JP5817574B2 - cis−3−ヘキセナールの蒸留方法 - Google Patents

cis−3−ヘキセナールの蒸留方法 Download PDF

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Description

本発明は、cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、及びcis−2−ヘキセナールを含む混合物を蒸留することによって、高純度なcis−3−ヘキセナールを高収率で得ることができる、cis−3−ヘキセナールの蒸留方法に関する。
cis−3−ヘキセナールは、青葉様の強い香気を有する香料物質として有用であることが知られており、その合成法が盛んに研究されている。
従来、cis−3−ヘキセナールの合成法としては、例えば、次のものが知られている。
(a)非特許文献1には、cis−3−ヘキセノールを三酸化クロム−ピリジン−ジクロルメタン系、又はジメチルスルホキシド−ジシクロヘキシルカルボジイミド−五酸化リン系で酸化してcis−3−ヘキセナールを得る方法が記載されている。
(b)特許文献1には、アクロレインを出発原料として、ウィティヒ反応によりcis−3−ヘキセナールを合成する方法が記載されている。
(c)また、特許文献2、3には、2,4−アルカジエン誘導体を金属カルボニルもしくはそのアレーン錯体触媒の存在下に接触水素化反応させ、3位にcis二重結合を構築してcis−3−ヘキセナールを製造する方法が提案されている。
しかしながら、これらいずれの方法も、環境問題やコストの問題により、工業的に実施するのは困難なものであった。
この問題を解決すべく、特許文献4には、金属アセチリド化合物とハロゲン化合物を反応させて、3−ヘキシナールジアルキルアセタールを得た後、このものの三重結合を水素添加してcis−3−ヘキセナールジアルキルアセタールを得、ついで加水分解することによりcis−3−ヘキセナールを製造する方法が開示されている。
この製造方法で得られる生成物には、cis−3−ヘキセナールの他に、trans−2−ヘキセナールやcis−2−ヘキセナール等の不純物が混ざっているため、生成物をそのまま香料や合成原料として使用することはできない。
そのため、目的とする化合物の純度を高める必要がある。
目的とする化合物の純度を高める方法としては、常圧蒸留又は減圧蒸留による精製方法が一般的に知られている。
しかしながら、cis−3−ヘキセナールは熱安定性に特に乏しいため、cis−3−ヘキセナールを含む混合物を常圧蒸留すると、cis−3−ヘキセナールの多くが、熱により異性化したり、蒸留されない高沸点化合物へ変化してしまい、収率よく目的物を単離することが困難である。また、減圧蒸留法により熱をかけないようにしても、異性化等を完全に抑制することはできず、高純度のcis−3−ヘキセナールを高収率で単離することが困難であった。
特開昭56−75448号公報 特公昭61−2377号公報 特開平3−34952号公報 特開平5−97760号公報
Agricultural and Biological Chemistry,39(1),243(1975)
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、及びcis−2−ヘキセナールを含む混合物からcis−3−ヘキセナールを蒸留する方法であって、蒸留中におけるcis−3−ヘキセナールの異性化や高沸点化合物への変化を防止して、純度の高いcis−3−ヘキセナールを高収率で得ることができる蒸留方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、cis−3−ヘキセナールジアルキルアセタールを加水分解して得られる、cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、及びcis−2−ヘキセナールを含む反応液に、特定の高沸点溶剤を添加して蒸留すると、蒸留中におけるcis−3−ヘキセナールの異性化及び高沸点化合物への変化等が抑制され、極めて高純度のcis−3−ヘキセナールを高収率で得ることができることを見出し、この知見を一般化することにより、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、下記(1)〜(5)のcis−3−ヘキセナールの蒸留方法が提供される。
(1)cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、及びcis−2−ヘキセナールを含む混合物に、標準気圧下における沸点が170〜400℃の溶剤を添加して蒸留することを特徴とするcis−3−ヘキセナールの蒸留方法。
(2)前記混合物が、下記式(1)
Figure 0005817574
(式中、R、Rは、互いに結合していない炭素数1〜6アルキル基を示す。)
で表される化合物を加水分解して得られた反応液であることを特徴とする(1)に記載のcis−3−ヘキセナールの蒸留方法。
(3)前記溶剤が、芳香環を含まないエステル化合物であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のcis−3−ヘキセナールの蒸留方法。
(4)前記芳香環を含まないエステル化合物が、クエン酸トリエチルであることを特徴とする(3)に記載のcis−3−ヘキセナールの蒸留方法。
(5)前記溶剤の添加量が、前記混合物中に含まれるcis−3−ヘキセナール100質量部に対して、30〜500質量部であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のcis−3−ヘキセナールの蒸留方法。
本発明の蒸留方法によれば、cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、及びcis−2−ヘキセナールを含む混合物から、蒸留中におけるcis−3−ヘキセナールの異性化及び高沸点化合物への変化を防止しつつ、高純度のcis−3−ヘキセナールを高収率で単離することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のcis−3−ヘキセナールの蒸留方法は、cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、及びcis−2−ヘキセナールを含む混合物に、標準気圧下における沸点が170〜400℃の高沸点溶剤を添加して蒸留することを特徴とする。
本発明は、cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、及びcis−2−ヘキセナールを含む混合物を蒸留するものである。
蒸留対象である混合物は、cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、及びcis−2−ヘキセナールを含むものであれば特に限定されない。
前記混合物は、cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、及びcis−2−ヘキセナール以外の有機溶媒を含んでいてもよい。前記混合物が有機溶媒を含む場合、該有機溶媒は標準気圧下における沸点が100℃未満のものであることが好ましい。
前記混合物中に含まれるcis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、及びcis−2−ヘキセナールの含有量も特に限定されないが、混合物全体に対し、cis−3−ヘキセナールが、通常50〜95重量%、trans−3−ヘキセナールが、通常1〜10重量%、2−ヘキセナールが、通常0.1〜5重量%程度である。
なかでも、本発明においては、前記混合物が、前記式(1)で表される化合物(以下、「cis−3−ヘキセナールジアルキルアセタール(1)」ということがある。)を加水分解して得られる反応混合物であるのが好ましい。本発明の蒸留方法は、この反応混合物から、高純度のcis−3−ヘキセナールを、高収率にて選択的に得る場合に特に有用な方法である。
cis−3−ヘキセナールジアルキルアセタール(1)は、公知の方法により製造し入手することができる(特開昭53−15319号公報等)。具体的には、不活性溶媒中、下記に示すように、式(2)で示される金属アセチリド化合物(2)と、式(3)で示されるハロゲン化合物(3)とを反応させ、式(4)で示される3−ヘキシナールジアルキルアセタール(4)を得、このものの分子内の三重結合を水素化してcis−二重結合とすることにより得ることができる。
Figure 0005817574
式中、Mは、Li、MgCl又はMgBrを示す。
、Rは、互いに結合していない炭素数1〜6のアルキル基を示す。「互いに結合していない」とは、RとRとが一緒になって結合して環を形成していないことを意味する。
炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を示す。
出発原料である金属アセチリド化合物(2)は、1−ブチンを、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド等のグリニャール試薬;n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等のアルキルリチウム化合物;ナトリウムアミド、カリウムアミド等のアルカリ金属アミド;等と反応させることにより得ることができる。
この反応に用いる不活性溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、ベンゼン等の炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスフォリックトリアミド(HMPA)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)等のアミド類;ジメチルスルホキシド;液体アンモニア;及びこれら2種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
次いで、得られる3−ヘキシナールジアルキルアセタール(4)の三重結合をcis−二重結合とする水素添加反応を行う。
この反応に用いる水素添加触媒としては、パラジウム−炭素、パラジウム−硫酸バリウム、パラジウム−アルミナ、パラジウム−ケイソウ土、ロジウム−炭素、ルテニウム−炭素、P−2ニッケル、ラネーニッケル、リンドラー触媒等が挙げられる。
触媒の使用量は、反応基質に対して、通常0.001〜0.2当量である。
水素圧は、通常、常圧から10kg/cmの範囲であり、反応温度は、通常0〜80℃である。
次いで、得られるcis−3−ヘキセナールジアルキルアセタール(1)を加水分解することにより、cis−3−ヘキセナールを含む前記混合物を得ることができる。
cis−3−ヘキセナールジアルキルアセタール(1)の加水分解(脱アセタール化反応)は、酸性条件下で行われる。用いる酸としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸類;ギ酸、酢酸、シュウ酸、クロロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類;アンバーリスト−15等の酸性イオン交換樹脂;等が挙げられる。
酸の使用量は、cis−3−ヘキセナールジアルキルアセタール(1)に対して、通常0.1〜10モル%、好ましくは1〜7モル%である。
脱アセタール化反応に用いる溶媒としては、THF、エチルエーテル、n−ブチルエーテル等のエーテル類;n−ヘキサン、トルエン、ベンゼン等の炭化水素類;水;等が挙げられる。これらは、単独で、或いは2種以上を混合して用いることができる。
脱アセタール化反応の反応温度は、通常0℃から用いる溶媒の沸点まで、好ましくは10〜40℃である。反応時間は、反応規模にもよるが、通常、数分から数時間、好ましくは10分から1時間である。
反応終了後は、得られた反応液に水非混和性の有機溶媒を添加して分液し、有機層を分取し、得られた有機層を重曹水等のアルカリ水溶液及び水で洗浄して、蒸留の対象とする反応混合物を得る。
上記のように、cis−3−ヘキセナールジアルキルアセタール(1)からcis−3−ヘキセナールを得ることができるが、得られる反応混合物には、副生成物であるtrans−2−ヘキセナール及びcis−2−ヘキセナールが含まれている。cis−3−ヘキセナールの純度は、通常85〜93%である。
本発明のcis−3−ヘキセナールの蒸留方法は、上述のようにして得られる反応混合物等のごとく、cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、及びcis−2−ヘキセナールを含む混合物に、標準気圧下における沸点が170〜400℃の高沸点溶剤を添加して蒸留する方法である。このような高沸点溶剤を添加することにより、cis−3−ヘキセナールの会合度を低下させ、異性化及び高沸点化合物への変化を抑制し、高純度のcis−3−ヘキセナールを収率よく単離することができる。
ここで、「標準気圧」とは、大気圧の国際基準となる数値であり、101,325パスカル(Pa)と定められている。
本発明に用いる高沸点溶剤としては、標準気圧下における沸点が170〜400℃のものであれば特に限定はないが、標準気圧下における沸点が200〜350℃であるものが好ましく、標準気圧下における200〜300℃であるものがより好ましい。
また、高沸点溶剤は、蒸留後の釜残の処理のし易さや、回収して再利用することを考えると、20〜30℃の温度で液体であることが好ましい。
高沸点溶剤の具体例としては、n−デカン、n−ドデカン、デセン、デカリン等の脂肪族炭化水素化合物;
n−ブチルベンゼン、n−ペンチルベンゼン、p−シメン、o−シメン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼン、p−ジエチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素化合物;
1−ヘプタノール、1−オクタノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール等のアルコール化合物;
o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、1−クロロナフタレン等のハロゲン化合物;
ジイソペンチルエーテル、ジn−ヘキシルエーテル、フェネトール、n−ブチルフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジn−ブチルエーテル等のエーテル化合物;
安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル等の芳香環を含有するエステル化合物;
酢酸2−エチルヘキシル、酪酸イソペンチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、クエン酸トリメチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、トリアセチン、トリプロピオニン、トリブチリン、ジャスモン酸メチル、ジャスモン酸エチル、ジャスモン酸ブチル等の芳香環を含まないエステル化合物;等が挙げられる。
これらの中でも、エーテル化合物、芳香環を含有するエステル化合物、芳香環を含まないエステル化合物が好ましく、cis−3−ヘキセナールが食品添加物として使用されることが多いことから、安全性の観点より、芳香環を含まないエステル化合物がより好ましく、クエン酸トリメチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル等のクエン酸エステル化合物;及びトリアセチン、トリプロピオニン、トリブチリン等のグリセリン脂肪酸エステル化合物;が更に好ましく、クエン酸トリエチル(沸点:294℃、融点:−46℃)が特に好ましい。
高沸点溶剤の添加量は、前記混合物中に含まれるcis−3−ヘキセナール100質量部に対して、通常、30〜500質量部であり、より高純度のcis−3−ヘキセナールをより高収率で単離することができることから、40〜400質量部であるのが好ましく、50〜300質量部であるのがより好ましく、80〜200質量部であるのが特に好ましい。
前記混合物の蒸留は、従来公知の蒸留装置を用いる方法により行うことができる。蒸留方法としては、常圧蒸留法であっても、減圧蒸留法であってもよいが、cis−3−ヘキセナールの熱による異性化や、高分子化合物への変化を防止する観点から、蒸留温度が、通常10〜60℃となるような減圧蒸留法が好ましい。
例えば、理論段数が数段から20段程度の精留塔を用い、200〜5000Pa程度、好ましくは500〜1500Pa程度の減圧下に蒸留する方法が挙げられる。
本発明の蒸留方法によれば、cis−3−ヘキセナールの純度が85〜93%程度の、cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、及びcis−2−ヘキセナールを含む混合物から、蒸留中におけるcis−3−ヘキセナールの異性化又は高沸点化合物への変化を防止し、高純度のcis−3−ヘキセナールを高収率で単離することができる。
得られるcis−3−ヘキセナールの純度は、通常98%以上、好ましくは98.5%以上であり、蒸留中において異性化又は高沸点化合物へ変化するcis−3−ヘキセナールは、通常5.0%以下、好ましくは3.0%以下である。
高純度の目的物が得られることは、蒸留物をガスクロマトグラフィーを用いる内部標準法にて測定することにより確認することができる。
以下、実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、実施例等によりなんら限定されるものではない。
(製造例1)
撹拌翼及び温度計を装着した10Lのセパラブルフラスコに、蒸留水3400gにシュウ酸2水和物(和光純薬工業社製)36.3gを溶解させた水溶液を投入し、次いで、cis−3−ヘキセナールジエチルアセタール(井上香料製造所社製)500gを添加し、全容を、40℃(オイルバスの液温)に維持しながら2.5時間攪拌した。反応終了後、液温を20℃まで冷却した。
得られた反応液をガスクロマトグラフィーを用いて、内部標準法にて測定した結果、cis−3−ヘキセナールが228.2g(収率80.1%)、cis−2−ヘキセナールが1.2g(収率0.4%)、trans−2−ヘキセナールが18.7g(収率6.6%)の割合で存在していることを確認した。
次いで、得られた反応液に塩化メチレン665gを添加して分液し、有機層を分取した。得られた有機層を、蒸留水125gに1質量%重曹水を加えてpHを4.5に調整した水溶液で洗浄し、更に蒸留水125gで水洗した後に分液して、cis−3−ヘキセナールを含む有機層を得た。
得られた有機層をガスクロマトグラフィーを用いて、内部標準法にて測定した結果、cis−3−ヘキセナールが205.2g(収率72.0%)、cis−2−ヘキセナールが1.1g(収率0.4%)、trans−2−ヘキセナールが16.9g(収率5.9%)の割合で存在していることを確認した。
(実施例1)
製造例1で得られた有機層に、クエン酸トリエチル(東京化成工業社製)100gを添加し、10段の精留塔を用いて、40℃、1.332×10Pa(10mmHg)で減圧蒸留を実施(主留時間は2時間)した。
蒸留物を分取し、主留物をガスクロマトグラフィーを用いて、内部標準法にて測定した結果、cis−3−ヘキセナールが199.1g〔原料であるcis−3−ヘキセナールジアルキルアセタール(1)からの収率69.9%〕、純度98.8%で得られたことがわかった。
蒸留により異性化又は高沸点化合物へ変化したcis−3−ヘキセナールは3.0%であった。
(比較例1)
実施例1において、クエン酸トリエチルを添加しない以外は、実施例1と同様の方法で、cis−3−ヘキセナールを含有する反応液を蒸留した(主留時間は2時間55分)。 蒸留物を分取し、主留物をガスクロマトグラフィーを用いて、内部標準法にて測定した結果、cis−3−ヘキセナールが156.7g〔原料であるcis−3−ヘキセナールジアルキルアセタール(1)からの収率55.0%〕、純度98.7%で得られたことがわかった。
蒸留により異性化又は高沸点化合物へ変化したcis−3−ヘキセナールは23.6%であった。

Claims (5)

  1. cis−3−ヘキセナール、trans−2−ヘキセナール、及びcis−2−ヘキセナールを含む混合物に、標準気圧下における沸点が170〜400℃の、クエン酸エステル化合物及びグリセリン脂肪酸エステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の溶剤を添加して蒸留することを特徴とするcis−3−ヘキセナールの蒸留方法。
  2. 前記混合物が、下記式(1)
    Figure 0005817574
    (式中、R、Rは、互いに結合していない炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
    で表される化合物を加水分解して得られた反応液であることを特徴とする請求項1に記載のcis−3−ヘキセナールの蒸留方法。
  3. 前記溶剤が、芳香環を含まないエステル化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のcis−3−ヘキセナールの蒸留方法。
  4. 前記芳香環を含まないエステル化合物が、クエン酸トリエチルであることを特徴とする請求項3に記載のcis−3−ヘキセナールの蒸留方法。
  5. 前記溶剤の添加量が、前記混合物中に含まれるcis−3−ヘキセナール100質量部に対して、30〜500質量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のcis−3−ヘキセナールの蒸留方法。
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