JP5795736B2 - 親水性シリコーンモノマー、それらの調製方法およびそれを含有する薄膜 - Google Patents

親水性シリコーンモノマー、それらの調製方法およびそれを含有する薄膜 Download PDF

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Description

本発明は分岐鎖結合基を伴うポリエーテルを有する単官能性親水性シリコーン含有モノマー、ならびにそれから産生されるホモおよびコポリマーに関する。また、本発明は、本発明の親水性シリコーン含有モノマーおよびポリマーの製造方法に関する。さらに、本発明はバイオメディカルデバイス、特にコンタクトレンズの製造に有用なハイドロゲル組成物を対象とする。
シリコーンハイドロゲルフィルムは、その高い酸素透過性、柔軟性、快適性および低減された角膜合併症の理由から長時間装装着ソフトコンタクトレンズの作製に使用されている。従来のハイドロゲル材料(例えば2−ヒドロキシエチルメチルアクリレート、HEMA)それ自体は酸素透過性が乏しく、吸収した水分子を通して目に酸素を輸送する。水は酸素透過性(Dk値とも呼ばれ、これはBarreとして表され得る)が低い。ここで、1Barrer=10−11(cm)cm cm−2−1mmHg−1(ここで『cm』は標準的な温度、気圧での酸素量を表わし、『cm』は材料の厚さを表わし、cm−2はその材料の表面積の逆数である)。水のDkは80Barrerである。これらのレンズは長期にわたり大気に暴露されると徐々に脱水され、角膜に輸送される酸素量が減少する。結果として目の炎症、充血およびその他の角膜合併症を生じる可能性があり、それゆえにレンズの使用が限定された期間に制限される。
ソフトコンタクトレンズの快適性および顕著に高い酸素透過性を有するシリコーンハイドロゲルは、従来のハイドロゲルを超えて装着期間の障害を克服し、検眼分野において画期的であった。以下の特許は、コンタクトレンズにおけるシリコ−ンハイドロゲルの使用について記載する。
Bausch& Lomb Incに対する米国特許番号4,260,725は、ヒト角膜の要求を充足するに十分な酸素輸能力を有し、重合可能に活性化された不飽和基に、二価の炭化水素基を介してα、ω末端に結合され、親水性側鎖を含有するポリシロキサンを含む、吸水性で、柔らかく、親水性で、柔軟な、加水分解安定性で、生物学的に不活性なコンタクトレンズを記載している。
また、Bausch& Lomb Incに対する米国特許番号5,352,714も、シリコーン含有モノマー、親水性モノマー、および水和によって高い極性アミノ酸に転換され得る比較的非極性の環を含有するモノマーを含む、増強された濡れ性を有するシリコーン含有ハイドロゲルを記載している。
Johnson & Johnson Vision Productsに対する米国特許番号5,998,498は、以下の構造を有するシリコーン含有モノマーを含む反応混合物を硬化することにより調製されるシリコーンハイドロゲルを記載している。
Figure 0005795736
式中、R51はHまたはCH、qは1または2、かつ各q、R52、R53およびR54は独立してエチル、メチル、ベンジル、フェニル、または1〜100の反復Si−O単位を含む一価シロキサン鎖、pは1〜10、r=(3−q)、Xは0またはNR55、ここでR55はHまたは炭素数1〜4の一価のアルキル基、aは0または1、かつLは好ましくは炭素数2〜5を含み、任意にエーテルまたは水酸基を含んでもよい、二価の結合基(例えばポリエチレングリコール鎖)である。
Asahikasei Aime Co.に対する米国特許番号6,867,245は、ソフトコンタクトレンズを記載し、大気中と同様に、水中でのその表面における水に対する小さくかつ安定な接触角、装着における付着がほとんどないこと、高い酸素透過性、角膜へのレンズの癒着(adhesion)がなく、そしてより優れた長期装着特性を示すコンタクトレンズを提供している。水中でのキャプティブバブル(captive bubble)法によるレンズ表面において10〜50°の範囲の接触角、かつ空気中における液滴法により3&90°の接触角を有し、30以上の酸素透過性、5%以上の水分含量を有するハイドロゲルソフトコンタクトレンズを記載し、そして、特定の一般式によって示される親水性シロキサニルモノマーを含むポリマーからなるハイドロゲルソフトコンタクトレンズも記載している。この特許は、コンタクトレンズ用材料として有用とされているモノマーを含有するアミド基を有する親水性シロキサンのコポリマーを開示している。このポリマーは、シロキサニルメタクリレート(親水性ポリエーテル修飾シロキサニルアルキルメタクリレートおよび架橋性モノマーを包含するシロキサニルメタクリレート(TRISと略記される、トリス[トリメチルシロキシ]シリルプロピルメタクリレート))を含有する親水性アミド基を含む。
CK Witco Corporationに対する米国特許番号6,013,711は、保存安定性の喪失、または加硫処理温度における硬化の遅延、または恒久的親水性もしくは他の硬化ポリシロキサンの所望の特性の喪失を伴わない、α,ω−ジビニルポリシロキサンを有する、低分子量の不飽和シロキサン−ポリエーテルコポリマーの混和性を改善する方法を記載する。当該組成物は、1以上のα,ω−ジビニルポリシロキサン、1分子あたりケイ素原子2〜5を有する不飽和ポリシロキサン−ポリエーテルコポリマー(好ましくはトリシロキサン)、および相溶化添加物を含む。恒久的に親水性であり、迅速に湿らすことができる(wettable)ポリシロキサン組成物は、静的水接触角<50°および約100未満の動的前進接触角を生じる。
Crompton Corporationに対する米国特許番号6,207,782は、アクリレート化親水性ポリシロキサンモノマーおよびポリマー、ならびにアクリレート/メタクリレートコモノマーとそれらのコポリマー、そして、それらのパーソナルケア、織物およびコーティング適用のための乳化物を開示している。アクリレート化シロキサンは式aにより表される。
Figure 0005795736
式中、RはRおよびPから選択され、ここで、各Rは同一または異なってもよく、それぞれ一価の炭化水素基であり;各PはR[O(C2bO)COCR=CH、式中、Rは多価の有機部分であって、ヒドロキシ置換アルキレンであってもよく、gはRマイナス1の原子価、Rは水素またはメチル;b=2〜4、好ましくは2〜3;z=1〜1000、好ましくは3〜30;かつm+n+p+o=1〜100、好ましくは2〜20、少なくとも1つのRはPであり;n=1〜100;oがゼロでない場合、n/o<10:1;pがゼロでない場合、n/p<10:1;かつm=0〜10である。当該発明の好ましいアクリレート化シロキサンは、式(b)である。
Figure 0005795736
式中、xおよびyは0または整数、好ましくは各xおよびyは0〜100、最も好ましくは0〜25であってもよい;QはRまたはPであってもよい(但し、平均アクリレート官能性は1分子あたり>1不飽和基である)。好ましい実施態様においてy=0およびQ=Pである。
従来より、シリコーンハイドロゲルは、アクリレートまたはメタクリレート官能基化シリコーンモノマーを、ハイドロゲル(親水性)モノマー(ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、N−ビニルピロリドン(NVP))、およびメチルメタクリル酸(MA)、ジメチルアクリルアミド(DMA)等の他のモノマー)と共に、架橋剤およびフリーラジカルまたは光重合開始剤の存在下で重合させることによって作製される。架橋剤は、一般的に、2以上の反応性官能基をその分子の異なる部位に有する。通常、これらの部位は、重合可能なエチレン不飽和基を含有する。硬化の間、それらは2つの異なるポリマー鎖と共有結合を形成し、そして安定な三次元ネットワークを形成してポリマーの強度を向上させる。従来より、コンタクトレンズに使用されている架橋剤は、エチレングリコールジメチルアクリレートおよびトリメチロイルプロパントリメタクリレート(約0.1〜2重量%)を包含する。他の有用な架橋剤は、ジエチレングリコールジメチルアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、ジグリシジルビスフェノールAジメタクリレートおよびジメタクリレート基末端ポリエチレングリコールおよび反応性直鎖ポリエーテル修飾シリコーンを包含する。
一般的に、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ材料は、疎水性単官能性シリコーンモノマー(TRIS等)または多官能性親水性シリコーンモノマーのいずれかを用い、続く二次的表面処置によって作製される。単官能シリコーンモノマーは、コンタクトレンズ産業において、多官能性シリコーンモノマーよりも好ましく、それは後者がそれから作製されたレンズ剛性の増加を導くからである。
ソフトコンタクトレンズに関する当該分野の状態は改善し続けられているにもかかわらず、これらの特許に記載されるシリコーンベース材料は、いまだ最適以下の表面濡れ性および脂質付着のような重大な不足を有する。これらの欠点を克服する努力において、当該技術の現状は、『プラズマ酸化』と呼ばれる高価な二次的表面処置か、または酸素透過性を犠牲とする内部湿潤剤のいずれかを使用する。従って、欠点および当該分野においてシリコーン含有材料に必要な高価な表面処置を伴うことなくコンタクトレンズを作製するために使用され得る、本質的に有利な濡れ性および酸素透過性を有する親水性シリコーンモノマーが必要とされている。
シロキサン−ポリエーテルコポリマーとアルキル分岐鎖不飽和ポリエーテル(メチルアリルポリエーテル等)とのヒドロシリル化合成は、当該技術分野において知られている。例えば、US3,507,923およびUS4,150,048を参照。しかしながら、これらのシロキサンポリエーテルコポリマーのアクリレートおよびメタクリレートキャップ誘導体から調製されたポリマーフィルムにおける改善された酸素透過性および水濡れ性の実現は、新規である。従って、本発明は、分岐鎖結合基を有するポリエーテル部分を含有する新規のモノアクリレートまたはメタクリレート官能基化シリコーンモノマー、そのようなモノマーの高純度および製造容易性(ease of manufacturability)を伴う製造方法、ならびにより優れた親水性官能性を有するこれらのモノマーから作製されたホモおよびコポリマーを開示する。これらの官能性シリコーンモノマーは、長期装着ソフトコンタクトレンズに用いられ得る、吸水性、酸素透過性シリコーンハイドロゲルフィルムの作製に有用である。特に、本発明において開示されるモノマーは、分岐鎖結合基を有し、これは、シロキサン単位を反応性メタクリレート基で末端が官能基化されたポリアルキレンオキシドブロックと結合する。コンタクトレンズの適用のための従来技術においてすでに開示されているような直鎖アルキル結合基を有するモノマーから調製されたシリコーンハイドロゲルフィルムと比較して、これらのモノマーにより産生されるシリコーンハイドロゲルフィルムは、改善された表面濡れ性、酸素透過性および機械的特性を提供する。
1つの側面において、一般式(I)または(II)を有するシリコーンモノマーが提供される。
Figure 0005795736
Figure 0005795736
式中、aは1〜50;bは0〜100;各Rは独立して炭素数1〜約10の一価の脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素基、および炭素数1〜約10のハロゲン化炭化水素基からなる群から選択され、Zは一般式(III)を有する分岐鎖アルキル基を有するポリエーテル部分である:
Figure 0005795736
式中、
nは1〜約20;pおよびqは独立して0〜約100;rは0〜約50、かつ(p+q+r)は0より大きく;Rは炭素数1〜約4のアルキル基、Xは一般式(IV)を有するポリエーテル−キャッピング基である。
Figure 0005795736
式中、RおよびRは、独立して水素または炭素数1〜約20の置換もしくは非置換の飽和一価炭化水素基のいずれかである。
また、本発明は、記載されたモノマーに由来するホモおよびコポリマー、ならびにこれを含有するシリコーンハイドロゲルを提供する。
また、本発明は、一般式(V)を有するシリコーン含有化合物
Figure 0005795736
式中、aは1〜50;bは0〜100;各Rは独立して炭素数1〜約10の一価の脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素基、および炭素数1〜約10のハロゲン化炭化水素基からなる群より選択される;
と、ヒドロキシルまたはハロゲンまたはエポキシで終結された(terminated)少なくとも1つの末端、および分岐鎖アルケンで終結された他の末端を有し、かつ一般式(VI)を有するポリエーテル:
Figure 0005795736
式中、nは1〜約20、pおよびqは0〜約100;rは0〜約50;Rは炭素数1〜約4のアルキル基、YはOH、ハロゲンまたはエポキシ基である
とを反応させてポリエーテルシロキサンを産生し、その後前記ポリエーテルシロキサンと一般式(VII)を有するアルキルアクリロイル化合物
Figure 0005795736
式中、Gはハロゲンまたは−OH、かつRおよびRは独立して水素または炭素数1〜約10の炭化水素基のいずれかである、
とを反応させて前記シリコーンモノマーを製造する、記載されたモノマーを製造する方法をも記載する。
発明の詳細な説明
本発明によれば、分岐鎖結合基を含有するポリエーテル部分を有し、コンタクトレンズ適用用の吸水性シリコーン−ハイドロゲルフィルムの調製に有用な新規のモノ(メタ)アクリレート官能基化親水性シリコーンモノマーが記載される。これらのモノマーによって得られるシリコーンハイドロゲルフィルムは、直鎖アルキル結合基を有する対応するシリコーンポリエーテルモノマーから作製された以前に開示されるフィルムと比較して、より良好な表面濡れ性、酸素透過性および所望の弾性を示す。開示される新規モノマーはポリエーテル部分に分岐鎖結合基を有し、これが未反応、異性化ポリエーテル、および関連する高分子量の副産物の分離を必要とすることなく、親水性ポリエーテル修飾シリコーンコポリマーを産生することを可能にする。
本発明において、シリコーン単位を親水性ポリエーテル鎖に結合するアルキル基は、合成の間、不飽和ポリエーテルの異性化を防止する置換アルキル基である。分岐鎖結合基の存在は、リアクターから直接的により高い純度のシリコーンポリエーテルコポリマーが得られることを可能にする。加えて、そして極めて驚くべきことに、本発明の分岐鎖結合基を有するシリコーンポリエーテルコポリマーを用いて製造されたシリコーン−ハイドロゲルフィルムは、改善された酸素透過性、低い水接触角(極めて良好な表面濡れ性)およびレンズの取り外しおよび挿入を容易にし、レンズが装着される際の快適性に寄与する弾性を示す。これらは、直鎖アルキル結合基を有するシリコーンポリエーテルコポリマーと比較すると、明らかな改善である。
また、本発明のモノマーは、いかなる均質化溶媒を必要とすることもなく、親水性コモノマーと混和性であり、そのため、モノマー−コモノマー組成物の全範囲わたって透明であるシリコーンハイドロゲルを供給する。
該シリコーンモノマーと異なる有機モノマーとの最適な混和性(最適な溶解度パラメーター)は、ポリエーテル(親水性)の鎖長またはポリエーテル鎖中のアルキレンオキシド(例えばエチレンオキシドおよびポリエチレンオキシド)の比率のいずれかまたは両方を変化させることによって達成される。ポリエーテル鎖が短すぎるもしくは長すぎる、誤った平均極性、または非存在である場合、一般の不飽和有機モノマーとの混和性は乏しく、曇った材料をもたらす可能性がある。シリコーンポリエーテルコポリマーと不飽和シリコーン反応物、溶媒およびコンタクトレンズポリマーの製造に有用なポリマーとの混和性も、同様に影響を及ぼされる。また、シリコーン基の大きさおよび構造も、独立して変化させることができ、混和性に影響を及ぼし得るが、極性官能基に対するシリコーンの量が多すぎる場合、オルガノシリコーンモノマーは極性有機モノマーと非混和性であろう。
上記式(I)または(II)におけるbがゼロであるという具体例において、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)との混和性は、Z基の型:−CH−CH−CH−O−CH−CH−OCH−CH−OR(ここで、少なくとも2つのエチレンオキシド単位が存在する)により達成され得る。この理由は、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)等の極性コモノマーと式(I)または(II)によって表わされるこれらのシリコーンモノマーとの混和性は、シリコーンモノマー中の極性ポリエーテル基に対するシリコーン部分の比率によって制御されるからである。シリコーンモノマー中にポリエーテルがない、またはポリエーテルが極めて少ない場合、当該シリコーンモノマーはHEMAと非混和性であり、それらを均質化するために溶媒を必要とする。
逆に、シリコーン−ポリエーテルコポリマー中に存在するシリコーンが極めて少ない場合、コンタクトレンズポリマーにおける増強された酸素輸送の所望の特性は減少される可能性がある。本発明の材料は、現に、それ自身が成分の分布であるシリコーンおよびポリエーテル前駆体の製造の潜在的な化学に由来する結果として生じる組成物の分布である。特定のモノマー一式と混和性がより低いであろう分布中の成分の量または成分の範囲、およびコンタクトレンズポリマーの作製に使用される処方中の他の構成要素を、除去または低減することが可能な化学的および/または物理的処理によって分布の特徴を制御することが望ましいかもしれない。
蒸留、高真空ストリッピング、分取クロマトグラフィーまたは超臨界流体抽出法によるシリコーンおよび/またはポリエーテル反応物の精製を、最終コポリマー分布を制御するために使用することができる。小さいポリエーテル反応物(ポリエーテル中の平均エーテル単位数約2〜約6)が、シリコーン−ポリエーテルコポリマーの調製に使用される場合、分布からのアルコール出発物および単一アルキレンオキシド付加物(1つのアルキレンオキシド単位のみと反応する出発アルコール)の除去に関心がもたれる。未反応アルコール出発物および単一アルキレンオキシド付加物が、(限定されない例として)蒸留または高真空ストリッピングにより除去された、精製ポリエーテル前駆体は、コンタクトレンズポリマーを産生するために使用される処方を妨げるであろう濃縮物中に存在するゼロまたは単一エーテル付加物を伴わない、短鎖(約2〜約6)ポリエーテルを作製するための出発物として使用され得るため、有用である。ポリエーテルのアスコルビン酸およびアスコルビン酸塩による処置は、US5,986,122に記載されており、そのヒドロシリル化反応を改善する。
本明細書において、『ホモポリマー』は、同一の反復モノマーから作製されるポリマーであり、『コポリマー』は当該ポリマーが少なくとも2つの構造的に異なるモノマー単位を含有するポリマーである。直鎖アルキル連結(メタ)アクリレート化シリコーンポリエーテル鎖を有するモノマーおよびポリマーは、シロキサンと、そのような化合物中の側鎖のアルキレンオキシド部分とを結合する結合基においていかなる分岐も伴わない化合物を意味する。(メタ)アクリレートのような表記は、アクリレートまたはメタクリレート官能性のいずれかを有するモノマーを意味する。本発明のモノマーは、所望の物理的強度および吸水後の裂け抵抗性(resistance to tearing)を有する硬化エラストマーを得るために使用され得る。本発明のモノ(メタ)アクリレート官能基化シリコーンモノマー/ポリマーおよびそれらの調製、ならびにコンタクトレンズにおける使用は、下記欄にさらに記載される。
本発明は、柔らかく、柔軟な吸水フィルムを産生するための、(メタ)アクリレート官能基化親水性シリコーンモノマーおよびHEMAまたは他のコンタクトレンズモノマー等の従来のモノマーを含むシリコーン−ハイドロゲル組成物をも提供する。本発明のホモおよびコポリマーは、約10重量%〜約60重量%の水を吸収し、極めて優れた表面濡れ性および効果的な酸素透過性を示す、クリアな(乏しい混和性に由来するヘイズのない)ポリマーである(これらの全ては、レンズが装着される際のより良好な快適性、およびヒト角膜の良好な健康状態のために必要である)。また、本発明は、請求の範囲の発明のシリコーン−ハイドロゲルフィルムから作製されるコンタクトレンズも提供する。これらの実施態様は、さらに後述される。
本発明において製造される高分子量ポリエーテル鎖を有するモノマーは、ポリエーテル鎖中に直鎖アルキル結合基を有するモノマーと比較して、より良好な酸素透過性および顕著に改善された表面濡れ性を有するシリコーンハイドロゲルフィルムを産生する親水性シリコーンホモ/コポリマーの形成に使用され得る。本発明のシリコーン−ハイドロゲルフィルムから製造されるコンタクトレンズは、プラズマ酸化もしくはプラズマコーティング、または濡れ性を改善するための内部湿潤剤のようないかなる高価な二次的処置も必要としない。すなわち、二次的処置を要しない、本発明のシリコーンハイドロゲルフィルムから製造されるコンタクトレンズは、柔らかく、柔軟、かつ本質的に濡らすことができ(wettable)、そして高い酸素透過性を呈する。
本発明のモノマーは、ペンダント(コーム様)または環状であってもよく、ペンダント構造については一般式(I)を有する:
Figure 0005795736
構造的には以下のように示され得る:
Figure 0005795736
そして、環状構造については一般式(II)を有する:
Figure 0005795736
式中、両方の構造について、aは1〜約50;bは0〜約100;各Rは独立して、炭素数1〜約10、好ましくは炭素数1〜約6の一価の脂肪族、または脂環式炭化水素基、または炭素数1〜約10の芳香族炭化水素基、好ましくはフェニル、または炭素数1〜約10のハロゲン化炭化水素基、好ましくはフッ素化炭化水素からなる群より選択される。
上記モノマーに関する一般式において、Zは一般式(III)を有する分岐鎖アルキル基を伴うポリエーテルである:
Figure 0005795736
構造的には以下のように示され得る:
Figure 0005795736
式中nは1〜約20;pおよびqは0〜約100;rは1〜約50、かつ(p+q+r)は0よりも大きく;かつRbは炭素数1〜約4のアルキル基、好ましくは−CHであり、Xは一般式(IV)を有して表わされるポリエーテルキャッピング基である
Figure 0005795736
式中、RおよびRは独立して水素または炭素数1〜約20の置換もしくは非置換の飽和一価炭化水素基のいずれかである。上記モノマーの式中bがゼロである具体例において、ポリエーテル基Zにおける炭素原子の総数は好ましくは6以上である。
上述の通り、本発明の発明モノマーは、環状であってもよい。本発明の環状モノマーに関し、総(a+b)値が好ましくは、鎖状構造の場合約1〜20の間であり、環状構造の場合3〜約20の間であり、末端ケイ素原子は酸素原子によって連結される。
また、本発明は、本発明モノマーの反応生成物によって形成されるポリマーも対象とする。これらのポリマーは、本発明のモノマーの1つからなるホモポリマー、または本発明の2つの構造的に異なるシリコーンモノマーのコポリマー、および/または1以上の本発明のシリコーンモノマーとシリコーンハイドロゲルにおける使用に好適な少なくとも1つの他の親水性不飽和有機モノマー(限定されない好ましい例として、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル−メタクリレート(HEMA)、N−ビニルピロリドン、およびメタクリル酸が挙げられる)とのコポリマーであってもよい。そのようなコポリマーにおいて、他の親水性不飽和有機モノマーに対する本発明のシリコーンモノマーのコポリマー比は、1:100〜約100:1である。
本発明のモノマーを用いてポリマーを形成するために、所望のモノマーを混合し、結果として得られた混合物を重合して、架橋剤の存在下で過酸化物または光重合開始剤のいずれかを用い、公知の熱またはUV硬化技術によって硬化して透明な薄膜を形成する。ポリマーを形成するために重合前に混合物を作るためにモノマーミックスに添加されるモノマーは、モノマーまたはプレポリマーであってもよい。『プレポリマー』は、重合可能な基を有する中間分子量の反応中間ポリマーである。従って、用語『シリコーン含有モノマー』および『親水性モノマー』は、プレポリマーを包含するものと理解される。また、本発明は、上記に詳述されるホモポリマーまたはコポリマーを含むシリコーンハイドロゲルフィルムも対象とする。
本発明の1つの好ましいシリコーンモノマーは下記式を有する。
Figure 0005795736
式中、pは1〜約50、好ましくは2〜約15、より好ましくは約8であり、かつ、bは0〜約100、より好ましくは0〜2を含み、およびさらに好ましくは0である。この好ましいモノマーにおいて、一般的なモノマー構造におけるRおよび各R基はメチル基である。
他の実施態様において、本発明は、一般式(V)を有するシリコーン含有化合物
Figure 0005795736
[式中a、b、およびRは上記の通りである]
と、一般式(VI)を有する、少なくとも1つのヒドロキシル、ハロゲンまたはエポキシキャッピングアルキル分岐鎖不飽和ポリエーテル
Figure 0005795736
構造的には以下のように示され得る:
Figure 0005795736
[式中、nは1〜約20、好ましくは2〜約16、およびさらに好ましくは2〜約6;pおよびqは独立して0〜約100;rは0〜約50;Rは末端アルケン基のベータ炭素に付着したアルキル基であり、YはOH、ハロゲンまたはエポキシである]
とを、触媒の存在下で化学的に反応させてポリエーテルシロキサンを製造し、その後、前記ポリエーテルシロキサンを一般式(VII)を有するアルキルアクリロイル化合物
Figure 0005795736
[式中、Gはハロゲンまたは−OHであり、かつRおよびRは独立して水素または炭素数1〜約10の炭化水素基のいずれかである]
を、塩基の存在下で反応させて前記シリコーンモノマーを産生することを含む、記載されたシリコーンモノマーの製造方法をも対象とする。Rは、好ましくはメチル基であり、Rは好ましくは水素である。ポリエーテルシロキサンと一般式(VII)を有するアルキルアクリロイル化合物との反応を、第三級アミン塩基または塩基性イオン交換樹脂(IER)および低沸点溶媒の存在下で行うことができる。トリエチルアミンおよびトリプロピルアミン等のトリアルキルアミンは好適な塩基である。使用される溶媒は、ヘキサン、メチルエチルケトン、アセトン、ジクロロメタン、クロロホルムまたは同様の溶解度パラメーターおよび反応条件下での不活性を有する他の低沸点溶媒から選択され得る。
本発明の特定の実施態様は、上記式に関し、RおよびRがメチル基であり、bが0、qおよびrが0;pが0〜約100、好ましくは0〜約50、およびより好ましくは0〜約10、かつYがOH、Gが塩素またはOHである、上記方法を対象とする。
一般式(V)の化合物と一般式(VI)の化合物とのヒドロシリル化反応を、溶媒および米国特許3,229,112;4,847,398;4,857,583;5,191,103;または5,159,096に記載(これらの関連部分は参照により本明細書に組み込まれる)の添加剤を用いて、または用いずに行うことができる。アルキル分岐鎖、不飽和ポリエーテル(一般式(VI))の選択に付随する主な利点は、実質上のSiHおよびアルケニル官能性化学量論的量の使用である。従って、従来の10〜20パーセントモル過剰のアルケニルポリエーテルに代えて、本発明のヒドロシリル化合成工程は、本質的にモル過剰のアルキル分岐鎖、不飽和ポリエーテルを全く伴わずに行われ得る。0.99〜1.09の範囲におけるSiH/アルケニル化学両論が有効である。米国特許5,986,122に教示されるポリエーテルのアスコルビン酸およびアスコルビン酸塩による処置は、ヒドロシリル化反応性を改善し、低減されたPt触媒レベルの使用を可能とする。この特許に関連する技術も、本明細書中に参照によって組み込まれる。
本発明のポリエーテルは、親水性ハイドロゲルモノマーと混和性である本発明のシロキサンモノマーの分子量に依存して、いかなる追加の均質化溶媒も採用せずに直接的に硬化が可能な、クリアで、透明で均質な単一相溶液を形成する。本発明のモノマーに関するFedors法(Robert F.Fedors,Polymer Engineering and Science,1974年2月,Vol.14,No.2)に基づく計算された溶解度パラメーター値は、TRIS等のシリコーンモノマーよりも従来のハイドロゲルモノマー(HEMA、NVPおよびDMA等)の溶解度パラメータ値に近く、およそ16.5〜およそ19(J/mol)1/2の範囲に及ぶ。混和性は、本発明のモノマーと親水性コモノマー間の溶解度パラメーターにおける相違が約7.7(J/mol)1/2未満である場合に実現される。
本発明の他の実施態様において、ポリマーは、当該分野において公知の方法を介してシリコーン−ハイドロゲルフィルムへと形成されてもよい。本発明のシリコーン−ハイドロゲルフィルムは、柔らかく、柔軟で透明性が高い。本発明のモノマーから作製されるシリコーンハイドロゲルフィルムは、直鎖アルキル結合メタクリレート化シリコーンポリエーテル鎖を有するモノマーを用いて作製されたものと比較して、より良好な表面濡れ性および酸素透過性を呈する。本発明のシリコーンハイドロゲルフィルムは、80°〜30°の範囲の水との動的前進接触角を有し、約10〜60重量%の水を吸収することが見出されており、これはポリエーテルの分子量に依存して変化し得る。製造」されるシリコーンハイドロゲルは、コンタクトレンズ適用に求められる良好な機械的特性(低弾性および高い引き裂き強度等)も有することが見出された。
従来のシリコーン−ハイドロゲルフィルムは、一般的に、互いに非相溶である疎水性シリコーンモノマーと親水性ハイドロゲルモノマーの混合物を、約10〜40重量%の溶媒の存在下で硬化することによって製造される。しかしながら、本発明においては、本発明のメタクリレート化シリコーンモノマーは、従来の親水性ハイドロゲルモノマー(HEMA、NVPおよびDMA等)と混和性であることが見出され、いかなる溶媒も採用することなく、シリコーンハイドロゲルフィルムを製造するのに好適な均質な溶液を形成することができる。
本発明のモノマーの密度は、一般的に、25℃において0.89〜1.1g/cmにおよび、屈折率はナトリウムD線に対して1.4〜1.46に及ぶ。本発明者らは、屈折率が1.431より大きく、密度が0.96g/cmよりも大きいモノマーは、相溶化溶媒の非存在下で、HEMAのような親水性モノマーと均質、クリアかつ透明にみえる、完全に混和性の組成物または偽混和性の組成物を作り出すことを見出している。上述のように、従来のシリコーンモノマー(例えばTRIS)は、シリコーンハイドロゲルを作製するための混和性組成物を得るために溶媒の存在下でHEMAのような親水性モノマーと混合されなければならない。本発明のシリコーンハイドロゲルコポリマーを作製するために使用されるハイドロゲルコポリマーは、HEMA、ジメチルアクリルアミド(DMA)、N−ビニルピロリドン(VNVP)、メタクリル酸(MA)等の親水性アクリル系モノマーであってもよい。
本発明において、結果として得られるポリマーは、当該分野において公知の方法によってシリコーン−ハイドロゲルフィルムへと形成されてもよい。従って、本発明は、本発明のホモまたはコポリマーのいずれかから産生されるコンタクトレンズをも対象とする。本発明のモノマー/ポリマーは、米国特許番号3,408,429および3,496,254に開示されるスピンキャスト法、米国特許番号4,084,459および4,197,266に開示されるキャストモルディング法、これらの方法の組み合わせ、またはコンタクトレンズ作製のための公知の他の方法によってコンタクトレンズへと形成され得る。重合は、所望のコンタクトレンズの形状に応じてスピニングモルド、またはステーショナリーモルドのいずれかにおいて行われてもよい。レンズは、さらに、必要に応じて機械的仕上げに供されてもよい。また、重合は、ボタン、プレートまたはロッドを形成する適当な型または容器中で行われてもよく、これは、その後、所望の形状を有するコンタクトレンズを与えるために処理(例えば、旋盤またはレーザーによる切断または研磨)され得る。
結果として生じる本発明のポリマーから作られるコンタクトレンズの相対的な柔らかさまたは硬さは、活性化不飽和基(メタクリロキシ等)でエンドキャップされたポリシロキサンプレポリマーの分子量の減少もしくは増加、またはコモノマーの割合を変動させることにより変動され得る。一般的に、エンドキャップ単位に対するポリシロキサン単位の比率が増加すると、材料の柔らかさが増す。
また、本発明のポリマーは、添加物もしくはコモノマーの形態で紫外線吸収剤、色素および着色剤を含有してもよい。
上記のとおり、本発明のシリコーン−ハイドロゲルは、直鎖アルキル結合基を有するシリコーン−ポリエーテルコポリマーと比較した場合、高い酸素輸送特性と共に改善された表面濡れ特性を呈する。本発明により採用されるモノマーおよびポリマーは、容易に重合されて3次元ネットワークを形成し、これは高い機械性(mechanicals)および光学的透明性と、改善された濡れ性と共に酸素の輸送を可能とする。
例えば、69重量%の本発明のモノマーと29重量%のHEMAコモノマーにより製造されたシリコーンハイドロゲルフィルムは、HEMAとの同様の組成物について、対応する直鎖アルキル結合基を有するシリコーン−ポリエーテルによって製造されたシリコーンハイドロゲルフィルム(酸素透過性266Barrer、キャプティブ接触角58°および弾性>2MPa)に対し、より低いキャプティブバブル接触角(40°)を伴うより高い酸素透過性(360Barrer)、および低い弾性(0.8Mpa)を示す。同様の傾向が、HEMAと本発明のモノマーの異なる組成物から製造されたシリコーンハイドロゲルについて観察された。
当該フィルムの具体的用途は、眼球内コンタクトレンズ、人工角膜および長期装着むけ使い捨てソフトコンタクトレンズ、または生物医学装置用のコーティングとしての用途が包含される。
以下の実施例は単なる例示であり、添付の特許請求の範囲に適切に記述されている本発明を制限するものとして解釈されるべきではない。変化するエチレンオキシド(EO)含有量を有するメタクリレート化シリコーンポリエーテルモノマーは、異なるEO鎖長を有するメタリル(分岐鎖)ポリエーテルを使用し、実施例1に開示される合成スキームに従って製造される。比較目的のため、同一のスキームに従い、同様のEO鎖長を有するアリル(直鎖)ポリエーテルを使用して、直鎖アルキル結合基を有するメタクリレート化シリコーンポリエーテルを調製した。メタクリレート化シロキサンモノマーを、異なる重量比の従来のハイドロゲルモノマーと別々に共重合させて、シリコーンハイドロゲルフィルムを製造した。分岐鎖結合基を有するメタクリレート化シリコーンポリエーテルモノマーにより得られたシリコーン−ハイドロゲルフィルムの特性を、直鎖状に結合されたメタクリレート化シリコーンポリエーテルモノマーから調製されたシリコーンハイドロゲルフィルムのそれと比較した。実施例に示されるように、コンタクトレンズの生産、使用および快適性に重要であると考えられるそれらの特性に重点がおかれている。分岐アルキル結合基を有する本発明のモノマーによって得られるフィルムの特性は、直鎖アルキル結合基を有するモノマーによって調製されたフィルムに由来する特性よりはるかに優れていることが見出された。
製造されたシリコーン−ハイドロゲルフィルムを、以下の方法を用いてレンズ特性について評価した。
(1).平衡水分含有量
フィルムを脱イオン水に48時間浸漬した。その後、表面の水をほこりの無いティッシュペーパーで静かに拭き取った。含水フィルムを正確に計量し、その後37℃のオーブンで48時間乾燥し、そして乾燥重量について再び計量した。水分含有量を、重量変化に基づいて下記方程式を用いて計算した。
Figure 0005795736
(2).水濡れ性
(Neumann AW,Godd RJ.Techniques of measuring contact angles.In:Good RJ,Stromberg RR,Editors.Surface and Colloid science−Experimental methods,vol.11.New York:Plenum Publishing;1979.pp.31−61.に従って測定した。)
フィルム表面の水濡れ性を、Rame Hart NRL C.A.ゴニオメーターで動的接触角法と、キャプティブエアバブル(captive air bubble)法の両方を用いて接触角を測定することにより評価した。動的接触角法においては、濡れたフィルムを最初にほこりの無いティシュペーパーで圧迫し、その後表面に一滴の水を垂らした。接触角を、ゴニオメーターを使用して時間について測定した。キャプティブバブル法(これは、目の上にある状態(on eye condition)をより良好に模擬的に再現する)においては、シリンジからインジェクトされた気泡をMilli−Q水に浸漬されたフィルムと接触させ、その後接触角を測定する。より低い接触角の数値は、フィルムのより高い程度の親水性、またはより良好な表面濡れ性を表わす。
(3)酸素透過性(Dk Value)
(V.Compan,et al.,Oxygen Permeability of Hydrogel Contact Lenses with Organosilicon Moieties,Biomaterials,vol 23 (2002,#13)pp 2767−2772.に従って測定した。)
酸素透過性は、コンタクトレンズの性能のなかで重要な要素の一つである。一般的に、透過性が高くなればなるほど、その材料は望ましいものとなる。これらの試料に関する酸素透過性(Dk)は、ISO9913標準法に従ってポーラログラフの技術(polargraphic technique)を用いて測定した。フィルムを透過セル中に固定し、ドナーチャンバーを酸素飽和PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で満たした。レセプターセル中の酸素濃度をモニターし、時間関数としてグラフにプロットして、透過性をプロットの初期傾斜から決定した。
(4)弾性
含水フィルムのヤング弾性をインストロン張力テスター(Instron tensile tester)を用いて測定した。湿らせたサンプルを6cm×0.8cmの条片に切り取り、50Nのロードセルおよびクロスヘッド速度10mm/分により機械的特性を測定した。弾性を、応力歪み曲線の初期傾斜から決定した。弾性は材料の柔らかさに直接関連している。弾性が低くなればなるほど、その材料は柔らかくなる。
モノマー調製
実施例1:
下記式によって表わされる化合物の合成。
Figure 0005795736
メタクリレート化シリコーンポリエーテルモノマーを、2工程プロセスを用いて調製した。第一工程において、水酸基末端化メタリルポリエーテルとモノヒドリド官能トリシロキサン部分(moiety)との間でヒドロシリル化反応が生じる。第二工程において、水酸基は、メタクリル化(methacrylation)反応を介して重合可能なメタクリレート基に転換される。
具体的な処理において、ヘプタメチル−トリシロキサン(70g)と、鎖中平均4つのエチレンオキシド(EO)単位を有するメタリル基末端化ポリエチレングリコール(75g)を、還流冷却器、メカニカル(mechanical)スターラー、熱電対を有する温度コントローラーおよび窒素注入口を備えた500mL三口丸底(RB)フラスコ中に導入した。内容物を、カルステッド触媒(1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンのプラチナ複合体、装填された総反応物質の重量に基づいて30ppmのPt)および、デヒドロカップリング反応のような副反応が生じることを防止するための50ppmプロピオン酸ナトリウム緩衝液(US4,847,397を参照)の存在下で80℃〜85℃に加熱した。ヒドロシリル化の完了の後、揮発性の化合物(例えば、触媒と共に導入されたトルエン)を減圧下で蒸留した(取り除いた)。最終生成物である、ヒドロキシル基末端化シリコーンポリエーテルが、望ましくないいかなる副生成物も伴うことなく定量的な収率で無色、透明な液体として得られた。結果として生じる純粋な生成物を、多核NMR(H、13C、29Si)分光法およびゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)によって明確に特徴づけた。本発明のシリコーンポリエーテルの合成は、溶媒があっても無くても起こり得る。溶媒が使用される場合、好ましいものは、トルエン、イソプロピルアルコールまたはメチルエチルケトンを包含する。
次に、上記工程で合成されたシリコーンポリエーテル(142g)、トリエチルアミン(30.3g)(または代替的に、塩基性イオン交換樹脂酸捕捉剤)、およびメチルエチルケトン(250ml)を、滴下漏斗および攪拌ブレードを備えた三口の1リットルRBフラスコ中に導入した。フラスコを氷浴に浸漬し、塩化メタクリロイル(31.3g)をおよそ1時間に亘って絶えず攪拌しながら滴下して添加した。添加の完了後、室温でさらに3時間攪拌を続けた。このようにして形成されたトリエチルアミン塩酸塩を、反応の間、沈殿により除外した(precipitated out)。イオン交換樹脂を使用した場合、それはろ過により濾しとられた(filtered off)。溶媒を、回転真空蒸発装置(rotary vacuum evaporator)で除去し、無色透明な液体として最終モノマーを得た。使用された溶媒の低い沸点は、真空下(すなわち約10mmHg未満)で約30℃〜40℃の温度で溶媒を完全に除去することを可能にする。結果として生じる親水性モノマー生成物は、無色から淡黄色であった。それを冷蔵庫で琥珀色の瓶に保存した。赤外分光法、多核NMR(H、13C、29Si)分光法およびGPCによる特徴付けを続けた(followed)。
最終モノマーのプロトンおよびケイ素NMRの結果を以下に示す。
H−NMR(ppm):0.07((CH)Si−),0.26,0.56(Si−CH−),0.95(−CH),1.93(=C(CH)),3.64(−CHCHO−),4.29(CHCOO),5.56,6.12(=CH
29Si−NMR(ppm):−22(−OSi(CH)(EO)),7(−OSi(CH
実施例2
下記式により表わされる化合物の合成。
Figure 0005795736
このモノマーを、4EO単位に代えて、平均8EO単位を有するメタリル基末端化ポレチレングリコールを使用した以外、実施例1と同じ方法で得た。SiH/アルケニル化学量論は1.05であった。
実施例3
この実施例は、以下の変更を伴う実施例2のメタクリレート化シロキサン−ポリエーテルの合成を説明する。(1)US5,986,122の実施例2Tにおいて教示されるポリエーテルのアスコルビン酸塩処置。(2)Pt使用の10ppmまでの削減、(3)メタクリレートキャッピングを0〜5℃に代えて35〜45℃で行うこと、(4)メチルエチルケトンに代えてヘキサンの使用、(5)トリエチルアミンに代えてトリプロピルアミンの使用、および(6)室温で保存されている最終メタクリレート化シロキサンポリエーテル生成物の一部に50ppmのヒドロキノンを添加すること。
ヘキサンが溶媒である場合、トリプロピルアミン塩酸塩の沈殿が完了したことが観察された。真空中(in vacuo)で溶媒が取り除かれた場合、追加の塩沈殿は観察されなかった。そうでなければ、得られたメタクリレート化シロキサンポリエーテル生成物は、実施例2の生成物について計測されたものと同一の物理的および組成上の特性を示した。
シリコーン−ハイドロゲルフィルムの形成
実施例4
実施例1で得られた化合物(49重量部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(49重量部)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)(1重量部)、およびイルガキュア(Irgacure)OXE01(1重量部)を混合し攪拌した。結果として生じたクリアで均質かつ透明な反応混合物を、窒素ガスでパージし(purged)、ポリスチレンペトリ皿(Petri dish)で覆われたアルミニウムパンへ注いだ。この反応混合物の薄膜を15mW/cmで20分間、チャンバーにおいてUV照射に暴露した。硬化の後、フィルムをイソプロピルアルコールに浸漬し、その後、48時間脱イオン水中に置いた。製造されたシリコーンハイドロゲルフィルムは透明であり約18重量%の水を吸収した。
実施例5〜7
シリコーンハイドロゲルフィルムを、実施例1で得られた化合物に代えて実施例2で得られた化合物を用いた以外は実施例4と同じ方法で得た。最終サンプルは、クリアで透明な薄膜として得られ、純水中に保存した。表1は、実施例5〜7で形成されたシリコーンハイドロゲルフィルムの処方および物性を示す。
比較例1
下記式によって表わされる化合物の合成。
Figure 0005795736
モノマーを、メタリルポリエチレングリコールに代えて平均4EO単位を有するモノアリル基末端化ポリエチレングリコールを使用した以外は実施例1と同じ方法で調製した。最終モノマーのプロトンMMRは、当該モノマーに加えて分離困難な異性化ポリエーテルの存在を示し、これは本発明のモノマーでは観察されないものである。
最終モノマーのプロトンおよびケイ素NMRの結果を以下に示す。
H−NMR(ppm):0.07((CH)Si−),0.43(Si−CH−),1.58(−CH−),1.93(=C(CH)),3.64(−CHCHO−),4.28(CHCOO),4.36,4.75,5.96,6.23(プロぺニル基(異性化ポリエーテル)による)5.55,6.12(=CH
29Si−NMR(ppm):−22(−OSi(CH)(EO)),7(−OSi(CH
比較例2
下記式によって表わされる化合物の合成。
Figure 0005795736
モノマーを、メタリルポリエチレングリコールに代えて平均8EO単位を有するモノアリル基末端化ポリエチレングリコールを使用した以外は比較例1と同じ方法で調製した。
比較例3
シリコーン−ハイドロゲルフィルムを、実施例1で得られた化合物に代えて比較例1で得られた化合物(49重量部)を使用した以外は実施例4と同じ方法で得た。最終の透明サンプルを脱イオン水中に保存した。
比較例4〜6
シリコーン−ハイドロゲルフィルムを、比較例1で得られた化合物に代えて比較例2で得られた化合物を使用した以外、比較例3と同じ方法で得た。最終の透明サンプルを脱イオン水中に保存した。表1は、比較例4〜6において形成されたシリコーン−ハイドロゲルフィルムの処方および物性を示す。
比較例7
下記式により表わされる化合物の合成。
Figure 0005795736
モノマーを、ポリエチレングリコールに代えて、低分子量、アリルオキシエタノールを使用した以外、比較例1と同じ方法で調製した。
Figure 0005795736
表1は、分岐鎖シリコーンモノマー(実施例5〜7)を用いて製造されたシリコーン−ハイドロゲルフィルムがより高い酸素透過性と共により低い対水接触角を示し、それゆえに、直鎖シロキサンモノマー(比較例4〜6)の対応する処方により製造されたシリコーンハイドロゲルフィルムに比べて、改善された濡れ性、およびより低い弾性特性を示すことを証明している。予想外に、直鎖および分岐鎖の両方のアルキル結合基を有するシリコーンポリエーテルモノマーによって産生されたシリコーンハイドロゲルフィルム中のシロキサン含量の増加に伴って、接触角および弾性における減少が観察された。
表2は、異なるモノマーに関して得られた屈折率(RI)、密度、および溶解度パラメーターを開示する。特許請求の範囲に記載のメタクリレート化シリコーンポリエーテルと他のモノマーの溶解度パラメーター値は、『Fedors法』(第36段落を参照)に基づく原子団寄与法(group contribution method)を用いて計算した。モノマー中のEO単位数が増加すればするほど、モノマーのRIおよび密度が増加し、HEMAのような高RIモノマーに等しくなる。これらの増加は、シロキサンおよびハイドロゲルモノマー間のより良い混和性、ならびに、相溶性のためにいかなる溶媒を使用することもなく直接的に硬化が可能な透明、均質、安定なシリコーン−ハイドロゲル組成物の形成に寄与する。
Figure 0005795736
表2のデータは、メタクリート化シリコーンモノマー中のEO単位数が増加するにつれて、RI、密度および溶解度パラメーターが増加し、これが硬化の前後で様々な有機コモノマーを有する透明かつ混和性のシリコーンハイドロゲル組成物を形成するのに役立つことを説明している。コモノマーとメタクリレート化ポリエーテル−シリコーンコポリマー間の7.7(J/mol)1/2未満またはこれに等しい溶解度パラメーターにおける相違は、混和性であることを指す。
また、表2のデータは、分子構造の制御を通して混和現象を制御する点で、本発明の鍵となる側面を説明する。HEMA等の極性有機モノマーとの混和性または非混和性の挙動を選択するためのシリコーンモノマーの構造の制御は、より極性のポリエーテル基に対する低い極性シリコーン基の比率を選択することにより達成される。一部分のポリエーテル基の型およびサイズのさらなる選択は、シリコーンモノマー、有機モノマーおよびコンタクトレンズ処方の他の材料から形成されるハイドロゲル中の水との相互作用を決定づける。
50重量%のHEMAモノマーとの混合に際し、3EO単位と同等またはそれより多い本発明のメタクリレート化シリコーンポリエーテルモノマーは、直ちに均一でクリアな均質の透明溶液を形成する。50重量%のHEMAモノマーとの混合に際し、1つのEO単位を伴う、またはEO単位を伴わないメタクリレート化シリコーンポリエーテルモノマーは、2つの層を形成し、強い振とうにより曇った、または混濁した溶液を生じる。表2のデータは、約16.5(J/mol)1/2の計算された溶解度パラメーターを有するモノマーについて、50:50重量%混合物中でHEMAとの一部分のみの混和が観察されることを示す。シリコーンモノマーの溶解度が約17(J/mol)1/2またはそれを超える場合、それは50:50重量%混合物中でHEMAと混和性である。TRISに関する計算された溶解度パラメーター値は15.8(J/mol)1/2であり、TRIS(トリス(トリメチルシロキシ)シリル)プロピルメタクリレート)とHEMAとの50:50重量%混合物に対する予測は、計算された溶解度パラメーターに基づいて、非混和性の組成である。
本発明は、好ましい実施態様の参照と共に記載される一方、様々な変更が加えられてもよく、本発明の範囲から外れることなくそれらの要素と等価物が置換されてもよいことを、当業者は理解するであろう。本発明が本発明の実施に関する最良の形態として開示される特定の実施態様に限定されることなく、本発明が添付の特許請求の範囲内に含まれる全ての実施態様を包含することが意図される。本明細書中で言及される全ての引用文献は、参照によって明確に本明細書に組み込まれる。

Claims (28)

  1. 下記一般式を有する単官能性シリコーン含有モノマー:
    Figure 0005795736
    または
    Figure 0005795736
    式中、
    aは1〜50;
    bは0〜100;
    各Rは、独立して、炭素数1〜10の一価の脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素基、および炭素数1〜10のハロゲン化炭化水素基からなる群より選択される;
    Zは下記一般式を有するポリエーテルである:
    Figure 0005795736
    式中、
    nは1〜20;
    pおよびqはそれぞれ0〜100;
    bは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基;
    rは0〜50であって、p+q+rの和は0より大きい;かつ
    Xは下記一般式を有するポリエーテルキャッピング基である:
    Figure 0005795736
    式中、R3およびR4は独立して、水素原子または炭素数1〜20の置換もしくは未置換の飽和一価炭化水素基のいずれかである。
  2. 少なくとも1つのRがフッ素化された炭化水素基を含む、請求項1のモノマー。
  3. 各Rが、独立して、炭素数1〜6の飽和一価炭化水素基またはフェニル基を含む、請求項1のモノマー。
  4. a+bが、一般式(I)の場合1〜20、および一般式(II)の場合3〜20である、請求項1のモノマー。
  5. 前記モノマーが環状モノマーを含む、請求項1のモノマー。
  6. 前記シリコーン含有モノマーが下記式を有する請求項1のモノマー:
    Figure 0005795736
    式中、bは0〜100であり、pは1〜50である。
  7. bが0〜2および/またはpが2〜15である、請求項6のモノマー。
  8. bが0であり、かつZに存在する炭素原子の総数が少なくとも6である、請求項1のモノマー。
  9. nが1〜3であり、Rbがメチル基である、請求項1のモノマー。
  10. 請求項1の少なくとも1種のモノマーの反応生成物を含むポリマー。
  11. 請求項1の少なくとも2種のモノマーの反応生成物を含むコポリマーであって、少なくとも1種の前記モノマーが少なくとも1種の他のモノマーとは異なる構造を有するコポリマー。
  12. 請求項1の少なくとも1種のモノマーと、ビニルモノマー、アクリルアミドモノマーおよびアクリルモノマーからなる群より選択される少なくとも1種の追加のモノマーとの反応生成物を含むコポリマー。
  13. 前記ビニルモノマーがN−ビニル−ピロリドンである、請求項12のコポリマー。
  14. 前記アクリルモノマーが2−ヒドロキシ−エチル−メタクリレート(HEMA)である、請求項12のコポリマー。
  15. 前記アクリルアミドモノマーがN,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)である、請求項12のコポリマー。
  16. 前記追加のモノマーが多官能性架橋剤である、請求項12のコポリマー。
  17. 前記少なくとも1種の追加のモノマーに対する、前記請求項1の少なくとも1種のモノマーの重量の比率が、1:100〜100:1である、請求項12のコポリマー。
  18. 以下を含むシリコーン含有モノマーの製造方法:
    a)下記一般式を有するシリコーン含有化合物:
    Figure 0005795736
    [式中、
    aは0〜50;
    bは0〜100;かつ
    各Rは、独立して、炭素数1〜10の一価脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素基および炭素数1〜10のハロゲン化炭化水素基からなる群より選択される]
    と、少なくとも1種の下記一般式を有するポリエーテル:
    Figure 0005795736
    [式中、
    mは1〜20、
    bは数1〜4個の炭素原子を有するアルキル、
    pおよびqは独立して0〜100;
    rは0〜50;かつ
    YはOH、ハロゲンまたはエポキシ基である]
    とを、触媒の存在下で反応させてポリエーテルシロキサンを製造する;ならびに
    b)前記ポリエーテルシロキサンを、下記一般式を有するアルキルアクリロイル化合物
    Figure 0005795736
    [式中、Gはハロゲンまたは−OH、かつR3およびR4は水素または炭素数1〜10の炭化水素基のいずれかである]
    と塩基の存在下で反応させて前記シリコーン含有モノマーを製造する。
  19. 前記ポリエーテルシロキサンと前記アルキルアクリロイル化合物との前記反応が、第三級塩基または塩基性イオン交換樹脂(IER)および溶媒の存在下で行われる、請求項18の方法。
  20. 前記溶媒が、ヘキサン、メチルエチルケトンもしくはアセトン、ジクロロメタンまたはクロロホルムである、請求項19の方法。
  21. Rがメチル、bが0、かつqおよびrが0;かつpが0〜10である、請求項18の方法。
  22. Rがメチル、bが0、Gが塩素、pが1〜20、かつqおよびrが0である、請求項18の方法。
  23. 請求項10のポリマーを含むシリコーン−ハイドロゲルフィルム。
  24. 請求項23のシリコーン−ハイドロゲルフィルムを含むコンタクトレンズ。
  25. 請求項1のモノマーと1以上の親水性コモノマーを含む溶媒フリー(solvent free)で、クリアで、透明な混合物であって、請求項1のモノマーと該親水性コモノマー間の溶解性パラメーターにおける相違が7.7(J/mol)1/2未満である混合物。
  26. 請求項1のモノマーが下記式を有する請求項25の混合物:
    Figure 0005795736
    式中、bは0〜100、かつpが1〜50;かつ親水性コモノマーが2−ヒドロキシ−エチル−メタクリレート(HEMA),N−ビニルピロリドン(NVP)およびN,N−ジメチルアクリルアミド(DMP)ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。
  27. 請求項25の混合物から調製されるシリコーン−ハイドロゲルフィルム。
  28. 請求項27のシリコーン−ハイドロゲルフィルムを含むコンタクトレンズ。

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