JP5806942B2 - 荷電粒子線装置及び演算装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動収差補正器を有する荷電粒子線装置における寄生収差の自動調整技術に関する。
走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)やイオンビーム加工装置(FIB:Focused Ion Beam)その他の収束荷電粒子線(プローブビーム)を用いる装置においては、プローブで試料表面を走査し、画像の観察や試料の加工を行う。これら荷電粒子線装置の分解能や加工精度は、プローブ断面の大きさ(プローブ径)によって決まり、原理的には、プローブ径が小さいほど分解能や加工精度を高めることができる。
近年、荷電粒子線装置向けの収差補正器の開発が進められており、その実用化も進んでいる。収差補正器には、磁極或いは電極で構成された多極子レンズを複数段重ねたものが用いられる。各段は、2極、4極、6極、8極場といった回転対称でない電場・磁場を重畳的にビームに印加し、プローブビームに対して逆収差を与える。これにより、収差補正器は、光学系の対物レンズや偏向レンズなどで発生する球面収差や色収差などの各種収差をキャンセルする。
ところが、収差補正器は多極子の電源数が多く、その調整作業が煩雑である。そこで、光学系に含まれる収差量を定量化してその逆収差量を荷電粒子線装置にフィードバックし、収差補正を自動化する方式が試みられている(例えば特許文献1)。
収差には通常3次以下の複数の種類が存在し、各収差を補正するために必要な場はそれぞれ独立ではない。このため、ある収差を小さくすると、他の種類の収差が大きくなるということが起り得る。通常、フィードバックを複数回繰り返し、全ての収差を徐々に最適化する必要がある。本明細書では、「収差の測定」から「測定結果を収差補正器の電源値に反映する」までの1連の動作(1サイクル回)を「収差補正を行う」と表現する。
実際の荷電粒子線装置では、収差補正器を用いて対物レンズの収差補正を行う。しかし、収差補正器内の多極子レンズを構成する各極子の位置ずれや極子材料の磁気的特性のばらつき等に起因し、多極子レンズの電場や磁場を制御しても、発生する場の分布は理想的な多極子分布に対してずれを生じ、このずれが2極子場、4極子場といった低次の場を発生させることがある。
何らかの理由で、荷電粒子線に対して場の分布ずれを持つ多極子レンズに対して荷電粒子線が入射すると、荷電粒子線はずれ由来の2極子場或いは4極子場の影響を受け、軌道にずれが発生する。その結果、軸ずれやフォーカスずれなどが生じ、取得される画質に影響がでる。このように、収差補正器の電場や磁場を変更させた時に、理想場とのずれを原因として付随的に発生する低次の場を、特に総称して「寄生収差」と呼ぶ。なお、以下の説明において、単に「収差」といった場合は対物レンズの球面収差ないし色収差のことを指し、補正器内部で発生する「寄生収差」とは区別する。
「寄生収差」は、本来制御しようとする多極子場よりも低次の場として出現する。特に軸ずれやフォーカスずれの原因となる寄生2極子場及び寄生4極子場は、像に与える影響が大きい。従って、多極子場を変更した際には、2極子場ないし4極子場を重畳させ、その影響を打ち消す必要がある。
寄生収差は、そもそも発生した場と理想的な場のずれが原因である。このため、収差補正器の製作前にシミュレーション等により予測して対策することが難しい。よって、操作者自身が収差補正器をマニュアル操作し、多極子場変更後の軸ずれやフォーカスずれの様子を画像で確認しながら調整する必要がある。
一方、収差補正を自動化する場合、自動収差補正シーケンスの途中で多極子場を変更する時の寄生収差の発生をできるだけ小さく抑えることが求められる。なぜなら、多極子場を変更した結果、寄生収差による大幅な軸ずれにより荷電粒子線が試料表面に到達せず画像が得られなかったり、大幅なフォーカスずれにより試料が判別不可能なほど画質が劣化したりすると、画像から収差の大きさを算出することができず、収差補正という連続シーケンスが実行できなくなってしまうためである。
この問題に対処するには、収差補正器の製作後に実際の装置で多極子場を動かし、その際の寄生収差を事前に調べ、それを補正するために必要な2極子、4極子の調整量に関する情報を事前に装置に設定しておく必要がある。
寄生収差の補正方法に関する技術には、特許文献2に開示されるものがある。特許文献2には、多極子の機械的・電気的ズレによって生じる寄生2極子場と寄生4極子場を補正する方法が開示されている。
特許第4248387号 特開2006−114304号公報
特許文献2には、多極子の機械的・電気的ズレによって生じる寄生2極子場と寄生4極子場を補正する方法が記載されている。しかし、特許文献2に記載の補正方法は、実際の装置における多極子場強度と寄生収差補正に必要な場の大きさ(寄生収差補正量)の関係が線形関係を満たすものであったり、一定不変であったりすることを要求する。このため、前提条件を満たさない場合、例えば多極子場強度に対する寄生収差補正量の関係が、単純な線形関係で表現できない場合、線形からのばらつきが大きい場合には、寄生収差の影響を打ち消すことができない。また、特に磁極を用いる多極子では、自動補正シーケンスの繰り返しに伴い、すなわち極子の電流変更を頻繁に実行するのに伴い、材料のヒステリシス特性に起因した多極子場強度に対する寄生収差補正量の関係が変わってしまう場合がある。このような場合、事前に装置内に記憶しておいた多極子場強度と寄生収差補正量の関係と、実際の装置における応答との間にずれが生じてしまい、寄生収差の影響を抑えることができない可能性がある。
本発明は、自動収差補正中に多極子場強度に対する寄生収差補正量の関係が多極子場強度により変化する場合や経時的に変化する場合にも、その影響を加味して寄生収差補正量を決定することができる仕組みを提供する。
本発明の一例は、荷電粒子線装置を構成する光学系について収差係数を測定して収差補正量を計算する処理と、収差補正器に印加される電源制御値の現在値を測定する処理と、収差補正量と電源制御値の現在値に基づいて寄生収差調整量を算出する処理とを有する。
本発明の他の一例は、荷電粒子線装置を構成する光学系について収差係数を測定して収差補正量を計算する処理と、収差係数の測定履歴を格納する処理と、収差補正器に印加される電源制御値の現在値を測定する処理と、電源制御値の測定履歴を格納する処理と、収差係数の測定履歴と電源制御値の測定履歴と収差補正量に基づいて寄生収差調整量を算出する処理とを有する。
本発明によれば、収差補正器を構成する多極子場の強度と寄生収差の調整量の関係が非線形に変化する場合や経時的に変化する場合にも、それら変化の影響を抑えて寄生収差を補正することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
実施の形態1による荷電粒子線装置システムの構成例を示す図。 実施の形態1による収差補正動作の概要を示すフローチャート。 実施の形態1による寄生収差調整量の算出手順例を示すフローチャート 寄生収差調整量テーブルの一例を示す図。 実施の形態1による寄生収差調整量の算出方法の一例を説明する図。 実施の形態2による荷電粒子線装置システムの構成例を示す図。 収差測定結果記憶部が保持するテーブルデータの一例を示す図。 収差補正器電源履歴記憶部が保持するテーブルデータの一例を示す図。 実施の形態2による収差補正の算出手順例を示すフローチャート。 実施の形態2による寄生収差調整量の算出手順例を示すフローチャート。 実施の形態2で使用するユーザー・インターフェースの一例を示す図。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一または関連する符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
[実施の形態1]
[システム構成]
図1に、収差補正器を搭載するSEMシステムの概略構成を示す。本実施の形態は、4極子−8極子系の電磁界重畳型収差補正器を搭載するSEMとその制御システムについて説明する。
SEMカラム100内の電子銃1より放出された電子線(図中点線で示す)は、コンデンサレンズ2及び2段構成の偏向コイル3の通過後、収差補正器4に入射する。収差補正器4を通過した電子線は、走査コイル5及び対物レンズ6の通過後、試料台7に載置された試料8の表面を走査する。電子線による試料8の照射点からは、2次電子や反射電子などの二次荷電粒子が放出される。二次荷電粒子は検出器9により検出され、検出結果が二次荷電粒子信号として画像形成部10に出力される。画像形成部10には、信号増幅段、D/A変換器等の処理回路が設けられている。二次荷電粒子信号は、画像形成部10において輝度分布データ(すなわち、画像データ)に変換され、画像表示装置11に出力される。画像データは、画像形成部10から制御コンピュータ101にも与えられ、メモリ12内に蓄積される。
本実施の形態に係るSEMは、対物レンズ6の物点に入射する電子線を対物レンズ6の光軸に対して傾斜させることが可能な構成を有している。このための構成として、本実施の形態に係るSEMは、収差補正器4の上方位置に2段構成の偏向コイル2を有している。偏向コイル2は、電子線の中心軸を、対物レンズ6の光軸に対して傾斜角τと方位角θを持たせることができる。
制御コンピュータ101は、メモリ12内に蓄積された画像データと収差補正器4の各多極子に与えられる多極子制御量の現在値(電源値)に基づいて、収差補正器4の制御量を算出する処理を実行する。より具体的には、制御コンピュータ101は、収差補正器電源部102の収差補正器電源制御部20に与える制御量を算出する処理を実行する。以下、この処理動作を詳細に説明する。
収差係数評価部13は、メモリ12に蓄積された画像データに基づいて収差係数を測定し、収差補正対象判断部14に転送する。画像データを用いる収差係数の測定方法は周知である。従って、ここでは詳細な説明を省略する。収差補正対象判断部14は、算出された収差係数の中から優先的に補正すべき収差を選択し、選択した収差と収差係数の情報を収差補正量評価部15に与える。収差補正量評価部15は、収差係数変換テーブル17を参照し、選択した収差を補正するために必要となる多極子制御量(電流値、電圧値等)Δmを決定する。収差係数変換テーブル17には、測定された収差係数と多極子制御量Δmの対応関係が、収差別に格納されている。多極子制御量Δmは、収差補正に必要な変化量Δとして決定される。
収差補正量評価部15において決定された多極子制御量Δmは、寄生収差調整量評価部16に与えられる。さらに、寄生収差調整量評価部16には、収差補正器4に対する多極子制御量の測定値(現在値)に関する情報mが、収差補正器電源測定部19から与えられる。
寄生収差調整量評価部16は、情報mに基づいて寄生収差調整量テーブル18を参照し、多極子制御量Δmを収差補正器4に与えることにより新たに生じる低次の寄生収差量を調整する多極子調整量(電流値、電圧値等)を決定する。寄生収差調整量テーブル18には、後述するように、多極子制御量と寄生収差調整量Δxの対応関係が、収差補正器4を構成する多極子レンズ別に格納されている。制御コンピュータ101は、多極子制御量Δmに寄生収差調整量Δxを付加した値を収差補正器4に対する電源制御量として、収差補正器電源部102内の収差補正器電源制御部20に出力する。
収差補正器電源部102は、収差補正器電源測定部19、収差補正器電源制御部20、収差補正器電源21から構成されている。
収差補正器電源測定部19は、収差補正器電源21が発生する制御電源の現在値を測定する機能を有し、測定結果を情報mとして寄生収差調整量評価部16に送信する機能を有する。このフィードバック経路の存在が、本実施の形態に係るシステムに特徴的な構成の一つである。当該フィードバック経路の存在により、寄生収差調整量評価部16は、収差の補正により新たに発生する寄生収差に適した調整量を事前に見積もり、実際に適用することが可能となる。
収差補正器電源制御部20は、制御コンピュータ101から受け取った電源制御量の計算結果を収差補正器電源21に出力する。ここで、収差補正器電源制御部20は、多極子毎に与えられる制御量と調整量の合計値を計算し、電源制御量の計算結果として出力する。収差補正器電源21は、デジタル値として与えられた電源制御量に応じた電流や電圧を電圧収差補正器4の各多極子にフィードバックする。すなわち、収差補正器電源21は、多極子に印加する電流や電圧を発生し、印加する。
[補正動作の概要]
図2に、本実施の形態に係る収差補正手順の一例を示す。なお、以下の説明では、多極子が磁極により構成されているものとし、収差補正器4の制御には電流を使用するものと仮定する。勿論、電極で構成された多極子であっても、同様の手順により収差補正を実現することができる。
まず、SEMカラム100において画像を取得し、取得した画像を制御コンピュータ101内のメモリ12に格納する。収差係数評価部13は、メモリ12に書き込まれた画像を読み出し、光学系の収差係数を算出する(ステップS21)。
次に、収差補正対象判断部14が、収差補正が終了したか否か判定する(ステップS22)。具体的には、測定した全ての収差係数が閾値以下か否かが判定される。ここでの閾値は、個別の収差係数毎に定められている。収差係数が閾値より小さいことは、補正が不要であることを意味する。もし、いずれかの収差係数に収差補正が必要であると判定された場合、収差補正対象判断部14は、取得された画像に特に影響を及ぼしている収差の種類と大きさを判定し、その結果を収差補正量評価部15に与える(ステップS23)。この判定手法も一般的に知られているため、説明を省略する。
収差補正量評価部15は、収差補正対象判断部14から与えられる収差の種類と大きさに基づいて、収差補正器4を構成するどの段のどの多極子に印加される電流値を幾つに設定又は変更すべきかを評価する(ステップS24)。評価には、収差係数変換テーブル17を参照する。収差係数変換テーブル17には、収差係数とその補正に必要な電流との対応関係が収差の種類毎に記録されている。収差補正量評価部15は、この対応関係に基づいて、収差補正器4を構成するどの段のどの多極子に幾らの電流値を印加するかを決定し、その結果を寄生収差調整量評価部16に与える。この結果は、収差補正器電源制御部20にも与えられる。
寄生収差調整量評価部16は、収差補正量評価部15で決定された多極子電流をそのまま収差補正器4に与えた場合に寄生収差がどの程度発生するかを見積もり、その寄生収差を打ち消すために必要な寄生収差調整電流量を算出する(ステップS25)。
この後、制御コンピュータ101は、ステップS24で算出された多極子電流量にステップS25で算出された寄生収差調整電流量を合わせた電流を、収差補正器4の電流更新分とし、収差補正器電源部102を通じて収差補正器4にフィードバックする(ステップS26)。このフィードバックにより収差と寄生収差の両方が一度に補正又は調整される。
[寄生収差の調整]
図3に、寄生収差調整量評価部16が、寄生収差の調整に必要な電流を決定するまでに実行する処理手順の概要を示す。なお、以下の説明では、説明を分かり易くするため、収差補正の対象である多極子成分が1つであるものとする。具体的には、補正対象とする多極子成分は、収差補正器4の1段目を構成する8極子であるものとする。また、この場合、寄生収差調整量評価部16は、寄生2極子場の調整電流量を求めるものと仮定する。
寄生収差調整量評価部16は、これから変更しようとする多極子成分(前述の通り、1段目の8極子)と、その変化量である電流変化量Δmを入力値とする。この値は、収差補正量評価部15から与えられる。
まず、寄生収差調整量評価部16は、収差補正器電源測定部19を参照し、収差補正器4の1段目の8極子に現在印加されている電流値mの測定値を取得する(ステップS31)。
次に、寄生収差調整量評価部16は、寄生収差調整量テーブル18を参照し、寄生2極子場調整量の決定に用いるデータを呼び出す(ステップS32)。寄生収差調整量テーブル18には、収差補正器4の各段を構成する多極子レンズについて、装置の仕様範囲における多極子成分の電流値と、その電流値において必要となる寄生収差調整量の対応関係が行列データ形式で保持されている。もっとも、行列データ形式に限る必要は無い。
図4に、寄生収差調整量テーブル18の例を示す。図4には、収差補正器4の1段目を構成する8極子に印加する電流値o1 〜on と、各電流値の印加により発生する寄生2極子場の打ち消しに必要な寄生収差調整量(電流値)d1 〜dn の対応関係が記されている。なお、電流値o1 〜on は等間隔のデータである必要はなく、ある区間だけデータ間隔が小さくても大きくてもよい。例えば収差を所望の大きさに抑えるために必要な8極子電流値を実験やシミュレーションで見積もった場合には、その見積もった電流値の周辺領域に、テーブルに記録する電流値を多く配置してもよい。寄生収差調整量テーブル18には、装置出荷前に装置特性データとして取得された対応関係を記憶保持する。
図3のステップS32に戻る。寄生収差調整量評価部16は、収差補正器4の1段目の8極子に現在印加されている電流値mを用いて寄生収差調整量テーブル18を検索し、電流値mに最も近い値が記録されている行の対応関係を読み出す。すなわち、8極子電流値と寄生2極子場調整量(電流値)を寄生収差調整量評価部16に呼び出す。
次に、寄生収差調整量評価部16は、電流値mに最も近い8極子電流値が記録された行の前後数行からも、同様に、各行の対応関係を呼び出す。寄生収差調整量テーブル18から呼び出す行数は、どのような関数で対応関係をフィッティングするかに依存する。例えば線形フィッティングの場合、3行から5行が適当である。本実施の形態では、3行分の値(すなわち、8極子電流ox-1 、ox 、ox+1 と、それらに対応する寄生2極子場調整電流dx-1 、dx、dx+1 )が選択され、寄生収差調整量評価部16に呼び出される。この他、2次関数や任意関数によるフィッティングも可能である。
なお、前述の例は、隣接する3行を寄生収差調整量テーブルから呼び出す例を示しているが、読み出す行は必ずしも隣接行に限らない。例えばΔmの値に応じて決定してもよい。例えば8極子電流oがm−aΔm<o<m+aΔm (ただし、aは自然数)を満たす範囲から数行選択してもよい。
寄生収差調整量評価部16は、これら数行分のデータに対して線形フィッティングを実行し、8極子電流変化量に対する寄生2極子場調整電流の対応関係を表す関数f(x) を求める(ステップS33)。線形フィッティングでは、選択された数行分のデータに最も近似する直線を最小二乗法により求める。なお、関数f(x) の計算では、最小二乗法の代わりに多項式補間を用いてもよい。
次に、寄生収差調整量評価部16は、求められた関数f(x) を使用し、寄生2極子場調整電流量を計算する(ステップS34)。具体的には、収差補正器4の1段目の8極子に印加する電流をmからm+Δmに変化させる場合に必要になる寄生2極子場調整電流量Δxを計算する。換言すると、本実施の形態では、寄生2極子場調整電流量Δxを計算する際、多極子に現在印加されている電流値m周辺の局所領域の情報を使用し、その対応関係を最も近似する関数f(x) を求め、収差補正器4の現在の状態に応じた寄生2極子場調整電流量Δxをアクティブに自動計算する。このため、例えば多極子場強度に対する寄生収差調整量の対応関係が非線形的に変化する収差補正器においても、従来技術に比して、より適切に寄生収差調整量を算出することが可能になる。
図5に、本実施の形態に係る寄生収差調整量の算出原理を示す。図5は、図4に示す寄生収差調整量テーブル18のデータをグラフ上にプロットしたものである。図5の横軸は8極子電流値oであり、縦軸は寄生2極子場調整電流xである。図5は、収差補正器4に現在印加されている8極子電流値をmとし、収差補正のために電流値をm→m+Δmに変化させる場合における線形フィッティングの様子を表している。
図5を見て分かるように、8極子電流値をmからΔmだけ増加させる際に必要な寄生2極子場調整電流量をΔxとすると、電流値m周辺の3点ox-1 、ox 、ox+1 の値のみを用いた線形フィッティングによりΔxを見積もることにより、当該電流値区間に適した寄生2極子場調整電流量Δxが計算される。仮に、寄生収差調整量テーブル18の全データ点を用いて線形フィッティングする場合を検討すると、寄生2極子場調整電流量Δxの見積もり値と、実際に必要とされる寄生2極子場調整電流量Δxとの差が大きくなることが容易に予想される。
[まとめ]
以上説明したように、本実施の形態に係るSEMシステムにおいては、収差補正器4を構成する多極子の場強度(印加電流値)と寄生収差調整量の対応関係が非線形的に変化する場合でも、場強度(印加電流値)の現在値と収差補正量に応じた最適な寄生収差調整量を求めて収差補正器4に与えることができる。これにより、従来装置に比べ、収差補正に付随して発生する寄生収差の発生量を効果的に抑制することができる。
[実施の形態2]
[システム構成]
図6に、実施の形態2に係るSEMシステムの概略構成を示す。図6には、図1との対応部分に同一符号を付して示している。本実施の形態に係るSEMシステムも、4極子−8極子系の電磁界重畳型収差補正器を搭載するものとする。後述するように、本実施の形態にSEMシステムは、収差補正器4の各多極子に与えられる多極子制御量の現在値(電源値)の測定履歴と収差量の測定履歴を記録し、当該測定履歴を参照して各時点において最適な寄生収差調整量を算出する。
以下では、実施の形態1との相違点についてのみ説明する。まず、本実施の形態の場合、収差係数評価部13は収差係数測定結果記憶部22を有し、測定された収差の種類の履歴を収差係数測定結果記憶部22に保存する。図7に、収差係数測定結果記憶部22のデータ構造例を示す。保存される収差の種類は、例えば「軸ずれ」、「焦点ずれ」、「非点」、「球面収差」等である。このうち「軸ずれ」と「焦点ずれ」が寄生収差である。なお、各行には、収差補正回の実行回が通し番号で表されており、各実行回において修正された種類の欄にのみ収差測定値が記録される。従って、測定されなかった種類の収差の欄には何も記録されないか空データが記録される。このように、収差係数測定結果記憶部22には収差補正の測定結果が行列データとして記録される。図7において、収差補正の最新回はNである。もっとも、行列データ形式である必要は無い。
また、本実施の形態の場合、収差補正器電源部102は、収差補正器電源履歴記憶部23を有し、測定された印加電源の履歴を収差補正器電源履歴記憶部23に保存する。なお、収差補正器電源履歴記憶部23への履歴の保存は、収差補正器電源測定部19が行う。収差補正器電源測定部19は、多極子電流の変更動作が行われる毎に印加電流を測定し、その測定履歴を収差補正器電源履歴記憶部23に保存する。図8に、収差補正器電源履歴記憶部23のデータ構造例を示す。収差補正器電源履歴記憶部23は、収差補正器4を構成する各段について、収差補正の実行回毎に各段に印加された多極子電流を記録・保持する。なお、各行には、収差補正の実行回が通し番号で表されており、各実行回において修正された印加電源の値が記録される。印加されなかった多極子には、0(ゼロ)が記録される。このように、収差補正器電源履歴記憶部23にも印加電流の測定結果が行列データとして記録される。図8の場合も、収差補正の最新回はNである。勿論、行列データ形式である必要は無い。
本実施の形態における寄生収差調整量評価部16も、初回補正時は、実施の形態1の場合と同様、収差係数変換テーブル17を参照して寄生収差を調整する多極子調整量(電流値、電圧値等)を決定する。ただし、初回補正時以降では、寄生収差調整量評価部16は、収差係数測定結果記憶部22及び収差補正器電源履歴記憶部23にアクセスし、各多極子に対する電流変更履歴及びそれによって発生した寄生収差の履歴を参照し、次回の調整量を決定する。調整量の決定手法の詳細については後述する。
[補正動作の概要]
図9に、本実施の形態に係る収差補正手順の一例を示す。以下では、本実施の形態に係る補正動作の詳細を、実施の形態1との相違点を中心に説明する。なお、以下の説明においても、多極子が磁極により構成されているものとし、収差補正器4の制御には電流を使用するものと仮定する。勿論、電極で構成された多極子であっても、同様の手順により収差補正を実現することができる。
本実施の形態の場合、収差補正器4の収差を測定する前に、収差補正器4に印加されている電流値の現在値を測定する。測定は、収差補正電源測定部19が実行する。収差補正電源測定部19は、測定結果を収差補正器電源履歴記憶部23に記録する(ステップS91)。
次に、SEMカラム100において画像を取得し、取得した画像を制御コンピュータ101内のメモリ12に格納する。収差係数評価部13は、メモリ12に書き込まれた画像を読み出し、光学系の収差係数を算出する(ステップS92)。
収差係数評価部13は、測定結果を収差係数測定結果記憶部22に記憶する(ステップS93)。この後、収差補正対象判断部14によって収差補正が終了したか否かが判定され(ステップS94)、否定結果が得られている間、補正器対象収差の判断(ステップS95)、収差補正電流量の算出(ステップS96)、寄生収差調整電流量の算出(ステップS97)、収差補正器4の電流更新(ステップS98)が実施の形態1と同様に実行される。
[寄生収差の調整(概要)]
本実施の形態に係る寄生収差調整量評価部16は、(1) 多極子に印加される電流変化量Δmに比例する寄生収差調整量と、(2) 現在までの寄生収差調整量の累積値と、(3)次回調整対象とする収差の調整用に印加されている調整値の現在値とその直前値との間の変化率に基づいて算出される寄生収差調整量との合計値を算出し、当該合計値に基づいて最終的な寄生収差調整量Δxを決定する。この関係を計算式で表すと次式となる。
Figure 0005806942
式(1)において、mはある多極子に印加する電流値を示し、添字はある多極子に印加する電流値の補正回数を示している。ここで、添字に示す補正回数は、補正される収差の種類や数によらずカウントされる。従って、添字に示す回数と、個別の収差における補正回数とは必ずしも一致しない。また、関数f(m) は多極子に印加される電流の値がmの場合に発生する寄生収差量を表す。K0 〜K2 は実験的に決定される定数である。nは収差の種類別にカウントされた補正回数である。
式(1)の右辺第1項は、電流変化量Δmに比例するように寄生収差調整量が与えられることを表している。右辺第2項は、現在までの寄生収差調整量の累積値、すなわち現在まで補正されずに残存している寄生収差を補正する調整電流値に応じて寄生収差調整量が与えられることを表している。右辺第3項は、次回調整対象の収差の調整用に印加されている調整値の現在値とその直前値との間の変化率に基づいて寄生収差調整量が与えられることを表している。
寄生収差調整量評価部16は、式(1)に基づいて、収差補正器4の各多極子の状況に応じた寄生収差調整量を算出し、収差補正器電源制御部20に与える。収差補正器電源制御部20は、収差補正のための電流変化量Δmと寄生収差調整量Δxの合計値に応じた電流を収差補正器電源21に発生させ、発生された電流を収差補正器4にフィードバックする。このフィードバックの繰り返しにより、磁極の経時的な特性変化にかかわらず、収差補正器4の寄生収差の調整は常に正確に実行される。
[寄生収差の調整(具体例)]
図10に、ステップS97(図9)で実行される寄生収差調整電流の算出処理の具体例を示す。寄生収差調整量評価部16は、収差補正量評価部15から次回収差補正時に電流値を変化させる多極子の情報(本実施の形態では、収差補正器4の1段目を構成する8極子)と、収差補正量評価部15で算出された電流変化量Δmとを入力する。
次に、寄生収差調整量評価部16は、収差補正器電源履歴記憶部23を参照し、これから電流値を変更しようとする多極子成分について、直近の電流変更履歴を参照する。例えば補正回数の現在値がNとすると、寄生収差調整量評価部16は、図8に示した収差補正器の電源履歴を参照し、8極子に印加される電流値が現在値に変化した直前回の補正回とその電流値を検索する。図8の場合、8極子電流は、全体の補正回数の第n回目に、第n−1回目までの電流値から現在値に変更されている。すなわち、直前値の電流値o1n-1から現在値の電流値o1nに変更されている。そこで、寄生収差調整量評価部16は、電流値o1n-1、o1nを入力データとして読み込む(ステップS101)。
次に、寄生収差調整量評価部16は、収差係数測定結果記憶部22を参照し、ステップS101で確認されたn−1回目とn回目の収差補正の間で寄生収差がどれだけ変化したかを検索する。図7の場合、n−1回目の補正で測定された寄生2極子場による軸ずれ量はA0n-1であったのに対し、n回目の補正後の寄生2極子場による軸ずれ量はA0nに変化したことが分かる。そこで、寄生収差調整量評価部16は、A0n-1、A0nの軸ずれ量を入力データとして読み込む(ステップS102)。添字はnである。
また、現在、すなわちN回目の補正後の寄生2極子場による軸ずれ量A0Nを入力データとして読み込む(ステップS103)。添字がNである点に注意されたい。
以上の入力データが揃うと、寄生収差調整量評価部16は、次式に従って、次回(すなわちN+1回目)の補正時に8極子に印加する寄生2極子場調整電流値Δxを算出する(ステップS104)。ここで、次回の補正時には、電流値はo1nからo1n+Δmに変更される。
Figure 0005806942
収差補正器電源制御部20には、このΔxとΔmが与えられる。なお、以上の説明では、軸ずれAについて説明しているが、焦点ずれCの調整に必要な電流値も同様の手順により算出することができる。
[GUIの例]
図11に、制御コンピュータ101に接続される不図示の表示装置に表示されるGUI画面例を示す。このGUI画面を通じ、操作者は、自動補正による収差補正の実行状況を確認することができる。例えば操作者は、補正経過表示部111の参照により、補正状況を確認できる。また、操作者は、自動補正条件設定部112の参照により、自動補正の収束状態に応じて式(1)の定数パラメータK0 〜K2 を調節することができる。また、操作者は、メッセージ表示部113の参照により、現在の自動補正の詳細状況を確認することができる。また、操作者は、GUI画面に配置された自動補正開始ボタン114、自動補正一時停止ボタン115、自動補正アンドゥボタン116、自動補正停止ボタン117を用いて自動補正の動作を制御することができる。
本実施の形態において、定数パラメータK0 の値は予め実験により決定し、寄生収差調整量テーブル18に記録しておくこともできるが、実施の形態1の手法に従って、多極子の調整毎に求めてもよい。また、操作者が、寄生収差の様子に応じて個別に調整してもよい。
[まとめ]
本実施の形態に係るSEMシステムは、収差補正器4に印加する電流量の履歴や収差の履歴を記憶しているため、収差補正器4に現われる寄生収差の特性が経時的に変化する場合にも、収差補正器4の状況に応じた最適な調整を自動実行することができる。
また、本実施の形態に係るSEMシステムは、収差補正器4に印加する電流量の履歴を記憶しているため、もし寄生収差の調整がうまくいかず、多極子電流の変更の結果、軸ずれにより画像が見えなくなったり、フォーカスずれが著しくなったりするなど、自動補正の続行が不能な状況に陥った場合にも、操作者の判断により自動補正を一時停止して多極子電流を変更前の状態に戻す(アンドゥする)ことが可能である。
また、本実施の形態に係るSEMシステムによれば、予め設定している寄生収差調整量テーブル18の値を参照して初回の収差補正を実行すると共に、使用中における寄生収差の変化の状況を次回の収差量の調整に反映する。このため、SEMシステム間における機差の影響を低減することが可能となる。例えば装置出荷時における寄生収調整量テーブル18の作成を装置製作現場にある1台の装置で行ってマスターデータとし、マスターデータとの機差を本実施の形態による手法により修正しながら寄生収差を調整することもできる。
[他の形態例]
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものでなく、様々な変形例が含まれる。実際、上述した実施の形態は、本発明を分かり易く説明するために、詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成要素の一部を他の実施の形態の構成要素に置き換えることも可能であり、ある実施の形態の構成要素に他の実施の形態の構成要素を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成要素の一部について、他の構成要素の追加・削除・置換をすることが可能である。
本発明は、収差の測定方法に関しては何らの制約がないため、他の荷電粒子線装置、例えば透過型電子顕微鏡、走査透過型電子顕微鏡、集束イオンビーム装置などに収差補正器を搭載した場合への応用も可能である。また、収差補正器についても6極子型、電磁場重畳4極子−電場8極子型、電磁場重畳4極子−磁場8極子型、全段静電型、全段磁場型などの多段多極子を利用する収差補正器への応用が可能である。また、本発明の場合、補正対象とする収差は、色収差、幾何収差のどちらに対しても適用可能である。
また、上述した各構成、機能、処理部、処理手段等はそれらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計することによりハードウェアで実現しても良い。また、上述した各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することにより実現してもよい。すなわち、ソフトウェア処理を通じて実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えても良い。
1…電子銃
2…コンデンサレンズ
3…偏向コイル
4…収差補正器
5…走査コイル
6…対物レンズ
7…試料台
8…試料
9…検出器
10…画像形成部
11…画像表示装置
12…メモリ
13…収差係数評価部
14…収差補正対象判断部
15…収差補正量評価部
16…寄生収差調整量評価部
17…収差係数変換テーブル
18…寄生収差調整量テーブル
19…収差補正器電源測定部
20…収差補正器電源制御部
21…収差補正器電源
22…収差係数測定結果記憶部
23…収差補正器電源履歴記憶部
100…SEMカラム
101…制御コンピュータ
102…収差補正器電源部
111…補正経過表示部
112…自動補正条件設定部
113…メッセージ表示部
114…自動補正開始ボタン
115…自動補正一時停止ボタン
116…自動補正アンドゥボタン
117…自動補正停止ボタン

Claims (15)

  1. 荷電粒子線装置において、
    荷電粒子線を放出する荷電粒子源と、
    前記荷電粒子線を収束するコンデンサレンズと、
    複数段の多極子で構成され、光学系の収差を補正する収差補正器と、
    前記多極子に印加する制御電源を発生する収差補正器制御電源と、
    前記光学系の収差係数を測定する収差係数評価部と、
    前記収差係数に基づいて収差補正量を計算する収差補正量評価部と、
    前記収差補正器制御電源から前記多極子に印加されている前記制御電源の現在値を測定する収差補正器電源測定部と、
    前記制御電源の測定値と前記収差補正量に基づいて、前記多極子に印加する前記制御電源の大きさを与える電源制御値を算出する演算装置と
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記演算装置は、
    前記制御電源の測定値と前記収差補正量に基づいて、前記収差補正量に相当する前記制御電源の印加時に発生する寄生収差調整量を算出する寄生収差調整量評価部と、
    前記収差補正量と前記寄生収差調整量を加算して、前記電源制御値を算出する収差補正器電源制御部と
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項2に記載の荷電粒子線装置において、
    前記寄生収差調整量は、前記収差補正器の電気的及び/又は機械的ずれにより発生する
    寄生2極子場又は寄生4極子場を調整する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項2に記載の荷電粒子線装置において、
    前記寄生収差調整量評価部は、前記収差補正量と、各収差補正量の印加時に発生する寄生2極子場又は寄生4極子場の調整に必要な寄生収差調整量の対応関係を示すデータを記憶保持する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項4に記載の荷電粒子線装置において、
    前記寄生収差調整量評価部は、前記制御電源の測定値近傍範囲の前記対応関係を近似する関数を求め、当該関数に従って前記寄生収差調整量を算出する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記複数段の多極子は、それぞれが回転対称でない磁場及び/又は電場を発生する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 荷電粒子線装置において、
    荷電粒子線を放出する荷電粒子源と、
    前記荷電粒子線を収束するコンデンサレンズと、
    複数段の多極子で構成され、光学系の収差を補正する収差補正器と、
    前記多極子に印加する制御電源を発生する収差補正器制御電源と、
    前記光学系の収差係数を測定する収差係数評価部と、
    前記収差係数の測定履歴を記録保存する収差係数測定結果記憶部と、
    前記収差係数に基づいて収差補正量を算出する収差補正量評価部と、
    前記収差補正器制御電源から前記多極子に印加されている前記制御電源の現在値を測定する収差補正器電源測定部と、
    前記制御電源の測定履歴を記録保存する収差補正器電源履歴記憶部と、
    前記収差係数の測定履歴と、前記制御電源の測定履歴と、前記収差補正量に基づいて、前記多極子に印加する前記制御電源の大きさを与える電源制御値を算出する演算装置と
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項7に記載の荷電粒子線装置において、
    前記演算装置は、
    前記収差係数の測定履歴と、前記制御電源の測定履歴と、前記収差補正量に基づいて、前記収差補正量に相当する前記制御電源の印加時に発生する寄生収差調整量を算出する寄生収差調整量評価部と、
    前記収差補正量と前記寄生収差調整量を加算して、前記電源制御値を算出する収差補正器電源制御部と
    を有することを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項8に記載の荷電粒子線装置において、
    前記寄生収差調整量評価部は、
    (1) 前記収差補正量と、
    (2) 前記光学系に残存する寄生2極子場又は寄生4極子場の大きさと、
    (3) 次回調整対象とする多極子場に印加する前記制御電源が前回変更された時の直前回との変更量と、
    (4) 次回調整対象とする多極子場に印加する前記制御電源が前回変更された時に寄生2極子場又は寄生4極子場に生じた変化量と
    に基づいて前記寄生収差調整量を算出する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 請求項7に記載の荷電粒子線装置において、
    前記複数段の多極子は、それぞれが回転対称でない磁場及び/又は電場を発生する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  11. 請求項7に記載の荷電粒子線装置において、
    前記演算装置は、収差補正の実行状況を画面表示する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  12. 複数段の多極子で構成され、荷電粒子線装置における光学系の収差を補正する収差補正器に印加する制御電源の大きさを与える電源制御値を算出する演算装置において、
    前記光学系について測定された収差係数に基づいて収差補正量を算出する収差補正量評価部と、
    前記多極子に印加されている前記制御電源の現在値と前記収差補正量に基づいて、前記収差補正量に相当する前記制御電源の印加時に発生する寄生収差調整量を算出する寄生収差調整量評価部と
    を有することを特徴とする演算装置。
  13. 請求項12に記載の演算装置において、
    前記収差補正量と前記寄生収差調整量を加算して、前記電源制御値を算出する
    収差補正器電源制御部
    を有することを特徴とする演算装置。
  14. 複数段の多極子で構成され、荷電粒子線装置における光学系の収差を補正する収差補正器に印加する制御電源の大きさを与える電源制御値を算出する演算装置において、
    前記光学系について測定された収差係数に基づいて収差補正量を計算する収差補正量評価部と
    前記収差係数の測定履歴と、前記多極子に印加されている前記制御電源の測定履歴と、前記収差補正量に基づいて、前記収差補正量に相当する前記制御電源の印加時に発生する寄生収差調整量を算出する寄生収差調整量評価部と、
    を有することを特徴とする演算装置。
  15. 請求項14に記載の演算装置において、
    前記収差補正量と前記寄生収差調整量を加算して、前記電源制御値を算出する収差補正器電源制御部
    を有することを特徴とする演算装置。
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