以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係るシャッター開閉機構及び現像剤補給装置を適用したタンデム型のカラーの画像形成装置を示す構成図である。また、図3は同画像形成装置の画像形成部を示す構成図である。
この画像形成装置は、図2に示すように、パーソナルコンピュータや図示しない画像読取装置等から出力される画像データ、あるいは電話回線やLAN等を介して送られてくる画像データに応じて、フルカラーやモノクロの画像を出力するものである。
この画像形成装置の本体1は、図4乃至図6に示すように、略直方体形状に形成されており、当該画像形成装置本体1の正面には、記録用紙の給紙等を行うための正面カバー28が開閉自在に設けられているとともに、その一側面には、現像剤収容容器としてのトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kの交換等を行うための側面カバー29が開閉自在に設けられている。また、画像形成装置本体1の上部には、画像が形成された記録用紙を排出する排出トレイ22が一体的に形成されている。
上記画像形成装置本体1の内部には、図2に示すように、パーソナルコンピュータ(PC)2や図示しない画像読取装置等から送られてくる画像データに対して、必要に応じて、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理を施す画像処理部3が配置されているとともに、画像形成装置全体の動作を制御する制御部4が配置されている。
そして、上記の如く画像処理部3で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく画像処理部3によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色の画像データに変換され、次に述べるように、画像形成装置本体1の内部に設けられた画像出力部5によってフルカラー画像やモノクロ画像として出力される。
上記画像形成装置本体1の内部には、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット(画像形成部)6Y、6M、6C、6Kが、第1色目のイエロー(Y)の画像形成ユニット6Yが相対的に高く、最終色の黒(K)の画像形成ユニット6Kが相対的に低くなるように、水平方向に対して予め定められた角度(例えば、約10度)だけ傾斜した状態で一定の間隔を隔てて並列的に配置されている。なお、上記画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの傾斜角度は、約10度に限定されるものではなく、これよりも大きな角度であっても小さな角度であっても良いことは勿論である。
このように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kを、予め定められた角度だけ傾斜した状態で配置することにより、これら4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kを水平に配置した場合と比較して、画像形成ユニット6Y、6M、6C、6K間の距離を短く設定することができ、画像形成装置本体1の幅を小さくしてより一層の小型化が可能となる。
これらの4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kは、基本的に、形成する画像の色以外は同様に構成されており、図2及び図3に示すように、大別して、図示しない駆動手段により矢印A方向に沿って予め定められた速度で回転駆動される像保持体としての感光体ドラム8と、この感光体ドラム8の表面を一様に帯電する一次帯電用の帯電ロール9と、当該感光体ドラム8の表面に予め定められた色に対応した画像を露光して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる画像露光装置7と、感光体ドラム8上に形成された静電潜像を予め定められた色のトナーで現像する現像手段としての現像装置10と、感光体ドラム8の表面を清掃するクリーニング装置11とから構成されている。
上記感光体ドラム8としては、例えば、直径30mm程度のドラム状に形成され、表面に有機光導電体(OPC)等からなる感光体層を被覆したものが用いられ、図示しない駆動モータにより矢印A方向に沿って予め定められた速度で回転駆動される。
また、上記帯電ロール9としては、例えば、芯金の表面に合成樹脂や合成ゴムからなり電気抵抗を調整した導電層を被覆したロール状の帯電器が用いられ、この帯電ロール9の芯金には、予め定められた帯電バイアスが印加される。
上記画像露光装置7は、図2に示すように、4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6K毎にそれぞれ個別に配置されており、各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kに設けられた画像露光装置7としては、LED発光素子を予め定められたピッチ(例えば、600dpi〜1200dpi)で感光体ドラム8の軸方向に沿って直線状に配置したLED発光素子アレイと、当該LED発光素子アレイの各LED発光素子から出射された光を感光体ドラム8上にスポット状に結像するロッドレンズアレイとを備えたものが用いられる。また、上記画像露光装置7は、図2及び図3に示すように、下方から感光体ドラム8上に画像を走査露光するように構成されている。
なお、上記画像露光装置7としてLED発光素子アレイからなるものを用いた場合には、画像露光装置を大幅に小型化することができ望ましいが、画像露光装置7としては、LED発光素子アレイからなるものに限らず、レーザービームを各感光体ドラム8の軸方向に沿って偏向走査するものなどを用いても良い。この場合には、例えば、4つの画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kに対して1つの画像露光装置7が配置されるように構成しても良い。
上記画像処理部3からは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kに個別に設けられた画像露光装置7Y、7M、7C、7Kに、対応する色の画像データが順次出力され、これらの画像露光装置7Y、7M、7C、7Kから画像データに応じて出射された光束は、対応する感光体ドラム8Y、8M、8C、8Kの表面に走査露光され、画像データに応じた静電潜像が形成される。上記感光体ドラム8Y、8M、8C、8K上に形成された静電潜像は、現像装置10Y、10M、10C、10Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
上記各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの感光体ドラム8Y、8M、8C、8K上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの上方にわたって傾斜した状態で配置された無端ベルト状の中間転写体としての中間転写ベルト12上に、4つの一次転写ロール13Y、13M、13C、13Kによって順次多重に一次転写される。
この中間転写ベルト12は、複数のロールによって張り渡された無端ベルト状部材であって、当該ベルト状部材の下辺走行領域が、その走行方向に沿った下流側が相対的に低く、且つ上流側が相対的に高くなるように、水平方向に対して傾斜した状態で配置されている。
即ち、上記中間転写ベルト12は、図2に示すように、二次転写部の背面支持ロールとしての機能を兼ね備えた駆動ロール15と、従動ロール14との間に予め定められた張力で掛け回されており、図示しない定速性に優れた駆動モータによって回転駆動される駆動ロール15により、矢印B方向に沿って予め定められた速度で循環駆動される。上記中間転写ベルト12としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムによって無端ベルト状に形成したものが用いられる。上記中間転写ベルト12は、その下辺走行領域において、各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの感光体ドラム8Y、8M、8C、8Kと接触するように配置されている。
また、上記中間転写ベルト12には、図2に示すように、当該中間転写ベルト12の走行領域の低位側端部に配置され、中間転写ベルト12上に一次転写されたトナー像を記録媒体16上に二次転写する二次転写手段としての二次転写ロール17が、駆動ロール15によって張架された中間転写ベルト12の表面に接触するように配置されている。
上記中間転写ベルト12上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、駆動ロール15に中間転写ベルト12を介して接触する二次転写ロール17によって、記録媒体としての記録用紙16上に二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙16は、鉛直方向の上方に位置する定着装置18へと搬送される。上記二次転写ロール17は、駆動ロール15の側方に中間転写ベルト12を介して圧接されており、鉛直方向の下方から上方に搬送される記録用紙16上に、各色のトナー像を一括して二次転写するようになっている。
上記二次転写ロール17としては、例えば、ステンレス等の金属からなる芯金の外周に、導電剤を添加した合成ゴム材料等の導電性弾性体からなる弾性体層を予め定められた厚さに被覆したものが用いられる。
そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙16は、定着装置18の加熱ロール19及び加圧ベルト(又は加圧ロール)20によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、排出ロール21によって画像形成装置本体1の上端部に設けられた排出トレイ22上に画像面を下にした状態で排出される。
上記記録用紙16は、図2に示すように、画像形成装置本体1内の底部に配置された給紙トレイ23から予め定められたサイズ及び材質のものが、給紙ロール24及び用紙分離ロール25により一枚ずつ分離された状態で給紙され、レジストロール26まで一旦搬送される。そして、上記給紙トレイ23から供給された記録用紙16は、中間転写ベルト12上のトナー像と同期して回転駆動されるレジストロール26によって中間転写ベルト12の二次転写位置へと送り出される。上記記録用紙16としては、普通紙以外にも、表面又は表裏両面にコーティング処理が施されたコート紙等の厚紙なども供給可能となっており、コート紙からなる記録用紙16には、写真画像なども出力される。
なお、トナー像の一次転写工程が終了した感光体ドラム8の表面は、図2及び図3に示すように、クリーニング装置11によって残留トナーが除去されて、次の画像形成工程に備える。また、トナー像の二次転写工程が終了した中間転写ベルト12の表面は、図2に示すように、駆動ロール15の下流側の近傍に設けられたベルトクリーニング装置27によって残留トナー等が除去されて、次の画像形成工程に備える。
図7はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置に使用される現像装置を示す構成図である。
この現像装置10は、図7に示すように、下部ハウジング31と上部ハウジング32とを備えており、上部ハウジング32の一側の上端部には、開口部33が設けられているとともに、当該開口部33には、現像剤保持体としての現像ロール34が配置されている。この現像ロール34は、内部に固定した状態で配置されたマグネットロール35と、当該マグネットロール35の外周に矢印方向に沿って回転可能に配置された現像スリーブ36とから構成されている。
また、上記現像ロール34の下方には、上部ハウジング32と組み合わされた下部ハウジング31から構成され、例えば、トナーとキャリアからなる二成分現像剤37を収容する空間としての現像剤収容室38が設けられている。上部ハウジング32の内部には、現像ロール34の表面に供給される現像剤37の量を規制する現像剤規制部材39が、現像ロール34の回転方向の下流側であって開口部33の近傍に、現像ロール34の表面に対して予め定められた間隙を介して配置されている。この現像剤規制部材39は、例えば、磁性を利用して現像ロール34の表面に供給される現像剤37の量を規制するように構成されており、例えば、ニッケル等の磁性材料によって予め定められた直径を有する円柱形状に形成されている。
一方、上記下部ハウジング31の内部には、トナーとキャリアからなる二成分現像剤37が収容されているとともに、当該現像剤37を攪拌しつつ搬送することにより、現像剤37を現像ロール34の表面に供給する第1の攪拌搬送オーガー40と、現像剤37を攪拌しつつ搬送する第2の攪拌搬送オーガー41とが配置されている。上記下部ハウジング31の内部で構成される現像剤収容室38は、第1の攪拌搬送オーガー40が収容される第1の攪拌搬送オーガー収容室42と、第2の攪拌搬送オーガー41が収容される第2の攪拌搬送オーガー収容室43とに、仕切り壁52によって区画されている。
また、上記第1及び第2の攪拌搬送オーガー40、41は、図8に示すように、円柱形状に形成された回転軸44、45と、当該回転軸44、45の外周に螺旋状に形成された攪拌搬送用の羽根46、47とから構成されており、互いに反対方向に現像剤37を攪拌しつつ搬送するように構成されている。
上記第1及び第2の攪拌搬送オーガー40、41は、図8に示すように、その回転軸44、45の一端部に取り付けられたギア48、49によって回転駆動される。
上記現像装置10の内部には、図9に示すように、第2の攪拌搬送オーガー41の軸方向に沿った一端部側(図9中、手前側)に延設された現像剤供給用のオーガー50によって、トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kから少なくともトナーを含む新しい現像剤が供給される。この現像剤供給用オーガー50の端部には、必要に応じて、現像剤が漏れるのを防止する漏れ防止用の羽根51が一体的に設けられている。
また、上記感光体ドラム8の表面を清掃するクリーニング装置11は、図9に示すように、感光体ドラム8の表面に接触するクリーニングブレード11aと、当該クリーニングブレード11aによって感光体ドラム8の表面から除去したトナーを回収する回収用のオーガー11bを備えている。この回収用オーガー11bの外周には、図3に示すように、感光体ドラム8側が開口した半円筒状に形成された廃棄トナー搬送部材11cが被覆されており、当該廃棄トナー搬送部材11cの円筒形状に形成された先端部66Y、66M、66C(66Kは図示せず)は、図6に示すように、画像形成装置本体1の側面に突出するように配置されている。
又、上記現像装置10の内部には、図8に示すように、第1の攪拌搬送オーガー収容室42と、第2の攪拌搬送オーガー収容室43とを仕切る仕切り板52が設けられているとともに、この仕切り板52の長手方向に沿った両端部には、第1の攪拌搬送オーガー収容室42と、第2の攪拌搬送オーガー収容室43との間で現像剤37をやりとりすることで循環させる循環用通路53、54が形成されている。
なお、上記現像装置10の内部への新しい現像剤の供給は、循環用通路54や第2の攪拌搬送オーガー41の端部に、現像剤供給用オーガー50によって現像剤を落下させることで行うように構成しても良い。
ところで、この実施の形態では、図5に示すように、画像形成装置本体1の側面カバー29を開けると外部に露出する側面に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の少なくともトナーを含む現像剤61を収容した現像剤収容容器としてのトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kが装着されており、これらのトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kから対応する色の現像装置10Y、10M、10C、10Kに少なくともトナーを含む現像剤61が供給される。この実施の形態では、トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kの内部に現像剤としてトナー61のみが収容されているが、トナーとキャリアからなる現像剤61を収容しても勿論良い。上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kは、基本的に同じ形状に形成されているが、黒(K)のトナーカートリッジ60Kは、他のカラーのトナーカートリッジ60Y、60M、60Cと比較して大型に形成されている。
上記画像形成装置本体1は、図5及び図6に示すように、現像剤収容容器としてのトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kと、これらのトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kから対応する色の現像装置10Y、10M、10C、10Kに少なくともトナーを含む現像剤61を補給する補給部材とを有する現像剤補給装置200を備えている。
上記画像形成装置本体1の一側面には、図6に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kを着脱自在に装着するためのカートリッジ格納フレーム62が設けられている。このカートリッジ格納フレーム62には、イエロー色、マゼンタ色、シアン色及び黒色の各トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kを装着するため、当該各トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kの形状に対応した4つの装着用凹所63Y、63M、63C、63Kが設けられている。これらの4つの装着用凹所63Y、63M、63C、63Kのうち、カラーのトナーカートリッジ60Y、60M、60Cを装着する装着用凹所63Y、63M、63Cには、他の色のトナーカートリッジを誤って装着することを防止するための互いに形状の異なる誤装着防止用突起64Y、64M、64Cが設けられている。
上記装着用凹所63Y、63M、63C、63Kの内部には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像剤61を補給する現像補給部材としての現像剤補給部65Y、65M、65C、65Kが設けられているとともに、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のクリーニング装置11Y、11M、11C、11Kから廃棄トナーを回収する現像剤回収部66Y、66M、66C、66Kが設けられている。上記現像剤回収部66Y、66M、66C、66Kのうち、黒(K)の現像剤回収部66Kは、図10に示すように、感光体ドラム8Kのクリーニング装置11Kから廃棄トナーを回収するとともに、中間転写ベルト12のクリーニング装置27からも廃棄トナーを回収可能なように、他の現像剤回収部66Y、66M、66Cと比較して大きく形成されている。
一方、上記現像剤補給部65Y、65M、65C、65Kは、図6及び図11に示すように、トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kに設けられた後述する現像剤供給用円筒部106を装着する円筒形状の現像剤受け部67と、当該現像剤受け部67の手前側に上部が開口した半円筒形状に一体的に形成された導入部68とを備えている。なお、上記現像剤補給部65Y、65M、65C、65Kは、図11に示すように、トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kを取り外した状態では、現像装置10の先端部に設けられたスプリング160によって押されて、後述する駆動ギア104を覆った状態まで突出している。なお、図11の導入部68は、基本的な形状を示すものであり、当該導入部68の形状は、後述する図1に示すように適宜変更される。
また、上記現像剤回収部66Y、66M、66C、66Kは、図6に示すように、画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kのクリーニング装置11の手前側において、装着用凹所63Y、63M、63C、63Kの内側面から突出した廃棄トナー搬送部材11cの先端部から構成されており、当該現像剤回収部66Y、66M、66C、66Kの先端部の下端面には、図示しない廃棄トナーの排出口が下向きに開口されている。
ところで、この実施の形態に係る現像剤収容容器としてのトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kのうち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のカラーのトナーカートリッジ60Y、60M、60Cは、図12に示すように、縦方向に沿って細長い略直方体形の箱体状に形成されている。また、黒(K)のトナーカートリッジ60Kは、図5に示すように、カラーのトナーカートリッジ60Y、60M、60Cと比較して幅が広い大型に形成されている。
上記トナーカートリッジ60は、図13に示すように、大別して、一側面70が全面にわって開口されているとともに上端部にトナー充填用の開口部71を有し、縦方向に沿って細長い直方体形の箱体状に形成された容器本体72と、当該容器本体72の一側面を閉塞するように設けられる内側の蓋体73と、当該内側蓋体73の表面に設けられる外側蓋体74と、容器本体72のトナー充填用開口部71を塞ぐキャップ部材75及び空気孔をシールするシール部材76と、当該容器本体72の上端部に装着される上蓋77と、上蓋77の内部に装着され、トナーカートリッジ60に関するデータ等を記憶した外部から読み取り可能な記憶素子78と、容器本体72の内部に収容された現像剤61を攪拌しつつ排出口へと搬送する攪拌搬送部材としての搬送オーガー79と、容器本体72の内部に配置される板状の弾性部材80とを備えるように構成されている。
上記トナーカートリッジ60の容器本体72には、図14に示すように、一側面(前面)に全面にわたって開口した開口部70が設けられた縦方向に沿って細長い直方体形状の箱体として形成されている。この容器本体72の内部は、新しい現像剤61を収容する新現像剤収容室81と、廃棄される現像剤を回収する廃棄現像剤回収室82とに、容器本体72内の中間部の一方の側壁84から他方の側壁89に向けて傾斜した状態で配置された仕切り壁83によって区画されている。この仕切り壁83は、新現像剤収容室81側の仕切り壁83aと、廃棄現像剤回収室82側の仕切り壁83bとから二重に形成されている。上記仕切り壁83aは、その上端部が新現像剤収容室81を形成する一方の側壁84の下端部に連続するように配置されているとともに、図14中、左斜め下方に向けて傾斜した状態で配置されており、当該仕切り壁83aの下端部は、新現像剤収容室81の側壁84と対向するように配置されて廃棄現像剤収容室82を形成する側壁85の上端部と連続するように配置されている。この側壁85も、仕切り壁83と同様に、新現像剤収容室81側の側壁85aと、廃棄現像剤回収室82側の側壁85bとから二重に形成されている。
尚、図示の実施の形態では、新現像剤収容室81が、トナーカートリッジ60の全長の約3/4〜2/3程度を占め、廃棄現像剤収容室82が、約1/4〜1/3程度を占めるように設定されているが、これら新現像剤収容室81と廃棄現像剤収容室82の容積の割合は、他の比率に設定しても良いことは勿論である。また、廃棄現像剤収容室82を設けずに、トナーカートリッジ60の内部をすべて新現像剤収容室81としても良い。
上記トナーカートリッジ60の新現像剤収容室81及び廃棄現像剤収容室82は、図13に示すように、容器本体72の開口部70を閉塞する内側の蓋体73によって閉塞されるとともに、新現像剤収容室81と廃棄現像剤収容室82とに区画されている。上記内側の蓋体73は、図14に示すように、開口部70の内周及び外周に設けられた側壁84や仕切り壁83などからなる壁部材を介して、超音波溶着等の手段によって容器本体72の開口部70の全面を閉塞するように固定した状態で装着されている。その際、上記新現像剤収容室81と廃棄現像剤収容室82とに区画する仕切り壁83の裏面にも、超音波溶着装置の溶着部が挿入可能なように、新現像剤収容室81と廃棄現像剤収容室82との間に位置する仕切り壁83及び側壁85の裏面側は、図15に示すように、分離溝86によって互いに分離されている。
なお、図15中の符号87は、カラーのトナーカートリッジ60Y、60M、60Cの誤装着防止用突起64Y、64M、64Cに対応した形状の凹部を示している。
上記新現像剤収容室81は、図14に示すように、開口部70を閉塞する内側の蓋体73を含めた4つの側壁84、88、89、73が、その上端部から下端部にわたって鉛直方向に沿って垂直に配置されている。また、上記側壁84は、新現像剤収容室81の上端部から中間部にわたって設けられており、当該側壁84の下端部には、傾斜した状態に配置された仕切り壁83aが連続した状態で設けられている。この仕切り壁83aの下端部は、新現像剤収容室81の幅方向に沿った中間に位置しており、当該仕切り壁83aの下端部には、側壁89と対向するように配置された短い側壁85aが設けられている。さらに、上記側壁89と側壁85aの下端部には、図15に示すように、略円弧形状に形成された底壁140が設けられている。
その結果、上記新現像剤収容室81は、図14に示すように、4つの側壁84、88、89、73とから容器本体72の全幅と等しい幅を有するように構成された上端部81aと、一方の側壁89に向けて幅が徐々に狭くなるように形成された中間部81bと、一方の側壁89と側壁85aと底壁91によって断面略U字形状に形成された下端部81cとから構成されている。新現像剤収容室81の内部に収容された新しい現像剤61は、後述するように、現像装置10へ徐々に供給されることにより、その上端部81aから中間部81bを介して下端部81cへと重力によって徐々に減少していく。
上記新現像剤収容室81の下端部81cには、図14に示すように、当該新現像剤収容室81内に収容された現像剤61を攪拌しつつ搬送し、下端部81cの奥行き方向の手前側(開口部70側)の底部に形成された排出口90から現像剤61を外部に供給する現像剤搬送部材としての搬送オーガー79が矢印方向に沿って回転可能に設けられている。
上記新現像剤収容室81の下端部81cの底部に形成される排出口90は、図16に示すように、直方体形状に形成されたスポンジ等の弾性部材からなる排出口形成部材91に矩形状に開口した状態で形成されている。この排出口形成部材91は、図16に示すように、容器本体72の新現像剤収容室81の下端部81cに対応した位置に設けられた凹部92に嵌め込まれた状態で装着されており、当該排出口形成部材91の上端面は、トナーカートリッジ60の出荷時に、搬送オーガー79の外周形状に対応した形状に変形して、排出口90を閉じた状態で現像剤61の漏れを防止している。そのため、未使用状態で排出口90を閉じるシール部材等が不要となっており、部品点数の低減が可能となっている。なお、新しいトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kは、画像形成装置の出荷時、図5に示すように、プリインストールされてプリンタ本体1に予め装着された状態となっている。また、図16では、便宜上、排出口形成部材91の上端面が搬送オーガー79の外周形状に対応した凹形状に変形した状態を示しているが、排出口形成部材91は、上述したように、スポンジ等の弾性部材からなり、搬送オーガー79が排出口90から外れた状態では、図16に二点鎖線で示すように、その上端面が平坦な状態に復帰する。そのため、上記排出口形成部材91に設けられた排出口90は、搬送オーガー79の現像剤排出部96が通過する度に、弾性変形及び復帰を繰り返すため、当該排出口形成部材91の上下動、つまりポンプ作用によって排出口90内に現像剤61が詰まるのを効果的に防止することができる。
ところで、この実施の形態に係る搬送オーガー79は、図17(a)(b)に示すように、合成樹脂等によって一体的に形成されており、その中心に搬送方向に沿って設けられた円柱形状の回転軸部92と、当該回転軸部92の搬送方向(軸方向)の上流側の端部に設けられた円板状の支持部93と、回転軸部92の上流側に半径方向外方へ円板状の支持部93と等しい半径で平板状に突出するように設けられた撹拌部94と、回転軸部92の中間部のみの外周に螺旋状に設けられて現像剤61を搬送する搬送部としての搬送羽根部95と、回転軸部92の搬送方向に沿った下流側に位置し、現像剤61を前記排出口90内へと排出するバケット状(受け皿状)の現像剤排出部96とから構成されている。
上記現像剤排出部96は、図17に示すように、回転軸部92の搬送方向に沿った下流側の端部に、軸方向に沿って予め定められた間隔を隔てて互いに平行に設けられた一対の扇形状の側板97、98と、これら一対の扇形状の側板97、98の外周面を覆うように円弧形状に設けられた外周板99と、現像剤排出部96の内部に側板97、98の周方向に沿った中央部に半径方向に沿って設けられた仕切り板100とから、略バケット状に形成されている。上記扇形状の側板97、98は、その中心角が例えば約120度に設定されるが、これよりも大きな角度に設定しても小さな角度に設定しても良い。上記現像剤排出部96の上端面には、回転軸部92の方向に全面が開口した開口部96aが設けられている。この現像剤排出部96は、図16に示すように、外周板99が排出口91を閉塞することで、現像剤61の漏れを防止するように構成されている。
上記搬送羽根部95の搬送方向に沿った上流側の端部95aは、図17(b)に示すように、上述した撹拌部94に連結されており、当該撹拌部94によって回転軸部92の周方向に沿って撹拌されて解された現像剤61が、搬送羽根部95の搬送方向に沿った上流側の端部にスムースに導入され、搬送羽根部95によって搬送されるようになっている。
また、上記搬送羽根部95の搬送方向に沿った下流側の端部95bは、図17(b)に示すように、上述した現像剤排出部96の開口部96aの周方向に沿った上流側の端部に連結されており、当該搬送羽根部95によって回転軸部92の軸方向に沿って搬送された現像剤61が、現像剤排出部96の開口部96a内にスムースに導入されるように構成されている。
上記現像剤排出部96は、搬送オーガー79の搬送羽根部95によって回転軸部92の軸方向に沿って搬送された新しい現像剤61を、略バケット状に形成された当該現像剤排出部96の内部にすくい取り、回転軸部92の回転に伴って上部に移動した現像剤排出部96から、下方に位置する排出口90内に新しい現像剤61を押し込んだ状態で供給しつつ落下させるようになっている。
また、上記回転軸部92の先端部101は、図16に示すように、断面形状が略D字形状に形成されており、当該先端部101には、図18及び図19に示すように、搬送オーガー79を回転駆動するための第1の駆動用歯車102が装着される。この駆動用歯車102には、第2の駆動用歯車103が噛み合わされており、当該第2の駆動用歯車103は、画像形成装置本体1側に取り付けられた本体側の歯車104が噛み合わされる。
そして、上記トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kは、図5に示すように、画像形成装置本体1に装着された状態で、図18及び図19に示すように、予め定められたタイミングで回転駆動される本体側の歯車104から第2の駆動用歯車103を介して第1の駆動用歯車102に回転駆動力が伝達され、搬送オーガー79が予め定められたタイミングで回転駆動されるように構成されている。上記搬送オーガー79は、例えば、本体側の歯車104によって間欠的に回転駆動され、排出口形成部材91の排出口90は、搬送オーガー79の現像剤排出部96によって間欠的に開閉される状態となる。上記排出口形成部材91の排出口90を開閉するタイミングは、任意であるが、例えば、搬送オーガー79の1回転を1とした場合、開いている時間が0.3〜0.5程度の割合となるように開閉される。
また、上記第1の駆動用歯車102及び第2の駆動用歯車103には、図19及び図20に示すように、搬送オーガー79の現像剤排出部96が排出口90を塞いだ状態にあるか否かを外部から目視によって確認可能なように、搬送オーガー79の現像剤排出部96が排出口90を塞いだ状態で、第1の駆動用歯車102及び第2の駆動用歯車103に設けられた位置決め孔151、152が、蓋部材74に設けられた位置確認用の孔153、154と一致するように設けられている。
また、上記トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kは、図18及び図19に示すように、当該トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kから供給された新しい現像剤61を排出口90から直ちに現像装置10に補給するのではなく、新現像剤収容室81から補給される現像剤61を、現像装置10へと補給する現像剤補給手段105を一体的に備えている。この現像剤補給手段105は、図14及び図15に示すように、トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kの新現像剤収容室81の下方に一体的に形成された円筒形状の現像剤補給部材106を備えている。
この現像剤補給部材106は、図19に示すように、搬送オーガー79と平行に配置されており、その一端部には、排出口91から供給される現像剤を導入する導入口107が開口されている。この導入口107は、搬送オーガー79の略バケット状に形成された排出部96の円弧形状に設けられた外周板99が排出口91を閉塞することで、同時に閉塞されるように構成されている。
また、上記現像剤補給部材106の他端部には、図19に示すように、現像剤を補給する補給口108が下向きに開口されている。この補給口108は、現像装置10の現像剤補給用オーガー50の外周を覆う現像剤補給用円筒部109の上端部に開口された受入口110と対応した位置に開口されている。
さらに、上記現像剤補給部材106の内部には、図19に示すように、現像剤を供給する供給オーガー111が回転可能に配置されている。この供給オーガー111は、図21示すように、合成樹脂等によって一体的に成形されており、その中心に搬送方向に沿って設けられた回転軸112と、当該回転軸112の搬送方向の下流側の端部に設けられた円板状の支持部113と、回転軸112の外周に螺旋状に設けられた搬送羽根部114と、回転軸112の搬送方向に沿った上流側に設けられた円板状の封止部115とを備えるように構成されている。なお、図18及び図19では、後述する第3のシャッター部材210の構成は図示が省略されている。
また、上記回転軸112の基端部116は、図21に示すように、断面形状が略D字形状に形成されており、当該基端部116には、図19に示すように、供給オーガー111を回転駆動するための第2の駆動用歯車103が装着されている。この第2の駆動用歯車103には、上述したように、プリンタ本体1側に取り付けられた本体側の歯車104が噛み合わされている。
なお、上記供給オーガー111の回転軸112は、導入口107と供給口108に対応した部分112a、112bが他の部分と比較して直径が小さく設定されており、これら導入口107からの現像剤61の受入及び補給口108からの補給を確実に行うことが可能となっている。
また、上記現像剤補給部材106内の先端部には、図19に示すように、補給口108を開閉する第1のシャッター部材120が摺動自在かつスプリング121によって補給口108を閉塞するように付勢されており、この第1のシャッター部材120は、図5に示すように、トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kを画像形成装置本体1に装着した際に、図19に示すように、画像形成装装置本体1の現像剤補給部65Y、65M、65C、65Kの内部に突出した状態で設けられた細い軸状の作動用突起122によって押されて、補給口108を開放した位置に移動するように構成されている。
また、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kは、画像形成装置本体1のクリーニング装置11Y、11M、11C、11K及びベルトクリーニング装置27から排出される廃棄トナーを回収可能なように構成されている。
即ち、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kには、図15に示すように、廃棄現像剤収容室82の背面側に、画像形成装置本体1のクリーニング装置11Y、11M、11C、11K及びベルトクリーニング装置27から排出される廃棄トナーを導入する導入口130が開口されている。この導入口130の外周には、トナーの漏れを防止するため、スポンジ等からなるシール部材131が設けられている。また、上記導入口130は、図14に示すように、スプリング142により付勢されて第2のシャッター部材132によって通常は閉塞されている。
そして、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kの廃棄トナー用の導入口130は、図5に示すように、トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kをプリンタ本体1に装着することによって、プリンタ本体1側の現像剤回収部66Y、66M、66C、66Kによって、第2のシャッター部材132が内側に押されることによって開口される。
なお、上記プリンタ本体1の黒の現像剤回収部66Kは、上述したように、黒のクリーニング装置11Kからの廃棄トナー以外に、中間転写ベルト12のベルトクリーニング装置27からの廃棄トナーをも回収するようになっている。その際、上記中間転写ベルト12のベルトクリーニング装置27は、図2に示すように、黒のクリーニング装置11Kの略真上に位置するため、黒の現像剤回収部66Kは、図22に示すように、中間転写ベルト12のベルトクリーニング装置27によって回収された廃棄トナーを、中間転写ベルト12のベルトクリーニング装置27の端部と黒のクリーニング装置11Kの端部とを繋ぐように形成された当該黒の現像剤回収部66Kによって合流させ、黒のクリーニング装置11Kの排出用オーガーによって黒のトナーカートッジ60Kの導入口132へと排出するように構成されている。
ところで、この実施の形態では、図19に示すように、現像剤補給部材106の補給口108を第1のシャッター部材120によって開閉する際に、図1に示すように、補給口108から現像剤61が漏れるのを防止するための第3のシャッター部材210が設けられている。なお、第1のシャッター部材120の代わりに第3のシャッター部材210のみを用いるように構成しても良い。
上記第3のシャッター部材210は、図22に示すように、円筒形状に形成された現像剤補給部材106の補給口108の外側面に、当該現像剤補給部材106の長手方向(軸方向)である補給口108を開閉する方向に沿って移動自在に設けられている。上記現像剤補給部材106の外側面には、図22及び図23に示すように、その上方における一側面に第3のシャッター部材210を案内する案内部材としての案内溝211が設けられている。また、上記第3のシャッター部材210の内側面には、図23に示すように、現像剤補給部材106の長手方向に沿って設けられた案内溝211に嵌り合う案内部材としての案内用凸部212が設けられており、第3のシャッター部材210は、案内用凸部212が案内溝211に嵌り合った状態で現像剤補給部材106の長手方向に沿って移動することにより、補給口108を開閉するように構成されている。
また、上記案内溝211の一方向の端部である第3のシャッター部材210が補給口108を閉じた位置には、図22に示すように、第3のシャッター部材210の端部と当接することにより、第3のシャッター部材210を案内溝211に抜け止め状態に保持する突起部213が設けられている。さらに、上記案内溝211及び凸部212は、図22及び図23に示すように、第3のシャッター部材210の周方向に沿った一端部にのみに設けられており、第3のシャッター部材210は、その凸部212が案内溝211に嵌り合った状態で、当該凸部212を支点として現像剤補給部材106の外側面106aから離間する方向に変位自在に装着されている。
さらに、上記第3のシャッター部材210の内側面には、図24に示すように、補給口108に対応した位置に、当該第3のシャッター部材210が補給口108を閉じた位置で補給口108内に入り込み、補給口108を開いた方向へ移動する際に、補給口108の外側面106aに当接して第3のシャッター部材210を補給口108の外周に位置する外側面106aから離れる方向に変位させる変位用の突起214が設けられている。この変位用の突起214は、図24に示すように、第3のシャッター部材210が補給口108を開く方向へ移動する際に、補給口108の開口方向の端縁108aに当接し、当該第3のシャッター部材210を補給口108の外側面106aから離れる方向に変位させるように傾斜した傾斜面215を有しているとともに、当該傾斜面215の先端部には、補給口108の外側面106aに当接して離間した状態を保持する平坦部216を有している。
この変位用突起214の平坦部216の高さHは、第3のシャッター部材210を補給口108の外側面106aから離れる方向に変位させる際の変位量を決定している。上記変位用突起214の平坦部216の高さHが高い場合には、第3のシャッター部材210を補給口108の外側面106aから離れる方向に変位する変位量が大きくなり、後述するように、第3のシャッター部材210と閉口用突部との接触量が大きくなるが、第3のシャッター部材210と閉口用突部との接触量があまり大きくすぎると、第3のシャッター部材210と閉口用突部との接触状態が解除され難くなる傾向にあるため、この点を考慮して変位用突起214の平坦部216の高さが適宜決定される。
一方、上記画像形成装装置本体1の現像剤補給部65Y、65M、65C、65Kには、図1に示すように、トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kに設けられた現像剤供給用円筒部106を装着する円筒形状の現像剤受け部67と、当該現像剤受け部67の下端部の手前側に略平板状に一体的に突出した導入部68とを備えている。上記現像剤受け部67の先端上部には、図22に示すように、トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kの現像剤供給用円筒部106と底壁140とにわたって設けられた仕切り板217に挿入されることによって、当該現像剤補給部65Y、65M、65C、65Kとトナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kとの相対的な位置決めを行う凹部218が設けられている。
また、上記円筒形状の現像剤受け部67の先端面219は、図1に示すように、トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kを現像剤補給部65Y、65M、65C、65Kに装着する際に、第3のシャッター部材210の先端面に接触して当該シャッター部材210を移動させて補給口108を開く開口手段として機能するように構成されている。
さらに、上記略平板状に形成された導入部68には、図1に示すように、現像剤供給用円筒部106の下端面を案内する案内用の突部220、220が、当該現像剤供給用円筒部106の下端面に沿った円弧形状に形成されている。
また、上記略平板状に形成された導入部68の中央部には、図1及び図25に示すように、当該導入部68の長手方向に沿った平面略長方形状の凹所221が形成されており、当該凹所には、現像剤受け部67の先端面から一体的に延長された閉口用突部222が弾性変形可能に設けられている。この閉口用突部222は、現像剤受け部67の先端面から一体的に延長された相対的に薄肉に形成された弾性変形可能な平板部223と、当該平板部221の先端に上向きに突出するように設けられた突起部224とから構成されている。上記閉口用突部222の突起部224の先端面224aは、図26に示すように、第3のシャッター部材210の下方を通過する際に、当該第3のシャッター部材210を移動させることがないように斜面に形成されているとともに、当該突起部222の基端面224bは、第3のシャッター部材210の先端面210aと当接するように略垂直に立ち上がった起立面となるように形成されている。
なお、上記閉口用突部222の突起部223の先端面224aは、図26(a)に示すように、トナーカートリッジ60Y、60M、60C、60Kを現像剤補給部65Y、65M、65C、65Kに装着する際に、第3のシャッター部材210の先端面に接触するが、突起部222の先端面が第3のシャッター部材210を補給口108を開く方向に移動させようとすると、当該第3のシャッター部材210の変位用突起214が補給口108の端縁108aに当接して抵抗となり、第3のシャッター部材210が補給口108を開く方向に移動することが阻止され、閉口用突部222の突起部224が第3のシャッター部材210の下方を通過するように構成されている。また、上記閉口用突部222は、弾性変形自在に形成されているため、第3のシャッター部材210と接触した際に、突起部224の斜面224aの作用により、第3のシャッター部材210との当接が回避できる。
また、上記閉口用突部222の平板部223の長さは、図26(a)に示すように、第3のシャッター部材210の移動方向に沿った長さよりも僅かに長く設定されており、当該閉口用突部220の突起部222が第3のシャッター部材210の下方を通過した状態で、第3のシャッター部材210の先端部210が突起部224の起立面224bの内側に位置するようになっている。
なお、上記の実施の形態では、閉口用突部222のみが弾性変形するように構成したが、当該閉口用突部222を略平板状に形成された導入部68と一体的に形成するとともに、この導入部68を薄肉に形成して導入部68の全体が弾性変形自在となるように構成しても良い。
以上の構成において、この実施の形態に係るシャッター開閉機構及び現像剤補給装置が適用された画像形成装置では、次のようにして、現像剤収容容器の着脱方向への移動に伴ってシャッター部材と当該シャッター部材を開閉方向に移動させる部材との接触量を変化させて開閉することが可能となっている。
すなわち、この実施の形態に係る画像形成装置では、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kによって各色のトナー像が順次形成され、これらの各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの感光体ドラム8上に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト12上に順次多重に一次転写された後、二次転写位置において中間転写ベルト12上から記録用紙16に一括して二次転写され、記録用紙16上にトナー像が定着されて、図4に示すように、プリンタ本体1の上部に設けられた排出トレイ22上に排出される。
上記カラープリンタでは、図2に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kによって各色のトナー像を形成する際に、画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの現像装置10内の現像剤37中のトナーが徐々に消費され、現像装置10内のトナー濃度が低下するため、各画像形成ユニット6Y、6M、6C、6Kの現像装置10には、図5に示すように、トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kから予め定められたタイミングで対応する色の少なくともトナーを含む新現像剤61が供給される。
また、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kは、図14に示すように、新現像剤収容室81から新しい現像剤61が供給されて、新現像剤収容室81内が空になった場合或いは新現像剤収容室81内が空に近い状態になった場合には、図4及び図5に示すように、画像形成装置本体1のサイドカバー29を開けて、空になった或いは空に近い状態になったトナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kを画像形成装置本体1から取り外して、新しいトナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kが画像形成装置本体1に装着される。
上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kは、図5に示すように、画像形成装置本体1に装着されることで、図19に示すように、搬送オーガー79及び供給オーガー111を回転駆動する駆動用歯車102及び中間歯車103が、画像形成装置本体1側の本体歯車104と噛み合わされるとともに、現像剤供給部材106の供給口108が開口される。
その際、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kの供給口108は、図19に示すように、通常、その内側が第1のシャッター部材120によって閉じられているとともに、図22に示すように、その外側が第3のシャッター部材210によって閉じられている。
そして、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kを画像形成装置本体1側の現像剤受け部67に装着すると、図19に示すように、当該現像剤受け部67の内部に設けられた作動用突起127によって第1のシャッター部材120が押され、補給口108が開口される。また、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kを画像形成装置本体1側の現像剤受け部67に装着すると、図26及び図27に示すように、当該現像剤受け部67の先端面によって第3のシャッター部材210が押されて、補給口108が開口される。
上記第1のシャッター部材120及び第3のシャッター部材210が補給口108を開口するタイミングは、第3のシャッター部材210が補給口108を開いてから、第1のシャッター部材120が補給口108を開くように、作動用突起127の長さや現像剤受け部67の先端面219の位置、閉口用突部222の長さなどが設定されている。逆に、上記第1のシャッター部材120及び第3のシャッター部材210が補給口108を閉じるタイミングは、第1のシャッター部材120が補給口108を閉じてから、第3のシャッター部材210が補給口108を閉じるように設定されている。
上記第3のシャッター部材210は、図26に示すように、補給口108を開く際に、当該第3のシャッター部材210の内面に設けられた変位用突起214が補給口108の端縁108aに当接して、補給口108の外側面106aに乗り上げた状態となって、図28(b)に示すように、補給口108の外側面106aから離れた位置に変位するようになっている。
その結果、上記第3のシャッター部材210は、補給口108の外側面106aから離れた位置に変位し、当該第3のシャッター部材210が現像剤受け部67の先端面219と閉口用突部222の起立面224bとの間に位置するとともに、第3のシャッター部材210の先端面と閉口用突部222の起立面224bとの接触量L2が、補給口108の外側面106aから離れた位置に変位した分だけ大きな第2の接触量となる。
上記の状態でトナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kが画像形成装置本体1側の現像剤受け部67の予め定められた位置に装着されると、図19及び図26(b)に示すように、現像剤供給部材106の供給口108と現像装置10の導入口110の位置とが一致するようになっている。
そして、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kでは、図18及び図19に示すように、画像形成装置本体1側の本体側の歯車104を予め定められたタイミングで回転駆動することにより、現像剤供給部材106の供給口108から現像装置10の受入口110を介して現像剤61が補給される。
そして、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kのうちのいずれかを交換する場合には、図29に示すように、当該トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kのうちのいずれかを画像形成装置本体1から取り外すと、画像形成装置本体1側の作動用突起127が第1のシャッター部材120を押圧している状態が解除され、図19に示すように、先に第1のシャッター部材120が補給口108を閉じる。
続いて、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kのうちのいずれかを画像形成装置本体1から取り外すと、図27(b)(c)に示すように、画像形成装置本体1側の現像剤受け部67に設けられた閉口用突部222の起立面224bと大きな第2の接触量で接触する第3のシャッター部材210が押されて、図26(c)に示すように、補給口108を閉じる方向へ移動して、当該第3のシャッター部材210が補給口108を閉じるようになっている。
その際、上記第3のシャッター部材210は、図26(c)に示すように、補給口108を閉じると、図28(a)に示すように、当該第3のシャッター部材210の内面に設けられた変位用突起214が補給口108の内部に入り込み、補給口108の外側面106aに接触した状態へと変位し、第3のシャッター部材210の先端面と閉口用突部220の起立面との接触量が相対的に小さな第1の接触量L1となる。
そのため、上記トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kのうちのいずれかを画像形成装置本体1から取り外すと、図29(b)(c)に示すように、第3のシャッター部材210が突起部213によって補給口108を閉じた状態を保持するとともに、閉口用突部222が必要に応じて弾性変形して当該閉口用突部222の起立面224bとの接触が確実に解除されるようになっている。
したがって、この実施の形態によれば、トナーカートッジ60Y、60M、60C、60Kの補給口108を簡単な構成で第3のシャッター部材210によって確実に開閉することが可能となっている。
実施の形態2
図30はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態と同一の部分には同一の符合を付して説明すると、この実施の形態2では、前記変位手段は、前記現像剤収容容器の開口部の外側面に設けられ、前記シャッター部材を案内する案内部材からなり、前記案内部材は、前記シャッター部材が前記開口部を閉じた状態で前記シャッター部材を前記開口部の外側面に接触する方向に変位させる第1の案内部と、前記シャッター部材が前記開口部を開く方向へ移動する際に、前記シャッター部材を前記開口部の外側面から離れた離間状態に変位させる第2の案内部とを有するように構成されている。
すなわち、この実施の形態2では、図30に示すように、第3のシャッター部材210を案内する案内溝211が、第3のシャッター部材210が補給口108を閉じた状態で第3のシャッター部材210を補給口108の外側面106aに接触する方向に変位させる第1の案内部211aと、第3のシャッター部材210が補給口108を開く方向へ移動する際に、第3のシャッター部材210を補給開口108の外側面106aから離れた離間状態に変位させる第2の案内溝211bとを有するように構成されている。
なお、上記第3のシャッター部材210の内面に設けられる凸部212は、案内溝211に沿って第3のシャッター部材210が移動自在となるように形成されている。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。