JP5797051B2 - 脂肪細胞の分化成熟抑制剤及び/又は脂肪蓄積抑制剤の探索方法 - Google Patents

脂肪細胞の分化成熟抑制剤及び/又は脂肪蓄積抑制剤の探索方法 Download PDF

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Description

本発明は、脂肪細胞の分化成熟抑制剤及び/又は脂肪蓄積抑制剤の探索方法に関する。
近年、食生活の欧米化、運動不足、ストレス等により、肥満人口は増加の一途を辿っている。肥満は、インスリン抵抗性や動脈硬化といった種々の生活習慣病の発症原因にもなることが報告されており、国民の健康維持・増進の観点において大きな社会問題となっている。
肥満は、体脂肪が過剰に蓄積した状態を指し、摂取エネルギー量が消費エネルギー量を上回ることにより生じる。従って、摂取エネルギー量を減らすか又は消費エネルギー量を増やすことは、肥満の予防・改善につながると考えられる。肥満及び肥満に関連する各種生活習慣病を予防・改善する方法としては、例えば、運動、カロリー制限、生活習慣の改善等が挙げられる。これらは一般には肥満の予防・改善に有効とされているが、これらのみでは大抵の場合充分な効果が得られないことが多い。
そこで、これまで、肥満改善剤や脂質代謝促進剤の開発を目指し、盛んに研究がなされてきた。例えば、エネルギー代謝の促進を目的とするものとして、PPAR(Peroxisome Proliferator Activated Receptor:ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体)活性化剤(非特許文献1〜3)又は阻害剤(非特許文献4)、AMPK(AMP-activated protein kinase)活性化剤(非特許文献5、6)等が挙げられる。また脂肪合成の抑制を目的とするものとして、ACC-1(acetyl-CoA carboxylase)阻害剤(非特許文献7)、FAS(Fatty Acid Synthase)阻害剤(特許文献1)等が挙げられる。
肥満はまた、脂肪細胞の肥大化及び細胞数の増加と密接に連動しており、従って、前駆脂肪細胞から成熟脂肪細胞への分化を抑制すること、あるいは脂肪細胞への脂肪蓄積を抑制することは、肥満の治療及び予防に有効と考えられる。脂肪細胞を成熟脂肪細胞へと分化させる誘導刺激としては、インスリン、デキサメタゾンおよびイソブチルメチルキサンチンが一般的に用いられている。これらの分化誘導刺激に伴い、脂肪細胞分化のマスターレギュレーターとされる転写因子群、PPARsおよびC/EBPsの発現が上昇し、次いで、脂質合成に関わるACC-1、FAS及びDGAT(diacylglycerol acyltransferase)や、糖・脂質の取り込みに関わるGLUT4(glucose transporter 4)及びLPL(lipoprotein lipase)等の成熟脂肪細胞に特異的に発現する種々の脂質代謝関連遺伝子の発現が上昇する。また、脂肪酸輸送担体であるFabp4(fatty acid binding protein 4)も分化した脂肪細胞特異的に発現しており、脂肪細胞の分化成熟マーカーとして用いられている。
脂肪細胞は、他の細胞種と同様、細胞周囲を細胞外マトリックス(ECM;extracellular matrix)に囲まれている。ECMは、単に細胞接着のための足場を提供するだけでなく、細胞膜表面に存在する受容体を介し、細胞の増殖、分化、遊走など多くの生理活性に寄与することが報告されている。ECMの分子組成は細胞により異なっており、細胞は、特定の分子組成からなるECMという環境を自ら形成することで、細胞機能を適当な状態に発現・維持していると考えられる。
ラミニンは、上皮細胞層と間質細胞層との間に存在するECMである基底膜の、主要構成成分として知られているタンパク質である。ラミニンは、α鎖、β鎖、γ鎖からなるヘテロトリマーを形成しており、基底膜への細胞接着に中心的な役割を果たしている。ラミニンはまた、細胞の増殖、遊走、神経突起伸長等の多くの生物学的活性を有することが知られている。
ラミニンの活性は、ラミニンと細胞表面の受容体との結合及びそれに共役した細胞内シグナル伝達を介したラミニンシグナル系を通じて発揮されると考えられている。ラミニンを受容する主要な受容体としては、インテグリンα6β1、α3β1、α6β4、α7β1、ジストログリカン、シンデカン等が知られている(非特許文献8)。インテグリンは、α−サブユニットとβ−サブユニットからなるヘテロダイマータンパク質である。現在哺乳類においてα−サブユニット18種、β−サブユニット8種の組み合わせにより24種のインテグリンが報告されており、各インテグリンはECMリガンドを特異的に認識する(非特許文献9)。インテグリン下流の主要な情報伝達経路としては以下の3つが挙げられる。第一にRhoを介しアクチンなど細胞骨格系制御に働く経路、第二にPI3K/Aktのリン酸化を介した、アポトーシス抑制など生存維持に関するシグナルを伝達する経路、第三にMAPK(Erk)のリン酸化を介し細胞増殖に関するシグナルを伝達する経路である。
ラミニンは種々の組織に存在しており、脂肪組織においても発現している。脂肪細胞においては、特にラミニン−8(α4β1γ1)が多く発現していること、及びその遺伝子発現が分化成熟に伴い増加することが報告されている(非特許文献10)。しかし、脂肪組織におけるラミニンの発現量変化や生理的意義ついては、未だ充分には明らかにされていない。また、ラミニンが、分化成熟や脂肪蓄積といった脂肪細胞特性に与える影響についても解明されていなかった。
特開2007−63156号公報
Curr. Opin. Lipidol., 1999, 10: 151-159 BMC Pharmacol., 2004, 4(23) Cell 113, 2003: 159-170 Folia.Pharmacol.Jpn., 2003, 122: 294-300 Molecular Medicine., 2002, 39(4): 398-407 Diabetes., 2001, 50(5): 1076-1082 Nat.Med., 2000, 6(10): 1115-1120 Matrix Biology, 2006, 25(3): 189-197 J. Biol. Chem., 2000, 275 (29): 21785-21788 Matrix Biology, 1997, 16(4): 223-230
本発明は、ラミニンシグナル抑制活性を指標とした、全身又は局所的な体脂肪低減に有効な、脂肪細胞の分化成熟抑制剤又は脂肪蓄積抑制剤の探索方法に関する。
本発明者らは、細胞外マトリックスを含む細胞外環境が脂肪細胞特性に及ぼす効果について調べた。その結果、脂肪細胞をラミニン存在下にて培養することで細胞の分化成熟及び脂肪蓄積が亢進することを見出し、さらに、ラミニンシグナルの抑制が脂肪細胞の分化成熟及び脂肪蓄積の抑制に有効であることを見出した。
すなわち、本発明は、以下を提供するものである。
(1)脂肪細胞における試験物質によるラミニンシグナル抑制活性を評価することを特徴とする、脂肪細胞の分化成熟抑制剤及び/又は脂肪蓄積抑制剤の探索方法。
(2)上記ラミニンシグナル抑制活性が、ラミニンとラミニン受容体との結合を阻害する活性である(1)記載の方法。
(3)上記ラミニンシグナル抑制活性が、ラミニン又はラミニン受容体の発現を抑制する活性である(1)記載の方法。
(4)上記ラミニンシグナル抑制活性が、ラミニンに起因する細胞内シグナル伝達を抑制する活性である(1)記載の方法。
本発明によれば、脂肪細胞の分化成熟又は脂肪蓄積を抑制することができ、全身又は局所的な体脂肪の低減に有効な素材を提供することができる。
ラミニンによる脂肪細胞の分化成熟促進効果:分化した脂肪細胞に特異的に発現する遺伝子の発現量に対するラミニンの影響。LM;ラミニン、*;P<0.05、**;P<0.01、***;P<0.001(Student’s t−test)、エラーバー=標準誤差、n=3。 ラミニンによる脂肪蓄積促進効果。A:Oil-red O染色された脂肪細胞、B:細胞の染色度(Oil-red O染色細胞のイソプロパノール抽出物の相対吸光度)。LM;ラミニン、*;P<0.05(Student’s t−test)、エラーバー=標準誤差、n=3。 ラミニンによるインスリン刺激応答性亢進効果:(A)インスリン受容体下流のシグナル伝達分子(Akt、Erk、IRS-1)のリン酸化に対するラミニンの影響。(B)インスリン非存在下でのシグナル伝達分子Aktに対するラミニンの影響。 ラミニン部分ペプチドによる脂肪細胞の分化成熟抑制。LM;ラミニン、*;P<0.05(Student’s t−test)、エラーバー=標準誤差、n=3。
後述の実施例に示すように、ラミニンは、脂肪細胞の分化成熟を促進する作用や、脂肪細胞への脂肪蓄積を促進する作用を有する。また後述の実施例に示すように、ラミニンと受容体との結合を阻害することで脂肪細胞の分化成熟が妨げられる。すなわち、ラミニンによって細胞に引き起こされる一連のラミニンシグナルの伝達を抑制することができる物質は、脂肪細胞の分化成熟を抑制し、脂肪細胞への脂肪蓄積を抑制する効果を有する物質として有用である。
従って、本発明は、脂肪細胞における試験物質によるラミニンシグナル抑制活性を評価することを特徴とする脂肪細胞の分化成熟抑制剤及び/又は脂肪蓄積抑制剤の探索方法を提供する。
本明細書において、ラミニンシグナルとは、細胞外マトリックス(ECM)の一種であるラミニンより、細胞膜表面上に存在するラミニン受容体を介して、細胞内にシグナルが伝達される一連の過程を指す。すなわち、ラミニンシグナルは、例えば、細胞によるラミニンの発現量又はラミニン受容体の発現量、細胞表面のラミニン受容体とラミニンとの結合、ラミニンに起因する細胞内シグナル伝達等を指標に測定することができる。これらの指標は、いずれか単独で測定してもよく、複数を組み合わせて測定してもよい。
ラミニンとしては、α1、α2、α3、α4、α5、β1、β2、β3、γ1、γ2、γ3等のサブタイプが挙げられる。
ラミニン受容体としては、インテグリンα6β1、α3β1、α6β4、α7β1等のインテグリン、ジストログリカン、シンデカン等が挙げられる。
ラミニン分子及びラミニン受容体分子の発現量は、タンパク質を測定する方法として当該分野で知られている任意の方法により行えばよい。例えば、上記分子の発現量は、タンパク質発現量を直接測定して求めてもよく、又は該分子のサブタイプ、多型、糖と融合したプロテオグリカン、他のタンパク質との重合体、断片化または遊離した部分ペプチド等の発現量;これらをコードするメッセンジャーRNA(mRNA)の成熟体、未成熟体及び分解体の発現量;ならびにこれらの発現を制御する転写調節領域の活性、等を測定し、それに基づいて発現量を算出してもよい。
例えば、ラミニン分子の発現量は、ラミニンタンパク質を構成するα1鎖、α2鎖、α3鎖、α4鎖、α5鎖、β1鎖、β2鎖、β3鎖、γ1鎖、γ2鎖又はγ3鎖の発現量、又はそれらのmRNAの発現量を測定することで評価してもよく、ラミニン受容体分子インテグリンの発現量は、インテグリンタンパク質を構成するα3、α4、α7等のα−サブユニット若しくはβ1、β4等のβ−サブユニットの発現量、又はそれらのmRNAの発現量を測定することで評価してもよい。
タンパク質発現量を測定する場合は、例えば、脂肪組織から抽出したタンパク質を常法により定量すればよい。また例えば、ELISA法により特異的に定量するか、又はSDS−PAGEなどの電気泳動を施して分離した後に、目的とする分子を検出、定量してもよい。RNA発現量を測定する場合、脂肪組織から抽出したRNAから常法によりcDNA合成してこれをPCR法にかけ、目的とする分子に対応したRNAを検出、定量すればよい。
ラミニンに起因する細胞内シグナル伝達は、例えば、ラミニン受容体下流の細胞内シグナル伝達系の分子の活性に基づいて評価することができる。ラミニン受容体下流の細胞内シグナル伝達系としては、例えば受容体がインテグリンの場合、主に以下の三つが挙げられる。第一にRhoを介しアクチンなど細胞骨格系制御に働く経路、第二にPI3K/Aktのリン酸化を介した、アポトーシス抑制など生存維持に関するシグナルを伝達する経路、第三にMAPK(Erk)のリン酸化を介し細胞増殖に関するシグナルを伝達する経路である。従って上記細胞内シグナル伝達系の分子の例としては、Rho、PI3K/Akt、MAPK(Erk1/2)、IRS-1、及びそれらの活性を制御する分子等が挙げられる。分子の活性は、例えば当該分子のタンパク質やそのmRNAの発現量や、当該分子のリン酸化を指標に評価することができる。
タンパク質やそのmRNAの発現量の測定方法は、上述のとおりである。分子のリン酸化は、当該分野で行われる通常の測定方法、例えば、目的とする分子に対する特異的リン酸化抗体を用いて、脂肪組織から抽出したタンパク質に対し、ELISA法により特異的に定量するか、又はSDS−PAGEなどの電気泳動を施して分離した後に、目的とする分子を検出、定量する等の方法により測定することができる。
細胞表面のラミニン受容体とラミニンとの結合は、当該分野で行われる通常の測定方法、例えば、蛍光あるいはRI等で標識したラミニンとラミニン受容体発現細胞をインキュベートし、ラミニン結合量を測定する等の方法により測定することができる。また、Biacore等の分子間相互作用測定機器を用いることも出来る。
本発明の方法で使用される試験物質は、脂肪蓄積調節剤として使用することを所望する物質であれば、特に制限されない。試験物質は、天然に存在する物質であっても、化学的又は生物学的方法等で人工的に合成した物質であってもよく、また化合物であっても、組成物若しくは混合物であってもよい。
本発明の方法に供される脂肪細胞としては、生体から採取された脂肪組織由来の脂肪細胞であっても、培養脂肪細胞であってもよい。
好ましくは、本発明の方法においては、脂肪細胞をラミニン及び試験物質の共存下で培養する。このとき、インスリン、デキサメタゾン、イソブチルメチルキサンチン等の脂肪細胞の分化誘導を促進し得る物質をさらに添加してもよい。脂肪細胞の培養は、当該細胞が成熟脂肪細胞に分化するのに充分な時間(例えば、分化誘導から約10日間)行うのが望ましい。その後、培養した脂肪細胞におけるラミニンシグナルを測定する。ラミニンシグナルの測定方法は上述のとおりである。次いで、測定されたラミニンシグナルに基づいて試験物質による細胞のラミニンシグナル抑制活性を評価する。ラミニンシグナル抑制活性の評価は、例えば、より高濃度の試験物質添加群とより低濃度の試験物質添加群との間;試験物質添加群と非添加群との間;試験物質添加群と対照物質添加群との間;又は試験物質添加前後で、細胞のラミニンシグナルを比較することによって、行うことができる。細胞のラミニンシグナルを抑制した試験物質を、脂肪細胞の分化成熟抑制剤及び/又は脂肪蓄積抑制剤として選択することができる。
本発明の方法のより具体的な手順の例を以下に説明する。
(a)細胞培養容器底面をラミニン精製物によりコートする。別途、ラミニンコートしない培養容器を用意する。
(b)ラミニンコート及び非コートの培養容器に、脂肪由来細胞をそれぞれ播種する(それぞれ、試験群及び対照群)。通常、培地は10%calf serumを添加したhigh glucose Dulbecco's modified Eagle's medium(DMEM)を使用する。播種した細胞を37℃、5%CO2条件下にて培養する。
(c)細胞を100%コンフルエントになるまで通常培養した後、分化誘導培地に培地交換する。分化誘導培地は、通常培地に5μg/mlインスリン、1μMデキサメタゾン、0.115mg/mlイソブチルメチルキサンチンを添加したものを用いる。分化誘導培地に交換した日をday1とし、day3に再び通常培地に培地交換する。以後は2日おきに培地交換を行う。
(d)上記(b)〜(c)のいずれか、あるいは全工程において、試験群の培地に試験物質を含有させておく。
(e)day10に細胞のラミニンシグナルを測定し、対照群と試験群との間で測定値を比較し、試験物質のラミニンシグナルに対する影響を評価する。ラミニンシグナル抑制活性が認められた試験物質を、脂肪細胞の分化成熟抑制剤及び/又は脂肪蓄積抑制剤として選択する。
例えば、本発明の方法においては、上記手順(a)〜(e)に従ってラミニンシグナルを測定した場合に、試験物質を添加しなかった対照群と比較して、脂肪細胞のラミニンシグナルを有意に、好ましくは20%以下、より好ましくは50%以下に抑制した試験物質を、脂肪細胞の分化成熟抑制剤及び/又は脂肪蓄積抑制剤として選択することができる。
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
実施例1 ラミニンによる脂肪細胞の分化成熟促進効果
実験には、マウス前駆脂肪細胞由来細胞株3T3−L1細胞(ATCC)を用いた。通常の培地は、10%calf serumを添加したhigh glucose Dulbecco's modified Eagle's medium(DMEM)を使用し、37℃、5%CO2条件下にて培養した。
ラミニンでコートした6穴ディッシュ(BD社)に3T3−L1細胞を撒き、100%コンフルエントになるまで通常培養した後、分化誘導培地に培地交換した。分化誘導培地は、通常培地に5μg/mlインスリン、1μMデキサメタゾン、0.115mg/mlイソブチルメチルキサンチンを添加したものを用いた。分化誘導培地に交換した日をday1とし、day3に再び通常培地に培地交換した。以後は2日おきに培地交換を行い、day10に細胞を回収した(ラミニン群)。対照として、ラミニンコートなしのディッシュを用いて同様の条件下で培養した細胞を回収した(コントロール群)。
得られた細胞について、Total RNAを調製し、逆転写反応によりcDNAを得た。得られたcDNAを鋳型として、7500 Fast Real-Time PCR System(アプライドバイオシステム社)を用いた定量的PCRにより、Fabp4、PPARγ、GLUT4、LPL、ACC-1、FAS、DGAT、HSL及びATGLの各遺伝子の発現量を測定した。
Fabp4は脂肪細胞の分化成熟マーカーとして知られている。PPARγは脂肪細胞分化のマスターレギュレーターとして知られている。またGLUT4及びLPLは糖・脂質取り込みに関連する遺伝子であり、ACC-1、FAS及びDGATは脂質合成関連遺伝子であり、HSL及びATGLは脂質分解関連遺伝子であり、これらはいずれも、エネルギー代謝に関わる主要遺伝子として知られている。
測定した各遺伝子の発現量は、内部標準(36B4遺伝子発現量)により補正した。得られた値は平均値±標準誤差にてグラフ化した(n=3)。有意差検定はStudent’s t−testを用いて行った。
結果を図1に示す。脂肪細胞の分化成熟マーカーであるFabp4のmRNA発現量は、ラミニンにより有意に上昇し、コントロール群の2.4倍に達した。また脂肪細胞分化のマスターレギュレーターとされる転写因子PPARγのmRNA発現量も、ラミニンにより有意に上昇し、コントロール群の3.5倍に達した。さらに、エネルギー代謝に関わる主要遺伝子(GLUT4、LPL、ACC-1、FASおよびDGAT)の発現も、ラミニンにより有意に上昇した。これらの結果より、ラミニンが脂肪細胞の分化成熟を促進することが示された。さらに、GLUT4、LPL、ACC-1、FASおよびDGATは糖・脂質の取り込みや脂質合成に関わる遺伝子であることから、ラミニンが、脂肪細胞における脂肪蓄積を促進することが示された。従って、ラミニンシグナルを抑制することは、脂肪細胞の分化成熟及び脂肪蓄積を抑制することにつながり、またラミニンシグナルは、脂肪細胞の分化成熟抑制剤又は脂肪蓄積抑制剤の探索の指標として有効である。
実施例2 ラミニンによる脂肪蓄積促進効果
実施例1と同様の手法にて回収された脂肪細胞を10%ホルマリンで固定後、細胞内の脂肪滴をOil−red O染色液により染色し、実体顕微鏡により観察、撮影を行った。Oil−red O染色液は、Oil red−Oストック溶液(0.5%Oil red−O/イソプロパノール)とDDWを3:2で混合し、0.5mmフィルターにてろ過したものを用いた。細胞の染色度(脂肪含有量)を定量するため、イソプロパノールにより細胞から色素を抽出し、吸光度OD450を測定し、コントロール群の吸光度を1とした相対吸光度を求めた。得られた吸光度は平均値±標準誤差にてグラフ化した(n=3)。有意差検定はStudent’s t−testを用いて行った。
結果を図2に示す。ラミニン群のOil−red O染色度は、コントロール群と比較し強く(図2A)、染色度の定量解析でも有意な差が見られた(図2B)。これらの結果より、ラミニンが脂肪細胞の脂肪蓄積を促進することが示された。従って、ラミニンシグナルを抑制することは、脂肪細胞の脂肪蓄積を抑制することにつながり、またラミニンシグナルは、脂肪細胞の脂肪蓄積抑制剤の探索の指標として有効である。
実施例3 ラミニンによるインスリンシグナル応答性亢進効果
本実施例では、Akt、Erk及びIRS-1と、それらの活性化(リン酸化)形態p-Akt、p-Erk及びp-IRS-1をウエスタンブロッティングにて検出し、分子の活性化に対するラミニンの影響を調べ、ラミニンが細胞内シグナル伝達系に及ぼす作用を評価した。Akt、Erk、insulin receptor substrate(IRS)-1は、インスリン受容体の下流に存在し、そのリン酸化を介してインスリン刺激によるシグナルを伝達する、インスリンシグナル伝達分子である。
ラミニンでコートした6穴ディッシュ(BD社)に3T3−L1細胞を撒き、100%コンフルエントになるまで通常培養した。無血清培地にて一晩培養後、インスリンを終濃度5μg/mlで添加した培地に交換し、細胞を所定の時間経過毎(5分、15分、30分、60分)に回収した(ラミニン群)。対照として、ラミニンコートなしのディッシュを用いて同様の条件下で培養した細胞を回収した(コントロール群)。
回収した細胞にLysis buffer(50mM Tris−HCl pH7.5、150mM Sodium Chloride、1% Triton X−100)を加え、25Gニードルにてよくホモジナイズした。氷上に15分間静置後、12000rpm、4℃で10分間遠心した。上清をタンパク質溶液として得た。
得られたタンパク質溶液をサンプルとして、以下の抗体を用いたウエスタンブロッティングを行い、上記各分子の検出を行った。
anti-Akt (cell signaling;#9272)
anti-phospho-Akt Ser473(cell signaling;#9271)
anti-Erk1/2 (cell signaling;#4695)
anti-phospho-Erk1/2 Thr202/Tyr204 (cell signaling;#9101)
anti-IRS-1 (upstate biotechnology;#06-248)
anti-phospho-IRS-1 Tyr895 (cell signaling;#3070)
同様の手順で、但し、培地にインスリンを添加せずに、細胞を所定の時間(5分、10分、20分、30分、及び60分)培養して回収し、タンパク質溶液を調製し、Aktとその活性化形態p-Aktをウエスタンブロッティングにて検出した。
結果を図3A及びBに示す。Akt、Erk及びIRS-1はいずれも、ラミニン群及びコントロール群で同程度に発現していた。活性化形態の分子であるp-Akt及びp-IRS-1の発現は、コントロール群と比較してラミニン群で増加しており、ラミニンによりこれらの分子の活性化が促進されたことが示された(図3A)。従って、ラミニンは、インスリン刺激に対する応答、特にPI3K/Aktを介した経路による応答を亢進する。これらの結果から、ラミニンによるインスリンシグナル伝達系の活性化亢進作用がその脂肪細胞の分化成熟促進効果、脂肪蓄積促進効果の一因となっている可能性があること、ならびに上記インスリンシグナル伝達分子の活性を指標に、脂肪細胞の分化成熟や脂肪蓄積を評価することができることが示唆された。
一方、ラミニンによる上記分子の活性化促進作用は、インスリンが存在しない場合には観察されなかった(図3B)。従って、ラミニンはこれらの分子のリン酸化を直接的に誘導しているのではなく、インスリン刺激による分子のリン酸化を補助していると考えられることから、ラミニンに起因して活性化される他の細胞内シグナル伝達分子の存在が示唆された。上記のインスリンシグナル伝達分子だけでなく、ラミニンに起因して活性化されるその他の細胞内シグナル伝達分子の活性もまた、脂肪細胞の分化成熟や脂肪蓄積を評価するための指標とすることができる。
実施例4 ラミニンシグナル抑制による脂肪細胞の分化成熟抑制効果
ラミニンが対応する受容体へ結合することを競合的に阻害するラミニン部分ペプチドYIGSR(Tyr-Ile-Gly-Ser-Arg:配列番号1、Graf et al, Biochemistry, 1987, 26(22):6896-6900、及び野水基義,蛋白質・核酸・酵素, 2000, 45(14):2475-2482を参照)のC末アミド化体を用いて、ラミニンシグナル抑制による脂肪細胞の分化成熟抑制効果を調べた。
ラット皮下脂肪由来の初代培養細胞を、配列番号1で示されるペプチドのC末アミド化体(終濃度100μg/ml)を添加した通常培地に懸濁し、37℃で30分間インキュベートした後、ラミニンでコートした6穴ディッシュ(BD社)に播種した。以後、全ての培地に上記ペプチドのC末アミド化体(終濃度100μg/ml)を添加した以外は、実施例1と同様の手法にて細胞を培養し、脂肪細胞を回収した(ラミニン+阻害ペプチド群)。比較対照として上記ペプチドを添加せずに同様の条件下で培養した細胞を回収した(ラミニン群)。陰性対照として、ラミニンコートなしのディッシュを用いて同様の条件下で培養した細胞を回収した(コントロール群)。
得られた細胞について、Total RNAを調製し、逆転写反応により得られたcDNAを鋳型として、Fabp4発現について定量的PCRを行った。Fabp4遺伝子発現量は、内部標準(36B4遺伝子発現量)により補正した。得られた値は平均値±標準誤差にてグラフ化した(n=3)。有意差検定はStudent’s t−testを用いて行った。
結果を図4に示す。脂肪細胞の分化成熟マーカーであるFabp4の発現はラミニン存在下で増加するが(ラミニン群)、ラミニン部分ペプチドのC末アミド化体でラミニンとその受容体の結合を競合的に阻害するとその発現量は有意に低下した(ラミニン+阻害ペプチド群)。ラミニンによる脂肪細胞の分化成熟促進作用は、ラミニンシグナルの抑制、例えばラミニンとその受容体との結合を阻害することなどにより、抑制することができる。

Claims (5)

  1. 脂肪細胞における試験物質によるラミニンシグナル抑制活性を評価することを特徴とする、脂肪細胞の分化成熟抑制剤及び/又は脂肪蓄積抑制剤の探索方法であって、
    該ラミニンシグナルが、Fabp4、PPARγ、GLUT4、LPL、ACC-1、FAS及びDGATからなる群より選択される1以上の遺伝子の発現である、方法
  2. 前記遺伝子の発現量の上昇がラミニンシグナルの活性化を表す、請求項1記載の方法。
  3. 前記ラミニンシグナル抑制活性が、ラミニンとラミニン受容体との結合を阻害する活性である請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記ラミニンシグナル抑制活性が、ラミニン又はラミニン受容体の発現を抑制する活性である請求項1又は2記載の方法。
  5. 前記ラミニンシグナル抑制活性が、ラミニンに起因する細胞内シグナル伝達を抑制する活性である請求項1又は2記載の方法。
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