JP5796667B2 - 振動素子、振動デバイス及び振動素子の製造方法 - Google Patents

振動素子、振動デバイス及び振動素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、小型化が可能な構成を有する振動素子、この振動素子を備えた振動デバイス、及び振動素子製造方法に関する。
従来、圧電素子である水晶振動素子は、水晶基板の表裏両面の略中央部にそれぞれ設けられた励振電極と、励振電極から水晶基板の一端側まで設けられたリード電極と、を有している。また、圧電デバイスとしての水晶振動子は、水晶振動素子をセラミックパッケージの内部へ収容したものであり、水晶振動素子のリード電極の端部を接着するための内部端子を有している。この内部端子とリード電極とは、導電性接着剤により電気的な導通が図られており、これにより、水晶振動素子は、片持ち支持されて自由振動が可能な状態になっている。
近年、水晶振動子が小型化されるに伴い、水晶振動素子とセラミックパッケージ内面との間隙が少なくなっている。そのため、導電性接着剤の塗布量の相違による当該間隙のバラツキや、水晶振動素子のセラミックパッケージ内面に対する傾き等があると、水晶振動素子の励振電極とセラミックパッケージ内面とが当接しやすくなる。さらに、セラミックパッケージ内面が当該間隙を狭くする方向に反っている場合等では、励振電極とセラミックパッケージ内面とがより当接しやすくなる。励振電極がセラミックパッケージ内面に当接すると、励振電極による水晶振動素子の自由振動が阻害されて、水晶振動子の特性に影響が生じてしまう。
そこで、水晶振動素子のリード電極の端部と対極にある端部に、厚肉突起部を設ける構成が開示されている。この構成によれば、水晶振動素子とセラミックパッケージ内面とに、間隙のバラツキや傾き等があったとしても、セラミックパッケージと水晶振動素子の厚肉突起部とが当接し、水晶振動素子の励振電極とセラミックパッケージとは、当接しない。そのため、水晶振動素子は、励振電極による自由振動を阻害する要因が排除され、安定した特性の維持が可能である(例えば特許文献1)。
特開2004−200777号公報
ここで、水晶振動素子を自由振動させる励振電極による振動変位エネルギーは、励振電極の中央部において最大であり、中央部から離反するにつれて減衰している。また、振動変位エネルギーが同値である部分をプロットすると、中央部を中心とする略相似形の複数の楕円が描かれ、これら楕円は、等力線と称される。そして、水晶振動素子の端部に設けられた厚肉突起部は、励振電極とセラミックパッケージとの直接の当接を防止する効果を有するが、厚肉突起部と干渉する等力線の振動変位エネルギーを損失させてしまう。この損失は、水晶振動素子が小型化するほど影響度も大きくなり、水晶振動素子の安定した特性を維持することが難しくなる。従って、従来の技術では、水晶振動素子および水晶振動子をより小型化することが困難である、という課題があった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
本発明のある形態に係る振動素子は、厚み滑り振動を主振動として振動し、一定の厚さを有している第1の領域と、前記第1の領域の前記主振動の振動方向に沿って並んでいる両側の外縁部に、段差を介して連結され、前記第1の領域よりも厚さが薄い部分を備えている第2の領域と、を含む振動素子であって、平面視で、前記第2の領域は、更に、固定部が配置される一方の端部側とは反対側の他方の端部側の一主面側であって、前記振動方向と交差する方向に沿った幅の中央部を除いた部分に、前記第1の領域と離れ、かつ、前記振動素子の外縁よりも内側に、前記薄い部分の前記一主面よりも厚さ方向に沿って突出した2つの第1の突起部と、前記第2の領域の前記一方の端部側の一主面側であって、前記薄い部分の前記一主面よりも厚さ方向に沿って突出した第2の突起部と、が設けられていることを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動素子は、前記第1の突起部及び前記第2の突起部が、前記外縁に沿って配置されていることを特徴とする。
本発明のある別の実施形態に係る振動素子は、平面視で前記振動素子は矩形状であり、
平面視で前記振動素子の角部に前記第1の突起部配置されていることを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動素子は、前記振動素子の厚さ方向の断面において、前記第2の領域の一主面よりも前記第1の領域が突出している高さと、前記一主面よりも前記第1の突起部が突出している高さとが同じであることを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動素子は、平面視で、前記第2の領域の前記他方の端部側の他主面側であって、前記振動方向と交差する方向に沿った幅の中央部を除いた部分に、前記薄い部分の前記他主面よりも厚さ方向に沿って突出した第3の突起部が配置されていることを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動素子は、前記振動素子は、前記第1の領域に設けられている励振電極と、前記励振電極から前記第2の領域の前記一方の端部側に延出しているリード電極と、前記一方の端部側に設けられ、前記リード電極と接続されている電極端子と、を含むことを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動デバイスは、前記振動素子と、前記振動素子が収容されているパッケージと、を備えていることを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動素子の製造方法は、厚み滑り振動を主振動として振動する第1の領域と、前記第1の領域の前記主振動の振動方向に沿って並んでいる両側の外縁部に段差を介して連結され、前記第1の領域よりも厚さの薄い部分を備えている第2の領域と、を含む振動素子の製造方法であって、基板をエッチングすることにより、平面視で前記第2の領域の固定部が配置される一方の端部側とは反対側の他方の端部側の一主面側であって、前記振動方向と交差する方向に沿った幅の中央部を除いた部分に、前記第1の領域と離れ、かつ、前記振動素子の外縁よりも内側に、前記薄い部分の前記一主面よりも厚さ方向に沿って突出した2つの第1の突起部を形成する工程と、基板をエッチングすることにより、前記第2の領域の前記一方の端部側の一主面側であって、前記薄い部分の前記一主面よりも厚さ方向に沿って突出した第2の突起部を形成する工程と、基板をエッチングすることにより、前記第1の領域を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動素子の製造方法は、平面視で前記基板は矩形状であり、前記第1の突起部を形成する工程は、平面視で前記基板の角部に突起部を形成することを特徴とする。
本発明のある別の形態に係る振動素子の製造方法は、前記第1の突起部を形成する工程と、前記第2の突起部を形成する工程と、前記第1の領域を形成する工程と、を同時に行うことを特徴とする。
[適用例1]本適用例に係る圧電素子は、矩形状の圧電基板を有し、片持ち支持される一端部とは対極の他端部に突起部を有し、前記突起部は、前記他端部の幅方向中央部を除く角部の少なくとも1箇所に設けられていることを特徴とする。
この圧電素子によれば、一端部を片持ち支持されていて、電界が加えられると歪を生じて変形するなどの電気的エネルギーと機械的エネルギーとの変換、いわゆる圧電効果を効率的に利用することが可能である。この時、圧電素子は、一端部が圧電素子を収容するための収容部材の取り付け部に固定されており、この固定状態のバラツキまたは収容部材の変形等によっては、収容部材に当接する場合がある。圧電素子が収容部材に当接すると、電気的エネルギーと機械的エネルギーとの変換が阻害され、圧電効果が減じてしまう。圧電効果の減じる度合いは、収容部材と当接する圧電素子の部位によって異なり、そのため、圧電素子は、圧電効果による安定した特性を維持することが難しい。これは、圧電素子が小型化するほど顕著になる。そこで、圧電素子の他端部の幅方向中央部を除く角部に突起部を設け、突起部が収容部材と当接するように設定し、圧電素子が収容部材に当接する位置を限定する。この場合、突起部は、圧電基板における収容部材と当接する面側の幅方向中央部を除く角部に、少なくとも1箇所設けられていれば良いが、角部であれば複数設けられている設定も考えられる。また、突起部を幅方向中央部を除く角部に設ける理由は、矩形状の圧電素子において、歪による機械的エネルギーを例にすれば、その大きさが矩形中央近傍で最も大きく、中央近傍から離れるにつれて小さくなる傾向のためである。つまり、圧電素子の中央近傍、即ち機械的エネルギーの最大部分から最も離れている角部に突起部を設け、この突起部を収容部材と当接させるようにすれば、圧電効果の減を最少に抑制することが可能である。これにより、突起部を有する圧電素子は、収容部材との当接位置が限定され、圧電効果をほぼ最大限に発揮できると共に、安定した特性の維持が図れる。そのため、圧電素子がより小型化されても、特性の安定および圧電効果の維持が可能である。
[適用例2]上記適用例に係る圧電素子において、前記突起部は前記圧電基板の表裏両面の側にそれぞれ設けられていることが好ましい。
この構成によれば、圧電素子を片持ち支持状態に取り付ける際に、収容部材と当接する側へ突起部が確実に向いていることを、都度、確認する必要がない。つまり、圧電基板の表裏どちらの面に突起部が設けられているかの確認が不要で、片持ち支持される一端部の側を確認するだけで、圧電素子を片持ち支持状態に容易に取り付けることが可能である。この場合、圧電素子は、表裏どちらの面が収容部材の当接する側と対向したとしても、突起部が収容部材の同位置と当接するように設けられている設定がより望ましい。
[適用例3]本適用例に係る圧電デバイスは、上記適用例1または2に記載の圧電素子を、収容部材の内部へ気密収容したことを特徴とする。
この圧電デバイスによれば、片持ち支持された一端部とは対極の他端部の幅方向中央部を除く角部に突起部を有する圧電素子を備えており、片持ち支持のバラツキ等があっても、突起部が収容部材と当接するようになっていて、突起部以外の圧電基板自体が収容部材に直接当接することを回避している。この場合、突起部は、圧電基板における収容部材と当接する面側の幅方向中央部を除く角部に、少なくとも1箇所設けられていれば良いが、角部であれば複数設けられている設定も考えられる。また、突起部を角部に設ける理由は、矩形状の圧電素子において、歪による機械的エネルギーを例にすれば、その大きさが矩形中央近傍で最も大きく、中央近傍から離れるにつれて小さくなる傾向のためである。つまり、機械的エネルギーの最大部分から最も離れている角部に突起部を設け、この突起部を収容部材と当接させるようにすれば、圧電効果の減を最少に抑制することが可能である。このような突起部を有する圧電素子を備えた圧電デバイスは、収容部材との当接位置が限定され、圧電効果をほぼ最大限に発揮できると共に、安定した特性の維持が図れる。そのため、圧電デバイスは、より小型化されても、特性の安定および圧電効果の維持が可能である。
[適用例4]上記適用例に係る圧電デバイスにおいて、前記収容部材は前記圧電基板の前記突起部を受けるための凸状の枕部を内面に有していることが好ましい。
この構成によれば、収容部材の枕部が圧電素子の突起部を受ける形で接触している。そのため、片持ち支持されている一端部が、例えば導電性接着剤等により、収容部材内面に対して傾いた状態等で固定されていたとしても、最初に、他端部の突起部が枕部と当接し、突起部以外の圧電素子の部分は収容部材内面と当接し難くなっている。これにより、圧電素子は、片持ちされる部分と突起部とだけが収容部材と接触しており、圧電効果が安定して発揮される。一方、突起部がない圧電素子においては、収容部材内面と当接する部分が一定しておらず、当接した部分がどの部分かによって圧電効果にバラツキが生じ、特性が安定しない。このように、突起部を有する圧電素子を備えた圧電デバイスは、一定の箇所即ち突起部が収容部材と当接するような設定のため、圧電効果のバラツキを抑制して、安定した特性を維持することが可能である。
[適用例5]上記適用例に係る圧電デバイスにおいて、前記圧電素子は、前記枕部と、前記圧電基板の前記一端部を受ける台座と、により前記内面と略平行に保持されていることが好ましい。
この構成によれば、圧電素子は、一端部が収容部材に設けられている台座に片持ち支持され、他端部が枕部に突起部を介して当接している。台座と枕部との高さは、一端部が導電性接着剤等で支持されて台座から浮いている長さと、突起部の長さと、を加味して、圧電素子を収容部材内面と略平行に保持するように設定する。また、圧電素子を台座および枕部により収容部材内面から離反させることにより、収容部材内面にそり等が生じていても、突起部以外の圧電素子の部分は、収容部材内面と当接することから確実に回避される。このような台座および枕部により保持された圧電素子を備えた構成の圧電デバイスは、より一層安定した特性を常に維持することが可能である。
[適用例6]本適用例に係る圧電素子製造方法は、矩形状の圧電基板を有する圧電素子を製造するための方法であって、前記圧電基板の片持ち支持される一端部とは対極の他端部における幅方向中央部を除く角部の少なくとも1箇所に突起部を形成する突起部形成工程と、前記圧電基板の前記矩形状の中央部を周辺部より厚肉部に形成するメサ構造形成工程と、を有し、前記突起部形成工程と前記メサ構造形成工程とを同時に行うことを特徴とする。
この圧電素子製造方法によれば、圧電基板は、周辺部をエッチング等の加工により削除し、中央部を厚肉部として残すことにより、メサ構造に形成される。このようなメサ構造の圧電素子は、圧電基板の面積を小さくしても圧電効果が確保されるため、小型化に対応することが可能である。これは、圧電素子において、電気的または機械的エネルギーが質量の大きい部分に集中する傾向にあり、メサ構造の厚肉部にこれらエネルギーを集中させることが可能なことによる。従って、メサ構造の圧電素子は、より小型化に適したものである。この圧電素子は、圧電素子を収容するための収容部材の取り付け部に一端部が固定されて用いられ、一端部とは対極の他端部の幅方向中央部を除く角部に突起部が形成されている。突起部を、他端部の幅方向中央部を除く角部に設ける理由は、矩形状の圧電素子における歪による機械的エネルギーを例にすれば、その大きさが矩形中央近傍で最も大きく、中央近傍から離れるにつれて小さくなる傾向のためである。つまり、圧電素子の中央近傍、即ち機械的エネルギーの最大部分から最も離れている角部に突起部を設け、この突起部を収容部材と当接させるようにすれば、圧電効果の減を最少に抑制することが可能である。このように、メサ構造の圧電素子においては、突起部形成工程とメサ構造形成工程とを、同時に行うことにより、効率的な加工が可能である。
本実施形態に係る水晶振動素子の外観を示す斜視図。 (a)本実施形態に係る水晶振動子の構成を示す平面図、(b)水晶振動子の構成を示す断面図。 水晶振動素子における振動変位エネルギーの分布を示す平面図。 水晶振動素子の突起部の形成方法を示す斜視図、(a)水晶基板へレジストを塗布した状態を示す斜視図、(b)エッチング後の状態を示す斜視図、(c)水晶基板へ形成された突起部等を示す斜視図。
以下、圧電素子および圧電デバイスの具体的な実施形態について図面に従って説明する。本実施形態では、圧電素子として水晶振動素子を例にし、圧電デバイスとしてこの水晶振動素子を備えた水晶振動子を例にして説明する。これら水晶振動素子および水晶振動子は、電気的および機械的エネルギーの損失を抑制する構成を有し、小型化が図れることを特徴とする。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る水晶振動素子の外観を示す斜視図である。図1に示すように、水晶振動素子1は、圧電単結晶材である水晶を略直方体の薄板状に形成した水晶基板(圧電基板)2と、水晶基板2を水平に置いて上面を向いた側である表面側の略中央部に凸状に形成された長方形の励振電極形成部3(3a)と、励振電極形成部3aの長方形角部から長手方向に沿って水晶基板2の一端部2aまで凸状に延在するリード電極形成部4(4a)と、を有している。リード電極形成部4aは、水晶基板2の一端部2aにおいて、端辺に沿ってL字状に曲って形成されていて、さらに、L字状に曲った部分と同形状の凸状部が裏面側の対極位置に形成されている。
このように水晶基板2の表面側に形成された励振電極形成部3aには、金属膜の励振電極5(5a)が長方形部を覆うように形成されている。また、リード電極形成部4aには、励振電極5aに連なった金属膜であるリード電極6(6a)と、リード電極6aに連なってL字状に曲った部分を覆う金属膜であるリード電極端子7(7a)と、リード電極端子7aに連なって裏面側の凸状部を覆う金属膜であるリード電極端子7(7b)と、が形成されている。
同様に、水晶基板2の裏面側にも表面側と同様に金属膜が形成されている。裏面側の励振電極形成部3bには、励振電極5bが形成され、リード電極形成部4bには、励振電極5bに連なるリード電極6bと、リード電極6bに連なるリード電極端子7bと、リード電極端子7bに連がり表面側の対極位置にあるリード電極端子7aと、が形成されている。つまり、水晶基板2の長手方向を中心にして回転させれば、上面を向いた側では、励振電極5、リード電極6およびリード電極端子7が同配置となっているように形成されている。この水晶振動素子1は、略中央部が厚肉部として凸状に形成された、いわゆるメサ構造の振動素子である。
そして、水晶基板2は、水晶基板2の一端部2aに対して長手方向の対極側端部である他端部2bに、突起部8を有している。この突起部8は、他端部2bの幅方向中央部を除く2つの角部にそれぞれ位置しており、表面側に2つの突起部8aおよび裏面側に同じく2つの突起部8bが形成されている。また、突起部8は、凸状の励振電極形成部3とほぼ同じ高さで突起し、平面視長方形の柱形状をなしている。
ここで、水晶振動素子1を形成する水晶について簡単に説明する。水晶振動素子1の水晶基板2は、圧電単結晶材である水晶柱から切り出される。この水晶柱は、六角柱であって、柱の長手方向に光軸であるZ軸と、Z軸に垂直な六角形面のX−Y平面において、六角形の辺に平行な電気軸であるX軸と、X軸に垂直な機械軸であるY軸とを有している。そして、水晶は、X軸(電気軸)方向に電圧を加えると、加えた電圧の方向に対応してY軸(機械軸)方向に伸びあるいは縮みの現象が生じ、逆に、Y軸(機械軸)方向に引っ張りあるいは圧縮を与えると、X軸(電気軸)方向に電圧が生じる性質を有している。つまり、水晶は、電気的エネルギーと機械的エネルギーとの変換が可能である。
水晶のこの性質を有効に利用するため、水晶振動素子1は、水晶柱のX−Z平面において、X軸回りに約35度傾いたX−Z’平面に沿って切り出された、水晶ウエハ(不図示)からさらに切り出された水晶基板2を用いている。このようにして水晶柱から切り出された水晶振動素子1は、X−Z’平面に沿う薄板状で、表裏の方向であるY’方向に厚さを有していて、ATカット水晶振動子と呼ばれるものである。この水晶振動素子1は、励振電極5aと励振電極5bとの間に電圧が加えられると、いわゆる厚みすべり振動が生じて、規則正しい振動の周波数を持続する。また、ATカットされた水晶振動素子1は、その厚みによって、周波数が決まり、広範な温度域において安定した周波数を保持することができる。
次に、水晶振動素子1をパッケージに収容した水晶振動子について説明する。図2(a)は、本実施形態に係る水晶振動子の構成を示す平面図である。また、図2(b)は、水晶振動子の構成を示す断面図であり、図2(a)のA−A'断面である。なお、図2(a)では、パッケージの蓋部を省略して、内部が分かり易いように示してある。図2(a)および図2(b)に示すように、水晶振動子10は、直方体の外観形状をなし、水晶振動素子1をパッケージ(収容部材)12の内部に収容している。パッケージ12は、水晶振動素子1を収容するために、平面視すると水晶振動素子1と略相似形である凹状陥部を有するパッケージ本体12bと、凹状陥部を塞ぐためのパッケージ蓋12aと、を有している。
パッケージ本体12bは、水晶振動素子1のリード電極端子7を片持ち支持するために凹状陥部の内底面である本体内面(内面)12cの長手方向端辺に設けられた台座13と、台座13の設けられた端辺と対極側の端辺に設けられ水晶振動素子1の突起部8を受けるための枕部18と、を有している。実施形態における台座13は、水晶振動素子1のリード電極端子7bの側をそれぞれ受けるように端辺角部に2箇所設けられていて、リード電極端子7bと対向する面には、金属膜の内部端子14が形成されている。このような水晶振動素子1は、リード電極端子7bが、導電性接着剤16によって、台座13の内部端子14と電気的に導通した状態で固定されて片持ち支持されている。そして、パッケージ本体12bの外底面には、本体内面2cの内部端子14と対極する位置に外部端子15が設けられていて、外部端子15は、内部端子14と電気的に導通が図られている。そのため、水晶振動素子1は、内部端子14および外部端子15を介して、外部との接続が可能である。
また、枕部18は、水晶振動素子1の突起部8bの側をそれぞれ受けるように、台座13の側と対極側の端辺角部に2箇所設けられている。この場合、枕部18の本体内面12cからの高さは、台座13の高さと、水晶振動素子1のリード電極端子7bおよび台座13の内部端子14の厚みと、リード電極端子7bと内部端子14との間にある導電性接着剤16の厚みと、の合計値とほぼ同値に形成されている。これにより、水晶振動素子1は、本体内面12cとほぼ平行に保持される。加えて、水晶振動素子1と本体内面12cとの距離を離反させて間隙20を確保できるため、本体内面12cが水晶振動素子1の側へ反っている場合でも、水晶振動素子1の励振電極5bが本体内面12cと当接することを、確実に回避できる。
このパッケージ本体12bは、セラミック製で台座13と一体に形成されていて、本体内面12cには、メタライズ加工により台座13の高さと同等に形成された枕部18を有している。また、パッケージ本体12bには、凹状陥部の端面にコパールのシームリング(不図示)が銀ローで固着されていて、このシームリングの表面には、ニッケル(Ni)メッキが施されている。そして、パッケージ蓋12aは、シームリングと同じコパールで板状に形成され、板状部を貫通する封止穴(不図示)を有し、パッケージ蓋12aの表面にニッケル(Ni)メッキが施されている。なお、水晶振動素子1は、リード電極端子7aおよび突起部8aの側がパッケージ本体12bの本体内面12cと対向するように設けることも可能である。また、枕部18は、導電性接着剤16の厚みと突起部8の高さとが異なる場合、枕部18の形成高さを変更すれば容易に対応できる。
このようなパッケージ12へ水晶振動素子1を収容した水晶振動子10の製造は、まずパッケージ本体12bの台座13に設けられた内部端子14に、導電性接着剤16を介して水晶振動素子1を固定する。水晶振動素子1は、固定された一端部2aが片持ち支持された状態で、他端部2bに設けられた突起部8bの先端が枕部18に当接し、本体内面12cとほぼ平行に保持される。次に、大気圧中でシームリングとパッケージ蓋12aとをシーム溶接する。その後、パッケージ蓋12aの封止穴に、封止穴径より大きい球状の金ゲルマニウム(AuGe)を封止材として配置し、ほぼ真空に減圧したチャンバー内で加熱する。減圧したチャンバー内での加熱により、パッケージ12内が減圧された状態となると共に、封止材が溶融して封止穴を塞ぐ。このことから、水晶振動素子1は、真空のパッケージ12内へ気密に封止された状態となる。
ここで、水晶振動素子1の励振電極5は、水晶基板2の励振電極形成部3の凸面部分に、クロム(Cr)を下地として、その上に金(Au)を形成した金属膜であり、リード電極6およびリード電極端子7は、リード電極形成部4の凸面部分に、クロム(Cr)を下地として、その上に金(Au)を形成した金属膜である。これら金属膜は、スパッタ装置などで形成され、厚さが0.3μm程度である。また、導電性接着剤16は、弾力性を有するシリコン樹脂を母材にして、ニッケル微粉を導電粒子として母材に分散させたものである。従って、水晶振動子10は、シリコン樹脂の弾力性により水晶振動素子1への応力が緩和され、耐衝撃性の向上が図られている。
次に、図3は、水晶振動素子における振動変位エネルギーの分布を示す平面図である。振動変位エネルギーとは、水晶振動素子1が、厚みすべり振動により振動している量である振動変位をエネルギー換算し、任意の位置での変位を把握しやすくした計算値である。この振動変位エネルギーの分布は、図3に示すように、振動変位エネルギーが同値を示す位置をプロットすると、水晶振動素子1の有する励振電極5の略中央に中心を有する複数の略相似する楕円が描かれる。この楕円を例えば等力線30と称し、略中央に近い側から順に、等力線30a、等力線30b、等力線30cとする。
これら等力線30において、水晶振動素子1の長辺方向(X軸方向)の振動変位エネルギーは、水晶振動素子1の有する励振電極5の略中央で最大となり、一端部2aまたは他端部2bの方向へ行くほど減衰して小さくなる。即ち、振動変位エネルギーの大きさは、等力線30a>等力線30b>等力線30cとなる。また、水晶振動素子1の短辺方向(Z’軸方向)の振動変位エネルギーは、励振電極5の略中央で最大となり、長手方向端辺の側へ行くほど振動変位エネルギーは減衰して小さくなる。即ち、振動変位エネルギーの大きさは、等力線30a>等力線30b>等力線30cとなる。このような解析により、厚み滑り振動をする水晶振動素子1の振動変位エネルギーは、励振電極5の略中心をピークに、水晶振動素子1の周縁部に向かって次第に減衰することが確認できた。
等力線30は、水晶振動素子1のリード電極端子7のように導電性接着剤16(図2)で固定された領域、および突起部8のように枕部18(図2)と当接した領域、にかかって干渉する場合には、振動変位エネルギーが消失して存在しない。存在する楕円の等力線30において、振動変位エネルギーが小さいのは、水晶振動素子1の縁部の各辺に最も近い楕円であって、この場合、等力線30cである。励振電極5の略中央に対し等力線30cよりさらに離反すると、等力線30は、リード電極端子7または突起部8にかかって消失し架空のものとなってしまう。水晶振動素子1では、励振電極5が他端部2bの側に寄って形成されているため、突起部8にかからない等力線30は、リード電極端子7にもかからないようになっている。
図3には、参考として、従来の水晶振動素子における厚肉突起部40を示してある。従来の厚肉突起部40は、水晶振動素子1の他端部2bに相当する端辺に沿って延在するように設けられている。そのため、従来の水晶振動素子における等力線30cは、延在する厚肉突起部40と干渉してしまい、振動変位エネルギーが消失する。これに対し、水晶振動素子1では、突起部8が他端部2bに沿って延在する構成ではなく、他端部2bの2つの角部にのみそれぞれ位置するように設けられている。これにより、水晶振動素子1における等力線30cは、突起部8との干渉が回避され、振動変位エネルギーの消失が回避できる。
次に、上記で説明したような突起部8を有する水晶振動素子1の製造工程について、その要部を説明する。図4は、水晶振動素子の突起部の形成方法を示す斜視図であり、図4(a)は、水晶基板へレジストを塗布した状態を示す斜視図、図4(b)は、エッチング加工後の状態を示す斜視図、そして、図4(c)は、水晶基板へ形成された突起部等を示す斜視図である。図4では、水晶基板2の厚さ方向(Y’軸方向)の加工方法を示している。
まず、図4(a)に示すように水晶ウエハから切り出された水晶基板2の表面および裏面に、図1に示す励振電極形成部3、リード電極形成部4および突起部8がそれぞれ形成される部分を覆うレジスト膜50を形成する。このレジスト膜50の形成の一例を示すと、最初に、水晶基板2の表面および裏面の全面へネガレジスト剤をスピンコートによって塗布して、オーブン炉で焼成する。次に、ネガレジスト剤を覆うようにガラスマスクをセットし、ネガレジストに対して紫外線を露光する。ガラススマスクは、励振電極形成部3、リード電極形成部4および突起部8の部分に配置された透過部と、透過部以外の遮光部と、を有し、透過部では紫外線が透過し、遮光部では紫外線が遮られる。ネガレジスト剤は、紫外線の露光された透過部に対向する部分が硬化する。そして、水晶基板2を現像液によって現像すると、紫外線の露光によって硬化した部分は、現像によって溶解されないが、紫外線の露光されなかった部分は、現像によって溶解される。従って、現像後は、励振電極形成部3、リード電極形成部4および突起部8が形成される部分のみに、レジスト膜50が形成されている。
次に、水晶基板2のレジスト膜50が形成されていない表面および裏面の部分を、エッチングにより除去する。レジスト膜50が形成されている部分は、水晶がエッチングで除去されずに凸状に残る。このようなエッチングにより、水晶基板2へ励振電極形成部3およびリード電極形成部4を凸状に形成すると同時に、突起部8の形成ができ、効率的に加工が行える。また、一度のエッチング加工で、表裏の励振電極形成部3、リード電極形成部4および突起部8が加工されるため、水晶基板2の厚みが正確に確保できる。なお、水晶のエッチングは、この場合フッ酸を用いたが、フッ酸とフッ化アンモニウムなどの混合液等を用いても良い。エッチング加工後の水晶基板2は、図4(b)に示されているように、レジスト膜50で覆われた励振電極形成部3、リード電極形成部4および突起部8が凸状に形成されている。
そして、エッチング後に、図4(c)に示すように、水晶基板2の励振電極形成部3、リード電極形成部4および突起部8を覆って残っているレジスト膜50を除去する。こうして、水晶基板2が製造される。なお、この後、水晶基板2は、励振電極形成部3およびリード電極形成部4の凸面部分に、クロム(Cr)と金(Au)の金属膜が形成され、これら金属膜が励振電極5、リード電極6およびリード電極端子7である。金属膜の形成により、水晶振動素子1が完成する。
以下、実施形態の主要な効果をまとめて記載する。
(1)水晶振動子10は、水晶振動素子1が他端部2bの幅方向の中央部を除く角部にそれぞれ突起部8を有し、この突起部8をパッケージ12の枕部18と当接させる構成である。このような構成により、突起部8を有する水晶振動素子1は、枕部18との当接位置が一定の角部に常に限定される。そのため、水晶振動素子1は、突起部8以外の励振電極5等がパッケージ12と当接することを回避でき、振動変位エネルギーの等力線30の消失を極力抑制できる。つまり、水晶振動子10は、圧電効果の減を最少に抑制することができる。従って、水晶振動子10は、小型化されても、等力線30の消失を抑制し、振動変位エネルギーをほぼ最大限に保持できると共に、安定した特性の維持が図れる。
(2)突起部8は、水晶基板2の表裏両面の側にそれぞれ設けられているため、水晶基板2の表裏どちらの面に突起部8が設けられているかの確認が不要で、パッケージ12の枕部18へ対向して設置される。これにより、片持ち支持される水晶振動素子1の一端部2aの側を確認するだけで、水晶振動素子1をパッケージ12へ片持ち支持状態に取り付けることが容易に行える。さらに、水晶振動素子1は、パッケージ蓋12aと当接するような事態に遭遇しても、突起部8aがパッケージ蓋12aと当接し、励振電極5a等の当接を回避できる。
(3)水晶振動素子1は、小型化に適したメサ構造を有している。このようなメサ構造の水晶振動素子1においては、励振電極形成部3およびリード電極形成部4をエッチングで形成する時に、突起部8の形成が同時に効率良く行える。また、水晶基板2の表裏を一度のエッチングで加工するため、厚みも精度良く加工でき、厚みによって周波数が決められるATカットの水晶振動素子1は、小型化されても、その特性を確実に保持することができる。
(4)水晶振動子10は、水晶振動素子1の一端部2aがパッケージ12の台座13に片持ち支持され、他端部2bの突起部8が枕部18に当接している。このように、水晶振動素子1が、台座13および枕部18によってパッケージ12の本体内面12cから離反していることにより、本体内面12cに水晶振動素子1側への反り等が生じていても、励振電極5bが本体内面12cと当接して等力線30が消失してしまうことを回避できる。このような構成の水晶振動子10は、より一層安定した特性を常に維持することができる。
また、圧電素子および圧電デバイスは上記の実施形態に限定されるものではなく、次に挙げる変形例のような形態であっても、実施形態とほぼ同様な効果が得られる。
(変形例1)水晶振動素子1の他端部2bには、表面側および裏面側それぞれの2つの幅方向の中央部を除く角部に突起部8a,8bが設けられている。しかし、この構成に限定されるものではなく、例えば、突起部8が、表裏とも1つの幅方向の中央部を除く角部にのみ設けられた構成であっても良い。さらには、突起部8が、表面側あるいは裏面側のいずれかにのみ設けられた構成であっても良い。
(変形例2)突起部8は、平面視長方形の形状をなしているが、この構成に限定されず、平面視丸形やL字形等であっても良く、高さ方向に柱状以外の錐状をなしていても良い。
(変形例3)突起部8は、水晶基板2と一体に形成されているが、水晶基板2とは別体の構成であっても良い。
(変形例4)水晶振動素子1は、励振電極5のみが凸状になっているようなメサ構造であっても良い。さらに、水晶振動素子1は、メサ構造の水晶振動素子1に限定されるものではなく、凸状の励振電極形成部3およびリード電極形成部4がないフラットな水晶基板を有する構成のものであっても良い。
(変形例5)本実施形態では、圧電素子として水晶振動素子1を例に説明したが、圧電素子は、水晶のみに限定するものではなく、ランガサイト、四方酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料を用いたものであっても良い。
(変形例6)水晶振動子10において、励振電極5、リード電極6およびリード電極端子7の金属膜が、実施形態の構成以外の、例えばニッケルと銀(Ag)とのメッキ等でも良く、また、水晶振動素子1を片持ち支持するための導電性接着剤16が、エポキシ樹脂等を母材としたものであっても良い。
(変形例7)水晶振動子10のパッケージ12に形成されている枕部18は、メタライズ加工によるものではなく、パッケージ本体12bと一体に形成されていても良い。そして、パッケージ12が、その内部に、水晶振動素子1以外の電子部品等を収容している場合には、それら部品等を枕部18として用いても良い。
(変形例8)パッケージ12の内部は、真空状態に封止されているが、真空状態ではなく、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが封入されていても良い。
1…圧電素子としての水晶振動素子、2…圧電基板としての水晶基板、3…励振電極形成部、4…リード電極形成部、5…励振電極、6…リード電極、8…突起部、10…圧電デバイスとしての水晶振動子、12…収容部材としてのパッケージ、12a…パッケージ蓋、12b…パッケージ本体、12c…本体内面、13…台座、14…内部端子、15…外部端子、16…導電性接着剤、18…枕部、20…間隙、30…等力線、40…厚肉突起部、50…レジスト膜。

Claims (10)

  1. 厚み滑り振動を主振動として振動し、一定の厚さを有している第1の領域と、
    前記第1の領域の前記主振動の振動方向に沿って並んでいる両側の外縁部に、段差を介して連結され、前記第1の領域よりも厚さが薄い部分を備えている第2の領域と、
    を含む振動素子であって、
    平面視で、前記第2の領域は、更に、固定部が配置される一方の端部側とは反対側の他方の端部側の一主面側であって、前記振動方向と交差する方向に沿った幅の中央部を除いた部分に、前記第1の領域と離れ、かつ、前記振動素子の外縁よりも内側に、前記薄い部分の前記一主面よりも厚さ方向に沿って突出した2つの第1の突起部と、
    前記第2の領域の前記一方の端部側の一主面側であって、前記薄い部分の前記一主面よりも厚さ方向に沿って突出した第2の突起部と、が設けられていることを特徴とする振動素子。
  2. 請求項1において、
    前記第1の突起部及び前記第2の突起部が、前記外縁に沿って配置されていることを特徴とする振動素子。
  3. 請求項1または2において、
    平面視で前記振動素子は矩形状であり、
    平面視で前記振動素子の角部に前記第1の突起部配置されていることを特徴とする振動素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記振動素子の厚さ方向の断面において、前記第2の領域の一主面よりも前記第1の領域が突出している高さと、前記一主面よりも前記第1の突起部が突出している高さとが同じであることを特徴とする振動素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    平面視で、前記第2の領域の前記他方の端部側の他主面側であって、前記振動方向と交差する方向に沿った幅の中央部を除いた部分に、前記薄い部分の前記他主面よりも厚さ方向に沿って突出した第3の突起部が配置されていることを特徴とする振動素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項において、
    前記振動素子は、前記第1の領域に設けられている励振電極と、
    前記励振電極から前記第2の領域の前記一方の端部側に延出しているリード電極と、
    前記一方の端部側に設けられ、前記リード電極と接続されている電極端子と、
    を含むことを特徴とする振動素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の振動素子と、
    前記振動素子が収容されているパッケージと、
    を備えていることを特徴とする振動デバイス。
  8. 厚み滑り振動を主振動として振動する第1の領域と、
    前記第1の領域の前記主振動の振動方向に沿って並んでいる両側の外縁部に段差を介して連結され、前記第1の領域よりも厚さの薄い部分を備えている第2の領域と、
    を含む振動素子の製造方法であって、
    基板をエッチングすることにより、平面視で前記第2の領域の固定部が配置される一方の端部側とは反対側の他方の端部側の一主面側であって、前記振動方向と交差する方向に沿った幅の中央部を除いた部分に、前記第1の領域と離れ、かつ、前記振動素子の外縁よりも内側に、前記薄い部分の前記一主面よりも厚さ方向に沿って突出した2つの第1の突起部を形成する工程と、
    基板をエッチングすることにより、前記第2の領域の前記一方の端部側の一主面側であって、前記薄い部分の前記一主面よりも厚さ方向に沿って突出した第2の突起部を形成する工程と、
    基板をエッチングすることにより、前記第1の領域を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする振動素子の製造方法。
  9. 請求項8において、
    平面視で前記基板は矩形状であり、
    前記第1の突起部を形成する工程は、平面視で前記基板の角部に突起部を形成することを特徴とする振動素子の製造方法。
  10. 請求項8または9において、
    前記第1の突起部を形成する工程と、前記第2の突起部を形成する工程と、前記第1の領域を形成する工程と、を同時に行うことを特徴とする振動素子の製造方法。
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