JP5813226B2 - 盛上げタップ - Google Patents

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Description

本発明は、下穴の表層部を塑性変形させてめねじを形成する盛上げタップに関し、特に、加工トルクを低減させると共に工具寿命を向上させるための改良に関する。
径方向に突出して設けられたマージン部とそのマージン部よりも小径の逃げ部とが交互に配設されつつおねじ状に形成されたねじ山を備え、被加工物に形成された下穴の表層部に前記ねじ山のマージン部を食い込ませることによりその表層部を塑性変形させてめねじを形成する盛上げタップが知られている。斯かる盛上げタップにおいて、加工トルクを低減させると共に工具寿命を向上させるための技術が提案されている。例えば、特許文献1に記載されたトルク低減盛上げタップがそれである。この技術によれば、前記マージン部に相当する部分に弱い逃げ部を設けることにより、加工トルク低減を計り工具寿命を延ばした盛上げタップを実現できるとされている。
特開2004−276085号公報
しかし、前述したような従来の技術では、加工トルクを十分に低減できないことに加え、工具寿命の向上にも限界があった。すなわち、更なる加工トルクの低減及び工具寿命の向上を実現する盛上げタップの開発が求められていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、加工トルクを低減させると共に工具寿命を向上させる盛上げタップを提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本第1発明の要旨とするところは、径方向に突出して設けられたマージン部とそのマージン部よりも小径の逃げ部とが交互に配設されつつおねじ状に形成されたねじ山を備え、被加工物に形成された下穴の表層部に前記ねじ山のマージン部を食い込ませることによりその表層部を塑性変形させてめねじを形成する盛上げタップであって、前記マージン部は、少なくとも前記ねじ山の谷底において幅寸法が0の稜線状に形成されたものであり、前記マージン部は、前記ねじ山の谷底から、その谷底と前記ねじ山の有効径位置との間の規定位置までの範囲において、幅寸法が0の稜線状に形成されたものであることを特徴とするものである。
このように、前記第1発明によれば、径方向に突出して設けられたマージン部とそのマージン部よりも小径の逃げ部とが交互に配設されつつおねじ状に形成されたねじ山を備え、被加工物に形成された下穴の表層部に前記ねじ山のマージン部を食い込ませることによりその表層部を塑性変形させてめねじを形成する盛上げタップであって、前記マージン部は、少なくとも前記ねじ山の谷底において幅寸法が0の稜線状に形成されたものであり、前記マージン部は、前記ねじ山の谷底から、その谷底と前記ねじ山の有効径位置との間の規定位置までの範囲において、幅寸法が0の稜線状に形成されたものであることから、加工時における被加工物への接触面積を小さく抑えることができ、加工トルクの低減及び工具寿命の向上を実現できる。すなわち、加工トルクを低減させると共に工具寿命を向上させる盛上げタップを提供することができる。
前記第1発明に従属する本第発明の要旨とするところは、前記マージン部は、前記ねじ山の軸心に対してそのねじ山のねじれとは逆方向のねじれ角βを有して設けられたものであり、そのねじれ角βは、前記ねじ山のリード角をαとして0.5α≦β≦1.5αの範囲内である。このようにすれば、加工時における被加工物への接触面積を更に小さく抑えることができ、実用的な態様で加工トルクの低減及び工具寿命の向上を実現できる。
記第2発明に従属する本発明の要旨とするところは、前記ねじれ角βは、前記ねじ山のリード角αと等しいものである。このようにすれば、加工時における被加工物への接触面積を更に小さく抑えることができ、実用的な態様で加工トルクの低減及び工具寿命の向上を実現できる。
本発明の一実施例である盛上げタップの構成を説明する正面図である。 図1に示す盛上げタップの一部を軸心を含む平面で切断して示す断面図である。 図1に示す盛上げタップにおけるねじ山の構成を詳しく説明するためにその一部を拡大して示す正面図である。 本発明者等が行ったタッピング耐久比較試験に用いられた各試料のねじれ角及び谷底マージン幅と、それぞれの試料に対応する試験結果とを併せて示す図である。 本発明者等が行ったタッピングトルク比較試験に用いられた各試料のねじれ角と、それぞれの試料に対応する試験結果とを併せて示す図である。 図5に示すタッピングトルク比較試験に用いられた試料1によるタッピング加工時のトルク波形状を示すグラフである。 図5に示すタッピングトルク比較試験に用いられた試料3によるタッピング加工時のトルク波形状を示すグラフである。 図5に示すタッピングトルク比較試験に用いられた試料5によるタッピング加工時のトルク波形状を示すグラフである。 図1に示す盛上げタップに備えられた他のタップ部の構成を説明するために、その一部を軸心を含む平面で切断して示す断面図である。 図9に示すタップ部におけるねじ山の構成を詳しく説明するためにその一部を拡大して示す正面図である。
前記ねじ山は、好適には、その軸心方向から見た場合に略多角形状の断面を成すものであり、その多角形状における各頂点に相当する位置が前記マージン部として径方向に突出して設けられると共に、それらマージン部相互間にそのマージン部よりも小径の逃げ部が設けられたものである。例えば、前記ねじ山は、その軸心方向から見た場合に略4角形状の断面を成すものであり、その4角形状における4つ頂点に相当する位置が前記マージン部として径方向に突出して設けられたものである。すなわち、周方向に4箇所のマージン部が径方向に突出して設けられたものであるが、例えばねじ山が軸心方向から見た場合に略3角形状の断面を成すものであり、周方向に3箇所のマージン部が径方向に突出して設けられたものであってもよい。或いは、周方向に5箇所以上のマージン部が径方向に突出して設けられたものであってもよい。
前記盛上げタップにおいて、好適には、前記ねじ山の外周部に、前記盛上げタップによるタッピング加工に際して加工部に油剤を供給するための油溝が、その軸心に略平行に形成される。この油溝は、比較的大径の盛上げタップには好適に形成されるが、比較的小径の盛上げタップには必ずしも設けられなくともよい。
前記盛上げタップは、好適には、円柱形状のシャンク部と、斯かるシャンク部と同軸にそのシャンク部の先端側に設けられたタップ部とを、備えて構成されたものである。このタップ部は、好適には、前記シャンク部と一体に形成されたものであるが、着脱可能に設けられて、前記盛上げタップによるタッピング加工に際して前記タップ部が前記シャンク部に取り付けられて用いられるものであってもよい。前記盛上げタップは、好適には、前記シャンク部がタッピング機械に取り付けられて使用されるものである。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、説明の便宜上、以下の説明に用いる図面に関して、各部の寸法比等は必ずしも正確には描かれていない。
図1は、本発明の一実施例である盛上げタップ10の構成を説明する正面図であり、図2は、その盛上げタップ10の一部を軸心Cを含む平面で切断して示す断面図(図1に示すII−II視断面図)である。これらの図に示すように、本実施例の盛上げタップ10は、円柱形状(円筒形状)のシャンク部12と、斯かるシャンク部12と同軸(共通の軸心C上)にそのシャンク部12の先端側に一体的に形成されたタップ部14とを、備えて構成されている。このタップ部14の外周側には、加工すべきめねじ(盛上げタップ10による加工対象となるめねじ)に対応するねじ山(おねじ)16が形成されている。前記タップ部14は、好適には、前記シャンク部12と一体に形成されたものであるが、そのシャンク部12に対して着脱可能に構成されたものであってもよい。斯かる態様においては、前記盛上げタップ10によるめねじの加工において、前記シャンク部12の先端部に前記タップ部14が一体的に固定されて用いられる。
前記ねじ山16は、径方向に突出して設けられたマージン部18と、そのマージン部18よりも小径の逃げ部20とが、交互に配設されつつ、規定のリード角に対応するつる巻き線に沿っておねじ状に形成されたものである。このマージン部18は、前記盛上げタップ10によるめねじの加工において被加工物の下穴(表層部)に食い込む部分に対応する。換言すれば、前記マージン部18は、前記盛上げタップ10によるめねじの加工において被加工物の下穴を塑性変形させるための作用部位に相当し、加工対象となるめねじの形状に合わせて径方向に突出して設けられた突出部(ランド)である。前記ねじ山16は、例えば図2に示すように、軸心C方向から見た場合に略4角形状の断面(視断面)を成すものであり、その4角形状における4つの頂点に相当する位置が前記マージン部18として径方向に突出して設けられると共に、それらマージン部18相互間にそのマージン部18よりも小径の逃げ部20が設けられている。後述する図3に示すように、軸心C方向に隣接する各マージン部18は、稜線状に形成された構成をもって相互に連結されたものである。
図1に示すように、前記タップ部14は、先端側に向かって径寸法が漸減させられる(先端側に向かうほど小径となる)テーパ状に形成された食付き部22と、略一定の径寸法で円柱形状(円筒形状)に形成された完全山部24とを、備えて構成されている。前記食付き部22は、前記盛上げタップ10によるめねじの加工において、被加工物における下穴の表層部に食い込んでその表層部を塑性変形させることによりめねじを転造成形するための部分であり、前記ねじ山16における先端側から数山分(例えば、2〜8山分)の構成に対応する。前記完全山部24は、前記盛上げタップ10によるめねじの加工において、前記食付き部22により成形されためねじ表面の仕上げを行い、前記タップ部14のガイド乃至自己案内性を向上させるための部分である。前記完全山部24は、前記盛上げタップ10による加工対象となるめねじのねじ山の形状と略一致する形状とされている。本実施例においては特に説明しないが、前記タップ部14には、軸心C方向に1本乃至複数本の油溝が形成されたものであってもよい。
以上のように構成された盛上げタップ10では、被加工物に形成された下穴の表層部に前記ねじ山16のマージン部18を食い込ませることにより、その表層部の塑性変形によるめねじの形成(盛上げ)加工が行われる。例えば、前記盛上げタップ10がそのシャンク部12においてタッピング機械に取り付けられ、めねじの形成対象となる下穴に対して前記シャンク部12がそのシャンク12部側から見て例えば右まわりに回転駆動されつつ軸方向へリード送りされることにより、そのシャンク部12の先端側に設けられた前記タップ部14がその下穴内にねじ込まれる。これにより、前記食付き部22が下穴の表層部(内周面)に食い込んでその表層部を塑性変形させることによりめねじが転造成形されると共に、前記完全山部24によりその成形されためねじ表面の仕上げが行われ、対象となるめねじが前記下穴に形成される。このような盛上げタップ10による加工は、展延性に優れた材料におけるめねじの形成に好適に適用されるものであり、切りくずを出さずに精度の高いめねじを形成することができるという利点がある反面、そのめねじの形成において前記盛上げタップ10に比較的大きなトルクがかかるものである。
図3は、前記タップ部14におけるねじ山16の構成を詳しく説明するためにその一部を拡大して示す正面図である。この図3においては、説明の便宜上、前記ねじ山16のマージン部18を右上から左下への斜線範囲で示している。図3に示すように、前記マージン部18は、前記ねじ山16の山の頂26からフランク28を経て谷底30へ達し、更に隣接するねじ山16のフランク28を経て山の頂26に達するというように、相互に隣接する各ねじ山16におけるマージン部18が稜線状に形成された構成をもって相互に連結されたものである。換言すれば、相互に隣接する各ねじ山16において径方向に突出して形成された突出部(ランド)が、前記軸心Cと略平行に(好適には、後述するように規定のねじれ角βを成して)延伸する連続的な尾根(山の稜線)様の形状に構成されたものである。
図3に示すように、前記マージン部18は、前記山の頂26からフランク28における規定位置(規定の径寸法に相当する位置)までが前記マージン部18の延伸方向(図3に二点鎖線で示す方向)に垂直な方向に幅寸法を有する山陵部18aとされている。この山陵部18aは、前記山の頂26に近づくにつれてその幅寸法が漸増させられるように構成されている。前記マージン部18は、前記規定位置から前記谷底30までが前記マージン部18の延伸方向に垂直な方向に幅寸法を有しない(幅寸法が0である)稜線部18bとされている。すなわち、前記マージン部18は、少なくとも前記ねじ山16の谷底30において幅寸法が0の稜線状に形成されたものである。換言すれば、前記マージン部18は、各ねじ山16における前記山陵部18a相互間が、幅寸法を有しない前記稜線部18bにより相互に連結されて構成されたものであり、その稜線部18bは、その延伸方向に垂直な方向に係る幅寸法が0とされたものである。ここで、前記マージン部18(稜線部18b)の幅寸法が0である(幅寸法を有しない)とは、径方向に突出して設けられた部分(径寸法が極大値をとる部分)の幅が加工上可能な限度において可及的に狭くなるように形成されたものであることを言い、実用的にはルーペ(拡大鏡)等で観察した際に幅寸法を有しない1本の線に見える程度の形状とされたものであることを言う。
図3においては、中央のねじ山16に対応して有効径(ねじ溝の幅がねじ山の幅に等しくなる仮想的な円筒の直径)に相当する位置を破線で示している。この有効径は、よく知られた三針法等により好適に測定される。前記マージン部18は、好適には、前記ねじ山16の谷底30から、前記フランク28におけるその谷底30と前記ねじ山16の有効径位置との間の規定位置までの範囲において、幅寸法が0の稜線状に形成されたものである。図3に示す例では、前記ねじ山16の谷底30から、前記フランク28におけるそのねじ山16の有効径位置までの範囲において、幅寸法が0の稜線状に形成された構成を例示している。すなわち、前記マージン部18においては、前記谷底30から前記規定位置(=図3に示す例では有効径位置)までが前記稜線部18bとされ、その規定位置から前記山の頂26までが前記山陵部18aとされている。換言すれば、前記稜線部18bは、前記ねじ山16の有効径位置よりも小径である部分に設けられたものであり、前記マージン部18において、少なくとも有効径よりも大径である部分は前記山陵部18aとされたものである。
図3に示すように、前記マージン部18は、二点鎖線で示すその延伸方向が一点鎖線で示す軸心方向に対して規定のねじれ角βを成すように設けられている。このねじれ角βは、前記ねじ山16のねじれに対して逆方向のねじれに相当するものであり、例えばそのねじ山16が右ねじである場合には、前記ねじれ角βは左ねじれに相当するものになる。このねじれ角βは、好適には、前記ねじ山16のリード角をαとして、そのリード角α±0.5αの範囲内とされる。すなわち、前記ねじれ角βは、好適には、前記ねじ山16のリード角をαとして0.5α≦β≦1.5αの範囲内である。更に好適には、前記ねじれ角βは、前記ねじ山16のリード角αと等しいものである。すなわち、β=αとされる。斯かる場合において、図3に二点鎖線で示す前記マージン部18の延伸方向は、前記ねじ山16の延伸方向と略垂直を成す構成となる。
続いて、本発明の効果を検証するために本発明者等が行ったタッピング耐久比較試験について説明する。本発明者等は、本発明の効果を検証するために、前記マージン部18の谷底30における幅寸法(以下、谷底マージン幅という)及びそのマージン部18のねじれ角β(ねじ山のねじれに対して逆方向を負の値で示している)がそれぞれ異なる複数種類の試料1〜7(盛上げタップ)を作成し、その耐久性(工具寿命)を比較するタッピング耐久比較試験を行った。この試験に用いた各試料におけるねじ山16のリード角αは、何れも3°02′である。本試験においては、図4に示す各試料1〜7を用いて以下の試験条件でタッピング加工を行うと共に、形成されためねじに関してプラグゲージによる確認を行い、そのプラグゲージが通り抜けなくなる(GP−OUT)までにそれぞれの試料が加工した穴数を比較する試験を行った。斯かる試験を各試料に関して2回ずつ行い、それぞれの試験において加工可能であった穴数(GP−OUTとなるまでの穴数)の平均値を算出した。そして、従来技術に相当する、ねじれ角β=0°、谷底マージン幅1°狙いである試料1が加工可能であった穴数の平均値を100%として、各試料が加工可能であった穴数の平均値の相対比を耐久比として算出し、その評価を行った。
[試験条件]
・被削材:S45C(JIS G 4051)
・サイズ:M10×1.5(8ローブ)
・食付き山数:2山
・使用機械:縦型マシングセンタ
・加工速度:20m/min(シンクロ送り)
・油剤:水溶性切削油(10倍希釈)
・下穴形状:通り穴20mm
・下穴径:φ9.26mm
図4は、前記タッピング耐久比較試験に用いられた各試料のねじれ角β及び谷底マージン幅と、それぞれの試料に対応する試験結果とを併せて示す図である。この図4に示すように、谷底マージン幅が0°狙い(すなわち、加工上可能な限度において可及的に狭い谷底マージン幅)とされた本実施例の盛上げタップ10に相当する試料2〜4、6、7では、谷底マージン幅が1°狙いとされた従来技術の盛上げタップに相当する試料1よりも耐久比が大きくなっており、工具寿命(耐久性)が向上していることがわかる。特に、谷底マージン幅が0°狙いとされ且つねじれ角βがリード角αに対して0.5α≦β≦1.5αの範囲内である試料3、4、6においては、前記試料1に比べて耐久比が8%以上大きく、工具寿命が大幅に向上していることがわかる。更には、谷底マージン幅が0°狙いとされ且つねじれ角βがリード角αと略等しいものとされた試料4においては、前記試料1に比べて耐久比が15%程度も大きく、工具寿命がとりわけ大きく向上していることがわかる。一方、谷底マージン幅が0°狙いとされているが、ねじれ角βがリード角αに対して0.5α≦β≦1.5αの範囲を逸脱する試料2、7、及びねじれ角βがリード角αに対して0.5α≦β≦1.5αの範囲内であるが谷底マージン幅が1°狙いとされた試料5においては、前記試料1に比べての耐久性の向上幅が2〜3%程度であり、前記試料3、4、6等に比べて従来技術に対する耐久性の向上が小さいことがわかる。
続いて、本発明者等が行ったタッピングトルク比較試験について説明する。本発明者等は、前記マージン部18のねじれ角β(ねじ山のねじれに対して逆方向を負の値で示している)がそれぞれ異なる複数種類の試料1〜5(盛上げタップ)を作成し、そのタッピング加工におけるトルクを比較するタッピングトルク比較試験を行った。この試験に用いた各試料におけるねじ山16のリード角αは、何れも3°02′であり、谷底マージン幅は何れも0°狙いである。本試験においては、図5に示す各試料1〜5を用いて以下の試験条件で5穴分のタッピング加工を行い、各タッピング加工時における加工トルク(N・cm)のピーク値を検出した。そして、1穴目〜5穴目にそれぞれ対応する加工トルクの平均値を算出し、試料1におけるトルクの平均値を100%として、各試料におけるトルクの平均値の相対比(比率)を算出し、その評価を行った。
[試験条件]
・被削材:S45C(JIS G 4051)
・サイズ:M10×1.5
・食付き山数:5山
・使用機械:縦型マシングセンタ
・加工速度:10m/min
・油剤:塩素フリータイプ不水溶性切削油
・下穴形状:通り穴20mm
・下穴径:φ9.24mm
図5は、前記タッピングトルク比較試験に用いられた各試料のねじれ角βと、それぞれの試料に対応する試験結果とを併せて示す図である。この図5に示すように、前記マージン部18のねじれ角βがリード角αに対して0.5α≦β≦1.5αの範囲内とされた試料2〜4では、ねじれ角βが0とされた試料1に比べて加工トルクの平均値が低く抑制されていることがわかる。これは、前記マージン部18が軸心Cに対して前記ねじ山16のリード角αとは逆方向にねじられていることにより、タッピング加工時における被加工物への接触面積が小さくなり、それによって加工トルクが低減されるためと考えられる。一方、前記マージン部18のねじれ角βがリード角αに対して約2倍(=2α)とされた試料5では、ねじれ角βが0とされた試料1に比べて逆に加工トルクの平均値が大きくなっていることがわかる。すなわち、前記マージン部18の前記リード角αと逆方向のねじれが規定の範囲を逸脱して大きくなると、逆にタッピング加工時における加工トルクが大きくなり、更には図4を用いて前述した試験結果からも明らかなように、工具寿命(耐久性)も低下することとなることが検証された。
図6〜図8は、前記タッピングトルク比較試験に用いられた試料1、3、5それぞれにおけるタッピング加工時のトルク波形状を示すグラフであり、図6が試料1のトルク波形状を、図7が試料3のトルク波形状を、図8が試料5のトルク波形状をそれぞれ示している。図6〜図8において、タッピング加工後の前記盛上げタップ10の戻し時(逆転時)におけるトルクは省略している。図6に示すように、前記試料1によるタッピング加工時のトルク波形状では、前記タップ部14によるめねじの成形が開始されてトルクが1550(N・cm)程度まで上昇した後、そのトルクが略一定に維持されているが、加工終了時付近でトルクが1650(N・cm)程度まで上昇してピーク値(最大値)をとっている。図7に示すように、前記試料3によるタッピング加工時のトルク波形状では、前記タップ部14によるめねじの成形が開始されてトルクが1600(N・cm)程度まで上昇した後、加工終了までそのトルクが略一定に維持されている。従って、トルクのピーク値も1600(N・cm)程度である。図8に示すように、前記試料5によるタッピング加工時のトルク波形状では、前記タップ部14によるめねじの成形が開始されてトルクが1650(N・cm)程度まで上昇してピーク値をとった後、いったん1550(N・cm)程度まで低下し、加工終了時付近で1630(N・cm)程度まで上昇している。更に、図6乃至図7に示すトルク波形状と比較して、トルクが1600(N・cm)程度の値をとっている時間が長く継続している。このように、図6〜図8のトルク波形状を比較すると、前記マージン部18のねじれ角βがリード角αに対して0.5α≦β≦1.5αの範囲内(ねじれ角βがリード角αと略等しい)とされた前記試料3によるタッピング加工において、その加工を通してトルクが安定し、且つ最もトルクを低減できていると言うことができる。
続いて、本発明の他の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明において、実施例相互に共通する部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
図9は、前記盛上げタップ10に備えられた他のタップ部14′の構成を説明するために、その一部を軸心Cを含む平面で切断して示す断面図(図1に示すII−II視断面図)である。図10は、前記タップ部14′におけるねじ山16の構成を詳しく説明するためにその一部を拡大して示す正面図である。図9及び図10に示すように、本実施例の盛上げタップ10に備えられたタップ部14′において、前記ねじ山16のマージン部18′は、そのねじ山16の谷底において幅寸法が0の稜線状に形成され、余の部分においては幅寸法を有して形成されている。すなわち、前記マージン部18′は、前記山の頂26からフランク28における谷底30との境界部までが前記マージン部18の延伸方向(図3に二点鎖線で示す方向)に垂直な方向に幅寸法を有する山陵部18aとされ、前記谷底30において前記マージン部18の延伸方向に垂直な方向に幅寸法を有しない(幅寸法が0である)稜線部18bとされている。斯かる構成においても、加工時における被加工物への接触面積を小さく抑えることができ、本発明の一応の効果を奏する。
このように、本実施例によれば、径方向に突出して設けられたマージン部18、18′とそのマージン部18、18′よりも小径の逃げ部20とが交互に配設されつつおねじ状に形成されたねじ山16を備え、被加工物に形成された下穴の表層部に前記ねじ山16のマージン部18、18′を食い込ませることによりその表層部を塑性変形させてめねじを形成する盛上げタップ10であって、前記マージン部18、18′は、少なくとも前記ねじ山16の谷底30において幅寸法が0の稜線状に形成されたものであることから、加工時における被加工物への接触面積を小さく抑えることができ、加工トルクの低減及び工具寿命の向上を実現できる。すなわち、加工トルクを低減させると共に工具寿命を向上させる盛上げタップ10を提供することができる。
前記マージン部18、18′は、前記ねじ山16の谷底30から、その谷底30と前記ねじ山16の有効径位置との間の規定位置までの範囲において、幅寸法が0の稜線状に形成されたものであるため、加工時における被加工物への接触面積を更に小さく抑えることができ、実用的な態様で加工トルクの低減及び工具寿命の向上を実現できる。
前記マージン部18、18′は、前記ねじ山16の軸心Cに対してそのねじ山16のねじれとは逆方向のねじれ角βを有して設けられたものであり、そのねじれ角βは、前記ねじ山のリード角をαとして0.5α≦β≦1.5αの範囲内であるため、加工時における被加工物への接触面積を更に小さく抑えることができ、実用的な態様で加工トルクの低減及び工具寿命の向上を実現できる。
前記ねじれ角βは、前記ねじ山16のリード角αと等しいものであるため、加工時における被加工物への接触面積を更に小さく抑えることができ、実用的な態様で加工トルクの低減及び工具寿命の向上を実現できる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
10:盛上げタップ、12:シャンク部、14、14′:タップ部、16:ねじ山、18、18′:マージン部、18a:山陵部、18b:稜線部、20:逃げ部、22:食付き部、24:完全山部、26:山の頂、28:フランク、30:谷底、C:軸心、α:リード角、β:ねじれ角

Claims (3)

  1. 径方向に突出して設けられたマージン部と該マージン部よりも小径の逃げ部とが交互に配設されつつおねじ状に形成されたねじ山を備え、被加工物に形成された下穴の表層部に前記ねじ山のマージン部を食い込ませることにより該表層部を塑性変形させてめねじを形成する盛上げタップであって、
    前記マージン部は、少なくとも前記ねじ山の谷底において幅寸法が0の稜線状に形成されたものであり、
    前記マージン部は、前記ねじ山の谷底から、該谷底と前記ねじ山の有効径位置との間の規定位置までの範囲において、幅寸法が0の稜線状に形成されたものである
    ことを特徴とする盛上げタップ。
  2. 前記マージン部は、前記ねじ山の軸心に対して該ねじ山のねじれとは逆方向のねじれ角βを有して設けられたものであり、該ねじれ角βは、前記ねじ山のリード角をαとして0.5α≦β≦1.5αの範囲内である請求項に記載の盛上げタップ。
  3. 前記ねじれ角βは、前記ねじ山のリード角αと等しいものである請求項に記載の盛上げタップ。
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