JP5798842B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、緩衝器の改良に関する。
従来の緩衝器は、たとえば、内部に挿入されたピストンで区画されるピストン側室を備えたシリンダと、シリンダを覆ってこのシリンダとの間にリザーバを形成する外筒と、外筒の端部を閉塞するロアキャップと、シリンダの端部に嵌合されるとともにシリンダとロアキャップとで挟持されてピストン側室とリザーバとを仕切るバルブケースと、バルブケースに設けられてピストン側室からリザーバへ向かう流体の流れに抵抗を与えるベースバルブとを備えて構成されるものがある。
バルブケースは、シリンダ端部に嵌合するとともにベースバルブを保持する円盤状のケース本体と、ケース本体の下端外周から垂下される筒状の脚部とを備えており、この緩衝器にあっては、脚部をロアキャップに当接させている。このように脚部をロアキャップに当接させてもリザーバとピストン側室との連通が断たれないように、脚部に脚部内とリザーバとを連通する多数の切欠が設けられている。
また、緩衝器を組み立てる際には、予め、外筒にロアキャップを溶接して取り付けた状態にしてから、シリンダ端にベースバルブを組み付けたバルブケースを嵌合してこれらをアッセンブリ化しておき、外筒内へシリンダとともにバルブケースを挿入するようにする。このような組み立て行程を採用する場合、外筒に対してシリンダを調心する必要があることから、ロアキャップの内周面をすり鉢状とする一方、バルブケースの脚部の下端面をロアキャップの内周面に倣うテーパ面としてある。このようにすることで、ロアキャップの内周面にバルブケースの脚部の下端面を押しつけると、バルブケースの脚部がロアキャップの内周面によって案内されて調心され、その結果、シリンダも外筒に対して調心されることになる(たとえば、特許文献1参照)。
このように調心された後は、外筒の上端開口部を加締めることで、シリンダの上端に嵌合されるロッドガイドを介してシリンダに軸力を作用させ、外筒内でシリンダおよびバルブケースが固定されることになる。
特開2007−155080号公報
上記した緩衝器にあっては、外筒の上端対向部を加締めることによってシリンダに作用する軸力がバルブケースに設けた脚部に作用し、このため、上記脚部は、上記軸力によってロアキャップに押しつけられている。
そして、外筒に対するシリンダの調心を、バルブケースの脚部の下端面をテーパ面とし、ロアキャップの内周面をすり鉢状とすることで行っているため、脚部には、上記軸力の作用によって当該脚部を内側へ向けて折り曲げようとするモーメントが作用する。脚部は曲げに対して脆弱であるため、脚部がモーメントを受けて内側に折り曲げられて撓み、この撓みがケース本体にも伝播して、ケース本体も撓んでシリンダ内側へ凸となるように湾曲することになる。
ここで、バルブケースにおけるケース本体は、リザーバとピストン側室とを連通する圧側ポートと吸込ポートを備え、ケース本体のリザーバ側には圧側ポートを開閉する積層リーフバルブで構成したベースバルブが積層され、ケース本体のピストン室側には吸込ポートを開閉するチェックバルブが積層されている。
ケース本体が撓めば、これに積層されているベースバルブおよびチェックバルブもこれに倣って撓むため、ベースバルブおよびチェックバルブの開弁圧に影響し、また、ケース本体の撓み量をコントロールすることは困難であるから、緩衝器が設計通りの減衰力を発生できず、製品毎に減衰力がバラついてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、バルブケースを外筒に対して調心しつつも製品毎にバラツキの少ない、設計通りの減衰力を発生することができる緩衝器を提供することである。
上記した課題を解決するために、本発明の課題解決手段は、シリンダと、当該シリンダを覆ってこのシリンダとの間にリザーバを形成する外筒と、当該外筒の端部を蓋するロアキャップと、上記シリンダの端部に嵌合されるとともに当該シリンダと上記ロアキャップとで挟持されて上記シリンダ内と上記リザーバとを仕切るバルブケースと、当該バルブケースに設けられて上記シリンダ内から上記リザーバへ向かう流体の流れに抵抗を与えるベースバルブとを備えた緩衝器において、上記ロアキャップが周方向の交互に配置して設けた凹部と凸部を備え、上記ロアキャップの凸部は、上記シリンダ内側へ突出するとともに上記バルブケースに当接するテーパ面状或いは球面状の当接面を有し、上記ロアキャップの凹部は、上記バルブケースとの間に隙間を形成し、当該隙間を介してリザーバとシリンダ内とが連通し、上記ロアキャップの凸部と上記バルブケースとの当接部を、上記シリンダの端部を軸方向に投影した範囲内に収めたことを特徴とする。
このように、本発明の緩衝器では、ロアキャップに凹部と凸部とを設けて、凸部をバルブケースに当接させて、凹部でバルブケースとの間にリザーバとシリンダ内とを連通する通路として機能する隙間を形成するようにしたので、従来の緩衝器のようにバルブケースに曲げに脆弱な脚部を設ける必要がなくなる。バルブケースに曲げに脆弱な脚部を設ける必要がないので、本発明の緩衝器では、従来緩衝器のように、バルブケースにシリンダから作用する荷重により脚部に生じるモーメントの影響でバルブケースも大きく撓んでしまうといった事態が生じない。それゆえ、本発明の緩衝器では、バルブケースには、シリンダから受ける軸力によって撓みにくくなるため、バルブケースに積層されるベースバルブにバルブケース自体の撓みによる余計な撓みを生じさせず、ベースバルブの開弁圧が設計通りとなる。
また、ロアキャップの凸部がシリンダ内側へ突出するとともにバルブケースに当接するテーパ面状或いは球面状の当接面を有し、ロアキャップの凹部がバルブケースとの間に隙間を形成するので、調心機能を発揮しつつリザーバとシリンダ内とを連通する通路を設けることができる。
以上より、本発明の緩衝器によれば、バルブケースを外筒に対して調心しつつも、バルブケースに積層されるベースバルブの開弁圧を設計通りに設定することができ、設計通りの減衰力を発生でき、製品毎に減衰力がバラついてしまう問題を解消することができる。
一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態における緩衝器のボトム部の拡大縦断面図である。 一実施の形態の一変形例における緩衝器のロアキャップの平面図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1および図2に示すように、一実施の形態における緩衝器Dは、シリンダ1と、当該シリンダ1を覆ってこのシリンダ1との間にリザーバRを形成する外筒2と、外筒2の端部を蓋するロアキャップ3と、シリンダ1の端部に嵌合されるとともにシリンダ1とロアキャップ3とで挟持されてシリンダ1内とリザーバRとを仕切るバルブケース4と、バルブケース4に設けられてシリンダ1内からリザーバRへ向かう流体の流れに抵抗を与えるベースバルブ5とを備えて構成されている。
また、本実施の形態では、緩衝器Dは、図1に示すように、上記構成に加えて、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン6と、一端がピストン6に連結されてシリンダ1内に移動自在に挿入されるピストンロッド7と、シリンダ1と外筒2の図1中上端を閉塞するとともにピストンロッド7を摺動自在に軸支するロッドガイド8とを備えている。そして、シリンダ1、バルブケース4およびロッドガイド8は、この例では、外筒2の上端開口部を加締めることで、外筒2の加締部2aとロアキャップ3とで挟持されて外筒2内に位置決めされつつ収容されている。さらに、シリンダ1内の伸側室R1と圧側室R2には、作動油等の液体が充填され、リザーバR内には、液体と気体とが充填されている。なお、上記の液体としては、作動油のほか水や水溶液等を用いてもよい。また、リザーバR内に充填される気体は、液体を作動油とする場合、液体の性状を変化させにくい窒素等の不活性ガスとされるとよい。
また、上記ピストン6には、伸側室R1から圧側室R2へ向かう流体の流れに抵抗を与える伸側減衰通路11と、圧側室R2から伸側室R1へ向かう流体の流れのみを許容するピストン通路12とが設けられている。
バルブケース4には、圧側ポート13と吸込ポート14が設けられている。この圧側ポート13は、バルブケース4の図1中下端となる反シリンダ側端に積層される環状のベースバルブ5によって開閉されるようになっていて、シリンダ1内からリザーバRへ向かう流体の流れのみを許容するようになっている。また、吸込ポート14は、バルブケース4の図1中上端となるシリンダ側端に積層される環状のチェック弁16によって開閉されるようになっていて、リザーバRからシリンダ1内へ向かう流体の流れのみを許容するようになっている。
したがって、この緩衝器Dがシリンダ1に対してピストン6が図1中上方へ移動する伸長作動を呈する場合には、液体が圧縮される伸側室R1から拡大される圧側室R2へ伸側減衰通路11を介して移動する。この液体の流れに伸側減衰通路11が抵抗を与えるので、伸側室R1と圧側室R2とに差圧が生じて、緩衝器Dは伸長を妨げる伸側減衰力を発揮する。なお、緩衝器Dの伸長作動時には、ピストンロッド7がシリンダ1から退出する体積分の液体がシリンダ1内で不足するので、チェック弁16が開いて不足分の液体が吸込ポート14を介してシリンダ1内に供給される。
反対に、緩衝器Dがシリンダ1に対してピストン2が図1中下方へ移動する収縮作動を呈する場合には、液体が圧縮される圧側室R2から拡大される伸側室R1へピストン通路12を介して移動する。さらに、ピストンロッド7がシリンダ1内へ侵入する体積分の液体がシリンダ1内で過剰となるので、この過剰分の液体がベースバルブ15を開いて圧側ポート13を介してリザーバRへ排出される。そして、液体がベースバルブ15を通過する際に抵抗が与えられて、シリンダ1内の圧力が上昇して、緩衝器Dは収縮を妨げる圧側減衰力を発揮する。
バルブケース4は、図1および図2に示すように、円盤状とされており、シリンダ1の図1中下端内周に嵌合する小径嵌合部17と、小径嵌合部17より外径が大径であってシリンダ1とロアキャップ3との間に挟持される大径挟持部18とを備えている。なお、大径挟持部18の図1中下端外周は、テーパ状に面取が施されており、面取部23が設けられている。
また、バルブケース4は、シリンダ側端となる小径嵌合部17における図1中上端から反シリンダ側端となる大径挟持部18における図1中下端に抜ける圧側ポート13および吸込ポート14と、ベースバルブ5およびチェック弁16とをバルブケース3へ固定するガイドロッド19が挿通される挿通孔20とを備えている。
なお、この実施の形態の場合、圧側ポート13は、バルブケース4に同一円周上に複数設けられており、吸込ポート14についても同様にバルブケース4に圧側ポート13が設けられる円周より大径な円の円周上に複数設けられているが、これらポートのそれぞれの設置数は任意であり単数であってもよい。
そして、バルブケース4のシリンダ側端である図1中上端には、吸込ポート14の出口端を開閉する環状のチェック弁16が積層され、反シリンダ側端である図1中下端には、圧側ポート13の出口端を開閉する環状のベースバルブ5が積層される。また、これらベースバルブ5およびチェック弁16は、バルブケース4の挿通孔20に挿入されるガイドロッド19の外周に組みつけられて、バルブケース4に保持される。具体的には、ガイドロッド19は、挿通孔20に挿入される軸部19aと、軸部19aの基端に設けた鍔部19bと、軸部19aの先端に設けた螺子部19cとで構成されている。そして、このガイドロッド19の螺子部19cには、ナット21が螺着される。こうすることで、ガイドロッド19の軸部19aの外周に装着されたベースバルブ5およびチェック弁16は、内周側が鍔部19bとナット21とで挟持され、外周側の撓みが許容されてバルブケース4に固定される。
以上のようにバルブケース4に固定されたベースバルブ5は、緩衝器Dの収縮作動によって上昇する圧側室R2の圧力を受けて撓んで、圧側ポート13を開放して圧側室R2からリザーバRへ向かう液体の流れを許容しつつ、当該流れに抵抗を与えるが、反対向きの流れを阻止する。他方のチェック弁16は、緩衝器Dの伸長作動によって圧側室R2が減圧されると撓んで吸込ポート14を開放し、リザーバRから圧側室R2への液体の流れを許容するが、反対向きの流れを阻止する。チェック弁16は、透孔を備える等して、圧側ポート13の圧側室側の開口端を閉塞しないように配慮される。ベースバルブ5の外径は、吸込ポート14を閉塞しない外径に設定されていて、吸込ポート14に影響を与えないようになっている。このように、ベースバルブ5とチェック弁16は、バルブケース4に設ける圧側ポート13と吸込ポート14の配置や構造によって、共に自身が開閉しないポートに影響を与えないように配慮される。また、ベースバルブ5は、この場合、複数の環状板を重ねて構成されているが、環状板の枚数については、緩衝器Dに要求される圧側減衰力の特性に応じて決定される。
つづいて、ロアキャップ3は、外筒2の下端を蓋して閉塞する。具体的には、外筒2の図1中下端に皿状のロアキャップ3の外周を嵌合し、これらの嵌合部を溶接することでロアキャップ3が外筒2に一体化される。なお、ロアキャップ3は、外筒2と別部品とされているが、外筒2の下端に底を設ける加工を行って当該底をロアキャップとして機能させるようにしてもよく、これらは一部品として形成されてもよい。
そして、ロアキャップ3は、この場合、図1および図2に示すように、凹部3aおよび凸部3bを備えている。詳しくは、凹部3aと凸部3bとは、ロアキャップ3の周方向に交互に配置して設けられており、この場合、それぞれ三つずつ設けられている。そして、凹部3aと凸部3bとは、共に、少なくとも、バルブケース4の反シリンダ側端となる大径挟持部18の下端となる反シリンダ端の外周にその軸線方向となる図1中上下方向で対向するように設けられている。そして、凸部3bは、シリンダ1側へ突出していて、当該凸部3bのみがバルブケース4の大径挟持部18の反シリンダ端の外周に当接し、他方の凹部3aはバルブケース4に当接せずに、バルブケース4との間に隙間Sが形成されるようになっている。また、凸部3bのバルブケース4への当接面Tは、図2に示したところでは、内周側ほどバルブケース4から軸方向に遠ざかるような傾斜を持つテーパ面とされている。したがって、バルブケース4の大径挟持部18の下端外周をロアキャップ3の凸部3bへ当接させつつ、バルブケース4へ軸方向の荷重を与えると、バルブケース4は、凸部3bのテーパ面に倣って調心されるようになっている。なお、凸部3bのバルブケース4との当接面Tをテーパ面状とするほか、球面状とされても同様にバルブケース4の調心機能を発揮することができる。なお、凹部3aと凸部3bは、少なくともそれぞれ一つ以上設けられていればよいが、上記した調心機能の発揮を期待するのであれば、それぞれ三つ以上とするとよい。また、凹部3aと凸部3bの周方向幅は、図示したところでは、共に同じに設定しているが、任意に設定することができる。ロアキャップ3は、たとえば、プレス成型や鍛造その他の加工によって製造することができる。
そして、バルブケース4を外筒2へ組み付けるには、シリンダ1の図1中下端に小径嵌合部17を嵌合し、シリンダ1とともに外筒2内へ挿入し、大径挟持部18を外筒2の下端を閉塞するロアキャップ3の凸部3bに当接させる。その際、上記したように、シリンダ1を介してバルブケース4をロアキャップ3の凸部3bへ押しつけると、上記したようにバルブケース4がロアキャップ3によって調心され、シリンダ1およびバルブケース4は、外筒2に調心される。なお、バルブケース4の大径挟持部18の下端外周に面取部23を設けており、当該面取部23が凸部3bにおけるバルブケース4への当接面Tであるテーパ面状の上端面に当接されるため、バルブケース4をロアキャップ3へ押しつけるとバルブケース4は、滑らかに当接面T上を滑って調心されるので、シリンダ1を外筒2に対して確実かつ円滑に調心することができる。外筒2内にシリンダ1とバルブケース4を収容した後、ロッドガイド8を外筒2とシリンダ1に嵌合するとともに、シール部材22を積層し、外筒2の外周を加締めることで、当該加締めによる軸力がシール部材22、ロッドガイド8、シリンダ1およびバルブケース4に作用し、外筒2にこれら部品が強固に固定される。なお、上記したシリンダ1およびバルブケース4の固定方法は一例であって、外筒2の管端を加締める他、外筒2の上端内周に螺着される外周に螺子部を持つナットによってもよいし、他の方法を採用してもよい。
このように、バルブケース4がシリンダ1とともに外筒2に固定されることで、バルブケース4は、シリンダ1内とシリンダ1と外筒2との間に形成されるリザーバRとを仕切ることとなるが、上記したようにバルブケース4とロアキャップ3との間には凹部3aを設けることで隙間Sが形成され、この隙間SがリザーバRとシリンダ1内の圧側室R2とを連通する通路として機能する。そのため、この緩衝器Dにあっては、従来の緩衝器のバルブケースのように、バルブケースの下端に通路として機能する切欠を備えた筒状の脚部を設ける必要がなくなるのである。
つまり、本発明の緩衝器Dによれば、ロアキャップ3に凹部3aと凸部3bとを設けて、凸部3bをバルブケース4に当接させて、凹部3aでバルブケース4との間にリザーバRとシリンダ1内とを連通する通路として機能する隙間Sを形成するようにしたので、従来の緩衝器のようにバルブケースに曲げに脆弱な脚部を設ける必要がなくなる。バルブケース4に曲げに脆弱な脚部を設ける必要がないので、本発明の緩衝器Dでは、従来緩衝器のように、バルブケースにシリンダから作用する荷重により脚部に生じるモーメントの影響でバルブケースも大きく撓んでしまうといった事態が生じない。それゆえ、本発明の緩衝器Dでは、バルブケース4には、シリンダ1から受ける軸力によって撓みにくくなるため、バルブケース4に積層されるベースバルブ5やチェック弁16にバルブケース4自体の撓みによる余計な撓みを生じさせず、これらの開弁圧が設計通りとなる。
また、ロアキャップ3が周方向の交互に配置されるように設けた凹部3aと凸部3bを備え、ロアキャップ3の凸部3bがシリンダ1内側へ突出するとともにバルブケース4に当接するテーパ面状或いは球面状の当接面Tを有し、ロアキャップ3の凹部3bがバルブケース4との間に隙間Sを形成するので、調心機能を発揮しつつリザーバRとシリンダ1内とを連通する通路を設けることができる。
したがって、本発明の緩衝器Dによれば、バルブケースを外筒に対して調心しつつも、バルブケース4に積層されるベースバルブ5やチェック弁16の開弁圧を設計通りに設定することができ、設計通りの減衰力を発生でき、そのため、製品毎に減衰力がバラついてしまう問題を解消することができるのである。
また、本発明の緩衝器Dにあっては、シリンダ1とロアキャップ3のみでバルブケース4を所定位置へ固定でき、バルブケースをシリンダの途中に固定的に取り付けたり、シリンダ1内の途中にバルブケースを設けるために筒状のスペーサを設けたりする必要もないので、組み付け性と経済性の点で非常に有利となる。
さらに、バルブケース4が、円盤状であって、シリンダ1に嵌合される小径嵌合部17と、小径嵌合部17より外径が大径であってシリンダ1とロアキャップ3との間に挟持される大径挟持部18とを備え、大径挟持部18の外周をロアキャップ3の凸部3bへ当接させることで、バルブケース4の形状を単純化しつつロアキャップ3の凸部3bで調心させることができる。
また、図3に示すように、凸部3bとバルブケース4との当接部は、シリンダ1の端部を軸方向に投影した範囲内(斜線範囲)に収まるようにしておくと、シリンダ1からの軸力の作用によるモーメントを減少させることができる。つまり、バルブケース4の大径挟持部18を挟持するシリンダ1とロアキャップ3の凸部3bから大径挟持部18に与える荷重の作用線のずれが小さくなるので、作用線のずれによるモーメントを減少させることができる。よって、凸部3bとバルブケース4との当接部は、シリンダ1の端部を軸方向に投影した範囲内(斜線範囲)に収まるようにしておくことによって、従来緩衝器に比較して、脆弱な脚部をなくすることでバルブケース4自体の撓み減少させるという効果に加えて、作用線のずれによるモーメントを減少させることができ、よりバルブケース4の撓みを抑制でき、減衰力のバラつき低減効果がより高くなる。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
1 シリンダ
2 外筒
3 ロアキャップ
3a 凹部
3b 凸部
4 バルブケース
5 ベースバルブ
17 小径嵌合部
18 大径挟持部
D 緩衝器
R リザーバ
S 隙間
T 当接面

Claims (3)

  1. シリンダと、
    当該シリンダを覆ってこのシリンダとの間にリザーバを形成する外筒と、
    当該外筒の端部を蓋するロアキャップと、
    上記シリンダの端部に嵌合されるとともに当該シリンダと上記ロアキャップとで挟持されて上記シリンダ内と上記リザーバとを仕切るバルブケースと、
    当該バルブケースに設けられて上記シリンダ内から上記リザーバへ向かう流体の流れに抵抗を与えるベースバルブとを備えた緩衝器において、
    上記ロアキャップが周方向の交互に配置して設けた凹部と凸部を備え、
    上記ロアキャップの凸部は、上記シリンダ内側へ突出するとともに上記バルブケースに当接するテーパ面状或いは球面状の当接面を有し、
    上記ロアキャップの凹部は、上記バルブケースとの間に隙間を形成し、当該隙間を介してリザーバとシリンダ内とが連通し、
    上記ロアキャップの凸部と上記バルブケースとの当接部を、上記シリンダの端部を軸方向に投影した範囲内に収めたことを特徴とする緩衝器。
  2. 上記バルブケースは、円盤状であって、上記シリンダに嵌合される小径嵌合部と、上記小径嵌合部より外径が大径であって上記シリンダと上記ロアキャップとの間に挟持される大径挟持部とを備え、当該大径挟持部の反シリンダ端外周を上記凸部へ当接させたことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 上記大径挟持部の上記凸部へ当接する外縁を面取したことを特徴とする請求項2に記載の緩衝器。
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