以下では、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。同じ符号を付された構成については、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態にかかる処方薬販売システムの構成の一例を示す図である。この処方薬販売システムは、薬局システム1と、電子商店街サーバ2と、ユーザ端末3と病院サーバ4とを含む。これらは、ネットワーク5を介して接続されている。ネットワーク5は、例えばローカルエリアネットワークやインターネットである。
薬局システム1は、サーバコンピュータとクライアントコンピュータとにより構成されるシステムである。薬局システム1は、サーバコンピュータであってもよいし、パーソナルコンピュータであってもよい。薬局システム1は薬局ごとに存在する。図1では薬局システム1は1つしか記載されていないが、実際には複数の薬局システム1が存在してよい。薬局システム1は、薬局の薬の在庫を管理し、また薬剤師と電子商店街サーバ2とのやりとりを仲介する。
電子商店街サーバ2は、サーバコンピュータである。電子商店街サーバ2は、ウェブサーバプログラム(httpdなど)を実行し、ブラウザプログラムを実行するユーザ端末3からインターネットを介して情報を受信し、ユーザ端末3にボタンや文字列を含む画像(画面)を表示させる情報等を出力する。また電子商店街サーバ2は、ユーザ端末3に、処方薬を販売する薬局を選択させるための情報を出力し、ユーザ端末3が選択した薬局の薬局システム1に処方薬を販売するための情報を送信する。
ユーザ端末3は、例えばパーソナルコンピュータやスマートフォンであり、ユーザが入力した情報を電子商店街サーバ2等に送信し、電子商店街サーバ2等から情報を受信し、その情報に応じた画像を表示出力デバイスが表示するよう制御する。病院サーバ4はサーバコンピュータである。病院サーバ4は電子的な処方箋(以下では電子処方箋と記載する)を管理する。病院サーバ4は病院ごとに存在するが、1つの病院サーバ4が複数の病院についての電子処方箋を管理してもよい。
図2は、薬局システム1に含まれるコンピュータ、電子商店街サーバ2、ユーザ端末3、病院サーバ4のハードウェア構成の一例を示す図である。薬局システム1に含まれるコンピュータ、電子商店街サーバ2、ユーザ端末3、病院サーバ4のそれぞれは、プロセッサ11、記憶部12、通信部13、入出力部14を含む。
プロセッサ11は、記憶部12に格納されているプログラムに従って動作する。またプロセッサ11は通信部13、入出力部14を制御する。なお、上記プログラムは、インターネット等を介して提供されるものであってもよいし、フラッシュメモリやDVD−ROM等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよい。
記憶部12は、RAMやフラッシュメモリ等のメモリ素子やハードディスクドライブによって構成されている。記憶部12は、上記プログラムを格納する。また、記憶部12は、各部から入力される情報や演算結果を格納する。
通信部13は、他の装置と通信する機能を実現するものであり、例えば有線LANの集積回路などにより構成されている。通信部13は、プロセッサ11の制御に基づいて、他の装置から受信した情報をプロセッサ11や記憶部12に入力し、他の装置に情報を送信する。
入出力部14は、表示出力デバイスをコントロールするビデオコントローラや、入力デバイスからのデータを取得するコントローラなどにより構成される。入力デバイスとしては、キーボード、マウス、タッチパネルなどがある。入出力部14は、プロセッサ11の制御に基づいて、表示出力デバイスに表示データを出力し、入力デバイスをユーザが操作することにより入力されるデータを取得する。表示出力デバイスは例えば外部に接続されるディスプレイ装置である。
次に、本発明の実施形態にかかる処方薬販売システムが実現する機能や処理について説明する。図3は、処方薬販売システムが実現する機能を示す機能ブロック図である。処方薬販売システムは機能的に、受信部50、処方箋確認部53、販売制御部54、販売状況確認部55、選択情報生成部56、選択部57、決済処理部58、説明文入力部59、説明文出力部60、確認結果取得部61、発送スケジュール生成部62、発送管理部63、処方箋事前受信部64、属性取得部65、ユーザ情報格納部71、説明文格納部72、注文情報格納部73を含む。また受信部50はユーザ認証部51、処方箋受信部52を含む。
これらの機能のうち受信部50、ユーザ認証部51、処方箋受信部52、処方箋確認部53、販売制御部54、販売状況確認部55、選択情報生成部56、選択部57、決済処理部58、説明文入力部59、説明文出力部60、確認結果取得部61、発送スケジュール生成部62、発送管理部63、処方箋事前受信部64、属性取得部65、ユーザ情報格納部71、説明文格納部72、注文情報格納部73は、電子商店街サーバ2に含まれるプロセッサ11が、記憶部12に格納されたプログラムを実行し通信部13等を制御することにより実現される。ここで、受信部50、処方箋確認部53、販売制御部54、選択情報生成部56、説明文入力部59、説明文出力部60、確認結果取得部61、注文情報格納部73、処方箋事前受信部64、属性取得部65、発送スケジュール生成部62、発送管理部63は、それぞれ、本願請求項における、処方箋受信手段、処方箋確認手段、生成手段、制御手段、説明文受付手段、説明文出力手段、確認データ受信手段、格納手段、事前受信手段、属性取得手段、発送スケジュール生成手段、発送管理手段、に対応する。また販売状況確認部55は、本願請求項における販売確認手段および使用情報を受信する手段に対応する。
なお処方箋事前受信部64や属性取得部65は、薬局システム1に含まれるコンピュータに含まれるプロセッサ11が、記憶部12に格納されたプログラムを実行し通信部13等を制御することにより実現されてもよいし、他の電子商店街サーバ2にかかる機能が同様に薬局システム1により実現されてもよい。
受信部50は、ユーザ認証部51と処方箋受信部52とを含み、ユーザからひとつのセッション中にユーザ認証情報と電子処方箋を示す情報とを受信する。ユーザ認証部51と処方箋受信部52との処理については後述する。
ユーザ情報格納部71は、ユーザを認証するための情報およびユーザの年齢、性別その他の属性の情報を格納し、説明文格納部72は薬剤師から受け付けた説明文の情報を格納する。注文情報格納部73は、ユーザから受け付けた処方薬の注文についての注文情報を格納する。注文情報は、電子処方箋に基づく薬の注文の情報であり、電子処方箋に紐付けられて注文情報格納部73に格納される。また注文情報は、注文の処理の進行状況を示すステータス情報を含む。ステータス情報には電子処方箋に基づく薬が売買されたか否かを示す情報(薬の売買に関する情報)が含まれる。ユーザ情報格納部71、説明文格納部72、注文情報格納部73は例えば電子商店街サーバ2の記憶部12を中心として実現されるが、電子商店街サーバ2と異なりかつデータベース管理プログラムが実行される他のサーバコンピュータにより実現されてもよい。
また、発送管理部63は、薬局システム1に含まれるコンピュータなどの電子商店街サーバ2と異なるコンピュータに含まれるプロセッサ11等により実現されてもよい。また、電子商店街サーバ2をなくし、電子商店街サーバ2が実現するすべての機能の処理を薬局システム1が代わりに実行してもよい。
薬局システム1は、図示しない、薬局にある薬の種類毎の在庫を管理する機能と、薬をユーザに渡す際に必要な情報を出力する機能とをさらに含む。これらの機能は、薬局システム1に含まれるプロセッサ11等がプログラムを実行することにより実現される。
ユーザ端末3は、電子商店街サーバ2等から受信したデータに基づいて画面を提示する機能や、その画面についてユーザが入力した情報を電子商店街サーバ2等に送信する機能を実現する。これらの機能は、例えばユーザ端末3に含まれるプロセッサ11等がブラウザなどのプログラムを実行し、電子商店街サーバ2等から受信したデータに応じた処理をすることで実現される。またブラウザではなく、専用のアプリケーションプログラムによりこれらの機能が実現されてもよい。
病院サーバ4は、図示しない、医師が入力した電子処方箋の情報をユーザ端末3または薬局システム1に送信する機能と、薬局システム1等から電子処方箋にかかる処方薬が販売されているかの問合せを受け付ける機能と、記憶部12に記憶された情報に基づいてその処方薬が販売されているか否かを薬局システム1等に返信するとともに、その処方薬が販売されていない場合にその電子処方箋にかかる処方薬が販売されたことを示す情報を記憶部12に記憶する機能とを実現する。これらの機能は、病院サーバ4に含まれるプロセッサ11がプログラムを実行することにより実現される。
次に、本実施形態の一例における処方薬の販売過程の概要について説明する。図4は、処方薬の販売過程の一例を概略的に示す図である。この例では、はじめに、病院にて医師が電子処方箋を発行し(1.処方箋発行)、病院サーバ4は発行された電子処方箋をユーザ端末3へ送信する(2.処方箋送信)。そして、ユーザはユーザ端末3を用いて電子商店街サーバ2が提供する処方薬販売サービスにログインし(3.ログイン)、ユーザは電子商店街サーバ2へユーザを認証する認証情報に紐付けられた電子処方箋を送信する(4.処方箋送信)。そして、電子商店街サーバ2は受信した電子処方箋に含まれる薬を販売できる薬局のリストの情報をユーザ端末3に送信する(5.薬局リスト提示)。ユーザはそのリストに含まれる薬局を選択し、ユーザ端末3は選択された薬局の情報を電子商店街サーバ2に送信する(6.薬局選択)。すると、電子商店街サーバ2は選択された薬局に対応する薬局システム1に電子処方箋を送信し(7.処方箋送信)、決済処理が実行される。そして、薬局システム1は、処方箋を管理する病院サーバ4にこの電子処方箋が他の薬局等により利用されているか問い合せる(8.処方箋利用状況確認)。ここで、電子処方箋が利用されていることは、この電子処方箋に基づく薬が既に販売されている状態か、あるいはその薬の販売が進行している状態を示す。この電子処方箋による処方薬が他の薬局により利用されていない場合には、薬剤師が入力した説明文がユーザに向けて送信される(9.説明文送付)。ユーザがその説明文を確認したことを薬剤師が確認すると(10.確認)、薬局は処方薬をユーザに向けて発送する(11.発送)。
図5は、図4の例における病院サーバ4、ユーザ端末3、電子商店街サーバ2、薬局システム1の間での通信を示すシーケンス図である。図5は、病院サーバ4、ユーザ端末3、電子商店街サーバ2、薬局システム1の間でやりとりされる情報の時系列を示している。図6は、電子商店街サーバ2の処理の概要を示すフロー図である。以下では、図5に示すシーケンス図と、図6や他の図に示されるフローチャートとを用いて電子商店街サーバ2が実現する機能を説明する。
はじめに、病院サーバ4は、医師が入力した電子処方箋を記憶部12に格納し、その電子処方箋を通信部13を用いて送信し、ユーザ端末3は電子処方箋を受信する。
ユーザ認証部51は、主に電子商店街サーバ2に含まれるプロセッサ11、記憶部12および通信部13により実現される。ユーザ認証部51は、ユーザ端末3からユーザ認証情報を受信することによりそのユーザ認証情報を取得し、ユーザ端末3を用いてアクセスするユーザを認証する(ステップS101)。図5の例では、以下のような処理を実行する。ユーザ認証部51は、電子商店街サーバ2にアクセスするユーザが操作するユーザ端末3に、認証に必要な情報を入力させるログイン画面を表示させる情報を送信する。そして、その送信された情報に基づいてユーザ端末3がログイン画面を出力し、そのログイン画面に対してユーザが認証のための情報を入力すると、ユーザ認証部51はユーザ端末3からその入力された情報を含むユーザ認証情報を受信する。ユーザ認証情報は、電子商店街サーバ2にアクセスするユーザであって、後に電子処方箋を示す情報を送信するユーザを特定する情報である。
図7は、ログイン画面の一例を示す図である。図7の例では、ユーザはユーザIDおよびパスワードを入力し、ユーザ認証部51はユーザIDおよびパスワードを示す情報を含むユーザ認証情報を受信する。ここで、ユーザ認証情報は必ずしもユーザIDとパスワードでなくてもよく、ユーザを認証する手法に応じた他の情報であってもよい。例えばユーザ認証情報にクライアント証明書を含んでもよいし、指紋などのユーザの生体情報を含んでもよい。また、ユーザ端末3が実行するブラウザのクッキーにユーザ認証情報としてハッシュ値が格納されてもよい。ユーザ端末3が処方薬販売サービスにアクセスすると、ブラウザは自動的にそのユーザ認証情報を送信してもよい。この場合、ユーザ認証部51がそのハッシュ値に基づいて、ユーザIDやパスワードの入力なしにユーザを認証してもよい。
そして、ユーザ認証部51はユーザ情報格納部71に格納されたパスワードを示す情報とユーザを特定する情報とに基づいて、そのユーザ認証情報が示すユーザが正規のユーザであるか否かを判定する。そのユーザが正規のユーザである場合には、ユーザ認証部51はその認証情報を送信したセッションに対してセッションIDを割り当て、セッションIDをユーザ端末3に返信する。ユーザ端末3は、これ以降、電子商店街サーバ2に情報を送信する際にはその情報とともにこのセッションIDを送信する。なお、ユーザ認証部51はこのセッションIDをユーザIDに紐付けて記憶部12に格納する。なお、セッションIDは電子商店街サーバ2と異なるサーバに格納されてもよい。また、ユーザ端末3が電子処方箋を受信する前に、ユーザが認証されセッションIDとユーザIDとが紐付けられていてもよい。
ここで、セッションIDはユーザと電子商店街サーバ2との通信のセッションを規定する情報であり、例えば同じセッションIDを有する一連のhttp通信は同一のセッションとして扱われる。例えば、セッションは、ここに示すセッションIDによりアプリケーションプログラムが実現されてもよいし、TCPのセッションのように、通信プロトコルにより実現されてもよい。
図8は、ユーザ情報の一例を示す図である。各ユーザについてのユーザ情報は、ユーザIDと、図7でユーザが入力するユーザIDに相当するメールアドレスと、パスワードとを含む。またユーザ情報は、ユーザの属性である氏名、生年月日、性別、保険者番号、区分、アレルギー、病歴、副作用履歴等の情報も含む。なお、パスワードの項目には、パスワードが暗号化されたデータまたはハッシュ関数によるパスワードのハッシュ値が格納されている。ユーザ情報は、ユーザが電子処方箋を示す情報を送信する前に入力されている情報であるが、ユーザ情報はユーザの状況の変化に応じて適宜メンテナンスされ、原則としてユーザが電子処方箋を示す情報を送信する時点のユーザの状態を示すが、ユーザの状況の変化がユーザ情報に反映されていないこともありうる。この属性情報は、後述する購入申込時に入力された質問への回答を補完する情報として用いられる。
処方箋受信部52は、主にプロセッサ11、記憶部12および通信部13により実現される。処方箋受信部52は、ユーザが認証された後に、ユーザからユーザ認証情報に紐付けられた電子処方箋を取得する(ステップS102)。図5の例では、処方箋受信部52はユーザ端末3に電子処方箋を送信させるための処方箋送信画面の情報を送信し、処方箋送信画面に対するユーザの操作によりユーザ端末3から送信された電子処方箋を受信する。ここで、ユーザ認証情報と電子処方箋とは、同じセッション中に受信されることにより紐付けられている。
図9は、処方箋送信画面の一例を示す図である。ユーザ端末3は処方箋受信部52が送信した処方箋送信画面の情報に基づいて図9に示す画像を表示出力デバイスに表示させる。そして、ユーザが電子処方箋のファイルを選択し処方箋送信ボタンを押下すると、ユーザ端末3は電子処方箋を処方箋受信部52に向けて送信し、処方箋受信部52はセッションIDなどの情報とともに電子処方箋を受信する。ここで、セッションIDはユーザに紐付けられており、セッションIDとともに電子処方箋が送信されることでユーザと電子処方箋とが紐付けられる。
なお、処方箋受信部52がユーザ端末3から受信する電子処方箋を示す情報は、電子処方箋そのものでなくてもよい。例えば、電子処方箋を示す情報は電子処方箋を特定する処方箋IDであってもよい。この場合、ユーザ認証情報に紐付けられた処方箋IDは電子処方箋に紐付けられ、処方箋受信部52はその処方箋IDに基づいて病院サーバ4から電子処方箋をダウンロードする。また、ユーザ認証部51および処方箋受信部52は、ユーザ認証情報と電子処方箋とをほぼ同じタイミングで受信してもよい。例えば処方箋送信画面の情報に、ユーザIDやパスワードを入力させるための情報を含ませておき、ユーザ認証情報と電子処方箋を示す情報とがその画面への入力に応じて受信されても、ユーザ認証情報と電子処方箋を示す情報とがおなじセッションに受信される。
図10および図11は、電子処方箋に含まれる情報の一例を示す図である。電子処方箋は、電子処方箋を特定する処方箋IDと、患者の属性に関する情報と、処方箋を作成した医師および病院に関する情報と、処方される薬に関する情報と、処方箋の発行日および有効期限とを含む。図10からわかるように、電子処方箋は患者の属性についての情報として、氏名、生年月日、性別、保険者番号、保険者か非扶養者かの区分、患者コードを含み、医師および病院に関する情報として、病院コード、病院名、医師名、医師連絡先を含む。また、図11からわかるように、処方される薬に関する情報として、薬の項目ごとに、処方薬、用法、一回あたりの量、処方日数、その薬の総量、後発薬への変更を禁止するか否かの変更不可フラグ、分割発送許可フラグ、分割投薬制限といった情報の欄を含む。処方薬の欄は薬を特定する情報であり、その情報は薬の成分および剤形であってもよいし、薬の商品名であってもよい。分割投薬制限は、分割発送する場合に1回に投薬できる薬の最大量を日数で示す項目であり、例えば保存が難しい薬の場合にはその日数は使用期限に相当する日数である。
処方箋確認部53は、主にプロセッサ11および記憶部12により実現される。処方箋確認部53は、電子処方箋に紐付けられたユーザ認証情報とユーザ情報格納部71に格納されるユーザ情報と電子処方箋とに基づいて、ユーザ認証情報に対応するユーザの情報と、電子処方箋に含まれる患者の情報とが対応するか否か確認するための処理を実行する(ステップS103)。より具体的には、はじめに、処方箋確認部53は電子処方箋とともに送信され、ユーザ認証情報と電子処方箋とを紐付けるセッションIDから、そのセッションIDに紐付けて記憶部12に格納されたユーザIDを取得することでユーザを特定する。そして、処方箋確認部53はそのユーザIDを有するユーザ情報から氏名、生年月日、性別、保険者番号、区分の情報を取得し、それぞれ電子処方箋に含まれる患者の氏名、生年月日、性別、保険者番号、区分と照合する。そして、照合された情報が予め定められた程度より類似であるまたは一致する場合は、ユーザ認証情報に対応するユーザ(電子処方箋を送信したユーザ)の情報と電子処方箋に含まれる患者の情報とが対応すると判定する。なお、ユーザ情報に病院コードと患者コードとを記録し、処方箋確認部53が電子処方箋に含まれる病院コードと患者コードと照合することにより電子処方箋を送信したユーザの情報と電子処方箋に記載された患者の情報とが対応するか判定してもよい。
また、処方箋確認部53におけるユーザ認証情報に対応するユーザの情報と、電子処方箋に含まれる患者の情報とが対応するか否か確認するための処理は、電子商店街サーバ2を操作する操作者が確認した結果を取得する処理であってもよい。例えば、処方箋確認部53がセッションIDから特定されたユーザIDを有するユーザ情報と、電子処方箋に含まれる患者の情報とを並べて表示させる画面の情報を生成し、その画面に基づいて操作者がユーザの情報と患者の情報とが対応するか否か確認した結果を処方箋確認部53が取得してもよい。
販売制御部54は、主にプロセッサ11および記憶部12により実現される。販売制御部54は、処方箋確認部53による確認の処理の結果に基づいて、電子処方箋に応じた薬の販売処理が実行されるよう制御する。より具体的には、販売制御部54は、電子処方箋を送信したユーザの情報と患者の情報とが対応すると判定された場合に(ステップS104のY)、以降の処理である、選択情報生成部56、選択部57、決済処理部58、説明文入力部59、説明文出力部60、確認結果取得部61、発送スケジュール生成部62、発送管理部63等が行う処理を開始させる(ステップS105)。また、販売制御部54は、販売状況確認部55による確認の結果にさらに基づいて電子処方箋に応じた薬の販売処理を進めるよう制御するが、これについては後述する。
選択情報生成部56は、主にプロセッサ11、記憶部12および通信部13により実現される。選択情報生成部56は、電子処方箋に指定された薬を複数の選択肢からユーザに選択させるための情報を生成する。複数の選択肢のそれぞれは、1または複数の薬の組合せを含んでいる。
ここで、電子処方箋に含まれる薬の項目において一般名で薬を特定する場合には、その一般名により特定され互いに異なる複数の薬の商品(薬の種類)が存在することが多い。その一般名で特定され互いに異なる複数の薬の商品の中には、一般的には先発薬と後発薬とが含まれる。先発薬は薬の商品のうち、特許権を有する企業がはじめに発売するものであり、後発薬は特許権の存続期間が満了した後に他の企業が販売するものである。先発薬、後発薬(ジェネリック医薬品とも呼ばれる)はそれぞれ薬の種類の1つであり、先発薬と後発薬とは互いに商品名や販売企業が異なりかつ薬効について互換性を有する。ある一般名の薬について先発薬の商品と1または複数の後発薬の商品との両方が存在する場合もあるし、後発薬の商品が存在しない場合もあるし、後発薬の商品しかない場合もある。また、電子処方箋において薬の商品名(例えば先発薬)によって薬を特定する場合も、もちろんその薬を代替することのできる1または複数の薬の商品(例えば後発薬)が存在しうる。
選択情報生成部56は、例えば電子処方箋において一般名で指定されたある薬の項目について、上述の選択肢のうち1つがその一般名で指定されるある薬の商品を含み、選択肢のもう1つがその一般名で指定される他の薬の商品を含むように情報を生成する。さらに、選択情報生成部56は、上述の選択肢のうち1つの選択肢は先発薬を含み、他の選択肢はこの先発薬の代替薬である後発薬を含むように情報を生成してよい。後者の場合、選択情報生成部56が生成する情報は、電子処方箋により指定される薬として、先発薬とその代替薬である後発薬とのうちいずれかを選択させる情報である。また、選択情報生成部56はその情報をユーザが操作するユーザ端末3に向けて送信する。図5の例では、前述の選択肢のうち1つの選択肢はある薬局が販売する薬を含み、他の選択肢は他の薬局が販売する薬を含む。そのため、その情報は、電子処方箋に指定された薬を販売する薬局のうちいずれかをユーザに選択させるための情報(図5の薬局選択画面に相当する)でもある。
選択部57は、主にプロセッサ11、記憶部12および通信部13により実現される。選択部57は、先発薬と後発薬のいずれかをユーザに選択させるための情報に対して、ユーザが先発薬と後発薬のいずれかを選択したかを示す情報とユーザが選択した薬局を示す情報を通信部13を介して取得する。
図12はユーザに薬を選択させる際の処理の一例を示すフロー図である。はじめに選択情報生成部56は、複数の薬局に対応する複数の薬局システム1のそれぞれに薬のリストを要求する情報を送信し、選択情報生成部56はその薬局システム1のそれぞれから主に先発薬からなる薬のリストおよび主に後発薬からなる薬のリストを取得する(ステップS201)。この処理は図5の「薬リスト問合せ」に相当する。
薬局システム1は選択情報生成部56から薬のリストを要求する情報を受信すると、薬種類情報に含まれる薬の在庫情報を確認し、在庫のある先発薬を中心とする薬の組合せを示すリストと、在庫のある後発薬を中心とする薬の組合せを示すリストとを生成する。また薬局システム1は生成されたリストを選択情報生成部56に送信する。ここで、薬局システム1がリストを生成する処理を、電子商店街サーバ2に含まれる選択情報生成部56が代わりに行ってもよい。
図13は、薬種類情報の一例を示す図である。薬種類情報は、薬ごとに、薬ID、薬名称、一般名、後発区分、投薬制限最小、投薬制限最大、在庫情報としての在庫量、薬の説明を含む。商品名は製薬企業が名づけた薬の名前であり、一般名は薬の成分や剤形などに対応し、同じ成分や剤形の薬の一般名は、製薬企業にかかわらず同じとなる。後発区分は、この薬が先発薬と後発薬かとのうちどちらであるかを示す。説明は、薬の服用時の注意事項を示す文章を含む。投薬制限最小は、分割発送をする場合などに一度に送ることのできる薬の最小量を日数で示し、投薬制限最大は、一度に送ることのできる薬の最大量を日数で示す。
そして、選択情報生成部56は主に先発薬からなる薬のリストを含む選択肢と主に後発薬からなる薬のリストを含む選択肢とを含む薬局選択画面のデータを生成し(ステップS202)、薬局選択画面のデータをユーザ端末3に送信する(ステップS203)。ここで、複数の選択肢には必ずしも先発薬からなる薬のリストと後発薬からなる薬のリストの両方を必ずしも含まなくてよい。また、選択情報生成部56は、ユーザにより詳細を表示させることを指示された選択肢(薬のリストに対応)についての詳細を示す薬詳細画面のデータを生成し送信する(ステップS204)。
図14は、薬局選択画面の一例を示す図である。選択情報生成部56は、薬局と先発薬/後発薬との組合せ(選択肢に対応)ごとに、薬のリストと、支払額と、この組合せについて詳細を表示させる指示のための「詳細」ボタンとを含む薬局選択画面を表示させるデータを生成する。薬のリストは複数の薬のそれぞれについて、薬の商品名と総量の情報を含む。選択情報生成部56は、複数の薬局のうち、ユーザが予めかかりつけ薬局として指定した薬局と、当該薬局より支払い総額が安くなる薬のリストを生成した薬局と、これらの薬局と配送に関するサービスが異なる薬局とを選択し、その選択された薬局について薬局選択画面を生成してよい。また、選択情報生成部56が生成する画面の情報は、薬局選択画面と異なってもよい。例えば、選択情報生成部56はかかりつけ薬局など1つの薬局についての複数のリストのみを含む画面の情報を生成してもよい。
送信された薬局選択画面のデータに基づいてユーザ端末3が薬局選択画面を表示出力デバイスに表示させ、ユーザが「詳細」ボタンを押下することによりいずれかの薬局についての薬のリストについての詳細の表示を指示すると、ユーザ端末3はその選択肢の詳細の表示が指示されたことを示すデータを送信する。そして、選択情報生成部56は、その表示の指示についてのデータが受信されると、その指示された選択肢について、薬詳細画面を表示させるデータを生成する。
図26は、薬詳細画面の一例を示す図である。選択情報生成部56は、この選択肢についてリストに含まれる薬のそれぞれの詳細と、1または複数の質問と、ユーザがこの選択肢を選択したことを示す情報をユーザ端末3に送信させる「購入申込」ボタンとを含む薬詳細画面を表示させるデータを生成し、このデータをユーザ端末3に向けて送信する。選択情報生成部56は、電子処方箋に含まれる複数の薬の一般名のそれぞれ、または選択肢に含まれる複数の薬の商品(種類)のそれぞれに関連づけられた質問を取得する。選択情報生成部56はその質問の重複を削除した上で、ユーザに対する質問の情報を生成する。この質問は、ユーザの属性に関するものである。選択情報生成部56はユーザ情報に含まれるユーザの属性の情報から質問の回答を取得できる場合(例えば年齢や性別、アレルギー歴)にはその属性に関する質問を削除してもよいし、またユーザ情報に含まれる属性(例えば性別)に当てはまらない質問(例えば男性に対する妊娠に関する質問)を削除してもよい。また、薬詳細画面のデータは、「購入申込」ボタンが押下された際に、ユーザ端末3がそれぞれの質問についての回答の情報を送信させるデータを含む。
送信された薬詳細画面のデータに基づいてユーザ端末3が薬詳細画面を表示出力デバイスに表示させ、ユーザが「購入申込」ボタンを押下することにより、複数の選択肢のうち詳細が表示されたこの選択肢(いずれかの薬局についての薬のリスト)について薬を購入することを選択すると、ユーザ端末3は選択された薬局や選択された薬のリストを示すデータを送信する。選択部57は選択された薬局や選択された薬のリストを示すそのデータを受信する(ステップS205)。すると、処方薬の注文が受け付けられ、販売制御部54は注文情報格納部73に該当する薬のリストについての注文情報および質問に対する回答の情報を格納する。ここで、注文情報を格納する前に、さらにユーザ端末3から送付先や決済方法のデータを受信し、それらを注文情報に格納してもよい。また販売制御部54は、ユーザに向けて注文を受け付けたことを示す受付メッセージを送信する。選択された薬局に電子処方箋を送信する(ステップS206)。受付メッセージはユーザ端末3に向けて送信される画面の情報であってもよいし、ユーザ宛の電子メールであってもよい。
電子処方箋の送信については、薬局システム1に直接的に電子処方箋を送信してもよいし、薬局の担当者に向けてその薬局への注文が受け付けられた旨のメッセージを送信し、その担当者が操作する薬局システム1が電子商店街サーバ2へアクセスし電子処方箋を取得してもよい。
図15は、注文一覧画面の一例を示す図である。注文一覧画面は、薬局の担当者が電子商店街サーバ2にアクセスした際に表示される画面であり、この画面の情報は、販売制御部54により生成される。販売制御部54は、注文一覧画面としてその薬局に対する注文の一覧を表示出力デバイスに出力させる情報を生成する。図15の例では、その情報は、注文ごとに、注文を受け付けた日時、注文を特定する注文番号、決済方法、決済ステータス、発送ステータス、処方薬の販売状況を示す処方箋利用状況の情報を含む注文一覧画面の情報を含む。
薬局の担当者が注文番号を選択すると、販売制御部54はその注文の詳細を示す注文詳細画面の情報を担当者が操作するコンピュータ(主に薬局システム1)に向けて送信する。図16は、注文詳細画面の一例を示す図である。注文詳細画面により出力される情報は、電子処方箋、ユーザの質問に対する回答、ユーザのアレルギー歴や副作用履歴、決済方法、薬の送付先、決済ステータス、発送ステータス、処方箋利用状況を含む。この注文詳細画面の情報は、図5の電子商店街サーバ2から薬局システム1に送信される電子処方箋に相当する。
決済処理部58は、プロセッサ11、記憶部12および通信部13により実現される。決済処理部58は、薬局の担当者が注文詳細画面で決済依頼ボタンを押下したことを示す情報(決済依頼)を受信する。決済処理部58は、決済依頼を受信すると、ユーザにより指定された決済方法(例えばクレジットカード)による決済処理を通信部13を用いて実行し、決済処理の結果を注文情報に格納する。薬局の担当者は、決済処理の結果は、注文一覧画面や注文詳細画面により確認する。なお、決済処理を行うタイミングは、後述する販売状況を確認した後、薬局が発送を行うまでの間のいずれかのタイミングであってよい。
販売状況確認部55は、主にプロセッサ11、記憶部12および通信部13により実現される。販売状況確認部55は、注文にかかる電子処方箋に基づく薬が既に販売されているか否かを確認するための処理を実行する。この処理は、この処方薬販売システムで既にその電子処方箋に基づく薬が販売されたか否かを確認する処理と、他の薬局がこの電子処方箋にかかる薬を販売したか確認する処理と、を含む。販売状況確認部55の2種類の処理のうち後者の処理は、図5の処方箋利用状況確認に相当する。
まず、販売状況確認部55が行う2種類の処理のうち前者の処理について説明する。この処理では、販売状況確認部55は注文情報格納部73に、今回の電子処方箋に紐付けられた注文があるか否かを確認する。より具体的には、これまでに処方箋確認部53の処理が行われたあとに販売制御部54などが注文情報として、注文と電子処方箋の処方箋IDとを注文情報格納部73に格納しておき、販売状況確認部55は今回の電子処方箋の受信に対応する注文と異なりかつ同じ処方箋IDを含む注文の注文情報が存在するか否かを確認する。また販売状況確認部55はその注文情報が存在する場合に、その注文情報に含まれるステータス(売買に関する情報)が、販売処理が進んでいることを示すか否かを確認する。このステータスが販売処理が進んでいることを示す場合、販売状況確認部55はこの電子処方箋に基づく薬が販売されている、もしくはその薬の他の販売処理が進行していると判定し、処方箋利用状況のステータスを「確認済NG」に更新する。なお、この処理は、電子商店街サーバ2が電子処方箋を受信してから実際に発送する前であれば、いつ実行されてもよい。
次に販売状況確認部55が行う2種類の処理のうち後者の処理について説明する。この後者の処理は、病院サーバ4への問合せに基づいて電子処方箋に基づく販売がされたか否かを示す情報を取得する処理である。図17は、販売状況を確認する際の処理の一例を示すフロー図である。販売状況を確認する際には、はじめに、販売状況確認部55は、通信部13を用いて処方箋を管理する病院サーバ4に処方箋IDを含む問合せ要求を送信し、病院サーバ4から、注文にかかる電子処方箋について販売状況を取得する(ステップS301)。販売状況は、複数の薬局のうちいずれかの薬局により薬が販売されるか否か、言い換えれば、いずれかの薬局により電子処方箋が利用されたか否かを示す情報である。そして、その販売状況が、いずれの薬局も薬を販売していないことを示す場合には(ステップS302のY)、販売状況確認部55は、病院サーバ4に処方箋IDを含む更新要求を送信し(ステップS303)、病院サーバ4に含まれる記憶部12に、注文にかかる電子処方箋の販売状況を、販売状況がこの注文を受け付けた薬局が薬を販売することを示すように更新させる。また販売状況確認部55は、注文情報に含まれる処方箋利用状況のステータスを、販売状況を確認し販売処理を進めることができることを示す「確認済OK」のステータスに更新する(ステップS304)。一方、その販売状況が、いずれかの薬局が薬を販売したことを示す場合には(ステップS302のN)、販売制御部54は、この電子処方箋にかかる薬の販売処理ができないことを示すように注文情報に含まれる処方箋利用状況のステータスを「確認済NG」に更新する(ステップS305)。「確認済NG」のステータスは、電子処方箋が他の薬局について利用されかつ、本システム(本薬局)では、後続の販売処理を進められないことを示す。このステータスでは、電子処方箋に基づく薬は他の薬局により既に販売されたか販売処理が進行中であり、仮に薬を販売するとユーザに二重に薬を販売することを示している。
この病院サーバ4に電子処方箋に基づく薬の販売が既にされたか否かを問い合せる処理は、図4や図5では説明文の確認などの前になっているが、この処理のタイミングは前後してもよい。例えば、説明確認データの送受信後であってもよいし、発送指示情報の送信直前であってもよい。これらの例では、同じ電子処方箋について複数の注文が並行して処理される恐れがより大きいが、その複数の注文について2以上の発送がされることを防ぐことができる。また、ユーザ端末3側のプログラムが電子処方箋が利用されたか否かを示す情報を保持し、販売状況確認部55が病院サーバ4の代わりにユーザ端末3からその情報を受信することで処方箋利用状況のステータスを更新してもよい。この場合、ユーザ端末3から電子処方箋を電子商店街サーバに送る際に(図4の4.処方箋送信)、利用されたか否かを示す付加情報を付加して送ってよい。この場合、電子商店街サーバの販売状況確認部55は、上記の付加情報を確認することにより既に電子処方箋にかかる薬の注文がなされているかを示す販売ステイタスを確認できる。
処方箋利用状況のステータスが「確認済OK」に更新されると、販売制御部54は電子処方箋に応じた販売処理(発送スケジュールの決定以降の処理)の実行がされるよう制御する。薬局の担当者は、処方箋利用状況のステータスを、注文一覧画面や注文詳細画面により確認し、販売に関する操作を続けてよい。一方、処方箋利用状況のステータスがこの電子処方箋にかかる薬の販売処理ができないことを示す場合には、販売制御部54はこれ以降は販売に向けた処理を進められないよう制御し、薬局の担当者は、このステータスの更新をうけて必要に応じて返金などを行う。
説明文入力部59は、プロセッサ11、記憶部12および通信部13を中心として実現される。説明文入力部59は、注文申込をしたユーザに関する情報を薬剤師に提示し、注文にかかる薬局の薬剤師から入力された注文にかかる説明文(図5の説明文入力データに相当)を受け付ける。ユーザに関する情報はユーザ情報に含まれる属性の情報とユーザの質問の回答に含まれるユーザの属性の情報とを含み、ユーザに関する情報は、薬剤師が説明文を作成したり処方が正しいかを判断する際に利用される。説明文入力部59は、受付けられた当該説明文を記憶部12を含む説明文格納部72に格納する。なお、図15の例では、説明文入力部59の処理は、注文にかかる薬局の薬剤師が注文詳細画面で説明ボタンを押下し、薬剤師が操作するコンピュータが説明文の入力を開始する要求を説明文入力部59へ送信すると開始される。
また、属性取得部65は、電子商店街サーバ2に含まれるプロセッサ11、記憶部12および通信部13を中心として実現される。属性取得部65は、受信された電子処方箋にかかる患者の属性情報を、ユーザの属性情報を格納するユーザ情報格納部71から取得する。説明文入力部59は、この患者の属性情報に基づいて注文申込をしたユーザに関する情報を薬剤師に提示する。
図18は、説明文入力画面の一例を示す図である。説明文入力画面の情報は、注文にかかる電子処方箋の情報と、ユーザ情報に含まれる注文を申込したユーザの属性の情報と、薬剤師がユーザに説明する説明文のメッセージの件名および本文を入力させる欄の情報と、入力されたメッセージを説明文入力部59に向けて送信させるボタンの情報とを含む。説明文入力部59は、これらの情報を含む説明文入力画面の情報を生成し、薬局システム1に向けて送信する。薬剤師は受信した情報に応じた説明文入力画面に表示される電子処方箋およびユーザのアレルギー歴や病歴、副作用履歴を参照し、説明文のメッセージの件名や本文を薬局システム1に入力する。そして、薬剤師が送信ボタンを押下すると、薬局システム1は説明文のメッセージを説明文入力部59に向けて送信する。また説明文入力部59はそのメッセージを受付け、説明文格納部72に格納する。
なお、説明文入力部59は、電子処方箋に含まれる薬に応じて薬種類情報から説明文に記載する事項を取得し、その事項を含む説明文の案を生成し、その説明文の情報を含む説明文入力画面の情報を送信してもよい。例えば、説明文入力画面の本文の欄に表示される説明文の案を薬剤師が修正することで、ユーザへの説明文が入力されてもよい。
説明文出力部60は、主にプロセッサ11、記憶部12および通信部13により実現される。説明文入力部59は説明文のメッセージを受信すると、説明文出力部60は注文にかかるユーザに向けて説明文(図5の説明文データに相当)を出力する。
図19は、説明文出力画面の一例を示す図である。説明文出力画面の情報は図5の説明文データに相当し、説明文出力部60が生成し送信する説明文出力画面の情報は、説明文入力部59が受付けた説明文の件名および本文の情報と、説明文に含まれる確認項目に応じて配置されるチェックボックス31の情報と、ユーザが説明文を確認したことを示す説明確認データをユーザ端末3に送信させる送信ボタンの情報とを含む。なお、説明文出力部60は、説明文入力画面で入力された四角の記号がチェックボックス31に変換されるように説明文出力画面の情報を生成する。ユーザが説明文出力画面を確認し、チェックボックス31をチェックしてOKボタンを押下すると、ユーザ端末3は説明文が確認されたことを示す説明確認データを送信する。なお、ユーザがチェックボックス31をチェックしない場合や、説明文に文字列を追記した場合には、その追記された説明文のメッセージを確認結果取得部61に向けて送信する。
確認結果取得部61は、プロセッサ11、記憶部12および通信部13を中心として実現される。確認結果取得部61は、ユーザ端末3から送信される説明確認データを受信し、注文にかかる注文情報に含まれる説明ステータスを、説明確認データが受信されたことを示すステータスに更新する。これにより、注文情報格納部73に説明確認データが受信されたことを示す情報が格納される。薬局の担当者は、更新された説明ステータスを、メッセージ確認画面、注文一覧画面や注文詳細画面により確認し(図5の説明ステータス確認に相当)、販売に関する操作を続ける。
図20は、メッセージ確認画面の一例を示す図である。メッセージ確認画面のうちメッセージ一覧の欄には、注文にかかるすべてのメッセージの件名が配置される。説明確認データを受信した場合にはメッセージ一覧の欄に説明文がユーザにより確認されたことを示す文字列(「ユーザ確認済」)が配置される。またメッセージ欄には、一覧のメッセージのうち選択されたメッセージの本文が配置され、その欄の下には、そのメッセージを薬剤師が確認した際に押下する「薬剤師確認」ボタンが配置される。なお、メッセージ確認画面で新規メッセージのボタンが押下されると、説明文入力部59はさらに説明文入力画面を表示してもよい。
薬剤師が「薬剤師確認」ボタンを押下すると、販売制御部54は注文情報の説明ステータスを「確認済」に更新する。また、これにより、販売制御部54は発送スケジュールを決定する処理を進める。
発送スケジュール生成部62および発送管理部63のそれぞれは、主にプロセッサ11、記憶部12および通信部13により実現される。発送スケジュール生成部62は、電子処方箋に含まれる薬の情報およびユーザの希望のうち少なくとも一方に基づいて、薬を1回で、または複数回に分けて発送するスケジュールを生成する。例えば、発送スケジュール生成部62は電子処方箋に含まれる薬の情報に基づいて発送スケジュールの案を生成し、生成されたスケジュールの案を示すデータを薬局の担当者に向けて出力し(図5の発送スケジュール確認画面に相当)、担当者がスケジュールを承認したことを示す情報を受信すると、発送スケジュール生成部62は承認されたスケジュールを電子処方箋にかかる薬を発送する正式な発送スケジュールとして生成する。
以下では発送スケジュールを生成する処理についてさらに説明する。図21は、発送スケジュールを生成する処理の概要を説明する図である。はじめに、発送スケジュール生成部62は、電子処方箋に含まれる1または複数の薬のうち、分割発送の欄が許可となっており、分割発送が許可されている薬について、薬種類情報から投薬制限最大に格納されている日数と、電子処方箋の分割投薬制限の日数とを取得し、取得された日数の最小値(以下では最大分割間隔と記載する)が電子処方箋の薬の処方日数より大きい薬を分割対象リストに追加する(ステップS401)。そして、分割対象リストに属する薬がある場合には(ステップS402のY)、薬を分割して発送する発送スケジュールの案を生成する(ステップS403)。ここで、以下では薬種類情報の投薬制限最小に格納されている日数を最小分割間隔と記載する。
図22は、発送スケジュールの案を作成する処理の一例を示すフロー図である。発送スケジュール生成部62は、電子処方箋に存在し、かつ分割対象リストに属さない薬について、その薬の発送日に最短で発送可能となる日(最短発送日)を設定する(ステップS501)。つぎに、発送スケジュール生成部62は、分割対象リストに属する1または複数の薬について最大分割間隔の最小値を求める(ステップS502)。この最小値は、分割発送をする際に隣り合う発送日の間の間隔になる可能性が高いので、基本間隔と記載する。次に発送スケジュール生成部62は、分割対象リストに属する薬のうち、基本間隔の値が最小分割間隔以上かつ最大分割間隔以下となる条件を満たす薬を選択し、その選択された薬について、初回の発送日に最短発送日を設定し、以降の発送日には、最短発送日から処方日数経過するまでの日付のうち、前の発送日との間隔が基本間隔となる日付を設定する(ステップS503)。また発送スケジュール生成部62は発送日が設定された薬を分割対象リストから削除する(ステップS504)。
そして、発送スケジュール生成部62は、分割対象リストに属する残りの薬のうち、(n×基本間隔)の値(nは2以上の整数)が最小分割間隔以上かつ最大分割間隔以下となる条件を満たす薬を選択し、その選択された薬について、初回の発送日に最短発送日を設定し、以降の発送日には、最短発送日から処方日数経過するまでの日付のうち、前の発送日との間隔が(n×基本間隔)となる日付を設定する(ステップS505)。また発送スケジュール生成部62は発送日が設定された薬を分割対象リストから削除する(ステップS506)。そして、発送スケジュール生成部62は分割対象リストに薬が残っている場合には、その薬について初回の発送日を最短発送日とし、以降の発送日には、最短発送日から処方日数経過するまでの日付のうち、前の発送日との間隔が最大分割間隔となる日付を設定する(ステップS507)。これにより薬ごとの発送スケジュールの案が生成される。
発送スケジュールの案が生成されると、発送スケジュール生成部62は薬ごとに、その案に含まれる発送日と、電子処方箋から取得される1日の用量に応じて、各発送日に送る量を算出する(ステップS404)。図11に示す電子処方箋の例では、1日の用量は各日の用法から求められる回数に1回辺りの量を掛けた値となる。発送スケジュール生成部62は、各発送日に送る量として、次の発送日がある場合には1日の用量に、今回の発送日と次の発送日との間隔をかけた値を、次の発送日がない場合には、処方日数から初回発送日と今回の発送日との間隔の日数を引いた値を、1日の用量にかけた値を求める。
そして、発送スケジュール生成部62は、求められた薬ごとの発送日と発送日に送る薬の量とに基づいて、発送スケジュール確認画面のデータを生成して出力し、薬剤師の承認を得る(ステップS405)。
図23は、発送スケジュール確認画面の一例を示す図である。図23は、電子処方箋に図11に示す薬の情報が含まれかつその電子処方箋に対して図16に示される薬が販売される場合に対応する発送スケジュールである。処方日数が10日である一方、「咳止シロップA」の薬について、薬種類情報および医師に指定される分割投薬制限が7日であり、「胃腸薬B」の薬について薬種類情報に指定される投薬制限最大の日数が9日であるので、ステップS401において、分割発送の対象となる薬は「咳止めシロップA」および「胃腸薬B」となる。またステップS502において基本間隔として7日が求められ、これらの薬はその基本間隔で発送しても投薬制限についての条件を満たすので、発送スケジュールではこれらの薬はステップS503により初回発送日と、その7日後に発送される。また分割発送の対象となっていない塗り薬Cは初回発送日のみに発送される。発送スケジュール確認画面の情報には、このように決定された発送スケジュールの情報が含まれる。
なお、咳止めシロップAの最大分割間隔が4日間、胃腸薬Bの最小分割間隔が5日間の場合、基本間隔が4日となる。発送スケジュールでは、初回発送日の4日後に咳止シロップAが発送され、さらに4日後に咳止シロップAと胃腸薬B(ステップS504参照)が発送される。
薬剤師は、発送スケジュール確認画面に表示されうる発送スケジュールを確認し、問題がなければ確認ボタンを押下することで、この発送スケジュールを承認する。確認ボタンが押下されると、薬局システム1は、薬剤師が発送スケジュールを確認したことを示すスケジュール確認結果(図5参照)を発送スケジュール生成部62に送信する。また、発送スケジュール生成部62は、スケジュール確認結果を受信する。そして、発送スケジュール生成部62は、受信されたスケジュール確認結果により承認されたスケジュールを記憶部に保存する(ステップS406)。
発送管理部63は、主にプロセッサ11、記憶部12および通信部13により実現される。発送管理部63は、ユーザに向けて薬を複数回に分けて発送するための発送スケジュールまたは一括で配送するための発送スケジュールに基づいて、薬の発送を管理する。図21の例では、発送スケジュールが承認された後に、注文情報に含まれる発送ステータスを「発送待ち」に変更する(ステップS408)。また、発送管理部63は発送スケジュールと現在日付に応じて、薬局に発送指示情報を送信する(ステップS409)。
発送指示情報は、例えば各発送日の当日または前日に薬局システム1に向けて送信され、発送日に発送する薬の情報を含むメールであってもよい。薬局の薬剤師は、このメールに基づいて薬を発送する。このメールにより、発送管理部63は薬の発送を管理する。また、発送指示情報は薬局システム1に含まれる配送システムに入力される発送スケジュールの情報であってもよい。なお、本発明の実施形態にかかる処方薬販売システムでは、処方薬の初回発送をもって処方薬についての売買契約が成立する。
なお、発送スケジュール確認画面に表示される発送スケジュールを薬剤師が承認しない場合には、薬剤師により修正されたスケジュールを発送スケジュール生成部62が受信し、その発送スケジュールを正式な発送スケジュールとしてもよい。例えば図23の例では、薬剤師が編集ボタンを押下して送信される発送スケジュール確認結果に基づいて、発送スケジュール生成部62が修正された発送スケジュールを薬剤師に入力させる画面を生成し、その画面に入力された発送スケジュールを発送スケジュール生成部62が受信する。その後はステップS406以降の処理が実行されればよい。また、発送スケジュール生成部62が実行する、発送スケジュールを生成する処理や薬剤師が発送スケジュールを確認するための処理を、薬剤師が説明文を作成する際に(または直前または直後に)行ってもよい。こうすると、ユーザが説明文を確認してから発送までの時間を短くすることができる。
なお、発送スケジュールの案が発送スケジュール生成部62により生成されなくてもよい。薬局システム1を操作するユーザが希望する発送スケジュールを受信し、その発送スケジュールをそのまま発送管理に用いてもよい。
また、発送スケジュール生成部62は、同じユーザの過去の注文の注文情報に関連づけられた発送スケジュールに基づいて担当者の承認なしにスケジュールを生成してもよい。より具体的には、発送スケジュール生成部62はこのユーザが過去に薬を購入した注文において薬の種類および量が同じであるか否か判定し、同じである場合に発送スケジュール生成部62はその過去の注文の発送スケジュールと発送間隔が同じとなるスケジュールを正式な発送スケジュールとして生成してよい。
ステップS402において、分割対象リストに属する薬がない場合には(ステップS402のN)、発送スケジュール生成部62は電子処方箋にかかる薬を一括で発送することを示す情報(例えば画面の情報)を薬剤師に向けて出力し(ステップS407)、それを薬剤師が確認したことを示す情報を受信したら、発送管理部63は注文情報格納部73に格納される注文情報に含まれる発送ステータスを「発送待ち」に変更する(ステップS408)。そして発送管理部63は発送スケジュールと日付に応じて薬局に発送指示情報を送信する(ステップS409)。
発送スケジュール生成部62や発送管理部63の処理により、薬を分割して発送することが可能となる。処方薬の中には、例えばシロップのように保存の難しい薬や、向精神薬のように飲み過ぎによる事故の発生が懸念される薬が存在する。これらの薬については分割発送により、仮に一度に処方する期間を長くしても、劣化した薬による事故の発生や、薬の飲み過ぎによる事故の発生を抑えることが可能になる。また、処方できる期間を短くする場合に比べて患者に受診の手間を減らすことも可能となる。
なお、処方日数のうち一部について、患者の自己判断で処方薬の服用を止めてよいか否かを医師が電子処方箋にて指定できるようにしてもよい。この場合、電子処方箋にいずれかの処方薬の服用を止めてよいことを示す情報が含まれ、かつその処方薬について電子商店街サーバ2の発送管理部63が、ユーザの希望に基づく薬の発送のキャンセルを指示する情報(発送キャンセル指示情報)を受信した場合に、発送管理部63は、発送キャンセル指示情報を受信した後の発送スケジュールにおける薬の発送を行わないように薬局システム1を制御してよい。
さらに、発送管理部63は、発送キャンセル指示により未発送の薬の発送が停止された場合に、薬の販売の一部または全部がキャンセルされたことを示す情報により、その薬の販売にかかる注文情報のステータス情報を更新してもよい。その更新された注文情報は注文情報格納部73に格納される。
これにより、医師の診察後に薬を服用しているうちに病気が治った場合に、患者の手元にある余分な薬を減らすことが可能になる。それにより実質的な医療費の削減や、不要な薬を所有することによる事故や不正の発生を防ぐこともできる。また、薬の発送が停止され、販売の一部または全部がキャンセルされた注文について、注文情報格納部73に格納された注文情報に基づいて、販売制御部54が返金やポイント還元を実現する処理を行ってもよい。この場合には、販売制御部54は、病院サーバ4における電子処方箋にかかる販売状況は電子処方箋が利用済を示す情報のままとなるよう制御する。
キャンセルに関連して、発送ステータスが「発送待ち」となる前にユーザにより注文がキャンセルされた場合が考えられる。この場合、販売制御部54は、病院サーバ4における電子処方箋にかかる販売状況がこの薬局が利用済を示す場合には、その販売状況を未利用を示すように更新するよう制御する。この場合にはユーザが他の薬局を利用する可能性があるからである。このキャンセルがされかつ決済済の場合には販売制御部54は返金の処理を行う。
さらに、発送ステータスが「発送待ち」となったあとに実際に発送されるまでの間に注文がキャンセルされた場合には、販売制御部54は、そのキャンセルの指示とともにユーザに理由を示す情報を取得し、その取得された理由に応じて病院サーバ4の販売状況を未利用に更新するか否かを制御してもよい。また薬局システム1を操作する薬剤師の判断により、病院サーバ4の販売状況を薬剤師が人手で更新してもよい。これにより、例えば他の病院でさらに薬を処方され薬が不要になった場合には販売状況を利用済のままとし、単に他の薬局を利用したい場合には他の薬局の利用を可能にするといった柔軟な対応が可能となる。
このように、注文のキャンセル時の発送のステータスに応じてキャンセルに関する病院サーバ4の販売状況を更新する処理を異ならせてよい。
これまでの説明では、電子処方箋に応じた説明文のデータをユーザが電子処方箋を送信した後に行っているが、これをユーザから電子処方箋を受信する前に行うようにしてもよい。以下ではそのための処方箋事前受信部64等の動作や、処方薬販売システムによる処方薬の販売の流れの例について説明する。以下では図4,5の例との相違点を中心に説明する。
図24は、処方薬の販売過程の他の一例を概略的に示す図である。また、図25は、図24の例における、ユーザ端末3、電子商店街サーバ2、薬局システム1、病院サーバ4の間での通信を示すシーケンス図である。図24および図25の例は、予め、病院サーバ4に患者が普段利用するかかりつけ薬局が登録されており、病院サーバ4に向けて電子処方箋を開示することを了承している場合の例である。
この場合には、病院にて医師が電子処方箋を発行すると(図24の「1.処方箋発行」)、病院サーバ4は電子処方箋を示す情報(この例では処方箋IDであるが、電子処方箋でもよい)をユーザ端末3に向けて送信する(図24の「2.処方箋ID送信」、図25の「処方箋ID」)とともに、電子処方箋を薬局システム1に送信する(図24の「3.処方箋送信」、図25の「電子処方箋」)。すると、電子処方箋を受信した薬局システム1を操作する薬剤師は説明文を作成する(図24の「4.説明文作成」)。
この事前の処方箋の受信と、説明文作成について詳細を説明する。処方箋事前受信部64は、主に電子商店街サーバ2に属するコンピュータに含まれるプロセッサ11、記憶部12および通信部13により実現される。処方箋事前受信部64は、処方箋受信部52がユーザから電子処方箋を示す情報を取得する前に、前記ユーザと異なる送信元(病院サーバ4や薬局システム1)から電子処方箋に含まれる薬および患者に関する情報を受信する。ここで、電子処方箋に含まれる薬および患者に関する情報は、電子処方箋そのものであってもよいし、別のフォーマットの情報であってもよい。電子商店街サーバ2が電子処方箋に含まれる薬および患者に関する情報を受信する方法は、病院サーバ4から電子商店街サーバ2に直接プッシュ的に送信する方法であってもよいし、電子商店街サーバ2が定期的に病院サーバ4にアクセスし、この薬局に対する電子処方箋がある場合にその電子処方箋をダウンロードする方法であってもよい。また、薬局システム1に属するコンピュータが病院サーバ4から受信した電子処方箋をさらに電子商店街サーバ2に送信することで、処方箋事前受信部64が電子処方箋に含まれる薬および患者に関する情報を受信してもよいし、また処方箋事前受信部64が薬局システム1に属するコンピュータにより実現されてもよい。
属性取得部65は、電子商店街サーバ2に含まれるプロセッサ11、記憶部12および通信部13を中心として実現される。属性取得部65は、ユーザと異なる送信元である病院サーバ4から受信された電子処方箋にかかる患者の属性情報を、ユーザの属性情報を格納するユーザ情報格納部71から取得する。より具体的には、属性取得部65は、薬局システム1に含まれるコンピュータから電子処方箋に含まれる患者に関する情報(例えば病院コード、患者ID、保険者番号、氏名などの患者を特定する情報)を取得し、その患者に関する情報に基づいて、ユーザの属性(例えばアレルギー歴、副作用履歴等)をユーザ情報格納部71から取得する。なお、この際に電子商店街サーバ2に含まれる属性取得部65は電子処方箋を取得し、記憶部12に格納してもよい。
そして、説明文入力部59は、電子処方箋に含まれる患者に対応するユーザの属性の情報であって属性取得部65により取得されたユーザの属性の情報と、受信された薬に関する情報とを薬剤師に提示し、電子処方箋にかかる説明文を入力させる説明文入力画面の情報を送信する。説明文入力画面の構成については、図18の例と同様であり、説明文入力画面はユーザから注文の申込を受ける前に生成される。
そして、薬局システム1はその説明文を電子商店街サーバ2に保存する(図24の「説明文保存」、図25の「説明文入力データ」)。説明文入力部59が注文にかかる薬局の薬剤師から入力された注文にかかる説明文入力データを受付ける処理は、図5の例と同様である。
図27は、説明文出力画面の他の一例を示す図である。図27に示す説明文出力画面は、事前に作成され、説明文入力部59が記憶部12に保存した説明文を出力する画面である。事前に説明文が作成される場合には、その説明文はユーザの属性に関する情報と、その情報が現在変化したか否かを入力させるチェックボックス32とを含む。このチェックボックス32は、属性に関する情報の項目毎に設定されてもよい。この場合、より確実にユーザの状態を確認することができる。説明文入力部59は、図27に示す説明文出力画面を表示させるために、これらのユーザの属性に関する情報と、それをユーザが確認したことを示す情報を送信させる情報とを含む説明文のテンプレートを含む、説明文入力画面の情報を生成してよい。
図5の例の「薬リスト問合せ」の代わりに、薬局システム1は説明文を送信するとともに薬局が提供する処方薬のリストである薬種類データを送信してよい。このリストは、先発薬中心のリストと、後発薬中心のリストの2種類のリストであってよい。電子商店街サーバ2に含まれる選択情報生成部56は、この薬種類データを受信してよいし、あわせて電子処方箋も受信して記憶部12または他のコンピュータが実行するデータベースに格納してよい。また選択情報生成部56は、処方箋受信部52が電子処方箋を示す情報を受信する前に、薬種類データに含まれる薬の1または複数のリストを記憶部12(または他のコンピュータが実行するデータベース)に格納してよい。
そして、ユーザはユーザ端末3を用いて電子商店街サーバ2が提供する処方薬販売サービスにログインする(図24の「6.ログイン」、図25の「ログイン画面」、「ユーザ認証情報」)。ユーザ認証部51の処理は図5の例と同様である。ユーザは電子商店街サーバ2へユーザを認証する認証情報に紐付けられた処方箋IDを送信する(図24の「7.処方箋ID送信」、図25の「処方箋IDデータ」)。すると、電子商店街サーバ2は受信した電子処方箋に含まれる薬の1または複数のリストの情報をユーザ端末3に送信する(図24の「8.薬種類提示」、図25の「薬種類選択画面」)。
以下では処方箋IDを受信した後、薬種類選択画面が生成されるまでの処理について説明する。ユーザが電子処方箋を示す情報である処方箋IDを送信した後に、処方箋確認部53は、電子処方箋に紐付けられたユーザ認証情報と、電子処方箋に含まれる患者の情報とが対応するか否か確認するための処理を実行する。より具体的には、処方箋確認部53はセッションID等のユーザ認証情報と電子処方箋とを紐付ける情報に基づいてユーザを特定する情報を取得し、そのユーザについて予め薬局システム1からされ送信格納されている電子処方箋を特定する情報(例えば処方箋ID)と、ユーザから処方箋受信部が受信した処方箋を特定する情報とが一致するか否かを判定し、それらが一致する場合にユーザ認証情報に対応するユーザの情報と、電子処方箋に含まれる患者の情報とが対応すると確認する。そして、販売制御部54は、その確認の処理の結果に基づいて、電子処方箋に応じた薬の販売処理が実行されるよう制御する。
ユーザ認証情報に対応するユーザの情報と、電子処方箋に含まれる患者の情報とが対応する場合に、販売制御部54の制御に基づいて、選択情報生成部56は、薬局システム1から受信した薬のリストに基づいて、先発薬と後発薬のいずれかをユーザに選択させるための情報である薬種類選択画面の情報を生成する。薬種類選択画面は、予め説明文を受付けた薬局のうち、先発薬中心の薬のリストと、後発薬中心の薬のリストとのうち、どちらを選ぶかをユーザに選択させる画面である。薬種類選択画面は、例えば図14に示す画面から、かかりつけ薬局以外の薬局についての薬のリストを除いた画面になる。
そして、ユーザはそのリストに含まれる薬のリストのいずれかを選択し、ユーザ端末3は選択されたリストの情報(図25の「薬種類選択データ」)を電子商店街サーバ2に送信する(図24の「9.薬種類選択」)。電子商店街サーバ2に含まれる選択部57が薬種類選択データを受信し、説明文出力部60は、予め薬剤師が入力し、記憶部12等に記憶された説明文をユーザに向けて送信する(図24の「10.説明文送付」、図25の「説明文データ」)。説明文出力部60は、薬種類選択画面と同じセッションにおいて、その薬種類選択画面に続く画面として、図27に示すような説明文出力画面の情報を出力する。説明文出力画面の情報の生成については説明を省略する。
ユーザがその説明文を確認すると、確認結果取得部61は、ユーザが確認したことを示す情報を受信し(図25の「説明確認データ」)、薬剤師がそれを確認する(図24の「11.確認」、図25の「説明ステータス確認」)。これにかかる確認結果取得部61の処理は図5の例と同様であるので説明を省略する。そして、薬局システム1は、処方箋を管理する病院サーバ4にこの電子処方箋により他の薬局等が処方薬を販売するか問い合せる(図24の「11.処方箋利用状況確認」図25の「処方箋利用状況確認」)。販売状況確認部55は、ここで図5と同様の処理を実行する。
この電子処方箋による処方薬が他の薬局により販売されない場合には、決済処理部58は決済処理を実行し、薬局は処方薬をユーザに向けて発送する(図24の「11.発送」、図25の「発送指示情報」)。なお、図25において、決済処理部58が行う決済処理、販売状況確認部55が処方薬販売状況を確認し販売制御部54がその確認結果に応じて薬の販売を制御する処理や、発送スケジュール生成部62が発送スケジュールを生成する処理、発送管理部63が発送を管理する処理については、決済処理部58や販売状況確認部55の処理の順序が異なる点を除き図5の例と同様であるので詳細の説明を省略する。
処方箋事前受信部64により、ユーザが電子処方箋を示す情報を送信する前に電子処方箋を受信すると、薬局システム1を操作する薬剤師はその送信の前に説明文を入力することが可能になる。これにより、ユーザが薬の種類を選択するなどにより薬の購入の申込をしてから説明文を確認するまでの時間を削減し、ユーザの利便性を向上させることができる。特に、薬剤師が夜間に常駐しておらず、かつユーザの薬の購入の申込や説明の確認の操作が夜間しかできないような場合には、申込から発送までの時間を1日以上短縮することが可能になる。
なお、図24,25の例では、電子商店街サーバ2がユーザとのやりとりを行っているが、これらのやりとりを薬局システム1に含まれるサーバコンピュータが行ってもよい。この場合、電子商店街サーバ2の機能を実現するプログラムは薬局システム1に配置され、薬局システム1に含まれるサーバコンピュータにより実行される。