JP5795143B2 - 閉断面構造の成形方法、及び閉断面構造成形用の成形装置 - Google Patents

閉断面構造の成形方法、及び閉断面構造成形用の成形装置 Download PDF

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Description

本発明は、平板状の加工材を閉断面構造に成形するための閉断面構造の成形方法、及び閉断面構造成形用の成形装置に関する。特に、フランジのない閉断面構造の部品であって、部品の側面に曲面を有する部品製造のための成形に好適な技術である。
従来、閉断面構造を有する部品を製造する方法として、以下のような技術が知られている。
特許文献1に記載の技術では、金属平板をプレス成形することで、断面平坦な連結部の両端から一対の閉断面構造体半部を立ち上がらせてなる半成品を製作する工程と、両閉断面構造体半部の間に挿入した偏平ポンチにより連結部を内側から押圧して断面V字状の屈曲部に成形しながら両閉断面構造体半部を更に立ち上がらせる工程と、両閉断面構造体半部間から偏平ポンチを引き上げた後、両閉断面構造体半部の外端を相互に突き合わせて溶接する工程とを順次実行している。
また、特許文献2に記載の技術では、第1成形部及び第2成形部を有する金属板材を準備し、これを焼入れ可能な温度に加熱する。低温の第1のプレス型機構を用いて焼入れ可能な温度状態にある第1成形部にプレス成形を施すことにより、第1成形部に対し開放断面形状を付与された一次成形品を得ると共に同時焼入れを行う。次に、低温の第2のプレス型機構を用いて焼入れ可能な温度状態にある第2成形部にプレス曲げ成形を施すことにより、一次成形品の開放断面形状を、曲げ成形された第2成形部によって横断面が閉じた中空な閉断面形状に変化させた二次成形品を得ると共に同時焼入れを行っている。
特許文献3に記載の技術では、所定の形状に外形抜きした板金材を略ハット状断面に形成した後、成形された略ハット状断面の鍔状部分を複数に分割した各部の型をフレキシブルジョイントにより屈伸自在に連結してなる中子に沿って寄せ曲げして中空断面に成形する技術が開示されている。
特許文献4に記載の技術では、複数の予備角部が形成された2曲げ粗形材をプレス成形して、各予備角部を所定の角度まで屈曲させて角部を形成する上型および下型と、上型および下型の間に配置された2曲げ粗形材をプレス成形するときに、2曲げ粗形材の互いに対向する端縁を近接させるように、後に側部となる部分を押圧する第3の型としての側面ダイスと、を備える技術が開示されている。
また特許文献5に記載された技術では、捩れ部となる素材の一側面を最終形状に成形し、合せ曲げ加工時に、かかる最終形状を、合せ曲げ成形用金型の成形面によって拘束することで、一般部および捩れ部のいずれも、合せ曲げ成形用金型の各成形面によって素材形状を拘束し、所望の形状の一般部および捩れ部を成形している。
特開2006−116552号公報 特開2007−245187号公報 特開昭63−278614号公報 特開2001−191112号公報 特開2003−311329号公報
特許文献1には、円筒、角筒、5角断面、多角形断面についての閉断面構造体の成形方法が提示されている。この従来技術では、両閉断面構造体半部の間に、先端に***部がある偏平ポンチを挿入し、その偏平ポンチにより連結部を内側から押圧して断面V字状の屈曲部に成形しながら、両閉断面構造体半部をさらに立ち上がらせて閉断面化する技術である。
すなわち、両閉断面構造体半部を立ち上がらせる際に、断面V字状の屈曲部を形成することが必須となる。このV字状の屈曲部は比較的小径R(曲率半径)での曲げ加工となるため、高張力鋼板などの延びの低い材料ではわれが発生する原因となる。また、肉眼では確認できないクラックが発生しやすく、破断しやすい。このため、特許文献1の技術には、自動車構造部品、特に衝突安全性と剛性を重視するフロントサイドメンバーなどに適用した場合に、衝突特性や剛性、部品耐久性の点で課題がある。また仮にV字状屈曲部の先端にアールを付与したとすると、両閉断面構造体半部の立ち上がり量が小さくなり、次工程の溶接が困難となる。
特許文献2に記載の技術は、コスト的に不利な熱間成形を2度行う必要がある。また、熱間プレスにより焼入れ後に製品表面に多量のスケールが発生する。このため、自動車部品等に適用した場合、電着塗装や後塗装密着性を確保するためにスケールを落とす必要があり、新たに1工程、別途設ける必要がある。この結果、タクトタイムとコスト的な欠点を有する。
特許文献3に記載の技術では、中子周囲に金属平板を巻きつけて成形するため、中子上下左右にそれぞれ金型を配置する必要があり、コストアップ要因となる。さらに、中子から成形部品を引き抜く際に、部品長手方向に凹凸が存在する形状の場合等、部品形状によっては中子の引抜きが不可能となる。また、中子構造・制御も複雑となり、コストアップ要因となる。
特許文献4に記載の技術は、長手方向に沿った側壁部の形状がストレートな部品の成形だけに限定されるという課題がある。すなわち側壁が曲面形状である場合、予成形品を次工程で成形した際に、予成形時に形成したフランジ部が側壁部の曲げ成形時に発生する肉あまりの原因となって、フランジ部が大きくうねる変形が発生する。そのため溶接端面同士のつき合わせが不可能となる可能性がある。
特許文献5に記載した技術は、まず予成形としてブランク両端のフランジ(溶接端部)を成形し、ついで予成形形状部品よりも幅が狭く、最終形状に近い形状のダイスに予成形品を押し込んで成形し、さらに最終工程で部品長手方向にねじり形状を有するダイスに予成形品を押し込む成形方法である。このため、側壁部がストレートであるねじり形状の部品は成形可能であるが、側壁部に曲面を有した形状の場合、フランジ成形後の予成形時にフランジ部が大きくうねる変形が発生する。そのため端面同士のつき合わせが不可能となるという課題がある。
以上のように、従来の閉断面部品製造技術では、屈曲部を施すことによる成形時、鋼板の破断やクラックが発生し部品性能が低下してしまう場合があった。また、側壁部に曲面形状が存在する場合、閉断面化可能なフランジ部の寸法精度が確保できない等の課題があった。
すなわち、本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、閉断面構造を簡易且つ寸法精度よく成形可能とすることを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、平板状の加工材を閉断面構造に成形する成形方法であって、
該加工材に屈曲部を形成する第1工程と、該加工材の幅方向中央部側をポンチとパッドで挟み込んだ状態で、ダイスの間に上記ポンチを押し込むことで、上記屈曲部を曲げ成形する第2工程と、を備えたことを特徴とするものである。
次に、請求項2に記載した発明は、平板状の加工材を、該加工材の幅方向中央部側に形成される底部と、その底部の幅方向両側に位置する左右の側壁部と、その左右の側壁部にそれぞれ連続する一対の溶接端部とを備えた閉断面構造に成形する成形方法であって、
上記底部と左右側壁部との境界部位置に屈曲部を形成する第1工程と、上記底部となる部分をポンチとパッドで挟み込んだ状態で、ダイスの間に上記ポンチを押し込むことで、上記屈曲部を曲げ成形する第2工程と、を備えたことを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対し、第2工程において、被成形材をダイス間に案内する際に、上記ダイスのポンチ押込側位置に、該ダイスに近づくにつれて間隔が狭くなるようなガイド面を設けたことを特徴とするものである。
次に、請求項4に記載した発明は、平板状の加工材を、該加工材の幅方向中央部側に形成される底部と、その底部の幅方向両側に位置する左右の側壁部と、その左右の側壁部にそれぞれ連続する一対の溶接端部とを備えた閉断面構造に成形すると共に、上記左右の側壁部の少なくとも一方の側壁部を、長手方向の少なくとも一部が面外方向に凹若しくは凸となった曲面形状に成形する成形方法であって、
上記底部と左右側壁部との長手方向に沿った境界部位置にそれぞれ屈曲部を形成すると共に、上記側壁部に対応する部分が上記曲面形状となるように、上記平板状の加工材をプレス成形する第1工程と、
上記プレス後の加工材に対し、上記底部となる部分を板厚方向からポンチとパッドで挟み込んだ状態で、一対のダイスの間に上記ポンチを押し込むことで、左右の側壁部が近づく方向に上記境界部位置の屈曲部を曲げ成形する第2工程とを備え、
上記ポンチの押込部分の断面形状は、閉断面構造に成形後の上記底部及びそれに連続する上記境界部の断面形状、若しくはそれに近似した形状となっており、
上記一対のダイスのポンチ押込側位置に、該ダイスに近づくにつれて間隔が狭くなって、上記左右の側壁部を一対のダイス間に案内する一対のガイド面を設けたことを特徴とするものである。
次に、請求項5に記載した発明は、請求項3又は請求項4に記載した構成に対し、上記一対のガイド面におけるポンチ押込方向に沿った輪郭形状を、側壁部が接触する側に凸の曲線形状としたことを特徴とするものである。
次に、請求項6に記載した発明は、請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載した構成に対し、上記ガイド面の長手方向に沿った輪郭形状を、接触する側壁部の長手方向に沿った輪郭形状に倣った形状としたことを特徴とするものである。
次に、請求項7に記載した発明は、請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載した構成に対し、上記第1工程後であって第2工程前に、左右の側壁部にそれぞれ連続して溶接端部に対応する部分を、部品最終形状に従った端面にトリミングして成形することを特徴とするものである。
次に、請求項8に記載した発明は、請求項2〜請求項7のいずれか1項に記載した構成に対し、第2工程後に、加工材の幅方向両側に位置する一対の溶接端部間を溶接にて接合する溶接工程を備えることを特徴とするものである。
次に、請求項9に記載した発明は、請求項8に記載した構成に対し、上記溶接工程は、上記一対の溶接端部をそれぞれ溶接線側に摺動可能な状態に仮押さえすると共に、溶接線位置に基準板を配置して、一方の溶接端部側を当該基準板に当接するまで溶接線側に押し付けた後に、上記基準板を抜き取ると共に、他方の溶接端部を溶接線側に押し込むことで上記一対の溶接端部の端面同士を対向させてから、一対の溶接端部間を溶接にて接合することを特徴とするものである。
次に、請求項10に記載した発明は、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載した構成に対し、平板状の加工材は、高張力鋼板からなることを特徴とするものである。
次に、請求項11に記載した発明は、平板状の加工材を閉断面構造に成形する成形装置であって、
該加工材の屈曲部を形成する上型及び下型を備えたプレス用金型と、該加工材を挟持するためのポンチ及びパッドと、上記ポンチを押し込むことで上記屈曲部を曲げ成形するダイスと、を備えることを特徴とするものである。
次に、請求項12に記載した発明は、平板状の加工材を、該加工材の幅方向中央部側に形成される底部と、その底部の幅方向両側に位置する左右の側壁部と、その左右の側壁部にそれぞれ連続する一対の溶接端部とを備えた閉断面構造に成形する成形装置であって、
上記底部と左右側壁部との境界部位置に屈曲部を形成するように、上記平板状の加工材をプレス成形する上型及び下型を備えたプレス用金型と、
上記底部となる部分を挟持するためのポンチ及びパッドと、
上記ポンチを押し込むことで、上記境界部位置の屈曲部を曲げ成形するダイスと、を備えることを特徴とするものである。
次に、請求項13に記載した発明は、請求項11又は請求項12に記載した構成に対し、 更に、ダイスのポンチ押込側に設けられて、ダイスに近づくにつれて間隔が狭くなって、被成形材をダイス内に案内するガイド面を備えた曲げ加工用金型を備えることを特徴とするものである。
次に、請求項14に記載した発明は、平板状の加工材を、該加工材の幅方向中央部側に形成される底部と、その底部の幅方向両側に位置する左右の側壁部と、その左右の側壁部にそれぞれ連続する一対の溶接端部とを備えた閉断面構造に成形すると共に、上記左右の側壁部の少なくとも一方の側壁部を、長手方向の少なくとも一部が面外方向に凹若しくは凸となった曲面形状に成形する成形装置であって、
上記底部と左右側壁部との長手方向に沿った境界部位置にそれぞれ屈曲部を形成すると共に、上記側壁部に対応する部分が上記曲面形状となるように、上記平板状の加工材をプレス成形する上型及び下型を備えたプレス用金型と、
上記プレス後の加工材における上記底部となる部分を板厚方向から挟持するためのポンチ及びパッドと、上記ポンチを押し込むことで、左右の側壁部が近づく方向に上記境界部位置の屈曲部を曲げ成形する一対のダイスと、上記一対のダイスのポンチ押込側に設けられて、ダイスに近づくにつれて間隔が狭くなって、上記左右の側壁部をダイス内に案内する一対のガイド面とを備えた曲げ加工用金型と、を備えることを特徴とするものである。
次に、請求項15に記載した発明は、請求項11〜請求項14のいずれか1項に記載した構成に対し、さらに、上記加工材の幅方向両側に位置する一対の溶接端部間を溶接する溶接装置を備え、該溶接装置は、上記一対の溶接端部を溶接線側に摺動可能な状態に仮押さえする押え治具と、溶接線位置に配置可能な基準板と、一対の溶接端部をそれぞれ溶接線側に押し付けるクランプ装置と、を備えた位置決め治具を有し、上記位置決め治具によって上記一対の溶接端部の端面同士を対向させてから、一対の溶接端部間を溶接にて接合することを特徴とするものである。
本発明によれば、平板状の加工材を、閉断面構造に簡易且つ寸法精度よく成形可能となる。すなわち、第1工程で折曲げ支点となる屈曲部を形成した後に、第2工程で折曲げ支点となる屈曲部で曲がるように曲げ成形を行うことで、閉断面構造に変化させている。これによって、従来技術のように、V字状の屈曲部を施すことがないことから、曲げ線での破断や部品性能の低下を防止できる。また、中子も使用しないため、装置大型化によるコストアップ抑止が可能であり、工程数も2工程で閉断面構造に成形可能である。
例えば、請求項4に係る発明によれば、プレス成形による予備工程(第1工程)で、底部と左右側壁部との境界部となる位置に、左右一対の折曲げ支点となる屈曲部を形成すると共に、側壁部の曲面形状をプレス成形する。すなわち、第1工程で加工材の断面線長の確定を行う。その後に、左右一対の折曲げ支点となる左右の屈曲部で曲がるように境界部に対し曲げ成形を行うことで、左右の側壁部を立ち上げて閉断面構造に変化させている。
このため、左右の側壁部を立ち上げるために、従来技術のように、V字状の屈曲部を施すことがないことから、曲げ線での破断や部品性能の低下を防止できる。また、中子も使用しないため、装置大型化によるコストアップ抑止が可能であり、工程数も2工程で閉断面構造に成形可能である。
さらに、本発明によれば、側壁部が曲面を有するような閉断面構造に成形する場合でも、寸法精度良く成形可能であり、成形可能な部品形状制約も少ない。このとき、請求項3や請求項4に係る発明を適用すると、より寸法精度良く成形可能となる。
さらにまた、請求項5や請求項6に係る発明によれば、側壁部に長手方向に沿った曲面形状が形成されていても、第2工程の成形時に、できるだけ、底部と側壁部との境界部位置での曲げだけが発生するようにして成形されるように、左右の側壁部を一対のダイス内に案内することが可能となって、より閉断面構造の寸法精度が向上する。
このことは、一対の溶接端部の突合せ溶接が精度良く可能となる。
また、請求項7に係る発明によれば、側壁部に形成される長手方向に沿った曲面形状が複雑な形状であっても、より確実に、一対の溶接端部の突合せ溶接の精度を良くすることが出来る。
また、請求項8に係る発明によれば、一対の溶接端部の溶接精度を向上させることが出来る。
本発明に基づく第1実施形態に係る成形方法で成形する閉断面構造を示す斜視図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る第1工程の金型を示す模式図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る第2工程の金型を示す模式図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るガイド面及びダイスのフェイス面を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る加工前の平板状の加工材を示す斜視図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る第1工程のプレス成形後の形状を示す斜視図である。 変形例1に係る成形方法で成形する閉断面構造を示す斜視図である。 変形例1に係る成形工程を示す図である。 変形例1に係るガイド面及びダイスのフェイス面を示す図である。 変形例1に係る成形後の閉断面構造を示す図である。 変形例2に係る成形方法で成形する閉断面構造を示す斜視図である。 変形例2に係る成形工程を示す図である。 変形例3に係る成形方法で成形する閉断面構造を示す斜視図である。 変形例3に係る成形工程を示す図である。 変形例4に係る成形方法で成形する閉断面構造を示す斜視図である。 変形例4に係る成形工程を示す図である。 比較例に係る成形方法で成形する閉断面構造を示す斜視図である。 比較例に係る成形工程を示す図である。 比較例に係るガイド面及びダイスのフェイス面を示す図である。 比較例に係る成形後の閉断面構造を示す図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る第1工程を示す模式図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る第2工程を示す模式図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る溶接工程を示す模式図である。 第2実施形態の実施例で使用した金型の面を示す図である。 第2実施形態の実施例で使用した金型の面を示す図である。 第2実施形態の比較例で使用した金型の面を示す図である。 部品Aの閉断面構造を示す斜視図である。 部品Bの閉断面構造を示す斜視図である。 部品Cの閉断面構造を示す斜視図である。 部品Dの閉断面構造を示す斜視図である。 部品形状Iの最終形状を示す図である。 部品形状IIの最終形状を示す図である。
次に、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
まず第1実施形態について説明する。
平板状の加工材Bを、本実施形態で成形した後の閉断面構造の部品は、図1に示すように、断面形状が略4角形に近似の変則6角形状となっている。その左側側壁部B2は、長手方向に沿って、前側約500mmの範囲で左側(外側)に凸となるように面外方向に張り出した曲面形状となっている。また、右側側壁部B2は、長手方向に沿って、後方側約400mmの範囲で右側(外側)に凸となるように面外方向に張り出した曲面形状となっている。また、側壁部B2における、前側部分には、クラッシュビードB6が各2個配置され、且つ部品後方に向かって縦へ広がる形状となっている。
なお、本発明は、側壁部B2に曲面形状がある閉断面構造に成形する場合に好適な技術であるが、側壁部B2に曲面形状が無い閉断面構造に成形する場合にも適用可能である。
そして、加工材Bの幅方向両側に位置する溶接端部を、溶接等によって接合する。
ここで、平板状の加工材Bとしては、例えば金属単板や該金属単板を目標の成形品形状に対応したブランク形状にせん断加工や切断加工を施した後の金属板を用いることができる。また金属単板は、熱延鋼板、冷延鋼板、あるいはこれらの鋼板に表面処理(電気亜鉛系めっき、溶融亜鉛系めっき、アルミ系めっき等)を施した鋼板をはじめ、SUS、アルミニウム、マグネシウム等の各種金属類から構成される単板でもよい。溶融亜鉛系めっき鋼板の場合、合金化処理を施してもよく、さらにこれらのめっき鋼板には、めっき後さらに表面処理(有機皮膜処理等)を施してもよい。なお、金属単板として、鋼板を用いる場合、軟質鋼板を用いることは勿論、硬質鋼板(高張力鋼板、超高張力鋼板)を用いることができるが、本発明の成形方法は、高張力鋼板や超高張力鋼板の成形に好適である。
また、本発明における閉断面構造とは、上記平板状の加工材Bを用いて成形し、成形後の成形品断面形状が、例えば、4角形、6角形、8角形等の多角形形状(これらに近似した略多角形形状を含む)や、断面に丸みを有する円形、楕円形(これらに近似した略円形形状、略楕円形状を含む)のように閉じた断面形状を有しているものである。
また、本発明における閉断面構造は、最終的に端部を接合するための接合端部(本明細書中、溶接端部とも称する。)を有するものを含んでおり、該接合端部は、レーザ溶接やアーク溶接等の溶接のみに限らず、リベット接合、ボルト接合、接着剤による接合等により適宜接合することが可能である。以下の例では、溶接によって接合する場合で例示する。
(装置構成)
成形装置は、平板状の加工材Bを、該加工材Bの幅方向中央部側に形成される底部B1と、その底部B1の幅方向両側に位置する左右の側壁部B2と、その左右の側壁部B2にそれぞれ連続する一対の溶接端部B3(フランジ部)とを備えた閉断面構造に成形すると共に、上記側壁部B2を、長手方向の少なくとも一部が面外方向に凹若しくは凸となった曲面形状に成形して、上記目的の部品形状とする。
その成形装置は、プレス用の金型と、曲げ成形用の金型とからなる。
上記プレス用の金型は、模式図である図2に示すように、平板状の加工材Bを間に挟んでプレス成形する上型2及び下型1からなる。
下型1の上面は、上側に開放したプレス成形面を構成する。すなわち、そのプレス成形面は、凹部が上向きの断面略コ字状となっていて、幅方向略中央部が底部成形部1aであり、その底部成形部1aの左右部分が側壁成形部1bとなっている。その側壁成形部1bの外側にフランジからなる溶接端部成形用の立上り面1cがある。
上記底部成形部1aは、上向きの張り出した凸状の断面円弧形状となっていると共に長手方向に延在している。これによって、底部成形部1aの左右両側、つまり底部成形部1aと左右の側壁成形部1bとの境界部にそれぞれ屈曲部B4が、長手方向に沿って形成されている。
ここで、本実施形態では、成形後の底部B1は平坦面となるが、上記底部成形部1aは、上側に凸の断面円弧形状となっている。これは曲げ、曲げ戻し工程を回避し、屈曲部の破断を防ぐためである。
また、本実施形態では、図2に示すプレス成形後の加工材Bのように、幅方向中央部の断面円弧状部分の裾側は、上記境界部の一部を構成している。すなわち、本実施形態では、底部B1と左右側壁部B2との間の境界部が、部分的な斜面部の形状に形成されるため、その斜面部に応じて上記境界部である屈曲部B4の幅が変化する。
また、左右の側壁成形部1bには、上記側壁部B2の曲面形状に倣った凹凸が形成されている。
また、上型2は、上記下型1のプレス成形面内に差し込まれる形状となっていて、下面及び幅方向の左右端面がプレス成形面となっている。そして、上型2の下面からなるプレス成形面は、対向する上記下型1の上面(プレス成形面)に倣った形状となっている。すなわち、幅方向中央部に凹状の底部成形部が形成され、その左右両側に側壁成形部が形成されている。
そして、下型1と上型2との間に加工材Bを介挿した状態で、下型1に向けて上型2を差し込む事で、プレス成形が行われる。
また、曲げ成形用の金型は、模式図である図3に示すように、ポンチ3、パッド4、一対のダイス5、及びガイド部6からなる。
上記ポンチ3の押込部分の断面形状、つまり下端部の断面形状は、下端面が閉断面構造に成形後の上記底部B1と同一形状の平坦面となっている。また、上記下端面の左右両端部には、加工材Bの斜面(境界部)と対向する部分には斜面が形成されている。これによって、上記ポンチ3の押込部分の断面形状は、閉断面構造に成形後の上記底部B1及びそれに連続する境界部の断面形状、若しくはそれに近似した形状となっている。図3では、長手方向からみて、斜面部と対向する斜面が図示されている。
また、パッド4は、ポンチ3と上下で対向し、その上面は、上記ポンチ3の下端面と同一形状の平坦面となっている。
一対のダイス5は、上記底部B1の幅に応じた間隔を開けて対向する。その一対のダイス5は、上記ポンチ3を押し込むことで、左右の側壁部B2が近づく方向に屈曲部B4を支点として曲げて、曲げ成形する。このとき、境界部を構成する斜面近傍についての最終的な成形が行われる。その一対のダイス5の長手方向の形状は、上記成形後の部品の形状に倣った形状となっている。図4にダイス5のフェイス面5aを示す。
その一対のダイス5における、ポンチ3の押込側位置にガイド部6が設けられている。ガイド部6が形成する一対のガイド面6aは、ダイス5に近づくにつれて間隔が狭くなることで、側壁部B2となる部分をダイス5間の空間に案内可能となっている。
図4にガイド面6aを例示する。この図4のように、左右のガイド面6aの長手方向の輪郭は、それぞれ左右の側壁部B2の長手方向の輪郭に倣った形状となっている。図4では、右側のガイド面6aの後側部分が張り出していると共に、左側のガイド面6aの前側部分が張り出している。また、ガイド面6aの案内方向の輪郭は、対向するガイド面6a側に凸の形状となっている。この形状により、曲げ加工時には、側壁部B2が屈曲部B4を支点に折り曲げられて近接するようになる。
また、一対のダイス5のフェイス面5aは、上記底部B1と左右の側壁部B2の境界部の形状に倣った形状となっている。すなわち、側壁部B2が外側に張り出す部分では、底部B1と側壁部B2との間の境界部分に傾斜面が形成されるようなフェイス面5aとなっている。図4では、右側のダイス5の前側のフェイス面5aに境界部の傾斜面が、左側のダイス5の後側のフェイス面5aに境界部の傾斜面が形成されている。
(成形方法)
次に、上記成形装置を使用した成形方法について説明する。
本実施形態では、2工程で平板状の金属板からなる加工材Bを、上記目的の閉断面構造の部品に成形する。
まず、図5に示すような平面形状に切断した金属体を加工材Bとして用意する。破線で示した位置は、底部B1となる部分とその左右の側壁部B2と、その境界部を示している。実際に、このような破線が入っているわけではない。なお、境界部(屈曲部が形成される部分)は、図5中の符号B4aのように、側壁部B2が外側に張り出した位置では、その張出に応じて、幅広の斜面となる。
(第1工程)
そして、その加工材Bを上記プレス用の金型の間に介挿し、図2に示すように、上型2を下型1内に押し込む事で、プレス成形する。
図6がプレス成形後の加工材Bの形状である。底部B1と側壁部B2との間に屈曲部B4が形成されると共に、その左右の側壁部B2が曲面形状に成形される。符号B6はクラッシュビードを表している。また、左右の側壁部B2の幅方向外側部分に、溶接端部B3となるフランジ部が形成されている。
(第2工程)
次に、図3のように、上記プレス成形後の加工材Bにおける底部B1位置をポンチ3とパッド4で挟み込んで挟持する。
このとき、本実施形態では、底部B1位置をポンチ3とパッド4で挟圧することで、凸の円弧形状に仮成形された底部B1が潰れて、平坦な状態に変形する。これによって、図3(b)のように、左右の側壁部B2が上側に少し立ち上がる。ただし、ポンチ3とパッド4で挟圧する面が平坦でも良い。また、ハイテン材を成形する場合には、成形後の底部B1のスプリングバック量を考慮して、ポンチ3の下面の形状を下に凸の形状としても良い。
続いて、ポンチ3とパッド4で底部B1となる面を挟持した状態で、ポンチ3を一対のダイス5間に下死点まで差し込む。
さらに、ポンチ3の押込につれて、側壁部B2が、ガイド面6aに案内されつつ、徐々に立ち上がる。
このとき、ガイド面6aの長手方向の輪郭は、側壁の長手方向の輪郭に倣った形状となっている。このため、ガイド面6aに側壁部B2が案内される際に、同じタイミング、すなわち部品底部B1に対する両側壁の角度がいかなるタイミング、長手方向の全断面においても同角度となるようになっている。すなわち、曲げ成形のみで閉断面化することが可能となっている。
特に、本実施形態では、ガイド面6aのポンチ3押込方向の輪郭を凸の曲線形状とすることで、ガイド面6aに対する側壁部B2の接触を、長手方向からみて一点若しくはそれに近い状態としているので、曲げ以外の加工がさらに抑えられて、側壁部B2が立ち上がる際における成形を、更に曲げ成形とすることが出来る。
更に、図3(c)のように、ポンチ3が下死点に到達すると、部品底部B1側の斜壁と底部B1をポンチ3、ダイス5のフェイス面5a、及びパッド4で狭圧し、決め押しすることで、境界部及びその近傍の成形が行われて閉断面構造に成形する。
このとき、左右の側壁部B2は目的の位置まで立上り、左右の溶接端部B3の端面が長手方向に沿って近接した状態となる。本実施形態では、第1工程のプレス成形で目的の側壁形状に成形してあり、第2の工程の曲げ成形では、曲げ成形だけとなるように加工しているので、一対の溶接端部B3は所望の間隙を持って精度良く対向した状態となる。
(溶接工程)
上記2つの成形工程が終了したら、対向する溶接端部B3間を、アーク溶接やレーザ溶接によって溶接して接合する。溶接は、上記閉断面構造に成形した成形品を別に用意した溶接場所に搬送して溶接しても良い。また、上記成形したままの状態で溶接しても良い。
(本実施形態の作用効果)
以上のように、少なくとも、左右の側壁部B2を立ち上げるための左右一対の屈曲部B4、及び側壁部B2の曲面形状を第1工程のプレス成形で行った後に、第2工程で、上記屈曲部B4が支点となって曲がるように曲げ成形するという2工程で、側壁部B2が長手方向に沿って曲面形状となっていても、簡単に且つ精度良く目的の閉断面構造に成形することが可能となる。
精度良く閉断面形状に成形することで、なんら補正を施さなくても、一対の溶接部の溶接も精度良く行うことが可能となる。
このように、本実施形態の成形方法を採用すると、従来、自動車、家電、その他分野において、2部品を別々に成形した後、接合することで閉断面化していた部品を対象として、軽量化を目的としてフランジレス一体成形品を容易に製造することが可能となる。しかも、部品の側面に曲面を有する部品であっても寸法精度良く成形することが可能となる。
ここで、本実施形態の平板状の加工材Bを閉断面構造に成形する方法は、側壁部B2の曲面形状は上記形状に限定されず、他の色々な形状に成形する場合であっても適用可能である。特に、長手方向に沿って曲線状の断面の場合に効果がある。
また、溶接端部B3は、左右のフランジで必ずしも形成する必要はない。一対の溶接端部B3の対向する端面が、左右の側壁部B2を立ち上げたときに溶接可能に対向すれば、その形状に限定はない。例えば、第1工程において、左右の側壁部B2を幅方向に沿って円弧状に成形する場合には、かならずしも、溶接端部としてのフランジを成形しなくても、幅方向端部の一対の溶接部は対向可能となる。
なお、要求される閉断面構造体によっては、側壁部B2に対し、曲面形状を有する面形状にプレス成形を施さなくても良い。
(変形例1)
この変形例は、図7に示すような断面4角形状の閉断面構造に成形する例である。
この例では、図8(a)に示すように、第1工程のプレス成形時に、底部B1が平坦で且つ屈曲部B4に段差状が形成させるように成形する場合を例示している。すなわち、第1工程のプレス成形によって底部B1と左右の側壁部B2との境界部位置に屈曲部B4となる段差が形成される。上記実施形態と同様に、側壁部B2が外側に張り出した部分では、屈曲部B4の幅が広くなっている。
その後、第2工程にて、図8(b)〜(e)に示すように、上記と同様に、底部B1位置をポンチ3とパッド4で挟持して、ガイド面6aでガイドさせつつ、一対のダイス5内に押し込んで、左右の側壁部B2を立ち上げる。ここで、ポンチ3の下端面が底部B1に当接し、その左右の斜面が上記境界部となる屈曲部B4に当接して屈曲部B4及びその近傍を曲げ成形する。
図9に、本実施形態のガイド面6a及びダイス5のフェイス面5aを示す。また、第2工程による曲げ成形後の形状例を図10に示す。
この図10に示すように、側壁部B2の曲面、フランジ部とも特異な変形もなく成形できていることが分かる。
その他の構造や、作用効果については上記実施形態と同様である。
(変形例2)
この変形例は、図11に示すように、断面6角形状の閉断面構造に成形する例である。
この例では、図11に示すように、底部B1を、断面6角形状の6辺のうちの2辺で構成する。すなわち、第1工程では、長手方向からみて、底部B1の幅方向中央に角部を配置するように成形する。
図12(a)が、本変形例2のプレス用の金型であるが、底部B1を成形する部分がV字形状となるように、上型2及び下型1のプレス面を設定している。
また、図12(b)〜(e)が曲げ成形用の金型である。この曲げ成形用の金型において、ポンチ3の下面を、底部B1の断面形状に倣った形状としておく。つまり、長手方向からみて断面V字形状としておく。また、パッド4の上端部もそれに倣った断面形状としておく。
成形方法や、その他の構造、作用効果については上記実施形態と同様である。
ポンチ3の押込につれて、長手方向からみてポンチ3下端部の角部で、底部B1と側壁部B2との境界部となる、プレス成形で成形した屈曲部B4を支点として曲げることで、左右の側壁部B2が徐々に立ち上がる。
(変形例3)
この変形例は、図13に示すように、断面8角形状の閉断面構造に成形する例である。
この例では、図13に示すように、底部B1を、断面8角形状の8辺のうちの1辺で構成するようにしている。また、側壁部B2と左右の側壁部B2との境界部を斜面として、側壁部B2及びその斜面をそれぞれ8辺のうちの1辺としている。ただし、側壁部B2の外側への張り出すような曲線形状に応じて、その境界部の辺(屈曲部B4)の幅は変化する。
第1工程のプレス成形では、図14(a)のように、底部B1と側壁部B2との間に斜面状の屈曲部B4を形成するように、上型2及び下型1のプレス成形面を設定する。
また、図14(b)〜(e)に示すように、第2工程におけるポンチ3の下端部に対して、底部B1に当接する平坦部と、その両側に上記境界部の斜面に当接する斜面を設ける。傾斜面が屈曲部B4に当接する。
この場合でも、ポンチ3をダイス5内に押し込む際に、ガイド面6aによって、側壁部B2が案内されつつ徐々に立上り、下死点まで押し込むことで、上記境界部に最終的な曲げの成形が行われる。
その他の構造や、作用効果については上記実施形態と同様である。
(変形例4)
この変形例は、図15に示すような断面形状4角形の閉断面構造に成形する例である。基本構成は、上記変形例1と同様であるが、溶接端部B3に閉断面構造に成形したときに対向する面部B5を有する点が異なる。
この例では、図16(a)に示すように、第1工程のプレス成形の際に、上記面部B5となる部分も成形するようにプレス成形するようにすれば良い。
第2工程については、図16(b)〜(e)に示すように、変形例1と同様であるので説明は省略する。
なお、この場合には、溶接端部B3を、リベット接合やボルト接合で接合しても良い。
(比較例)
ここで、本願の効果を確認するための比較例を示す。
成形後の閉断面形状は、図17に示すように、変形例1と同一断面形状とする。すなわち、閉断面形状は、上記変形例1と同様な断面4角形状とし、長手方向に沿って側壁部B2が曲線状になっている形状に成形することを試みた。
まず、第1工程として、図18(a)に示すように、プレス成形で、幅方向端部に対し、溶接端部B3用のフランジを形成する。
次に、第2工程として、図18(b)〜(d)に示すように、ポンチ3によって、一対のダイス5間に、上記プレス成形後の加工材Bを押し込んで成形する。このとき、ポンチ3の下端部は、加工材Bの底部B1と同じ幅に設定しておく。また、ダイス5のフェイス面5aは、図19に示すように、側壁部B2の長手方向の形状に倣った形状としておく。
図20が、第2工程による成形後の加工材Bの形状である。
すなわち、この場合には、側壁部B2は、長手方向において一部曲率を有するものの、ほとんどがストレートな形状を有しており、本願発明が意図する形状を得ることが出来なかった。また、フランジに部分的にうねりが発生している。すなわち、閉断面化するために必要な突合せ部の精度が確保できないことが分かる。これは、ダイス5内に押し込む際に曲げ以外の矯正も発生しているためである。すなわち、側壁部B2において、金型への凸部と凹部の材料流入差や材料の伸び量差が生じるためである。
(実施例)
次のような諸元の加工材の材料を、上記実施形態、各変形例、及び比較例に説明した成形方法で、閉断面構造に成形を行った。
使用鋼板:引張強度1180MPaの冷延鋼板
板厚 :1.2mm
部品長 :400mmの閉断面部品
上記実施形態、各変形例に基づく成形方法で閉断面構造に成形した場合には、成形後の突合せ端面同士もしくは片フランジ同士の隙間は、溶接時の型で拘束することで、0〜1mmの範囲で成形することが可能であった。また、上記成形時のまま、もしくは簡単な治具を用いることで容易に次工程の溶接による接合が可能となった。なお、溶接はレーザ溶接、アーク溶接など一般的な溶接方法が使用可能である。
一方、比較例で示した成形方法にあっては、フランジ部におおきなうねりが発生し、端面同士の接合が困難であった。
なお、部品形状が複雑であって、成形後の突合せ端面同士もしくは片フランジ同士の隙間が0〜1mmの範囲に設定出来ない可能性がある場合には、第2実施形態で説明するように、プレス成形後に溶接端部に対応する部分をトリミングして成形しておけば良い。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な構成については同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様である。ただし、以下に説明する点が、上記第1実施形態と異なる。その異なる部分を次に説明する。
(第1工程)
第1工程において、第1実施形態と同様に図21(a)に示すようにプレス成形後に、図21(b)のように溶接端部B3となるフランジ部の端面を、部品最終形状に従った端面にトリミングして成形する処理を追加している。
例えば、溶接端部B3の溶接端面が長手方向に沿って直線形状に設定する場合には、プレス成形した状態で、溶接端部B3となるフランジ部の端面を、直線にトリミングする。
これによって、突き合わせ溶接する際の突き合わせ面(溶接線)を、長手方向に沿って直線形状とすることが出来る。
(第2工程)
第2工程の処理は、図22に示すように、上記第1実施形態と同様である。
但し、使用するポンチ3の上部構造が、第1実施形態と異なる。
すなわち、本実施形態のポンチ3は、上方に延びる立設部20を備える。この立設部20は、当該立設部20の上端部が、加工材Bを閉断面形状に成形した際に、一対の溶接端部B3の下面と同じ高さとなるように設定しておく。なお、立設部20は、ポンチ3の本体に対し着脱可能となっていても良い。すなわち、閉断面構造に応じて立設部20を変更可能としても良い。
上記立設部20の上端面は、加工材Bの長手方向(溶接方向)に沿って延在する左右の押え面20a、20bを備える。左右の押え面20a、20bは、加工材Bを閉断面形状に成形した際に、一対の溶接端部B3に対し下側から対向する。但し、左右の押え面20a、20bの間に位置する部分は、凹部20cとなっている。その凹部20cは、一対の溶接端部B3を突き合わせる、溶接線位置に沿って延在している。
(溶接工程)
本実施形態では、次のような位置決め治具Eを備える。
位置決め治具Eは、図23に示すように、上記ポンチ3上端面の凹部20cに向けて昇降可能な基準板21と、左右の溶接端部B3を個別に上記押え面に向けて上側から押し付け可能な左右の押え治具22a、22bと、を備える。基準板21や左右の押え治具22a、22bは、例えば、それぞれ不図示のシリンダ装置等からなるアクチュエータで昇降可能に構成すれば良い。上記基準板21や左右の押え治具22a、22bは、長手方向に沿って複数に分割されていても良い。
また、位置決め治具Eは、左右の側壁部B2の上部をそれぞれ溶接線側に押し付けるクランプ装置23a、23bを備える。
「位置決め方法」
次に、上記位置決め治具Eを使用した溶接工程の処理例を、図23を参照して説明する。
なお本実施形態では、第2工程が終了後、そのまま溶接工程を行う場合で例示する。但し、これに限定されない。別の位置に移動してから溶接を実施しても良い。
先ず、上記ポンチ3上端面の凹部20cに向けて基準板21を下降し、当該基準板21を凹部20c内に差し込む。この凹部20c内に差し込んだ状態の基準板21は、溶接線位置の基準面を規定する。
次に、図23(a)に示すように、左側の押え治具22aを下降させる。そして、左側の押え治具22aと左側の押え面20aとの間隙を、左側の溶接端部B3の板厚の1.2倍〜3倍の範囲に設定する。これによって、左側の溶接端部B3を基準板21側(溶接線側)に摺動可能な状態で仮押えを実現する。なお、この左側の仮押さえを実施する際に、後述の右側の押え治具22bも下降させて右側の仮押さえを実施しておいても良い。
次に、図23(b)に示すように、左側のクランプ装置23aによって、左側の側壁部B2を溶接線方向(基準位置側)に押し込む。この押込みによって、底部B1と側壁部B2とを屈曲部B4を支点として曲げ成形しながら、左側の溶接端部B3の端面を基準板21に当接させる。その後、若しくは上記左側のクランプ装置23aによる押込みと同期を取って、左側の押え治具22aを更に下降して、左側の押え治具22aと左側の押え面20aとで左側の溶接端部B3を固定する。
次に、上記基準板21を凹部20cから抜き取る。
次に、図23(c)に示すように、右側の押え治具22bを下降させる。そして、右側の押え治具22bと右側の押え面20bとの間隙を、右側に位置する溶接端部B3の板厚の1.2倍〜3倍の範囲に設定する。これによって、右側の溶接端部B3を左側の溶接端部B3側に摺動可能な状態で仮押えを実現する。
この状態では、左側の溶接端部B3の端面と、右側の溶接端部B3の端面とが対向する。
次に、図23(d)に示すように、右側のクランプ装置23bによって、右側の側壁部B2を左側の溶接端部B3側に押し込む。この押込みによって、底部B1と側壁部B2とを屈曲部B4を支点として曲げ成形しながら、右側の溶接端部B3の端面を左側の溶接端部B3の端面に当接させる。その後、若しくは右側のクランプ装置23bによる押込みと同期を取りながら、右側の押え治具22bを更に下降して、右側の押え治具22bと右側の押え面20bとで右側の溶接端部B3を固定する。
なお、上記位置決めの際には、溶接線が存在する溶接面以外は、可能な限り無拘束状態としておくことが好ましい。
その後に、対向する左右の溶接端部B3間を、溶接線に沿って、アーク溶接やレーザ溶接によって溶接して接合する。
(本実施形態の作用効果)
第1工程のプレス成形後に、溶接端面のトリミングを行うことで、閉断面構造が複雑であっても、長手方向における一対の溶接端部B3間の隙間の誤差を小さく設定出来る結果、一対の溶接端部B3の突合せ溶接の精度を良くすることが出来る。なお、後述の実施例のように、第1工程でトリミングを実施しても、本発明に基づく第2工程を採用しない場合には、溶接精度が悪くなる場合がある。
また、上述のような位置決め治具Eで位置決めすることで、形状が複雑な部品であっても、対向する溶接端部B3間の突合せ精度、及び位置合せ精度を向上させることが出来る。この結果、溶接精度が向上する。すなわち、最終製品の寸法精度が向上する。
(実施例)
次のような諸元の加工材の材料を、上記第2実施形態で説明した成形方法で、閉断面構造に成形を行った。その結果を、表1に示す。
Figure 0005795143
なお、表1において、「トリミング欄」の有りは、上記第2実施形態で説明したように、第1工程でプレス成形後にトリミングを実施した場合である。また、「本発明治具使用欄」は、上記第2実施形態で説明した位置決め治具Eで位置決めを実施して溶接を行った場合である。
加工材は、次のものを使用した。
使用鋼板:引張強度1180MPaの冷延鋼板
板厚 :1.2mm
そして、本実施例で成型した部品(閉断面構造)は、下記の部品A〜Dである。
ここで、第2工程の成型で使用する金型(ガイド面及びダイスのフェイス面)は、図24〜図26である。図24は、部品Aを成型した際の金型である。図25は、部品B、Cを成型した際の金型である。図26は、部品Dを成型した際の金型である。なお、部品A〜Cで使用する図24,図25の金型は本発明に基づく金型であるが、部品Dに使用する図26の金型は、本発明に基づかない金型である。
次に、部品A〜Dについて説明する。
「部品A(部品形状I)」
部品A(部品形状I)は、図27に示すように、成形後の断面形状が4角(50×70mm)で、部品長450mmの閉断面部品のプレス成形品である。但し、第1工程でトリミングは実施しなかった。
このとき、左側溶接面と右側溶接面の端面同士の高低差は、0〜0.5mmで、口開き量は、0〜0.7mmであった。
「部品B(部品形状II)」
部品B(部品形状II)は、図28に示すように、成形後の断面形状が4角(30×70mm)で、部品長450mmの閉断面部品のプレス成形品である。第1工程でトリミングを行った。
このとき、左側溶接面と右側溶接面の端面同士の高低差は、0〜10mmで、口開き量は、3〜10mmであった。
「部品C(部品形状II)」
部品C(部品形状II)は、図29に示すように、成形後の断面形状が4角(30×70mm)で、部品長450mmの閉断面部品のプレス成形品である。但し、第1工程でトリミングは実施しなかった。
このとき、左側溶接面と右側溶接面の端面同士の高低差は、0〜10mmで、口開き量は、3〜10mmであった。
「部品D(部品形状II)」
部品D(部品形状II)は、図30に示すように、成形後の断面形状が4角(30×70mm)で、部品長450mmの閉断面部品のプレス成形品である。第1工程でトリミングを行った。
このとき、左側溶接面と右側溶接面の端面同士の高低差は、0〜10mmで、口開き量は、3〜10mmであった。
(溶接方法及び評価方法)
溶接方法は、表1に示すように、次の3種類の何れかを使用した。
「溶接方法1」
本実施形態の工法により、閉断面部品を成形した直後に、溶接工程で突合せ部の連続溶接部の溶接位置を決めて、もう一方の端面を突合せた状態の、左側溶接面と右側溶接面端面の高低差と口開き量を測定した。
なお、溶接速度は、1500mm/minもしくは3000mm/minとし、YAGレーザ出力3.5kW、フォーカス直径2mmの条件でYAGレーザ溶接を実施した。
そして、溶接始端及び終端それぞれ10mmを除く430mmの範囲である部品長においてブローホール個数を測定した。同時に、溶接始端及び終端におけるブローホールの有無を確認した。また部品始端と終端に溶接補助板を設置した。補助板のサイズは20×30mmとした。
「溶接方法2」
成形後の状態で上記位置決め治具Eを用いず、手動で溶接部を突き合せながら、部品長手方向の両端部をクランプ等により機械的に仮止めした。そして、表1に示す条件でYAGレーザーハイブリッド溶接を実施した。なお、部品始端と終端に溶接補助板を設置した。補助板のサイズは20×30mmとした。
「溶接方法3」
溶接方法1と同一の方法・条件で溶接を行う。但し、部品始端と終端に溶接補助板を設置しなかった。
ここで、部品A(部品形状I)の溶接後の最終形状を、図31に示す。また、部品B及びC(部品形状II)の最終形状を、図32に示す。これらの図から分かるように、部品形状IIに比べ、部品形状IIは複雑な閉断面形状となっている。
(評価)
表1から分かるように、No1、No2、No3(部品形状I)は、寸法精度が比較的良好な部品Aで有るため、本実施形態の成形法を用いるだけで、溶接部の突合せ精度が向上した。すなわち、連続溶接でブローホールは発生せず、良好な溶接が実現できた。ただし、部品始端と終端に溶接補助板を設置しないNo3では、溶接開始部と終了部にブローホールがあるため、溶接後に部品断面方向にカットする必要があった。
また、No4、No5、No6(部品形状II)は、縦壁部の曲面が多いことから、部品形状Iと比較して複雑な形状となっている。その結果、No4、No5、No6(部品形状II)では、第1工程で発生したスプリングバック、反りなどの影響で、第2工程目でも溶接突合せ部の間隔が広くなった。しかし、No4、No6のように本発明の位置決め治具Eを用いることで、突合せ部の溶接が可能であった。
なお、No5では、溶接工程で上記位置決め治具Eを用いなかったため、突合せ精度が若干低下していた。
また、No7、No8、No9(部品形状II)を比較すると、No8は第1工程において溶接部の両端面をトリミングしなかったため、溶接端面が曲線となっている。このため、No8は、溶接は可能ではあるものの突合せ精度が低下した。一方、No7、9では、本実施形態の位置決め治具Eを用いることで、突合せ精度が向上した。突合せ部の隙間の発生は、第1工程において部品湾曲部で張出し成形を行っていることから、溶接面端面線が曲線となることが原因である。
また、No10、No11、No12(部品形状II)は、閉断面化の成形の第2工程で、一対のダイスのポンチ3押込側位置に、該ダイス底に近づくにつれて間隔が狭くなって、上記左右の側壁部B2を一対のダイス間に案内する一対の押し付け面を設けていない金型(図26)で成形した。このため、第1工程で、トリミングをしたにも関わらず、溶接面にひずみが発生し、成形品の寸法精度が劣った。さらに溶接工具でクランプしても溶接可能な溶接部精度とはならず、溶接はできなかった。
1 下型
1a 底部成形部
1b 側壁成形部
1c 立上り面
2 上型
3 ポンチ
4 パッド
5 ダイス
5a フェイス面
6 ガイド部
6a ガイド面
20 立設部
20a、20b 押え面
20c 凹部
21 基準板
22a、22b 押え治具
23a、23b クランプ装置
B 加工材
B1 底部
B2 側壁部
B3 溶接端部
B4 屈曲部
B5 面部
B6 クラッシュビード
E 位置決め治具

Claims (13)

  1. 平板状の加工材を、該加工材の幅方向中央部側に形成される底部と、その底部の幅方向両側に位置する左右の側壁部と、その左右の側壁部にそれぞれ連続する一対の溶接端部と、を備えた閉断面構造に成形する成形方法であって、
    上記底部と左右側壁部との境界部位置に屈曲部を形成する第1工程と、
    上記底部となる部分をポンチとパッドで挟み込んだ状態で、ダイスのポンチ押込側位置に設けられ且つ上記ポンチを押し込むにつれて徐々に間隔が狭くなるように凸湾曲しているガイド面に沿わせながら上記ダイスの間に上記ポンチを押し込むことで、上記屈曲部を曲げ成形する第2工程と、
    を備えたことを特徴とする閉断面構造の成形方法。
  2. 上記第2工程において、上記ダイスのポンチ押込側位置に、上記ポンチを押し込むにつれて徐々に間隔が狭くなることで、該加工材の側壁部となる部分をダイス間の空間に案内する上記ガイド面を設け、上記ダイスのフェイス面により該加工材の底部と側壁部との間の境界部分に傾斜面又は湾曲面が形成されることを特徴とする請求項に記載した閉断面構造の成形方法。
  3. 平板状の加工材を、該加工材の幅方向中央部側に形成される底部と、その底部の幅方向両側に位置する左右の側壁部と、その左右の側壁部にそれぞれ連続する一対の溶接端部とを備えた閉断面構造に成形すると共に、上記左右の側壁部の少なくとも一方の側壁部を、目的の部品形状として、長手方向の少なくとも一部が面外方向に凹若しくは凸となった曲面形状に成形する成形方法であって、
    上記底部と左右側壁部との長手方向に沿った境界部位置にそれぞれ屈曲部を形成すると共に、上記側壁部に対応する部分が上記曲面形状となるように、上記平板状の加工材をプレス成形する第1工程と、
    上記プレス後の加工材に対し、上記底部となる部分を板厚方向からポンチとパッドで挟み込んだ状態で、一対のダイスの間に上記ポンチを押し込むことで、左右の側壁部が近づく方向に上記境界部位置の屈曲部を曲げ成形する第2工程と、
    を備え、
    上記ポンチの押込部分の断面形状は、閉断面構造に成形後の上記底部及びそれに連続する上記境界部の断面形状、若しくはそれに近似した形状となっており、
    上記一対のダイスのポンチ押込側位置に、上記ポンチを押し込むにつれて徐々に間隔が狭くなるように凸湾曲しており上記左右の側壁部を上記一対のダイス間に案内する一対のガイド面を設けたことを特徴とする閉断面構造の成形方法。
  4. 上記一対のガイド面におけるポンチ押込方向に沿った輪郭形状を、側壁部が接触する側に凸の曲線形状としたことを特徴とする請求項に記載した閉断面構造の成形方法。
  5. 上記ガイド面の長手方向に沿った輪郭形状を、接触する側壁部の長手方向に沿った輪郭形状に倣った形状としたことを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載した閉断面構造の成形方法。
  6. 上記第1工程後であって上記第2工程前に、左右の側壁部にそれぞれ連続して溶接端部に対応する部分を、部品最終形状に従った端面にトリミングして成形することを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載した閉断面構造の成形方法。
  7. 上記第2工程後に、加工材の幅方向両側に位置する一対の溶接端部間を溶接にて接合する溶接工程を備えることを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載した閉断面構造の成形方法。
  8. 上記溶接工程は、上記一対の溶接端部をそれぞれ溶接線側に摺動可能な状態に仮押さえすると共に、溶接線位置に基準板を配置して、一方の溶接端部側を当該基準板に当接するまで溶接線側に押し付けた後に、上記基準板を抜き取ると共に、他方の溶接端部を溶接線側に押し込むことで上記一対の溶接端部の端面同士を対向させてから、一対の溶接端部間を溶接にて接合することを特徴とする請求項に記載した閉断面構造の成形方法。
  9. 平板状の加工材は、高張力鋼板からなることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載した閉断面構造の成形方法。
  10. 平板状の加工材を、該加工材の幅方向中央部側に形成される底部と、その底部の幅方向両側に位置する左右の側壁部と、その左右の側壁部にそれぞれ連続する一対の溶接端部とを備えた閉断面構造に成形する成形装置であって、
    上記底部と左右側壁部との境界部位置に屈曲部を形成するように、上記平板状の加工材をプレス成形する上型及び下型を備えたプレス用金型と、
    上記底部となる部分を挟持するためのポンチ及びパッドと、
    自身のポンチ押込側位置に設けられ且つ上記ポンチを押し込むにつれて徐々に間隔が狭くなるように凸湾曲しているガイド面に沿わせながら上記ポンチを押し込むことで、上記境界部位置の屈曲部を曲げ成形するダイスと、
    を備えることを特徴とする閉断面構造成形用の成形装置。
  11. 更に、ダイスのポンチ押込側に設けられて、上記ポンチを押し込むにつれて徐々に間隔が狭くなることで、該加工材の側壁部となる部分をダイス間の空間に案内する上記ガイド面を備え、上記ダイスのフェイス面により該加工材の底部と側壁部との間の境界部分に傾斜面又は湾曲面が形成される曲げ加工用金型を備えることを特徴とする請求項10に記載した閉断面構造成形用の成形装置。
  12. 平板状の加工材を、該加工材の幅方向中央部側に形成される底部と、その底部の幅方向両側に位置する左右の側壁部と、その左右の側壁部にそれぞれ連続する一対の溶接端部とを備えた閉断面構造に成形すると共に、上記左右の側壁部の少なくとも一方の側壁部を、目的の部品形状として、長手方向の少なくとも一部が面外方向に凹若しくは凸となった曲面形状に成形する成形装置であって、
    上記底部と左右側壁部との長手方向に沿った境界部位置にそれぞれ屈曲部を形成すると共に、上記側壁部に対応する部分が上記曲面形状となるように、上記平板状の加工材をプレス成形する上型及び下型を備えたプレス用金型と、
    上記プレス後の加工材における上記底部となる部分を板厚方向から挟持するためのポンチ及びパッドと、上記ポンチを押し込むことで、左右の側壁部が近づく方向に上記境界部位置の屈曲部を曲げ成形する一対のダイスと、上記一対のダイスのポンチ押込側に設けられ且つ該ポンチを押し込むにつれて徐々に間隔が狭くなるように凸湾曲しており上記左右の側壁部を上記一対のダイス間に案内する一対のガイド面とを備えた曲げ加工用金型と、
    を備えることを特徴とする閉断面構造成形用の成形装置。
  13. 更に、上記加工材の幅方向両側に位置する一対の溶接端部間を溶接する溶接装置を備え、
    該溶接装置は、
    上記一対の溶接端部を溶接線側に摺動可能な状態に仮押さえする押え治具と、溶接線位置に配置可能な基準板と、一対の溶接端部をそれぞれ溶接線側に押し付けるクランプ装置と、を備えた位置決め治具を有し、上記位置決め治具によって上記一対の溶接端部の端面同士を対向させてから、一対の溶接端部間を溶接にて接合することを特徴とする請求項10から請求項12のいずれか1項に記載した閉断面構造成形用の成形装置。
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