JP5798434B2 - 時計用軸受、ムーブメント、及び時計 - Google Patents
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ここで、図22において、非特許文献1に示した時計用軸受510は、てんぷ受505(図示しない)に圧入固定される枠体512と、ほぞ522のラジアル方向変位を制限する穴石514と、内周面に穴石514が圧入固定される穴石枠511と、ほぞ522のスラスト方向変位を制限する受石515と、枠体512に穴石514を備えた穴石枠511及び受石515を固定する押さえばね516(弾性支持体)とにより構成され、ほぞ522のラジアル方向及びスラスト方向への変位を制限する。
また、押さえばね516、205をピンセットで摘んだときに押さえばね516、205がピンセットから外れ、周囲に飛んでしまい、紛失してしまうという問題がある。
本発明に係る時計用軸受は、軸体と、軸体のラジアル方向及びスラスト方向の動きを規制する規制部材(穴石、受石)と、規制部材を収容する枠体と、枠体に対して取り付けられ、外部から規制部材に与えられる振動を吸収可能に支持する弾性支持体とを備える時計用軸受であって、枠体は、弾性支持体を取り付けるために用いられる溝を備え、前記弾性支持体は、溝に嵌め込まれる複数の係止片と、軸体に向けて複数の係止片のそれぞれを同時に移動させるために用いられる複数の把持部とを備え、係止片は、把持部によって移動させられることにより、溝に嵌め込まれるものであることを特徴としている。この構成によれば、時計用軸受の組立作業において、弾性支持体に備えられた複数の係止片を同時に移動させることができるため、弾性支持体の枠体への着脱作業を容易化でき、作業時間を短縮することができる。また、弾性支持体の外径を小径化することができるため、係止片を挿通するための枠体の切り欠き部が不要となり、切り欠き部の加工工程の省略により加工時間を短縮し、及び加工コストを低減することができる。また、弾性支持体に把持部を複数備えることで、専用の作業用治具を用いたときに弾性支持体を卓上などから拾いやすくなることや、把持したときに外れ難くすることができる。
この構成によれば、軸方向への変形無しで弾性支持体における係止片の外径を小径化することができるため、簡単な把持で弾性支持体の係止片を枠体の溝部へ挿通させることができる。
この構成によれば、係止片のそれぞれを軸体の直交方向に対して斜めに変形することができるため、弾性支持体の係止片を枠体の溝部へより挿通しやすくなる。
この構成によれば、作業用治具に備えられた複数のピンで複数の把持部を掴んだ後に、一部のピンが把持部から外れた時でも、残りの把持しているピンが開口部(把持部)に内包されているため、弾性支持体は平面方向において移動を規制される。従って、弾性支持体は周囲に飛ばず、開口部によって移動を規制されていない重力方向に落ちるため、落ちた弾性支持体の発見が容易であり、弾性支持体を紛失してしまうのを防ぐことができる。
この構成によれば、軸体と垂直方向において、係止片に連結された連結部のばね定数をより小さくすることができる。よって、小さな力で係止片を移動することができるため、把持する力の微調整ができ、また把持による疲れも低減することができるため、組立作業性が向上する。
この構成によれば、薄厚部におけるばね定数は、弾性支持体の薄厚部以外の部位のばね定数よりも小さくなるため、係止片を軸体の直交方向に対して斜めに変形させる際に小さな力で変形することが可能となる。
この構成によれば、把持部の力点位置をずらすことができるため、係止片を軸体の直交方向に対して斜めに変形させる際に小さな力で変形することが可能となる。
また、複数の把持部は、軸体に対して対称となる位置に備えられることを特徴としている。
これらの構成によれば、把持部を掴んだときの弾性支持体への力のバランスが軸体に対して対称になるため、弾性支持体の変形も軸体に対して対称となる。これにより、組立作業時に弾性支持体が作業用治具から外れ難くなるため、組立作業性が向上する。
この構成によれば、係止片のテーパーがガイドの役割を果たし、弾性支持体の係止片を枠体の溝へ内包しやすくなるため、組立作業性が向上する。
この構成によれば、作業用治具のピンの形状に合った切り欠き部を把持部に形成することで、ピンと把持部の接触面積や接触箇所を増やすことができるので、ピンと把持部に作用する摩擦力が大きくなり、弾性支持体の治具による把持力を大きくすることができる。その結果、弾性支持体は治具から外れ難くなるため、弾性支持体を取り扱う際に弾性支持体を治具から飛ばしてしまったり、また紛失してしまったりするのを防止することができる。
この構成によれば、上記本発明の時計用軸受を備えているので、組立作業性の高いムーブメントを提供することができる。
この構成によれば、上記本発明のムーブメントを備えているので、組立作業性の高い時計を提供できる。
(第1実施形態)
(機械式時計)
図1は機械式時計のムーブメント表側の平面図であり、図2は香箱からがんぎ車の部分を示す概略部分断面図であり、図3はがんぎ車からテンプの部分を示す概略部分断面図である。なお、図1では一部の部品を省略し、受部材は仮想線で示している。
すなわち、香箱真120fの上軸部120aは、香箱受160に対して回転可能に支持される。香箱真120fの下軸部120bは、地板102に対して、回転可能に支持される。二番車124、三番車126、四番車128、がんぎ車130は、地板102及び輪列受162に対して回転可能に支持されている。すなわち、二番車124の上軸部124a、三番車126の上軸部126a、四番車128の上軸部128a、がんぎ車130の上軸部130aは、輪列受162に対して回転可能に支持される。また、二番車124の下軸部124b、三番車126の下軸部126b、四番車128の下軸部128b、がんぎ車130の下軸部130bは、地板102に対して、回転可能に支持される。
次に、本実施形態のテンプの構造について説明する。
図3に示すように、テンプ140は、てん真140a及びひげぜんまい140cを備えている。
図3において、ムーブメント100に衝撃などの外力が加わったとき、テンプ140は、ほぞ321またはほぞ322を介して時計用軸受310内の穴石314または受石315に力を加える。このとき、穴石314または受石315は、加えられた力によって変位しようとするが、押さえばね316の弾性力により、所定の位置に押し戻される。前述の挙動により、ムーブメント100に衝撃などの外力が加わっても、穴石314または受石315は力の作用する方向に逃げることができるため、ほぞ321、322に過剰な力が加わって折れて計時が停止するのを防ぐことができる。前述の機能を、耐振機能という。
次に、本実施形態の弾性支持体の構造について説明する。
本実施形態における弾性支持体は、押さえばね316である。
押さえばね316の外径Dは、1〜5mmの範囲内であるのが望ましい。
図8は、本発明の第2実施形態における時計用軸受の上面図(a)と、図(a)中切断線G−G’における断面図(b)であり、図9は、第2実施形態における押さえばねの上面図であり、図10は、押さえばねの変形を説明するための上面図である。
図11は、本発明の第3実施形態における時計用軸受の上面図(a)と、(a)中切断線K−K’における回転断面図(b)であり、図12は、弾性支持体(押さえばね)の上面図(a)と側面図(b)であり、 図13は、弾性支持体(押さえばね)の変形について説明する上面図である。
図13では、変形前の押さえばね318fを破線で示し、変形後の押さえばね318gを実線で示す。
溝部312bの外径と、外径Dとの間のクリアランスを最小限にすることで、押さえばね318の中心位置を軸中心Iに近づけることができる。よって、受石315や穴石314、また穴石枠311がほぞ321、322の回転軸方向に対して傾くのを抑えることができる。
図14は、本発明の第4実施形態における弾性支持体(押さえばね)の斜視図であり、図15は、弾性支持体(押さえばね)の図14中の切断線W−W’における押さえばね変形前の断面図(a)と、押さえばねの変形の原理を説明する図(b)と、切断線W−W’を参照する押さえばね変形後の断面図(c)である。
図15(b)において、点Qは把持部319dの中心点、点Rは線分Q−Q’の中点、点Sはさらい319lの形成後の押さえばね319の重心位置を示す。
また、弾性部319eは、押さえばね319と同一曲面上でも変形する。
なお、本実施例では、本実施例の内容を逸脱しない範囲で多様なさらい形状を採ることができる。
図16は、本発明の第5実施形態における弾性支持体(押さえばね)の斜視図であり、図17は、弾性支持体(押さえばね)の図16中の切断線X−X’における押さえばね変形前の断面図(a)と、押さえばねの変形の原理を説明する図(b)と、切断線X−X’を参照する押さえばね変形後の断面図(c)である。
図17(b)において、点U,U’は把持部320dの中心点、点Vは線分U−U’の中点、点Tは押さえばね320の重心位置を示す。
また、弾性部320eは、押さえばね320と同一曲面上でも変形する。
また、本実施形態は、第4実施形態と組み合わせることで、より曲げ変形を容易にすることができ、押さえばねの小径化をより容易に行うことができる。
図18は、本発明の第6実施形態における弾性支持体(押さえばね)の斜視図(a)と、上面図(b)であり、図19は、本発明の第6実施形態における弾性支持体(押さえばね)の押さえばね変形前の側面図(a)と、押さえばね変形後の側面図(b)である。
図18(a),(b)において、押さえばね360は、係止部360aと、弾性部360eと、把持部360dにより構成されている。
また、本実施形態は、第4実施形態と組み合わせることで、より曲げ変形を容易にすることができ、押さえばねの小径化をより容易に行うことができる。
図20は、本発明の第7実施形態における弾性支持体(押さえばね)の上面図(a)と、図(a)中切断線AB−AB’における断面図(b)である。
また、本実施形態は、第1〜第6実施形態のそれぞれと組み合わせることで、押さえばねの枠体312への取り付けをより容易に行うことができる。
図21は、本発明の第8実施形態における弾性支持体(押さえばね)の上面図である。
第8実施形態の第1実施形態との違いは、把持部362dに切り欠き部362pが備えられていることである。切り欠き部362pの形状は、ピン356(図示しない)の形状に従って形成される。切り欠き部362pの形状が、ピン356の形状に従って形成されるため、ピン356で押さえばね362を把持する際、把持部362dに形成された切り欠き部362pとピン356との接触面積が増えることにより、接触箇所の摩擦抵抗が増大し、押さえばね362がピン356からより外れ難くなる。
また、本実施形態は、第1〜第7実施形態のそれぞれと組み合わせることで、押さえばねの枠体312への脱着作業をより容易に行うことができる。
また、上述した各実施形態を適宜組み合わせても構わない。
Claims (8)
- 軸体と、
前記軸体のラジアル方向及びスラスト方向の動きを規制する規制部材と、
前記規制部材を収容する枠体と、
前記枠体に対して取り付けられ、外部から前記規制部材に与えられる振動を吸収可能に支持する弾性支持体と、を備える時計用軸受であって、
前記枠体は、前記弾性支持体を取り付けるために用いられる溝を備え、
前記弾性支持体は、前記溝に嵌め込まれる複数の係止片と、
前記軸体に向けて前記複数の係止片のそれぞれを同時に移動させるために用いられる複数の把持部と、を備え、
前記係止片は、前記把持部によって移動されることにより、前記溝に嵌め込まれるものであり、
前記複数の把持部は、前記複数の係止片のそれぞれを前記軸体の直交方向に対して斜めに変形させるものであり、
前記弾性支持体は、前記弾性支持体よりも厚さが薄い薄厚部を備え、
前記複数の把持部は、前記薄厚部を介して前記係止片を前記軸体の直交方向に対して斜めに変形させるものであることを特徴とする時計用軸受。 - 前記複数の把持部は、前記軸体側の端部にテーパーを備えることを特徴とする請求項1に記載の時計用軸受。
- 前記複数の把持部は、前記軸体の周方向に等間隔に備えられることを特徴とする請求項1または2に記載の時計用軸受。
- 前記複数の把持部は、前記軸体に対して対称となる位置に備えられることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の時計用軸受。
- 前記複数の係止片は、前記溝に嵌め込まれる端部にテーパーを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の時計用軸受。
- 前記複数の把持部は、前記軸体側に切り欠き部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の時計用軸受。
- 輪列、脱進機、及び調速機を備えた時計のムーブメントであって、前記輪列または前記脱進機または前記調速機の少なくともいずれかに、請求項1から6に記載の時計用軸受が用いられていることを特徴とするムーブメント。
- 請求項7に記載のムーブメントと、前記ムーブメントを内包するケーシングとを備えていることを特徴とする時計。
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