JP5800876B2

JP5800876B2 - 吸収性物品

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Publication number: JP5800876B2
Application number: JP2013204166A
Authority: JP
Inventors: 健太谷口; 雅史北川; 原田　裕之; 裕之原田
Original assignee: Uni Charm Corp
Current assignee: Uni Charm Corp
Priority date: 2013-09-30
Filing date: 2013-09-30
Publication date: 2015-10-28
Anticipated expiration: 2033-09-30
Also published as: EP3053557A4; US20160213526A1; EP3053557A2; WO2015002331A2; JP2015066245A; WO2015002331A3; CN105592832A

Description

本発明は、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。

特許文献１には、吸収体の表面及び吸収体の側面を覆う表面材と、当該表面材及び吸収体よりも幅方向外側に延出するサイドシート（防漏材）と、を有する吸収性物品が開示されている。表面材は、液透過性を有する不織布によって構成されており、サイドシートは、疎水性表面を有する不織布によって構成されている。

特許文献１の吸収体は、当該吸収体の表面及び側面が表面材によって直接被覆されており、当該肌当接面側のみならず該側面側からも経血を吸収する。また、サイドシートが吸収体よりも幅方向外側に延出しており、当該サイドシート上の経血は、吸収体の側方から吸収される。

特開平７−１８４９５７号公報

しかし、上述の吸収性物品には、以下の問題があった。

サイドシートは、疎水性の不織布によって構成されているため、親水性の不織布からなる表面シートと比べて表面に経血が残りやすい。更に、サイドシート上に経血が残ると、経血が漏れて衣服が汚れてしまうことがある。また、着用者がサイドシート上に多くの経血が付着している状態を視認することにより、漏れに対する不安感が増すおそれがある。

また、近年、開発途上国や新興国においても、吸収性物品が普及してきている。本出願人が開発途上国等における使用態様を調査した結果、普及し始めたばかり国においては、吸収性物品を持ち歩くことに抵抗を感じる着用者が存在することがわかった。また、吸収性物品を持ち歩くことに抵抗がない着用者であっても、外出先において吸収性物品を交換する環境が整っていなかったり、捨てる場所がなかったりして、吸収性物品を適宜交換できない着用者が存在することがわかった。このような着用者は、吸収性物品を持ち歩いて適宜交換する着用者に比べて、日中における装着時間が長くなる。本出願人が調査した結果、新興国における吸収性物品の平均使用時間は、６〜８時間以上であった。

日中の装着時間が長くなると、歩行時等に脚によって挟まれる回数が増え、繰り返し吸収性物品が幅方向内側に圧縮される。吸収性物品が繰り返し幅方向内側に圧縮されると、吸収性物品の幅が更に短くなり、サイドシート上に付着する経血の量も増える。サイドシート上に付着する経血の量が多くなると、経血の漏れによる衣服の汚れや、着用者の漏れに対する不安感が更に増すことがある。

そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、長時間使用した場合であっても、吸収性物品の股下域における経血の漏れを抑制し、使用時の漏れに対する不安感を抑制できる吸収性物品を提供することを目的とする。

上述した課題を解決するため、本発明に係る吸収性物品（吸収性物品１）は、前後方向（前後方向Ｌ）と、前後方向に直交する幅方向（幅方向Ｗ）と、厚み方向と、を有し、液透過性の表面シート（表面シート１０）と、液不透過性の裏面シート（裏面シート２０）と、前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される吸収体（吸収体３０）と、前記吸収体の幅方向外側端部を覆う一対のサイドシート（サイドシート４１）と、を有し、前記一対のサイドシートの幅方向内側端部（幅方向内側端部４１Ｗ）は、前記厚み方向において前記吸収体と前記表面シートの間に配置され、前記一対のサイドシートは、前記表面シート及び前記吸収体よりも幅方向外側に延出しており、前記サイドシートの密度は、前記表面シートの密度よりも高いことを要旨とする。

本開示によれば長時間使用した場合であっても、吸収性物品の股下域における経血の漏れを抑制し、使用時の漏れに対する不安感を抑制できる吸収性物品を提供することができる。

第１の実施形態に係る吸収性物品の肌当接面側から見た平面図である。図１に示すＡ−Ａ断面の模式断面図である。図１に示す吸収性物品の装着状態を模式的に示す図である。変形例に係る吸収性物品の模式断面図である。

図面を参照して、実施形態に係る吸収性物品１について説明する。図１は、吸収性物品の平面図であり、図２は、図１に示すＡ−Ａ断面図である。本実施形態に係る吸収性物品１は、例えば、生理用ナプキンである。

実施の形態に係る吸収性物品は、着用者の身体前側と身体後側とに延びる前後方向と、前後方向に直交する幅方向と、着用者に向かう内方向及び内方向と反対側に向かう外方向を有する厚み方向と、を有する。吸収性物品は、昼用の生理用ナプキンである。したがって、本実施の形態に係る吸収性物品は、前後方向において着用者の前側に位置する前側領域ＦＡと、着用者の後側に位置する後側領域ＢＡとの長さが略同じである。

なお、後述する一対のウイング部の間の領域は、着用者の***口が当接する***口当接領域を含む中央領域ＣＡである。中央領域ＣＡよりも前側が前側領域ＦＡとなり、中央領域ＣＡよりも後側が後側領域ＢＡとなる。

なお、本実施の形態では、昼用の生理用ナプキンを例に挙げて説明しているが、本発明に係る吸収性物品は、夜用の生理用ナプキンにおいても適用することができる。夜用の生理用ナプキンは、前後方向において着用者の前側に位置する前側領域ＦＡよりも、着用者の後側に位置する後側領域ＢＡの方が長く構成されている。

吸収性物品１は、着用者の肌に当接する表面シート１０と、液体を透過しない液不透過性の裏面シート２０と、吸収体３０と、一対のサイドシート４１と、を有する。吸収体３０は、表面シート１０と裏面シート２０との間に配設される。従って、吸収体３０は、図１において破線で示される。吸収体３０は、吸収性物品１の前後方向Ｌ及び幅方向Ｗにおける中央部分に配設される。吸収性物品１は、図１に示す平面視にて、前後方向Ｌに直交する幅方向Ｗにおいて吸収体３０の外側に設けられるウイング部４３を備える。

表面シート１０は、経血等の体液を透過する液透過性のシートである。表面シート１０は、少なくとも吸収体３０の表面及びサイドシート４１の幅方向内側端部を覆う。表面シート１０は、不織布、織布、有孔プラスチックシート、メッシュシート等、液体を透過する構造のシート状の材料であれば、特に限定されない。織布や不織布の素材としては、天然繊維、化学繊維のいずれも使用できる。本実施の形態の表面シートは、目付２３ｇ/ｍ^２、密度０．０４５ｇ/ｍ³のエアスルー不織布である。

なお、資材の目付及び密度は、例えば、以下の測定方法によって測定することができる。包装体によって包装された吸収性物品においては包装体を開封し、折り畳まれた吸収性物品を展開して、目付及び密度を測定する部分の厚み及び面積を測定する。次いで、目付及び密度を測定する部分を吸収性物品から切り出し、切り出した部分の重量を測定する。次いで、切り出した部分から測定資材以外の部分を取り除き、測定資材の重量を測定する。測定資材の重量と、目付及び密度を測定する部分の面積とに基づいて目付を算出する。目付及び厚みに基づいて、密度を算出する。

天然繊維の例としては、粉砕パルプ、コットン等のセルロースが挙げられる。化学繊維の例としては、レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース、熱可塑性疎水性化学繊維、もしくは親水化処理を施した熱可塑性疎水性化学繊維が挙げられる。

熱可塑性疎水性化学繊維としては、ポリエチレン（PE）、ポリプロピレン（PP）、ポリエチレンテレフタレート（PET）等の単繊維、PEとPPをグラフト重合してなる繊維、芯鞘構造等の複合繊維が例として挙げられる。

なお、特に不織布には、ウェブフォーミングは、乾式（カード法、スパンボンド法メルトブローン法、エアレイド法等）や湿式等のいずれか、又は複数を組み合わせて行ってもよい。また、ボンディングの方法としては、サーマルボンディング、ニードルパンチ、ケミカルボンディング等の方法が挙げられるが、特にこれらの方法に限定されるものではない。また、水流交絡法によりシート状に形成したスパンレースを用いても良い。

有孔プラスチックシートとしては、PE、PP、PETといった熱可塑性樹脂の有孔シートや、多孔質の発泡材等を用いることができる。また、これらについては必要に応じて酸化チタンや炭酸カルシウム等からなるフィラーを0.5〜10%の範囲で混入することにより、白濁化させて使用することも好ましい。また、前記熱可塑性樹脂からなるフィルムを、パーフォレーション、ヒートエンボス加工、或いは機械加工等により開孔した有孔フィルムを使用しても良い。有孔フィルムは、不織布との複合シートとして使用しても良い。

なお、表面シート１０は、サイドシート４１の少なくとも一部に重なっていればよく、より好適には、サイドシート４１の幅方向における全体長さに対する１／３以上重なっていることが好ましい。

裏面シート２０は、表面シート１０の長さと略同一の長さを有する。裏面シート２０は、表面シートと異なる材料からなる。ポリエチレンシート、ポリプロピレン等を主体としたラミネート不織布、通気性の樹脂フィルム、スパンボンド、又はスパンレース等の不織布に通気性の樹脂フィルムが接合されたシートなどを用いることができる。裏面シート２０は、着用時の違和感を生じさせない程度の柔軟性を有する材料とすることが好ましく、例えば低密度ポリエチレン（LDPE）樹脂を主体とした目付15〜30g/m²の範囲から得られるフィルムを用いることができる。裏面シート２０は、不透液性且つ透湿性であることが望ましく、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂に無機充填剤を溶融混練したものを延伸処理した微多孔性シートによって構成することができる。

吸収体３０は、親水性繊維、パルプを含む。吸収体３０は、経血などの体液を吸収可能な材料によって形成される。例として、粉砕パルプ、コットン等のセルロース、レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース、粒子状ポリマー、繊維状ポリマー、熱可塑性疎水性化学繊維、もしくは親水化処理を施した熱可塑性疎水性化学繊維、ケミカルボンド処理されたエアレイドパルプ等を単独又は混合して用いることができる。

これらの材料を吸収体に成形する方法は特に限定されるものではないが、例えばエアレイド法、メルトブローン法、スパンレース法、抄紙法等によってシート化したものが使用される。また、吸収体としてセルロース発泡体、合成樹脂の連続発泡体等も使用することができる。さらに、発泡体又は前記シート化した材料を粉砕した後に吸収体に成形したものを使用することも可能である。これらの中でも、パルプを80〜100%の範囲、粒子状ポリマーを20〜0%の範囲で混合し、テッィシュで被覆した後、エンボス加工によりシート化した目付100〜2000g/m²、1〜50mmの嵩を有する吸収体が挙げられる。エンボス加工は吸収体の型崩れを防止するためであり、エンボス面積率は10〜100%の範囲、好ましくは30〜80%の範囲である。

吸収体３０は、親水性繊維又は粉体をエアレイド法によって積層して形成されてもよいし、親水性繊維又は粉体をエアレイド法によってシート状に成形したエアレイドシートでもよいし、ティッシュ（例えば、目付１５ｇ／ｍ^２）上に高吸収ポリマーを混入した粉砕パルプを配置し、ティッシュで包むことによって形成されていてもよい。

さらには、薄型の吸収体の材料の他の例としては、吸収シート及びポリマーシートが挙げられ、その厚さは、0.3〜5ｍｍであるのが好ましい。この吸収シート及びポリマーシートとしては、通常、生理用ナプキンなどの吸収性物品に用いられるものであれば特に制限なく用いることができる。

吸収シートとしては、吸収紙や不織布、繊維をバインダー等でシート化したパルプシート等が挙げられ、上記ポリマーシートとしては、粉砕パルプ、及び繊維に粒子状ポリマーを混合してシート状に形成したシート等が挙げられる。尚、繊維に粒子状ポリマーを混合してシート状に形成したシートとしては、粒子状ポリマーが層状に分散されているもの、三次元状に分散されているもののいずれも用いることができる。

吸収シートを形成する材料及びポリマーシートに用いられる繊維としては、木材パルプ等のセルロース繊維、レーヨン、キュプラ等の再生セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維やポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維、若しくは、界面活性剤等で繊維表面を親水化したポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン／ポリプロピレン複合繊維、ポリエチレン／ポリエチレンテレフタレート複合繊維が好ましく、親水性が良好に維持される点からは、セルロース繊維がより好ましい。

ポリマーシートに用いられる粒子状ポリマーとしては、自重の２０倍以上の液体を吸収・保持でき且つゲル化し得るものが好ましく、そのような例としては、デンプンや架橋カルボキシメチル化セルロース、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体等を挙げることができる。

本実施の形態に係る吸収体３０は、綿状パルプや合成パルプ等を目付１００〜３００ｇ／ｍ^２程度に積層したパルプを保護紙（図示せず）で包むことによって構成されている。保護紙は、パルプの形状を保持するためのものであり、例えばクレープ紙やティッシュペーパーなどを用いることができる。

吸収体３０は、前後方向に延びる形状であり、裏面シート２０よりも略一回り程度小さい。吸収体３０の幅方向Ｗの長さは、成人女性の股間隔に対応しており、概ね５０〜８０ｍｍである。吸収体３０は、ホットメルトなどの接着剤によって裏面シート２０に接着される。

サイドシート４１は、吸収体３０の幅方向外側端部を覆う。サイドシート４１は、表面シート１０及び裏面シート２０と異なる材料からなる。サイドシート４１は、不織布、織布、開孔フィルム、メッシュシート等、液体を透過する構造のシート状の材料であれば、特に限定されない。サイドシート４１を構成する不織布としては、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、ＳＭＳ不織布、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布を例示できる。サイドシート４１の強度を確保する観点では、サイドシート４１は、ＳＭＳ不織布によって構成されていることが好ましい。なお、サイドシート４１及び表面シート１０については、後述にて詳細に説明する。

サイドシート４１の幅方向内側端部４１Ａは、厚み方向において吸収体３０と表面シート１０の間に配置される。すなわち、表面シート１０、サイドシート４１、吸収体３０及び裏面シート２０が積層された領域では、着用者の肌当接面側から表面シート１０、サイドシート４１、吸収体３０及び裏面シート２０の順で配置される。サイドシート４１の幅方向外側端部４１Ｂは、裏面シート２０の肌当接面側に位置し、裏面シート２０の幅方向外側端部に一致する。サイドシート４１は、吸収体３０の側縁の一部及びウイング部４３を覆う。

なお、サイドシート４１は、少なくとも吸収体３０及び表面シート１０の一部を覆うように配置されていればよく、本実施の形態の構成に限定されない。具体的には、サイドシート４１の幅方向外側端部が裏面シート２０の幅方向外側端部よりも幅方向内側に配置されていてもよい。

吸収性物品１では、表面シート１０、サイドシート４１、及び裏面シート２０の周縁が接合されて、吸収体３０が内封される。表面シート１０と裏面シート２０との接合方法としては、ヒートエンボス加工、超音波、又はホットメルト接着剤のいずれか一つ、又は複数を組み合わせることが可能である。

裏面シート２０において、下着と接触する表面には、複数の領域において粘着剤（図示せず）が塗布されている。粘着剤は、吸収体３０の裏面側において前後方向Ｌに沿って間欠的に配置されている。粘着剤は、ウイング部４３において、下着と接触する表面にも設けられる。使用前の状態では、粘着剤は、図示しない剥離シートに接している。剥離シートは、使用前に粘着剤が劣化するのを防止している。そして、使用時に着用者によって剥離シートが剥離される。

なお、剥離シートを有しない吸収性物品においては、吸収性物品を個別に包装する包装シートによって使用前に粘着剤が劣化するのを防止するように構成されていてもよい。粘着剤と包装シートが接する場合には、包装シートの表面には、粘着剤の粘着力を低下させることなく粘着剤を剥離可能にする処理を施すことが望ましい。

吸収性物品１には、表面シート１０及び吸収体３０を厚み方向に圧縮した圧搾部８０が形成されている。圧搾部８０は、吸収性物品１の表面シートの肌当接側と吸収体３０の非肌当接側（衣服当接面側）に対して加工が施されることによって形成された溝である。圧搾部８０は、環状の第１圧搾部８１と、第１圧搾部の幅方向外側かつ前後方向外側において配置された環状の第２圧搾部８２と、を有する。

次いで、また、サイドシート４１の密度は、表面シート１０の密度よりも高い。表面シート１０及びサイドシート４１が不織布によって構成されている場合には、サイドシート４１の繊維の密度は、表面シート１０の繊維の密度よりも高く構成されている。サイドシート４１の密度が、表面シート１０の密度よりも高く構成されていればよく、サイドシートの繊維の目付が、表面シート１０の繊維の目付よりも低く構成されていてもよい。

このような表面シートとサイドシートの組み合わせとしては、表面シートが、密度０．０４５〜０．０９８からなるエアレイド不織布、ポイントボンド不織布、及びエアスルー不織布であって、サイドシートが、密度０．１以上からなるスパンボンド不織布及びＳＭＳ不織布を例示できる。

また、表面シート１０が厚み方向Ｔに貫通する複数の孔部１０Ａが形成された開口フィルムによって構成されている場合には、孔部による空隙によって表面シート１０の密度が相対的に低くなる。図４に、表面シート１０が開孔フィルムによって構成された形態の模式断面図を示す。当該模式断面図は、吸収性物品の前後方向に直交し、かつ幅方向に沿った断面における模式断面図である。

このような開孔フィルムからなル表面シートとサイドシートの組み合わせとしては、表面シートが、密度０．０５〜０．５からなる開孔フィルムであって、サイドシートが、密度０．１以上からなる不織布や非通気性フィルムを例示できる。また、表面シートを構成する開孔フィルムの開孔率は、１〜９％がよく、より良くは２０〜８０％、さらにより良くは１０〜３０％が好ましい。

なお、開孔率とは、全体面積に対する孔の面積の比率（％）である。開孔率の測定は、例えば、以下の方法によって測定できる。５０ｍｍ×５０ｍｍのサンプルを作成し、顕微鏡を用いて当該サンプルにおける１個当たりの開孔の面積を算出する。１個当たりの開孔の面積に、サンプルの開孔の数を掛けることによって、サンプルの開孔面積を算出する。サンプルの開口面積をサンプルの面積によって割ることにより、開孔率を算出できる。

吸収体３０の幅方向外側端部や吸収体３０の側部に残った経血は、表面シート１０上に付着する。このとき、サイドシート４１の密度が比較的高く、表面シート１０の密度が比較的低いため、密度の低い表面シート１０から密度の高いサイドシート４１に向かって経血が引き込まれる。よって、吸収体よりも幅方向外側の領域に付着した経血が表面シート１０上に残ることを抑制できる。

例えば、吸収性物品１を長時間使用すると、吸収性物品１全体が経血によって汚れ、吸収性物品１を交換するか否かを見た目によって判断し難くなる。また、吸収性物品を長時間使用すると、吸収体３０の幅方向の長さが短くなり、ウイング部４３にも経血が付着することがある。特に、サイドシート４１に経血が詰まることにより、吸収性物品１を視認した使用者が漏れを想起してしまうことがある。また、サイドシート４１の汚れにより、使用者の衣服が汚れてしまうことがある。

しかし、サイドシート４１の幅方向内側端部を表面シート１０で覆い、当該表面シート１０上に付着した経血を、サイドシート４１を介して吸収体３０に円滑に導くことにおり、表面シート１０上に残る経血を少なくし、使用者の漏れや汚れに対する不安感を抑制できる。本実施の形態の吸収性物品によれば、長時間使用した場合であっても、吸収性物品の股下域における経血の漏れを抑制し、使用時の漏れに対する不安感を抑制できる。

また、サイドシートと表面シートの疎密構造によりウイング部４３に経血が少量付着しても、当該経血を非肌当接面側に引き込むことができるため、使用面の経血による汚れを軽減することができる、使用時の経血の漏れに対する不安や使用時の違和感を防ぐことができ、使用者が安心して商品を使うことができる。

表面シート１０、吸収体３０、及びサイドシート４１が重なり合う部分は、接着剤のみによって接合されており、熱溶着や超音波溶着によって接合されていない。例えば、熱溶着によって各部材を接合すると、溶着によって高密度部位が部分的に形成される。よって、サイドシート４１と表面シート１０の疎密構造が維持されず、サイドシート４１側への引き込み性が維持できないことがある。また、高密度部位が部分的に形成されると、装着時にウイング部を意図した位置で折り畳めないことがある。表面シート１０、吸収体３０、及びサイドシート４１が重なり合う部分を接着剤のみによって接合することにより、高密度部位が形成されないため、これらの不具合を抑制できる。また、熱溶着や超音波溶着を施すための基剤や熱源が不要であり、製造整備を簡素化することができる。

また、例えば、熱溶着によって各部材を接合すると、熱溶着を施した部分が凹んで繊維間の空隙が少なくなったり、熱溶着を施した部分が溶けたりして、当該部分の体液の引き込み性が低下するおそれがある。接着剤のみによって接合するため、接合による引き込み性の悪化を抑制できる。

このような接着剤としては、ゴム系、ポリオレフィン系が好ましい。または、接着性の観点からオレフィン系ホットメルト型接着剤が好ましい。接着剤の塗布方法としては、接着剤を溝に当てて塗工するスロット塗工、接着剤をオメガ状に塗布するオメガ塗工、接着剤をスパイラル状に塗布するスパイラル塗工、接着剤を線状に塗布するビード塗工を例示できる。より好適には、コーター塗工によって接着剤を直接資材に塗工することが好ましい。

表面シート１０、サイドシート４１、及び吸収体３０が重なる領域には、サイドシート４１と表面シート１０を接合した接合部が設けられている。表面シート１０、サイドシート４１、及び吸収体が重なる領域とは、厚み方向に表面シート１０、サイドシート４１、及び吸収体が積層された領域であり、各部材が直接重なる領域のみならず、各部材が間接的に重なる領域も含むものである。サイドシート４１と表面シート１０を接合した接合部は、当該表面シート１０、サイドシート４１、及び吸収体３０が重なる領域の少なくとも一部に設けられている。当該構成によれば、各資材の密着性を高め、表面シート１０上に付着した経血をサイドシート４１側に更に引き込み易くなり、当該サイドシート４１を介して吸収体３０に経血を吸収させることができる。

また、サイドシート４１と裏面シート２０は、接着剤等によって接合され、一体化されている。そのため、ウイング部４３を補強でき、ウイング部４３が破れ難くなる。また、液不透過性の裏面シート２０とサイドシート４１を一体化することにより、ウイング部４３の防漏性を高めることができる。なお、本実施の形態では、ウイング部４３におけるサイドシート４１と裏面シート２０の間に補強シート４２が設けられているが、当該構成に限られない。変形例に係る吸収性物品１において、補強シートを備えていなくてもよいし、補強シートがサイドシートの幅方向外側端部まで延出していてもよい。

上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。

変形例において、表面シート１０、サイドシート４１、及び吸収体３０が重なる領域には、圧搾部８０が形成されていてもよい。当該構成によれば、圧搾部を介して、表面シート１０上に付着した経血をサイドシート４１及び吸収体３０側に効率よく引き込むことができる。

１：吸収性物品
１０：表面シート
２０：裏面シート
３０：吸収体
４１：サイドシート
４１Ａ：幅方向内側端部
４１Ｂ：幅方向外側端部
４２：補強シート
４３：ウイング部
８０：圧搾部
８１：第１圧搾部
８２：第２圧搾部
ＢＡ：後側領域
ＣＡ：中央領域
ＦＡ：前側領域
Ｌ：前後方向
Ｗ：幅方向

Claims

前後方向と、前後方向に直交する幅方向と、厚み方向と、を有し、
液透過性の表面シートと、
液不透過性の裏面シートと、
前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置される吸収体と、
前記吸収体の幅方向外側端部を覆う一対のサイドシートと、を有し、
前記一対のサイドシートの幅方向内側端部は、前記厚み方向において前記吸収体と前記表面シートの間に配置され、
前記一対のサイドシートは、前記表面シート及び前記吸収体よりも幅方向外側に延出しており、
前記サイドシートの密度は、前記表面シートの密度よりも高く、
前記表面シート及び前記サイドシートは、不織布によって構成されており、
前記表面シート、前記吸収体、及び前記サイドシートが重なる部分は、接着剤のみによって接合されている、吸収性物品。
前記表面シート、前記サイドシート、及び前記吸収体が重なる領域には、前記サイドシートと前記表面シートを接合した接合部が設けられている、請求項１に記載の吸収性物品。
前記表面シート、前記サイドシート、及び前記吸収体が重なる領域には、前記サイドシート、前記表面シート及び前記吸収体を前記厚み方向に圧搾した圧搾部が形成されている、請求項１又は請求項２に記載の吸収性物品。