源量が豊富である。
従来の遷移金属炭窒酸化物の製造方法は、一般に、遷移金属化合物と炭素源、窒素源および酸素源となりうる化合物とを焼成する方法であった。このような製造方法により製造された遷移金属炭窒酸化物をカーボンブラックなどに混合させることにより燃料電池用の触媒が得られる。
しかし、上記の製造方法により製造された遷移金属炭窒酸化物を用いた場合、一定レベルの性能を有する燃料電池用電極触媒は得られるが、必ずしも実用上満足できる性能を有する燃料電池用電極触媒は得られていなかった。
特許文献1には、カーボン上に金属酸化物を担持させる方法が報告されているが、これは耐久性に優れたカーボンを製造する方法であって、貴金属を代替とした燃料電池用電極触媒の製造方法ではない。
また非特許文献1には、ポリマーコンプレックス法を用いてカーボン粒子上に触媒を担持した触媒の製造方法が報告されている。
しかし、非特許文献1に記載されている製造方法では、含有する有機化合物に窒素含有の有機化合物を使用しておらず、また充分な性能を有する燃料電池用電極触媒は得られていなかった。
特開2008−251413号公報
Electrochemistry Communications 12 (2010) 1177-1179
本発明はこのような従来技術における問題点の解決を課題とする。すなわち本発明の目的は、従来の製造方法よりも、粒子径が小さく、高い触媒活性を有する遷移金属化合物を用いた燃料電池用電極触媒の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、窒素含有有機物および遷移金属化合物を焼成して燃料電池用電極触媒を製造する際に、カーボンブラックなどの導電性粒子を混合することにより、高い触媒活性を有する燃料電池用電極触媒が効率良く得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、たとえば以下の(1)〜(18)に関する。
(1)窒素含有有機物、遷移金属化合物および導電性粒子を溶媒に混合する工程(I)と、該工程(I)で得られた混合物を焼成する工程(II)とを含むことを特徴とする燃料電池用電極触媒の製造方法。
(2)前記導電性粒子がカーボンブラックあることを特徴とする前記(1)に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
(3)前記工程(I)において、遷移金属化合物の総和に対するカーボンブラックのモル比が1〜15であることを特徴とする前記(2)に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
(4)前記窒素含有有機物が、アミノ基、ニトリル基、イミド基、イミン基、ニトロ基、アミド基、アジド基、アジリジン基、アゾ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、オキシム基、ジアゾ基、およびニトロソ基、ならびにピロール環、ポルフィリン環、イミダゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、およびピラジン環から選ばれる1種類以上を分子中に有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
(5)前記窒素含有有機物が、水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、酸ハライド基、スルホ基、リン酸基、ケトン基、エーテル基、およびエステル基から選ばれる1種類以上を分子中に有することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
(6)前記工程(I)において、遷移金属化合物の総和に対する窒素含有有機物のモル比が0.1〜10であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
(7)前記遷移金属化合物の金属が、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、ジルコニウム、ニオブ、タンタルおよびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
(8)前記遷移金属化合物が少なくとも二種の遷移金属の化合物であり、そのうち一種の遷移金属はチタン、ジルコニウム、ニオブおよびタンタルからなる群から選ばれ、他の一種は、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅およびタングステンからなる群から選ばれることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
(9)前記工程(I)が、前記窒素含有有機物、遷移金属化合物および導電性粒子を溶媒に混合して触媒前駆体混合液を得た後、該触媒前駆体混合液から溶媒を除去して前記混合物を得る工程であることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
(10)前記触媒前駆体混合液にジケトン構造を有する化合物からなる沈殿抑制剤を混合することを特徴とする前記(9)に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
(11)前記工程(I)が、前記遷移金属化合物を溶媒に混合して得られた溶液と前記沈殿抑制剤とを混合し、次いで前記窒素含有有機物を混合し、その後前記導電性粒子を混合して前記触媒前駆体混合液を得た後、該触媒前駆体混合液から溶媒を除去して前記混合物を得る工程であることを特徴とする前記(9)または(10)に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
(12)前記遷移金属化合物が、分子中に酸素原子を含む遷移金属化合物であることを特徴とする前記(1)〜(11)に記載の燃料電池用電極触媒の製造方法。
(13)前記(1)〜(12)のいずれかに記載の製造方法により得られることを特徴とする燃料電池用電極触媒。
(14)前記(13)に記載の燃料電池用電極触媒を含むことを特徴とする燃料電池用触媒層。
(15)前記(14)に記載の燃料電池用触媒層とガス拡散層とを有することを特徴とする電極。
(16)カソードとアノードと前記カソードおよび前記アノードの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体であって、前記カソードおよび/または前記アノードが前記(15)に記載の電極であることを特徴とする膜電極接合体。
(17)前記(16)に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする燃料電池。
(18)前記(16)に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法によれば、従来の製造方法よりも、粒子径が小さく、高い触媒活性を有する燃料電池用電極触媒を製造することができる。したがって、本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法により得られた燃料電池用電極触媒は反応効率が高い。また、この燃料電池用電極触媒を用いた燃料電池用触媒層は高い触媒能を有するので、この燃料電池用触媒層を備えた燃料電池は、極めて優れた発電特性を有する。
図1は、触媒(1)の粉末X線回折スペクトルである。 図2は、触媒(1)のTEM写真である。 図3は、触媒(2)の粉末X線回折スペクトルである。 図4は、触媒(2)のTEM写真である。 図5は、触媒(3)の粉末X線回折スペクトルである。 図6は、触媒(3)のTEM写真である。 図7は、触媒(4)のTEM写真である。 図8は、触媒(7)の粉末X線回折スペクトルである。 図9は、触媒(7)のTEM写真である。
<燃料電池用電極触媒の製造方法>
本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法は、窒素含有有機物、遷移金属化合物および導電性粒子を溶媒に混合する工程(I)と、該工程(I)で得られた混合物を焼成する工程(II)とを含むことを特徴とする。
従来の燃料電池用電極触媒の製造方法においては、窒素含有有機物および遷移金属化合物を混合して、得られた混合物を焼成する。この従来の製造方法により製造された燃料電池用電極触媒は実用上十分な性能を有していなかった。一般に、燃料電池用電極触媒は、粒子径が小さいほうが、触媒能が高いことが知られている。前記従来の製造方法において十分に性能の高い燃料電池用電極触媒を得ることができないのは、従来の製造方法では燃料電池用電極触媒の粒子径を十分に小さくすることができないからであると考えられる。また、従来の製造方法により製造された燃料電池用電極触媒を粉砕し、これをカーボンブラックなどに混合させても、あるいは、従来の製造方法により製造された燃料電池用電極触媒をカーボンブラックなどに混合させてから粉砕しても、燃料電池用電極触媒の粒子径を小さくする程度には限界があるため、実用上満足できる高い性能をもった燃料電池用電極触媒を得ることは困難である。
これに対し、窒素含有有機物および遷移金属化合物を焼成する際にカーボンブラックなどの導電性粒子を混合すると、粒子径が極めて小さい燃料電池用電極触媒が製造される。その結果、本発明の製造方法により得られる燃料電池用電極触媒は、高い触媒活性を有するものと考えられる。
窒素含有有機物および遷移金属化合物を焼成する際にカーボンブラックなどの導電性粒子を混合すると粒子径が小さい燃料電池用電極触媒が得られるのは、原料の調製時にカーボンブラック表面に遷移金属が高分散するため、焼成の際、粒成長が抑制されるからであると考えられる。これに対し、カーボンブラックなどの導電性粒子を混合しない場合には、核となる遷移金属が分散せず、狭い範囲内に多量に存在するため、すぐに粒成長をして、粒子径が大きくなるものと考えられる。
工程(I)
工程(I)は、窒素含有有機物、遷移金属化合物および導電性粒子を溶媒に混合する工程であり、好ましくは遷移金属化合物、窒素含有有機物、導電性粒子および溶媒を混合して混合液(本明細書において「触媒前駆体混合液」とも記す。)を得る工程(i)、および前記触媒前駆体混合液から溶媒を除去する工程(ii)を含む。工程(I)において、前記窒素含有有機物、遷移金属化合物、導電性粒子および溶媒の少なくともいずれか1つが酸素原子を有すると、炭素原子、窒素原子および酸素原子を構成原子として有する燃料電池用電極触媒を製造することができ、この燃料電池用電極触媒はより高い触媒活性を有するので好適である。
<遷移金属化合物>
遷移金属化合物は、少なくとも一種の遷移金属の化合物である。前記遷移金属化合物が、一種の遷移金属の化合物である場合には、その遷移金属はチタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、ジルコニウム、ニオブ、タンタルおよびタングステンからなる群から選ばれる。二種の遷移金属の化合物である場合には、そのうちの一種の遷移金属はチタン、ジルコニウム、ニオブおよびタンタルからなる群から選ばれ、他の一種の遷移金属はバナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅およびタングステンからなる群から選ばれる。
前記遷移金属化合物は、好ましくは、酸素原子およびハロゲン原子から選ばれる少なくとも1種を有する。酸素原子を有する遷移金属化合物としては、酸化物、アルコキシド、アセチルアセトン錯体、酸塩化物および硫酸塩が好ましく、コストの面から、酸化物、アルコキシド、アセチルアセトン錯体がより好ましく、前記液相中の溶媒への溶解性の観点から、アルコキシド、アセチルアセトン錯体がさらに好ましい。
前記遷移金属化合物の具体例としては、金属リン酸塩、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属有機酸塩、金属酸ハロゲン化物(金属ハロゲン化物の中途加水分解物)、金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、金属過ハロゲン酸塩、金属ハロゲン酸塩および金属次亜ハロゲン酸塩、金属錯体が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
前記金属アルコキシドとしては、前記遷移金属のメトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、エトキシド、ブトキシド、およびイソブトキシドが好ましく、前記遷移金属のイソプロポキシド、エトキシドおよびブトキシドがさらに好ましい。前記金属アルコキシドは、1種のアルコキシ基を有していてもよく、2種以上のアルコキシ基を有していてもよい。
前記金属ハロゲン化物としては、前記遷移金属の塩化物、臭化物およびヨウ化物が好ましく、前記金属酸ハロゲン化物としては、前記遷移金属の酸塩化物、酸臭化物、酸ヨウ化物が好ましい。
これらの中でも、金属硝酸塩、金属有機酸塩、金属酸塩化物、金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、金属過塩素酸塩、金属次亜塩素酸塩および金属錯体からなる群から選ばれる1種類以上であることが好ましい。
前記遷移金属化合物の具体例としては、二酸化チタン、チタン1原子に対し1以上2以下の酸素原子を有する酸化チタン、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソブトキシド、チタンテトラペントキシド、チタンテトラアセチルアセトナート、チタンオキシジアセチルアセトナート、トリス(アセチルアセトナート)第二チタン塩化物、四塩化チタン、三塩化チタン、オキシ塩化チタン、四臭化チタン、三臭化チタン、オキシ臭化チタン、四ヨウ化チタン、三ヨウ化チタン、オキシヨウ化チタン等のチタン化合物;
五酸化ニオブ、ニオブ1原子に対し2.5以下の酸素原子を有する酸化ニオブ、ニオブペンタメトキシド、ニオブペンタエトキシド、ニオブペンタイソプロポキシド、ニオブペンタブトキシド、ニオブペンタペントキシド、五塩化ニオブ、オキシ塩化ニオブ、五臭化ニオブ、オキシ臭化ニオブ、五ヨウ化ニオブ、オキシヨウ化ニオブ等のニオブ化合物;
二酸化ジルコニウム、ジルコニウム1原子に対し1以上2以下の酸素原子を有する酸化ジルコニウム、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトライソブトキシド、ジルコニウムテトラペントキシド、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、四塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、オキシ臭化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム、オキシヨウ化ジルコニウム等のジルコニウム化合物;
五酸化タンタル、タンタル1原子に対し2.5以下の酸素原子を有する酸化タンタル、タンタルペンタメトキシド、タンタルペンタエトキシド、タンタルペンタイソプロポキシド、タンタルペンタブトキシド、タンタルペンタペントキシド、タンタルテトラエトキシアセチルアセトナート、五塩化タンタル、オキシ塩化タンタル、五臭化タンタル、オキシ臭化タンタル、五ヨウ化タンタル、オキシヨウ化タンタル等のタンタル化合物;
が挙げられる。
塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、硫化鉄(II)、硫化鉄(III)、フェロシアン化カリウム、フェリシアン化カリウム、フェロシアン化アンモニウム、フェリシアン化アンモニウム、フェロシアン化鉄、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、シュウ酸鉄(II)、シュウ酸鉄(III)、リン酸鉄(II)、リン酸鉄(III)フェロセン、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、四酸化三鉄、酢酸鉄(II)、乳酸鉄(II)、クエン酸鉄(III)等の鉄化合物;
塩化クロム(II)、塩化クロム(III)、硫酸クロム(III)、硫化クロム(III)、硝酸クロム(III)、シュウ酸クロム(III)、リン酸クロム(III)、水酸化クロム(III)、酸化クロム(II)、酸化クロム(III)、酸化クロム(IV)、酸化クロム(VI)、酢酸クロム(II)、酢酸クロム(III)、乳酸クロム(III)等のクロム化合物;
塩化コバルト(II)、塩化コバルト(III)、硫酸コバルト(II)、硫化コバルト(II)、硝酸コバルト(II)、硝酸コバルト(III)、シュウ酸コバルト(II)、リン酸コバルト(II)、コバルトセン、水酸化コバルト(II)、酸化コバルト(II)、酸化コバルト(III)、四酸化三コバルト、酢酸コバルト(II)、乳酸コバルト(II)等のコバルト化合物;
塩化バナジウム(II)、塩化バナジウム(III)、塩化バナジウム(IV)、オキシ硫酸バナジウム(IV)、硫化バナジウム(III)、オキシシュウ酸バナジウム(IV)、バナジウムメタロセン、酸化バナジウム(V)、酢酸バナジウム、クエン酸バナジウム等のバナジウム化合物;
塩化マンガン(II)、硫酸マンガン(II)、硫化マンガン(II)、硝酸マンガン(II)、シュウ酸マンガン(II)、水酸化マンガン(II)、酸化マンガン(II)、酸化マンガン(III)、酢酸マンガン(II)、乳酸マンガン(II)、クエン酸マンガン等のマンガン化合物が挙げられる。
これらは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらの化合物の中でも、得られる触媒が均一な粒径の微粒子となり、その活性が高いことから、チタンテトラエトキシド、四塩化チタン、オキシ塩化チタン、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラアセチルアセトナート、ニオブペンタエトキシド、五塩化ニオブ、オキシ塩化ニオブ、ニオブペンタイソプロポキシド、
ジルコニウムテトラエトキシド、四塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、
タンタルペンタメトキシド、タンタルペンタエトキシド、五塩化タンタル、オキシ塩化タンタル、タンタルペンタイソプロポキシド、およびタンタルテトラエトキシアセチルアセトナート、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、フェロシアン化カリウム、フェリシアン化カリウム、フェロシアン化アンモニウム、フェリシアン化アンモニウム、酢酸鉄(II)、乳酸鉄(II)、塩化クロム(II)、塩化クロム(III)、酢酸クロム(II)、酢酸クロム(III)、乳酸クロム(III)、塩化コバルト(II)、塩化コバルト(III)、酢酸コバルト(II)、乳酸コバルト(II)、塩化バナジウム(II)、塩化バナジウム(III)、塩化バナジウム(IV)、オキシ硫酸バナジウム(IV)、酢酸バナジウム、クエン酸バナジウム、塩化マンガン(II)、酢酸マンガン(II)、乳酸マンガン(II)が好ましく、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラアセチルアセトナート、ニオブエトキシド、ニオブイソプロポキシド、オキシ塩化ジルコニウム、ジルコニウムテトライソプロポキシド、およびタンタルペンタイソプロポキシド、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、フェロシアン化カリウム、フェリシアン化カリウム、フェロシアン化アンモニウム、フェリシアン化アンモニウム、酢酸鉄(II)、乳酸鉄(II)、塩化クロム(II)、塩化クロム(III)、酢酸クロム(II)、酢酸クロム(III)、乳酸クロム(III)がさらに好ましい。
また、前記遷移金属化合物として、チタン、ジルコニウム、ニオブおよびタンタルからなる群から選ばれる遷移金属元素を含む第1の遷移金属化合物と共に、鉄、クロム、コバルト、バナジウム、マンガン、銅およびタングステンから選ばれる少なくとも1種の遷移金属元素を含む第2の遷移金属化合物が併用されてもよい。第2の遷移金属化合物を用いると、得られる触媒の性能が向上する。
触媒のXPSスペクトルの観察から、遷移金属元素として第2の遷移金属化合物に含まれる遷移金属元素M2を用いると、第1の遷移金属化合物に含まれる遷移金属元素M1(たとえばチタン)と窒素原子との結合形成が促進され、その結果、触媒の性能が向上するのではないかと推測される。
第2の遷移金属化合物中の遷移金属元素M2としては、コストと得られる触媒の性能とのバランスの観点から、鉄およびクロムが好ましく、鉄がさらに好ましい。
<窒素含有有機物>
前記窒素含有有機物としては、前記遷移金属化合物中の金属原子に配位可能な配位子となり得る化合物が好ましく、単核の錯体を形成し得る化合物がより好ましい。さらには、多座配位子となり得る化合物、つまりキレートを形成し得る化合物が好ましく、その中でも、2座配位子または3座配位子となり得る化合物がさらに好ましい。窒素含有有機物が、キレートを形成し得る化合物であると、金属と錯形成し、金属と有機物が分子レベルで均一に分散するという利点がある。キレートを形成し得る化合物としては、たとえば、アミノ酸、アミン化合物、ジケトン化合物、アミノアルコール、フェノール誘導体、複素環式化合物等を挙げることができる。
前記窒素含有有機物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記窒素含有有機物は、好ましくは、アミノ基、ニトリル基、イミド基、イミン基、ニトロ基、アミド基、アジド基、アジリジン基、アゾ基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、オキシム基、ジアゾ基、ニトロソ基などの官能基、またはピロール環、ポルフィリン環、イミダゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環などの環(これらの官能基および環をまとめて「含窒素分子団」ともいう。)を有する。
前記窒素含有有機物は、含窒素分子団を分子内に有すると、工程(i)での混合を経て、前記遷移金属化合物に由来する遷移金属原子により強く配位することができると考えられる。
前記含窒素分子団の中では、アミノ基、イミン基、アミド基、ピロール環、ピリジン環およびピラジン環がより好ましく、アミノ基、イミン基、ピロール環およびピラジン環がさらに好ましく、アミノ基およびピラジン環が、得られる触媒の活性が特に高くなることから特に好ましい。
酸素原子を含んでいない前記窒素含有有機物の具体例としては、メラミン、エチレンジアミン、エチレンジアミン・二塩酸塩、トリアゾール、アセトニトリル、アクリロニトリル、エチレンイミン、アニリン、ピロール、ポリエチレンイミンなどが挙げられ、これらの中でも、得られる触媒の活性が高いことからエチレンジアミンおよびエチレンジアミン・二塩酸塩が好ましい。
前記窒素含有有機物は、好ましくは、水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、酸ハライド基、スルホ基、リン酸基、ケトン基、エーテル基またはエステル基(これらをまとめて「含酸素分子団」ともいう。)を有する。前記窒素含有有機物は、含酸素分子団を分子内に有すると、工程(i)での混合を経て、前記遷移金属化合物に由来する遷移金属原子により強く配位できると考えられる。
前記含酸素分子団の中では、カルボキシル基およびアルデヒド基が、得られる触媒の活性が特に高くなることから、特に好ましい。
前記窒素含有有機物は、分子中に酸素原子を含むことが好ましい。分子中に酸素原子を含む前記窒素含有有機物としては、前記含窒素分子団および前記含酸素分子団を有する化合物が好ましい。このような化合物は、工程(i)を経て、前記遷移金属化合物に由来する遷移金属原子に特に強く配位できると考えられる。
前記含窒素分子団および前記含酸素分子団を有する化合物としては、アミノ基およびカルボキシル基を有するアミノ酸、ならびにその誘導体が好ましい。
前記アミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、ノルバリン、グリシルグリシン、トリグリシンおよびテトラグリシンが好ましく、得られる触媒の活性が高いことから、アラニン、グリシン、リシン、メチオニン、チロシンがより好ましく、得られる触媒が極めて高い活性を示すことから、アラニン、グリシンおよびリシンが特に好ましい。
分子中に酸素原子を含む前記窒素含有有機物の具体例としては、上記アミノ酸等に加えて、アセチルピロールなどのアシルピロール類、ピロールカルボン酸、アセチルイミダゾールなどのアシルイミダゾール類、カルボニルジイミダゾール、イミダゾールカルボン酸、ピラゾール、アセトアニリド、ピラジンカルボン酸、ピペリジンカルボン酸、ピペラジンカルボン酸、モルホリン、ピリミジンカルボン酸、ニコチン酸、2−ピリジンカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、8−キノリノール、およびポリビニルピロリドンが挙げられ、得られる触媒の活性が高いことから、2座配位子となり得る化合物、具体的にはピロール−2−カルボン酸、イミダゾール−4−カルボン酸、2−ピラジンカルボン酸、2−ピペリジンカルボン酸、2−ピペラジンカルボン酸、ニコチン酸、2−ピリジンカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、および8−キノリノールが好ましく、2−ピラジンカルボン酸、および2−ピリジンカルボン酸がより好ましい。
<溶媒>
前記溶媒としては、たとえば水、アルコール類および酸類が挙げられる。アルコール類としては、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノールおよびエトキシエタノールが好ましく、エタノールおよびメタノールさらに好ましい。酸類としては、酢酸、硝酸、塩酸、リン酸およびクエン酸が好ましく、酢酸および硝酸がさらに好ましい。これらは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
<沈殿抑制剤>
前記遷移金属化合物が、塩化チタン、塩化ニオブ、塩化ジルコニウム、塩化タンタルなど、ハロゲン原子を含む場合には、これらの化合物は一般的に水によって容易に加水分解され、水酸化物や、酸塩化物等の沈殿を生じやすい。よって、前記遷移金属化合物がハロゲン原子を含む場合は、沈殿抑制剤として強酸を1質量%以上という高濃度で添加することが好ましい。たとえば酸が塩酸であれば、溶液中の塩化水素の濃度が5質量%以上、より好ましくは10質量%以上となるように酸を添加すると、前記遷移金属化合物に由来する沈殿がない触媒前駆体混合液を得ることができる。
前記溶媒として水を単独でまたは水と他の化合物とを用いる場合には、沈殿抑制剤を用いることが好ましい。この場合の沈殿抑制剤としては、ジケトン構造を有する化合物が好ましく、ジアセチル、アセチルアセトン、2,5−ヘキサンジオンおよびジメドンがより好ましく、アセチルアセトンおよび2,5−ヘキサンジオンがさらに好ましい。
これらの沈殿抑制剤は、遷移金属化合物溶液(前記遷移金属化合物を含有し、前記窒素含有有機物を含有しない溶液)100質量%中に好ましくは1〜70質量%、より好ましくは、2〜50質量%、さらに好ましくは15〜40質量%となる量で添加される。
これらの沈殿抑制剤は、触媒前駆体混合液100質量%中に好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは、0.5〜20質量%、さらに好ましくは2〜10質量%となる量で添加される。
工程(I)の(i)では、好ましくは、前記遷移金属化合物および前記沈殿抑制剤を含む溶液を得て、次いでこの溶液と前記窒素含有有機物とを混合し、その後導電性粒子を混合して触媒前駆体混合液を得る。このように工程(i)を実施すると、前記沈殿の発生をより確実に抑制することができる。
<導電性粒子>
導電性粒子としては、導電性および安定性が高く、表面積が広いものであれば、特に限定されないが、例えば、炭素、導電性高分子、導電性セラミクス、金属または酸化タングステンもしくは酸化イリジウムなどの導電性無機酸化物が挙げられ、それらを単独または組み合わせて用いることができる。特に、炭素からなる導電性粒子は比表面積が大きいため、また、安価に小粒径のものを入手しやすく、耐薬品性、耐高電位性に優れるため好ましい。炭素からなる導電性粒子を用いる場合、炭素単独または炭素とその他の導電性粒子との混合物が好ましい。炭素としては、カーボンブラック、グラファイト、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、フラーレン、多孔体カーボン、グラフェンなどが挙げられる。炭素からなる導電性粒子の粒子径、ストラクチャーおよび表面性状については特に制限はないが、小さすぎると電子伝導パスが形成されにくくなり、また大きすぎると燃料電池用触媒層のガス拡散性の低下や触媒の利用率の低下が起こる傾向があるため、TEM観察により求められるその平均粒子径は、好ましくは1〜1000nmであり、より好ましくは10〜100nmである。
また、炭素からなる電子伝導性粒子のBET値は50〜3000が好ましく、100〜3000がより好ましい。
前記導電性高分子としては特に限定は無いが、例えばポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリアニリン、ポリアルキルアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリインドール、ポリ−1,5−ジアミノアントラキノン、ポリアミノジフェニル、ポリ(o−フェニレンジアミン)、ポリ(キノリニウム)塩、ポリピリジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン等が挙げられる。これらの中でも、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンが好ましく、ポリピロールがより好ましい。
工程(I)で使用する遷移金属化合物の総和に対する窒素含有有機物のモル比は、0.1〜10であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10であり、さらに好ましくは1〜7.5である。
導電性粒子としてカーボンブラックを用いた場合、工程(I)で使用する遷移金属化合物の総和に対するカーボンブラックのモル比は、1〜15であることが好ましく、より好ましくは2〜14であり、さらに好ましくは2.5〜13である。遷移金属化合物の総和に対するカーボンブラックのモル比が前記範囲内であると、燃料電池での反応を起こすための触媒量と導電パスの形成のバランスが取れているという点で好ましい。ここで、カーボンブラックのモル比は、カーボンブラックの分子量を12として換算された値である。
窒素含有有機物、遷移金属化合物および導電性粒子を混合する方法としては、これらの化合物を均一に混合できる方法であれば特に制限はない。例えば、オリフィス収縮流による方法、回転せん断流による方法または超音波による方法等があげられる。
工程(ii)では、工程(i)で得られた前記触媒前駆体混合液から溶媒を除去する。
溶媒の除去は大気下で行ってもよく、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム)雰囲気下で行ってもよい。不活性ガスとしては、コストの観点から、窒素およびアルゴンが好ましく、窒素がより好ましい。
溶媒除去の際の温度は、溶媒の蒸気圧が大きい場合には常温であってもよいが、触媒の量産性の観点からは、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは50℃以上であり、工程(i)で得られる溶液中に含まれる、キレート等の金属錯体であると推定される触媒前駆体を分解させないという観点からは、好ましくは250℃以下、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは110℃以下である。
溶媒の除去は、溶媒の蒸気圧が大きい場合には大気圧下で行ってもよいが、より短時間で溶媒を除去するため、減圧(たとえば、0.1Pa〜0.1MPa)下で行ってもよい。減圧下での溶媒の除去には、たとえばエバポレーターを用いることができる。
溶媒の除去は、工程(i)で得られた混合物を静置した状態で行ってもよいが、より均一な固形分残渣を得るためには、混合物を回転させながら溶媒を除去することが好ましい。
前記混合物を収容している容器の重量が大きい場合は、攪拌棒、攪拌羽根、攪拌子などを用いて、溶液を回転させることが好ましい。
また、前記混合物を収容している容器の真空度を調節しながら溶媒の除去を行う場合には、密閉できる容器で乾燥を行うこととなるため、容器ごと回転させながら溶媒の除去を行うこと、たとえばロータリーエバポレーターを使用して溶媒の除去を行うことが好ましい。
溶媒の除去の方法、あるいは前記遷移金属化合物または前記窒素含有有機物の性状によっては、工程(ii)で得られた固形分残渣の組成または凝集状態が不均一であることがある。このような場合に、固形分残渣を、混合し、解砕して、より均一、微細な粉末としたものを工程(II)で用いると、粒径がより均一な触媒を得ることができる。
固形分残渣を混合し、解砕するには、たとえば、ロール転動ミル、ボールミル、小径ボールミル(ビーズミル)、媒体攪拌ミル、気流粉砕機、乳鉢、自動混練乳鉢、槽解機、ジェトミルを用いることができ、固形分残渣が少量であれば、好ましくは、乳鉢、自動混練乳鉢、またはバッチ式のボールミルが用いられ、固形分残渣が多量であり連続的な混合、解砕処理を行う場合には、好ましくはジェットミルが用いられる。
工程(II)
工程(II)においては工程(I)で得られた混合物を焼成する。
焼成温度は、500〜1200℃であることが好ましく、より好ましくは600〜1100℃であり、さらに好ましくは700〜1050℃である。熱処理の温度が上記範囲よりも高いと、得られた電極触媒の粒子相互間においての焼結、粒成長がおこり、結果として電極触媒の比表面積が小さくなってしまうため、この粒子を塗布法により触媒層に加工する際の加工性が劣る場合がある。一方、熱処理の温度が上記範囲よりも低いと、高い活性を有する電極触媒を得ることが困難になる。
前記焼成の方法としては、たとえば、静置法、攪拌法、落下法、粉末捕捉法が挙げられる。
静置法とは、静置式の電気炉などに工程(I)で得られた固形分残渣を置き、これを加熱する方法である。加熱の際に、量り取った前記固形分残渣は、アルミナボード、石英ボードなどのセラミックス容器に入れてもよい。静置法は、大量の前記固形分残渣を加熱することができる点で好ましい。
攪拌法とは、ロータリーキルンなどの電気炉中に前記固形分残渣を入れ、これを攪拌しながら加熱する方法である。攪拌法の場合は、大量の前記固形分残渣を加熱することができ、かつ、得られる電極触媒の粒子の凝集および成長を抑制することができる点で好ましい。さらに、攪拌法は、加熱炉に傾斜をつけることによって、連続的に電極触媒を製造することが可能である点で好ましい。
落下法とは、誘導炉中に雰囲気ガスを流しながら、炉を所定の加熱温度まで加熱し、該温度で熱的平衡を保った後、炉の加熱区域である坩堝中に前記固形分残渣を落下させ、これを加熱する方法である。落下法は、得られる電極触媒の粒子の凝集および成長を最小限度に抑制できる点で好ましい。
粉末捕捉法とは、微量の酸素ガスを含む不活性ガス雰囲気中で、前記固形分残渣を飛沫にして浮遊させ、これを所定の加熱温度に保たれた垂直の管状炉中に捕捉して、加熱する方法である。
前記静置法で焼成を行う場合には、昇温速度は、特に限定されないが、好ましくは1℃/分〜100℃/分程度であり、さらに好ましくは5℃/分〜50℃/分である。また、加熱時間は、好ましくは0.1〜10時間、より好ましくは0.5時間〜5時間、さらに好ましくは0.5〜3時間である。静置法において加熱を管状炉で行う場合、電極触媒粒子の加熱時間は、0.1〜10時間、好ましくは0.5時間〜5時間である。前記加熱時間が前記範囲内であると、均一な電極触媒粒子が形成される傾向がある。
前記攪拌法の場合、前記固形分残渣の加熱時間は、通常10分〜5時間であり、好ましくは30分〜2時間である。本法において、炉に傾斜をつけるなどして連続的に加熱を行う場合は、定常的な炉内のサンプル流量から計算された平均滞留時間を前記加熱時間とする。
前記落下法の場合、前記固形分残渣の加熱時間は、通常0.5〜10分であり、好ましくは0.5〜3分である。前記加熱時間が前記範囲内であると、均一な電極触媒粒子が形成される傾向がある。
前記粉末捕捉法の場合、前記固形分残渣の加熱時間は、0.2秒〜1分、好ましくは0.2〜10秒である。前記加熱時間が前記範囲内であると、均一な電極触媒粒子が形成される傾向にある。
前記静置法で焼成を行う場合には、熱源としてLNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)、軽油、重油、電気などを用いた加熱炉を熱処理装置として用いてもよい。この場合、本発明においては前記固形分残渣を焼成する際の雰囲気が重要であるので、燃料の炎が炉内に存在する、炉の内部から加熱する装置ではなく、炉の外部からの加熱する装置が好ましい。
前記固形分残渣の量が1バッチあたり50kg以上となるような加熱炉を用いる場合には、コストの観点から、LNG,LPGを熱源とする加熱炉が好ましい。
触媒活性の特に高い電極触媒を得たい場合には、厳密な温度制御が可能な、電気を熱源とした電気炉を用いることが望ましい。
炉の形状としては、管状炉、上蓋型炉、トンネル炉、箱型炉、試料台昇降式炉(エレベーター型)、台車炉などが挙げられ、この中でも雰囲気を特に厳密にコントロールすることが可能な、管状炉、上蓋型炉、箱型炉および試料台昇降式炉が好ましく、管状炉および箱型炉が好ましい。
前記攪拌法を採用する場合も、上記の熱源を用いることができるが、攪拌法の中でもとくにロータリーキルンに傾斜をつけて、前記固形分残渣を連続的に熱処理する場合には、設備の規模が大きくなり、エネルギー使用量が大きくなりやすいので、LPG等燃料由来の熱源を利用することが好ましい。
前記焼成を行う際の雰囲気としては、得られる電極触媒の活性を高める観点から、その主成分が不活性ガス雰囲気であることが好ましい。不活性ガスの中でも、比較的安価であり、入手しやすい点で窒素、アルゴン、ヘリウムが好ましく、窒素およびアルゴンがさらに好ましい。これらの不活性ガスは、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、これらのガスは一般的な通念上不活性といわれるガスであるが、工程(II)の前記熱処理の際にこれらの不活性ガスすなわち、窒素、アルゴン、ヘリウム等が、前記固形分残渣と反応している可能性はある。
前記焼成の雰囲気中に反応性ガスが存在すると、得られる電極触媒がより高い触媒性能を発現することがある。
たとえば、焼成を、窒素ガス、アルゴンガスもしくは窒素ガスとアルゴンガスとの混合ガス、または窒素ガスおよびアルゴンガスから選ばれる一種以上のガスと水素ガス、アンモニアガスおよび酸素ガスから選ばれる一種以上のガスとの混合ガスの雰囲気で行うと、高い触媒性能を有する電極触媒が得られる傾向がある。
前記焼成の雰囲気中に水素ガスが含まれる場合には、水素ガスの濃度は、たとえば100体積%以下、好ましくは0.01〜10体積%、より好ましくは1〜5体積%である。
前記焼成の雰囲気中に酸素ガスが含まれる場合には、酸素ガスの濃度は、たとえば0.01〜10体積%、好ましくは0.01〜5体積%である。
また、前記遷移金属化合物、前記窒素含有有機物および前記溶媒の何れもが酸素原子を有さない場合には、前記熱処理は、好ましくは酸素ガスを含む雰囲気で行われる。
ガス雰囲気の圧力は特に限定されず、製造の安定性とコストなどを考慮して大気圧下で焼成を行ってもよい。この条件でも好ましい燃料電池用電極触媒を得ることができる。
前記熱処理の後には、熱処理物を解砕してもよい。解砕を行うと、得られた燃料電池用電極触媒を用いて電極を製造する際の加工性、および得られる電極の特性を改善できることがある。この解砕には、たとえば、ロール転動ミル、ボールミル、小径ボールミル(ビーズミル)、媒体攪拌ミル、気流粉砕機、乳鉢、自動混練乳鉢、槽解機またはジェトミルを用いることができる。燃料電池用電極触媒が少量の場合には、乳鉢、自動混練乳鉢、バッチ式のボールミルが好ましく、焼成物を連続的に多量に処理する場合には、ジェットミル、連続式のボールミルが好ましく、連続式のボールミルの中でもビーズミルがさらに好ましい。
<燃料電池用電極触媒>
本発明の燃料電池用電極触媒は、上述した本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法により製造されることを特徴としている。
上記製造方法で得られる燃料電池用電極触媒は、例えば、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、ジルコニウム、ニオブ、タンタルおよびタングステンからなる群より選択された少なくとも1種の遷移金属の燃料電池用電極触媒である。
本発明の製造方法で製造された燃料電池用電極触媒の形状は、好ましい炭素、窒素および酸素の組成比を持ち、燃料電池触媒としての活性を有する限り、特に限定はされない。例えば、粒子状、繊維状、シート状、多孔体構造などが挙げられる。
前述のとおり、本発明の製造方法で製造された燃料電池用電極触媒の粒子径は、従来の製造方法で製造された燃料電池用電極触媒の粒子径よりもはるかに小さい。このため、本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法で製造された燃料電池用電極触媒は、高い触媒活性を有する。
燃料電池用電極触媒の粒子径は、たとえば透過型電子顕微鏡(TEM)により求めることができる。透過型電子顕微鏡で粒子径を測定する方法としては、以下の方法が挙げられる。
本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法で得られた製造物をエタノールに分散し、銅製マイクログリッドを浸漬、風乾させることで準備する。日立製透過型電子顕微鏡 H−9500(加速電圧300kV)を使用し、倍率を50.0K±10%に設定し、10視野を測定し、それぞれ画像解析を行う。この際、燃料電池用電極触媒の粒子は、画像のコントラストおよびエネルギー分散型X線分析装置(EDX)によって確認することができる。画像解析は、粒子系画像解析ソフトLUZEX APを使用して行うことができる。10視野の平均値として、個数換算における90%以上の粒子が100nm以下であることが好ましく、75nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましい。この条件を満たす燃料電池用電極触媒は、分散性が高く、触媒活性が高くなる。
従来の製造方法で製造された燃料電池用電極触媒を燃料電池触媒として使用するにあたって、燃料電池用電極触媒をボールミル、気流粉砕機および乳鉢などにより解砕して、その粒子径を小さくすることも可能であるが、その粉砕能には限界があり、本発明の燃料電池用電極触媒ほど粒子径を小さくすることはできない。このため、従来の燃料電池用電極触媒の製造方法で製造された燃料電池用電極触媒を粉砕しても、本発明の燃料電池用電極触媒ほどの高い触媒活性を有する燃料電池用電極触媒を得ることはできない。
従来の燃料電池用電極触媒の製造方法で製造された燃料電池用電極触媒の場合には、高い導電性、安定性および高表面積を確保するために、通常、燃料電池用電極触媒にカーボンブラック等の担体を混合させる。本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法においては、担体となるカーボンブラック等の導電性粒子を使用しているので、燃料電池用電極触媒は担体であるカーボンブラック等の導電性粒子に担持された状態で生成される。このため、本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法においては、燃料電池用電極触媒をあらためて担体に混合させる必要はない。
従来の燃料電池用電極触媒の製造方法で製造された燃料電池用電極触媒にカーボンブラックを混合させると、燃料電池用電極触媒がカーボンブラック粒子に比較して大きいため、燃料電池用電極触媒の表面に複数のカーボンブラック粒子が付着した構造となる。これに対して、本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法で製造された燃料電池用電極触媒およびカーボンブラックにおいては、燃料電池用電極触媒がカーボンブラック粒子に比較して小さいため、カーボンブラック粒子の表面に複数の燃料電池用電極触媒が付着した構造となる。
この燃料電池用電極触媒は、粉末X線回折法(Cu−Kα線)によって測定した際に、燃料電池用電極触媒に含まれる遷移金属の酸化物、炭化物、窒化物、窒素酸化物、炭素酸化物または炭窒酸化物の構造に相当するX線回折線ピークが少なくとも一つ観察される。
X線回折線ピークとは、試料(結晶質)に様々な角度でX線を照射した場合に、特異的な回折角度および回折強度で得られるピークのことをいう。
本発明においては、信号(S)とノイズ(N)の比(S/N)が2以上で検出できるシグナルを一つの回折線ピークとしてみなす。
ここで、ノイズ(N)は、ベースラインの幅とした。
X線回折法の測定装置としては、例えば粉末X線解析装置:リガクRAD−RXを用いて行うことができ、その測定条件としては、X線出力(Cu−Kα):50kV、180mA、走査軸 :θ/2θ、測定範囲(2θ):10°〜89.98°、測定モード:FT、読込幅 :0.02°、サンプリング時間:0.70秒、DS、SS、RS:0.5°、0.5°、0.15mm、ゴンオメーター半径:185mmで行うことができる。
前述のとおり、燃料電池用電極触媒には、導電性を付与するために、通常カーボンブラックなどの導電性粒子を混合するが、本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法で製造される燃料電池用電極触媒はカーボンブラックに担持された状態で生成されるため、新たに導電性粒子を混合する必要はない。
前記燃料電池用電極触媒の、下記測定法(A)に従って測定される酸素還元開始電位は、可逆水素電極を基準として好ましくは0.5V(vs.RHE)以上である。
〔測定法(A):
該触媒とNAFION(登録商標)(デュポン社 5%NAFION(登録商標)溶液(DE521))を溶剤中に入れ、超音波で攪拌し懸濁液を得る。なお、溶剤としては、イソプロピルアルコール:水(質量比)=1:1を用いる。
前記懸濁液を、超音波をかけながら10μLを採取し、すばやくグラッシーカーボン電極(直径:5.2mm)上に滴下し、60℃で5分間乾燥させる。乾燥することにより触媒を含む燃料電池用触媒層が、グラッシーカーボン電極上に形成される。この滴下および乾燥操作を、カーボン電極表面に1.0mgの燃料電池触媒層が形成されるまで行う。
このようにして、得られた電極を用いて、酸素雰囲気および窒素雰囲気で、0.5mol/Lの硫酸水溶液中、30℃の温度で、同濃度の硫酸水溶液中での可逆水素電極を参照電極とし、5mV/秒の電位走査速度で分極することにより電流−電位曲線を測定した際の、酸素雰囲気での還元電流と窒素雰囲気での還元電流とに0.5μA/cm2以上の差が現れ始める電位を酸素還元開始電位とする。〕
本発明において、酸素還元電流密度は、以下のとおり求めることができる。
まず、上記測定法(A)の結果から、0.8V(vsRHE)における、酸素雰囲気での還元電流と窒素雰囲気での還元電流との差を算出する。算出した値を、さらに電極面積で除した値を酸素還元電流密度(mA/cm2)とする。
<用途>
本発明の燃料電池用電極触媒は、白金触媒の代替触媒として使用することができる。
本発明の燃料電池用触媒層は、前記燃料電池用電極触媒を含むことを特徴としている。
燃料電池用触媒層には、アノード触媒層、カソード触媒層があるが、前記燃料電池用電極触媒はいずれにも用いることができる。前記燃料電池用電極触媒は、耐久性に優れ、酸素還元能が大きいので、カソード触媒層に用いることが好ましい。
前述のとおり、本発明の燃料電池用電極触媒の製造方法で製造される燃料電池用電極触媒はカーボンブラックに担持された状態で生成されるため、新たに導電性粒子を加える必要はないが、新たに導電性粒子を加えてもよい。
高分子電解質としては、燃料電池用触媒層において一般的に用いられているものであれば特に限定されない。具体的には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(例えば、NAFION(登録商標)(デュポン社 5%NAFION(登録商標)溶液(DE521)など)、スルホン酸基を有する炭化水素系高分子化合物、リン酸などの無機酸をドープさせた高分子化合物、一部がプロトン伝導性の官能基で置換された有機/無機ハイブリッドポリマー、高分子マトリックスにリン酸水溶液や硫酸水溶液を含浸させたプロトン伝導体などが挙げられる。これらの中でも、NAFION(登録商標)(デュポン社 5%NAFION(登録商標)溶液(DE521))が好ましい。
本発明の燃料電池用触媒層は、アノード触媒層またはカソード触媒層のいずれにも用いることができる。本発明の燃料電池用触媒層は、高い酸素還元能を有し、酸性電解質中において高電位であっても腐蝕しがたい触媒を含むため、燃料電池のカソードに設けられる触媒層(カソード用触媒層)として有用である。特に固体高分子型燃料電池が備える膜電極接合体のカソードに設けられる触媒層に好適に用いられる。
燃料電池用電極触媒を、溶媒中に分散させる方法としては、気流分散、液中分散等の方法が挙げられる。液中分散は、溶媒中に触媒を分散したものを、燃料電池用触媒層形成工程に使用できるため好ましい。液中分散としては、オリフィス収縮流による方法、回転せん断流による方法または超音波による方法等があげられる。液中分散の際、使用される溶媒は、触媒や電子伝導性粒子を浸食することがなく、分散できるものであれば特に制限はないが、揮発性の液体有機溶媒または水等が一般に使用される。
また、前記燃料電池用電極触媒を、溶媒中に分散させる際、さらに上記電解質と分散剤とを同時に分散させてもよい。
燃料電池用触媒層の形成方法としては、特に制限はないが、たとえば、前記燃料電池用電極触媒と電解質とを含む懸濁液を、後述する電解質膜またはガス拡散層に塗布する方法が挙げられる。前記塗布する方法としては、バーコーター法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などが挙げられる。また、前記燃料電池用電極触媒と電解質とを含む懸濁液を、塗布法またはろ過法により基材に燃料電池用触媒層を形成した後、転写法で電解質膜に燃料電池用触媒層を形成する方法が挙げられる。
本発明の電極は、前記燃料電池用触媒層と多孔質支持層(ガス拡散層)とを有することを特徴としている。
本発明の電極はカソードまたはアノードのいずれの電極にも用いることができる。本発明の電極は、耐久性に優れ、触媒能が大きいので、カソードに用いるとより産業上の優位性が高い。
ガス拡散層(多孔質支持層)は、ガスを拡散する層である。ガス拡散層としては、電子伝導性を有し、ガスの拡散性が高く、耐食性の高いものであれば特に制限はないが、一般的にはカーボンペーパー、カーボンクロスなどの炭素系多孔質材料や、軽量化のためにステンレス、耐食材を被服したアルミニウム箔が用いられる。
本発明の膜電極接合体は、カソードとアノードと前記カソードおよび前記アノードの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体であって、前記カソードおよび/または前記アノードが、前記電極であることを特徴としている。
電解質膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系を用いた電解質膜または炭化水素系電解質膜などが一般的に用いられるが、高分子微多孔膜に液体電解質を含浸させた膜または多孔質体に高分子電解質を充填させた膜などを用いてもよい。
また本発明の燃料電池は、前記膜電極接合体を備えることを特徴としている。
燃料電池の電極反応はいわゆる3相界面(電解質‐電極触媒‐反応ガス)で起こる。燃料電池は、使用される電解質などの違いにより数種類に分類され、溶融炭酸塩型(MCFC)、リン酸型(PAFC)、固体酸化物型(SOFC)、固体高分子型(PEFC)等がある。中でも、本発明の膜電極接合体は、固体高分子型燃料電池に使用することが好ましい。
本発明の燃料電池用電極触媒を用いた燃料電池は性能が高く、また、白金を触媒として用いた場合と比較してきわめて安価であるという特徴を持つ。本発明の燃料電池は、発電機能、発光機能、発熱機能、音響発生機能、運動機能、表示機能および充電機能からなる群より選ばれる少なくとも一つの機能を有し燃料電池を備える物品の性能、特に携帯可能な物品の性能を向上させることができる。前記燃料電池は、好ましくは物品の表面または内部に備えられる。
<本発明の燃料電池を備えた物品の具体例>
本発明の燃料電池を備えることができる前記物品の具体例としては、ビル、家屋、テント等の建築物、蛍光灯、LED等、有機EL、街灯、屋内照明、信号機等の照明器具、機械、車両そのものを含む自動車用機器、家電製品、農業機器、電子機器、携帯電話等を含む携帯情報端末、美容機材、可搬式工具、風呂用品トイレ用品等の衛生機材、家具、玩具、装飾品、掲示板、クーラーボックス、屋外発電機などのアウトドア用品、教材、造花、オブジェ、心臓ペースメーカー用電源、ペルチェ素子を備えた加熱および冷却器用の電源が挙げられる。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
また、実施例および比較例における各種測定は、下記の方法により行った。
[分析方法]
1.粉末X線回折
理学電機株式会社製 ロータフレックスを用いて、試料の粉末X線回折を行った。
各試料の粉末X線回折における回折線ピークの本数は、信号(S)とノイズ(N)の比(S/N)が2以上で検出できるシグナルを1つのピークとしてみなして数えた。
なお、ノイズ(N)は、ベースラインの幅とした。
2.TEMによる粒子径測定
得られた製造物をエタノールに分散し、銅製マイクログリッドを浸漬、風乾させることで準備した。日立製透過型電子顕微鏡 H−9500(加速電圧300kV)を使用し、倍率を50.0K±10%に設定し、10視野を測定し、それぞれ画像解析を行った。画像解析は、粒子系画像解析ソフトLUZEX APを使用して行った。
[実施例1]触媒の調製
チタンテトライソプロポキシド(純正化学)3.42mLおよびアセチルアセトン(純正化学)3.59mLと酢酸(和光純薬)5.47mLとの溶液に加え、室温で攪拌しながらチタン含有混合物溶液を作成した。また、グリシン(和光純薬)3.43gおよび酢酸鉄(Aldrich社製)0.199gを純水75mLとエタノール(和光純薬)50mLの混合溶液に加え、室温で攪拌して完全に溶解させてグリシン含有混合物溶液を作成した。チタン含有混合物溶液をグリシン含有混合物溶液にゆっくり添加し、混合溶液を作製した。この混合溶液に、カーボンブラック(ケッチェンブラックEC300J、LION社製)0.71gを加え、室温で1時間攪拌した。このカーボン含有混合溶液をエバポレーターによって蒸発乾固させ、得られた固形物を乳鉢で細かく、均一に潰して粉末を得た。
この粉末を、水素ガスの混合比率が4容量%である窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを流しながら、ロータリーキルンで、900℃、1時間加熱することにより、チタン、炭素、窒素、酸素を少なくとも含有する触媒(以下「触媒(1)」とも記す。)を得た。
この操作において、遷移金属化合物に対する窒素含有有機物のモル比は3.5であり、遷移金属化合物に対するカーボンブラックのモル比は4.5であった。
触媒(1)の粉末X線回折スペクトルを図1に示す。立方晶構造を持つチタン炭窒酸化物およびルチル構造を持つ酸化チタンの回折線ピークが観測された。
TEMによる粒子径測定により、10視野の平均値として、個数換算における90%以上の粒子の粒子径が50nmであることが確認された。
図2に、触媒(1)のTEM写真を示す。図2中、黒い部分が触媒、薄い部分がカーボンブラックを表している。
[実施例2]触媒の調製
カーボンブラックの添加量を1.065gにしたこと以外は実施例と同様に行い、触媒(以下「触媒(2)」とも記す。)の粉末を得た。
この操作において、遷移金属化合物に対する窒素含有有機物のモル比は3.5であり、遷移金属化合物に対するカーボンブラックのモル比は6.8であった。
触媒(2)の粉末X線回折スペクトルを図3に示す。立方晶構造を持つチタン炭窒酸化物およびルチル構造を持つ酸化チタンの回折線ピークが観測された。
TEMによる粒子径測定により、10視野の平均値として、個数換算における90%以上の粒子の粒子径が40nmであることが確認された。
図4に、触媒(2)のTEM写真を示す。
[実施例3]触媒の調製
カーボンブラックの添加量を1.42gにしたこと以外は実施例と同様に行い、触媒(以下「触媒(3)」とも記す。)の粉末を得た。
この操作において、遷移金属化合物に対する窒素含有有機物のモル比は3.5であり、遷移金属化合物に対するカーボンブラックのモル比は8.9であった。
触媒(3)の粉末X線回折スペクトルを図5に示す。立方晶構造を持つチタン炭窒酸化物およびルチル構造を持つ酸化チタンの回折線ピークが観測された。
TEMによる粒子径測定により、10視野の平均値として、個数換算における90%以上の粒子の粒子径が30nm以下であることが確認された。
図6に、触媒(3)のTEM写真を示す。
[実施例4]触媒の調製
チタンテトライソプロポキシド(純正化学)3.42mLおよびアセチルアセトン(純正化学)3.59mLと酢酸(和光純薬)5.47mLとの溶液に加え、室温で攪拌しながらチタン含有混合物溶液を作成した。また、エチレンジアンモニウムジクロリド(和光純薬)3.04gおよび酢酸クロム(Aldrich社製)0.262gを純水75mLとエタノール(和光純薬)50mLの混合溶液に加え、室温で攪拌して完全に溶解させてエチレンジアンモニウムジクロリド含有混合物溶液を作成した。チタン含有混合物溶液をエチレンジアンモニウムジクロリド含有混合物溶液にゆっくり添加し、混合溶液を作製した。この混合溶液に、カーボンブラック(ケッチェンブラックEC300J、LION社製)1.065gを加え、室温で1時間攪拌した。このカーボン含有混合溶液をエバポレーターによって蒸発乾固させ、得られた固形物を乳鉢で細かく、均一に潰して粉末を得た。この粉末を、水素ガスの混合比率が4容量%である窒素ガスと水素ガスとの混合ガスを流しながら、ロータリーキルンで、900℃、1時間加熱することにより、チタン、炭素、窒素、酸素を少なくとも含有する触媒(以下「触媒(4)」とも記す。)を得た。
この操作において、遷移金属化合物に対する窒素含有有機物のモル比は1.8であり、遷移金属化合物に対するカーボンブラックのモル比は6.8であった。
TEMによる粒子径測定により、10視野の平均値として、個数換算における90%以上の粒子の粒子径が30nm以下であることが確認された。
図7に、触媒(4)のTEM写真を示す。
[実施例5]触媒の調製
酢酸鉄(Aldrich社製)0.199gを添加しなかったこと以外は実施例2と同様に行い、触媒(以下「触媒(5)」とも記す。)の粉末を得た。
この操作において、遷移金属化合物に対する窒素含有有機物のモル比は4であり、遷移金属化合物に対するカーボンブラックのモル比は7.4であった。
[実施例6]触媒の調製
チタンテトライソプロポキシド(純正化学)3.42mLの代わりに、ニオビウムエトキシド(Aldrich社製)2.87mLを添加したこと以外は実施例5と同様に行い、触媒(以下「触媒(6)」とも記す。)の粉末を得た。
この操作において、遷移金属化合物に対する窒素含有有機物のモル比は4であり、遷移金属化合物に対するカーボンブラックのモル比は7.4であった。
[比較例1]触媒の調製
カーボンブラックを添加しなかったこと以外は実施例1と同様に行い、触媒(以下「触媒(7)」とも記す。)の粉末を得た。
触媒(7)の粉末X線回折スペクトルを図8に示す。立方晶構造を持つチタン炭窒酸化物およびルチル構造を持つ酸化チタンの回折線ピークが観測された。
TEMによる粒子径測定により、10視野の平均値として、個数換算における90%以上の粒子の粒子径が100nm以上であることが確認された。
図9に、触媒(7)のTEM写真を示す。
従来法である図9では、100nm以上の触媒粒子が確認でき、その周りにカーボンブラックが存在している。一方、本発明の製造方法である図2では、触媒粒子が図9の場合より小さく、カーボンブラック上に触媒粒子が分散して担持されている構造になっていることがわかる。
[比較例2]触媒の調製
カーボンブラックを添加しなかったこと以外は実施例4と同様に行い、触媒(以下「触媒(8)」とも記す。)の粉末を得た。
TEMによる粒子径測定により、10視野の平均値として、個数換算における90%以上の粒子の粒子径が100nm以上であることが確認された。
[比較例3]触媒の調製
カーボンブラックを添加しなかったこと以外は実施例5と同様に行い、触媒(以下「触媒(9)」とも記す。)の粉末を得た。
[比較例4]触媒の調製
カーボンブラックを添加しなかったこと以外は実施例6と同様に行い、触媒(以下「触媒(10)」とも記す。)の粉末を得た。
[実施例7]触媒の単極評価
1.燃料電池用電極の製造
触媒(1)0.015gに、イソプロピルアルコール:純水=1:1の容積比で混合した溶液1212μlとNAFION(登録商標)(デュポン社 5%NAFION(登録商標)溶液(DE521))37.5μlを入れ、超音波で分散させ、懸濁液とした。この懸濁液を、超音波をかけながら10μLを採取し、すばやくグラッシーカーボン電極(直径:5.2mm)上に滴下し、60℃で5分間乾燥させた。この滴下および乾燥操作を、カーボン電極表面に1.0mgの燃料電池触媒層が形成されるまで行い、燃料電池用電極(1)を得た。
2.酸素還元能の評価
作製した燃料電池用電極(1)を、酸素雰囲気および窒素雰囲気で、0.5mol/dm3の硫酸溶液中、30℃、5mV/秒の電位走査速度で分極し、電流−電位曲線を測定した。その際、同濃度の硫酸溶液中での可逆水素電極を参照電極とした。
上記測定結果から、0.8V(vsRHE)における、酸素雰囲気での還元電流と窒素雰囲気での還元電流との差を算出した。算出した値を、さらに電極面積で除した値を酸素還元電流密度(mA/cm2)@0.8Vとした。
酸素還元電流密度により、作製した燃料電池用電極(1)の触媒能を評価した。すなわち、酸素還元電流密度が大きいほど、燃料電池用電極における触媒の触媒能が高いことを示す。
実施例1で作製した触媒(1)は、酸素還元電流密度が0.65mA/cm2であり、高い触媒能を有することがわかった。
[実施例8]触媒の単極評価
1.燃料電池用電極の製造
触媒(1)の替わりに触媒(2)を使用したこと以外は実施例7と同様に行い、燃料電池用電極(2)を得た。
2.酸素還元能の評価
燃料電池用電極(1)の替わりに燃料電池用電極(2)を使用したこと以外は実施例7と同様に行い、酸素還元電流密度(mA/cm2)@0.8Vを測定した。
実施例2で作製した触媒(2)は、酸素還元電流密度が0.73mA/cm2であり、高い触媒能を有することがわかった。
[実施例9]触媒の単極評価
1.燃料電池用電極の製造
触媒(1)の替わりに触媒(3)を使用したこと以外は実施例7と同様に行い、燃料電池用電極(3)を得た。
2.酸素還元能の評価
燃料電池用電極(1)の替わりに燃料電池用電極(3)を使用したこと以外は実施例7と同様に行い、酸素還元電流密度(mA/cm2)@0.8Vを測定した。
実施例3で作製した触媒(3)は、酸素還元電流密度が0.59mA/cm2であり、高い触媒能を有することがわかった。
[実施例10]触媒の単極評価
1.燃料電池用電極の製造
触媒(1)の替わりに触媒(4)を使用したこと以外は実施例7と同様に行い、燃料電池用電極(4)を得た。
2.酸素還元能の評価
燃料電池用電極(1)の替わりに燃料電池用電極(4)を使用したこと以外は実施例7と同様に行い、酸素還元電流密度(mA/cm2)@0.8Vを測定した。
実施例4で作製した触媒(4)は、酸素還元電流密度が0.4mA/cm2であり、高い触媒能を有することがわかった。
[比較例5]触媒の単極評価
1.燃料電池用電極の製造
触媒(7)0.012gとカーボンブラック(ケッチェンブラックEC300J、LION社製)0.003gの混合物に、イソプロピルアルコール:純水=1:1の容積比で混合した溶液1212μlとNAFION(登録商標)(デュポン社 5%NAFION(登録商標)溶液(DE521))37.5μlを入れ、超音波で分散させ、懸濁液とした。この懸濁液を、超音波をかけながら10μLを採取し、すばやくグラッシーカーボン電極(直径:5.2mm)上に滴下し、60℃で5分間乾燥させた。この滴下および乾燥操作を、カーボン電極表面に1.0mgの燃料電池触媒層が形成されるまで行い、燃料電池用電極(5)を得た。
2.酸素還元能の評価
燃料電池用電極(1)の替わりに燃料電池用電極(5)を使用したこと以外は実施例7と同様に行い、酸素還元電流密度(mA/cm2)@0.8Vを測定した。
比較例1で作製した触媒(7)は、酸素還元電流密度が0.54mA/cm2であった。
[比較例6]触媒の単極評価
1.燃料電池用電極の製造
触媒(7)の替わりに触媒(8)を使用したこと以外は比較例5と同様に行い、燃料電池用電極(6)を得た。
2.酸素還元能の評価
燃料電池用電極(1)の替わりに燃料電池用電極(6)を使用したこと以外は実施例7と同様に行い、酸素還元電流密度(mA/cm2)@0.8Vを測定した。
比較例2で作製した触媒(8)は、酸素還元電流密度が0.18mA/cm2であった。
[実施例11]触媒のMEAでの評価
1.インクの調製
触媒(5)を、遊星ボールミル(フリッチェ社製 Premium7、自転半径:2.3cm、公転半径:16.3cm)により以下のとおり解砕した。
密閉可能なジルコニアミル容器(容量45ml、内径45mm)の内部に、触媒(5)0.5g、直径0.5mmのジルコニアボール(ニッカトー社製)40g、2−プロパノール(和光純薬工業製)10mlを入れた。前記ジルコニアミル容器を密閉し、容器内部を充分にアルゴン置換した。
次に、自転回転数:700rpm、公転回転数:350rpm、自転遠心加速度:12.6G、公転遠心加速度:22.3G、解砕時間:10分間で、触媒(5)を解砕した。当該解砕後の触媒を燃料電池用触媒(11)とした。
当該解砕後、前記ジルコニアミル容器ごと水冷を行った。水冷後、2−プロパノールおよび燃料電池用触媒(11)と、ジルコニアボールとを分離した。さらに、吸引ろ過を用いて、2−プロパノールを除去し、燃料電池用触媒(11)をとりだした。
次に燃料電池用触媒(11)0.39gを2−プロパノール(和光純薬工業製)25mLと蒸留水25mLの混合溶液に加え、さらにプロトン伝導性材料(NAFION(登録商標))を含有する水溶液(Nafion5%水溶液、和光純薬工業製)4.67gを入れて、超音波分散機(UT−106H型シャープマニファクチャリングシステム社製)で1時間混合することにより、カソード用インク(1)を調製した。
2.燃料電池用触媒層を有する電極の作製
ガス拡散層(カーボンペーパーTGP−H−060、東レ社製)を、アセトンに30秒間浸漬し、脱脂を行った。乾燥後、10%のポリテトラフルオロエチレン(以下「PTFE」とも記す。)水溶液に30秒間浸漬した。
室温乾燥後、350℃で1時間加熱することにより、カーボンペーパー内部にPTFEを分散させ、撥水性を持たせたガス拡散層(以下「GDL」とも記す。)を得た。
次に、5cm×5cmの大きさとした前記GDLの表面に、自動スプレー塗布装置(サンエイテック社製)により、80℃で、上記1で調製したカソード用インク(1)を塗布した。繰り返しスプレー塗布することにより、燃料電池用触媒(1)の総量が単位面積あたり5mg/cm2のカソード触媒層(1)を有する電極を作製した。
3.膜電極接合体(以下「MEA」とも記す。)の作製
電解質膜として、Nafion膜N−212(DuPont社製)を用いた。カソードとして、上記2で作製したGDLの表面にカソード触媒層(1)を有する電極を用いた。アノードとして、参考例1で作製したGDLの表面にアノード触媒層(1)を有する電極を用いた。
前記電解質膜を前記カソードおよび前記アノードで挟み、カソード触媒層(1)およびアノード触媒層(1)が前記電解質膜に密着するようにホットプレス機を用いて、140℃、3MPaで6分間熱圧着して、MEA(1)を作製した。
4.単セルの作製
上記3で作製したMEA(1)を、2つシール材(ガスケット)、2つのガス流路付きセパレーター、2つの集電板およびで2つのラバーヒータで挟んでボルトで固定し、所定の面圧(4N)になるように締め付けて、固体高分子形燃料電池の単セル(1)(25cm2)を作製した。
5.発電特性の評価(触媒能の測定)
上記4で作製した単セル(1)を90℃、アノード加湿器を90℃、カソード加湿器を50℃に温度調節した。アノード側に燃料として水素を流量1リットル/分で供給し、カソード側に酸化剤として酸素を流量2リットル/分で供給し、両側ともに300kPaの背圧をかけながら、単セル(1)における電流―電圧特性を測定した。得られた電流―電圧特性曲線から最大出力密度を算出した。当該最大出力密度が大きいほど、MEAにおける触媒能が高いことを示す。MEA(1)における触媒能、すなわち最大出力密度は、162mW/cm2であった。
結果を表1に示した。
[実施例12]触媒のMEAでの評価
1.インクの調製
触媒(5)の代わりに触媒(6)を用いた以外は、実施例11と同様にして、燃料電池用触媒(12)を作製した。
次に、燃料電池用触媒(11)の代わりに燃料電池用触媒(12)を用いた以外は、実施例11と同様にして、カソード用インク(2)を作製した。
2.燃料電池用触媒層を有する電極の作製
カソード用インク(1)の代わりにカソード用インク(2)を用いた以外は、実施例11と同様にして、カソード触媒層(2)を有する電極を作製した。
3.MEAの作製
カソード触媒層(1)を有する電極の代わりにカソード触媒層(2)を有する電極を用いた以外は、実施例11と同様にして、MEA(2)を作製した。
4.単セルの作製
MEA(1)の代わりにMEA(2)を用いた以外は、実施例11と同様にして、固体高分子形燃料電池の単セル(2)を作製した。
5.発電特性の評価(触媒能の測定)
単セル(1)の代わりに単セル(2)を用いた以外は、実施例11と同様にして、単セル(2)における電流―電圧特性を測定し、最大出力密度を算出した。MEA(2)における触媒能、すなわち最大出力密度は、101mW/cm2であった。
結果を表1に示した。
[比較例7]触媒のMEAでの評価
1.インクの調製
触媒(5)の代わりに触媒(9)を用いた以外は、実施例11と同様にして、燃料電池用触媒(13)を作製した。
触媒(13)0.355gとカーボンブラック(ケッチェンブラックEC300J、LION社製)0.08875gを2−プロパノール(和光純薬工業製)25mLと蒸留水25mLの混合溶液に加え、さらにプロトン伝導性材料(NAFION(登録商標))を含有する水溶液(Nafion5%水溶液、和光純薬工業製)4.67gを入れて、超音波分散機(UT−106H型シャープマニファクチャリングシステム社製)で1時間混合することにより、カソード用インク(3)を調製した。
2.燃料電池用触媒層を有する電極の作製
カソード用インク(1)の代わりにカソード用インク(3)を用いた以外は、実施例11と同様にして、単位面積あたりの触媒(13)とカーボンブラックの総量が5mg/cm2のカソード触媒層(3)を有する電極を作製した。
3.MEAの作製
カソード触媒層(1)を有する電極の代わりにカソード触媒層(3)を有する電極を用いた以外は、実施例11と同様にして、MEA(3)を作製した。
4.単セルの作製
MEA(1)の代わりにMEA(3)を用いた以外は、実施例11と同様にして、固体高分子形燃料電池の単セル(3)を作製した。
5.発電特性の評価(触媒能の測定)
単セル(1)の代わりに単セル(3)を用いた以外は、実施例11と同様にして、単セル(3)における電流―電圧特性を測定し、最大出力密度を算出した。MEA(3)における触媒能、すなわち最大出力密度は、76mW/cm2であった。
結果を表1に示した。
[比較例8]触媒のMEAでの評価
1.インクの調製
触媒(1)の代わりに触媒(10)を用いた以外は、実施例11と同様にして、燃料電池用触媒(14)を作製した。
次に、燃料電池用触媒(13)の代わりに燃料電池用触媒(14)を用いた以外は、比較例7と同様にして、カソード用インク(4)を作製した。
2.燃料電池用触媒層を有する電極の作製
カソード用インク(1)の代わりにカソード用インク(4)を用いた以外は、実施例11と同様にして、カソード触媒層(4)を有する電極を作製した。
3.MEAの作製
カソード触媒層(1)を有する電極の代わりにカソード触媒層(4)を有する電極を用いた以外は、実施例11と同様にして、MEA(4)を作製した。
4.単セルの作製
MEA(1)の代わりにMEA(4)を用いた以外は、実施例11と同様にして、固体高分子形燃料電池の単セル(4)を作製した。
5.発電特性の評価(触媒能の測定)
単セル(1)の代わりに単セル(4)を用いた以外は、実施例11と同様にして、単セル(4)における電流―電圧特性を測定し、最大出力密度を算出した。MEA(4)における触媒能、すなわち最大出力密度は、53mW/cm2であった。
結果を表1に示した。
[実施例13]触媒のMEAでの評価
第二金属として鉄の効果を検証した。
1.インクの調製
触媒(5)の代わりに触媒(1)を用いた以外は、実施例11と同様にして、燃料電池用触媒(15)を作製した。
次に、燃料電池用触媒(11)の代わりに燃料電池用触媒(15)を用いた以外は、実施例11と同様にして、カソード用インク(5)を作製した。
2.燃料電池用触媒層を有する電極の作製
カソード用インク(1)の代わりにカソード用インク(5)を用いた以外は、実施例11と同様にして、カソード触媒層(5)を有する電極を作製した。
3.MEAの作製
カソード触媒層(1)を有する電極の代わりにカソード触媒層(5)を有する電極を用いた以外は、実施例11と同様にして、MEA(5)を作製した。
4.単セルの作製
MEA(1)の代わりにMEA(5)を用いた以外は、実施例11と同様にして、固体高分子形燃料電池の単セル(5)を作製した。
5.発電特性の評価(触媒能の測定)
単セル(1)の代わりに単セル(5)を用いた以外は、実施例11と同様にして、単セル(5)における電流―電圧特性を測定し、最大出力密度を算出した。MEA(5)における触媒能、すなわち最大出力密度は、688mW/cm2であった。
結果を表1に示した。
[実施例14]触媒のMEAでの評価
第二金属として鉄の効果を検証した。
1.インクの調製
触媒(5)の代わりに触媒(2)を用いた以外は、実施例11と同様にして、燃料電池用触媒(16)を作製した。
次に、燃料電池用触媒(11)の代わりに燃料電池用触媒(16)を用いた以外は、実施例11と同様にして、カソード用インク(6)を作製した。
2.燃料電池用触媒層を有する電極の作製
カソード用インク(1)の代わりにカソード用インク(6)を用いた以外は、実施例11と同様にして、カソード触媒層(6)を有する電極を作製した。
3.MEAの作製
カソード触媒層(1)を有する電極の代わりにカソード触媒層(6)を有する電極を用いた以外は、実施例11と同様にして、MEA(6)を作製した。
4.単セルの作製
MEA(1)の代わりにMEA(6)を用いた以外は、実施例11と同様にして、固体高分子形燃料電池の単セル(6)を作製した。
5.発電特性の評価(触媒能の測定)
単セル(1)の代わりに単セル(6)を用いた以外は、実施例11と同様にして、単セル(6)における電流―電圧特性を測定し、最大出力密度を算出した。MEA(6)における触媒能、すなわち最大出力密度は、742mW/cm2であった。
結果を表1に示した。
[実施例15]触媒のMEAでの評価
第二金属として鉄の効果を検証した。
1.インクの調製
触媒(5)の代わりに触媒(3)を用いた以外は、実施例11と同様にして、燃料電池用触媒(17)を作製した。
次に、燃料電池用触媒(11)の代わりに燃料電池用触媒(17)を用いた以外は、実施例11と同様にして、カソード用インク(7)を作製した。
2.燃料電池用触媒層を有する電極の作製
カソード用インク(1)の代わりにカソード用インク(7)を用いた以外は、実施例11と同様にして、カソード触媒層(7)を有する電極を作製した。
3.MEAの作製
カソード触媒層(1)を有する電極の代わりにカソード触媒層(7)を有する電極を用いた以外は、実施例11と同様にして、MEA(7)を作製した。
4.単セルの作製
MEA(1)の代わりにMEA(7)を用いた以外は、実施例11と同様にして、固体高分子形燃料電池の単セル(7)を作製した。
5.発電特性の評価(触媒能の測定)
単セル(1)の代わりに単セル(7)を用いた以外は、実施例11と同様にして、単セル(7)における電流―電圧特性を測定し、最大出力密度を算出した。MEA(7)における触媒能、すなわち最大出力密度は、643mW/cm2であった。
結果を表1に示した。
[比較例9]触媒のMEAでの評価
1.インクの調製
触媒(5)の代わりに触媒(7)を用いた以外は、実施例11と同様にして、燃料電池用触媒(18)を作製した。
次に、燃料電池用触媒(13)の代わりに燃料電池用触媒(18)を用いた以外は、比較例7と同様にして、カソード用インク(8)を作製した。
2.燃料電池用触媒層を有する電極の作製
カソード用インク(1)の代わりにカソード用インク(8)を用いた以外は、実施例11と同様にして、カソード触媒層(8)を有する電極を作製した。
3.MEAの作製
カソード触媒層(1)を有する電極の代わりにカソード触媒層(8)を有する電極を用いた以外は、実施例11と同様にして、MEA(8)を作製した。
4.単セルの作製
MEA(1)の代わりにMEA(8)を用いた以外は、実施例11と同様にして、固体高分子形燃料電池の単セル(8)を作製した。
5.発電特性の評価(触媒能の測定)
単セル(1)の代わりに単セル(8)を用いた以外は、実施例11と同様にして、単セル(8)における電流―電圧特性を測定し、最大出力密度を算出した。MEA(8)における触媒能、すなわち最大出力密度は、520mW/cm2であった。
結果を表1に示した。
[実施例16]触媒のMEAでの評価
第二金属としてクロムの効果を検証した。
1.インクの調製
触媒(5)の代わりに触媒(4)を用いた以外は、実施例11と同様にして、燃料電池用触媒(19)を作製した。
次に、燃料電池用触媒(11)の代わりに燃料電池用触媒(19)を用いた以外は、実施例11と同様にして、カソード用インク(9)を作製した。
2.燃料電池用触媒層を有する電極の作製
カソード用インク(1)の代わりにカソード用インク(9)を用いた以外は、実施例11と同様にして、カソード触媒層(9)を有する電極を作製した。
3.MEAの作製
カソード触媒層(1)を有する電極の代わりにカソード触媒層(9)を有する電極を用いた以外は、実施例11と同様にして、MEA(9)を作製した。
4.単セルの作製
MEA(1)の代わりにMEA(9)を用いた以外は、実施例11と同様にして、固体高分子形燃料電池の単セル(9)を作製した。
5.発電特性の評価(触媒能の測定)
単セル(1)の代わりに単セル(9)を用いた以外は、実施例11と同様にして、単セル(9)における電流―電圧特性を測定し、最大出力密度を算出した。MEA(9)における触媒能、すなわち最大出力密度は、532mW/cm2であった。
結果を表1に示した。
[比較例10]触媒のMEAでの評価
1.インクの調製
触媒(5)の代わりに触媒(8)を用いた以外は、実施例11と同様にして、燃料電池用触媒(20)を作製した。
次に、燃料電池用触媒(13)の代わりに燃料電池用触媒(20)を用いた以外は、比較例7と同様にして、カソード用インク(10)を作製した。
2.燃料電池用触媒層を有する電極の作製
カソード用インク(1)の代わりにカソード用インク(10)を用いた以外は、実施例11と同様にして、カソード触媒層(10)を有する電極を作製した。
3.MEAの作製
カソード触媒層(1)を有する電極の代わりにカソード触媒層(10)を有する電極を用いた以外は、実施例11と同様にして、MEA(10)を作製した。
4.単セルの作製
MEA(1)の代わりにMEA(10)を用いた以外は、実施例11と同様にして、固体高分子形燃料電池の単セル(10)を作製した。
5.発電特性の評価(触媒能の測定)
単セル(1)の代わりに単セル(10)を用いた以外は、実施例11と同様にして、単セル(10)における電流―電圧特性を測定し、最大出力密度を算出した。MEA(10)における触媒能、すなわち最大出力密度は、342mW/cm2であった。
結果を表1に示した。
[参考例1]
1.アノード用インクの調製
Pt担持カーボン(TEC10E60E、田中貴金属工業製)0.6gを純水50mlに加え、さらにプロトン伝導性材料(NAFION(登録商標);0.25g)を含有する水溶液(Nafion5%水溶液、和光純薬工業製)5gを入れて、超音波分散機(UT−106H型シャープマニファクチャリングシステム社製)で1時間混合することにより、アノード用インク(1)を調製した。
2.アノード触媒層を有する電極の作製
ガス拡散層(カーボンペーパーTGP−H−060、東レ社製)を、アセトンに30秒間浸漬し、脱脂を行った。乾燥後、10%のポリテトラフルオロエチレン(以下「PTFE」とも記す。)水溶液に30秒間浸漬した。室温乾燥後、350℃で1時間加熱することにより、カーボンペーパー内部にPTFEを分散させ、撥水性を持たせたガス拡散層(以下「GDL」とも記す。)を得た。
次に、5cm×5cmの大きさとした前記GDLの表面に、自動スプレー塗布装置(サンエイテック社製)により、80℃で、上記1で調製したアノード用インク(1)を塗布した。繰り返しスプレー塗布することにより、単位面積あたりのPt量が1mg/cm2のアノード触媒層(1)を有する電極を作製した。
実施例および比較例の結果から、窒素含有有機物、金属塩に加えてカーボンブラックを特定の比率で混合して触媒原料を調製し、触媒を作製することにより、電流―電位特性曲線から得られる最大出力密度が大きくなることがわかった。

Claims (11)

  1. 遷移金属化合物と導電性粒子との複合粒子からなり、
    粉末X線回折スペクトルにおける回折線ピークが、立方晶構造を持つチタン炭窒酸化物およびルチル構造を持つ酸化チタンの回折線ピークであり、
    且つ、前記遷移金属化合物の個数換算における90%以上の粒子の粒子径が30〜50nmである、
    燃料電池用電極触媒。
  2. 前記導電性粒子がカーボンブラックである請求項に記載の燃料電池用電極触媒。
  3. カーボンブラックのBET値が50〜3000m2/gである請求項に記載の燃料電池用電極触媒。
  4. 前記遷移金属化合物の金属が、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、ジルコニウム、ニオブ、タンタルおよびタングステンからなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜のいずれか1項に記載の燃料電池用電極触媒。
  5. 前記遷移金属化合物が少なくとも二種の遷移金属の化合物であり、そのうち一種の遷移金属はチタン、ジルコニウム、ニオブおよびタンタルからなる群から選ばれ、他の一種は、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅およびタングステンからなる群から選ばれる請求項1〜のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒。
  6. 前記遷移金属化合物がチタンを含む請求項またはに記載の燃料電池用電極触媒
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の燃料電池用電極触媒を含む燃料電池用触媒層。
  8. 請求項に記載の燃料電池用触媒層とガス拡散層とを有する電極。
  9. カソードとアノードと前記カソードおよび前記アノードの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体であって、前記カソードおよび/または前記アノードが請求項に記載の電極であることを特徴とする膜電極接合体。
  10. 請求項に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする燃料電池。
  11. 請求項に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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