以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能および名称も同一である。従って、それらについての詳細な説明は繰返さない。
本発明の実施の形態においては、情報機器は画像処理装置の1種である画像形成装置であって、情報処理装置はコンピュータであって、これらを含むシステムは画像形成システムであるとして説明する。なお、この画像形成装置は、MFPとして説明する。しかしながら、本実施の形態に係る情報機器は、このような画像形成装置以外の画像処理装置であっても、画像処理装置以外の機器であって表示ユニットおよび操作ユニットを備えた機器であっても構わない。すなわち、本実施の形態に係る情報機器は、他の装置と通信する通信機能と、ユーザインターフェイスである表示機能および操作機能とを備える情報機器であればよい。なお、このような情報機器は多くの場合において、表示機能および操作機能を兼用するタッチパネルディスプレイ等を備えることが多い。
また、本実施の形態に係る情報機器である画像形成装置をリモート操作する情報処理装置は、一般的なコンピュータとして説明する。このコンピュータの一例は、通信機能と、表示機能と、操作機能とを備える、パーソナルコンピュータである。
さらに、以下の実施の形態においては、複数のMFPを備えたネットワーク画像形成システムについて説明するが、上述の情報処理装置(コンピュータ)と通信する1台のMFPのみでネットワーク画像形成システムが構成されていても構わない。また、情報機器がMFPではない場合には、ネットワーク画像形成システムではなく、ネットワーク情報処理システムとなる。
このように、本実施の形態においては、リモート操作するコンピュータと、そのコンピュータと通信する通信機能ならびに表示機能および操作機能(タッチパネルディスプレイにより実現)を備えたMFPとにより構成されるネットワーク画像形成システムについて説明するが、本発明は、さらに一般的な構成である、情報処理装置と、その情報処理装置と通信する通信機能およびユーザインターフェイスを備えた情報機器とにより構成されるネットワーク情報処理システムであればよい。このようなシステムの一例として、情報機器および/または情報処理装置が、POS(Point Of Sale)システムにおける端末が挙げられる(POS端末どうしまたはPOS端末とコンピュータ)。
[全体システム構成]
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るネットワーク画像形成システム(以下において、ネットワークプリントシステムと記載する。)の全体構成について説明する。このネットワークプリントシステムは、MFPをリモート操作するコンピュータ100(PC(1)、PC(2))と、コンピュータ100から受信したリモート要求信号に基づいて自己をリモートモードに切り換えたり、記録用紙に画像を印刷したりするMFP300(MFP(A)、MFP(B)、MFP(C))とを含む。ネットワークプリントシステム内のこれらの複数のコンピュータ100および複数のMFP300は、たとえばIEEE802.3に準拠したネットワーク回線200により通信(コンピュータ100とMFP300との間の通信)ができるように接続されている。なお、同じ符号を付したコンピュータ100は、同じ機能を備えたコンピュータである必要はなく、同じ符号を付したMFP300も、同じ機能を備えた画像形成装置である必要はない。
なお、このネットワーク回線200は、さらにインターネット網に接続される場合もある。このようなインターネット網に接続されると、MFP300が設置された事業所内から離れた場所に設置されたカスタマセンタのサービスマンがMFP300をリモート操作することができる。さらに、このインターネット網を介して、コンピュータ100およびMFP300は、種々のデータ(アプリケーションプログラム)をダウンロードすることができる。
本実施の形態に係るネットワークプリントシステムにおける、コンピュータ100およびMFP300の台数は、図1に記載された台数に限定されない。また、以下においては、図面等において、コンピュータ100を単にPCと記載する場合がある。
[ハードウェア構成]
<コンピュータ100>
図2に、本実施の形態に係るネットワークプリントシステムを構成するコンピュータ100の構成を示す。
この図2を参照して、コンピュータ100は、バス190と、バス190に接続されたCPU110と、バス190に接続されたROM(Read−Only Memory)120と、バス190に接続されたRAM(Random Access Memory)130と、バス190に接続されたハードディスク(HDD)140と、バス190に接続され、光ディスク182が装着可能で、光ディスク182に対する情報の書込および光ディスク182からの情報の読出が可能な光ディスクドライブ180と、バス190に接続され、マウス152およびキーボード154との間の接続に関するインターフェイスを提供するための入力インターフェイス(以下「入力IF」と呼ぶ。)150と、バス190に接続され、ディスプレイ162との間の接続に関するインターフェイスを提供するためのディスプレイインターフェイス(以下「ディスプレイIF」と呼ぶ。)160と、有線または無線(本実施の形態においては有線)によりネットワーク回線200への接続を提供するネットワークインターフェイス(以下「ネットワークIF」と呼ぶ。)170とを含む。なお、コンピュータ100は、磁気ディスクが装着可能で、磁気ディスクに対する情報の書込および磁気ディスクからの情報の読出が可能な磁気ディスクドライブを、光ディスクドライブ180に代えて/加えて、備えるようにしても構わない。ネットワークIF170は、コンピュータ100がノート型である場合を含めて、無線によりネットワーク回線200へ接続するインターフェイスの場合がある。
バス190、ROM120、RAM130、ハードディスク140、光ディスクドライブ180、入力IF150、ディスプレイIF160およびネットワークIF170は、いずれもCPU110の制御のもとに協調して動作し、コンピュータ100において種々のアプリケーションによる処理を実現する。それらアプリケーションは、コンピュータ100を一般的な演算装置として機能させる処理の他に、コンピュータ100でMFP300をリモート操作する処理を含む。このリモート操作においては、MFP300のタッチパネルディスプレイの表示に対応する画面がディスプレイ162に表示される。このコンピュータ100を操作するユーザが、ディスプレイ162に表示されたアイコンをマウス152でクリックすることにより、MFP300のタッチパネルディスプレイに表示されたアイコン(ソフトウェアボタン)が押下されたように、MFP300が動作する。
コンピュータ100に上述したリモート操作を行なわせ、コンピュータ100を本実施の形態に係るネットワークプリントシステムにおけるコンピュータとして機能させるためのコンピュータプログラムは、光ディスクドライブ180に挿入される光ディスク182に記憶され、さらにハードディスク140に転送される。または、プログラムはネットワーク回線200を通じてコンピュータ100に送信されハードディスク140に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM130にロードされる。光ディスク182から、またはネットワーク回線200を介して、直接にRAM130にプログラムをロードしてもよい。
これらのプログラムは、コンピュータ100に所定の処理を行なわせる複数の命令を含む。この動作を行なわせるのに必要な基本的機能のいくつかはコンピュータ100上で動作するオペレーティングシステム(OS)もしくはサードパーティのプログラム、またはコンピュータ100にインストールされる各種ツールキットのモジュールにより提供される。従って、このプログラムはこの実施の形態のシステムを実現するのに必要な機能全てを必ずしも含まなくてよい。このプログラムは、命令のうち、所望の結果が得られるように制御されたやり方で適切な機能または「ツール」を呼出すことにより、上記したコンピュータ100として所定の処理を実行する命令のみを含んでいればよい。コンピュータ100の実体であるコンピュータの一般的動作は周知であるので、ここでは繰返して説明しない。
<MFP300>
−MFPの構成−
図3を参照して、本実施の形態に係るネットワークプリントシステムを構成するMFP300は、バス390と、バス390に接続されたCPU310と、バス390に接続されたROM320と、バス390に接続されたRAM330と、バス390に接続されたハードディスク(HDD)340と、バス390に接続され、タッチパネルディスプレイ380との間の接続に関するインターフェイスを提供するための入力IF350およびディスプレイIF360と、バス390に接続され、有線または無線(本実施の形態においては有線)によりネットワーク回線200への接続を提供するネットワークIF370とを含む。
バス390、ROM320、RAM330、ハードディスク340、入力IF350、ディスプレイIF360およびネットワークIF370は、いずれもCPU310の制御のもとに協調して動作し、MFP300において、プリント処理、FAX送受信処理、スキャナ処理およびコピー処理ならびにアプリケーションによる処理を実現する。なお、これらの処理は、図3においては図示していないMFP300を構成する各部品がCPU310により制御されて実行される。また、アプリケーションは、コンピュータ100からリモート要求信号を受信した場合に、MFP300をリモートモードで動作させる処理を含む。
MFP300に、本実施の形態に係るネットワークプリントシステムにおける画像形成装置としての動作を行なわせるためのコンピュータプログラムは、ハードディスク340に記憶される。または、プログラムはネットワーク回線200を通じてアプリケーションを提供するサーバコンピュータから送信されハードディスク340に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM330にロードされる。ネットワーク回線200を介して、直接にRAM330にプログラムをロードしてもよい。
なお、このMFP300には、操作装置として、テンキーおよびその他の種々の操作ボタンであるハードウェアキー(スタートボタン等)が備えられた操作パネル(図3には図示していない)と、タッチパネルディスプレイ380とから構成されることが多い。本実施の形態に係るMFP300は、ハードウェアキーを備えず、タッチパネルディスプレイ380に表示されるソフトウェアキーのみで操作装置が構成されているとする。
このタッチパネルディスプレイ380には、このMFP300におけるモードを選択するボタン、各モードにおけるメニューを選択するボタン、テンキーおよびスタートキー等の特殊ボタン(従来のハードウェアキーで実現されていたボタン)、このMFP300の現在の状態、宛先指定状況、ジョブの処理状況等が表示される。タッチパネルディスプレイ380の表示領域上にはこのような選択ボタン(ソフトウェアキー)が表示され、この選択ボタンの表示されている領域を指で押すと、タッチパネルがその押された位置を検出する。プログラム上で選択ボタンの表示位置とタッチパネルが押された位置とを照合することにより、MFP300のモード等を選択したり、動作を指示したりすることができる。なお、このタッチパネルディスプレイ380は、カラー液晶パネルとタッチパネルとで構成されている。
また、リモートモードへ移行したMFP300は、自己をリモート操作するコンピュータ100へ送信した画面データと、コンピュータ100から受信した座標データとに基づいてリモートコマンドを識別して、タッチパネルディスプレイ380は実際には操作されていないが、タッチパネルディスプレイ380が操作されたように、動作する。
−MFPにおける画像形成部−
MFP300は、たとえば、原稿読取部、画像形成部、給紙部、および排紙処理装置を備える。MFP300においては、他の装置から受信した画像データまたは原稿読取部により読取られた原稿の画像データに対して、CPU310により各種の画像処理が施され、この画像データが画像形成部へと出力される。なお、このMFP300は、レーザー光を感光に利用する、所謂レーザー方式(電子写真方式)の印刷機能を備える。しかしながら、他の形式の印刷機能を備えたものであっても構わない。
画像形成部は、画像データによって示される画像を記録用紙に印刷するものであって、たとえば、感光体ドラム、帯電装置、レーザースキャンユニット、現像装置、転写装置、クリーニング装置、定着装置、および除電装置等を備えている。画像形成部には、たとえば、搬送路が設けられており、給紙部から給紙されてきた記録用紙が搬送路に沿って搬送される。給紙部は、用紙カセットに収納された記録用紙、または手差トレイに載置された記録用紙を1枚ずつ引出して記録用紙を画像形成部の搬送路へと送り出す。
画像形成部の搬送路に沿って記録用紙が搬送されている途中で、記録用紙が感光体ドラムと転写装置との間を通過し、更に定着装置を通過して、記録用紙に対する印刷が行なわれる。
感光体ドラムは、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置により均一に帯電される。レーザースキャンユニットは、印刷対象の画像データに基づいてレーザー光を変調し、このレーザー光によって感光体ドラムの表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラムの表面に形成する。現像装置は、トナーを感光体ドラムの表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラムの表面に形成する。
転写装置は、転写装置と感光体ドラムとの間を通過していく記録用紙に感光体ドラムの表面のトナー像を転写する。定着装置は、記録用紙を加熱するための加熱ローラと、記録用紙を加圧するための加圧ローラとを含む。記録用紙は、加熱ローラによって加熱され、かつ、加圧ローラによって加圧されることによって、記録用紙上に転写されたトナー像が記録用紙に定着される。定着装置から排出された(印刷された)記録用紙は、排紙トレイに排出される。排紙処理装置においては、複数の記録用紙を各排紙トレイに仕分けして排出する処理、各記録用紙にパンチングする処理、および記録用紙の束にステープルする処理を施す場合がある。たとえば、複数部の印刷物を作成する場合は、各排紙トレイに印刷物の一部ずつが割り当てられるように、各記録用紙を各排紙トレイに仕分けして排出し、排紙トレイごとに、各排紙トレイ上の記録用紙の束にパンチング処理またはステープル処理を施して印刷物を作成する。このような様々な処理が、CPU310による制御の元で行なわれる。なお、パンチング処理は、記録用紙1枚ずつに対して行なうようにしても構わない。
−MFPの基本機能(モード)−
このMFP300は、このような印刷機能を用いて、ネットワーク回線200を介して、ネットワーク回線200に接続されたコンピュータからプリントデータを受信して記録用紙に画像を形成するプリンタモードを実現する。
さらに、このMFP300は、原稿読取部により原稿を画像データとして読取って、この画像データに基づいて記録用紙に画像を形成するコピーモードを実現する。
さらに、このMFP300は、原稿読取部により原稿を画像データとして読取って、この画像データを他の装置へ送信するファクシミリ送信モードを実現する。なお、このMFP300は、他の装置から受信した画像データに基づいて記録用紙に画像を形成するファクシミリ受信モードも実現する。なお、このMFP300のタッチパネルディスプレイ380においては、ファクシミリ送信モードは、ファクス/イメージ送信モードと表示される。
さらに、このMFP300は、原稿読取部により原稿を画像データとして読取って、この画像データをハードディスク340に記憶するドキュメントファイリングモードを実現する。なお、MFP300のハードディスク340ではなく、ネットワーク回線200を介して、他の装置(コンピュータ、外部記憶ユニット)に記憶するものでも構わない。この場合、ネットワークを介してファイル共有またはプリンタ共有を実現するプロトコルであるSMB(Server Message Block)が用いられることがある。このプロトコルを用いると、ネットワーク上で共有された、共有フォルダにスキャンした画像データを転送することができる。この機能は、スキャンtoフォルダまたはスキャンto共有フォルダと呼ばれる場合がある。
このように、このMFP300は、基本機能(モード)として、コピーモード、ファクス/イメージ送信モード、ドキュメントファイリング、プリンタモードを備える。なお、プリンタモードは、ネットワーク回線200に接続されたパーソナルコンピュータからプリントデータを受信すると、MFP300がプリンタモードに自動的に切り換わり、プリントデータに基づいて記録用紙の画像を形成する。このため、MFP300のタッチパネルディスプレイ380に、プリンタモードを選択するための画面は表示されない。
[ソフトウェア構成]
本実施の形態に係るネットワークプリントシステムを構成するコンピュータ100は、MFP300へリモート要求信号を送信し、MFP300は、コンピュータ100からリモート要求信号を受信するとリモートモードへ移行する。この場合において、MFP300は、リモートモードへの移行時にネットワーク回線200における通信時間を算出するとともに、タッチパネルディスプレイ380の画面が切り換わる毎に変更された画面のデータ量(たとえば前画面と次画面との差分データ量)を算出する。MFP300は、算出された通信時間および算出された差分データ量に基づいて、コンピュータ100における画面の切り換えが遅滞なく実行されるように、以下に説明するプログラムをCPU310で実行する。また、このネットワークプリントシステムを構成するコンピュータ100は、以下に説明するプログラムをCPU110で実行する。
図4および図5を参照して、このようなコンピュータ100およびMFP300で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。
なお、このようなコンピュータプログラムと並行して、コンピュータ100は、演算装置としての一般的機能を実現するプログラムを実行し、MFP300は、画像形成装置(複合機)としての一般的機能を実現するプログラムを実行する。しかしながら、そのプログラムは、本発明の本質的部分とは直接関係するものではないので、その詳細についてはここでは説明しない。
図4および図5の右側に示すプログラムは、コンピュータ100のCPU110(以下、単に「CPU110」と記載する。)において実行される。ステップ(以下、ステップをSと略す。)1000にて、CPU110は、リモート操作プログラムの起動要求を検出したか否かを判定する。このとき、CPU110は、たとえば、ディスプレイ162に表示されたリモート操作プログラムのショートカットアイコンが、一般ユーザ、管理者またはメンテナンス作業を行なうサービスマンによりマウス152でダブルクリックされると、リモート操作プログラムの起動要求を検出したと判定する。これらの一般ユーザ、管理者またはメンテナンス作業を行なうサービスマンは、いずれもリモート対象のMFP300の設置場所から離れた場所にあるコンピュータ100を操作する。リモート操作プログラムの起動要求を検出したと判定されると(S1000にてYES)、処理はS1010へ移される。もしそうでないと(S1000にてNO)、この処理はS1000へ戻されてリモート操作プログラムの起動要求を検出したと判定されるまで待つ。
S1010にて、CPU110は、ハードディスク140に実行可能に記憶されたリモート操作プログラムを起動する。なお、リモート対象のMFP300は、コンピュータ100で予め設定されているものとする。
S1020にて、CPU110は、リモート対象のMFP300へリモート要求信号を送信する。このとき、CPU110は、ネットワーク上で自己を識別するための情報(たとえば、IPアドレス)も、MFP300へ送信する。
S1030にて、CPU110は、リモート対象のMFP300からパケットを受信したか否かを判定する。このパケットは、MFP300がこのネットワーク回線200の通信トラフィックの状態を判定するために送信した、短いデータである。リモート対象のMFP300からパケットを受信したと判定されると(S1030にてYES)、処理はS1040へ移される。もしそうでないと(S1030にてNO)、この処理はS1050へ移される。
S1040にて、CPU110は、リモート対象のMFP300(パケットを送信してきたMFP300)へリプライを送信する。このリプライを受信したMFP300は、パケットを送信してからリプライを受信するまでの通信時間Tを算出して、この通信時間Tに基づいて、ネットワーク回線200における通信トラフィックの状態を判定する。
S1050にて、CPU110は、リモート対象のMFP300へリモート要求信号を送信してから予め定められた時間が経過したか否か(通信タイムアウトであるか否か)を判定する。通信タイムアウトであると判定されると(S1050にてYES)、処理は図5のS1120へ移される。もしそうでないと(S1050にてNO)、この処理はS1030へ戻されて、リモート対象のMFP300からパケットを受信するまで待つ。
S1060にて、CPU110は、リモート対象のMFP300から画面データを受信したか否かを判定する。リモート対象のMFP300から画面データを受信したと判定されると(S1060にてYES)、処理は図5のS1070へ移される。もしそうでないと(S1060にてNO)、この処理はS1060へ戻されて、リモート対象のMFP300から画面データを受信するまで待つ。
図5を参照して、S1070にて、CPU110は、MFP300から受信した画面データに基づいて、ディスプレイ162にMFP300の画面を表示する。
S1080にて、CPU110は、リモート操作プログラムの終了要求を検出したか否かを判定する。このとき、CPU110は、たとえば、リモート操作プログラムが実行されることによりディスプレイ162に表示されたメニューバーの「ファイル(F)」の「閉じる(C)」がマウス152でクリックされると、リモート操作プログラムの終了要求を検出したと判定する。リモート操作プログラムの終了要求を検出したと判定されると(S1080にてYES)、処理はS1090へ移される。もしそうでないと(S1080にてNO)、この処理はS1100へ移される。
S1090にて、CPU110は、リモート対象のMFP300へ、リモート操作の終了要求信号を送信する。その後、この処理は終了する。
S1100にて、CPU110は、実行されているリモート操作プログラムにおいて、コマンドの入力を検出したか否かを判定する。このとき、CPU110は、たとえば、リモート操作プログラムが実行されることによりディスプレイ162に表示されたアイコン(このアイコンの形態および表示位置はMFP300のタッチパネルディスプレイ380の表示と同じであって、たとえば「特別機能」アイコン)がマウス152でクリックされるとコマンド(「特別機能」へ移行するコマンド)の入力を検出したと判定する。コマンドの入力を検出したと判定されると(S1100にてYES)、処理はS1110へ移される。もしそうでないと(S1100にてNO)、この処理はS1080へ戻される。
S1110にて、CPU110は、リモート対象のMFP300へ、入力されたコマンドに対応する座標データを送信する。この座標データを受信したMFP300は、コンピュータ100へ送信した画像データを認識しており、かつ、コンピュータ100におけるリモート操作画面サイズも認識しているので、コンピュータ100で入力されたコマンドを判別することができる。その後、この処理は図4のS1060へ戻される。
S1120にて、CPU110は、ディスプレイ162に通信エラーが発生したことを表示する。この通信エラー表示をユーザが認識した後(予め定められた時間エラー表示を継続した後、または、ユーザが確認ボタンを押下したことを検出した後)、この処理は終了する。
図4および図5の左側に示すプログラムは、MFP300のCPU310(以下、単に「CPU310」と記載する。)において実行される。S3000にて、CPU310は、リモート操作を実行するコンピュータ100からリモート要求信号を受信したか否かを判定する。この処理は上述したS1020の処理に対応する。リモート操作を実行するコンピュータ100からリモート要求信号を受信したと判定されると(S3000にてYES)、処理はS3010へ移される。もしそうでないと(S3000にてNO)、この処理はS3000へ戻されて、コンピュータ100から送信されるリモート要求信号を受信するまで待つ。
S3010にて、CPU310は、コンピュータ100によりリモート操作されるリモートモードへ移行する。このとき、CPU310は、タッチパネルディスプレイ380に、リモートモードで動作していることを表示することも好ましい。
S3020にて、CPU310は、自己をリモート操作するコンピュータ100(リモート要求信号を送信してきたコンピュータ100)へパケットを送信する。
S3030にて、CPU310は、自己をリモート操作するコンピュータ100からリプライ(パケットに応答してコンピュータ100が送信するデータ)を受信したか否かを判定する。この処理は上述したS1040の処理に対応する。自己をリモート操作するコンピュータ100からリプライを受信したと判定されると(S3030にてYES)、処理はS3040へ移される。もしそうでないと(S3030にてNO)、この処理はS3050へ移される。
S3040にて、CPU310は、パケットを送信してから、送信したパケットに応答したコンピュータ100から送信されたリプライを受信するまでの通信時間Tを算出する。その後、この処理はS3060へ移される。
S3050にて、CPU310は、自己をリモート操作するコンピュータ100へパケットを送信してから予め定められた時間が経過したか否か(通信タイムアウトであるか否か)を判定する。通信タイムアウトであると判定されると(S3050にてYES)、処理は図5のS3220へ移される。もしそうでないと(S3050にてNO)、この処理はS3030へ戻されて、自己をリモート操作するコンピュータ100からリプライを受信するまで待つ。
S3060にて、CPU310は、通信時間Tがしきい値(1)以上であるか否かを判定する。このしきい値(1)は、ネットワーク回線200における通信トラフィックの状況に合わせて適宜設定される時間であって、通信時間Tがこのしきい値(1)以上であるとこのネットワーク回線200を用いたネットワーク通信に時間がかかると判定される。このように、通信時間Tがしきい値(1)以上の場合には、コンピュータ100のディスプレイ162における表示の切り換えが遅く、リモート操作を遅延させることになる。通信時間Tがしきい値(1)以上であると判定されると(S3060にてYES)、処理はS3070へ移される。もしそうでないと(S3060にてNO)、この処理はS3080へ移される。
S3070にて、CPU310は、転送モードフラグに「0」を設定する。その後、この処理はS3090へ移される。S3080にて、CPU310は、転送モードフラグに「1」を設定する。なお、この転送モードフラグは、RAM130またはハードディスク140に記憶される。
S3090にて、CPU310は、タッチパネルディスプレイ380に表示する、次画面のデータを作成する。このとき、MFP300がコンピュータ100により、継続してリモート操作されている場合には次画面のデータを、リモートモードへ移行した直後の場合にはMFP300の初期画面のデータを、CPU310は作成する。なお、継続してリモート操作されている場合には後述する差分データ量を算出する必要があるため、作成された画面データは、少なくとも次画面データがコンピュータ100へ送信されるまで、RAM130またはハードディスク140に記憶される。
S3100にて、CPU310は、転送モードフラグが「0」であるか否かを判定する。転送モードフラグが「0」であると判定されると(S3100にてYES)、処理はS3110へ移される。もしそうでないと(S3100にてNO)、この処理はS3140へ移される。
S3110にて、CPU310は、前画面データと次画面データとの差分データ量Dを算出する。リモートモードへ移行した直後の場合においては、前画面データはヌル(空値)であって、次画面データはMFP300の初期画面のデータである。
S3120にて、CPU310は、差分データ量Dがしきい値(2)以下であるか否かを判定する。このしきい値(2)は、MFP300のタッチパネルディスプレイ380に表示される画面のデータ量に合わせて適宜設定される。差分データ量Dがこのしきい値(2)以下であるとMFP300において切り換えられる前画面と次画面との差が少ないので(画面が切り換えられたが変更部分は少ないので)、変更部分のみの画面データがMFP300からコンピュータ100へ送信される。差分データ量Dがしきい値(2)以下の場合(変更部分が少ない場合)には、前画面から次画面への変更部分の画面データのみに基づく送信用画面データの作成を開始してからコンピュータ100により送信用画面データが受信されるまでの時間が、次画面の画面データに基づく送信用画面データの作成を開始してからコンピュータ100により送信用画面データが受信されるまでの時間よりも、短いことになる。変更部分が少ない場合(差分データ量がしきい値(2)以下の場合)には、変更箇所が複数であっても、変更された部分を抽出してその変更部分のみから構成される通信用画面データを作成して送信する方が、次画面の一画面分から構成される通信用画面データを作成して送信するよりも速い。変更部分が多くなってきた場合(差分データ量がしきい値(2)以上の場合)には、変更箇所が多くなってしまい、変更された部分を抽出してその変更部分のみから構成される通信用画面データを作成して送信すると、次画面の一画面分から構成される通信用画面データを作成して送信するよりも遅くなってしまう。差分データ量Dがしきい値(2)以下であると判定されると(S3120にてYES)、処理はS3130へ移される。もしそうでないと(S3120にてNO)、この処理はS3140へ移される。
S3130にて、CPU310は、前画面から次画面への変更部分のみから構成される送信用画面データを作成する。このとき、CPU310は、システム設定として予め設定されたリモート操作設定の画面サイズまたは画面カラーに基づいて、変更部分のみのデータから、サイズが縮小されることによりデータ量を削減した送信用画面データまたはカラー画面がモノクロ化されることによりデータ量を削減した送信用画面データを作成する。その後、処理はS3150へ移される。
S3140にて、CPU310は、作成した次画面データから、データ量を削減した送信用画面データを作成する。このときにも、CPU310は、システム設定として予め設定されたリモート操作設定の画面サイズまたは画面カラーに基づいて、次画面データから、サイズが縮小されることによりデータ量を削減した送信用画面データまたはカラー画面がモノクロ化されることによりデータ量を削減した送信用画面データを作成する。
S3150にて、CPU310は、送信用画面データを、自己をリモート操作するコンピュータ100へ送信する。
なお、S3130にて作成されてS3150にて送信される送信用画面データ(変更部分のみ)も、S3140にて作成されてS3150にて送信される送信用画面データ(一画面分)も、可逆圧縮方式(たとえばZIP形式、LZH形式、CAB形式等)により、データ圧縮されている。
図5を参照して、S3160にて、CPU310は、作成した次画面データ(送信用画面データではない)に基づいて、タッチパネルディスプレイ380に画面を表示する。なお、CPU310が、タッチパネルディスプレイ380の描画処理と、コンピュータ100との通信処理とを並行して処理できる場合には、S3090の処理後、S3100〜S3150の処理と、S3160の処理とが、並行して実行される。
S3170にて、CPU310は、自己をリモート操作するコンピュータ100から、リモート操作の終了要求信号を受信したか否かを判定する。この処理は上述したS1090の処理に対応する。自己をリモート操作するコンピュータ100からリモート操作の終了要求信号を受信したと判定されると(S3170にてYES)、処理はS3180へ移される。もしそうでないと(S3170にてNO)、この処理はS3190へ移される。
S3180にて、CPU310は、コンピュータ100によりリモート操作されるリモートモードを終了して、通常モードへ移行する。その後、この処理は終了する。
S3190にて、CPU310は、自己をリモート操作するコンピュータ100から、座標データを受信したか否かを判定する。この処理は上述したS1100の処理に対応する。自己をリモート操作するコンピュータ100から座標データを受信したと判定されると(S3190にてYES)、処理はS3200へ移される。もしそうでないと(S3190にてNO)、この処理はS3170へ戻される。
S3200にて、CPU310は、受信した座標データから、自己をリモート操作するコンピュータ100においてユーザにより入力されたコマンドを決定する。S3210にて、CPU310は、決定した入力コマンドに従って、次画面を決定する。その後、この処理は図4のS3090へ戻される。
S3220にて、CPU310は、タッチパネルディスプレイ380に通信エラーが発生したことを表示する。この通信エラー表示をユーザが認識した後(予め定められた時間エラー表示を継続した後、または、ユーザが確認ボタンを押下したことを検出した後)、この処理は終了する。
なお、本実施の形態における通信エラーは、コンピュータ100とMFP300との間の通信が不能な状態を想定していない(もしそうであるとすると、そもそもS3000にてYESと判定されないため)。この通信エラーは、通信自体は可能であるが、リモート操作することができる程度の通信レスポンスが得られない状態である。したがって、S1050およびS3050においてタイムアウトを判定する時間は、しきい値(1)よりも、長い時間が設定される。また、一旦通信可能と判定された場合(通信タイムアウトを検出しなかった場合)には、リモート操作が終了するまで、通信タイムアウトになることは想定していない。
[動作]
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係るネットワークプリントシステムの動作について説明する。
−MFPにおけるリモート操作設定動作−
コンピュータ100によりリモート操作されるMFP300においては、MFP300のメンテナンスモードにおいて、ユーザ(管理者を含む)またはサービスマンにより、リモート操作時のパラメータが予め設定される。このとき、図6に示す画面がMFP300のタッチパネルディスプレイ380に表示される。なお、この画面は、メンテナンスモードのシステム設定におけるリモート操作設定画面である。
図6に示すように、このパラメータには、設定方法(「手動」または「自動」)、リモート操作画面サイズ(「400×600」、「600×800」または「1600×1200」)およびリモート画面カラー(「カラー」または「白黒」)がある。なお、MFP300からコンピュータ100へ送信される画面データ量を削減するパラメータであれば、これ以外のものであっても構わない。
設定方法を「自動」に設定した場合には、ネットワーク回線200の通信トラフィック(通信時間Tに対応)および前画面データと次画面データとで変更された画面データ量(データ差分量Dに対応)に基づいて、MFP300とコンピュータ100との間で転送される送信用画面データが決定される。このとき、通信トラフィックが多く(S3100にてYES)かつ変更された画面データ量が少ない場合(S3120にてYES)、上述のパラメータに基づいて削減された送信用画面データが作成される。このように、設定方法を「自動」に設定すると、パラメータであるリモート操作画面サイズおよびリモート画面カラーを指定する必要がある。設定されたリモート操作画面サイズおよびリモート画面カラーを用いて、画面データ量が削減された送信用画面データが作成される。
以下の動作の説明においては、ユーザが、MFP300のメンテナンス画面(図6)において、設定方法の「自動」を選択して、リモート操作画面サイズの「400×600」を選択して、リモート画面カラーの「白黒」を選択して、「OK」ボタンを押下したとする。
なお、リモート画面サイズは、コンピュータ100のディスプレイ162が同じ大きさである場合には、ディスプレイ162に表示される画面における解像度と同じ意味になると解することができる。
−リモート動作の開始時−
MFP300をリモート操作したいユーザが、コンピュータ100のディスプレイ162に表示されたリモート操作プログラムのショートカットアイコンをマウス152でダブルクリックするとリモート操作プログラムの起動要求を検出したと判定される(S1000にてYES)。このユーザの要求に対応して、コンピュータ100において、リモート操作プログラムが起動される(S1010)。コンピュータ100からリモート対象のMFP300へ、コンピュータ100を識別するIPアドレスとともにリモート要求信号が送信される(S1020)。
このようなコンピュータ100の動作に応答して、MFP300は、コンピュータ100からリモート要求信号を受信する(S3000にてYES)。このリモート要求信号を受信したことに対応して、MFP300はリモートモードへ移行する(S3010)。
リモートモードへ移行したMFP300は、自己をリモート操作するコンピュータ100へパケットを送信する(S3020)。このようなMFP300の動作に応答して、コンピュータ100は、MFP300からパケットを受信する(S1030にてYES)。このパケットを受信したことに対応して、コンピュータ100はリプライを送信する(S1040)。なお、この動作の説明においては、通信タイムアウトであると判定されないとする。すなわち、S1050にてYESと判定される前にS1030にてYESと判定され、S3050にてYESと判定される前にS3030にてYESと判定される。
このようなコンピュータ100の動作に応答して、MFP300は、コンピュータ100からリプライを受信する(S3030にてYES)。このリプライを受信したことに対応して、MFP300は、通信時間Tとして、パケットを送信してからリプライを受信するまでの通信時間Tを算出する(S3040)。
この通信時間Tがしきい値(1)以上であると(S3060にてYES)、転送モードフラグに「0」が設定される(S3070)。このとき、転送モードフラグは、ネットワーク回線200を介したコンピュータ100とMFP300との通信に時間がかかることを意味する。
一方、この通信時間Tがしきい値(1)以上でないと(S3060にてNO)、転送モードフラグに「1」が設定される(S3080)。このとき、転送モードフラグは、ネットワーク回線200を介したコンピュータ100とMFP300との通信に時間がかからないことを意味する。
以下の動作の説明においては、MFP300のタッチパネルディスプレイ380を操作するユーザは存在せず、リモート操作プログラムを実行中のコンピュータ100のみにより、MFP300は操作されるとする。
−通信に時間がかからない場合のリモート動作−
以下においては、転送モードフラグに「1」が設定された場合のリモート動作について説明する。
リモートモードへ移行した直後においては、次画面として、MFP300の初期画面のデータが作成される(S3090)。転送モードフラグが「0」ではないので(S3100にてNO)、差分データ量Dを算出してしきい値(2)と比較することなく、作成した次画面データから、予め設定された画面サイズ(「400×600」)および画面カラー(「白黒」)に基づいて、サイズを縮小することおよびカラー画面をモノクロ化することによりデータ量を削減した送信用画面データが作成される(S3140)。この送信用画面データは、一画面分である。
このような送信用画面データがコンピュータ100へ送信される(S3150)。また、タッチパネルディスプレイ380に初期画面が表示される(S3160)。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図7に示す初期画面が表示されている。MFP300をリモート操作するコンピュータ100には、図8に示す初期画面が表示される(S1070)。このMFP300の初期画面においては、デフォルトでコピーモードが選択され、「コピー」ボタンが反転表示されている。なお、以下において、タッチパネルディスプレイ380およびディスプレイ162において反転表示されている部分を二重枠線で示す。また、図7等に示すタッチパネルディスプレイ380の画面はカラーであって、図8等に示すディスプレイ162の画面は白黒である。また、図7等に示すタッチパネルディスプレイ380の画面のサイズが小さく変更された画面が、図8等に示すディスプレイ162の画面である。このように、カラー画面をモノクロ化したり画面サイズを小さくしたりすることにより、送信用画面データ量を小さくしている。
図8に示すコンピュータ100のディスプレイ162には、画面上方にメニューバー(ファイル(F)、編集(E)、表示(V)等)が表示されている。また、ディスプレイ162には、マウス152により移動することができ、かつ、コマンドを入力することのできるポインタ164が表示されている。ここで、コマンドを入力するとは、マウス152を操作して、ポインタ164を所望のアイコンの部分まで移動させて、マウス152のボタンを操作(クリックまたはダブルクリック)することにより実現される。
図8に示す画面を見たユーザが、マウス152を操作して、ディスプレイ162に表示された「特別機能」を示すアイコンへポインタ164を移動させて、マウスボタンをクリックしたとする。このようなユーザの操作により、コマンドの入力が検出される(S1100にてYES)。コンピュータ100により、ディスプレイ162上の座標データであってユーザがどのアイコンを選択したのかがMFP300により識別可能な座標データが、MFP300へ送信される(S1110)。
このようなコンピュータ100の動作に応答して、MFP300は、コンピュータ100から座標データを受信する(S3190にてYES)。この座標データを受信したことに対応して、MFP300により、受信した座標データと先に送信した画面データとに基づいて、入力コマンドが決定される(S3200)。このとき、「特別機能」を選択する入力コマンドであると決定される。その入力コマンドに従った次画面が決定されて(S3210)、次画面データが作成される(S3090)。
このとき、決定された次画面は、図7に示すタッチパネルディスプレイ380の画面における「特別機能」ボタンがユーザにより押下されたときの画面である(実際にはタッチパネルディスプレイ380は操作されない)。これを図9に示す。このように、MFP300においては、図7に示す画面から図9に示す画面に切り換えられる。
このように、次画面データとして、MFP300の初期画面(コピーモード選択)において特別機能が選択されて、「特別機能」ボタンが反転表示されたデータが作成される(S3090)。転送モードフラグが「0」ではないので(S3100にてNO)、作成した次画面データから、予め設定された画面サイズ(「400×600」)および画面カラー(「白黒」)に基づいて、サイズを縮小することおよびカラー画面をモノクロ化することによりデータ量を削減した送信用画面データが作成される(S3140)。この送信用画面データは、一画面分である。
このような送信用画面データがコンピュータ100へ送信される(S3150)。また、タッチパネルディスプレイ380に次画面が表示される(S3160)。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図9に示す画面(初期画面で「特別機能」ボタンが反転表示された画面)が表示される。MFP300をリモート操作するコンピュータ100には、図10に示す次画面(図9に対応する画面であって初期画面で「特別機能」ボタンが反転表示された画面)が表示される(S1070)。
このような動作が、リモート操作プログラムが終了されるまで(S1080にてYES)続けられる。
−通信に時間がかかる場合のリモート動作−
以下においては、転送モードフラグに「0」が設定された場合のリモート動作について説明する。
リモートモードへ移行した直後においては、次画面として、MFP300の初期画面のデータが作成される(S3090)。転送モードフラグが「0」であるので(S3100にてYES)、作成した次画面データと前画面データとの差分データ量Dが算出される(S3110)。前画面データがヌルであるので、差分データ量Dはしきい値(2)よりも大きくなる(S3120にてNO)。このため、作成した次画面データから、予め設定された画面サイズ(「400×600」)および画面カラー(「白黒」)に基づいて、サイズを縮小することおよびカラー画面をモノクロ化することによりデータ量を削減した送信用画面データが作成される(S3140)。この送信用画面データは、一画面分である。
このような送信用画面データがコンピュータ100へ送信される(S3150)。また、タッチパネルディスプレイ380に初期画面が表示される(S3160)。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図7に示す初期画面が表示されている。MFP300をリモート操作するコンピュータ100には、図8に示す初期画面が表示される(S1070)。このMFP300の初期画面においても、上述した動作の説明と同様に、デフォルトでコピーモードが選択され、「コピー」ボタンが反転表示されている。
図8に示す画面を見たユーザが、マウス152を操作して、ディスプレイ162に表示された「特別機能」を示すアイコンへポインタ164を移動させてマウスボタンをクリックしたとする。このようなユーザの操作により、コマンドの入力が検出される(S1100にてYES)。コンピュータ100により、ディスプレイ162上の座標データであってユーザがどのアイコンを選択したのかがMFP300により識別可能な座標データが、MFP300へ送信される(S1110)。
このようなコンピュータ100の動作に応答して、MFP300は、コンピュータ100から座標データを受信する(S3190にてYES)。この座標データを受信したことに対応して、MFP300により、受信した座標データと先に送信した画面データとに基づいて、入力コマンドが決定される(S3200)。このとき、「特別機能」を選択する入力コマンドであると決定される。その入力コマンドに従った次画面が決定されて(S3210)、次画面データが作成される(S3090)。
このとき、決定された次画面は、図7に示すタッチパネルディスプレイ380の画面における「特別機能」ボタンが押下されたときの画面である。これを図9に示す。このように、MFP300においては、図7に示す画面から図9に示す画面に切り換えられる。
このように、次画面データとして、MFP300の初期画面(コピーモード選択)において特別機能が選択されて、特別機能ボタンが反転表示されたデータが作成される(S3090)。転送モードフラグが「0」であるので(S3100にてYES)、作成した次画面データと前画面データとの差分データ量Dが算出される(S3110)。前画面データと次画面データとの差分データ量Dはしきい値(2)以下である(S3120にてYES)。このため、作成した次画面データの中での前画面データから変更された部分のみから構成される送信用画面データが作成される。この場合にも、予め設定された画面サイズ(「400×600」)および画面カラー(「白黒」)に基づいて、サイズを縮小することおよびカラー画面をモノクロ化することによりデータ量を削減した送信用画面データであって、変更された部分のみから構成される送信用画面データが作成される(S3140)。この送信用画面データは、一画面分ではない。
このような送信用画面データがコンピュータ100へ送信される(S3150)。また、タッチパネルディスプレイ380に次画面が表示される(S3160)。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図9に示す初期画面が表示される。MFP300をリモート操作するコンピュータ100には、図10に示す次画面(図9に対応する画面)が表示される(S1070)。
さらに、図10に示す画面を見たユーザが、マウス152を操作して、ディスプレイ162に表示された「OK」ボタンを示すアイコンへポインタ164を移動させてマウスボタンをダブルクリックしたとする。このようなユーザの操作により、コマンドの入力が検出される(S1100にてYES)。この場合には、「特別機能」を確定させるコマンドが入力されたことが検出される。コンピュータ100により、ディスプレイ162上の座標データであってユーザがどのアイコンを選択したのかがMFP300により識別可能な座標データが、MFP300へ送信される(S1110)。
このようなコンピュータ100の動作に応答して、MFP300は、コンピュータ100から座標データを受信する(S3190にてYES)。この座標データを受信したことに対応して、MFP300により、受信した座標データと先に送信した画面データとに基づいて、入力コマンドが決定される(S3200)。このとき、「特別機能」を確定して特別機能の一覧画面へ遷移する入力コマンドであると決定される。その入力コマンドに従った次画面(特別機能の一覧画面)が決定されて(S3210)、次画面データが作成される(S3090)。
このとき、決定された次画面は、図9に示すタッチパネルディスプレイ380の画面における「OK」ボタンが押下されたときの画面である(実際にはタッチパネルディスプレイ380は操作されない)。これを図11に示す。このように、MFP300においては、図9に示す画面から図11に示す画面に切り換えられる。
このように、次画面データとして、MFP300における特別機能の一覧画面のデータが作成される(S3090)。転送モードフラグが「0」であるので(S3100にてYES)、作成した次画面データと前画面データとの差分データ量Dが算出される(S3110)。前画面データと次画面データとの差分データ量Dはしきい値(2)より大きい(S3120にてNO)。このため、作成した次画面データから、予め設定された画面サイズ(「400×600」)および画面カラー(「白黒」)に基づいて、サイズを縮小することおよびカラー画面をモノクロ化することによりデータ量を削減した送信用画面データが作成される(S3140)。この送信用画面データは、一画面分である。
このような送信用画面データがコンピュータ100へ送信される(S3150)。また、タッチパネルディスプレイ380に次画面が表示される(S3160)。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図11に示す特別機能一覧画面が表示される。MFP300をリモート操作するコンピュータ100には、図12に示す次画面(図11に対応する画面)が表示される(S1070)。
さらに、図12に示す画面を見たユーザが、マウス152を操作して、ディスプレイ162に表示された「ページ集約」ボタンを示すアイコンへポインタ164を移動させて、マウスボタンをクリックしたとする。このようなユーザの操作により、コマンドの入力が検出される(S1100にてYES)。コンピュータ100により、ディスプレイ162上の座標データであってユーザがどのアイコンを選択したのかがMFP300により識別可能な座標データが、MFP300へ送信される(S1110)。
このようなコンピュータ100の動作に応答して、MFP300は、コンピュータ100から座標データを受信する(S3190にてYES)。この座標データを受信したことに対応して、MFP300により、受信した座標データと先に送信した画面データとに基づいて、入力コマンドが決定される(S3200)。このとき、特別機能の中の「ページ集約」を選択する入力コマンドであると決定される。その入力コマンドに従った次画面が決定されて(S3210)、次画面データが作成される(S3090)。
このとき、決定された次画面は、図11に示すタッチパネルディスプレイ380の画面における「ページ集約」ボタンが押下されたときの画面である(実際にはタッチパネルディスプレイ380は操作されない)。これを図13に示す。このように、MFP300においては、図11に示す画面から図13に示す画面に切り換えられる。
このように、次画面データとして、MFP300における特別機能のページ集約が選択されて、「ページ集約」ボタンが反転表示されたデータが作成される(S3090)。転送モードフラグが「0」であるので(S3100にてYES)、作成した次画面データと前画面データとの差分データ量Dが算出される(S3110)。前画面データと次画面データとの差分データ量Dはしきい値(2)以下である(S3120にてYES)。このため、作成した次画面データの中での前画面データから変更された部分のみから構成される送信用画面データが作成される。この場合にも、予め設定された画面サイズ(「400×600」)および画面カラー(「白黒」)に基づいて、サイズを縮小することおよびカラー画面をモノクロ化することによりデータ量を削減した送信用画面データであって、変更された部分のみから構成される送信用画面データが作成される(S3140)。この送信用画面データは、一画面分ではない。
このような送信用画面データがコンピュータ100へ送信される(S3150)。また、タッチパネルディスプレイ380に次画面が表示される(S3160)。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図13に示す特別機能一覧画面が表示される。MFP300をリモート操作するコンピュータ100には、図14に示す次画面(図13に対応する画面)が表示される(S1070)。
さらに、図14に示す画面を見たユーザが、マウス152を操作して、ディスプレイ162に表示された「OK」ボタンを示すアイコンへポインタ164を移動させて、マウスボタンをダブルクリックしたとする。このようなユーザの操作により、コマンドの入力が検出される(S1100にてYES)。この場合には、「ページ集約」を確定させるコマンドが入力されたことが検出される。コンピュータ100により、ディスプレイ162上の座標データであってユーザがどのアイコンを選択したのかがMFP300により識別可能な座標データが、MFP300へ送信される(S1110)。
このようなコンピュータ100の動作に応答して、MFP300は、コンピュータ100から座標データを受信する(S3190にてYES)。この座標データを受信したことに対応して、MFP300により、受信した座標データと先に送信した画面データとに基づいて、入力コマンドが決定される(S3200)。このとき、特別機能の中の「ページ集約」機能を確定してページ集約機能の設定画面へ遷移する入力コマンドであると決定される。その入力コマンドに従った次画面(ページ集約の設定画面)が決定されて(S3210)、次画面データが作成される(S3090)。
このとき、決定された次画面は、図13に示すタッチパネルディスプレイ380の画面における「OK」ボタンが押下されたときの画面である(実際にはタッチパネルディスプレイ380は操作されない)。これを図15に示す。このように、MFP300においては、図13に示す画面から図15に示す画面に切り換えられる。
このように、次画面データとして、MFP300におけるページ集約の設定画面のデータが作成される(S3090)。転送モードフラグが「0」であるので(S3100にてYES)、作成した次画面データと前画面データとの差分データ量Dが算出される(S3110)。前画面データと次画面データとの差分データ量Dはしきい値(2)より大きい(S3120にてNO)。このため、作成した次画面データから、予め設定された画面サイズ(「400×600」)および画面カラー(「白黒」)に基づいて、サイズを縮小することおよびカラー画面をモノクロ化することによりデータ量を削減した送信用画面データが作成される(S3140)。この送信用画面データは、一画面分である。
このような送信用画面データがコンピュータ100へ送信される(S3150)。また、タッチパネルディスプレイ380に次画面が表示される(S3160)。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図15に示すページ集約の設定画面が表示される。MFP300をリモート操作するコンピュータ100には、図16に示す次画面(図15に対応する画面)が表示される(S1070)。
このような動作が、リモート操作プログラムが終了されるまで(S1080にてYES)続けられる。
以上のようにして、本実施の形態に係るネットワークプリントシステムによると、リモート操作がコンピュータ100から要求されたMFP300は、コンピュータ100とMFP300との間のネットワークにおける通信時間を算出する。この通信時間が長いと(ネットワークの通信トラフィックが多く画面データの転送に時間がかかると)、コンピュータ100のディスプレイにレスポンスよくタッチパネルディスプレイ画面を表示することができなくなる。このため、このような場合には、パラメータに従ってデータ量が削減された通信用画面データを作成したり、変更部分のみの画面データから構成されるデータ量が小さい通信用画面データを作成したりする。さらに、変更部分が多くなると、変更部分のみの画面データから構成される通信用画面データではなく、一画面分の通信用画面データを作成する。これにより、ネットワークの通信トラフィックの状況および画面切り換えに伴い変更された画面データ量に合致させて通信用画面データを作成するので、コンピュータ100のディスプレイにレスポンスよくタッチパネルディスプレイ画面を表示することができる。
<変形例>
なお、図6に示したリモート操作設定は、MFP300ではなく、コンピュータ100で実行するものであっても構わない。
また、上述したフローチャートにおいては、ネットワーク回線200を介した通信に時間がかかる状態であるのか否かを、MFP300が自己をリモート操作するコンピュータ100へパケットを送信してからリプライを受信するまでの時間に基づいて判定した。しかしながら、本発明はこの方法に限定されるものではなく、他の方法によりネットワーク回線200を介した通信に時間がかかる状態であるのか否かを判定するようにしても構わない。たとえば、ネットワーク回線200に接続された任意のコンピュータへパケットを送信して受信したリプライに基づいて判定したり、ネットワークの仕様およびコンピュータ100とMFP300との位置的な関係(距離)等に基づいて判定したりすることが考えられる。さらに、ネットワーク回線200を介した通信に時間がかかる状態であるのか否かの判定は、MFP300の電源が投入されたとき(少なくとも1日1回は投入されるものとする)のみ実行されるものであっても構わない。
また、ネットワーク回線200を介した通信時間が短い場合であっても、タッチパネルディスプレイ画面の変更された部分のみから構成される送信用画面データを作成するようにしても構わない。このようにすると、いたずらに通信トラフィックが上昇してしまうことを抑制することができる。
また、ネットワーク回線200を介した通信時間が長い場合にのみ、タッチパネルディスプレイ画面をパラメータにより画面データ量を削減した送信用画面データを作成するようにしても構わない。このようにすると、MFP300における演算負荷を抑制することができる。
また、コンピュータ100におけるマウスボタンの操作(クリック、ダブルクリック)については、「OK」ボタンについてはダブルクリックとし、その他のボタンについてはクリックとして区別した。しかしながら、本発明はこの方法に限定されるものではなく、どのようなマウスボタンの操作であっても構わない。また、マウス152による操作ではなくて、キーボード154による操作であっても構わない。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。