JP5807590B2 - ハイブリッド車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両等に搭載される自動変速機の制御装置に係り、詳しくは、内燃エンジンと自動変速機構との間に配置された第1の摩擦係合要素の係脱状態と、自動変速機構内に配置された第2の摩擦係合要素の係脱状態とを制御するハイブリッド車両用自動変速機の制御装置に関する。
例えば、自動変速機は、内燃エンジンの出力を、トルクコンバータを介して複数の変速段を形成する自動変速機構に伝達する。また、伝達効率を良くするために、内燃エンジンと自動変速機構との間にロックアップクラッチを設け、走行状態によって内燃エンジンと自動変速機構とを直結する構成も知られている。
このようなロックアップクラッチを有する構造の場合、ロックアップクラッチが何らかの理由でロック(直結)されたままとなる可能性がある。このために、ロックアップクラッチの異常を検出する手段を設けた装置が提案されている。この装置の場合、ロックアップクラッチを解放するオフの信号が出されている状態で、内燃エンジンの出力軸とロックアップクラッチの出力軸が接続される自動変速機構の入力軸との回転数の差を検出している。そして、ロックアップクラッチがオフされているにも拘らず、これら出力軸と入力軸との回転数の差が小さい場合に、ロックアップクラッチが異常であることを検出する(特許文献1参照)。
また、走行中に内燃エンジンを停止してモータによりEV走行する際に、自動変速機構の変速段が前進1〜3速段などの低速段である場合、内燃エンジンの始動に備えて発進クラッチを係合しておく装置が提案されている(特許文献2参照)。
特開2003−287123号公報 特開2010−223399号公報
しかしながら、上述の特許文献2に記載されたハイブリッド車両で、走行中にロックアップクラッチがオンの状態から内燃エンジンを停止してモータで走行するEV走行を行った場合、内燃エンジンのトルク及び回転数が低下するため、内燃エンジンの出力軸と自動変速機構の入力軸との回転数の差が、ロックアップクラッチがオフであったとしても開かないことがある。このため、上述の特許文献1に記載された装置では、ロックアップクラッチの異常を検出できない場合がある。
ここで、上述の特許文献2に記載の車両のように、内燃エンジンを停止した状態から内燃エンジンによる走行への切り替えを円滑に行うため、内燃エンジンを停止していても、自動変速機構内のクラッチを係合状態としておく場合がある。このような場合に、ロックアップクラッチがロックされたまま車両が停止している状態で、バッテリの充電量の低下などによりスタータモータで内燃エンジンを始動させようとすると、スタータモータの出力がロックアップクラッチ及び自動変速機構内の係合状態のクラッチを介して車輪に伝達されてしまい、運転者に違和感を与えてしまう可能性がある。
そこで本発明は、ロックアップクラッチなどの自動変速機構へ駆動力を入力する摩擦係合要素が正常であるか否かを判定できない状態で、自動変速機構へ駆動力を入力する摩擦係合要素が係合されたままスタータモータなどの始動用回転電機で内燃エンジンを始動しようとしても、始動用回転電機の出力が車輪に伝達されないような構造を提供することを目的とするものである。
本発明は(例えば図1、2、4参照)、始動用回転電機(3A)により始動する内燃エンジン(2)と前記内燃エンジンの回転を変速し得る自動変速機構(5)との間に配置される第1の摩擦係合要素(7)の係脱状態と、前記自動変速機構(5)内に配置され、且つ、前記内燃エンジン(2)停止時に電動油圧発生装置(32)により発生する油圧に基づいて係合され、係合時に前記自動変速機構(5)に入力された動力を車輪(80fl、80fr)に伝達する第2の摩擦係合要素(C−1)の係脱状態と、を制御するハイブリッド車両用自動変速機の制御装置(19)において、
前記第1の摩擦係合要素(7)が正常であることを判定する判定手段(42)と、
前記内燃エンジンの停止中であって、前記判定手段(42)が前記第1の摩擦係合要素(7)が正常であると判定していないときに、前記第1の摩擦係合要素(7)が係合された状態で前記内燃エンジンを始動する場合に前記始動用回転電機(3A)の始動トルクにより滑るように、前記第2の摩擦係合要素(C−1)の係合圧を第1の係合圧に制御する制御手段(43)と、を備え、
前記判定手段(42)は、前記第1の摩擦係合要素(7)が正常であると判定していない状態で、前記内燃エンジン(2)が始動した後に、前記内燃エンジン(2)の出力軸(8)と前記自動変速機構(5)の入力軸(10)との回転数の差を検知することにより、前記第1の摩擦係合要素(7)が正常であるか否かを判定する始動後判定を実行し、
前記制御手段(43)は、前記判定手段(42)が始動後判定で前記第1の摩擦係合要素(7)は正常でないと判定した場合に、前記第2の摩擦係合要素(C−1)を解放し、前記判定手段(42)が始動後判定で前記第1の摩擦係合要素(7)は正常であると判定した場合に、前記第2の摩擦係合要素(C−1)の係合圧を前記第1の係合圧よりも大きい第2の係合圧に制御する、ことを特徴とする。
また、本発明は(例えば図1、2、4参照)、前記判定手段(42)は、前記内燃エンジン(2)が停止する前に、前記内燃エンジン(2)の出力軸(8)と前記自動変速機構(5)の入力軸(10)との回転数の差を検知することにより、前記第1の摩擦係合要素(7)が正常であることを判定する、ことを特徴とする。
また、本発明は(例えば図1、2、4参照)、アクセル開度信号を検知するアクセル検知手段(45)を有し、
前記制御手段(43)は、前記アクセル検知手段(45)がオン信号を検知した場合には、前記判定手段(42)が前記第1の摩擦係合要素(7)が正常であると判定していなくても、前記第2の摩擦係合要素(C−1)の係合圧を前記第1の係合圧よりも大きい第3の係合圧に制御する、ことを特徴とする。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、判定手段が第1の摩擦係合要素が正常であると判定していないときには、制御手段は、第2の摩擦係合要素の係合圧を始動用回転電機の始動トルクにより滑る第1の係合圧に制御するため、第1の摩擦係合要素が正常であるか否かを判定できない状態で、第1の摩擦係合要素が係合されたまま始動用回転電機で内燃エンジンを始動しようとしても、始動用回転電機の出力が車輪に伝達されず、運転者に違和感を与えることを防止できる。また、内燃エンジンが始動した後に判定手段による第1の摩擦係合要素が正常であるか否かの判定を行い、正常でなければ、第2の摩擦係合要素の係合圧を小さくして、内燃エンジンへの負荷を低減でき、正常であれば、第2の摩擦係合要素の係合圧を大きくして、内燃エンジンでの走行への切り替えを円滑に行えるようにできる。
請求項2に係る本発明によると、判定手段による判定を内燃エンジンが停止する前に行うため、内燃エンジンの停止による内燃エンジンのトルク及び回転数の低下がないため、内燃エンジンの出力軸と自動変速機構の入力軸との回転数の差を検知することにより、第1の摩擦係合要素が正常であることの判定を行うことができる。
請求項3に係る本発明によると、運転者に車両を走行させる意思がある場合には、判定手段による判定に拘らず第2の摩擦係合要素の係合圧を大きくして、内燃エンジンによる走行を行えるようにすることができる。
本発明の実施形態に係る自動変速機の制御装置を適用し得るハイブリッド車両を示す概略図。 本実施形態の自動変速機を示すスケルトン図。 本実施形態の自動変速機の係合表。 本実施形態の自動変速機の制御装置を示すブロック図。 本実施形態で、事前にロックアップクラッチが正常であるか否かが判明している場合の、車速、エンジン回転、インプット回転、クラッチ圧の状態を示す、(A)は正常でない場合の、(B)は正常である場合のタイムチャート。 ロックアップクラッチが正常でない状態でクラッチC−1が係合されたまま、エンジンが再始動した場合の、エンジン回転、インプット回転、クラッチ圧の状態を示すタイムチャート。 本実施形態で、ロックアップクラッチが正常であると判定していない場合の、車速、エンジン回転、インプット回転、クラッチ圧の状態を示す、ロックアップクラッチが、(A)は正常でなかった場合の、(B)は正常であった場合のタイムチャート。 本実施形態で、ロックアップクラッチが正常であると判定していない場合で、アクセルがオンされた場合の、車速、エンジン回転、インプット回転、クラッチ圧の状態を示す、ロックアップクラッチが、(A)は正常でなかった場合の、(B)は正常であった場合のタイムチャート。 本実施形態の自動変速機の制御装置の制御の1例を示すフローチャート。
以下、本発明に係る実施形態を図1乃至図9に沿って説明する。まず、図1に沿って、本実施形態の自動変速機を適用し得るハイブリッド車両の一例を説明する。
本実施形態に係るハイブリッド車両100は、リヤモータ式ハイブリッド車両であり、前方側に内燃エンジン(E/G)2を搭載し、該内燃エンジン2と前側の左右の車輪80fl,80frとの間の伝達経路L(図2参照)上にハイブリッド車両用自動変速機(以下、単に「自動変速機」という)1が搭載された、いわゆるFF(フロントエンジン、フロントドライブ)タイプの車両のように構成されていると共に、後側の左右の車輪80rl,80rrに駆動連結されるリヤモータ(Rear Motor)(回転電機)20を備えており、つまりエンジン走行時には前輪駆動、EV走行時には後輪駆動、ハイブリッド走行時には四輪駆動が可能となるように構成されている。
詳細には、内燃エンジン2には、始動用回転電機であるベルト式統合型スタータ・ジェネレータ(Belt Integrated Starter Generator)3Aが接続されており、該内燃エンジン2が始動自在に構成されている。ベルト式統合型スタータ・ジェネレータ(BISG)3Aは、インバータ(Inverter)23を介して高電圧バッテリ(Hi−V Battery)24から電力が供給されることで、内燃エンジン2を高出力で始動し得ると共に、内燃エンジン2の始動中(駆動中)は、高電圧バッテリ24に対する充電も可能に構成されている。
一方のスタータ(Starter)3Bは、一般的な低電圧バッテリ(Lo−V Battery)26(いわゆる12V型電源)で駆動するようなスタータである。本ハイブリッド車両100では、常温(例えば0度以上)ではベルト式統合型スタータ・ジェネレータ(BISG)3Aを用いてアイドル回転数よりも高い回転数まで内燃エンジン2の回転数を上昇した後に該内燃エンジン2の点火を行い、低温時(例えば0度未満)ではスタータ3Bを用いて内燃エンジン2の通常始動を行う。
上記内燃エンジン2には、詳しくは後述する自動変速機1が接続されている。自動変速機1は、大まかに、トルクコンバータ(T/C)4、後述の内燃エンジン2の回転を変速し得る自動変速機構(T/M)5、油圧制御装置(V/B)6などを有して構成されており、内燃エンジン2にはトルクコンバータ4が駆動連結されている。該トルクコンバータ4には自動変速機構(T/M)5が駆動連結されており、該自動変速機構5は、詳しくは後述するように、ディファレンシャル装置D(図2参照)を介して左右車軸81l,81rに接続され、前側の左右の車輪80fl,80frに駆動連結されている。なお、トルクコンバータ4の後述するポンプインペラ4a(図2参照)には、機械式オイルポンプが駆動連結されている。
また、該自動変速機構5には、後述の摩擦係合要素(クラッチやブレーキ)を油圧制御するための油圧制御装置(V/B)6が付設されており、該油圧制御装置6は、自動変速機の制御装置である制御部(TCU:Transmission Control Unit)19からの電子指令に基づき、内蔵されたソレノイドバルブ等が電子制御される。また、油圧制御装置6には、詳しくは後述するように、内燃エンジン2とは独立して駆動される電動油圧発生装置である電動オイルポンプ32が付設されており、該電動オイルポンプ32から油圧制御装置6に対して油圧供給し得るように構成されている。
なお、電動オイルポンプ32や制御部19は、低電圧バッテリ26の電力を用いて駆動される。該低電圧バッテリ26は、DC/DCコンバータ(降圧回路)25を介して高電圧バッテリ24に接続されており、該高電圧バッテリ24から電力が供給されるように構成されている。
一方、上記リヤモータ20は、インバータ23を介して高電圧バッテリ24に接続されており、力行・回生自在に構成されている。該リヤモータ20は、モータ切離しクラッチC−Mを介してギヤボックス(Gear Box)21に駆動連結されている。ギヤボックス21には、図示を省略した所定減速比の減速ギヤ機構及びディファレンシャル装置が内蔵されており、モータ切離しクラッチC−Mの係合時には、該リヤモータ20の回転を、ギヤボックス21の減速ギヤ機構で減速しつつ、かつディファレンシャル装置で左右車軸82l,82rの差回転を吸収しつつ、後側の左右の車輪80rl,80rrに伝達する。
続いて、自動変速機1の構成について図2に沿って説明する。本自動変速機1は、内燃エンジン2(図1参照)と前側の左右の車輪80fl,80frとの間の伝達経路Lを構成するように配置されており、内燃エンジン2(図1参照)のクランク軸に接続し得る自動変速機の入力軸8を有していると共に、該入力軸8の軸方向を中心として上述のトルクコンバータ4と自動変速機構5とを備えている。
トルクコンバータ4は、自動変速機1の入力軸8に接続されたポンプインペラ4aと、作動流体を介して該ポンプインペラ4aの回転が伝達されるタービンランナ4bと、タービンランナ4bからポンプインペラ4aに戻るオイルを整流しつつトルク増大作用を生じさせるステータ4cとを有していると共に、該タービンランナ4bは、上記入力軸8と同軸上に配設された上記自動変速機構5の入力軸10に接続されている。また、該トルクコンバータ4には、第1の摩擦係合要素であるロックアップクラッチ7が備えられており、該ロックアップクラッチ7が係合されると、上記自動変速機1の入力軸8の回転が自動変速機構5の入力軸10に直接伝達される。即ち、ロックアップクラッチ7は、内燃エンジン2と自動変速機構5との間に配置され、係合状態で内燃エンジン2と自動変速機構5とを直結する。
なお、ステータ4cは、ワンウェイクラッチFによって、ポンプインペラ4aの回転よりタービンランナ4bの回転が下回る状態で回転が固定されて、オイルの流れの反力を受圧してトルク増大作用を生じさせ、タービンランナ4bの回転が上回る状態になると空転して、オイルの流れが負方向に作用しないように構成されている。
また、ポンプインペラ4aは、その自動変速機構5側の端部が、図2では図示を省略した機械式オイルポンプ31に駆動連結されており、つまり機械式オイルポンプ31は、入力軸8を介して内燃エンジン2に連動されるように駆動連結されている。
上記自動変速機構5には、入力軸10上において、プラネタリギヤSPと、プラネタリギヤユニットPUとが備えられている。上記プラネタリギヤSPは、サンギヤS1、キャリヤCR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、サンギヤS1及びリングギヤR1に噛合するピニオンP1を有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
また、該プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素としてサンギヤS2、サンギヤS3、キャリヤCR2、及びリングギヤR2を有し、該キャリヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛合するロングピニオンPLと、サンギヤS3に噛合するショートピニオンPSとを互いに噛合する形で有している、いわゆるラビニヨ型プラネタリギヤである。
上記プラネタリギヤSPのサンギヤS1は、ミッションケース9に一体的に固定されているボス部に接続されて回転が固定されている。また、上記リングギヤR1は、上記入力軸10の回転と同回転(以下「入力回転」という。)になっている。更に上記キャリヤCR1は、該固定されたサンギヤS1と該入力回転するリングギヤR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、第2の摩擦係合要素であるクラッチC−1及びクラッチC−3に接続されている。
上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、バンドブレーキからなるブレーキB−1に接続されてミッションケースに対して固定自在となっていると共に、上記クラッチC−3に接続され、該クラッチC−3を介して上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。また、上記サンギヤS3は、クラッチC−1に接続されており、上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。
更に、上記キャリヤCR2は、入力軸10の回転が入力されるクラッチC−2に接続され、該クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、ワンウェイクラッチF−1及びブレーキB−2に接続されて、該ワンウェイクラッチF−1を介してミッションケースに対して一方向の回転が規制されると共に、該ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、上記リングギヤR2は、カウンタギヤ11に接続されており、該カウンタギヤ11は、カウンタシャフト15、ディファレンシャル装置Dを介して車輪80fl,80frに接続されている。
以上のように構成されたハイブリッド車両100は、内燃エンジン2の駆動力を用いたエンジン走行にあっては、図1に示すモータ切離しクラッチC−Mが解放されて、リヤモータ20が車輪80rl,80rrから切離された状態にされる。そして、自動変速機1において、車速やアクセル開度に応じて制御部19により最適な変速段が判断されることで油圧制御装置6が電子制御され、その変速判断に基づき形成される前進1速段〜前進6速段及び後進段で内燃エンジン2の駆動力を変速して、車輪80fl,80frに該内燃エンジン2の駆動力を伝達する。なお、自動変速機1の前進1速段〜前進6速段及び後進段は、図3に示す作動表のように、各クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−2、ワンウェイクラッチF−1が作動することにより達成される。
上記エンジン走行からハイブリッド走行に移行する際は、図1に示すモータ切離しクラッチC−Mが係合されて、リヤモータ20が車輪80rl,80rrに駆動連結される。これにより、上記エンジン走行に加え、アクセル開度(運転者の駆動力要求)に基づき、リヤモータ20の駆動力が適宜にアシスト或いは回生され、つまり内燃エンジン2の駆動力とリヤモータ20の駆動力とを用いてハイブリッド車両100が走行される。
なお、上記内燃エンジン2の駆動力によるエンジン走行時の加速時などにあっては、モータ切離しクラッチC−Mを解放し、リヤモータ20を車輪80rl,80rrから切離して走行抵抗にならないようにしてもよい。また、エンジン走行時であっても、減速時にはモータ切離しクラッチC−Mを係合し、リヤモータ20で回生ブレーキを実行する方が燃費向上に対して好ましい。
そして、EV走行にあっては、図1に示すモータ切離しクラッチC−Mが係合されて、リヤモータ20が車輪80rl,80rrに駆動連結され、かつ内燃エンジン2が停止されると共に自動変速機1における各クラッチC−2〜C−3、ブレーキB−1〜B−2が解放されて、該自動変速機1が空転可能状態にされる。これにより、アクセル開度(運転者の駆動力要求)に基づき、リヤモータ20の駆動力が適宜に力行或いは回生され、つまりリヤモータ20の駆動力だけを用いてハイブリッド車両100が走行される。
なお、このEV走行中にあっては、自動変速機構5の車輪80fl,80frに駆動連結された部材(例えばディファレンシャル装置D,カウンタシャフト15、カウンタギヤ11、プラネタリギヤユニットPUの各ギヤなど)が連れ回されると共に、内燃エンジン2の停止によって機械式オイルポンプが停止される。従って、内燃エンジン停止時には電動オイルポンプ32によって、自動変速機構5の潤滑部位への潤滑油の供給を行う必要がある。
また、EV走行中にあっては、EV走行からハイブリッド走行への移行準備として、自動変速機構内のクラッチC−1を係合状態にしておく。EV走行中にクラッチC−1を係合したとしても、自動変速機構5は、牽引状態であってエンジンブレーキ時と同様な状態であり、上記ワンウェイクラッチF−1が空転するため、空転可能状態に制御されていることになる。このようにクラッチC−1を係合状態にしておくための油圧も、電動オイルポンプ32によって発生しておく必要がある。
また、本実施形態の場合、ロックアップクラッチ7が正常であるか否かを検出するために、内燃エンジン2の回転数(エンジン回転)と自動変速機構5の入力軸10の回転数(インプット回転)とをそれぞれ検出するようにしている。このために、内燃エンジン2の出力軸の回転数を検知するエンジン回転数センサ40と、自動変速機構5の入力軸10の回転数を検知する入力軸回転数センサ41とを備える。図示の例の場合、エンジン回転数センサ40は、内燃エンジン2の出力軸に直結される自動変速機1の入力軸8に配置しているが、内燃エンジン2の出力軸に配置しても良い。また、入力軸回転数センサ41は、入力軸10に直結されて同じ速度で回転する部分に配置すれば良く、図示の例では、他の部材との干渉を考慮して、クラッチC−2近傍の外周側に配置している。
本実施形態の場合、自動変速機の制御装置である制御部19は、図4に示すように、上述のエンジン回転数センサ40と入力軸回転数センサ41との信号に基づいて、ロックアップクラッチ7が正常であるか否かを判定する判定手段42を有する。判定手段42は、後述するロックアップ制御手段44がロックアップクラッチ7の係合解除の信号を出した状態で、エンジン回転数センサ40により検出したエンジン回転数と、入力軸回転数センサ41により検出した自動変速機構の入力軸10の回転数との差が、所定値よりも大きい場合に、ロックアップクラッチ7が正常である判定し、所定値以下の場合に、ロックアップクラッチ7が正常でないと判定する。
例えば、内燃エンジン2の始動時に自動変速機1の入力軸8にエンジントルクが入力されると、ロックアップクラッチ7の係合が解除されていれば、このトルクがトルクコンバータ4を介して自動変速機構5の入力軸10に入力される。このとき、トルクがトルクコンバータ4を介して入力されるため、自動変速機1の入力軸8と自動変速機構5の入力軸10との間で、回転数の差が生じる。一方、ロックアップクラッチ7の係合が解除されていなければ、エンジントルクがロックアップクラッチ7を介して自動変速機構5の入力軸10に入力されることになる。このため、自動変速機1の入力軸8と自動変速機構5の入力軸10との間で、回転数の差がほとんど生じない。したがって、この回転数の差からロックアップクラッチ7が正常であるか否かを判定できる。
このような制御部19は、判定手段42の他に、クラッチC−1の係合圧を制御する制御手段であり、クラッチC−1の係脱状態を制御するクラッチ制御手段43、ロックアップクラッチ7の係脱状態を制御するロックアップ制御手段44、アクセルのオン信号を検知するアクセル検知手段45などを有する。なお、制御部19は、これら以外の各種制御手段を備え、油圧制御装置6及びロックアップクラッチ7を制御する。
油圧制御装置6には、各クラッチC−1〜C−3、ブレーキB−1〜B−2の油圧サーボに対して供給する係合圧を制御する複数のリニアソレノイドバルブ等が備えられており、特に油圧制御装置6には、クラッチC−1の油圧サーボ46に対して供給する係合圧PC1を、例えばライン圧Pを元圧として調圧出力自在なリニアソレノイドバルブSLC1と、ロックアップクラッチ7の係合圧PL−UP(トルクコンバータ4の内圧)を、例えばセカンダリ圧PSECを元圧として調圧出力自在なリニアソレノイドバルブSLUと、が備えられている。そして、該リニアソレノイドバルブSLC1はクラッチ制御手段43により、該リニアソレノイドバルブSLUはロックアップ制御手段44により、それぞれ制御され得るように構成されている。
クラッチ制御手段43は、変速制御マップや運転者のシフト操作などに基づいて、クラッチC−1の係脱を行わせるように、リニアソレノイドバルブSLC1を制御する。また、上述したように、EV走行中にあっては、EV走行からハイブリッド走行への移行準備として、クラッチC−1を係合させるように、リニアソレノイドバルブSLC1を制御する。更に、後述するように、判定手段42の判定に応じて、或いは、判定していない場合、更にはアクセル検知手段45の検知結果のそれぞれに応じて、クラッチC−1の係合圧を制御するようにリニアソレノイドバルブSLC1を制御する。
ロックアップ制御手段44は、ロックアップ制御マップなどに基づいて、ロックアップクラッチ7の係脱を行わせるように、リニアソレノイドバルブSLUを制御する。EV走行中は、通常、ロックアップクラッチ7の係合は解除されている。
アクセル検知手段45は、アクセルのオン・オフ(更にはアクセル開度)を検知するアクセルセンサ47の信号を検知する。言い換えれば、アクセル検知手段45は、運転者の車両を走行させる意思を検知する。
ここで、例えばリニアソレノイドバルブSLUの異常などにより、ロックアップ制御手段44がロックアップクラッチ7を解除する信号を出していても、ロックアップクラッチ7の係合が解除されていない、即ち、ロック状態のままとなる正常でない(異常)状態が生じる場合がある。そして、この状態でEV走行をしていると、エンジントルクが無いため、ロックアップクラッチ7が正常であるか否かを判定するのに十分なエンジン回転数と自動変速機構の入力軸10の回転数との差が生じないため、上述のようにロックアップクラッチ7が正常であるか否かの判定ができない。また、EV走行している場合には、上述したように、クラッチC−1を係合状態としている。
このように、ロックアップクラッチ7が正常であるか否かを判定できないまま、EV走行状態で車両が停止し、ロックアップクラッチ7が異常であるとする。尚、この場合はエンジンが停止しており機械式オイルポンプ31からの油圧がなく、また電動オイルポンプ32からの油圧ではロックアップクラッチ7をオンに維持できないため、ロックアップクラッチの係合は解除されている。この状態で、クラッチC−1が係合したままであると、バッテリ充電量が低下して、ベルト式統合型スタータ・ジェネレータ(BISG)3Aにより内燃エンジン2を始動させようとした場合に、始動に際して機械式オイルポンプ31が駆動されて油圧を発生させることでロックアップクラッチ7が係合(ロック状態)されてしまい、このBISG3Aの始動トルクがロックアップクラッチ7及びクラッチC−1を介して車輪に伝達されてしまう。特に、BISG3Aの始動トルクは大きいため、運転者には、ブレーキを踏んで車両を停止させているにも拘らず車両が発進しようとする始動トルクが伝わってしまい、違和感が生じる可能性がある。
そこで、本実施形態では、制御部19は、次のように、クラッチC−1の係合圧を制御するようにしている。即ち、判定手段42がロックアップクラッチ7が正常であると判定していないときに、ロックアップクラッチ7が係合された状態で、クラッチC−1がBISG3Aの少なくとも始動トルクにより滑るように、クラッチ制御手段43がクラッチC−1の係合圧を第1の係合圧に制御する。
具体的には、クラッチC−1の係合圧を、EV走行からハイブリッド走行への移行準備として制御される圧力(通常はライン圧)よりも低くし、ロックアップクラッチ7が係合された状態で、クラッチC−1がBISG3Aの始動トルクにより滑るようにする。なお、スタータ3Bでエンジンを始動する場合があるが、スタータ3Bの始動トルクは、BISG3Aの始動トルクよりも小さいため、クラッチC−1で伝達されても、運転者に与える違和感は少ない。勿論、第1の係合圧をスタータ3Bの始動トルクで滑るように制御しても良い。
但し、第1の係合圧は、クラッチC−1がエンジン始動後のクリープトルクを伝達するように制御されることが好ましい。このクリープトルクとは、ロックアップクラッチ7が解放されている状態で、内燃エンジン2のアイドリングトルクがトルクコンバータ4で増幅され、自動変速機構5に入力されたトルクである。即ち、第1の係合圧は、車両の停止状態で、ロックアップクラッチ7が正常である場合にトルクコンバータ4を介して伝達される内燃エンジン2のアイドリングトルク(クリープトルク)は保持するが、ロックアップクラッチ7がロックされていた場合に伝達されるスタータ3B或いはBISG3Aの始動トルクでは滑るように制御される。
なお、本実施形態では、第1の係合圧を、エンジン最大クリープトルクを保持できるように制御している。例えば、冷温時などに内燃エンジン2のアイドリング回転数が上がって、通常よりもクリープトルクが大きくなる場合がある。このため、第1の係合圧として、その内燃エンジン2のアイドリング回転数が最大となる場合のクリープトルク(エンジン最大クリープトルク)を保持できるようにしている。
次に、判定手段42は、ロックアップクラッチ7が正常であると判定していない状態で内燃エンジン2が始動した後に、ロックアップクラッチ7が正常であるか否かを判定する始動後判定を実行する。即ち、内燃エンジン2が始動した後は、エンジン回転数センサ40と入力軸回転数センサ41との検知結果により、判定手段42による判定が可能となる。そして、判定手段42が始動後判定でロックアップクラッチ7は正常でないと判定した場合には、クラッチ制御手段43が、クラッチC−1を解放する。これにより、ロックアップクラッチ7が異常でロックされたままであっても、エンジン出力が車輪まで伝達されることを防止する。
これに対して、判定手段42が始動後判定でロックアップクラッチ7は正常であると判定した場合には、クラッチ制御手段43が、クラッチC−1の係合圧を上述の第1の係合圧よりも大きい第2の係合圧に制御する。具体的には、EV走行からハイブリッド走行への移行準備として制御される圧力に戻す。この場合には、ロックアップクラッチ7の係合が解除されているため、クラッチC−1が係合されていても、エンジン出力がトルクコンバータ4を介して車輪まで伝達されることになり、運転者が車両を走行させる場合に、円滑に、ハイブリッド走行が可能となる。
一方、アクセル検知手段45が、アクセルがオンである、即ち、運転者が車両を発進させようとしていることを検知した場合には、クラッチ制御手段43が、判定手段42がロックアップクラッチ7が正常であると判定していなくても、クラッチC−1の係合圧を上述の第1の係合圧よりも大きい第3の係合圧に制御する。この第3の係合圧は、上述の第2の係合圧と同じとする。但し、ロックアップクラッチ7がロックされたままの状態であることを考慮して、第2の係合圧よりも低くし、ロックアップクラッチ7がロックされていた場合の発進時のショックを和らげるようにしても良い。
このような本実施形態の制御について、図5ないし図8を用いてより具体的に説明する。なお、図5ないし図8で、横軸が時間軸、車速は車両の速度(実線)、クラッチ圧はクラッチC−1の係合圧(破線)、エンジン回転は内燃エンジン2の回転数(一点鎖線)、インプット回転は自動変速機構5の入力軸10の回転数(二点鎖線)である。
まず、本実施形態では、判定手段42によるロックアップクラッチ7の正常であるか否かの判定は、内燃エンジン2が停止する前に行う。そして、図5に示すように、内燃エンジン2が停止する前に判定手段42によりロックアップクラッチ7が正常であるか否かを判定できた場合、ロックアップクラッチ7が異常であるとの判定結果であれば、図5(A)に示すように、車両が停止する直前にクラッチC−1を解放する。これにより、その後、内燃エンジン2が再始動しても、エンジン出力が車輪に伝達することを防止する。
一方、ロックアップクラッチ7が正常であるとの判定結果であれば、図5(B)に示すように、クラッチC−1の係合圧を維持したまま、EV走行からハイブリッド走行への移行準備として制御される圧力とする。
これに対して、内燃エンジン2が停止する前に判定手段42によりロックアップクラッチ7が正常であるか否かを判定できなかった場合、クラッチC−1の係合圧を維持したままとすると、図6に示すように、エンジン再始動によりエンジン回転が上昇して、ブレーキを踏んで車両を停止させているにも拘らず車両が発進しようとする始動トルクが伝わってしまい、違和感が生じる可能性がある。
したがって、本実施形態では、図7に示すように、判定手段42がロックアップクラッチ7が正常であるか否かを判定できなかった場合、クラッチC−1の係合圧を上述した第1の係合圧に制御する。これにより、ロックアップクラッチ7が異常であっても、図7(A)に示すように、エンジン再始動によりクラッチC−1が滑り、BISG3Aの始動トルクにより違和感が生じることを防止できる。そして、内燃エンジン2が始動して、判定手段42による判定が可能となったら、再度、判定手段42による始動後判定を行い、ロックアップクラッチ7が異常であると判定し、クラッチC−1を解放する。
一方、ロックアップクラッチ7が正常である場合、図7(B)に示すように、エンジンが再始動しても、ロックアップクラッチ7が解除されているため、クラッチC−1の係合状態に拘らず、車輪に急激にトルクが伝達されることはない。但し、この状態では、トルクコンバータ4を介してクリープトルクが自動変速機構5に入力される。第1の係合圧は、上述したようにクリープトルクは保持するため、運転者がブレーキを解除すれば、車両はこのクリープトルクで発進しようとする。図7(B)ではブレーキがかかっている状態なので、車速はゼロである。
そして、内燃エンジン2が始動して、判定手段42による判定が可能となったら、再度、判定手段42による始動後判定を行い、ロックアップクラッチ7が正常であると判定し、クラッチC−1の係合圧をEV走行からハイブリッド走行への移行準備として制御される第2の係合圧に制御する。即ち、通常の係合圧に戻す。
更に、判定手段42がロックアップクラッチ7が正常であるか否かを判定できなかった場合でも、運転者に発進の意思があれば、図8に示すように、クラッチC−1の係合圧を、一度、第1の係合圧に低下させた後、アクセルのオン信号の検知により、再度、第3の係合圧に上昇させる。これにより、ロックアップクラッチ7が異常である場合には、図8(A)に示すように、エンジン始動時には、クラッチC−1が滑るが、アクセルがオンとなった場合に、クラッチC−1の係合圧が上昇し、車両が前進する。また、ロックアップクラッチ7が正常である場合には、図8(B)に示すように、エンジン始動時には、クラッチC−1の係合圧は低いが、アクセルがオンとなった場合に、クラッチC−1の係合圧が上昇し、車両が前進する。
このような本実施形態の制御の1例について、図4を参照しつつ、図9を用いて説明する。制御が開始されると、内燃エンジン2の運転時に判定手段42がロックアップクラッチ7が正常であるか否かの判定を行い、異常であれば(S1)、フェールセーフでクラッチC−1を解放する(S2)。次に、判定手段42が異常ではなく、正常であると判定すれば(S3)、EV走行時にクラッチC−1の係合を第1の係合圧に低下させる制御は行わない(S4)。
これに対して、判定手段42が、S1で異常の判定ができず、且つ、S3で正常の判定もできなかった場合、まず、制御部19は、例えばエンジン回転数センサ40の信号から内燃エンジン2が停止しているか否か判断し(S5)、停止していれば、車速センサ48(図4)から車速がゼロ、即ち、車両が停止状態であるか否かを判断する(S6)。そして、制御部19は、車両が停止していれば、アクセル検知手段45によりアクセルオフを検知し(S7)、アクセルオフであれば、クラッチ制御手段34がクラッチC−1の係合圧を第1の係合圧に制御する(S8)。
次に、内燃エンジン2が再始動すると(S9)、制御部19は、アクセル検知手段45によりアクセルオンを検知すれば(S10)、クラッチ制御手段34がクラッチC−1の係合圧を第1の係合圧から通常の係合圧(第2の係合圧)に戻す(S11)。一方、アクセルオフの状態で、エンジン始動後に判定手段42がロックアップクラッチ7が正常であると判定すれば(S12)、クラッチ制御手段34がクラッチC−1の係合圧を第1の係合圧から通常の係合圧(第2の係合圧)に戻す(S11)。
これに対して、アクセルオフの状態で、エンジン始動後に判定手段42がロックアップクラッチ7が異常であると判定すれば(S13)、フェールセーフでクラッチC−1を解放する(S14)。一方、S12で正常であるとの判定ができず、S13で異常であるとの判定もできなかった場合、S10に戻り、クラッチC−1の係合圧を第1の係合圧としたまま、S10以降のステップを実行する。
このように構成される本実施形態の場合、ロックアップクラッチ7が正常であるか否かを判定できない状態であっても、クラッチC−1の係合圧をBISG3Aの始動トルクで滑る第1の係合圧に制御するため、ロックアップクラッチ7が係合されたままBISG3Aで内燃エンジン2を始動しようとしても、BISG3Aの出力が車輪に伝達されず、運転者に違和感を与えることを防止できる。一方、第1の係合圧は、クリープトルクは伝達するため、ロックアップクラッチ7が正常であった場合には、車輪にクリープトルクを伝達できる。
また、本実施形態では、判定手段42による判定を内燃エンジン2が停止する前に行うため、内燃エンジン2の出力軸と自動変速機構5の入力軸との回転数の差を検知することにより、ロックアップクラッチ7が正常であることの判定を行える。
また、内燃エンジン2が始動した後に判定手段42によるロックアップクラッチ7が正常であるか否かの判定を行い、正常でなければ(異常であれば)、クラッチC−1の係合圧を小さくして、内燃エンジン2への負荷を低減でき、正常であれば、クラッチC−1の係合圧を大きくして、EV走行から内燃エンジン2での走行への切り替えを円滑に行えるようにできる。
また、運転者に車両を走行させる意思がある場合、即ち、アクセル検知手段45がアクセルオンを検知した場合には、判定手段42による判定に拘らずクラッチC−1の係合圧を大きくして、内燃エンジン2による走行を行えるようにできる。言い換えれば、ロックアップクラッチ7がロックされたままで、エンジントルクがクラッチC−1を介して車輪に急激に伝達されるとしても、運転者に車両を走行させる意思があれば、それほど違和感を与えない。また、運転者に車両を走行させる意思がある場合にもクラッチC−1の係合圧を低下させると、例えば、ロックアップクラッチ7の修理のために整備工場まで自走できなくなる。したがって、本実施形態では、ロックアップクラッチ7が異常であっても、運転者に車両を走行させる意思があれば、クラッチC−1の係合圧を低下させる制御を実行しないようにしている。
なお、上述の実施形態では、前輪を内燃エンジン2により、後輪をリヤモータ20により駆動するハイブリッド車両に本発明を適用した場合について説明したが、エンジンとモータ及び自動変速機構とを係脱するクラッチを有し、このクラッチの係脱によりEV走行とハイブリッド走行とを切り換える構造にも、本発明を適用可能である。この場合、このクラッチが第1の摩擦係合要素となる。
また、本実施形態では、自動変速機1が前進6速段及び後進段を達成する多段式自動変速機であるものを説明したが、これに限らず、例えば前進7速段以上や前進5速段以下の多段変速機、或いはベルト式、トロイダル式、リングコーン式の無段変速する無段変速機であっても、本発明を適用し得る。
また、本実施形態では、EV走行中に自動変速機構5内のクラッチC−1を係合状態としておくもの、即ち、第2の摩擦係合要素をクラッチC−1としたが、走行状況や車種によっては、この第2の摩擦係合要素は、自動変速機構5内のその他のクラッチやブレーキとしても良い。例えば、車両を後進させるリバースのときには、第2の摩擦係合要素をクラッチC−3とし、このクラッチC−3の係合圧を、上述したクラッチC−1と同様に制御する。
1 ハイブリッド車両用自動変速機
2 内燃エンジン
3A ベルト式統合型スタータ・ジェネレータ(BISG、始動用回転電機)
3B スタータ(始動用回転電機)
4 トルクコンバータ
5 自動変速機構
7 ロックアップクラッチ(第1の摩擦係合要素)
19 制御部(自動変速機の制御装置)
20 リヤモータ(回転電機)
32 電動オイルポンプ(電動油圧発生装置)
40 エンジン回転数センサ
41 入力軸回転数センサ
42 判定手段
43 クラッチ制御手段(制御手段)
44 ロックアップ制御手段
45 アクセル検知手段
47 アクセルセンサ
80fl,80fr 車輪
100 車両
C−1 クラッチ(第2の摩擦係合要素)

Claims (3)

  1. 始動用回転電機により始動する内燃エンジンと前記内燃エンジンの回転を変速し得る自動変速機構との間に配置される第1の摩擦係合要素の係脱状態と、前記自動変速機構内に配置され、且つ、前記内燃エンジン停止時に電動油圧発生装置により発生する油圧に基づいて係合され、係合時に前記自動変速機構に入力された動力を車輪に伝達する第2の摩擦係合要素の係脱状態と、を制御するハイブリッド車両用自動変速機の制御装置において、
    前記第1の摩擦係合要素が正常であることを判定する判定手段と、
    前記内燃エンジンの停止中であって、前記判定手段が前記第1の摩擦係合要素が正常であると判定していないときに、前記第1の摩擦係合要素が係合された状態で前記内燃エンジンを始動する場合に前記始動用回転電機の始動トルクにより滑るように、前記第2の摩擦係合要素の係合圧を第1の係合圧に制御する制御手段と、を備え、
    前記判定手段は、前記第1の摩擦係合要素が正常であると判定していない状態で、前記内燃エンジンが始動した後に、前記内燃エンジンの出力軸と前記自動変速機構の入力軸との回転数の差を検知することにより、前記第1の摩擦係合要素が正常であるか否かを判定する始動後判定を実行し、
    前記制御手段は、前記判定手段が始動後判定で前記第1の摩擦係合要素は正常でないと判定した場合に、前記第2の摩擦係合要素を解放し、前記判定手段が始動後判定で前記第1の摩擦係合要素は正常であると判定した場合に、前記第2の摩擦係合要素の係合圧を前記第1の係合圧よりも大きい第2の係合圧に制御する、
    ことを特徴とするハイブリッド車両用自動変速機の制御装置。
  2. 前記判定手段は、前記内燃エンジンが停止する前に、前記内燃エンジンの出力軸と前記自動変速機構の入力軸との回転数の差を検知することにより、前記第1の摩擦係合要素が正常であることを判定する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のハイブリッド車両用自動変速機の制御装置。
  3. アクセル開度信号を検知するアクセル検知手段を有し、
    前記制御手段は、前記アクセル検知手段がオン信号を検知した場合には、前記判定手段が前記第1の摩擦係合要素が正常であると判定していなくても、前記第2の摩擦係合要素の係合圧を前記第1の係合圧よりも大きい第3の係合圧に制御する、
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のハイブリッド車両用自動変速機の制御装置。
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