JP5812109B2 - 生体情報処理装置、生体情報処理方法及び生体情報処理用コンピュータプログラム - Google Patents

生体情報処理装置、生体情報処理方法及び生体情報処理用コンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、例えば、複数の指のそれぞれの生体情報が写った画像を生体認証に利用する生体情報処理装置、生体情報処理方法及び生体情報処理用コンピュータプログラムに関する。
近年、指紋または指の静脈パターンなどの生体情報を利用して、個人を認証するか否か判定する生体認証技術が開発されている。生体認証技術は、入退室管理システム、ボーダーコントロール用システムまたは国民識別番号を用いたシステムといった登録された利用者の数が多い大規模なシステムから、コンピュータまたは携帯端末といった特定の個人が利用する装置まで、広く利用されている。
例えば、生体情報として何れかの指の指紋が利用される場合、生体認証装置は、指紋を表す生体画像を入力生体画像として取得する。そして生体認証装置は、入力生体画像に表された利用者の指紋である入力生体情報を、予め登録された登録利用者の生体画像に表された指紋である登録生体情報と照合する。生体認証装置は、照合処理の結果に基づいて、入力生体情報と登録生体情報が一致すると判定した場合、その利用者を正当な権限を有する登録利用者として認証する。そして生体認証装置は、認証された利用者が生体認証装置が組み込まれた装置または生体認証装置と接続された他の装置を使用することを許可する。
また、生体認証装置には、複数の指のそれぞれの生体情報を同時に取得可能なほど大きなセンサを備えたものもある。このようなセンサを用いた生体認証装置は、複数の指の生体情報を利用できる。しかしながら、利用者が生体認証装置に指の生体情報を登録するとき(以下単に登録時と呼ぶ)にセンサに翳した指間の開き度合いが、利用者が認証を求めるとき(以下照合時と呼ぶ)にセンサに翳した指間の開き度合いと異なることがある。このような場合、例えば、照合時に生成された生体画像から抽出された各指の特徴量が、登録時に生成された生体画像から抽出された各指の特徴量と異なってしまい、その結果として本人認証率が低下してしまうおそれがあった。
一方、生体画像を解析することにより、登録時に取得された生体画像上での指の生体情報と、照合時に取得された生体画像上での指の生体情報間の回転方向のずれを検出し、あるいは、そのずれを補正する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜5を参照)。
例えば、特許文献1に開示されている指紋画像間の回転ずれ角算出方法は、照合対象となっている二つの指紋画像のx方向とy方向の位置ずれ量を求め、一方の指紋画像の中心を決め、他方の指紋画像の中心を位置ずれ量で補正する。そしてこの方法は、一方の指紋画像と補正された他方の指紋画像から回転方向のスペクトルパターンを求めて、その回転方向のスペクトルパターン同士を移動照合することで、二つの指紋画像間の回転ずれ角を求める。
また特許文献2には、一定角度ごとに連続して指紋の照合画像を読み込み、読み込まれた複数の照合画像の中から、予め記憶されている登録画像の指の角度と略同角度のものを選択し、登録画像と照合する技術が開示されている。
さらに特許文献3には、掌形画像データから掌の回転角度を検出し、予め本人の掌形を検出して登録した登録掌形画像における登録掌の回転角度との位置ずれを補正して、掌形画像と登録掌形画像とを照合する掌形認証方法が開示されている。
さらに特許文献4には、指紋画像の識別方法において、並びあった少なくとも2本の指のそれぞれの長手軸を指紋画像の重心線を検出することによって求め、重心線の方位角及び方位角間の差を求めることが開示されている。
特開2004−246459号公報 特開2005−25414号公報 特開2002−117405号公報 特表11−514771号公報
特許文献1または2に開示された方法では、生体画像上で指の生体情報がある程度明りょうに写っていなければ、指の回転角度を正確に補正できないおそれがある。しかしながら、例えば、照合時において利用者が何れかの指をセンサに対して適切に配置しなかった場合、生体画像上でその指の生体情報が明りょうでなかったり、生体情報の一部しか写っていないことがある。
また、特許文献3に開示された方法は、掌全体についての回転角を求めるものであり、隣接する指間の開き度合いを補正するためには利用できない。さらに、特許文献4に開示された方法は、隣接する2本の指が一点を基準として開閉するモデルに従ってその2本の指間の開き度合いを表す開口角を計算している。しかし、実際には、人の指は、指の付け根部分を基準として動く。例えば、利用者が、隣接する2本の指を極力揃えるように手を動かすと、場合によっては、指の付け根部分における指間の間隔よりも、指の先端部分における指間の間隔の方が狭いことがある。特許文献4に開示された方法では、指の付け根部分における指間の間隔よりも、指の先端部分における指間の間隔の方が狭い状態を表現できないため、正確に指の開き度合いを求められないことがあった。
そこで、本明細書は、生体画像に写った隣接する2本の指の開き度合いを正確に検出できる生体情報処理装置を提供することを目的とする。
一つの実施形態によれば、生体情報処理装置が提供される。この生体情報処理装置は、利用者の複数の指の生体情報を表した生体画像を生成する生体情報取得部と、生体画像上の複数の指のそれぞれの生体情報が写っている生体領域を抽出する生体領域抽出部と、複数の指のうちの隣接する二つの指に対応する生体領域間の第1の距離を求める生体領域間距離算出部と、隣接する二つの指のうちの一方の指について、その指の付け根から生体情報までの長さに対する、第1の距離から隣接する二つの指の付け根間の間隔を減じた値の比に応じてその二つの指の開き角度を推定する開き角度推定部とを有する。
本発明の目的及び利点は、請求項において特に指摘されたエレメント及び組み合わせにより実現され、かつ達成される。
上記の一般的な記述及び下記の詳細な記述の何れも、例示的かつ説明的なものであり、請求項のように、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
本明細書に開示された生体情報処理装置は、生体画像に写った隣接する2本の指の開き度合いを正確に検出できる。
図1は、生体情報処理装置の一つの実施形態である生体認証装置の概略構成図である。 図2は、一つの実施形態による処理部の機能ブロック図である。 図3(A)は、指を開いている場合の生体画像上の各指の生体領域と、指のモデルとの関係を示す図である。図3(B)は、指を閉じている場合の生体画像上の各指の生体領域と、指のモデルとの関係を示す図である。 図4は、生体認証処理の動作フローチャートを示す図である。 図5は、実施形態またはその変形例による生体情報処理装置が実装された、コンピュータシステムの一例の概略構成図である。
以下、図を参照しつつ、一つの実施形態による、生体情報処理装置について説明する。
この生体情報処理装置は、利用者の複数の指のそれぞれの生体情報が写った生体画像を生体認証に利用する。そこでこの生体情報処理装置は、各指の生体情報の登録時または照合時において取得された、各指の生体情報を表す生体画像から、指ごとに、その指の生体情報が写っている生体領域を検出する。そしてこの生体情報処理装置は、隣接する2本の指の生体領域間の距離からその2本の指の付け根間の距離を減じた値と、指の付け根からその指の生体情報までの距離との比に基づいて、指の開き角度を推定する。
本実施形態では、生体情報処理装置は、生体認証の対象となる指の生体情報として指紋を利用する。また、生体画像には、人差し指、中指及び薬指の少なくとも3本が写るとする。
また、本明細書において、「照合処理」という用語は、利用者の生体情報と登録利用者の生体情報の相違度合いまたは類似度合いを表す指標を算出する処理を示すために使用される。また、「生体認証処理」という用語は、照合処理だけでなく、照合処理により求められた指標を用いて、利用者を認証するか否かを決定する処理を含む、認証処理全体を示すために使用される。
図1は、生体情報処理装置の第1の実施形態である生体認証装置の概略構成図を示す。図1に示されるように、生体認証装置1は、表示部2と、入力部3と、生体情報取得部4と、記憶部5と、記憶媒体アクセス装置6と、処理部7とを有する。表示部2、入力部3及び生体情報取得部4は、記憶部5、記憶媒体アクセス装置6及び処理部7が収容された筺体とは別個に設けられてもよい。
生体認証装置1は、生体情報取得部4により生成された利用者の指の指紋を表す生体画像を用いて、その指紋を登録利用者の指紋と照合することにより、生体認証処理を実行する。そして生体認証装置1は、生体認証処理の結果、利用者を登録利用者の何れかとして認証した場合、生体認証装置1が実装された装置をその利用者が使用することを許可する。あるいは、生体認証装置1は、図示しない他の装置へ、利用者が認証された旨を表す信号を送信して、その利用者が他の装置を使用することを許可する。
表示部2は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの表示装置を有する。そして表示部2は、例えば、生体情報取得部4が生体情報の歪みが少ない生体画像を取得できるように、利用者に指を置かせるためのガイドメッセージを利用者に対して表示する。また表示部2は、処理部7により実行された生体認証処理の結果を表すメッセージ、あるいはアプリケーションに関連する各種情報などを表示する。
入力部3は、例えば、キーボード、マウス、またはタッチパッドなどのユーザインターフェースを有する。そして入力部3を介して利用者により入力された利用者のユーザ名といったユーザの識別情報あるいはコマンド若しくはデータは、処理部7へ渡される。ただし、利用者が生体情報以外の情報を生体認証装置1に対して入力する必要がない場合、入力部3は省略されてもよい。
生体情報取得部4は、例えば、複数の指を同時に撮影可能なエリアセンサを用いた指紋センサを有する。この指紋センサは、例えば、光学式、静電容量式、電界式または感熱式の何れかの方式を採用したセンサとすることができる。そして生体情報取得部4は、利用者が指紋センサのセンサ面に複数の指を載置している間に、その複数の指の表面を撮影することにより、各指の指紋が表された生体画像を生成する。本実施形態では、生体画像上で指が写っていない背景領域に含まれる画素の輝度は明るく、一方、指が写っている生体領域に含まれる画素の輝度は暗いとする。しかし、生体情報取得部4は、背景領域に含まれる画素の輝度が、生体領域に含まれる画素の輝度よりも低くなるように生体画像を生成してもよい。
なお、生体情報取得部4は、スライド式の指紋センサを有してもよい。この場合、生体情報取得部4は、指紋センサに対して複数の指をスライドさせている間に、所定の時間間隔で順次部分画像を生成する。部分画像には、各指の表面の指紋の一部が写されており、複数の部分画像を生成された時間順に連結することで、各指の指紋全体が写った生体画像が合成される。
本実施形態では、利用者の手首側が生体画像の下端側となり、利用者の指の先端側が生体画像の上端側となるように、生体画像は生成される。
生体情報取得部4は、生体画像を生成する度に、その生体画像を処理部7へ渡す。
記憶部5は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、または光ディスク装置のうちの少なくとも何れか一つを有する。そして記憶部5は、生体認証装置1で使用されるアプリケーションプログラム、少なくとも一人の登録利用者のユーザ名、ユーザ識別番号及び個人設定情報、各種のデータ等を記憶する。また記憶部5は、生体認証処理を実行するためのプログラムを記憶する。さらに記憶部5は、登録利用者それぞれについて、登録利用者の登録生体情報である特定の複数の指の指紋に関するデータを、その登録利用者のユーザ名、パスワードといった登録利用者の識別情報とともに記憶する。この登録生体情報に関するデータは、例えば、登録生体情報に関する特徴量情報を含む。特徴量情報は、例えば、登録生体情報を表す生体画像である登録生体画像から抽出された、各指の隆線の端点または分岐点などのマニューシャの種類、位置、局所的な隆線方向を含む。また特徴量情報は、登録生体画像に写っている複数の指間の相対的な位置関係、例えば、各指の先端間の距離を含んでもよい。あるいは、登録生体情報に関するデータは、登録生体画像そのものまたは登録生体画像の一部であってもよい。
記憶媒体アクセス装置6は、例えば、磁気ディスク、半導体メモリカード及び光記憶媒体といった記憶媒体8にアクセスする装置である。記憶媒体アクセス装置6は、例えば、記憶媒体8に記憶された、処理部7上で実行される生体情報処理用コンピュータプログラムを読み込み、処理部7に渡すか、記憶部5に記憶させる。
処理部7は、1個または複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。そして処理部7は、生体情報取得部4から取得した生体画像に表された生体情報の歪みを検出する。そして処理部7は、生体情報の歪みが小さければ、その生体画像を用いた生体認証処理または登録処理を実行する。
図2は、処理部7の機能ブロック図である。図2に示されるように、処理部7は、画像分割部11と、生体領域抽出部12と、生体領域間距離算出部13と、開き角度推定部14と、補正部15と、特徴量抽出部16と、照合部17と、認証判定部18と、登録部19とを有する。処理部7が有するこれらの各部は、処理部7が有するプロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部7が有するこれらの各部は、ファームウェアとして生体認証装置1に実装されてもよい。
画像分割部11、生体領域抽出部12、生体領域間距離算出部13、開き角度推定部14、補正部15及び特徴量抽出部16は生体認証処理及び登録処理の両方で使用される。また照合部17及び認証判定部18は、生体認証処理において使用される。一方、登録部19は、登録処理において使用される。
画像分割部11は、生体情報取得部4から受け取った生体画像を、格子状に、水平方向にM個、垂直方向にN個のブロックに分割する(ただし、M,Nは、2以上の整数)。本実施形態では、各ブロックは矩形形状を有し、かつ、各ブロックのサイズは、生体画像に写っている指の一部に相当するサイズ、例えば、縦32画素×横32画素を持つサイズに設定される。そして画像分割部11は、各ブロックの位置を表す情報、例えば、ブロック間の境界線の座標または各ブロックの左上端及び右下端の座標を生体領域抽出部12に通知する。
生体領域抽出部12は、複数のブロックの中から、指紋の一部が写っているブロックである生体ブロックを抽出し、同じ指の指紋の一部が写っている生体ブロック同士を連結することで、その指の指紋が写っている領域である生体領域を抽出する。
本実施形態では、生体領域抽出部12は、ブロック内に所定の輝度閾値Th1未満の画素の数が所定数以上含まれる場合、そのブロックには指紋の一部が写っていると判定する。なお、輝度閾値Th1は、例えば、生体画像全体の平均輝度値に設定される。あるいは、生体画像において背景領域に含まれる画素の輝度値が、生体画像上の画素が取り得る輝度値の最大値(例えば、255)となる場合には、輝度閾値Th1は、その輝度値の最大値から所定のオフセット値(例えば、10)を減じた値に設定されてもよい。また所定数は、例えば、ブロックに含まれる画素の総数の1/20〜1/2に設定される。
生体領域抽出部12は、生体ブロックに対してラベリング処理を実行して、互いに隣接する生体ブロック同士を連結することで得られるブロックの集合を一つの生体領域とする。
生体領域間距離算出部13は、隣接する2本の指の生体領域間の距離を算出する。本実施形態では、生体領域間の距離は、各生体領域の基準点間の距離として求められる。生体領域の基準点は、指の幅を略2等分する中心線上または中心線の近傍に位置する点であることが好ましい。基準点は、例えば、生体領域の重心とすることができる。この場合、生体領域間距離算出部13は、例えば、その生体領域に含まれる各生体ブロックにおいて、輝度閾値Th1未満の画素を抽出し、抽出した画素の重心を生体領域の重心とする。
あるいは、生体領域間距離算出部13は、指の生体情報に含まれる特徴的な点、例えば、指紋の渦中心のように、隆線方向の変化が局所的に大きくなる特異点を基準点としてもよい。この場合には、生体領域間距離算出部13は、例えば、各生体領域について、その生体領域に含まれるブロックごとに隆線の方向を求め、隣接する二つのブロック間で隆線の方向の変化が最大となるときのその二つのブロックの境界の中点を基準点とする。
生体領域間距離算出部13は、ブロックごとに隆線方向を求めるために、例えば、ブロック内の各画素について、sobelフィルタまたはprewittフィルタといったエッジ検出フィルタを用いて水平方向のエッジ強度∂x(u,v)及び垂直方向のエッジ強度∂y(u,v)を求める。なお、u、vは、それぞれ、ブロック内の画素の水平方向の座標及び垂直方向の座標を表す。
そして生体領域間距離算出部13は、各ブロックの隆線方向を次式に従って算出する。
Figure 0005812109
ただし、i(i=1,2,...,M)、j(j=1,2,...,N)は、それぞれ、生体画像の左端からのブロック数及び生体画像の上端からのブロック数を表す。またbは、各ブロックの水平方向サイズ及び垂直方向サイズ(画素単位)を表す。そしてθ(i,j)は、左端から水平方向にi番目であり、上端から垂直方向j番目のブロック(以下、便宜上、ブロック(i,j)と表記する)の隆線方向を表す。
あるいは、生体領域間距離算出部13は、ブロックごとに、周波数変換して様々な方向の周波数成分を調べ、隆線の間隔に相当する周波数成分が最も高い方向を求めてもよい。隆線の間隔に相当する周波数成分が最も高い方向は、隆線に直交する方向であると推定されるので、生体領域間距離算出部13は、隆線の間隔に相当する周波数成分が最も高い方向に直交する方向を、隆線の方向としてもよい。
生体領域間距離算出部13は、隣接する二つの生体領域の組ごとに、その生体領域の基準点間の距離を算出する。
開き角度推定部14は、隣接する二つの指の開き角度を、その二つの指のそれぞれに対応する生体領域の基準点間の距離に応じて算出する。本実施形態では、各指は、それぞれ、その指の付け根を回転中心として回転し、かつ、指の付け根同士は離れているという点を考慮して開き角度を算出する。
図3(A)は、指を開いている場合の生体画像上の各指の生体領域と、指のモデルとの関係を示す図である。一方、図3(B)は、指を閉じている場合の生体画像上の各指の生体領域と、指のモデルとの関係を示す図である。図3(A)及び図3(B)において、生体画像300には、3本の指301〜303、例えば、人差し指、中指及び薬指の生体領域311〜313が含まれている。そして隣接する生体領域311と生体領域312の基準点間の距離はd1であり、隣接する生体領域312と生体領域313の基準点間の距離はd2である。
各指は、それぞれ、指の付け根321〜323を回転中心として回転する。そして回転中心321〜323は、それぞれ、生体画像300上での指の幅に相当する画素数α1、α2だけ離れている。したがって、もし、指301〜303が平行になっていれば、生体領域311と生体領域312の基準点間の距離も、近似的にα1となり、生体領域312と生体領域313の基準点間の距離も、近似的にα2となる。そこで、指301と指302間の開き角θ1及び指302と指303間の開き角θ2は、近似的に次式で表される。
Figure 0005812109
ここで、η1は、指301の付け根から指301の生体情報の基準点までの長さに相当する生体画像300上での画素数を表し、η2は、指303の付け根から指303の生体情報の基準点までの長さに相当する生体画像300上での画素数を表す。開き角度θ1、θ2は、隣接する指が開いているときに正の値を持つように設定される。例えば、生体画像300上で左側に写っている生体領域311に対応する指301と中心に写っている生体領域312に対応する指302については、指302の長手方向に対して指301の長手方向が平行になるときの指301の中心線よりも生体領域311が左側に位置する場合にθ1は正の値となる。一方、生体画像300上で右側に写っている生体領域313に対応する指303と指302については、指302の長手方向に対して指303の長手方向が平行になるときの指303の中心線よりも生体領域313が右側に位置する場合にθ2は正の値となる。なお、図3(B)に示されるように、利用者が指を揃えている場合には、開き角度θ1、θ2は、負の値となることもある。
そこで、開き角度推定部14は、上記の(2)式に従って、隣接する2本の指の開き角を推定する。なお、α1、α2、η1及びη2は、それぞれ、例えば、複数の人についての隣接する指の付け根間の間隔及び指の長さの測定値の平均値に相当する画素数として予め求められ、記憶部5に記憶される。また、生体画像に写る指が人差し指、中指及び薬指の3本である場合、人差し指と中指の間隔と、中指と薬指の間隔との差は、特徴量の抽出精度に影響しない程度に小さいので、α1とα2は、同一の値に設定されてもよい。同様に、人差し指の長さと薬指の長さの差は、特徴量の抽出精度に影響しない程度に小さいので、η1とη2は、同一の値に設定されてもよい。
開き角度推定部14は、開き角度θ1及びθ2を、補正部15に渡す。
補正部15は、隣接する二つの指に相当する生体領域間の開き角度が基準角度となるように、推定された開き角度とその基準角度の差を打ち消すように、その二つの指のうちの少なくとも一方の生体領域を回転させる。例えば、上記のように、生体画像上に3本の指が写っており、左側の指と中央の指間の開き角度がθ1、中央の指と右側の指間の開き角度がθ2であり、基準角度が0°であるとする。この場合、補正部15は、生体画像上の左側の生体領域を、その生体領域の基準点を回転中心として(-θ1)だけ、例えば、アフィン変換を用いて回転させる。同様に、補正部15は、生体画像上の右側の生体領域を、その生体領域の基準点を回転中心として(-θ2)だけ、例えば、アフィン変換を用いて回転させる。あるいは、補正部15は、生体領域を回転させる指の付け根の位置を推定し、その推定された位置を回転中心としてもよい。例えば、補正部15は、中央の指の生体領域の基準点から、その基準点とその指の付け根間の推定長に相当する画素数ηだけ下側、かつ、α1だけ左側の画素を、左側の指の付け根の位置として推定してもよい。同様に、補正部15は、中央の指の生体領域の基準点から画素数ηだけ下側、かつ、α2だけ右側の画素を、右側の指の付け根の位置として推定してもよい。
また補正部15は、生体画像に写っている指の数が2本であれば、隣接する2本の指の両方の生体領域を、推定された開き角度とその基準角度の差の1/2ずつ回転させてもよい。
補正部15は、生体領域が補正された生体画像を特徴量抽出部16に渡す。
特徴量抽出部16は、補正された生体画像から、各指の生体情報の特徴量を抽出する。本実施形態では、特徴量抽出部16は、特徴量として、例えば、指紋の隆線の分岐点及び端点といった特徴的な指紋の構造であるマニューシャの位置を求める。そのために、特徴量抽出部16は、例えば、補正された生体画像の各画素の輝度値を2値化して、隆線を表す画素と谷線を表す画素とを区別する。2値化のための閾値は、例えば、生体領域に含まれる画素の輝度値の平均値とすることができる。次に特徴量抽出部16は、2値化された生体画像について、隆線に相当する輝度値を持つ画素に対して細線化処理を行うことにより、隆線を表す画素が連結した線を、例えば1画素幅を持つ線に細線化する。そして特徴量抽出部16は、隆線の分岐点または端点に対応する2値パターンを持つ複数のマスクパターンを用いて細線化された生体画像を走査することにより、何れかのマスクパターンと一致するときの、生体画像上の位置を検出する。そして特徴量抽出部16は、検出された位置の中心画素を、マニューシャとし、かつ一致したマスクパターンが表すマニューシャの種類(すなわち、分岐点または端点)を、検出されたマニューシャの種類とする。
なお、特徴量抽出部16は、隆線の端点または分岐点をマニューシャとして求める公知の他の方法を用いて、生体画像からマニューシャを抽出してもよい。さらに特徴量抽出部16は、生体画像の各ブロックの隆線方向を特徴量としてもよい。
特徴量抽出部16は、抽出されたマニューシャの総数、各マニューシャの識別番号、種類及び生体画像上の位置、または隆線方向といった特徴量を含む特徴量情報を生体画像に対応付けて記憶部5に記憶する。なお、各マニューシャに付される識別番号は、例えば、生体画像の左上端から近い方のマニューシャから順に、1から始まる連続番号とすることができる。
さらに、特徴量抽出部16は、生体領域の基準点が指紋の特異点である場合、その基準点から各マニューシャまでの方向ベクトルを特徴量の一つとして算出してもよい。
照合時において、特徴量抽出部16は、抽出した特徴量を照合部17に渡す。また登録時において、特徴量抽出部16は、抽出した特徴量を登録部19に渡す。
照合部17は、照合時に取得された利用者の生体画像に表された複数の指のそれぞれの生体情報である入力生体情報と、入力部3を介して入力されたユーザ識別情報により特定される登録利用者の登録生体画像に表された登録利用者の対応する指の生体情報である登録生体情報との類似度を算出する。
照合部17は、例えば、マニューシャマッチングにより類似度を算出する。この場合、照合部17は、例えば、特徴量情報に含まれる、注目する指についての何れかのマニューシャを、登録生体画像から抽出された対応する指の何れかのマニューシャに位置合わせする。そして照合部17は、特徴量情報に含まれる他のマニューシャと登録生体画像から抽出されたマニューシャとが一致する数を求める。なお、照合部17は、二つのマニューシャ間の距離が、例えば、隆線間隔以下であれば、その二つのマニューシャは一致すると判定する。また照合部17は、二つのマニューシャの種類が一致する場合に限り、その二つのマニューシャが一致すると判定してもよい。
さらに、照合部17は、二つのマニューシャについての基準点からの方向ベクトル間のなす角が所定角度(例えば、10°)以下である場合に限り、その二つのマニューシャが一致すると判定してもよい。
照合部17は、指ごとに、位置合わせをするマニューシャの組を変えつつ、入力生体情報中のマニューシャと登録生体情報中のマニューシャとが一致する数を求める。そして照合部17は、入力生体情報中のマニューシャの総数に対する、一致するマニューシャの数の比の最大値を求める。そして照合部17は、各指についてのその比の最大値の平均値、あるいは各指についてのその比の最大値のうちの最も大きい値を類似度とする。
あるいは、照合部17は、利用者についての補正後の生体画像と登録生体情報が写った登録生体画像との間でパターンマッチングを行うことにより類似度を算出してもよい。この場合、照合部17は、利用者の生体画像と登録生体画像に対する相対的な位置を変えつつ、正規化相互相関係数を求め、その正規化相互相関値の最大値を類似値として算出する。この場合には、特徴量抽出部16は省略されてもよい。
照合部17は、類似度を、登録利用者の識別情報とともに、認証判定部18へ渡す。
なお、利用者の識別情報が入力されていない場合、照合部17は、各登録利用者について、それぞれ指紋の類似度を求める。そして照合部17は、指紋の類似度が最大となる登録利用者を選択する。
そして照合部17は、類似度の最大値及びその最大値に対応する登録利用者の識別情報を認証判定部18へ渡す。
認証判定部18は、類似度を認証判定閾値と比較することで、利用者を登録利用者として認証するか否かを判定する。例えば、認証判定部18は、類似度が認証判定値以上となる場合、生体画像に写った利用者の生体情報と登録利用者の生体情報は一致すると判定する。そして認証判定部18は、利用者を、その登録利用者として認証する。認証判定部18は、利用者を認証すると、その認証結果を処理部7へ通知する。そして処理部7は、認証された利用者が生体認証装置1が実装された装置あるいは生体認証装置1が接続された装置を利用することを許可する。
一方、類似度が認証判定閾値未満となる場合、認証判定部18は、利用者を認証せず、利用者を認証しないことを処理部7へ通知する。この場合、処理部7は、認証されなかった利用者が生体認証装置1が実装された装置あるいは生体認証装置1が接続された装置を使用することを拒否する。また処理部7は、表示部2に、認証に失敗したことを示すメッセージを表示させてもよい。
認証判定閾値は、登録利用者本人が利用者である場合にのみ、認証判定部18が認証に成功するような値に設定されることが好ましい。そして認証判定閾値は、登録利用者とは異なる他人が利用者である場合には、認証判定部18が認証に失敗するような値に設定されることが好ましい。例えば、認証判定閾値は、類似度の取りうる最大値と最小値の差に0.7を乗じた値を、類似度の最小値に加えた値とすることができる。
登録部19は、登録処理の実行時において、入力部3を介して入力された利用者の識別情報を、特徴量抽出部16により抽出された特徴量情報とともに記憶部5に記憶する。なお、照合部17がパターンマッチングにより類似度を求める場合には、登録部19は、補正部15により補正された生体画像、またはその補正された生体画像上の各生体領域に外接する矩形状の領域を、利用者の識別情報とともに記憶部5に記憶する。これにより、利用者は、生体認証装置1が実装された装置の使用が許可される登録利用者として登録される。
あるいは、登録部19は、入力部3を介して入力された利用者の識別情報を、特徴量抽出部16により抽出された特徴量情報及び隣接する指間の開き角度とともに記憶部5に記憶してもよい。この場合には、記憶された開き角度が、照合時において補正部15が各指の生体領域を補正する際の基準角度となる。
図4は、処理部7により実行される生体認証処理の動作フローチャートである。
処理部7が生体情報取得部4から利用者の複数の指の生体情報が表された生体画像を受け取ると、処理部7の画像分割部11は、その生体画像を複数のブロックに分割する(ステップS101)。処理部7の生体領域抽出部12は、複数のブロックのうちで生体情報が写っている生体ブロックを抽出する(ステップS102)。そして生体領域抽出部12は、生体ブロックに対してラベリング処理を実行して、互いに隣接する生体ブロックを一つの指についての生体領域とする(ステップS103)。
各指の生体領域が抽出されると、処理部7の生体領域間距離算出部13は、各生体領域の基準点を求める(ステップS104)。そして生体領域間距離算出部13は、隣接する二つの生体領域の基準点間の距離を算出する(ステップS105)。
その後、処理部7の開き角度推定部14は、指の付け根からその指の生体領域の基準点までの長さの推定値に対する基準点間の距離から隣接する指の付け根間の距離を減じた値の比に基づいて隣接する二つの指間の開き角度を推定する(ステップS106)。そして処理部7の補正部15は、開き角度の推定値と基準角度の差を打ち消すように何れかの指の生体領域の回転角度を補正する(ステップS107)。
処理部7の特徴量抽出部16は、補正された生体画像上の各指の生体情報の特徴を表す特徴量情報を求める(ステップS108)。そして処理部7は、その特徴量情報を処理部7の照合部17に渡す。さらに処理部7は、入力部3を介して利用者の識別情報を取得している場合、その識別情報と一致する識別情報と関連付けられた登録利用者の特徴量情報を記憶部5から読み出して、その特徴量情報を照合部17に渡す。一方、利用者の識別情報が入力されていない場合、処理部7は、全ての登録利用者の特徴量情報を記憶部5から読み出して、各特徴量情報及び対応する登録利用者の識別情報を照合部17へ渡す。
照合部17は、利用者の特徴量情報と登録利用者の特徴量情報とに基づいて、生体画像に写っている利用者の各指の生体情報と登録利用者の対応する指の生体情報との類似度を算出する(ステップS109)。そして照合部17は、類似度とともに、登録利用者の識別情報を処理部7の認証判定部18へ渡す。なお、利用者の識別番号が得られていない場合には、照合部17は、各登録利用者について求めた類似度の最大値を求める。そして照合部17は、その最大値とともに、その最大値に対応する登録利用者の識別情報を認証判定部18へ渡す。
認証判定部18は、類似度が認証判定用閾値以上となるか否か判定する(ステップS110)。
類似度が認証判定用閾値以上である場合(ステップS110−Yes)、認証判定部18は、利用者を登録利用者として認証する(ステップS111)。
一方、類似度が認証判定用閾値未満である場合(ステップS110−No)、認証判定部18は利用者を認証しない(ステップS112)。
ステップS111またはS112の後、処理部7は、生体認証処理を終了する。
なお、生体情報取得部4が利用者の手がセンサ面に載置されているか否かにかかわらず、一定周期で生体画像を生成する場合、処理部7は、ステップS102にて抽出された生体ブロックの数が所定数以上の場合に限りステップS103以降の処理を実行してもよい。そして処理部7は、生体ブロックの数が所定数未満である場合は、利用者の手がセンサ面に載置されていないと判断し、新たな生体画像を受け取ってから再度ステップS101以降の処理を実行してもよい。
また、処理部7が登録処理を行う場合、上記のステップS109〜S112の手順の代わりに、登録部19が、利用者の識別情報とともに特徴量情報を記憶部5に記憶する手順を実行すればよい。
以上に説明してきたように、この生体認証装置は、生体画像に写っている隣接する二つの指間の開き角度を、各指の生体領域の基準点間の距離から指の付け根間の距離を減じた値を指の付け根からその指の基準点までの長さで割った値に基づいて推定する。このように、この生体認証装置は、人の手の構造のモデルに基づいて隣接する二つの指間の開き角度を推定するので、生体画像上で何れかの指の生体情報が不明りょうであっても、その開き角度を正確に推定できる。そして、この生体認証装置は、推定した開き角度に応じて各指の生体領域の回転角度を補正するので、登録時と照合時の開き角度の差を正確に補正できる。
なお、変形例によれば、補正部は、隣接する二つの指の開き角度が所定角度よりも大きい場合にのみ、その二つの指のうちの一方の生体領域の回転角度を補正してもよい。所定角度は、例えば、特徴量の抽出精度に影響しない指の開き角度の上限値、例えば、10°とすることができる。
また他の変形例によれば、隣接する二つの指の開き角度も、特徴量情報の一つとして用いられてもよい。この場合には、補正部は省略されてもよい。そして照合部は、例えば、生体画像上に写った複数の指のうちの隣接する何れか2本の指の開き角度と登録生体画像上に写った対応する2本の指の開き角度の差の絶対値が小さいほど大きな値となる重み係数を算出する。そして照合部は、マニューシャマッチングまたはパターンマッチングにより算出された類似度にその重み係数を乗じることにより、類似度を補正する。そして照合部は、補正した類似度を認証判定部へ渡す。この場合、例えば、指の開き角度の差の絶対値が5°以下であれば、重み係数は1となり、その差の絶対値が5°のn倍より大きい場合(ただし、nは正の整数)、重み係数は(1-0.1×n)に設定される。
さらに他の変形例によれば、開き角度推定部は、次式に従って隣接する2本の指の開き角度θを推定してもよい。
Figure 0005812109
ここで、dは、その2本の指に対応する生体領域の基準点間の距離を表す。ηは、隣接する2本の指の一方についての指の付け根から生体情報の基準点までの距離に相当する生体画像上の画素数を表し、αは、隣接する2本の指の付け根間の間隔に相当する生体画像上の画素数を表す。この例でも、α及びηは、実験的に求められ、予め記憶部に記憶される。
あるいは、開き角度推定部は、次式に従って隣接する2本の指の開き角度θを推定してもよい。
Figure 0005812109
ここでdhは、その2本の指に対応する生体領域の基準点間の距離の水平成分を表す。ηは、隣接する2本の指の一方についての指の付け根から生体情報の基準点までの距離に相当する生体画像上の画素数を表し、αhは、隣接する2本の指の付け根間の間隔の水平成分に相当する生体画像上の画素数を表す。この例でも、αh及びηは、実験的に求められ、予め記憶部に記憶される。特に、その2本の指が親指と人差し指のように、指の付け根の位置が生体画像上で垂直方向にも大きくずれている場合には、開き角度推定部は、距離の水平成分にのみ着目する(4)式を用いることが好ましい。
さらに他の変形例によれば、指の生体情報は、指の静脈パターンであってもよい。この場合、生体領域間距離算出部は、それぞれの指に対応する生体領域の基準点として、静脈が写っている画素の重心を求めてもよい。例えば、生体画像上で静脈が写っている画素が他の画素よりも暗く、すなわち低い輝度で表される場合、生体領域間距離算出部は、各生体領域ごとに、静脈が写っている画素に相当する輝度値の上限値以下の画素とその他の画素とで2値化することにより、静脈が写っている画素を抽出できる。そして生体領域間距離算出部は、生体領域ごとに、静脈が写っている画素の重心をその生体領域の基準点として求める。
さらに、本明細書に開示された生体情報処理装置及び生体情報処理方法は、利用者が何らかの操作を行うために、利用者の生体情報と、予め登録された生体情報間で生体認証処理を実行する、各種の装置またはシステムに適用可能である。
図5は、上記の各実施形態またはその変形例による生体情報処理装置が実装された、コンピュータシステムの一例の概略構成図である。
例えば、コンピュータシステム100は、少なくとも1台の端末110とサーバ120とを有する。そして端末110とサーバ120は、有線または無線の通信ネットワーク130を介して接続される。なお、図5において、コンピュータシステム100が有する構成要素のうち、図1に示した生体認証装置1が有する構成要素の何れかと対応する構成要素には、生体認証装置1が有する構成要素の参照番号と同じ参照番号を付した。
このシステムでは、端末110は、例えば、携帯電話機またはタブレット型端末といった携帯端末、あるいは、固定的に設置される端末であり、表示部2、入力部3及び生体情報取得部4を有する。さらに、端末110は、記憶部21と、画像取得制御部22と、インターフェース部23とを有する。
記憶部21は、例えば、半導体メモリ回路を有し、生体情報取得部4により生成された生体画像を一時的に記憶する。また画像取得制御部22は、一つまたは複数のプロセッサとその周辺回路とを有し、端末110の各部を制御し、かつ、端末110で動作する各種のプログラムを実行する。そして画像取得制御部22は、生体情報取得部4により生成された、複数の指の生体情報が写った生体画像を、端末110を通信ネットワーク130と接続するためのインターフェース回路を有するインターフェース部23を介してサーバ120へ送信する。さらに画像取得制御部22は、入力部3を介して入力されたユーザ識別情報もサーバ120へ送信してもよい。
サーバ120は、記憶部5と、処理部7と、サーバ120を通信ネットワーク130と接続するためのインターフェース回路を有するインターフェース部24とを有する。サーバ120の処理部7は、インターフェース部24を介して受信した生体画像を用いて、上記の各実施形態の何れかまたはその変形例による処理部が有する各機能を実現することにより、生体認証処理を実行する。そしてサーバ120は、認証に成功したか否かの判定結果をインターフェース部24を介して端末110へ返信する。
あるいは、端末110の画像取得制御部22が、上記の各実施形態による処理部の機能のうち、画像分割部、生体領域抽出部、生体領域間距離算出部、開き角度推定部、補正部及び特徴量抽出部の処理を実行してもよい。この場合、端末110からサーバ120へ、利用者の生体画像から抽出された特徴量情報と利用者の識別情報がサーバ120へ送信されてもよい。一方、サーバ120の処理部7は、上記の各実施形態による処理部の機能のうち、照合部、認証判定部及び登録部の処理のみを実行する。これにより、サーバ120の負荷が軽減されるので、同時に多数の生体認証処理が実行されても、コンピュータシステム100は、利用者に対する待ち時間を抑制できる。
また、上記の各実施形態による処理部の機能をコンピュータに実現させる命令を有するコンピュータプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体あるいは不揮発性の半導体メモリといった、記録媒体に記録された形で提供されてもよい。
ここに挙げられた全ての例及び特定の用語は、読者が、本発明及び当該技術の促進に対する本発明者により寄与された概念を理解することを助ける、教示的な目的において意図されたものであり、本発明の優位性及び劣等性を示すことに関する、本明細書の如何なる例の構成、そのような特定の挙げられた例及び条件に限定しないように解釈されるべきものである。本発明の実施形態は詳細に説明されているが、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
1 生体認証装置(生体情報処理装置)
2 表示部
3 入力部
4 生体情報取得部
5 記憶部
6 記憶媒体アクセス装置
7 処理部
8 記憶媒体
11 画像分割部
12 生体領域抽出部
13 生体領域間距離算出部
14 開き角度推定部
15 補正部
16 特徴量抽出部
17 照合部
18 認証判定部
19 登録部
100 コンピュータシステム
110 端末
120 サーバ
130 通信ネットワーク
21 記憶部
22 画像取得制御部
23、24 インターフェース部

Claims (6)

  1. 利用者の複数の指の生体情報を表した生体画像を生成する生体情報取得部と、
    前記生体画像上の前記複数の指のそれぞれの生体情報が写っている生体領域を抽出する生体領域抽出部と、
    前記複数の指のうちの隣接する二つの指に対応する前記生体領域間の第1の距離を求める生体領域間距離算出部と、
    前記隣接する二つの指のうちの一方の指について、当該指の付け根から前記生体情報までの長さに対する、前記第1の距離から前記隣接する二つの指の付け根間の間隔を減じた値の比に応じて当該二つの指の開き角度を推定する開き角度推定部と、
    を有する生体情報処理装置。
  2. 少なくとも一人の登録利用者について、該登録利用者の前記複数の指の生体情報が写った登録生体画像から抽出された、当該生体情報の特徴を表す登録特徴量と、前記複数の指のうちの隣接する二つの指の開き角度である基準角度とを記憶する記憶部と、
    前記生体画像に写っている前記複数の指のうちの前記二つの指の推定された前記開き角度と前記基準角度間の差を打ち消すように当該二つの指のうちの少なくとも一方の指についての前記生体領域を回転させることにより、前記生体画像を補正する補正部と、
    補正された前記生体画像から前記利用者の前記生体情報の特徴を表す入力特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記入力特徴量と前記登録特徴量とに基づいて前記利用者の前記生体情報と前記登録利用者の前記生体情報との類似度を求める照合部とをさらに有する、
    請求項1に記載の生体情報処理装置。
  3. 少なくとも一人の登録利用者について、該登録利用者の前記複数の指の生体情報が写った登録生体画像から抽出された、当該生体情報の特徴を表す登録特徴量と、前記複数の指のうちの隣接する二つの指の開き角度である基準角度とを記憶する記憶部と、
    前記生体画像から前記利用者の前記生体情報の特徴を表す入力特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記入力特徴量と前記登録特徴量とに基づいて前記利用者の前記生体情報と前記登録利用者の前記生体情報との類似度を求める照合部とをさらに有し、
    前記照合部は、前記生体画像から推定された前記利用者の前記2本の指の開き角度と前記基準角度との差が小さいほど、前記類似度を高くする、
    請求項1に記載の生体情報処理装置。
  4. 利用者の識別情報を取得する入力部と、
    記憶部と、
    前記生体画像に写っている前記複数の指のうちの前記二つの指の推定された前記開き角度と所定の基準角度間の差を打ち消すように当該二つの指のうちの少なくとも一方の指についての前記生体領域を回転させることにより、前記生体画像を補正する補正部と、
    補正された前記生体画像から前記利用者の前記生体情報の特徴を表す入力特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記入力特徴量を前記利用者の識別情報とともに前記記憶部に記憶させる登録部と、
    をさらに有する請求項1に記載の生体情報処理装置。
  5. 利用者の複数の指の生体情報を表した生体画像を生成し、
    前記生体画像上の前記複数の指のそれぞれの生体情報が写っている生体領域を抽出し、
    前記複数の指のうちの隣接する二つの指に対応する前記生体領域間の第1の距離を求め、
    前記隣接する二つの指のうちの一方の指について、当該指の付け根から前記生体情報までの長さに対する、前記第1の距離から前記隣接する二つの指の付け根間の間隔を減じた値の比に応じて当該二つの指の開き角度を推定する、
    生体情報処理方法。
  6. 利用者の複数の指の生体情報を表した生体画像上の前記複数の指のそれぞれの生体情報が写っている生体領域を抽出し、
    前記複数の指のうちの隣接する二つの指に対応する前記生体領域間の第1の距離を求め、
    前記隣接する二つの指のうちの一方の指について、当該指の付け根から前記生体情報までの長さに対する、前記第1の距離から前記隣接する二つの指の付け根間の間隔を減じた値の比に応じて当該二つの指の開き角度を推定する、
    ことをコンピュータに実行させる生体情報処理用コンピュータプログラム。
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