JP5810883B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、前処理工程と画像形成工程とを有する画像形成方法に関する。
水性顔料インクジェット用インクは、普通紙への印字において、滲みが少なく、高画像濃度で裏抜けが少ないなどのメリットがある。
しかし、普通紙への印刷において、インク付着量の多い写真や図等がある場合、印刷直後に普通紙がバックカール(印字面と反対側に紙が反る現象)し易い。
印字直後に普通紙がバックカールすると、インクジェットプリンタ中の紙搬送工程で、紙搬送不良が生じる。特に、高速印刷の場合や両面印刷直後に紙がバックカールしていると、紙搬送は非常に困難である。
そこで、普通紙への印刷において、インク付着量の多い写真や図等の場合もできるだけバックカールが少ないインクジェット用インクが望まれている。
特に、ラインヘッド搭載の高速インクジェットプリンタでは、そのニーズがシリアルプリンターに比べて一段と高い。
紙のカールを抑える公知技術としては、インクで記録するに先立って紙にアルコール液を付与し、記録位置では紙が実質的に乾燥した状態にし、その後にインクで記録する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、インク及びインクと反応する反応液を吐出する記録方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、特許文献3には、ジグリセリン又はポリグリセリンとポリエチレングリコールモノアルキルエーテルを含有させたインクジェット用インク組成物が、特許文献4には、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルを含有させたインクジェット用インク組成物がそれぞれ開示されている。
前記特許文献1の技術では、高速印刷で水系インクが多量に打ち込まれた場合は効果がなく、印字直後のカール抑制はできない。また、前記特許文献2の技術では、記録装置の構成が複雑になるし、反応液を同等量吐出しなければカールを抑制できないことから経済的に厳しい。更に、ベタ印字に近い場合は、紙両面に水分を多く含むため、紙の腰が無くなり紙搬送が厳しくなる。また、前記特許文献3、4の技術では、高速印刷で水系インクが多量に打ち込まれた場合は効果がなく、印字直後のカール抑制が不十分であるし、含有溶剤の平衡水分量が少ないため、吐出安定性を確保できない。
更に従来技術には、次の(a)〜(c)のような問題がある。
(a)ベタ画像のビーディング(隣り合ったドットが引き付けあったりして画像にブツブツ感が出るような現象)や色間のカラーブリードが起こす。
(b)従来検討されている多価金属塩を前処理剤に用いるとインクが定着し難い。
(c)インクジェット用インク(水性インク)を用いることにより、コックリング(ベタ画像部が波打つ現象)やベタ印字直後のバックカールが生じる。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、普通紙は勿論のこと商業印刷用紙に対して高速で良好な品位のフルカラー記録が可能であって、インク印字直後のカール量を低減することができ、更に、ベタ画像のビーディングや色間のカラーブリードが殆ど生じない理想的な画像形成方法の提供を目的とする。
上記課題は、次の<1>の発明によって解決される。
<1> 記録用メディア表面に前処理液を付着させる前処理工程と、該前処理液を付着させた面上に、着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、及び水を含有するインクジェット用インクを付着させて画像を形成する画像形成工程とを有する画像形成方法であって、前記水溶性有機溶剤が、温度23℃、湿度80%における平衡水分量が30質量%以上である多価アルコールを1種以上含有し、且つ、下記一般式(I)で示されるアミド化合物、及び、下記一般式(II)〜(IV)で示される化合物の少なくとも1種を含有し、前記記録用メディアが、動的走査吸液計によって測定される接触時間100msにおける純水の前記記録用メディア表面への転移量が1〜15mL/mのものであることを特徴とする画像形成方法。
Figure 0005810883
上記式中、Rは炭素数4〜6のアルキル基を表す。
Figure 0005810883
上記式中、Rは水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。
Figure 0005810883
上記式中、R′は炭素数1〜2のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、環状アルキル基又は芳香環を表す。
Figure 0005810883
上記式中、R、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表す。
本発明によれば、普通紙は勿論のこと商業印刷用紙に対しても高速で良好な品位のフルカラー記録が可能であって、インク印字直後のカール量を低減することができ、さらに、ベタ画像のビーディングや色間のカラーブリードが殆ど生じない理想的な画像形成方法を提供できる。
なお、本発明の画像形成方法により作成されたインク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
本発明のカール量の評価に使用した試作ラインヘッド印字装置を示す図。
本発明には、上記<1>に加えて、以下の<2>〜<9>の態様も含まれる。
<2> 前記水溶性有機溶剤として、下記式(I)で示されるアミド化合物を含有することを特徴とする<1>に記載の画像形成方法。
Figure 0005810883
<3> 前記前処理液が、下記一般式(V)で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの水溶性脂肪族系有機酸を含有することを特徴とする<1>又は<2>に記載の画像形成方法。
Figure 0005810883
上記式中、Rは水素原子、又は水酸基若しくはカルボキシル基により置換されたメチル基を表し、Rはメチル基、カルボキシル基により置換されたメチル基、又は水酸基及びカルボキシル基により置換されたメチル基を表す。
<4> 前記前処理液が水溶性有機モノアミン化合物を含有することを特徴とする<3>に記載の画像形成方法。
<5> 前記水溶性有機モノアミン化合物が、下記一般式(VI)又は(VII)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする<3>又は<4>に記載の画像形成方法。
Figure 0005810883
上記式中、R、R、R10はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピル基を表す。但し、R、R、R10が全て水素原子である場合を除く。
Figure 0005810883
上記式中、R11はヒドロキシメチル基を表し、R12はメチル基、エチル基、又はヒドロキシメチル基を表し、R13は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はヒドロキシメチル基を表す。
<6> 前記前処理液が、少なくとも乳酸アンモニウム又は水溶性カチオンポリマーを含有することを特徴とする<1>又は<2>に記載の画像形成方法。
<7> 前記水溶性カチオンポリマーが、下記一般式(VIII)で示される共重合体、下記一般式(IX)で示される繰り返し単位を有する共重合体、並びに、下記一般式(X)、一般式(XI)及び一般式(XII)で示されるモノマーの共重合体、から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする<6>に記載の画像形成方法。
Figure 0005810883
上記式中、R14〜R21は、同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素数が1〜8のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、又はベンジル基のいずれか一つの基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜4を表す。
Figure 0005810883
上記式中、Xはハロゲン原子を表し、mは1以上の整数を表す。
Figure 0005810883
Figure 0005810883
Figure 0005810883
上記式中、Xはハロゲン原子を表す。
<8> 前記水分散性着色剤が顔料であり、該顔料が、アニオン性の自己分散性顔料、アニオン性樹脂により被覆された顔料、及びアニオン系分散剤又はノニオン系分散剤で分散された水性顔料からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載の画像形成方法。
<9> 前記記録用メディアが、支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有するものであり、前記塗工層を有する面が、動的走査吸液計によって測定される接触時間100msにおける純水の前記塗工層を有する面への転移量が1〜15mL/mであることを特徴とする<1>〜<8>のいずれかに記載の画像形成方法。
以下、好ましい実施の形態を挙げて、本発明を詳細に説明する。
≪インクジェット用インク≫
本発明で用いるインクジェット用インク(以下、インクということもある)は、少なくとも、着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、及び水を含有し、必要に応じて、浸透剤、水分散性樹脂などのその他の成分を含有する。
−水溶性有機溶剤−
前述したように、本発明で用いるインクジェット用インク(以下、インクということもある)には、水溶性有機溶剤として、温度23℃、湿度80%における平衡水分量が30質量%以上である多価アルコール、前記一般式(I)で示されるアミド化合物、前記一般式(II)〜(IV)で示される化合物の少なくとも1種、及び、必要に応じて前記式(1)のアミド化合物などのその他の水溶性有機溶剤を配合する。
水溶性有機溶剤を配合量はインク全体の30〜70質量%が好ましい。
前記一般式(I)で示されるアミド化合物、及び、前記一般式(II)〜(IV)で示される化合物の少なくとも1種を混合して用いると、本発明の課題である印字直後のフェイスカール量の低減及び画像形成部のインク乾燥性が良好となり、ビーディングや色間のカラーブリードも生じなくなる。
前記一般式(I)〜(IV)の化合物の具体例を次に示す。
<一般式(I)のアミド化合物>
Figure 0005810883
<一般式(II)で示される化合物>
Figure 0005810883
<一般式(III)で示される化合物>
Figure 0005810883
<一般式(IV)で示される化合物>
Figure 0005810883
インクにおける前記一般式(I)で示されるアミド化合物及び一般式(II)〜(IV)で示される化合物の合計含有量は、1〜50質量%が好ましく、2〜40質量%がより好ましい。含有量が1質量%未満では、カール抑制効果がなく、画像品質向上効果も見られず、更に、汎用印刷用紙に対する乾燥性向上効果、ビーディングや色間のカラーブリード防止効果もなくなる。また、50質量%を超えると、インク粘度が上昇し吐出安定性が厳しくなる。
更に、カール抑制効果を補助的に示す水溶性有機溶剤としては、アルキルアルカンジオールがあり、炭素数3〜6のアルカンジオールを主鎖とし炭素数1〜2のアルキルを分岐鎖とするものであれば、親水性基と疎水性基のバランスがよく、水溶性で且つ疎水性基リッチになり、記録用メディアに浸透し易くなる。
中でも好ましいのは、2−メチル−1,3−ブタンジオール(bp214℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(bp203℃)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(bp250℃)、2−エチル−1,3−へキサンジオール(bp243.2℃)である。
インクにおける前記アルキルアルカンジオールの含有量は、2〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。含有量が2質量%未満では、記録用メディアへの浸透性効果がなく、画像品質向上効果も見られず、更に、汎用印刷用紙に対する乾燥性向上効果もなくなる。また、40質量%を超えると、インク粘度が上昇し吐出安定性が厳しくなる。
温度23℃、相対湿度80%環境中の平衡水分量が30質量%以上である多価アルコールは湿潤剤として含有させる。中でも平衡水分量及び沸点が高いものが好ましい。
その具体例としては、ジエチレングリコール(bp245℃、43質量%)、トリエチレングリコール(bp285℃、39質量%)、テトラエチレングリコール(bp324〜330℃、37質量%)、1,3−ブタンジオール(bp203〜204℃、35質量%)、グリセリン(bp290℃、49質量%)、ジグリセリン(bp270℃/20hPa、38質量%)、1,2,3−ブタントリオール(bp175℃/33hPa、38質量%)、1,2,4−ブタントリオール(bp190〜191℃/24hPa、41質量%)等が挙げられる。中でも好ましいのは、グリセリンと1,3−ブタンジオールである。
インク中の多価アルコールの含有量は、2〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。含有量が2質量%未満では、インクの保湿効果がない。また、50質量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣り、更に普通紙上の文字品位が低下することがある。
上記平衡水分量(%)は、塩化カリウム/塩化ナトリウム飽和水溶液を用いデシケーター内の温湿度を温度23±1℃、相対湿度80±3%に保ち、このデシケーター内に各水溶性有機溶剤を1gずつ秤量したシャーレを保管し、平衡する水分量を測定し、下記式により算出したものである。

平衡水分量(%)
=〔有機溶剤に吸収した水分量/(有機溶剤+有機溶剤に吸収した水分量)〕×100
また、下記式(I)のアミド化合物は、沸点が216℃と高く、温度23℃、相対湿度80%環境中の平衡水分量も39.2質量%と高く、しかも液粘度が25℃で1.48mPa・sと非常に低い。更に、前記一般式(I)で示される他のアミド化合物、前記一般式(II)〜(IV)で示される化合物、アルキルアルカンジオール及び水に非常に溶解し易い。したがって、この化合物を水溶性有機溶剤として混合すると、インクの低粘度化が可能となる為、保存安定性、吐出安定性が良好となり、且つ、インク吐出装置の維持装置にも優しいインクとなるので非常に好ましい。
Figure 0005810883
インク中の式(I)のアミド化合物の含有量は、1〜50質量%が好ましく、2〜40質量%がより好ましい。含有量が1質量%未満では、インクの低粘度化に効果がない。また、50質量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣り、更に普通紙上の文字品位が低下することがある。
インクには上記水溶性有機溶剤以外の水溶性有機溶剤や湿潤剤を併用してもよい。
その例としては、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の湿潤剤、などが挙げられる。
前記多価アルコール類としては、例えば、ジプロピレングリコール(bp232℃)、1,5−ペンタンジオール(bp242℃)、プロピレングリコール(bp187℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(bp197℃)、エチレングリコール(bp196〜198℃)、トリプロピレングリコール(bp267℃)、ヘキシレングリコール(bp197℃)、ポリエチレングリコール(粘調液体〜固体)、ポリプロピレングリコール(bp187℃)、1,6−ヘキサンジオール(bp253〜260℃)、1,2,6−ヘキサントリオール(bp178℃)、トリメチロールエタン(固体、mp199〜201℃)、トリメチロールプロパン(固体、mp61℃)などが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル(bp135℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(bp171℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(bp194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(bp197℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(bp231℃)、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(bp229℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(bp132℃)などが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル(bp237℃)、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン(bp250℃、mp25.5℃、47〜48質量%)、N−メチル−2−ピロリドン(bp202℃)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(bp226℃)、ε−カプロラクタム(bp270℃)、γ−ブチロラクトン(bp204〜205℃)などが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド(bp210℃)、N−メチルホルムアミド(bp199〜201℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(bp153℃)、N,N−ジエチルホルムアミド(bp176〜177℃)などが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン(bp170℃)、ジエタノールアミン(bp268℃)、トリエタノールアミン(bp360℃)、N,N−ジメチルモノエタノールアミン(bp139℃)、N−メチルジエタノールアミン(bp243℃)、N−メチルエタノールアミン(bp159℃)、N−フェニルエタノールアミン(bp282〜287℃)、3−アミノプロピルジエチルアミン(bp169℃)などが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド(bp139℃)、スルホラン(bp285℃)、チオジグリコール(bp282℃)などが挙げられる。
その他の固体湿潤剤としては、糖類などが好ましい。糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類、などが挙げられる。
具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。
ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖{例えば、糖アルコール〔一般式:HOCH(CHOH)nCHOH(ただし、nは2〜5の整数を表す)で表わされる。〕}、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。
これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
着色剤と水溶性有機溶剤との質量比は、ヘッドからのインク吐出安定性に非常に影響があり、更にインク吐出装置の維持装置での廃インク固着防止にも影響がある。
着色剤固形分が高いのに水溶性有機溶剤の配合量が少ないとノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み吐出不良をもたらすことがある。
−着色剤−
着色剤が顔料である場合の特に好ましい形態としては、以下の第1〜第3の形態が挙げられる。
(1)第1形態では、着色剤は、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料〔以下、「自己分散性顔料」ということもある〕を含有する。
(2)第2形態では、着色剤は、顔料、顔料分散剤及び高分子分散安定化剤を含有する顔料分散体であり、前記高分子分散安定化剤が、下記一般式(XIII)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種である。
Figure 0005810883
上記式中、Rは炭素数6〜30、好ましくは12〜24、更に好ましくは18〜22のアルキル基を表し、nは20〜100の整数を表す。また、質量平均分子量は5000〜20000である。
なお、上記一般式(XIII)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体としては、Rの炭素数が異なるアルキル基がランダムに高分子鎖中に導入されたものを用いてもよい。
(3)第3形態では、着色剤は、ポリマー微粒子に水不溶性乃至水難溶性の色材を含有させたポリマーエマルジョン(色材を含有させたポリマー微粒子の水分散物)を含有する。
顔料としては、有機顔料又は無機顔料を用いることができる。なお、色調調整の目的で染料を併用しても構わないが、耐候性を劣化させない範囲内で使用する必要がある。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。なお、前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
着色剤の色としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のものなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)等の金属類、酸化チタン等の金属酸化物類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
前記カラー用のものとしては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、128、138、150、151、153、183、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2〔パーマネントレッド2B(Ca)〕、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、などが挙げられる。
前記第1形態の自己分散性顔料は、顔料の表面に少なくとも1種の親水基が直接又は他の原子団を介して結合するように表面改質されたものである。該表面改質は、顔料の表面に、特定の官能基(スルホン基やカルボキシル基等の官能基)を化学的に結合させるか、又は、次亜ハロゲン酸又はその塩の少なくともいずれかを用いて湿式酸化処理するなどの方法により行われる。これらの中でも、顔料の表面にカルボキシル基が結合され、水中に分散している形態が特に好ましい。このように顔料が表面改質され、カルボキシル基が結合していると、分散安定性が向上し、高品位な印字品質が得られると共に、印字後の記録用メディアの耐水性がより向上する。
また、第1形態の自己分散性顔料を含有するインクは乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドノズル付近のインク水分が蒸発した場合も目詰まりを起こさず、簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行える。
前記自己分散性顔料の体積平均粒径(D50)は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
自己分散型カーボンブラックとしては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものやカチオン性に帯電したものが好適である。
アニオン性親水基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCOR(ただし、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表す)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SOMがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。
また、前記親水基中における「M」は、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられる。有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。
アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理して、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
カチオン性親水基としては、例えば第4級アンモニウム基が好ましく、下記式(XX)で示される第4級アンモニウム基がより好ましく、本発明においては、これらのいずれかをカーボンブラック表面に結合された顔料が好適である。
Figure 0005810883
前記親水基が結合したカチオン性の自己分散型カーボンブラックを製造する方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記式(XXI)で表されるN−エチルピリジル基を結合させる方法として、カーボンブラックを3−アミノ−N−エチルピリジウムブロマイドで処理する方法が挙げられる。
Figure 0005810883
前記親水基は、他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。
上記した親水基が他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合する場合の具体例としては、例えば、−CCOOM(ただし、Mは、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムを表す)、−PhSOM(ただし、Phはフェニル基を表す。Mは、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムを表す)、−C10NH 等が挙げられる。
前記第2形態では、着色剤は、無機顔料、有機顔料、複合顔料等の顔料と、顔料分散剤と、高分子分散安定化剤とを含有する。
前記高分子分散安定化剤は、顔料分散剤によって、水中で均一に微分散した顔料分散体の分散状態を安定に保つために有効な材料である。前記一般式(XIII)で表される共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂は、常温では固体であり、冷水に殆ど溶けないものである。しかし、これらを、その酸価に対し当量以上(好ましくは、酸価の1.0〜1.5倍)のアルカリ溶液又はアルカリ水溶液で溶解して用いると分散安定化剤としての効果が発現する。
また、前記共重合体や樹脂をアルカリ溶液又はアルカリ水溶液で溶解するには加熱撹拌すればよい。しかし、前記α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体におけるオレフィン鎖が長い場合は比較的溶け難く、不溶物が残る場合があるが、適当なフィルター等で不溶物を除いて用いれば、分散安定化剤としての効果は損なわれない。
前記アルカリ溶液又はアルカリ水溶液における塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物;アンモニア、トリエチルアミン、モルホリン等の塩基性物質;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、コリン等のアルコールアミンなどが挙げられる。
前記一般式(XIII)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体としては、適宜合成したものを使用してもよいし市販品を使用してもよい。市販品としては、T−YP112、T−YP115、T−YP114、T−YP116(いずれも星光PMC社製)などが挙げられる。
前記スチレン−(メタ)アクリル共重合体としては、適宜合成したものを使用してもよいし市販品を使用してもよい。市販品としては、例えばJC−05(星光PMC社製)、ARUFON UC−3900、ARUFON UC−3910、ARUFON UC−3920(東亞合成社製)などが挙げられる。
前記水溶性ポリウレタン樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、タケラックW−5025、タケラックW−6010、タケラックW−5661(三井武田ケミカル社製)などが挙げられる。
前記水溶性ポリエステル樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ニチゴポリエスターW−0030、ニチゴポリエスターW−0005S30WO、ニチゴポリエスターWR−961(日本合成化学工業社製)、ペスレジンA−210、ペスレジンA−520(高松油脂社製)などが挙げられる。
前記高分子分散安定化剤の酸価は、40〜400mgKOH/gが好ましく、60〜350mgKOH/gがより好ましい。酸価が40mgKOH/g未満では、アルカリ溶液の溶解性が劣ることがあり、400mgKOH/gを超えると、顔料の粘度が高くなり吐出を悪化させ易くなったり、顔料分散体の分散安定性が低下し易くなることがある。
前記高分子分散安定化剤の質量平均分子量は、5,000〜20,000が好ましい。質量平均分子量が5,000未満では、顔料分散体の分散安定性が低下することがあり、20,000を超えると、アルカリ溶液の溶解性が劣ったり、粘度が高くなってしまうことがある。
前記高分子分散安定化剤の含有量は、顔料100質量部に対し1〜100質量部(固形分換算)が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。含有量が1質量部未満では、分散安定化の効果がなくなることがあり、100質量部を超えると、インク粘度が高くなってノズルからの吐出性を悪化させ易くなったり、経済性が劣ることがある。
<顔料分散剤>
前記第2形態では、着色剤が顔料分散剤を含有することが好ましい。顔料分散剤としては、アニオン系界面活性剤及びHLB値10〜20のノニオン系界面活性剤のいずれかが好適である。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えばNH、Na、Ca塩等)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(例えばNH、Na、Ca塩等)、ジアルキルサクシネートスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩(例えばNH、Na塩等)、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート塩、オレイン酸塩などが挙げられる。これらの中でも、ジオクチルスルホコハク酸Na塩、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルスルホン酸NH塩が特に好ましい。
前記HLB値10〜20のノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アセチレングリコールなどが挙げられる。
これらの中でも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルが特に好ましい。
前記顔料分散剤の含有量は、顔料100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。顔料分散剤の含有量が少ないと、充分に顔料を微細化することができず、多すぎると顔料に吸着していない過剰成分がインク物性に影響を与え、画像滲みや、耐水性、耐擦性の劣化を招くことになる。
前記顔料分散体の体積平均粒子径(D50)は、インク中において150nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。体積平均粒子径(D50)が150nmを超えると、急激に吐出安定性が低下し、ノズル詰まりやインクの曲がりが発生し易くなる。また、体積平均粒子径(D50)が100nm以下であれば、吐出安定性が向上し更に画像の彩度も向上する。
顔料分散剤によって水中に均一に微分散した顔料分散体は、水系媒体中に前記顔料分散剤を溶解させ、次に、前記顔料を加えて充分に湿潤させた後、ホモジナイザーによる高速撹拌、ビーズミルやボールミルのようなボールを用いた分散機、ロールミルのような剪断力を用いた混練分散機、超音波分散機等を用いる方法で作製することができる。ただし、このような混練分散工程の後には粗大粒子が含まれていることが多く、インクジェットノズルや供給経路の目詰まりの原因となるため、フィルターや遠心分離器を用いて粒径1μm以上の粒子を除去する必要がある。
また、第3形態の水分散性着色剤としては、上記顔料に加え、ポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンを使用することが好ましい。ポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンとは、ポリマー微粒子中に顔料を封入したもの、又はポリマー微粒子の表面に顔料を吸着させたものである。この場合、全ての顔料が封入又は吸着している必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲で該顔料がエマルジョン中に分散にしていてもよい。ポリマーエマルジョンを形成するポリマー(ポリマー微粒子におけるポリマー)としてはビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、及びポリウレタン系ポリマー等が挙げられるが、特に好ましく用いられるポリマーはビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーであり、特開2000−53897号公報、特開2001−139849号公報に開示されているポリマーを使用することができる。
また、第3形態では、一般的な有機顔料、又は無機顔料粒子を有機顔料又はカーボンブラックで被覆した複合顔料を好適に用いることができる。前記複合顔料は、無機顔料粒子の存在下で有機顔料を析出する方法や、無機顔料と有機顔料を機械的に混摩砕するメカノケミカル法等により作製することができる。更に必要に応じて、ポリシロキサン、アルキルシランから生成するオルガノシラン化合物の層を、無機顔料と有機顔料の中間に設けることで両者の接着性を向上させることが可能である。
前記有機顔料としては、ブラック顔料としてアニリンブラックが挙げられ、カラー顔料として、アントラキノン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジアゾ、モノアゾ、ピラントロン、ペリレン、複素環式イエロー、キナクリドン、(チオ)インジゴイドなどが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラック、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、モノアゾイエロー系顔料、ジスアゾイエロー系顔料、複素環式イエロー顔料が、発色性の面で特に優れている。
前記フタロシアニンブルーの代表的な例としては、銅フタロシアニンブルー又はその誘導体(C.I.ピグメントブルー15:3、15:4)、アルミニウムフタロシアニンなどが挙げられる。
前記キナクリドンとしては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ48、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット42などが挙げられる。
前記モノアゾイエローの代表的な例としては、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー151などが挙げられる。
前記ジスアゾイエローの代表的な例としては、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17などが挙げられる。
前記複素環式イエローの代表的な例としては、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー138などが挙げられる。
その他の適切な着色顔料としては、The Color Index、第三版(The Society of Dyers and Colourists,1982)に記載されている。
前記無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化鉄、水酸化鉄、酸化スズ等が挙げられるが、粒子形状はアスペクト比が小さいものが好ましく、球形が最も好ましい。また、前記無機顔料の色は、カラーの色材を表面に吸着させる場合は、透明あるいは白色であることが好ましいが、黒の色材を表面に吸着させる場合は、黒色の無機顔料を用いても構わない。前記無機顔料粒子の一次粒子径は100nm以下が好ましく、5〜50nmがより好ましい。
前記無機顔料粒子と色材である有機顔料又はカーボンブラックとの質量比は、3:1〜1:3が好ましく、3:2〜1:2がより好ましく。色材が少ないと発色性や着色力が低下することがあり、色材が多くなると透明性や色調が悪くなることがある。
このような無機顔料粒子を有機顔料又はカーボンブラックで被覆した色材粒子としては、戸田工業社製のシリカ/カーボンブラック複合材料、シリカ/フタロシアニンPB15:3複合材料、シリカ/ジスアゾイエロー複合材料、シリカ/キナクリドンPR122複合材料などが一次平均粒径が小さいので、好適に用いることができる。
ここで、20nmの一次粒子径を持つ無機顔料粒子を等量の有機顔料で被覆した場合、この顔料の一次粒子径は25nm程度になる。これに適当な分散剤を用いて一次粒子まで分散できれば、分散粒子径が25nmの非常に微細な顔料分散インクを作製することができる。前記複合顔料は表面の有機顔料のみが分散に寄与するだけでなく、厚み約2.5nmの有機顔料の薄層を通して中心にある無機顔料の性質も現れてくるため、両者を同時に分散安定化できる顔料分散剤の選択も重要である。
前記着色剤のインク中の含有量は、固形分で2〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましい。含有量が2質量%未満では、インクの発色性及び画像濃度が低くなってしまうことがあり、15質量%を超えると、インクが増粘して吐出性が悪くなってしまうことがあるし、経済的にも好ましくない。
−界面活性剤−
界面活性剤としては、着色剤の種類や湿潤剤の組み合わせによって分散安定性を損なわず、静的表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものが好ましく、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種が好適である。これらの中でも、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が特に好ましい。
これら界面活性剤は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16であるものが好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16であるものがより好ましい。フッ素置換した炭素数が2未満では、フッ素の効果が得られないことがあり、16を超えると、インク保存性などの問題が生じることがある。
アニオン系フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、などが挙げられる。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
ノニオン系フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩などが挙げられるが、特に下記一般式(1)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 0005810883
上記式中、m、nは0以上の整数であり、水溶性を付与するため、mは0〜10が好ましく、nは0〜40が好ましい。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤の具体例としては、下記一般式(2)〜(10)で表わされる化合物が好適に用いられる。
(1)アニオン系フッ素系界面活性剤
Figure 0005810883
上記式中、Rfは、下記構造式で表わされるフッ素含有疎水基の混合物を表わす。Aは、−SOX、−COOX、又は−POX〔但し、Xは対アニオンであり、具体的には、H、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、又はNH(CHCHOH)が挙げられる〕を表わす。
Figure 0005810883
Figure 0005810883
上記式中、Rf′は下記構造式で表わされるフッ素含有基を表わす。Xは、前記一般式(2)のXと同じ意味を表わす。nは1又は2の整数、mは2−nを表わす。
Figure 0005810883
上記式中、nは3〜10の整数を表わす。
Figure 0005810883
上記式中、Rf′は、前記一般式(3)のRf′と、Xは、前記一般式(2)のXと同じ意味を表わす。
Figure 0005810883
上記式中、Rf′は、前記一般式(3)のRf′と、Xは、前記一般式(2)のXと同じ意味を表わす。
(2)ノニオン系フッ素系界面活性剤
Figure 0005810883
上記式中、Rfは、前記一般式(2)のRfと同じ意味を表わす。nは5〜20の整数を表わす。
Figure 0005810883
上記式中、Rf′は、前記一般式(3)のRf′と同じ意味を表わす。nは1〜40の整数を表わす。
(3)両性フッ素系界面活性剤
Figure 0005810883
上記式中、Rfは、前記一般式(2)のRfと同じ意味を表わす。
(4)オリゴマー型フッ素系界面活性剤
Figure 0005810883
上記式中、Rf″は、下記構造式で表わされるフッ素含有基を表わす。nは0〜10の整数を表わす。Xは、前記一般式(2)のXと同じ意味を表わす。
Figure 0005810883
上記式中、nは1〜4の整数を表わす。
Figure 0005810883
上記式中、Rf″は、前記一般式(9)のRf″と同じ意味を表わす。lは0〜10の整数、mは0〜10の整数、nは0〜10の整数を表わす。
前記フッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)などが挙げられる。これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する均染性が著しく向上する点から、DuPont社製のFS−300、ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW及びオムノバ社製のポリフォックスPF−151Nが特に好ましい。
前記シリコーン系界面活性剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学株式会社などから容易に入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(11)で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物などが挙げられる。
Figure 0005810883
上記式中、m、n、a、及びbは整数を表わす。R及びR′はアルキル基、アルキレン基を表わす。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー社)などが挙げられる。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、などが挙げられる。
これらの界面活性剤のインク中の含有量は、0.001〜5質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましい。含有量が0.001質量%未満では界面活性剤を添加した効果が小さくなることがあり、5質量%より多いと添加量を増やしても効果に違いが見られないことがある。
―浸透剤―
インクには、浸透性と水への溶解性を両立させるため、浸透剤として炭素数8〜11の非湿潤剤性ポリオール化合物又はグリコールエーテル化合物を少なくとも1種含有させることが好ましい。ここで、非湿潤剤性とは、25℃の水中において0.2〜5.0質量%の間の溶解度を有することを意味する。
浸透剤としては、下記一般式(12)で表される1,3−ジオール化合物が好ましく、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]が特に好ましい。
Figure 0005810883
上記式中、R′はメチル基又はエチル基であり、R″は水素又はメチル基であり、R″′はエチル基又はプロピル基である。
その他の非湿潤剤性ポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどの脂肪族ジオールが挙げられる。
その他の併用できる浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
前記浸透剤のインク中の含有量は、0.1〜4.0質量%が好ましい。含有量が0.1質量%未満では、速乾性が得られず滲んだ画像となることがあり、4.0質量%を超えると、着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりし易くなったり、記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
−水分散性樹脂−
前記水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えたものが、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。その例としては縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。
前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、特にポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が好ましい。
また、前記水分散性樹脂を2種類以上併用することは全く問題ない。
前記フッ素系樹脂微粒子としては、フルオロオレフィン単位を有するフッ素系樹脂微粒子が好ましく、これらの中でも、フルオロオレフィン単位及びビニルエーテル単位から構成されるフッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子が特に好ましい。
前記フルオロオレフィン単位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば−CFCF−、−CFCF(CF)−、−CFCFCl−などが挙げられる。
前記ビニルエーテル単位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表される基などが挙げられる。
Figure 0005810883
前記フルオロオレフィン単位及びビニルエーテル単位から構成されるフッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子としては、上記フルオロオレフィン単位とビニルエーテル単位が交互に共重合した交互共重合体が好ましい。
このようなフッ素系樹脂微粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業社製のフルオネートFEM−500、FEM−600、ディックガードF−52S、F−90、F−90M、F−90N、アクアフランTE−5A;旭硝子社製のルミフロンFE4300、FE4500、FE4400、アサヒガードAG−7105、AG−950、AG−7600、AG−7000、AG−1100などが挙げられる。
前記水分散性樹脂は、ホモポリマーとして使用しても、コポリマーとして使用してもよく、複合系樹脂として使用してもよい。また、単相構造型及びコアシェル型、パワーフィード型エマルジョンのいずれのものも使用できる。
前記水分散性樹脂としては、樹脂自身が親水基を有し自己分散性を持つもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基を持つ樹脂により分散性を付与したものが使用できる。これらの中でも、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマーや不飽和単量体の乳化重合又は懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョンが最適である。
不飽和単量体の乳化重合の場合には、不飽和単量体、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、及びpH調整剤などを添加した水中で反応させて樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を容易に替えられるため目的の性質を作りやすい。
前記不飽和単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、単官能又は多官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類、(メタ)アクリル酸アミド単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルシアノ化合物単量体類、ビニル単量体類、アリル化合物単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類、不飽和炭素を持つオリゴマー類などを単独で又は複数組み合わせて用いることができる。これらの単量体を組み合わせることにより柔軟に性質を改質することが可能であり、オリゴマー型重合開始剤を用いて重合反応、グラフト反応を行うことにより、樹脂の特性を改質することもできる。
前記不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸等が挙げられる。
前記単官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、などが挙げられる。
前記多官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2′−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2′−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アミド単量体類としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
前記芳香族ビニル単量体類としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
前記ビニルシアノ化合物単量体類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
前記ビニル単量体類としては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸又はその塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記アリル化合物単量体類としては、例えばアリルスルホン酸その塩、アリルアミン、アリルクロライド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
前記オレフィン単量体類としては、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
前記ジエン単量体類としては、例えば、ブタジエン、クロロプレン等が挙げられる。
前記不飽和炭素を持つオリゴマー類としては、例えば、メタクリロイル基を持つスチレンオリゴマー、メタクリロイル基を持つスチレン−アクリロニトリルオリゴマー、メタクリロイル基を持つメチルメタクリレートオリゴマー、メタクリロイル基を持つジメチルシロキサンオリゴマー、アクリロイル基を持つポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
前記水分散性樹脂は、強アルカリ性、強酸性下では分散破壊や加水分解などの分子鎖の断裂が引き起こされるため、pHは4〜12が好ましく、特に水分散性着色剤との混和性の点からpHは6〜11がより好ましく、7〜9が更に好ましい。
前記水分散性樹脂の平均粒径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化した時に過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は50nm以上が好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくても、粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させる。そこで、インク吐出性を阻害させないために、体積平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましく、150nm以下が更に好ましい。
また、前記水分散性樹脂は、着色剤を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが好ましい。そのため、水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましい。また水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃未満になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−40℃以上であることが好ましい。
前記水分散性樹脂のインク中の含有量は、固形分で、2〜30質量%が好ましく、5〜25質量%がより好ましい。
ここで、前記着色剤、着色剤中の顔料、及び前記水分散性樹脂の固形分含有量は、例えば、インク中から着色剤と水分散性樹脂分のみを分離する方法により測定することができる。また、着色剤として顔料を用いている場合には、熱質量分析により質量減少率を評価することで着色剤と水分散性樹脂との比率を測定できる。また、着色剤の分子構造が明らかな場合には、顔料や染料ではNMRを用いて着色剤の固形分量を定量することが可能であり、重金属原子、分子骨格に含まれる無機顔料、含金有機顔料、含金染料では蛍光X線分析を用いることで着色剤の固形分量を定量することが可能である。
−その他の成分−
その他の成分としては特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えばpH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。
pHが7未満又は11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス{1,1−ジメチル−2−〔β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート〕メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、等が挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−β,β′−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト、等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、等が挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、等が挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート、等が挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、等が挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2′−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2′−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2′−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)、等が挙げられる。
―インクジェット用インクの製法―
本発明で用いられるインクは、着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤及び水、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。この攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
インクはインクカートリッジ等の容器中に収容して使用しても良い。
―インクジェット用インク物性―
インクの物性には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば粘度、静的表面張力は以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は5〜25mPa・sが好ましい。インク粘度を5mPa・s以上とすることにより、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。また、インク粘度を25mPa・s以下に抑えることにより、吐出性を確保できる。
ここで、前記粘度は、例えば、粘度計(RE−550L、東機産業社製)を使用して、25℃で測定することができる。
インクの静的表面張力は、25℃で30mN/m以下が好ましく、28mN/m以下がより好ましい。静的表面張力を30mN/m以下にすると、浸透性がよくなり、ビーディングが低減するので、普通紙印字での乾燥性が良好となる。また、前処理層に濡れ易くなるので、発色性が良くなり白ポチも改良される。一方、静的表面張力が30mN/mを超えると、記録用メディア上でのインクのレベリングが起こり難く、乾燥時間の長時間化(乾燥性が悪くなる)を招くことがある。
上記インクは、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることによりインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などのいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタにも良好に使用できる。
≪前処理液≫
本発明で用いられる前処理液は、少なくとも水と水溶性脂肪族系有機酸を含有し、必要に応じて、水溶性有機モノアミン化合物、有機酸アンモニウム塩、水溶性カチオンポリマー、脂肪族系有機酸塩化合物、無機金属塩化合物、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤などを含有する。
―水溶性脂肪族系有機酸―
水溶性脂肪族系有機酸は水分散性着色剤を凝集させる性質を有する。ここで、凝集するとは水分散性着色剤粒子同士が吸着集合する意味であり、粒度分布測定装置により確認することができる。
前処理液に水溶性脂肪族系有機酸等のイオン性物質を加えると、水分散性着色剤の表面電荷にイオンが吸着して表面電荷が中和されるので、分子間力による凝集作用が増強され凝集させることができる。凝集を確認する方法としては、水分散性着色剤濃度が5質量%のインク5μLに、前処理液を30mL加えたときに、瞬時に着色剤が凝集するかどうかを確認する方法が挙げられる。
水溶性脂肪族系有機酸としては、水溶性脂肪族系カルボキシル基含有有機酸や水溶性脂肪族系スルホン酸基含有有機酸が好適に用いられる。ここで、脂肪族とは直鎖又は分岐の炭化水素基を含むことを意味し、炭化水素基は飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でも良い。水溶性脂肪族系有機酸の炭素数は特に限定されないが、溶媒への溶解性の点から、1分子あたり2〜6個が好ましく、2〜4個がより好ましい。この水溶性脂肪族系有機酸における酸基の数は、画像濃度の点から、1分子あたり3個以下であることが好ましく、より好ましくは2個以下、更に好ましくは1個である。
水溶性脂肪族系有機酸としては、次の一般式(V)で表される水溶性脂肪族系カルボキシル基含有有機酸が好適に用いられる。
Figure 0005810883
上記式中、Rは水素原子、又は水酸基もしくはカルボキシル基により置換されたメチル基を表し、Rはメチル基、カルボキシル基により置換されたメチル基、又は水酸基及びカルボキシル基により置換されたメチル基を表す。
前記一般式(V)で表される化合物としては、例えば、乳酸(pKa:3.83)、リンゴ酸(pKa:3.4)、クエン酸(pKa:3.13)、酒石酸(pKa:2.93)等が挙げられる。
前記一般式(V)以外の水溶性脂肪族系有機酸としては、グルコン酸(pKa:2.2)、ピルビン酸(pKa:2.49)、フマル酸(pKa:3.02)が挙げられる。
前記水溶性脂肪族系スルホン酸基含有有機酸としては、例えばタウリンを好適に用いることができる。
これらの水溶性脂肪族系有機酸の添加量は、前処理液全体の1〜40質量%が好ましく、更に好ましくは3〜30質量%である。添加量が40質量%よりも多いと、処方上中和に必要な量の水溶性有機モノアミンを入れられなくなる可能性があり、1質量%よりも少ないと画像品質を向上させる効果が小さくなる可能性がある。
―水溶性有機モノアミン化合物―
前処理液は、インクの浸透性制御及び金属の腐食防止性付与の目的で水溶性有機モノアミン化合物を含有することが好ましい。
水溶性有機モノアミン化合物としては、1級〜4級アミン及びそれらの塩のいずれであっても構わない。なお、4級アミンとは、窒素原子に4つのアルキル基が置換した化合物を意味する。水溶性有機モノアミン化合物の炭素数は特に限定されないが、溶媒への溶解性の点から、1分子あたり2〜12個であることが好ましく、2〜6個であることがより好ましい。
前記水溶性有機モノアミン化合物としては、次の一般式(VI)又は(VII)式で表される化合物が好適に用いられる。
Figure 0005810883
上記式中、R、R、R10は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピル基を表す。但し、R、R、R10が全て水素原子である場合を除く。
Figure 0005810883
上記式中、R11はヒドロキシメチル基を表し、R12はメチル基、エチル基、又はヒドロキシメチル基を表し、R13は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はヒドロキシメチル基を表す。
前記一般式(VI)で表される化合物としては、例えば、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、等が挙げられる。
前記一般式(VII)で表される化合物としては、例えば、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
一般式(VI)及び一般式(VII)以外の水溶性有機モノアミン化合物としては、例えば、アリルアミン、ジアリルアミン、3−エトキシプロピルアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、3−メトキシプロピルアミン、コリン等が挙げられる。
これらの水溶性有機モノアミン化合物の添加量は、前記水溶性脂肪族系有機酸が持つ酸基1モルに対して1.0〜1.5モルが好ましく、更に好ましくは1.0〜1.2モルである。添加量が1.0モルよりも少ないと、画像形成物のドットの絞まりにより白スジが発生する可能性があり、1.5モルよりも多いと、遊離した水溶性有機モノアミン化合物がインクの浸透を促進して画像濃度を低下させる可能性がある。
水溶性有機モノアミン化合物は、水溶性脂肪族系有機酸との中和塩を作る為に必要であり、前処理液のpHを5以上とすることも重要なので、水溶性有機モノアミン化合物又は水溶性脂肪族系有機酸の分子量などに応じて適宜水溶性有機モノアミン化合物の量を調整する必要がある。
−有機酸アンモニウム塩−
前処理液は、水溶性脂肪族系有機酸と共に、又は該有機酸に代えて、有機酸アンモニウム塩を含有しても良く、水溶性脂肪族系有機酸を用いた場合と同様の効果が得られる。
前記有機酸アンモニウム塩としては、水への溶解性、解離される各イオンの酸性又は塩基性の程度のバランス、キレートの形成し易さ等の理由から、下記一般式(13)で示される有機酸アンモニウム塩が用いられる。この有機酸アンモニウム塩の炭素数は特に限定されないが、水への溶解性の点から1分子あたり6個以下であることが好ましい。有機酸アンモニウム塩の具体例としては、乳酸アンモニウム、酢酸アンモニウムが挙げられる。
有機酸アンモニウム塩の添加量は、前処理液全体の1〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。添加量が40質量%よりも多いと、添加量を増やしても画像の品質を向上させる効果が変わらなくなったり、前処理液の粘度が増加したりする場合がある。添加量が1質量%よりも少ないと、画像の品質を向上させる効果が小さくなる可能性がある。
Figure 0005810883
上記式中、R、Rは低級アルキル基を表す。
−水溶性カチオンポリマー−
前処理液は、水溶性脂肪族系有機酸と共に、又は該有機酸に代えて、水溶性カチオンポリマーを含有しても良く、水溶性脂肪族系有機酸を用いた場合と同様の効果が得られる。
前処理液に用いられる水溶性カチオンポリマーとしては、アミンとエピハロヒドリンとを含むモノマーを重合させた水溶性カチオンポリマーが挙げられる。この水溶性カチオンポリマーは、主鎖に水酸基やアンモニウムカチオン等を含み、また、水溶液中でハロゲンアニオンを遊離することにより、インクと接触した場合に緩衝作用や顔料を凝集させる作用を高める働きを有すると考えられる。
この水溶性カチオンポリマーとしては、ポリアミン−エピハロヒドリン共重合体、ポリアミド−エピハロヒドリン共重合体又はポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン共重合体、アミン−エピハロヒドリン共重合体から選ばれる水溶性カチオンポリマーが好適である。より好ましくは、下記一般式(VIII)で示される共重合体、下記一般式(IX)で示される繰り返し単位を有する共重合体、並びに、下記一般式(X)のアミンモノマーと、下記一般式(XI)及び一般式(XII)で示されるモノマーの共重合体、から選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられる。
アミンモノマーとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン及びイミノビスプロピルアミン等が挙げられるが、工業的に製造されており簡単に入手できる点で、下記一般式(X)で示されるモノマーが好ましい。
なお、これらの化合物以外の第4級アンモニウム塩型カチオンポリマーや、場合によっては水分散性カチオンポリマーを水溶性カチオンポリマーとして用いても良い。
Figure 0005810883
上記式中、R14〜R21は、同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素数が1〜8のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、又はベンジル基のいずれか一つの基を表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜4を表す。
Figure 0005810883
上記式中、Xはハロゲン原子を表し、mは1以上の整数を表す。
Figure 0005810883
Figure 0005810883
Figure 0005810883
上記式中、Xはハロゲン原子を表す。
前記水溶性カチオンポリマーは、アミンと、エピハロヒドリンとを含むモノマーを重合する方法、アミンとカルボン酸を含むモノマーを重合することにより得られたポリアミドにエピハロヒドリンを含むモノマーをグラフト重合する方法等の公知の方法によって得られる。水溶性カチオンポリマーの質量平均分子量は、共重合体の種類によって異なり、ポリアミン−エピハロヒドリン共重合体の場合、500〜10万の範囲が好ましく、ポリアミド−エピハロヒドリン共重合体又はポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン共重合体の場合、1万〜500万の範囲が好ましく、アミン−エピハロヒドリン共重合体の場合、700〜5万の範囲が好ましい。質量平均分子量が上記の各上限を超えると水溶液にならない場合があり、各下限に満たないと前処理効果が低下する場合がある。
水溶性カチオンポリマーの添加量は、前処理液全体の1〜40質量%が好ましく、より好ましくは3〜30質量%である。添加量が40質量%よりも多いと、添加量を増やしても画像の品質を向上させる効果が変わらなくなる可能性があるばかりでなく、前処理液の粘度が増加し過ぎる可能性がある。添加量が1質量%よりも少ないと画像の品質を向上させる効果が小さくなる可能性がある。
―脂肪族系有機酸塩化合物、無機金属塩化合物―
前処理液に脂肪族系有機酸塩化合物又は無機金属塩化合物を添加すると、顔料が記録用メディア表面に留まりやすくなり、塩析効果が向上するために画像濃度が増加する。
前記脂肪族系有機酸塩化合物としては、例えば、L−アスパラギン酸ナトリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、琥珀酸ナトリウム、琥珀酸二ナトリウム、琥珀酸二アンモニウム、クエン酸アルミニウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸三アンモニウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸二アンモニウム、クエン酸二ナトリウム、乳酸亜鉛、乳酸アルミニウム、乳酸アンモニウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、乳酸マグネシウム、酒石酸カリウム、酒石酸カルシウム、DL−酒石酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウム等が挙げられる。
前記無機金属塩化合物としては、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マンガン、硫酸ニッケル、硫酸鉄(II)、硫酸銅(II)、硫酸亜鉛、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硝酸コバルト、硝酸ストロンチウム、硝酸銅(II)、硝酸ニッケル(II)、硝酸鉛(II)、硝酸マンガン(II)、塩化ニッケル(II)、塩化カルシウム、塩化スズ(II)、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。
前記脂肪族系有機酸塩化合物又は無機金属塩化合物の添加量は、前処理液全体の0.1〜30質量%が好ましく、更に好ましくは1〜20質量%である。30質量%より大きい場合には、脂肪族系有機酸塩化合物が十分に溶解せずに析出することがあり、0.1質量%より小さい場合には画像濃度向上効果が小さくなることがある。
―水溶性有機溶剤―
前処理液には、インクの浸透性制御及び金属の腐食防止性の目的で水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。水溶性有機溶剤としては、前述したインクに使用される多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等を使用すると良い。
これらの水溶性有機溶剤は、開放状態で放置されても多量の水分を保持することにより前処理液に流動性を付与する。この場合、水溶性有機溶剤として平衡水分量の高い水溶性有機溶剤を用いることにより、前処理液の水分が蒸発して平衡状態に達した場合にも極端な粘度上昇を抑えることができる。
ここで云う平衡水分量も前述したインクに使用される水溶性有機溶剤と同様に測定され、平衡水分量が高い水溶性有機溶剤としては、温度23℃、湿度80%環境中の平衡水分量が30質量%以上、好ましくは40質量%以上である水溶性有機溶剤が好ましい。
これらの水溶性有機溶剤の前処理液中における含有量は、特に限定されないが、通常、10〜80質量%、好ましくは15〜60質量%である。80質量%より大きいと水溶性有機溶剤の種類によっては前処理後の記録用メディアが乾燥しにくくなる可能性があり、10質量%より小さいと前処理中に水分蒸発が生じ、前処理液の組成が大きく変わってしまう可能性がある。
―界面活性剤―
前処理液には、記録用メディア表面の濡れ性を改質し、画像形成物の画像濃度、彩度及び白ポチを改良するため界面活性剤を添加することができる。この場合、記録用メディア表面の濡れ及びインクの浸透性を向上させるため、界面活性剤により前処理液の静的表面張力を30mN/m以下に調整することが好ましい。
このような界面活性剤としては、前述したインクに使用されるノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が好適に用いられる。特に、静的表面張力を30mN/m以下に下げることが可能なシリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が好適である。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いても良い。
界面活性剤の前処理液中の含有量は、0.001〜5質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましい。含有量が0.001質量%未満では、界面活性剤を添加した効果が小さくなることがあり、5質量%より多いと添加量を増やしても効果に違いが見られないことがある。
―浸透剤―
前処理液は、前述したインクと同様に、浸透性と水への溶解性を両立させるため、浸透剤として炭素数8〜11の非湿潤剤性ポリオール化合物又はグリコールエーテル化合物を少なくとも1種含有することが好ましい。非湿潤剤性の定義、及び好ましい浸透剤、その他の非湿潤剤性ポリオール化合物、その他の併用できる浸透剤は、前述したインクの場合と同様である。
浸透剤の前処理液中の含有量は、0.1〜5.0質量%が好ましい。含有量が0.1質量%未満では、前処理液を浸透させる効果がなくなることがあり、5.0質量%を超えると、溶媒への溶解性が低い為に溶媒から分離して浸透性を向上させるこうかが飽和してしまうことがある。
上記以外の前処理液の構成成分(例えば防腐防黴剤、防錆剤等の添加剤)については、必要に応じて、前述したインクに用いられるものと同じ材料を用いることができる。
≪記録用メディア≫
記録用メディアとしては種々のものを用いることができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ただし、画像品質(画像濃度、彩度、ビーディング、カラーブリード)に優れ、かつ光沢性が高く、更にスミア定着性にも優れた画像を形成するためには、吸液特性が一定範囲内の一般印刷用紙を用いる必要があり、具体的には、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の記録用メディアへの転移量が1〜15mL/m、好ましくは2〜13mL/mである印刷用紙を用いる。接触時間100msでの前処理液、インク及び純水の転移量が少なすぎると、ビーディングやカラーブリードが発生しやすくなるし、多すぎると、記録後のインクドット径が所望の径よりも小さくなり、ベタ画像が上がらないことがある。
前記動的走査吸液計(dynamic scanning absorptometer;DSA,紙パ技協誌、第48巻、1994年5月、第88〜92頁、空閑重則)は、極めて短時間における吸液量を正確に測定できる装置である。この装置は、(i)吸液の速度をキャピラリー中のメニスカスの移動から直読する、(ii)試料を円盤状とし、この上で吸液ヘッドをらせん状に走査する、予め設定したパターンに従って走査速度を自動的に変化させ、1枚の試料で必要な点の数だけ測定を行う、という方法によって測定を自動化したものである。紙試料への液体供給ヘッドはテフロン(登録商標)管を介してキャピラリーに接続され、キャピラリー中のメニスカスの位置は光学センサで自動的に読み取られる。具体的には、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工社製)を用いて、純水の転移量を測定した。接触時間100msにおける転移量は、それぞれ接触時間の近隣接触時間における転移量の測定値から補間により求めることができる。
この吸液特性が一定範囲内の印刷用紙としては市販品を用いることができ、その例としては、リコービジネスコーグロス100(リコー社製)、OKトップコート+、OK金藤+、SA金藤+(王子製紙社製)、スーパーMIダル、オーロラコート、スペースDX(日本製紙社製)、αマット、ミューコート(北越製紙社製)、雷鳥アート、雷鳥スーパーアート(中越パルプ工業社製)、パールコートN(三菱製紙社製)などが挙げられる。
また、この吸液特性が一定範囲内の一般印刷用紙としては、支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有するものが好適である。
≪画像形成方法≫
本発明の画像形成方法は、記録用メディア表面に前処理液を塗布する前処理工程と、記録用メディアの前処理液を塗布した面上に、インクを飛翔させて画像を形成する画像形成工程とを有する。この前処理工程では、前処理液を塗布法又は飛翔(インクジェット吐出)させることができる。
―前処理工程―
本発明における前処理工程としては、記録用メディアの画像表面の全体にわたって付与しても、画像表面の特定の部分のみに付与してもよい。前処理液を付与する方法としては特に制限はなく、前処理液の種類によって各種方法を適宜選択できるが、前処理液を全体にわたって付与する場合は、塗布法が適しており、画像表面の特定の部分のみに付与する場合は、インクジェット用インクを飛翔させる方法と同様の方法が適している。
前記塗布法としては特に制限はなく、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本〜5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
前処理工程は、表面が充分乾燥されている記録用メディアに対して行っても、乾燥中の記録用メディアに対して行っても効果を発揮する。なお、前処理を施した記録用メディアに対し、必要に応じて乾燥工程を設けることができる。この場合、赤外線乾燥装置、マイクロ波乾燥装置、ロールヒーター、ドラムヒーターや温風により印刷用紙を乾燥することができる。
前処理液の記録用メディアへのウエット付着量は、0.1〜30.0g/mの範囲が好ましく、より好ましくは0.2〜10.0g/mである。付着量が0.1g/m未満では、画像品質(画像濃度、彩度、ビーディング及びカラーブリード)の向上が殆ど見られないことがあり、30.0g/mを超えると、前処理液の乾燥性が悪くなり、更にカールが発生することがある。
―インク飛翔工程(画像形成工程の一例)―
本発明の画像形成方法におけるインク飛翔工程は、インクに刺激(エネルギー)を印加し、前処理液を塗布した記録用メディアに、インクを飛翔させて印刷用紙に画像を形成する工程である。この工程の方法としては、公知のあらゆるインクジェット記録方法を適用でき、例えば、ヘッドを走査する方式のインクジェット記録方法や、ライン化されたヘッドを用い、ある枚葉の印刷用紙に画像記録を行うインクジェット記録方法が挙げられる。
インク飛翔工程におけるインク飛翔手段である記録ヘッドの駆動方式には特に限定はなく、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータ等を利用したオンディマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドで記録することもできる。
本発明の画像形成方法では、インクを飛翔させた記録用メディアに対し、必要に応じて加熱乾燥工程を設けることができる。この場合、赤外線乾燥装置、マイクロ波乾燥装置、ロールヒーター、ドラムヒーターや温風により印刷用紙を乾燥することができる。また、画像形成表面を平滑化及び画像定着する方法として、加熱手段により100〜150℃に加熱し、熱定着させる定着工程を設けても良い。この定着工程を設けることにより、画像記録物の光沢性及び定着性が向上する。ここで熱定着手段としては、加熱された鏡面を持つローラやドラムヒーター等が好適に用いられ、画像形成表面にロールヒーター、ドラムヒーターの鏡面部(平滑部)を接触させることができる。加熱温度については、画像品質、安全性及び経済性を考えると100〜150℃に加熱された定着ローラが好ましい。
前処理工程は連続的に10〜5000mm/sの一定の線速度で行うことが好ましい。このため、例えば、枚葉の記録用メディアを用い、ある枚葉の記録用メディアについてみると、記録用メディアに前処理液を付与する工程をその枚葉について終了した後に、画像形成工程に入り、インクジェット記録方法により画像形成を行うことができる装置を用いることが好ましい。しかし、この装置の場合、前処理液付与の速度と画像記録との速度が殆どの場合に一致しないので、その枚葉の記録開始部と記録終了部とでは、前処理液が付与されてから画像が記録されるまでの時間に差があることになる。この差がかなり大きくなった場合でも、水よりも沸点が高く、蒸発速度の小さな親水性の溶媒を多量に含み、プリンタを使用している環境での空気中の水分と平衡する量に近い水分比率に調整されている前処理液では、液からの水分蒸発が著しく抑制されるため、枚葉の記録用メディアの、記録開始部と記録終了部で生じる画像品質の差を、少なくとも目視で観察できる水準以下にすることができる。
前記装置では、前処理液を付与した後、画像を形成するために、前処理液の付与された記録用メディアを、ローラ、コロ、ガイドなどの記録用メディアに接触する手段で搬送することが必要になる場合が多い。このような場合に、記録用メディアに付与された前処理液が記録用メディアの搬送部材に転写してしまうと、搬送機能に障害を生じたり、汚れが蓄積したりして、画像品質が低下してしまうという問題を生じる。この問題を防止するには、装置側から、例えばガイドを波板にしたり、コロを拍車状にしたり、ローラの表面を撥水性の材料にしたりするという手段を講じると、問題の発生を軽減することができる。
しかしながら、記録用メディアに付与された前処理液は、極力速やかに記録用メディアに吸収され、見かけ上は乾燥された状態にすることが望ましい。この目的を達成するためには、前処理液の静的表面張力を30mN/m以下として、速やかに前処理液が記録用メディアに浸透するようにすることが有効である。前処理液付与後の「乾燥固化」は、上記のように、記録用メディアに前処理液が吸収されて、見かけ上乾燥したようになることを意味するものではなく、水分などの前処理液中の液状物が蒸発し、液体状態を保てなくなって固化することを意味している。前処理液を選択し、前処理液付与装置と画像記録装置がセットになった記録装置を用いれば、前処理液が記録用メディアに吸収され、見かけ上は乾燥している状態になっていても、前処理液が固化していない状態でインクジェット記録を行うことができ、前処理液の付与量が極めて少なくても画像品質を著しく向上できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1〜27、比較例1〜12
<インクジェット用インクの調製>
(調製例1)
−水溶性高分子化合物水溶液Aの調製−
下記(1)〜(3)からなる組成の材料を撹拌機で加熱撹拌して、(1)の共重合体を溶解し、微量の不溶物を平均孔径5μmのフィルターで濾過して、水溶性高分子化合物水溶液Aを調製した。
<組成>
(1)下記一般式(XIII)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体(星光PMC社製、T−YP112、R:炭素数18〜22のアルキル基、n:30〜100の整数、酸価190mgKOH/g、質量平均分子量:10万)・・・10.0質量部
Figure 0005810883
(2)1規定のLiOH水溶液・・・17.34質量部
〔(1)の共重合体の酸価の1.2倍量〕
(3)イオン交換水・・・72.66質量部

なお、上記(1)の共重合体は炭素数20〜24のオレフィンを用いて合成しており、得られる共重合体は、二重結合を形成する二つの炭素を除いた炭素数が18〜22のアルキル基(R)がランダムに高分子鎖に導入された共重合体である。
<平均分子量測定>
上記(1)の共重合体の質量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ分析)システムを用いて、以下のようにして測定した。
まず、テトラヒドロフラン(THF)に共重合体を溶解させた。
次いで、GPCカラムとしてKF−806L(THF用)を用い、分子量標準物質として、分子量が判っている三種類のポリスチレン(分子量1000、2400、8500)を測定し、検量線を作成した。
次いで、上記(1)の共重合体についてGPC測定し、得られたSEC(サイズ排除)クロマトグラム、微分分子量分布曲線と、分子量標準物質で得られた検量線を反映させたグラフから、質量平均分子量を算出した。
(調製例2)
−表面処理ブラック顔料分散液の調製−
CTAB比表面積150m/g、DBP吸油量100mL/100gのカーボンブラック90gを、2.5規定の硫酸ナトリウム水溶液3000mLに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行った。この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム水溶液で中和し、限外濾過を行った。
得られたカーボンブラックを水洗し、乾燥させて、固形分30質量%となるよう純水中に分散させ、充分に撹拌してブラック顔料分散液を得た。このブラック顔料分散液における顔料分散体の体積平均粒子径(D50)を、粒度分布測定装置(日機装社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、103nmであった。
(調製例3)
<マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製>
−ポリマー溶液Aの調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18.0gの混合溶液を、2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18.0gの混合溶液を、0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364.0gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
−マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製−
ポリマー溶液Aを28gと、顔料のC.I.ピグメントレッド122を42g、1モル/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20.0g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータでメチルエチルケトンと水を留去し、更に粗大粒子を除くため、この分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、顔料濃度15質量%、固形分濃度20質量%のマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。この分散液におけるポリマー微粒子の体積平均粒子径(D50)を調製例2と同様にして測定したところ127nmであった。
(調製例4)
−シアン顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製−
調製例3における顔料を、フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)に変えた点以外は調製例3と同様にして、シアン顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。この分散液におけるポリマー微粒子の体積平均粒子径(D50)を調製例2と同様にして測定したところ93nmであった。
(調製例5)
−イエロー顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製−
調製例3における顔料を、モノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74)に変えた点以外は調製例3と同様にして、イエロー顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。この分散液におけるポリマー微粒子の体積平均粒子径(D50)を調製例2と同様にして測定したところ、76nmであった。
(調製例6)
−カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製−
調製例3における顔料を、カーボンブラック(デグサ社製、FW100)に変えた点以外は、調製例3と同様にして、カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。この分散液におけるポリマー微粒子の体積平均粒子径(D50)を調製例2と同様にして測定したところ、104nmであった。
(調製例7)
−イエロー顔料界面活性剤分散液の調製−
(1)モノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74、大日精化工業社製)・・・30.0質量部
(2)ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬社製、ノイゲンEA−177、HLB値=15.7)・・・10.0質量部
(3)イオン交換水・・・60.0質量部

上記界面活性剤(2)をイオン交換水(3)に溶解し、顔料(1)を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性高分子化合物水溶液として、水溶性ポリウレタン樹脂(タケラックW−5661、三井武田ケミカル社製、有効成分35.2質量%、酸価40mgKOH/g、質量平均分子量18,000)を4.26質量部添加し、充分に撹拌してイエロー顔料界面活性剤分散液を得た。この分散液における顔料分散体の体積平均粒子径(D50)を調製例2と同様にして測定したところ、62nmであった。
(調製例8)
−マゼンタ顔料界面活性剤分散液の調製−
(1)キナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122、大日精化工業社製)・・・
30.0質量部
(2)ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル(ノニオン系界面活性剤、竹本油脂社製、RT−100、HLB値=18.5)・・・10.0質量部
(3)イオン交換水・・・60.0質量部

上記界面活性剤(2)をイオン交換水(3)に溶解し、顔料(1)を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(JC−05、星光PMC社製、有効成分21質量%、酸価170mgKOH/g、質量平均分子量16,000)7.14質量部を添加し、充分に撹拌してマゼンタ顔料界面活性剤分散液を得た。この分散液における顔料分散体の体積平均粒子径(D50)を調製例2と同様にして測定したところ、83nmであった。
(調製例9)
−シアン顔料界面活性剤分散液の調製−
(1)フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業社製)・・・30.0質量部
(2)ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬社製、ノイゲンEA−177、HLB値=15.7)・・・10.0質量部
(3)イオン交換水・・・60.0質量部

上記界面活性剤(2)をイオン交換水(3)に溶解し、顔料(1)を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に前記調製例1の水溶性高分子化合物水溶液Aを7.51質量部と、水溶性ポリエステル樹脂(ニチゴポリエスターW−0030、日本合成化学工業社製、有効成分29.9質量%、酸価100mgKOH/g、質量平均分子量7,000)を2.51質量部添加し、充分に撹拌してシアン顔料界面活性剤分散液を得た。この分散液における顔料分散体の体積平均粒子径(D50)を調製例2と同様にして測定したところ、78nmであった。
(製造例1〜31)
−インク1〜31の作製−
まず、下記表1〜表5に示すように、水溶性有機溶剤〔一般式(I)〜(IV)の化合物、式(I)のアミド化合物、アルキルアルカンジオール、多価アルコール〕、浸透剤、界面活性剤、防カビ剤、及び水を混合し、1時間攪拌を行い均一に混合した。また、混合液によっては水分散性樹脂を添加して1時間撹拌し、顔料分散液、消泡剤、及びpH調整剤を添加し、1時間攪拌した。この分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、製造例1〜31の各インクを作製した。
表1〜表5中の略号などは下記の意味を表す。
*アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン:昭和高分子社製、ポリゾールROY6312
固形分37.2質量%、体積平均粒子径171nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
*ポリウレタンエマルジョン:DIC社製、ハイドランAPX−101H、固形分45質
量%、体積平均粒子径160nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
*KF−643:ポリエーテル変性シリコーン化合物(信越化学工業社製、成分100質
量%)
*ゾニールFS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(Dupon
t社製、成分40質量%)
*ソフタノールEP−7025:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(日本触媒社製
成分100質量%)
*Proxel GXL:1,2−ベンゾチアゾリン−3−オンを主成分とした防カビ剤
(アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
*KM−72F:自己乳化型シリコーン消泡剤(信越シリコーン社製、成分100質量%
Figure 0005810883
Figure 0005810883
Figure 0005810883
Figure 0005810883
Figure 0005810883
上記製造例1〜31の各インクの物性を以下の方法で測定した。結果を表6に示す。
<粘度>
インクの粘度は、粘度計(RE−550L、東機産業社製)を使用して、25℃で測定した。
<pH>
インクのpHは、pHメータ計(HM−30R型、TOA−DKK社製)を使用して、25℃で測定した。
<静的表面張力>
インクの静的表面張力は、全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学社製)を使用して、25℃で測定した。
Figure 0005810883
<前処理液の調製>
(前処理液調製例1〜9)
以下の手順で各前処理液を調製した。
まず、表7の調製例1〜9の各欄に示す材料を1時間攪拌し均一な混合物としたのち、平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターで加圧濾過して、不溶物等のごみを除去し、調製例1〜9の各前処理液を得た。
Figure 0005810883
表7中の略号などは下記の意味を表わす。なお、ゾニールFS−300、KF−643、Proxel GXLは表1〜表5の場合と同じである。
*L−乳酸:東京化成工業社製、純度85%以上、炭素数3
*L−(+)−酒石酸:関東化学社製、純度99.5%以上、炭素数4
*DL−リンゴ酸:関東化学社製、純度99%以上、炭素数5
*フタージェント251:ネオス社製、分岐パーフルオロアルケニル基含有フッ素系界面
活性剤、有効成分100質量%
調製例1〜9の各前処理液のpH及び静的表面張力を下記のようにして測定した。また、有機酸に対する有機アミン比は下記の式を用いて算出した。結果を纏めて表8に示す。
<pH>
前処理液のpHは、pHメータ計(HM−30R型、TOA−DKK社製)を使用して25℃で測定した。
<静的表面張力>
前処理液の静的表面張力は、全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学社製)を使用して、25℃で測定した。
<有機酸に対する有機アミン比>
Figure 0005810883
Figure 0005810883
(前処理液調製例10〜20)
材料を、後掲の表9の前処理液調製例10〜20の各欄に示すものに変えた点以外は、前処理液調製例1〜9の場合と同様にして、前処理液調製例10〜20の各前処理液を得た。なお、水溶性カチオンポリマーA−1〜A−5は以下のようにして作製した。
<カチオンポリマーの作製>
作製例A−1:N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩とN−メチルジアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比0.7:0.3)
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた1Lセパラブルフラスコ反応容器中に、濃度71.66質量%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液237.58g(1.4モル)と、濃度60.17質量%のN−メチルジアリルアミン塩酸塩水溶液147.23g(0.6モル)とを入れ、モノマー濃度67.27質量%の水溶液を得た。この水溶液を60℃に加温し、温度が一定になってから、ラジカル重合開始剤として、過硫酸アンモニウム4.56g(モノマーに対して1.0モル%)を添加し重合を開始した。重合を開始してから2時間及び4時間経過した後にも、それぞれ4.56g(モノマーに対して1.0モル%)の過硫酸アンモニウムを添加した。更に、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間及び28時間経過した後にも、それぞれ9.13g(モノマーに対して2.0モル%)の過硫酸アンモニウムを添加した。その後、重合反応を更に3時間続け、N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩とN−メチルジアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比0.7:0.3)の褐色の溶液(作製例A−1)を得た。
GPC(Gel Permeation Chromatography)法により求めたこの共重合体の質量平均分子量は1800であった。
作製例A−2:N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩とN−メチルジアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比0.9:0.1)
作製例A−1と同じ反応容器中に、濃度61.54質量%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液533.56g(2.7モル)と、濃度60.17質量%のN−メチルジアリルアミン塩酸塩水溶液73.62g(0.3モル)とを入れ、モノマー濃度61.37質量%の水溶液を得た。この水溶液を60℃に加温し、温度が一定になってから、ラジカル重合開始剤として、過硫酸アンモニウム6.85g(モノマーに対して1.0モル%)を添加し重合を開始した。重合を開始してから2時間及び4時間経過した後にも、それぞれ6.85g(モノマーに対して1.0モル%)の過硫酸アンモニウムを添加した。更に、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間、47時間及び48時間経過した後にも、それぞれ13.69g(モノマーに対して2.0モル%)の過硫酸アンモニウムを添加した。その後、重合反応を更に2時間続け、N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩とN−メチルジアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比0.9:0.1)の褐色の溶液(作製例A−2)を得た。GPC法により求めたこの共重合体の質量平均分子量は、700であった。
作製例A−3:モノアリルアミン塩酸塩とN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比0.5:0.5)
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた300mLの三口フラスコに、濃度72.11質量%のモノアリルアミン塩酸塩水溶液64.87g(0.50モル)と、濃度60.21質量%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液100.99g(0.50モル)とを入れ、水13.45gを加えて、モノマー濃度60質量%の水溶液を得た。この水溶液を60℃に加温し、温度が一定になってから、ラジカル重合開始剤として、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩8.68g(モノマーに対して3.2モル%)を添加し重合を開始した。重合を開始してから、24時間、48時間及び72時間経過した後にも、それぞれ8.68gの2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩を添加した。その後、重合反応を更に24時間続けた。次いで、得られた淡黄色の反応溶液を3リットルのアセトン−イソプロパノール混合溶媒(質量比1:1)中に入れ、共重合体を再沈させて、ガラス濾過器で濾過し、十分に洗浄した後、60℃で48時間真空乾燥して、モノアリルアミン塩酸塩とN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比0.5:0.5)の褐色の溶液(調製例A−3)を得た。GPC法により求めたこの共重合体の質量平均分子量は800であった。
作製例A−4:ジアリルジメチルアミン塩酸塩・二酸化硫黄共重合体
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた300mLの四口フラスコに、濃度1mol/Lのジアリルジメチルアミン塩酸塩/ジメチルスルホキシド溶液100mLと、濃度1mol/Lの二酸化硫黄/ジメチルスルホキシド溶液100mLとを混合し、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.82gを加えて、40℃で24時間重合した。反応溶液をメタノール中に滴下して共重合体を沈殿させ、ガラスフィルターで濾過し、減圧乾燥して18gの共重合ポリマー(調製例A−4)を得た。ポリエチレングリコールを標準にしたGPC法により求めたこの共重合体の質量平均分子量は、約3,000であった。この共重合体の繰り返し単位は下記式(XXII)の通りである。
Figure 0005810883
作製例A−5:ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた500mLの四口フラスコに、濃度60質量%のジアリルジメチルアンモニウムクロリド水溶液134.7g(0.5モル)及び蒸留水176gを仕込み、塩酸でpH3〜4に調整した。次に、アクリルアミド18.3g(0.25モル)及び次亜リン酸ナトリウム3.9gを加え、50℃で攪拌溶解させた。次に、内温を60℃まで昇温し、濃度28.5質量%の過硫酸アンモニウム水溶液1.7gを添加した。そして内温を60〜65℃に保ちながら、4時間後に更に3.5gを添加した。その後、60℃で20時間反応させ、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体(作製例A−5)を得た。GPC法により求めたこの共重合体の質量平均分子量は3,000であった。
Figure 0005810883
表9中の水溶性カチオンポリマー以外の略号などは下記の意味を表わす。なお、ソフタノールEP−7025、Proxel GXLは表1〜表5の場合と同じである。
*乳酸アンモニウム:関東化学製、純度73〜77%
*酢酸アンモニウム:関東化学製、純度97%以上
*WS−4020:ポリアミド−エピクロロヒドリン共重合体(星光PMC社製、有効成
分25質量%)
*シャロール DM−283P:下記一般式(14)で示される第四級アンモニウム塩型
カチオン性高分子化合物(第一工業製薬社製、有効成分50質量%水溶液、分子量約2
8,000)
*KM−72F:信越シリコーン社製、自己乳化型シリコーン消泡剤、成分100質量%
Figure 0005810883
上記式中、Xはハロゲン原子を表し、nは整数を表す。
*(F−1)−e式の化合物:
−CHCH(OH)CHO−(CHCHO)25−C1225
*(F−2)式の化合物:
CFCF(CFCF−CHCHO−(CHCHO)
上記(F−2)式中、jは0〜10の整数、kは0〜40の整数を表す。
*(F−3−1)式の化合物:
Figure 0005810883
上記式中、Rfは−CF、−CFCFを表す。nは1〜4の整数、mは6〜25の整数、pは1〜4の整数を表す。
*(F−4−1)式の化合物:
Figure 0005810883
上記式中、Rfは−CF、−CFCFを表す。qは1〜6の整数を表す。
前処理液10〜20のpH及び静的表面張力を前処理液1〜9と同様にして測定した。結果を纏めて表10に示す。
Figure 0005810883
<画像形成>
−前処理工程−
記録用メディアとしてリコー社製PPC用紙MyPaperを用い、調製例1〜20の前処理液を、表11に示すwet付着量で、ロールコート法により塗布し、自然乾燥して前処理を行った。ただし、比較例1〜10は前処理を行わなかった。
なお、MyPaperについて、後述する記録用紙(1)〜(5)と同様にして測定した、動的走査吸液計によって測定される接触時間が100msにおける純水の転移量は、12.2mL/mであった。

−画像形成工程−
23±0.5℃、50±5%RHに調整された環境条件下、インクジェット記録装置(IPSiO GXe−5500、リコー社製)を用い、インク吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、前処理された用紙に同じ付着量のインクが付くように設定した。次に、インクジェット記録装置の印字モードを「普通紙_はやい」に設定し、画像を形成した。
Figure 0005810883
次に、実施例1〜27及び比較例1〜12について、以下に示す評価方法により評価した。結果を表12に示す。なお、「黒四角」とは、四角を黒く塗り潰した文字(符号)であるが、使用できないため止むを得ず「黒四角」と表現したものである。
<画像濃度>
Microsoft Word2000で作成した64point文字「黒四角」のあるチャートをMyPaper(リコー社製)に打ち出し、印字面の「黒四角」部をX−Rite939で測色し、下記評価基準により判定した。印字モードとしてはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
◎:Black:1.3以上、Yellow:0.85以上、
Magenta:1.1以上、Cyan:1.1以上
○:Black:1.25以上1.3未満、Yellow:0.8以上0.85未満、
Magenta:1.05以上1.1未満、Cyan:1.05以上1.1未満
△:Black:1.15以上1.25未満、Yellow:0.7以上0.8未満
Magenta:0.95以上1.05未満、Cyan:0.95以上1.05未満
×:Black:1.15未満、Yellow:0.7未満、
Magenta:0.95未満、Cyan0.95未満
<彩度>
画像濃度と同様にチャートをMyPaper(リコー社製)に打ち出し、印字面の「黒四角」部をX−Rite939で測定した。印字モードとしてはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
標準色(Japan color ver.2)の彩度の値(イエロー:91.34、マゼンタ:74.55、シアン:62.82)に対する測定した彩度の値の比率を算出し、下記の評価基準により発色性を判定した。
〔評価基準〕
・Yellow_◎:0.9以上、○:0.8以上0.9未満、×:0.8未満
・Magenta_◎:0.8以上、○:0.75以上0.8未満、×:0.75未満
・Cyan_◎:0.85以上、○:0.8以上0.85未満、×:0.8未満
<カール量>
図1に示した試作ラインヘッド印字装置を用い、下記印字条件によりベタ印字を行い、下記評価条件でカール量を測定し評価した。
(1)評価プリンタ:試作ラインヘッド印字装置(図1参照)
(2)評価メディア:MyPaper(PPC用紙)リコー社製
(3)印字条件:記録密度⇒300×600dpi、印字面積⇒526.3cm/A4、インク吐出付着量⇒5.6g/m
(4)評価環境:23±0.5℃、50±5%RH
(5)カール測定:印字直後(印字装置より排出後10秒以内)と、1日間放置した後のカール高さを、平らな机にカール面を上側して静かに置き、A4サイズのMyPaperの4隅の高さをJIS_1級スケールで測定し、4隅の測定値の平均値を求めた。また、カールが大き過ぎて筒状になった場合は、直径を測定した。
〔評価基準〕
◎:10mm未満
○:10mm以上40mm未満
△:40mm以上
×:筒状
ここで、図1の試作ラインヘッド印字装置について説明する。図1は装置の内部構造を示す概略図である。
画像記録装置Aにおいて、給紙トレイ1は、圧板2と、記録紙3を給紙する給紙回転体4がベース5に取り付けられている構成である。圧板2はベース5に取り付けられた回転軸aを中心に回転可能で、圧板ばね6により、給紙回転体4に付勢される。この給紙回転体4と対向する圧板2の部位には、記録紙3の重送を防止するため、人工皮等の摩擦係数の大きい材質からなる分離パッド(図示せず)が設けられている。また、圧板2と給紙回転体4の当接を解除するリリースカム(図示せず)が設けられている。
上記構成において待機状態ではリリースカムが圧板2を所定位置まで押し下げており、これにより、圧板2と給紙回転体4の当接は解除される。
この状態で、搬送ローラ7からの駆動力がギア等により給紙回転体4及びリリースカムに伝達されると、リリースカムが圧板2から離れて圧板2は上昇し、給紙回転体4と記録紙3が当接する。そして、給紙回転体4の回転に伴い、記録紙3はピックアップされ給紙が開始されて、分離爪(図示せず)によって1枚ずつ分離される。給紙回転体4は、搬送ガイド8、9を経由して記録紙3をプラテン10に送り込むべく回転する。記録紙3は搬送ガイド8、9の間を通過して搬送ローラ7まで導かれ、この搬送ローラ7とピンチローラ11とによりプラテン10まで搬送される。その後、再び記録紙3と給紙回転体4との当接を解除した待機状態となって搬送ローラ7からの駆動力が切られる。
手差し給紙用の給紙回転体12は、手差しトレイ13上に搭載された記録紙3を、コンピュータの記録命令信号に従って給紙し、搬送ローラ7へ搬送するものである。プラテン10まで搬送された記録紙3は、ラインヘッド14の下を通過する。
ここで、記録紙搬送の速度と液滴吐出のタイミングは、電気的回路(図示せず)で制御された信号に基づき調整され、これにより所望の画像を形成する。
<吐出安定性>
Microsoft Word2000で、一色当りA4サイズ用紙の面積5%をベタ画像で塗りつぶすチャートを連続200枚、MyPaper(リコー社製)に打ち出し、打ち出し後の各ノズルの吐出乱れにより、下記の基準で評価した。印字モードとしてはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
○:吐出乱れなし。
△:若干吐出乱れあり。
×:吐出乱れあり、又は吐出しない部分あり。
<インク保存安定性>
粘度計(RE−550L、東機産業社製)を用い、保存前の粘度と、密封した容器中で70℃、7日間保存した後の粘度を測定し、次式によりインク保存安定性を求め、下記の基準で評価した。
インク保存安定性(%)=〔(保存後の粘度)/(保存前の粘度)〕×100
〔評価基準〕
○:100±10%未満
△:100±10%以上、100±20%未満
×:100±20%以上
<スミア定着性>
MyPaper(リコー社製)に対し、前記表11に示した前処理工程を実施した後、Microsoft Word2000で作成した64point文字「黒四角」のあるチャートを打ち出した。次いで、温度23±2℃、湿度50±15%RHで24時間乾燥させた後、印字面の「黒四角」部をCM−1型クロックメータに両面テープで取り付けたJIS L0803 綿3号を印字部位に当てるように10往復させ、綿布へのインク付着汚れをX−Rite939(X−Rite社製)で測定し、綿布の地肌色を差し引いた汚れ部の濃度を、下記評価基準により判定した。
〔評価基準〕・・・「普通紙−はやいモード」
◎:0.01未満
○:0.01以上、0.025未満
△:0.025以上、0.05未満(実用可能レベル)
×:0.05以上
Figure 0005810883
なお、表12中、「−」は測定できない項目を示す。
実施例28〜30、比較例13、14
下記の記録用メディア=記録用紙(1)〜(5)の塗工層を有する面に対して、調製例13の前処理液を、1.6g/mのwet付着量でロールコート法により塗布し、自然乾燥して前処理を行い、更に、製造例18のインクを用い、以下のようにして、画像品質評価を行った。
・記録用紙(1):日本製紙社製、オーロラコート(グロスコート紙=塗工紙)、
坪量=104.7g/m
・記録用紙(2):王子製紙社製、PODグロスコート(グロスコート紙=塗工紙)
坪量=100g/m
・記録用紙(3):日本製紙社製、スペースDX(グラビア紙)、
坪量=56.5g/m
・記録用紙(4):セイコーエプソン社製、スーパーファイン紙、
(インクジェット用マットコート紙)
・記録用紙(5):TORAY社製、ルミラーU10、厚み100μm、
(透明ポリエステルフィルム)
<動的走査吸液計による純水の転移量の測定>
前記記録用紙(1)〜(5)の塗工層を有する面について、純水の転移量を測定した。
即ち、動的走査吸液計(型式:KS350D、協和精工社製)を用いて、純水の吸収曲線を測定した。吸収曲線は転移量(mL/m)と接触時間の平方根√(ms)でプロットして一定の傾きを持つ直線とし、内挿により一定時間後の転移量の値を求めた。
結果を表13に示す。
Figure 0005810883
記録用紙(1)〜(5)の塗工層を有する面に対して、調製例13の前処理液を1.6g/mのwet付着量でロールコート法により塗布し、自然乾燥して前処理を行い、更に、製造例18のインクを用いて、以下のようにして画像品質を評価した。結果を表14に示す。
<画像濃度>
記録用紙(1)〜(5)の塗工層を有する面に、前記表11に示した前処理工程を実施した後、Microsoft Word2000で作成した64point文字「黒四角」のあるチャートを打ち出した。次いで、印字面の「黒四角」部をX−Rite939で測色し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで「光沢紙−きれい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
◎:Black 2.0以上、Yellow 1.25以上、
Magenta 2.0以上、Cyan 2.0以上
○:Black 1.9以上2.0未満、Yellow 1.2以上1.25未満、
Magenta 1.9以上2.0未満、Cyan 1.9以上2.0未満
△:Black 1.8以上1.9未満、Yellow 1.15以上1.2未満、
Magenta 1.8以上1.9未満、Cyan 1.8以上1.9未満
×:Black 1.8未満、Yellow 1.15未満、
Magenta 1.8未満、Cyan 1.8未満
<ビーディング>
得られた黒ベタ部のビーディング(濃度ムラ)の程度を目視で評価した。
ランク評価は段階見本(ランク:悪い1.0〜5.0良い)を用いて行った。
<拍車汚れ>
得られた黒ベタ部から地肌部への拍車によるオフセット汚れの程度を目視で評価した。ランク評価は次の基準で行った。
1.0:汚れがはっきり見える。
2.0:汚れがかすかに見える。
3.0:汚れが全く無い。
<コックリング>
記録用紙(1)〜(5)の塗工層を有する面に、前記表11に示した前処理工程を実施した後、Microsoft Word2000で作成した3cm×15cmの単色ベタ画像「黒四角が三つ並んだ部分」のあるチャートを打ち出した。インクで画像形成した直後のコックリングを目視で評価し、後工程で搬送不良が生じるか否かを、下記評価基準により判定した。
印字モードはプリンタ添付のドライバで「光沢紙−きれい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
◎:コックリングなし(搬送に問題なし)。
○:コックリング若干あり(搬送に問題なし)。
△:コックリングあり(搬送に大きな問題なし)。
×:コックリング激しくあり(搬送に問題あり)。
<光沢度>
記録用紙(1)〜(5)の塗工層を有する面に、前記表11に示した前処理工程を実施した後、Microsoft Word2000で作成した64point文字「黒四角」のあるチャートを打ち出した。印字面の「黒四角」部について、光沢度計(BYK Gardener社製、4501)を用いて60度光沢度を測定し、下記評価基準により判定した。印字モードとしてはプリンタ添付のドライバで「光沢紙−きれい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
◎:50以上
○:30以上50未満
△:15以上30未満
×:15未満
<スミア定着性>
記録用紙(1)〜(5)の塗工層を有する面に対し、前記表11に示した前処理工程を実施した後、Microsoft Word2000で作成した64point文字「黒四角」のあるチャートを打ち出した。次いで、温度23±2℃、湿度50±15%RHで24時間乾燥させた後、印字面の「黒四角」部をCM−1型クロックメータに両面テープで取り付けたJIS L0803 綿3号を印字部位に当てるように10往復させ、綿布へのインク付着汚れをX−Rite939(X−Rite社製)で測定し、綿布の地肌色を差し引いた汚れ部の濃度を、下記評価基準により判定した。
〔評価基準〕・・・「光沢紙−きれいモード」
◎:0.05未満
○:0.05以上0.1未満
△:0.1以上0.15未満(実使用可能レベル)
×:0.15以上
Figure 0005810883
*乾燥しないため、画像濃度及び光沢度の測定不可。
A 画像記録装置
a 回転軸
1 給紙トレイ
2 圧板
3 記録紙
4 給紙回転体
5 ベース
6 圧板ばね
7 搬送ローラ
8 搬送ガイド
9 搬送ガイド
10 プラテン
11 ピンチローラ
12 手差し給紙用の給紙回転体
13 手差しトレイ
14 ラインヘッド
特開2004−136458号公報 特開2008−18711号公報 特開2009−52018号公報 特開2009−287014号公報

Claims (9)

  1. 記録用メディア表面に前処理液を付着させる前処理工程と、該前処理液を付着させた面上に、着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、及び水を含有するインクジェット用インクを付着させて画像を形成する画像形成工程とを有する画像形成方法であって、
    前記水溶性有機溶剤が、温度23℃、湿度80%における平衡水分量が30質量%以上である多価アルコールを1種以上含有し、且つ、下記一般式(I)で示されるアミド化合物、及び、下記一般式(II)〜(IV)で示される化合物の少なくとも1種を含有し、前記記録用メディアが、動的走査吸液計によって測定される接触時間100msにおける純水の前記記録用メディア表面への転移量が1〜15mL/mのものであることを特徴とする画像形成方法。
    Figure 0005810883
    上記式中、Rは炭素数4〜6のアルキル基を表す。
    Figure 0005810883
    上記式中、Rは水素原子又は炭素数1〜2のアルキル基を表し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    Figure 0005810883
    上記式中、R′は炭素数1〜2のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、環状アルキル基又は芳香環を表す。
    Figure 0005810883
    上記式中、R、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表す。
  2. 前記水溶性有機溶剤として、下記式(I)で示されるアミド化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
    Figure 0005810883
  3. 前記前処理液が、下記一般式(V)で示される化合物から選ばれる少なくとも1つの水溶性脂肪族系有機酸を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
    Figure 0005810883
    上記式中、Rは水素原子、又は水酸基若しくはカルボキシル基により置換されたメチル基を表し、Rはメチル基、カルボキシル基により置換されたメチル基、又は水酸基及びカルボキシル基により置換されたメチル基を表す。
  4. 前記前処理液が、水溶性有機モノアミン化合物を含有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 前記水溶性有機モノアミン化合物が、下記一般式(VI)又は(VII)で示される化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成方法。
    Figure 0005810883
    上記式中、R、R、R10はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ヒドロキシエチル基、又はヒドロキシプロピル基を表す。但し、R、R、R10が全て水素原子である場合を除く。
    Figure 0005810883
    上記式中、R11はヒドロキシメチル基を表し、R12はメチル基、エチル基又はヒドロキシメチル基を表し、R13は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又はヒドロキシメチル基を表す。
  6. 前記前処理液が、少なくとも乳酸アンモニウム又は水溶性カチオンポリマーを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  7. 前記水溶性カチオンポリマーが、下記一般式(VIII)で示される共重合体、下記一般式(IX)で示される繰り返し単位を有する共重合体、並びに、下記一般式(X)、一般式(XI)及び一般式(XII)で示されるモノマーの共重合体、から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
    Figure 0005810883
    上記式中、R14〜R21は、同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素数が1〜8のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルケニル基、又はベンジル基のいずれかを表し、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜4の整数を表す。
    Figure 0005810883
    上記式中、Xはハロゲン原子を表し、mは1以上の整数を表す。
    Figure 0005810883
    Figure 0005810883
    Figure 0005810883
    上記式中、Xはハロゲン原子を表す。
  8. 前記着色剤が、アニオン性の自己分散性顔料、アニオン性樹脂により被覆された顔料、及びアニオン系分散剤又はノニオン系分散剤で分散された水性顔料からなる群より選択された少なくとも1種の顔料であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 前記記録用メディアが、支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有するものであり、前記塗工層を有する面が、動的走査吸液計によって測定される接触時間100msにおける純水の前記塗工層を有する面への転移量が1〜15mL/mであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成方法。
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