JP5807720B2 - 溶銑の精錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも2基の転炉型精錬炉を用い、一方を溶銑の予備処理精錬炉(hot metal pretreatment furnace)、他方を予備処理精錬炉で予備処理された溶銑の脱炭精錬炉として使用して溶銑から溶鋼を溶製する溶銑の精錬方法に関する。詳しくは、脱炭精錬炉で発生する溶融スラグを高温のまま予備処理精錬炉での精錬剤として利用する精錬方法に関する。
各種鋼材への高品質化要求並びに低価格化要求に対する技術開発が、鉄鋼製造工程の各工程で行われている。溶銑から溶鋼を溶製する精錬工程では、精錬によって溶融メタル相から溶融スラグ相へ移行・分離させた不純物成分が、それ以降の精錬工程で溶融メタル相へ逆戻りしないようにするために、精錬終了後の出湯作業時、当該精錬過程で生成した溶融スラグが、溶銑鍋や取鍋などの受湯容器に可能な限り流出しないように操作している。つまり、精錬炉からの出湯作業では、溶融メタルはできるだけ全量を精錬炉から受湯容器に排出し、一方、溶融スラグはできるだけ精錬炉に残留させるように、出湯作業が行われている。
精錬炉内に残留させた溶融スラグは、精錬炉からスラグパン(slag pot:スラグ受け容器)に排出され、スラグパンでスラグヤードに搬送され、スラグヤードに流出されて大気中で放冷されるのが一般的であった。しかし、近年では、スラグを再使用する或いはスラグの保有する熱を有効利用するなどの観点から、精錬炉内に残留させた溶融スラグの効率的な処理方法が課題となっている。また、出湯作業においては、溶融メタルと溶融スラグとの完全分離は不可能であるので、出湯終了後の精錬炉内には少量の溶融メタルが残留する。従って、炉内残留の溶融メタルの効率的な処理も望まれている。
従来、溶銑の脱炭精錬において生成する転炉スラグ(「脱炭スラグ」とも呼ぶ)を利用する方法として、特に、予備処理として溶銑に脱燐処理が施された燐濃度の低い溶銑(「低燐溶銑」ともいう)を用いた脱炭精錬で生成する溶融スラグに関して、精錬剤として再利用する方法が幾つか提案されている。
例えば、特許文献1には、2基の転炉型精錬炉のうちの一方を脱燐精錬炉、他方を脱炭精錬炉とし、脱燐精錬炉にて脱燐処理を施した溶銑の脱炭精錬炉での脱炭精錬で生成する転炉スラグを一旦回収し、回収した転炉スラグを脱燐精錬炉に精錬剤として添加し、これにより、脱燐処理時に新たに添加する精錬剤の削減及び精錬剤の滓化促進による脱燐反応促進を目的とした製鋼方法が開示されている。
特許文献2には、脱燐処理を施した溶銑の脱炭精錬炉での脱炭精錬で生成した脱炭スラグを、別の溶銑が収容されている溶銑保持容器に排出し、その後、溶銑保持容器に排出した溶融状態の脱炭スラグ及び溶銑保持容器に予め収容されていた溶銑を脱燐精錬炉に装入し、脱燐精錬炉に装入された溶銑に対して脱燐処理を実施し、これにより、溶融状態の脱炭スラグを熱間再使用する精錬方法が開示されている。
特許文献3には、転炉に溶銑、または溶銑と鉄スクラップとを主原料として装入する第一工程、脱珪・脱燐を行う第二工程、生成したスラグを排滓する第三工程、その後、脱炭精錬を行う第四工程、脱炭精錬後にスラグを残して出湯する第五工程、その後、第一工程に戻り、第二工程の脱珪・脱燐では第五工程で残したスラグをリサイクル使用し、前記五工程までを繰り返し実施する転炉製鋼法において、第五工程で残したスラグの突沸を防止するべく、第五工程で残したスラグに、酸化鉄を多量に含有する冷却材を添加する転炉製鋼法が開示されている。
特開平3−115515号公報 特開2001−172710号公報 特開2001−192720号公報
しかしながら、上記従来技術には以下の問題がある。
即ち、特許文献1では、脱炭精錬炉内に残留させた溶融スラグを一旦回収し、破砕処理した後に使用しているので、スラグが持っている熱分は回収されない。また、脱炭精錬炉から溶融スラグを排出する際に、脱炭精錬炉内に残留している溶鋼を溶融スラグとともに精錬プロセス系外へ排出して処理しているので、溶鋼歩留悪化の一因となる。
特許文献2においては、溶銑を収納した溶銑保持容器を脱炭精錬炉の鉛直方向直下に配置することが必要であり、炉直下の高さ制限によっては実施が不可能な場合がある。また、実施可能な場合も、溶銑保持容器を脱炭精錬炉の直下へ配置したり、スラグを受けた後の溶銑保持容器を脱燐精錬炉に移動させ、溶銑保持容器から脱燐精錬炉に溶銑を装入したりすることなどから、溶銑保持容器の移動が頻繁で且つ煩雑であり、時間ロスが発生し易く、生産量低下や溶銑温度低下の原因となる。更に、溶銑保持容器に排出した溶融スラグや未脱酸の溶鋼が溶銑中に巻き込まれると、COガスが急激に発生して突沸する危険があり、安全上の問題もある。
特許文献3では、溶銑の脱燐処理から脱炭精錬までを1つの転炉型精錬炉で連続して行っており、出湯に伴う放熱を防止することができるものの、転炉型精錬炉内での滞在時間が長くなり、転炉型精錬炉の生産性が低下する。また、脱燐処理は炉体耐火物への負荷の少ない低温温度域で行うことができるが、脱燐処理から脱炭精錬までを直列して行うことから、炉体耐火物が1650℃以上の高温状態となる脱炭精錬に耐えられない場合には、炉体耐火物の改修が必要であり、耐火物コストが上昇するという問題がある。また、溶融状態の脱炭スラグを固化するために多量の酸化鉄を添加しており、この酸化鉄の還元に要する熱量のために余分な熱ロスが増大するとともに、添加した酸化鉄による炉体耐火物の損耗増加という問題も生じる。更に、脱燐処理後に排滓したとしても、脱燐処理で生成した、燐を2質量%程度含有するスラグの一部が炉内に残り、その後の脱炭精錬において復燐(rephosphorization:スラグ中の燐が溶銑または溶鋼に移行して溶銑または溶鋼の燐濃度が上昇する現象)するという問題もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、少なくとも2基の転炉型精錬炉を用い、一方を溶銑の予備処理精錬炉、他方を予備処理精錬炉で予備処理された溶銑の脱炭精錬炉として使用して溶銑から溶鋼を溶製するにあたり、予備処理精錬炉及び脱炭精錬炉の生産性を損なうことなく、脱炭精錬炉で発生する溶融スラグを高温状態のまま予備処理精錬炉での精錬剤として利用することのできる、溶銑の精錬方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するべく、鋭意試験研究を重ねた結果、以下の知見を得た。
即ち、脱炭精錬炉での溶銑の脱炭精錬後、溶製した溶鋼の出湯時に脱炭精錬炉内に残留させる溶融スラグの顕熱を高効率で利用する方法として、この溶融スラグを高温状態のまま直近の予備処理精錬炉で行われる予備処理で精錬剤として使用する方法が効果的である。そのためには、前記溶融スラグ(以下、「脱炭スラグ」とも記す)や、溶融スラグとともに脱炭精錬炉内に残留した未脱酸の溶鋼が、予備処理精錬炉に装入された溶銑と接触する瞬間に急激に反応して、溶銑やスラグ或いは火炎が噴出して操業が阻害されることを防止しつつ、これらの持つ熱エネルギーを最大限利用して鉄スクラップなどの鉄源の溶解に充てることが必要となる。
このためには、前記溶融スラグを、積層された鉄スクラップ上から溶融状態のまま流下させ、前記スラグの少なくとも一部を凝固させるように鉄スクラップと熱交換させて、前記スラグの反応性を低下させる。即ち、前記スラグを、反応性を低下させた後に、予備処理精錬炉にて装入された溶銑と接触させ、前記スラグとの熱交換により予熱された鉄スクラップとともに前記スラグを予備処理精錬炉での溶銑予備処理に使用することが有効であることを見出した。
このように処理された前記溶融スラグ及び前記溶鋼は、溶銑と接触しても急激に反応して問題を起こすことはなく、また石灰石などを冷却材とする場合と異なり、大塊となって固化して滓化が妨げられることもないので、比較的低温の溶銑の予備処理においても精錬剤として有効に活用できる。
また、前記溶融スラグの成分組成が、その直近の予備処理に適したものであり、有効に利用できることも必要である。つまり、脱炭スラグを有効利用するためには、脱炭スラグの熱的処理操作とその成分組成との双方を適切に制御する必要がある。ここで、予備処理とは脱珪処理または脱燐処理である。脱燐処理としては、脱珪処理された溶銑を脱燐する精錬、及び、脱珪処理されていない溶銑を脱珪処理・脱燐処理する精錬とが含まれる。脱燐処理のうちで、脱珪処理と脱燐処理とを連続して行う処理は、脱珪・脱燐処理とも記す。
このような要件を満たすためには、脱炭精錬に供する溶銑として、燐濃度を0.030質量%程度以下、望ましくは0.020質量%以下に低燐化した脱燐溶銑(低燐溶銑)を使用することが好ましい。この低燐溶銑を脱炭精錬することにより、燐濃度の低い脱炭スラグが容易に生成されるので、これを、脱珪処理時のスラグの塩基度調整剤の一部または全部として利用すること、及び、脱燐処理用の精錬剤の一部または全部として利用することが可能となる。この場合に、脱炭精錬炉内に残留させた脱炭スラグは、スラグ収容搬送容器に排出した後、水冷処理などを実施せずに直近の予備処理に使用し、脱炭スラグの保有する顕熱を最大限利用することが重要である。本発明において、スラグの塩基度とは、スラグ中のCaO濃度とSiO2濃度との比((質量%CaO)/(質量%SiO2))で表される値である。
こうすることにより、溶銑の脱炭精錬終了後の溶融スラグの顕熱を効率良く回収できることを知見した。また、脱炭精錬後、溶鋼は脱炭精錬炉から出湯されるものの、脱炭精錬炉内には溶鋼が残留し、この残留した溶鋼を溶融スラグと一緒に予備処理に使用すれば、その顕熱及び鉄分を有利に回収し得ることも知見した。
本発明は上記知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
[1]少なくとも2基の転炉型精錬炉を用い、一方を溶銑の予備処理精錬炉として使用し、他方を前記予備処理精錬炉で予備処理された溶銑の脱炭精錬炉として使用して、溶銑から溶鋼を溶製する溶銑の精錬方法であって、前記脱炭精錬炉での脱炭精錬によって得られた溶鋼を取鍋に出湯した後、脱炭精錬炉内に残ったスラグを、積層された鉄スクラップ上から溶融状態のまま流下させて、前記スラグの少なくとも一部を凝固させ、その後、前記予備処理精錬炉における溶銑の予備処理で、少なくとも一部が凝固した前記スラグを前記鉄スクラップとともに高温のまま使用することを特徴とする、溶銑の精錬方法。
[2]前記脱炭精錬炉内に残ったスラグを、予め鉄スクラップが装入されたスラグ収容搬送容器に排出して該スラグ収容搬送容器内に積層された前記鉄スクラップ上から溶融状態のまま流下させて、前記スラグの少なくとも一部を凝固させ、次いで、前記スラグ収容搬送容器に収容された少なくとも一部が凝固した前記スラグを前記鉄スクラップとともに前記予備処理精錬炉に装入し、その後、該予備処理精錬炉に溶銑を装入して該溶銑に予備処理を行うことを特徴とする、上記[1]に記載の溶銑の精錬方法。
[3]前記脱炭精錬炉内に残ったスラグをスラグ収容搬送容器に排出し、次いで、該スラグ収容搬送容器に収容された前記スラグを、予め鉄スクラップが装入された前記予備処理精錬炉に装入して該予備処理精錬炉内に積層された前記鉄スクラップ上から少なくとも前記スラグの一部を溶融状態のまま流下させて、前記スラグの少なくとも一部を凝固させ、その後、前記予備処理精錬炉に溶銑を装入して該溶銑に予備処理を行うことを特徴とする、上記[1]に記載の溶銑の精錬方法。
[4]前記スラグ収容搬送容器はその内面側に耐火物層が施工されていることを特徴とする、上記[3]に記載の溶銑の精錬方法。
[5]前記予備処理精錬炉で溶銑の脱珪処理を行い、次いで、溶銑及び脱珪処理後のスラグの一部を前記予備処理精錬炉内に残留させる中間排滓を行い、引き続き、前記予備処理精錬炉内に残した脱珪処理後の溶銑に対してCaO系媒溶剤を添加するとともに酸素ガスを供給して溶銑の脱燐処理を行うことを特徴とする、上記[1]ないし上記[4]の何れか1項に記載の溶銑の精錬方法。
[6]前記予備処理精錬炉で溶銑の脱燐処理を行い、該脱燐処理後の溶銑を予備処理精錬炉から出湯した後、脱燐処理後のスラグを炉内に残留させたまま前記予備処理精錬炉に次チャージの溶銑を装入し、該溶銑に脱珪処理を行い、次いで、溶銑及び脱珪処理後のスラグの一部を前記予備処理精錬炉内に残留させる中間排滓を行い、引き続き、前記予備処理精錬炉内に残した脱珪処理後の溶銑に対してCaO系媒溶剤を添加するとともに酸素ガスを供給して溶銑の脱燐処理を行うことを特徴とする、上記[5]に記載の溶銑の精錬方法。
[7]前記予備処理精錬炉での予備処理が脱燐処理であり、脱燐処理された溶銑の燐濃度は0.030質量%以下であることを特徴とする、上記[1]ないし上記[6]の何れか1項に記載の溶銑の精錬方法。
[8]前記スラグ収容搬送容器へ予め装入する鉄スクラップの質量または前記予備処理精錬炉へ予備処理前に装入する鉄スクラップの質量と、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、製鉄ダスト、磁選屑、鋼の切削屑からなる鉄源のうちの何れか1種または2種以上である、前記予備処理精錬炉の炉上から予備処理精錬炉に投入する鉄源の質量と、の合計質量を、前記スラグ収容搬送容器によって予備処理精錬炉に装入されるスラグの熱回収量に応じて決定することを特徴とする、上記[2]ないし上記[7]の何れか1項に記載の溶銑の精錬方法。
本発明では、脱炭精錬炉内に残った脱炭スラグを、積層された鉄スクラップ上から溶融状態のまま流下させて、前記スラグの少なくとも一部を凝固させ、その後、予備処理精錬炉における溶銑の予備処理で、少なくとも一部が凝固した前記スラグを前記鉄スクラップとともに高温のまま使用する。これにより、溶銑の脱炭精錬で生成した溶融スラグの顕熱を、予備処理精錬炉での溶銑の予備処理において最大限に利用することができ、鉄スクラップなどの鉄源の配合量を増加することが実現される。また、脱炭精錬で生成したスラグは、予備処理において、スラグ塩基度の調整剤及び脱燐精錬剤として機能するので、予備処理精錬炉での脱珪処理ではスラグ塩基度の調整剤の原単位、脱燐処理では脱燐精錬剤の原単位が低減する。また、脱炭精錬炉内に残留した溶鋼またはこの溶鋼の凝固した凝固鉄が、脱炭スラグとともに予備処理精錬炉に装入されるので、予備処理精錬炉から出湯される溶銑の歩留が向上する。
図1は、本発明に係る溶銑の精錬方法の処理フローの概略図である。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明に係る溶銑の精錬方法の処理フローの概略図である。
溶銑の予備処理工程1で脱燐処理されて燐濃度が低下した低燐溶銑2、または、溶銑の予備処理工程1で脱珪処理されて珪素濃度が低下した脱珪溶銑2’を、転炉型精錬炉である脱炭精錬炉3に装入し、更に生石灰(CaO)やドロマイト(CaO−MgO)を媒溶剤として装入し、上吹き酸素または底吹き酸素を用いて低燐溶銑2または脱珪溶銑2’に対して脱炭精錬を実施する(脱炭精錬工程4)。ここで、脱燐処理とは、前述したように、脱珪処理されていない溶銑を脱珪処理し且つ脱燐処理する場合、及び、脱珪処理された溶銑を脱燐処理する場合の双方を含む。また、生石灰、ドロマイト、石灰石(CaCO3)などは、CaOを主成分として含有することからCaO系媒溶剤と呼ばれている。
脱炭精錬により、低燐溶銑2または脱珪溶銑2’は溶鋼5に精錬される。また、脱炭精錬により、生石灰及びドロマイトと、溶銑中に含有される珪素の酸化物(SiO2)とで、塩基度((質量%CaO)/(質量%SiO2))が3〜5程度の溶融スラグ(脱炭スラグ)6が生成する。
脱炭精錬終了後、溶製された溶鋼5を、脱炭精錬炉3の側壁部に設けた出湯口(図示せず)を介して脱炭精錬炉3から取鍋7に出湯する。その際、脱炭精錬中に生成した溶融スラグ6が脱炭精錬炉3に極力残留するように制御して出湯する。但し、溶融スラグ6の一部は、出湯の末期、溶鋼5に混入して取鍋7に流出する。取鍋7に出湯した溶鋼5は、図示はしないが、必要に応じて次工程の二次精錬を経て、連続鋳造工程へ搬送し、溶鋼5を鋳片に連続鋳造する。
出湯終了後、脱炭精錬炉3を出湯側とは反対側に傾転させ、脱炭精錬炉内に残留させた残留溶融スラグ9を、脱炭精錬炉3の炉口からスラグ収容搬送容器10またはスラグ収容搬送容器11に直接排出する。スラグ収容搬送容器10は、内面側に耐火物層10aが施工され且つ突出した広幅の注ぎ口を有している。一方、スラグ収容搬送容器11は、突出した広幅の注ぎ口を有するが、耐火物層を有しておらず、例えば鋳鉄、鋳鋼などからなる金属製であり、その内部には、予め鉄スクラップ12が装入されている。更に、このとき、脱炭精錬炉3に残留していた少量の残留溶鋼8も、残留溶融スラグ9とともに、全量、スラグ収容搬送容器10またはスラグ収容搬送容器11に排出する。
残留溶融スラグ9を、予め鉄スクラップ12が装入されたスラグ収容搬送容器11に排出させ、スラグ収容搬送容器内に積層された鉄スクラップ上から溶融状態のまま流下させることで、残留溶融スラグ9の少なくとも一部は凝固する。
尚、スラグ収容搬送容器10は、残留溶融スラグ9を溶融状態のまま予備処理精錬炉14に搬送するための容器であり、内面側に耐火物層10aが施工されているが、耐火物層10aの施工は必須ではない。スラグ収容搬送容器10が鋳鉄などからなる金属製であっても、スラグ収容搬送容器10に収容された残留溶融スラグ9は直ちには凝固せず、残留溶融スラグ9を溶融状態としたまま予備処理精錬炉14に装入することが可能である。耐火物層10aを施工した場合、残留溶融スラグ9を受けた後に短時間で残留溶融スラグ9を予備処理精錬炉14に装入することが可能なときには、熱ロスの低減効果を享受できるが、保持時間が長くなり、残留溶融スラグ9の一部や残留溶鋼8が凝固して容器内面に付着した場合には剥離が困難であり、却って操業を混乱させる。このような場合には、耐火物層10aを施工しない方が好ましい。
次いで、脱炭精錬炉3からスラグ収容搬送容器10に排出された残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9を、鉄スクラップ12が予め装入された転炉型精錬炉である予備処理精錬炉14に装入する。スラグ収容搬送容器10に耐火物層10aが施工されている場合には、保温性が高く、残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9は、スラグ収容搬送容器10に5〜30分間程度保持されても殆ど凝固することはない。
その後、溶銑15を予備処理精錬炉14に装入し、予備処理精錬炉内の全溶融メタル16(残留溶鋼8+溶銑15+溶融した鉄スクラップ12)に対して脱珪処理または脱燐処理を施す。脱珪処理においては、予備処理精錬炉14に装入された残留溶融スラグ9はスラグ塩基度調整剤として機能し、脱燐処理においては、予備処理精錬炉14に装入された残留溶融スラグ9は脱燐精錬剤として機能する。ここで、脱燐精錬剤とは、脱燐反応によって生成する燐酸化物(P25)を3CaO・P25としてスラグ中に固定するための精錬剤である。
少なくとも残留溶融スラグ9の一部を溶融状態のままとして予備処理精錬炉内に積層された鉄スクラップ12の上方から流下させることで、残留溶融スラグ9の少なくとも一部は、鉄スクラップ12に付着或いは鉄スクラップ12の間隙に浸入するようにして凝固する。また、残留溶融スラグ9よりも高融点で高熱伝導率の残留溶鋼8は、残留溶融スラグ9と同時に鉄スクラップ12上から流下させることでほぼ凝固状態となる。
このようにして鉄スクラップ12と熱交換させた後の残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8は、液相率が低下して溶銑との反応性が低下した状態となり、予備処理精錬炉に装入された溶銑15との急激な反応による操業トラブルが防止される。この方法とは逆に、スラグ収容搬送容器10に排出された残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9を、出銑及び排滓を行った後の空の予備処理精錬炉14に装入し、その後、鉄スクラップ12を装入し、次いで溶銑15を装入すると、残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9は、鉄スクラップ12との熱交換が不十分であり、溶銑との反応性が高いままとなっていて、溶銑15の装入時に溶銑や火炎の噴出による操業トラブルを招く場合があり、望ましくない。
更に、上記のようにして凝固した残留溶融スラグ9は、大塊の凝固スラグを形成することなく、細分化された状態で固化するので、比較的低温の溶銑の予備処理においても滓化が妨げられることなく、精錬剤として有効に機能する。
脱炭精錬炉3から、予め鉄スクラップ12が装入された金属製のスラグ収容搬送容器11に排出された残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9も、同様に、予備処理精錬炉14に鉄スクラップ12とともに装入する。但し、金属製のスラグ収容搬送容器11に排出された残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9は、スラグ収容搬送容器11に予め装入されている鉄スクラップ12上から流下されて、残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9の顕熱は鉄スクラップ12の予熱に費やされる。これによって、残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9の少なくとも一部は凝固・固化し、凝固鉄と固化したスラグとが混合した地金滓13(metal-containing slag)となる。つまり、残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9は、溶銑との反応性が低下した地金滓13となるので、予備処理精錬炉14に装入した直後に更に溶銑15を装入しても安全に操業を行うことができる。また、地金滓13は、鉄スクラップ12とともに予備処理精錬炉14に装入される際に落下エネルギーによって細分化されるので、予備処理精錬において滓化を促進する点でもこの方法は有利である。
金属製のスラグ収容搬送容器11に予め装入する鉄スクラップ12の質量は、脱炭精錬炉3から排出される残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9の合計質量の1.5〜4.5倍であることが好ましく、より好ましくは、2〜3倍である。予め装入する鉄スクラップ量が少ないと、残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9の凝固・固化が不十分で、溶銑15を予備処理精錬炉14に装入する際に、急激なCOガス発生によって溶銑やスラグが噴出する危険が増大する。また、合計の鉄源使用量が減少して残留溶融スラグ9の顕熱を有効に利用できなかったり、或いは追加の鉄スクラップを装入するために作業時間が延びて生産性が低下したりすることも問題である。
一方、予め装入する鉄スクラップ量が多いと、昇温などのための精錬負荷が増大してコストの増大や精錬時間の延長を招くという問題が起こり、また、予備処理中に全ての鉄スクラップ12を溶解できないという問題も起こる。また、容量の大きいスラグ収容搬送容器11が必要となるという問題も起こる。
尚、スラグ収容搬送容器11に装入する鉄スクラップ12の量は、予備処理精錬炉14に装入する鉄スクラップの全量とすることが好ましい。これによって鉄スクラップ装入とスラグ装入とを兼ねることができ、装入回数が増して作業時間が延び、生産性が低下することを防止しつつ、脱炭製錬炉3のスラグを予備処理精錬炉14に熱間で再利用することが可能となる。
このように、残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9は凝固・固化して地金滓13となる。その顕熱は、予備処理精錬炉14に装入される鉄スクラップ12に回収され、次工程の予備処理精錬炉14での予備処理における鉄スクラップ12の溶解のための熱として機能する。尚、凝固・固化したといえども地金滓13もおよそ300℃以上の高温であり、地金滓13の顕熱も予備処理時に回収される。
その後、溶銑15を予備処理精錬炉14に装入し、予備処理精錬炉内の全溶融メタル16(地金滓13の凝固鉄分+溶銑15)に対して予備処理を施す。この予備処理において、地金滓13として装入された残留溶融スラグ9の固化したものは、溶銑15の熱を受けて滓化し、予備処理が脱珪処理の場合にはスラグ塩基度調整剤として機能し、脱燐処理の場合には脱燐精錬剤として機能する。
予備処理精錬炉14での予備処理は、炉底の底吹き羽口から窒素ガスなどを攪拌用ガスとして全溶融メタル16に吹き込みながら、上吹きランスから酸素ガスを全溶融メタル16に上吹きして行う。予備処理が脱珪処理の場合には、溶銑中の珪素は、上吹き供給する酸素ガスで酸化され(脱珪反応:Si+O2→SiO2)、珪素酸化物(SiO2)となる。この珪素酸化物は残留溶融スラグ9或いは地金滓13に含有されるCaOと反応して炉内にスラグが形成される。予備処理が脱燐処理の場合には、溶銑中の燐は、上吹き供給する酸素ガスで酸化され(脱燐反応:2P+5/2O2→P25)、燐酸化物(P25)となる。この燐酸化物は、炉内に装入した残留溶融スラグ9或いは地金滓13に含有される、脱燐精錬剤として機能するCaOと結合し、3CaO・P25として固定される。
脱珪処理されていない溶銑を脱燐処理する際には、脱燐処理の初期に上記の脱珪反応が起こり、溶銑中の珪素濃度がおよそ0.10質量%未満に低下してから、上記の脱燐反応が起こる。この場合、主に脱珪反応が起こる期間を脱珪期、後半の脱燐反応が起こる期間を脱燐期とも呼ぶ。3CaO・P25は炉内スラグの塩基度が低い場合には形成されず、従って、装入した残留溶融スラグ9や地金滓13だけでは、炉内に生成されるスラグの塩基度が2.0以上を確保できない場合には、生石灰(CaO)などを脱燐精錬剤として追加することが、燐濃度を低下させる上で好ましい。。
溶銑15の予備処理工程1において、予備処理が脱燐処理の場合、脱燐処理後の低燐溶銑2の燐濃度を、0.030質量%以下にすること、望ましくは0.020質量%以下にすることが好ましい。この低燐溶銑2を脱炭精錬炉3で脱炭精錬すると、生成する溶融スラグ6の燐濃度は、P25換算濃度で1.5質量%程度以下の低濃度にまで低下する。このような低燐濃度の溶融スラグ6を、次の予備処理精錬炉14での脱燐用精錬剤の一部として利用した場合には、スラグ中燐濃度の上昇が抑制されて、より効率的な脱燐処理が可能となる。
本発明では、予備処理精錬炉14に溶融状態の残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9、或いは、残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9で予熱した鉄スクラップ12及び地金滓13を装入するので、これらの装入分だけ、従来の予備処理に比較して予備処理における入熱量が増加する。鉄スクラップなどを増装入しない場合には、入熱量の増加分に相当するだけ予備処理終了時の溶銑温度が上昇することになるが、脱燐処理の場合には、脱燐精錬剤が滓化する温度範囲内であるならば溶銑温度が低いほど脱燐反応は促進される。従って、溶融状態の残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9などによる入熱量の増加分に相当するだけ、予め予備処理精錬炉14に装入する鉄スクラップの質量、または、スラグ収容搬送容器11に装入する鉄スクラップの質量、及び、炉上のホッパーから投入する磁選屑(magnetically separated slag-containing iron lump)などの鉄源の使用量を増加することが好ましい。脱珪処理の場合も、生産性向上の観点から、残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9などによる入熱量の増加分に相当するだけ、鉄スクラップなどの使用量を増加することが好ましい。
本発明者らは、予備処理精錬炉14に上記の方法でリサイクルする残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9の合計量1トンあたり1.5トン程度以下の鉄スクラップ或いは磁選屑などの鉄源を増装入しても、予備処理中に増装入した分も含めて全て溶解することを調査結果から確認している。
従って、スラグ収容搬送容器10、11によって予備処理精錬炉14にリサイクルされる残留溶融スラグ9(固化後の残留溶融スラグ9)の熱回収量に応じて、スラグ収容搬送容器11へ予め装入する鉄スクラップ12の質量、または、予備処理精錬炉14に予め装入する鉄スクラップ12の質量と、炉上のホッパーから投入する磁選屑などの鉄源の質量との合計質量を決定することが好ましい。炉上のホッパーから投入する鉄源としては、磁選屑のほかに、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、製鉄ダスト、鋼の切削屑(steel cutting chip)などを使用することができる。
スラグ収容搬送容器10、11によって残留溶鋼8及び残留溶融スラグ9を予備処理精錬炉14に装入することによる熱回収量は、「溶鋼(残留溶鋼8)比熱×溶鋼質量×溶鋼温度+スラグ(残留溶融スラグ9)比熱×溶融スラグ質量×スラグ温度」で表される。実操業では、熱回収量=「(残留溶融スラグ9と残留溶鋼8との平均比熱)×(残留溶融スラグ9と残留溶鋼8との合計質量)×(残留溶融スラグ9と残留溶鋼8と平均温度)」と簡単化してもよい。
また、実操業では、予備処理精錬炉14に予め装入する鉄スクラップの質量、または、スラグ収容搬送容器11によって予備処理精錬炉14に装入される鉄スクラップの質量を、経験から求められる溶解可能な質量よりも少ない或る一定値とした上で、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、製鉄ダスト、磁選屑、鋼の切削屑のうちの何れか1種または2種以上である、予備処理精錬炉14に炉上から投入する鉄源の合計投入質量を、スラグ収容搬送容器10、11によって予備処理精錬炉14に装入される残留溶鋼8(凝固の残留溶鋼8を含む)と残留溶融スラグ9(固化後の残留溶融スラグ9)との合計質量に応じて決定しても、本発明の効果を得ることができる。
本発明において、予備処理精錬炉14における予備処理は、(1)脱珪処理、排滓からなる工程の予備処理、(2)脱珪溶銑の脱燐処理、排滓からなる工程の予備処理、(3)脱珪・脱燐処理、排滓からなる工程の予備処理、(4)脱珪・脱燐処理、炉内でのスラグ残し、次チャージの溶銑装入からなる工程の予備処理、(5)脱珪処理、中間排滓、脱燐処理、炉内でのスラグ残し、次チャージの溶銑装入からなる工程の予備処理の何れも可能である。また、何れの予備処理であっても、同様の熱的効果が得られる。また、残留溶融スラグ9(固化後の残留溶融スラグ9)からの回収熱により、短時間の脱珪処理期間でもスラグの滓化促進を可能とすることから、炉内の付着スラグ或いは残留させたスラグからの復燐を防止して効率的な予備処理が可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、脱炭精錬炉3での脱炭精錬で生成した溶融スラグ6の顕熱及び炉内残留溶鋼8の顕熱を、予備処理精錬炉14での溶銑15の予備処理において最大限に利用することができ、更に、予備処理精錬炉14ではスラグ塩基度調整剤または脱燐精錬剤の原単位が低減し、また更に、出湯歩留が向上する。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明する。図1に示す本発明に係る溶銑の精錬方法の処理フローに沿って、以下の試験を行った。以下の試験では、予備処理精錬炉14における予備処理として脱珪処理されていない溶銑の脱燐処理(脱珪・脱燐処理)を実施した。
燐濃度が0.020質量%の低燐溶銑2を300トン容量の脱炭精錬炉3(転炉)に装入し、更に媒溶剤として生石灰とドロマイトとを装入し、炉底の底吹き羽口からアルゴンガス(Arガス)を攪拌用ガスとして吹き込みながら上吹きランスから酸素ガスを供給して脱炭精錬を行った。脱炭精錬終了後、得られた溶鋼5を取鍋7に出湯し、取鍋7に出湯した溶鋼5は、必要に応じて次工程の二次精錬を経て、鋳造工程へ搬送して溶鋼5を鋳片に鋳造した。一方、出湯操作終了後の脱炭精錬炉内には、約7トンの残留溶融スラグ9と約2トンの残留溶鋼8とが残留した。
転炉型の予備処理精錬炉14における溶銑15の脱燐処理の操業条件は、比較例及び本発明例ともに、以下の通常処理条件の範囲内に設定した。
1.脱燐処理前の溶銑15の温度:1270〜1320℃
2.脱燐処理前の溶銑15の珪素濃度:0.25〜0.35質量%
3.脱燐処理前の溶銑15の燐濃度:0.100〜0.120質量%
4.脱燐処理終了時の低燐溶銑の燐濃度:0.005〜0.030質量%
5.脱燐処理終了時の炉内スラグの塩基度:2.0〜3.0
6.脱燐処理終了時の炉内スラグのトータル鉄濃度:5.0〜15.0質量%
比較例1の試験においては、脱炭精錬炉内の残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8を予備処理精錬炉14への熱間装入原料として利用することなく、従来通り、脱炭精錬炉3からの溶鋼5の出湯後にスラグパンに排出し、スラグパンでスラグヤードに搬送して、スラグヤードに流出して放冷した。
つまり、残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8を精錬処理工程の系外へ排出してスラグ処理(大気中での放冷)及び凝固鉄回収処理(固化後に破砕されたスラグからの磁選機による凝固鉄回収)を行った。そして、300トン容量の転炉型の予備処理精錬炉14へは、予め30トンの鉄スクラップを装入した後、溶銑鍋に収容された溶銑15を装入し、脱燐処理を行った。脱燐処理中に磁選屑、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱などのその他の鉄源は使用せずに脱燐処理した。
比較例1の脱燐処理終了時の低燐溶銑の温度は、1280〜1320℃の温度範囲であった。
本発明例1では、脱炭精錬炉3からの溶鋼5の出湯後、脱炭精錬炉内の残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8の全量を、速やかに、内面に耐火物層が形成されているスラグ収容搬送容器10に排出した。このスラグ収容搬送容器内で残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8の温度測定を行った結果、残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8の温度は1560〜1610℃の範囲、つまり、溶鋼及びスラグの溶融状態の範囲であった。その後、スラグ収容搬送容器10に収容された約7トンの残留溶融スラグ9と約2トンの残留溶鋼8との全量を、30トンの鉄スクラップが予め装入されている予備処理精錬炉14に装入した後、溶銑15を装入して、脱燐処理を行った。上記の比較例1に対する処理後温度の優位性を確認するために、本発明例1でも、磁選屑、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱などのその他の鉄源は使用せずに脱燐処理した。
本発明例1の脱燐処理終了時の低燐溶銑の温度は、1325〜1365℃の温度範囲となり、低燐溶銑の温度は比較例1よりも約45℃高くなることが確認できた。この温度差は、予備処理精錬炉14に装入した残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8の顕熱に起因するものである。
本発明例2では、脱炭精錬炉3からの溶鋼5の出湯後、脱炭精錬炉内の残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8の全量を、速やかに、内面に耐火物層が形成されているスラグ収容搬送容器10に排出した。その後、スラグ収容搬送容器10に収容された約7トンの残留溶融スラグ9と約2トンの残留溶鋼8との全量を、予め30トンの鉄スクラップが装入されている予備処理精錬炉14に装入した後、溶銑15を装入し、更に、炉上から鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、製鉄ダスト、磁選屑、鋼の切削屑からなる鉄源のうちの何れか1種または2種以上の鉄源を、残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8からの熱回収量に応じて添加して脱燐処理を行った。例えば磁選屑の場合は5〜10トン添加した。
本発明例2の脱燐処理終了時の低燐溶銑の温度は、比較例1と同等の1280〜1320℃の温度範囲であった。このように、本発明例2では、磁選屑などの鉄源を追加添加しても問題なく操業することができ、比較例1に対して生産量を増加させることができた。
本発明例3では、脱炭精錬炉3からの溶鋼5の出湯後、脱炭精錬炉内の残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8の全量を、速やかに、内面に耐火物層が形成されているスラグ収容搬送容器10に排出した。その後、スラグ収容搬送容器10に収容された約7トンの残留溶融スラグ9と約2トンの残留溶鋼8との全量を、予め35〜40トンの鉄スクラップが装入されている予備処理精錬炉14に装入した後、溶銑15を装入し、脱燐処理を行った。このように、本発明例3では、予備処理精錬炉14に予め装入する鉄スクラップ量を比較例1の30トンに対して更に5〜10トン増加させた。
本発明例3の脱燐処理終了時の低燐溶銑の温度は、比較例1と同等の1280〜1320℃の温度範囲であった。このように、本発明例3では、鉄スクラップの使用量を増加しても問題なく操業することができ、比較例1に対して生産量を増加させることができた。
本発明例4では、脱炭精錬炉3からの溶鋼5の出湯後、脱炭精錬炉内の残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8の全量を、速やかに、内面に耐火物層が形成されているスラグ収容搬送容器10に排出した。本発明例4では、予備処理精錬炉14に予め装入して使用する鉄スクラップと炉上から投入添加する鉄源とを併用することを前提とし、予備処理精錬炉14に装入する鉄スクラップ量を30〜40トンとし、この鉄スクラップの装入量に応じて、炉上から投入添加する鉄源の使用量を設定した。具体的には、予め装入する鉄スクラップと、炉上から投入添加する鉄源との合計量を40トンとした。
つまり、耐火物層が形成されているスラグ収容搬送容器10に収容された約7トンの残留溶融スラグ9と約2トンの残留溶鋼8との全量を、予め30〜40トンの鉄スクラップが装入されている予備処理精錬炉14に装入した後、溶銑15を装入した。その後、炉上から投入する鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、製鉄ダスト、磁選屑、鋼の切削屑からなる鉄源のうちの何れか1種または2種以上の鉄源を、予め装入した鉄スクラップの質量と炉上から投入する鉄源の質量との合計質量が40トンとなるように、予め炉内に装入した鉄スクラップ量に応じて0〜10トンの範囲で設定して添加し、脱燐処理を行った。
本発明例4の脱燐処理終了時の低燐溶銑の温度は、比較例1と同等の1280〜1320℃の温度範囲であった。このように、本発明例4では、予め装入する鉄スクラップ量の増加や磁選屑などの鉄源を追加添加しても問題なく操業することができ、比較例1に対して生産量を増加させることができた。
本発明例5では、脱炭精錬炉3からの溶鋼5の出湯後、脱炭精錬炉内の残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8の全量を、速やかに、20〜30トンの鉄スクラップが装入された金属製のスラグ収容搬送容器11に排滓した。スラグ収容搬送容器11に流出した残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8は鉄スクラップと接触して冷却され、約9トンの地金滓13が形成された。
本発明例5では、炉上から投入する鉄源を含めて脱燐処理で使用する鉄スクラップ量を40トンに設定した。つまり、予備処理精錬炉14に予め装入する鉄スクラップ量を10トンとし、金属製のスラグ収容搬送容器11に収容された20〜30トンの鉄スクラップとともに約9トンの地金滓13の全量を予備処理精錬炉14に装入した後、溶銑15を装入した。その後、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、製鉄ダスト、磁選屑、鋼の切削屑からなる鉄源のうちの何れか1種または2種以上の鉄源を、スラグ収容搬送容器11から装入される鉄スクラップ量に応じて0〜10トンの範囲で設定し、この設定した量を炉上から添加し、脱燐処理を行った。
本発明例5の脱燐処理終了時の低燐溶銑の温度は、比較例1と同等の1280〜1320℃の温度範囲であった。このように、本発明例5では、磁選屑などの鉄源を追加添加しても問題なく操業することができ、生産量を増加させることができた。
本発明例6では、脱炭精錬炉3からの溶鋼5の出湯後、脱炭精錬炉内の残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8の全量を、速やかに、30〜40トンの鉄スクラップが装入された金属製のスラグ収容搬送容器11に排滓した。スラグ収容搬送容器11に流出した残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8は鉄スクラップと接触して冷却され、約9トンの地金滓13が形成された。
本発明例6では、予備処理精錬炉14に予め装入する鉄スクラップ量をゼロとした上で、炉上から投入する鉄源を含めて脱燐処理で使用する鉄スクラップ量を40トンに設定した。つまり、スラグ収容搬送容器11に収容された30〜40トンの鉄スクラップとともに約9トンの地金滓13の全量を予備処理精錬炉14に装入した後、溶銑15を装入した。その後、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、製鉄ダスト、磁選屑、鋼の切削屑からなる鉄源のうちの何れか1種または2種以上の鉄源を、スラグ収容搬送容器11から装入される鉄スクラップ量に応じて0〜10トンの範囲で設定し、この設定した量を炉上から添加し、脱燐処理を行った。
本発明例6の脱燐処理終了時の低燐溶銑の温度は、比較例1と同等の1280〜1320℃の温度範囲であった。また、本発明例6では、予備処理精錬炉14へ鉄スクラップを単独で装入することがなく、これにより、残留溶融スラグ9の装入時間及び鉄スクラップ12の装入時間なども含めた脱燐処理時間間隔を10%程度短縮することができ、鉄スクラップ及び磁選屑などの鉄源の装入による生産量の増加も相まって、生産性を向上することができた。
本発明例7では、脱炭精錬炉3からの溶鋼5の出湯後、脱炭精錬炉内の残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8の全量を、速やかに、30〜40トンの鉄スクラップが装入された金属製のスラグ収容搬送容器11に排滓した。スラグ収容搬送容器11に流出した残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8は鉄スクラップと接触して冷却され、約9トンの地金滓13が形成された。
本発明例7では、予備処理精錬炉14における予備処理として、主に溶銑を脱珪処理する脱珪期の後に一旦酸素吹錬を中断し、炉内のスラグを排滓(「中間排滓」という)し、その後、予備処理精錬炉14に生石灰を添加して溶銑を脱燐(脱燐期)するという方法を採用した。脱珪期終了時点の炉内スラグの塩基度を1.0〜1.5の範囲に調整し、4分間程度吹錬を中断する間に、10kg/溶銑−t程度の炉内スラグを残留させるように中間排滓を実施した。また、本発明例7では、予備処理精錬炉14に予め装入する鉄スクラップ量をゼロとした上で、炉上から投入する鉄源を含めて脱燐処理で使用する鉄スクラップ量を40トンに設定した。
つまり、金属製のスラグ収容搬送容器11に収容された30〜40トンの鉄スクラップとともに約9トンの地金滓13の全量を予備処理精錬炉14に装入した後、溶銑15を装入した。その後、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、製鉄ダスト、磁選屑、鋼の切削屑からなる鉄源のうちの何れか1種または2種以上の鉄源を、スラグ収容搬送容器11から装入される鉄スクラップ量に応じて0〜10トンの範囲で設定し、この設定した量を炉上から添加し、脱珪・脱燐処理を行った。
本発明例7の脱燐処理終了時の低燐溶銑の温度は、1280〜1320℃の温度範囲であり、脱燐処理終了時の低燐溶銑の燐濃度は、0.005〜0.020質量%であった。本発明例7では、脱珪期の後、中間排滓を行わない本発明例1〜6及び比較例1に対して、脱燐処理終了時の低燐溶銑の燐濃度が低下していた。
このように、本発明例7では、脱珪期の後に中間排滓を行うことで、残留溶融スラグ9からの復燐が防止され、脱燐処理終了時の低燐溶銑燐濃度を低下することができた。
本発明例8では、脱炭精錬炉3からの溶鋼5の出湯後、脱炭精錬炉内の残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8の全量を、速やかに、35〜40トンの鉄スクラップが装入された金属製のスラグ収容搬送容器11に排滓した。スラグ収容搬送容器11に流出した残留溶融スラグ9及び残留溶鋼8は鉄スクラップと接触して冷却され、約9トンの地金滓13が形成された。
本発明例8では、予備処理として、予備処理精錬炉14における前チャージの脱燐処理後のスラグを炉内に残留させたまま、当該チャージの溶銑を装入して予備処理精錬を開始し、主に溶銑を脱珪処理する脱珪期の後に一旦酸素吹錬を中断して、炉内のスラグを中間排滓し、その後、予備処理精錬炉14に生石灰を添加して溶銑を脱燐(脱燐期)するという方法を採用した。脱珪期終了時点の炉内スラグの塩基度を1.0〜1.5の範囲に調整し、4分間程度吹錬を中断する間に、10kg/溶銑−t程度の炉内スラグを残留させるように中間排滓を実施した。また、本発明例8では、予備処理精錬炉14に予め装入する鉄スクラップ量をゼロとした上で、炉上から投入する鉄源を含めて脱燐処理で使用する鉄スクラップ量を42トンに設定した。
つまり、金属製のスラグ収容搬送容器11に収容された35〜40トンの鉄スクラップとともに約9トンの地金滓13の全量を予備処理精錬炉14に装入した後、溶銑15を装入した。その後、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、製鉄ダスト、磁選屑、鋼の切削屑からなる鉄源のうちの何れか1種または2種以上の鉄源を、スラグ収容搬送容器11から装入される鉄スクラップ量に応じて2〜7トンの範囲で設定し、この設定した量を炉上から添加し、脱珪・脱燐処理を行った。
本発明例8の脱燐処理終了時の低燐溶銑の温度は、1280〜1320℃の温度範囲であり、脱燐処理終了時の低燐溶銑の燐濃度は、0.005〜0.020質量%であった。本発明例8では、脱珪期の後、中間排滓を行わない本発明例1〜6及び比較例1に対して、脱燐処理終了時の低燐溶銑の燐濃度が低下して、本発明例7と同程度となっていた。
このように、本発明例8では、脱燐処理後のスラグを再利用するとともに、脱珪期の後に中間排滓を行うことで、再利用した脱燐処理後スラグ及び残留溶融スラグ9からの復燐が防止され、脱燐処理終了時の低燐溶銑燐濃度を低下することができた。また、再利用した脱燐処理後スラグを脱珪期の精錬剤として活用することで、脱燐処理後スラグの保有する顕熱も更に有効利用することができた。
比較例1及び本発明例1〜8の結果をまとめて表1に示す。
Figure 0005807720
1 予備処理工程
2 低燐溶銑
2’ 脱珪溶銑
3 脱炭精錬炉
4 脱炭精錬工程
5 溶鋼
6 溶融スラグ
7 取鍋
8 残留溶鋼
9 残留溶融スラグ
10 スラグ収容搬送容器
10a 耐火物層
11 スラグ収容搬送容器
12 鉄スクラップ
13 地金滓
14 予備処理精錬炉
15 溶銑
16 全溶融メタル

Claims (7)

  1. 少なくとも2基の転炉型精錬炉を用い、一方を溶銑の予備処理精錬炉として使用し、他方を前記予備処理精錬炉で予備処理された溶銑の脱炭精錬炉として使用して、溶銑から溶鋼を溶製する溶銑の精錬方法であって、前記脱炭精錬炉での脱炭精錬によって得られた溶鋼を取鍋に出湯した後、脱炭精錬炉内に残ったスラグを、予め鉄スクラップが装入されたスラグ収容搬送容器に排出して該スラグ収容搬送容器内に積層された前記鉄スクラップ上から溶融状態のまま流下させて、前記スラグの少なくとも一部を凝固させ、次いで、前記スラグ収容搬送容器に収容された少なくとも一部が凝固した前記スラグを前記鉄スクラップとともに前記予備処理精錬炉に装入し、その後、予備処理精錬炉に溶銑を装入して該溶銑に予備処理を行い、該予備処理で、少なくとも一部が凝固した前記スラグを前記鉄スクラップとともに高温のまま使用することを特徴とする、溶銑の精錬方法。
  2. 少なくとも2基の転炉型精錬炉を用い、一方を溶銑の予備処理精錬炉として使用し、他方を前記予備処理精錬炉で予備処理された溶銑の脱炭精錬炉として使用して、溶銑から溶鋼を溶製する溶銑の精錬方法であって、前記脱炭精錬炉での脱炭精錬によって得られた溶鋼を取鍋に出湯した後、脱炭精錬炉内に残ったスラグをスラグ収容搬送容器に排出し、次いで、該スラグ収容搬送容器に収容された前記スラグを、予め鉄スクラップが装入された前記予備処理精錬炉に装入して該予備処理精錬炉内に積層された前記鉄スクラップ上から少なくとも前記スラグの一部を溶融状態のまま流下させて、前記スラグの少なくとも一部を凝固させ、その後、前記予備処理精錬炉に溶銑を装入して該溶銑に予備処理を行い、該予備処理で、少なくとも一部が凝固した前記スラグを前記鉄スクラップとともに高温のまま使用することを特徴とする、溶銑の精錬方法。
  3. 前記スラグ収容搬送容器はその内面側に耐火物層が施工されていることを特徴とする、請求項に記載の溶銑の精錬方法。
  4. 前記予備処理精錬炉で溶銑の脱珪処理を行い、次いで、溶銑及び脱珪処理後のスラグの一部を前記予備処理精錬炉内に残留させる中間排滓を行い、引き続き、前記予備処理精錬炉内に残した脱珪処理後の溶銑に対してCaO系媒溶剤を添加するとともに酸素ガスを供給して溶銑の脱燐処理を行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の溶銑の精錬方法。
  5. 前記予備処理精錬炉で溶銑の脱燐処理を行い、該脱燐処理後の溶銑を予備処理精錬炉から出湯した後、脱燐処理後のスラグを炉内に残留させたまま前記予備処理精錬炉に次チャージの溶銑を装入し、該溶銑に脱珪処理を行い、次いで、溶銑及び脱珪処理後のスラグの一部を前記予備処理精錬炉内に残留させる中間排滓を行い、引き続き、前記予備処理精錬炉内に残した脱珪処理後の溶銑に対してCaO系媒溶剤を添加するとともに酸素ガスを供給して溶銑の脱燐処理を行うことを特徴とする、請求項に記載の溶銑の精錬方法。
  6. 前記予備処理精錬炉での予備処理が脱燐処理であり、脱燐処理された溶銑の燐濃度は0.030質量%以下であることを特徴とする、請求項1ないし請求項の何れか1項に記載の溶銑の精錬方法。
  7. 前記スラグ収容搬送容器へ予め装入する鉄スクラップの質量または前記予備処理精錬炉へ予備処理前に装入する鉄スクラップの質量と、鉄鉱石、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、製鉄ダスト、磁選屑、鋼の切削屑からなる鉄源のうちの何れか1種または2種以上である、前記予備処理精錬炉の炉上から予備処理精錬炉に投入する鉄源の質量と、の合計質量を、前記スラグ収容搬送容器によって予備処理精錬炉に装入されるスラグの熱回収量に応じて決定することを特徴とする、請求項ないし請求項の何れか1項に記載の溶銑の精錬方法。
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