JP5803431B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
このような感光性樹脂組成物としては、例えば、炭素数4〜6のフルオロアルキル基を有するα位置換アクリレートを重合して得られる重合体を含む感光性樹脂組成物が知られている(特許文献1)。
[1](A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含む感光性樹脂組成物。
(A)不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位と、炭素数2〜4の環状エーテル構造を有する不飽和化合物に由来する構造単位とを含む共重合体(ただし、炭素数4〜6のペルフルオロアルキル基を有する不飽和化合物に由来する構造単位は有さない。)
(B)炭素数4〜6のペルフルオロアルキル基を有する不飽和化合物に由来する構造単位を含む重合体
(C)重合性化合物
(D)重合開始剤
(E)溶剤
[3](C)が、オキシム化合物を含む重合開始剤である[1]又は[2]記載の感光性樹脂組成物。
[4][1]〜[3]のいずれか記載の感光性樹脂組成物により形成されるパターン。
[5][1]〜[3]のいずれか記載の感光性樹脂組成物により形成されるインクジェット用隔壁。
[6][4]記載のパターン及び[5]記載のインクジェット用隔壁からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む表示装置。
(A)不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位と、炭素数2〜4の環状エーテル構造を有する不飽和化合物に由来する構造単位とを含む共重合体(ただし、炭素数4〜6のペルフルオロアルキル基を有する不飽和化合物に由来する構造単位は有さない。)(以下「樹脂(A)」という場合がある)
(B)炭素数4〜6のペルフルオロアルキル基を有する不飽和化合物に由来する構造単位を含む重合体(以下「樹脂(B)」という場合がある)
(C)重合性化合物
(D)重合開始剤
(E)溶剤
さらに、本発明の感光性樹脂組成物は、樹脂(A)及び樹脂(B)とは異なる樹脂(以下「樹脂(A1)」という場合がある)、重合開始助剤(D1)、多官能チオール化合物(T)及び界面活性剤(F)からなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
なお、本明細書においては、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は組合せて使用することができる。
樹脂(A−1):不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)(以下「(a)」という場合がある)と炭素数2〜4の環状エーテル構造を有する不飽和化合物(b)(以下「(b)」という場合がある)とを重合してなる共重合体、
樹脂(A−2):(a)及び(b)と共重合可能な単量体(c)(ただし、炭素数2〜4の環状エーテル構造は有さない。)(以下「(c)」という場合がある)と、(a)と、(b)とを重合してなる共重合体が挙げられる。ただし、(a)、(b)及び(c)は、炭素数4〜6のペルフルオロアルキル基を有さない。
樹脂(A)としては、樹脂(A−1)が好ましい。
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3‐ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物(ハイミック酸無水物)等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が共重合反応性の点やアルカリ溶解性の点から好ましく用いられる。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も同様の意味を有する。
(b1)としては、オキシラニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましく、不飽和脂環式炭化水素がエポキシ化された構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。これらの単量体であると、感光性樹脂組成物の保存安定性に優れる。
X1及びX2は、単結合、−R3−、*−R3−O−、*−R3−S−、*−R3−NH−を表す。
R3は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
ヒドロキシ基で置換されているアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
R1及びR2としては、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
X1及びX2としては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*−CH2−O−(*はOとの結合手を表す)基、*−CH2CH2−O−基が挙げられ、より好ましくは単結合、*−CH2CH2−O−基が挙げられる。
(b3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート等のアルキルエステル類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートといわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン−8−イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、イソボルニル(メタ)アクリレート等のシクロアルキルエステル類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルエステル類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等のアリール及びアラルキルエステル類等が挙げられる。
N−置換マレイミド類としては、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等が挙げられる。
その他のビニル化合物としては、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル、1,3−ブタジエン、イソプレン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
(c)としては、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド及びビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が、共重合反応性及びアルカリ溶解性の点から好ましい。
(a)に由来する構造単位;5〜60モル%(より好ましくは10〜50モル%)
(b)に由来する構造単位;40〜95モル%(より好ましくは50〜90モル%)
樹脂(A−1)の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、感光性樹脂組成物の保存安定性、感光性樹脂組成物からパターンを形成する際の現像性、並びに、得られる塗膜及びパターンの耐溶剤性、耐熱性および機械強度が良好になる傾向がある。
樹脂(A−1)としては、(b)が(b1)である樹脂(A−1)が好ましく、(b)が(b1−2)である樹脂(A−1)がより好ましい。
(a)に由来する構造単位;2〜40モル%(より好ましくは5〜35モル%)
(c)に由来する構造単位;1〜65モル%(より好ましくは1〜60モル%)
(b)に由来する構造単位;2〜95モル%(より好ましくは5〜80モル%)
樹脂(A−2)の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、感光性樹脂組成物の保存安定性、感光性樹脂組成物からパターンを形成する際の現像性、並びに、得られる塗膜及びパターンの耐溶剤性、耐熱性及び機械強度が良好になる傾向がある。
樹脂(A−2)としては、(b)が(b1)である樹脂(A−2)が好ましく、(b)が(b1−2)である樹脂(A−2)がより好ましい。
樹脂(A−2)は、樹脂(A−1)と同様の方法により製造することができる。
Rdは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ベンジル基又は炭素数1〜21のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Xdは、単結合、炭素数1〜10の2価の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜10の2価の脂環式炭化水素基又は炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該脂環式炭化水素基に含まれる−CH2−は、−O−、−CO−、−NRe−、−S−又は−SO2−で置き換わっていてもよい。]
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1−プロピルブチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、1−ブチルブチル基、1−ブチル−2−メチルブチル基、1−ブチル−3−メチルブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1−エチル−1−メチルブチル基、2−エチル−3−メチルブチル基等の分枝鎖状アルキル基等が挙げられる。
Rdとしては、水素原子、ハロゲン原子及びメチル基が好ましい。
Xdにおける炭素数6〜12の2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフタレンジイル基等が挙げられる。
(a)に由来する構造単位;5〜40質量%(より好ましくは10〜30質量%)
(d)に由来する構造単位;60〜95質量%(より好ましくは70〜90質量%)
(a)に由来する構造単位;5〜40質量%(より好ましくは10〜30質量%)
(b)に由来する構造単位;5〜80質量%(より好ましくは10〜70質量%)
(d)に由来する構造単位;10〜80質量%(より好ましくは20〜70質量%)
(a)に由来する構造単位;5〜40質量%(より好ましくは10〜30質量%)
(b)に由来する構造単位;5〜70質量%(より好ましくは10〜60質量%)
(c)に由来する構造単位;10〜50質量%(より好ましくは20〜40質量%)
(d)に由来する構造単位;10〜80質量%(より好ましくは20〜70質量%)
樹脂(B)の酸価は、20〜200mgKOH/gであり、好ましくは40〜150mgKOH/gである。
樹脂(A1−1):(a)と(c)とを重合してなる共重合体、
樹脂(A1−2):(a)と(c)とを重合してなる共重合体に(b)を反応させて得られる樹脂、
樹脂(A1−3):(b)と(c)とを重合してなる共重合体に(a)を反応させて得られる樹脂等が挙げられる。
(a)に由来する構造単位;2〜40モル%(より好ましくは5〜35モル%)
(c)に由来する構造単位;60〜98モル%(より好ましくは65〜95モル%)
樹脂(A1−1)の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、感光性樹脂組成物の保存安定性、感光性樹脂組成物からパターンを形成する際の現像性、並びに、得られる塗膜及びパターンの耐溶剤性が良好になる傾向がある。
樹脂(A1−1)は、樹脂(A−1)と同様の方法により製造することができる。
樹脂(A1−2)は、例えば、二段階の工程を経て製造することができる。この場合も、上述した文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法、特開2001−89533号公報に記載された方法等を参考にして製造することができる。
この場合、上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。また、上記と同様のポリスチレン換算の重量平均分子量及び分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]とすることが好ましい。
ただし、(a)及び(c)に由来する構造単位の比率が、前記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、以下の範囲にあることが好ましい。
(a)に由来する構造単位;5〜50モル%(より好ましくは10〜45モル%)
(c)に由来する構造単位;50〜95モル%(より好ましくは55〜90モル%)
具体的には、上記に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(a)のモル数に対して、5〜80モル%の(b)、カルボキシ基と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)を(a)、(b)及び(c)の合計量に対して0.001〜5質量%、及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)を(a)、(b)及び(c)の合計量に対して0.001〜5質量%をフラスコ内に入れて、60〜130℃で、1〜10時間反応させ、樹脂(A1−2)を得ることができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
また、この場合、(b)のモル数は、(a)のモル数に対して、10〜75モル%とすることが好ましく、より好ましくは15〜70モル%である。この範囲とすることにより、感光性樹脂組成物の保存安定性、感光性樹脂組成物からパターンを形成する際の現像性、並びに、得られる塗膜及びパターンの耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。
この場合、上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)及び(c)に由来する構造単位の比率が、前記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、以下の範囲にあることが好ましい。
(b)に由来する構造単位;5〜95モル%(より好ましくは10〜90モル%)
(c)に由来する構造単位;5〜95モル%(より好ましくは10〜90モル%)
前記の共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)のモル数に対して5〜80モル%であることが好ましい。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1−1)が好ましい。
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカルによって重合しうる化合物であって、例えば、エチレン性不飽和結合を有する化合物などであり、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
重合開始剤(D)として、例えば、アルキルフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物及びオキシム化合物が挙げられる。また、特開2008−181087号公報に記載された光及び/又は熱カチオン重合開始剤(例えば、オニウムカチオンとルイス酸由来のアニオンとから構成されているもの)を用いてもよい。中でも、ビイミダゾール化合物、アルキルフェノン化合物及びオキシムエステル化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、特にオキシムエステル化合物であることが好ましい。これらの化合物を含む重合開始剤であると、特に、高感度になる傾向があり好ましい。
前記の連鎖移動を起こしうる基を有する重合開始剤としては、例えば、下記式(a)〜(f)の化合物が挙げられる。
Y1は、−O−又は−S−を表す。
R4は、炭素数1〜6の1価の飽和炭化水素基を表す。
R5は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の1価の飽和炭化水素基またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜12のアリール基を表す。]
炭素数6〜12の芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。
2−[2−オキソ−2−(2−フェニル)エチリデン]−3−メチルナフト[2,1−d]チアゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−フェニル)エチリデン]−3−メチルナフト[1,2−d]チアゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−フェニル)エチリデン]−3−メチルナフト[2,3−d]チアゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−ナフチル)エチリデン]−3−メチルベンゾチアゾリン、2−[2−オキソ−2−(1−ナフチル)エチリデン]−3−メチルベンゾチアゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−フェニルベンゾチアゾリン、2−[2−オキソ−2−(1−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−フェニルベンゾチアゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−フルオロベンゾチアゾリン、2−[2−オキソ−2−(1−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−フルオロベンゾチアゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−クロロベンゾチアゾリン、2−[2−オキソ−2−(1−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−クロロベンゾチアゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−ブロモベンゾチアゾリン、2−[2−オキソ−2−(1−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−ブロモベンゾチアゾリン、2−[2−オキソ−2−(4−フェニルフェニル)エチリデン]−3−メチルベンゾチアゾリン、2−[2−オキソ−2−(4−フェニルフェニル)エチリデン]−3−メチル−5−フェニルベンゾチアゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−ナフチル)エチリデン]−3−メチルナフト[2,1−d]チアゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−ナフチル)エチリデン]−3−メチルナフト[1,2−d]チアゾリン、2−[2−オキソ−2−(4−フェニルフェニル)エチリデン]−3−メチルナフト[2,1−d]チアゾリン、2−[2−オキソ−2−(4−フェニルフェニル)エチリデン]−3−メチルナフト[1,2−d]チアゾリン、2−[2−オキソ−2−(4−フルオロフェニル)エチリデン]−3−メチルナフト[2,1−d]チアゾリン、2−[2−オキソ−2−(4−フルオロフェニル)エチリデン]−3−メチルナフト[1,2−d]チアゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−フェニル)エチリデン]−3−メチルナフト[2,1−d]オキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−フェニル)エチリデン]−3−メチルナフト[1,2−d]オキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−フェニル)エチリデン]−3−メチルナフト[2,3−d]オキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−ナフチル)エチリデン]−3−メチルベンゾオキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(1−ナフチル)エチリデン]−3−メチルベンゾオキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−フェニルベンゾオキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(1−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−フェニルベンゾオキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−フルオロベンゾオキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(1−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−フルオロベンゾオキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−クロロベンゾオキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(1−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−クロロベンゾオキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(2−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−ブロモベンゾオキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(1−ナフチル)エチリデン]−3−メチル−5−ブロモベンゾオキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(4−フェニルフェニル)エチリデン]−3−メチルベンゾオキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(4−フェニルフェニル)エチリデン]−3−メチル−5−フェニルベンゾオキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(1−ナフチル)エチリデン]−3−メチルナフト[2,1−d]オキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(1−ナフチル)エチリデン]−3−メチルナフト[1,2−d]オキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(4−フェニルフェニル)エチリデン]−3−メチルナフト[2,1−d]オキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(4−フェニルフェニル)エチリデン]−3−メチルナフト[1,2−d]オキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(4−フルオロフェニル)エチリデン]−3−メチルナフト[2,1−d]オキサゾリン、2−[2−オキソ−2−(4−フルオロフェニル)エチリデン]−3−メチルナフト[1,2−d]オキサゾリン
等が挙げられる。
ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜10の複素環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピラン環等が挙げられる。
ヒドロキシ基置換アリール基としては、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基等が挙げられる。
1価のアルコキシ基置換飽和炭化水素基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、ブトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、プロポキシブチル基等が挙げられる。
アルコキシ基置換アリール基としては、メトキシフェニル基、エトキシナフチル基等が挙げられる。
ジメトキシナフタレン、ジエトキシナフタレン、ジプロポキシナフタレン、ジイソプロポキシナフタレン、ジブトキシナフタレンなどのジアルコキシナフタレン類;
9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、ジプロポキシアントラセン、ジイソプロポキシアントラセン、ジブトキシアントラセン、ジペンチルオキシアントラセン、ジヘキシルオキシアントラセン、メトキシエトキシアントラセン、メトキシプロポキシアントラセン、メトキシイソプロポキシアントラセン、メトキシブトキシアントラセン、エトキシプロポキシアントラセン、エトキシイソプロポキシアントラセン、エトキシブトキシアントラセン、プロポキシイソプロポキシアントラセン、プロポキシブトキシアントラセン、イソプロポキシブトキシアントラセンなどのジアルコキシアントラセン類;
ジメトキシナフタセン、ジエトキシナフタセン、ジプロポキシナフタセン、ジイソプロポキシナフタセン、ジブトキシナフタセンなどのジアルコキシナフタセン類;
等が挙げられる。
本発明において使用し得る溶剤としては、例えば、エステル溶剤(分子内に−COO−を含み、−O−を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に−O−を含み、−COO−を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に−COO−と−O−とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に−CO−を含み、−COO−を含まない溶剤)、アルコール溶剤、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等の中から選択して用いることができる。
これらの溶剤は、単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコーンオイルSH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
具体的には、フロリナート(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同R30(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)、E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
塗布は、上述したように、スピンコーター、スリット&スピンコーター、スリットコーター、インクジェット、ロールコーター、ディップコーター等の種々の塗布装置を用いて行うことができる。
この場合の塗膜の膜厚は、特に限定されず、用いる材料、用途等によって適宜調整することができ、例えば、1〜6μm程度である。
近年の露光機では、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出して、露光面全体に均一に略平行光線を照射したりすることができる。マスクアライナ、ステッパ等の装置を用いれば、このときマスクと基材との正確な位置合わせを行うことができる。
現像方法は、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基材を任意の角度に傾けてもよい。
塩基性化合物は、無機及び有機の塩基性化合物のいずれでもよい。
無機の塩基性化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二アンモニウム、燐酸二水素アンモニウム、燐酸二水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。
これらの無機及び有機の塩基性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.03〜5質量%である。
界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤又はカチオン系界面活性剤のいずれでもよい。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、その他のポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
アルカリ現像液中の界面活性剤の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%の範囲、より好ましくは0.05〜8質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
未硬化塗膜を露光する際に、パターンが形成されたフォトマスクを使用せず、全面に光照射を行うこと及び/又は現像を省略することで、パターンを有さない塗膜を得ることができる。
図1は本発明の表示装置の一例である表示装置1の一部を拡大して模式的に示す断面図である。図2は本発明の表示装置の一例である表示装置1の一部を拡大して模式的に示す平面図である。表示装置1は主に、支持基板2と、この支持基板2上において予め設定される区画を画成する隔壁3と、隔壁3によって画成される区画に設けられる複数の有機EL素子4とを含んで構成される。隔壁3が本発明のインクジェット用隔壁に相当する。
隔壁3の形状およびその配置は、画素数および解像度などの表示装置の仕様や製造の容易さなどに応じて適宜設定される。たとえば隔壁3の行方向Xまたは列方向Yの幅は、5μm〜50μm程度であり、隔壁3の高さは0.5μm〜5μm程度であり、行方向Xまたは列方向Yに隣り合う隔壁3間の間隔、すなわち凹部5の行方向Xまたは列方向Yの幅は、10μm〜200μm程度である。また第1電極6の行方向Xまたは列方向Yの幅はそれぞれ10μm〜200μm程度である。
隔壁3は、本発明の感光性樹脂組成物から、前述のパターンの形成方法により形成することができる。
第1の有機EL層7は、第1の有機EL層7となる材料を含むインクを隔壁3に囲まれた領域(凹部5)にインクジェット法により供給し、次いで、乾燥、加熱及び/又は光照射を行ってインクを固化させることにより形成される。
還流冷却器、滴下ロートおよび攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、3−メトキシ−1−ブタノール200質量部および3−メトキシブチルアセテート105質量部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸60質量部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(I−1)で表される化合物および式(II−1)で表される化合物を、モル比で、50:50で混合。)240質量部および、3−メトキシブチルアセテート140質量部に溶解して溶液を調製し、該溶解液を、滴下ロートを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、3−メトキシ−1−ブタノール59質量部及び3−メトキシブチルアセテート81質量部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。
次いで、メタクリル酸40質量部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(I−1)で表される化合物及び式(II−1)で表される化合物を、モル比で、50:50の混合物)360質量部を、3−メトキシ−1−ブタノール80質量部及び3−メトキシブチルアセテート110質量部に溶解して溶液を調製した。この溶解液を、滴下ポンプを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。
還流冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた四つ口フラスコ中に、メタクリル酸30部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート30部、イソボルニルメタクリレート40部、2−スルファニルエタノール5.9部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート163部を入れ、70℃に加熱した後、30分間窒素気流下で撹拌した。これにアゾビスイソブチロニトリル1.3部を添加し、18時間重合した。その後、2−イソシアナトエチルアクリレート(カレンズAOI;昭和電工(株)製)29.3部を入れ、全組成物に対して50ppmのヒドロキノンモノメチルエーテルを入れ、窒素気流下で45℃1時間反応させることにより、固形分34質量%の共重合体(樹脂Ac)の溶液を得た。得られた樹脂Acの重量平均分子量(Mw)は4900であった。樹脂Acは、以下の構造単位を有する共重合体である。
還流冷却器、滴下ロートおよび攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、3−メトキシ−1−ブタノール200質量部および3−メトキシブチルアセテート105質量部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸55質量部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(I−1)で表される化合物および式(II−1)で表される化合物を、モル比で、50:50の混合物。)175質量部ならびにN−シクロヘキシルマレイミド70質量部を、3−メトキシブチルアセテート140質量部に溶解して溶液を調製し、該溶液を、滴下ポンプを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30質量部を3−メトキシブチルアセテート225質量部に溶解した溶液を、別の滴下ポンプを用いて5時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、固形分32.6質量%、酸価105mg−KOH/g(固形分換算)の共重合体(樹脂Ad)溶液を得た。得られた樹脂Adの重量平均分子量(Mw)は13,600、数平均分子量(Mn)は、5,400、分子量分布は2.5であった。樹脂Adは、以下の構造単位を有する。
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル140質量部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸40質量部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(I−1)で表される化合物及び式(II−1)で表される化合物の混合物、モル比=50:50)340質量部、ジシクロペンテニルアクリレート(式(x1)で表される化合物及び式(x2)で表される化合物の混合物、モル比=50:50)20質量部をジエチレングリコールエチルメチルエーテル190質量部に溶解して、溶液を調製した。得られた溶解液を、滴下ポンプを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えた1Lのフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル140質量部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸40質量部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(式(I−1)で表される化合物及び式(II−1)で表される化合物の混合物、モル比=50:50)320質量部、ジシクロペンタニルアクリレート40質量部をジエチレングリコールエチルメチルエーテル190質量部に溶解して、溶液を調製した。得られた溶解液を、滴下ポンプを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。
一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30質量部をジエチレングリコールエチルメチルエーテル240質量部に溶解した溶液を、別の滴下ポンプを用いて、5時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、固形分41.8%の共重合体(樹脂Af)の溶液を得た。得られた樹脂Afの重量平均分子量(Mw)は7.9×103、分子量分布(Mw/Mn)は1.82であり、固形分換算した酸価は60mg−KOH/gであった。樹脂Afは、以下の構造単位を有する。
還流冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた四つ口フラスコ中にα−クロロアクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル78部、メタクリル酸19.5部、イソボルニルメタクリレート19.5部、グリシジルメタクリレート13部、ドデカンチオール12.7部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート266部を入れ、70℃に加熱後、30分間窒素気流下で撹拌した。これにアゾビスイソブチロニトリル1部を添加し、18時間重合して、固形分33質量%、酸価68mg−KOH/g(固形分換算)の共重合体(樹脂Ba)の溶液を得た。得られた樹脂Baの重量平均分子量は7,500であった。樹脂Baは、以下の構造単位を有する。
還流冷却管、窒素導入管、温度計及び撹拌装置を備えた四つ口フラスコ中にα−クロロアクリル酸3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル78部、メタクリル酸19.5部、イソボルニルメタクリレート19.5部、グリシジルメタクリレート13部、ドデカンチオール12.7部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート266部を入れ、70℃に加熱後、30分間窒素気流下で撹拌した。これにアゾビスイソブチロニトリル1部を添加し、18時間重合して、固形分33質量%、酸価65mg−KOH/g(固形分換算)の共重合体(樹脂Bb)の溶液を得た。得られた樹脂Bbの重量平均分子量は6,800であった。樹脂Bbは、以下の構造単位を有する。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim−pack GPC−80M
カラム温度;40℃
溶媒;THF(テトラヒドロフラン)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分子量分布とした。
<感光性樹脂組成物の調整>
表3の成分をそれぞれ混合して、感光性樹脂組成物1〜8を得た。
樹脂(A);Aa:合成例1で得られた樹脂Aa
樹脂(A);Ab:合成例2で得られた樹脂Ab
樹脂(A);Ac:合成例3で得られた樹脂Ac
樹脂(A);Ad:合成例4で得られた樹脂Ad
樹脂(A);Ae:合成例5で得られた樹脂Ae
樹脂(A);Af:合成例6で得られた樹脂Af
樹脂(B);Ba:合成例7で得られた樹脂Ba
樹脂(B);Bb:合成例8で得られた樹脂Bb
重合性化合物(C);Ca:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD(登録商標) DPHA;日本化薬(株)製)
重合性化合物(C);Cb:ペンタエリスリトールテトラアクリレート(A−TMMT;新中村化学工業(株)製)
重合開始剤(D);Da:N−アセトキシ−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタン−1−イミン(イルガキュア(登録商標)OXE02;BASFジャパン(株)製)
重合開始剤(D);Db:2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(イルガキュア(登録商標)127;BASFジャパン(株)製)
溶剤(E);Ea;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E);Eb;3−エトキシプロピオン酸エチル
溶剤(E);Ec;3−メトキシ1−ブタノール
溶剤(E);Ed;3−メトキシブチルアセテート
溶剤(E);Ee;ジエチレングリコールメチルエチルエーテル
溶剤(E)は、感光性樹脂組成物の固形分量が表3の「固形分量(%)」となるように混合し、溶剤(E)中の溶剤成分(Ea)〜(Ee)の値は、溶剤(E)中での質量比を表す。
その他の成分;Za;熱架橋剤サイメル300(三井サイテック(株)製)
その他の成分;Zb;テトラヒドロ無水フタル酸(リカシッド(登録商標)TH;新日本理化(株)製)
上記で得られた感光性樹脂組成物について、それぞれ、紫外可視近赤外分光光度計(V−650;日本分光(株)製)(石英セル、光路長;1cm)を用いて、400〜700nmにおける平均透過率(%)を測定した。結果を表3に示す。
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)を、中性洗剤、水およびアルコールで順次洗浄してから乾燥した。このガラス基板上に、上記で得られた感光性樹脂組成物1〜8をそれぞれ、ポストベーク後の膜厚が3.0μmになるようにスピンコートし、減圧乾燥機(マイクロテック(株)製)で減圧度が66kPaになるまで減圧乾燥させた後、ホットプレートで80℃で2分間プレベークして乾燥させた。冷却後、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製、光源;超高圧水銀灯)を用いて、大気雰囲気下、露光量50mJ/cm2(365nm基準)の光を照射した。なお、このときの感光性樹脂組成物への照射は、超高圧水銀灯を使用した。光照射後、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液に前記塗膜を23℃で60秒間浸漬・揺動して接触させ、その後、オーブン中、230℃で20分加熱(ポストベーク)して塗膜を得た。
感光性樹脂組成物5について、露光量を500mJ/cm2(365nm基準)に代える以外は上記と同様の方法で塗膜を得た。
得られた塗膜について、顕微分光測光装置(OSP−SP200;OLYMPUS社製)を用いて、400〜700nmにおける平均透過率(%)を測定した。透過率が高くなることは、吸収が小さくなることを意味する。結果を表3に示す。
得られた塗膜について、接触角計(DGD Fast/60;GBX社製)を用いて、アニソールの接触角を測定した。
接触角が高いほど、撥液性が高いことを意味する。塗膜における接触角が高ければ、同じ感光性樹脂組成物を用いて形成されるパターンにおいても接触角は高い。接触角の高い感光性樹脂組成物で隔壁を形成し、該隔壁で囲まれた中にインクジェット装置によりインクを印写した場合、インクをはじきやすい。そのため、例えばインクジェット法によりカラーフィルタを作製すると、隣り合う画素領域間におけるインクの混色が生じにくい。
得られた塗膜を、40℃のN−メチルピロリドン中に40分間浸漬し、膜厚及び透過率を測定した。浸漬前後の膜厚及び400nmにおける透過率から、次式にしたがって、それぞれ変化率を求めた。
膜厚変化率(%)=浸漬後の膜厚(μm)/浸漬前の膜厚(μm)
透過率変化率(%)=浸漬後の透過率(%)/浸漬前の透過率(%)
塗膜における耐溶剤性が良好であれば、同じ感光性樹脂組成物を用いて形成されるパターンにおいても耐溶剤性は良好である。結果を表4に示す。
得られた塗膜を、クリーンオーブン中、240℃で1時間加熱し、膜厚及び透過率を測定した。加熱前後の膜厚及び400nmにおける透過率から、次式にしたがって、それぞれ変化率を求めた。
膜厚変化率(%)=加熱後の膜厚(μm)/加熱前の膜厚(μm)
透過率変化率(%)=加熱後の透過率(%)/加熱前の透過率(%)
塗膜における耐熱性が良好であれば、同じ感光性樹脂組成物を用いて形成されるパターンにおいても耐熱性は良好である。結果を表4に示す。
2インチ角のガラス基板(イーグルXG;コーニング社製)を、中性洗剤、水およびアルコールで順次洗浄してから乾燥した。このガラス基板上に、感光性樹脂組成物1〜8をそれぞれ、ポストベーク後の膜厚が3.5μmになるようにスピンコートし、減圧乾燥機(マイクロテック(株)製)で減圧度が66kPaになるまで減圧乾燥させた後、ホットプレートで80℃で2分間プレベークして乾燥させた。冷却後、この感光性樹脂組成物を塗布した基板と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を10μmとし、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製、光源;超高圧水銀灯)を用いて、大気雰囲気下、露光量50mJ/cm2(365nm基準)の光を照射した。なお、このときの感光性樹脂組成物への照射は、超高圧水銀灯からの放射光を、光学フィルタ(UV―33;朝日分光(株)製)を通過させて行った。また、フォトマスクとして、パターン(1辺が13μmである正方形の透光部を有し、当該正方形の間隔が100μm)(すなわち透光部)が同一平面上に形成されたフォトマスクを用いた。
光照射後、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液に前記塗膜を25℃で100秒間浸漬・揺動して現像し、水洗後、オーブン中、235℃で15分間ポストベークを行い、パターンを得た。
感光性樹脂組成物5について、露光量を500mJ/cm2(365nm基準)に代える以外は上記と同様の方法で塗膜を得た。
得られたパターンの形状を走査型電子顕微鏡(S−4000;(株)日立製作所社製)を用いて観察した。パターンを隔壁として利用する場合、順テーパ((p1)で示すような形状)であることが好ましい。
2 支持基板
3 隔壁
4 有機EL素子
5 凹部
6 第1電極
7 第1の有機EL層(正孔注入層)
9 第2の有機EL層(発光層)
10 第2電極
Claims (5)
- (A)、(B)、(C)、(D)及び(E)を含む感光性樹脂組成物。
(A)不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位と、炭素数2〜4の環状エーテル構造を有する不飽和化合物に由来する構造単位とを含む共重合体(ただし、炭素数4〜6のペルフルオロアルキル基を有する不飽和化合物に由来する構造単位は有さない。)
(B)炭素数4〜6のペルフルオロアルキル基を有する不飽和化合物に由来する構造単位を含む重合体であって、さらに不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位を含む共重合体
(C)重合性化合物
(D)重合開始剤
(E)溶剤 - (D)が、オキシム化合物を含む重合開始剤である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物により形成されるパターン。
- 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物により形成されるインクジェット用隔壁。
- 請求項3記載のパターン及び請求項4記載のインクジェット用隔壁からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む表示装置。
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