JP5790565B2 - ハイブリッド車両の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関により駆動されるオイルポンプと、電動機によって駆動されるオイルポンプとによりオイルを発熱部や摺動部に供給するハイブリッド車両の油圧制御装置に関するものである。
内燃機関から出力された動力を出力部材に伝達する動力伝達装置に、発電機能や電動機能を備えたモータ・ジェネレータを備えたハイブリッド車両が知られている。ハイブリッド車両に搭載されたモータ・ジェネレータは、発電機として機能するときと電動機として機能するときとのいずれにおいても、電気抵抗などにより発熱してしまい、その熱によりモータ・ジェネレータの出力トルクが低下してしまう可能性がある。そのため、従来知られたハイブリッド車両は、モータ・ジェネレータにオイルを供給して冷却するように構成されている。また、動力伝達装置におけるギヤトレーン部などは摩擦接触しているので、その摩擦接触部にオイルを供給して潤滑性を向上させることにより、動力の伝達効率を向上させるように構成されている。
それらモータ・ジェネレータやギヤトレーン部などにオイルを供給する手段として、内燃機関から出力された動力により駆動するオイルポンプや出力部材に連結されたオイルポンプなどのメカオイルポンプや、専用の電動機を有した電動オイルポンプ、あるいは貯留されたオイルを出力部材に掻き上げるものなどが知られている。
一方、ハイブリッド車両は、内燃機関により出力された動力とモータ・ジェネレータとの動力により走行するHV走行モードや、内燃機関を停止した状態で走行するEV走行モードあるいは内燃機関から出力された動力をモータ・ジェネレータで発電しかつ停車している発電モードなど種々の運転モードを選択することができる。そのため、動力を伝達するトルクや回転数が低いときにオイルを多く供給してしまうと、オイルの攪拌損失などにより動力損失が増大してしまったり、過剰に供給するオイルを出力するためにオイルポンプの駆動頻度が増大してしまったりして燃費が低下してしまう可能性がある。
そのため、特許文献1には、ハイブリッド車両の走行モードに応じて過剰にオイルが供給されてしまうことを抑制することができる装置が記載されている。特許文献1に記載されたハイブリッド車両は、内燃機関と第1モータ・ジェネレータとに連結された遊星歯車機構と、その遊星歯車機構の出力要素に減速機構を介して連結された第2モータ・ジェネレータと、内燃機関から出力された動力により駆動する第1オイルポンプと、出力部材に連結された第2オイルポンプとを備えている。また、第1オイルポンプは、遊星歯車機構と第1モータ・ジェネレータとにオイルを供給するように構成され、第2オイルポンプは、減速機構と第2モータ・ジェネレータとにオイルを供給するように構成されている。
このように構成されたハイブリッド車両においては、EV走行モード時に内燃機関の回転数を0(ゼロ)にして停止するために、第1モータ・ジェネレータが車速に応じた回転数となるように回転させられる。このEV走行モード時においては、遊星歯車機構に伝達されるトルクがHV走行モード時に比べて小さいので、遊星歯車機構に供給するオイル量は少なくてよい。そのため、特許文献1には、第2オイルポンプにより吐出されたオイルが、減速機構や第2モータ・ジェネレータに加えて、逆止弁を介して減量して遊星歯車機構や第1モータ・ジェネレータに供給するように構成されている。
また、特許文献2には、ギヤトレーン部の温度上昇による焼き付きを防止するとともに、ギヤトレーン部がオイルを掻き上げることによる攪拌損失を抑制することができる油圧制御装置が記載されている。この特許文献2に記載された油圧制御装置は、貯留されたオイルを出力ギヤにより掻き上げ、その掻き上げられたオイルをキャッチタンクに一時的に蓄えるように構成されており、そのキャッチタンクから各潤滑部あるいは冷却部に油路を介してオイルを供給するように構成されている。また、その油路には、開閉弁が設けられており、冷却部の温度が高いときに開閉弁を開いて、キャッチタンクから冷却部にオイルを供給するように構成されている。
さらに、特許文献3には、特許文献2と同様にキャッチタンクに蓄えられたオイルを、油路を介して潤滑部や冷却部に供給するように構成された油圧制御装置が記載されており、その油路には、出力されるオイルの流量を制御することのできる制御弁が設けられている。そして、制御弁は、伝達するトルクが大きい場合やギヤの回転数が速い場合などに、オイルを多く供給し、伝達するトルクが小さい場合やギヤの回転数が遅い場合などに、オイルを少なく供給することにより、適切な量のオイルを潤滑部や冷却部に供給するように構成されている。また、走行用のモータ・ジェネレータにオイルを供給するための他の油路も制御弁が設けられており、その制御弁は、EV走行モードが設定されている時間に応じて制御弁から出力されるオイルの流量を制御するように構成されている。すなわち、EV走行モードが設定されている時間が長いときには、制御弁から出力されるオイルの流量を多くし、EV走行モードが設定されている時間が短いときには、制御弁から出力されるオイルの流量を少なくするように構成されている。
なお、特許文献4には、キャッチタンクに蓄えられたオイルの量に応じて、そのキャッチタンクを挟む2つのモータ・ジェネレータのいずれに多くのオイルを供給するかを切り替えるように構成された油圧制御装置が記載されている。
特開2010−126047号公報 特開2008−279826号公報 特開2006−312353号公報 特開2010−242900号公報
特許文献1に記載された第2オイルポンプは、出力部材により駆動され、特許文献2ないし4に記載された装置は、出力ギヤにより掻き上げられたオイルをキャッチタンクに蓄えて各部材にオイルを供給するように構成されている。そのため、車両がEV走行モードであるときでも、オイルポンプが駆動し出力ギヤがオイルを掻き上げるため、そのオイルポンプを駆動することによる動力損失や、出力ギヤがオイルを掻き上げることによる動力損失が不可避的に生じてしまい、燃費が悪化してしまう可能性がある。
また、特許文献1に記載されたハイブリッド車両は、EV走行モード時に遊星歯車機構や第1モータ・ジェネレータに常時オイルを供給するように構成されている。一方、EV走行モード時において、遊星歯車機構には大きなトルクが伝達されることは少ないので、常時遊星歯車機構にオイルを供給すると、そのオイルを供給する分、オイルポンプの動力損失が増大してしまう。
この発明は上述した事情を背景としてなされたものであって、車両を駆動させるための動力を出力するモータ・ジェネレータを冷却することができるとともに、そのモータ・ジェネレータの回転に追従して回転する部材の引きずり損失を低減することができるハイブリッド車両の油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、内燃機関が連結された第1回転要素と、第1モータ・ジェネレータが連結された第2回転要素と、車両の出力部材に連結されかつ第2モータ・ジェネレータが連結された第3回転要素とを有する動力分割装置を備えたハイブリッド車両の油圧制御装置において、前記各モータ・ジェネレータに連通した冷却用油路と、前記動力分割装置における動力伝達部にオイルを供給する潤滑用油路と、前記内燃機関の動力によって駆動し、前記冷却用油路および前記潤滑用油路に連通した第1オイルポンプと、他の電動機の動力によって駆動し、前記冷却用油路および前記潤滑用油路に連通した第2オイルポンプと、前記第2オイルポンプから出力されたオイルが供給される油路を、前記冷却用油路と前記潤滑用油路とに選択的に切り替える第1切替弁とを備え、前記第1切替弁は、前記車両を駆動させるために動力を出力するモータ・ジェネレータの温度が第1しきい値以上である場合に、前記第2オイルポンプから吐出されたオイルが流動する油路を前記冷却用油路側に切り替え、前記車両を駆動させるために動力を出力するモータ・ジェネレータの温度が第1しきい値未満でかつ前記第1オイルポンプが駆動していない状態で前記車両が所定距離以上を走行した場合に、前記第2オイルポンプから吐出されたオイルが流動する油路を前記潤滑用油路側に切り替えることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、内燃機関が連結された第1回転要素と、第1モータ・ジェネレータが連結された第2回転要素と、車両の出力部材に連結されかつ第2モータ・ジェネレータが連結された第3回転要素とを有する動力分割装置を備えたハイブリッド車両の油圧制御装置において、前記各モータ・ジェネレータに連通した冷却用油路と、前記動力分割装置における動力伝達部にオイルを供給する潤滑用油路と、前記内燃機関の動力によって駆動し、前記冷却用油路および前記潤滑用油路に連通した第1オイルポンプと、他の電動機の動力によって駆動し、前記冷却用油路および前記潤滑用油路に連通した第2オイルポンプと、前記第2オイルポンプから出力されたオイルが供給される油路を、前記冷却用油路と前記潤滑用油路とに選択的に切り替える第1切替弁とを備え、前記冷却用油路は、前記第1モータ・ジェネレータに連通した第1油路と、前記第2モータ・ジェネレータに連通した第2油路とを含み、オイルが流動する油路を前記第1油路と前記第2油路とに選択的に切り替える第2切替弁を更に備えていることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記冷却用油路は、前記第1モータ・ジェネレータに連通した第1油路と、前記第2モータ・ジェネレータに連通した第2油路とを含み、オイルが流動する油路を前記第1油路と前記第2油路とに選択的に切り替える第2切替弁を更に備えていることを特徴とするハイブリッド車両の油圧制御装置である。
請求項4の発明は、請求項2または3の発明において、前記第2切替弁は、前記各モータ・ジェネレータのうち一方のモータ・ジェネレータの温度が第2しきい値以上である場合に、オイルが流動する流路を前記一方のモータ・ジェネレータに連通した油路に切り替え、前記一方のモータ・ジェネレータの温度が第2しきい値未満でかつ前記他方のモータ・ジェネレータの温度が第3しきい値以上である場合に、オイルが流動する流路を前記他方のモータ・ジェネレータに連通した油路に切り替えることを特徴とするハイブリッド車両の油圧制御装置である。
請求項5の発明は、請求項2ないし4のいずれか一項の発明において、前記第2切替弁は、前記第1モータ・ジェネレータに作用する負荷が前記第2モータ・ジェネレータに作用する負荷より大きい場合に、オイルが流動する油路を前記第1油路に切り替え、前記第1モータ・ジェネレータに作用する負荷が前記第2モータ・ジェネレータに作用する負荷より小さい場合に、オイルが流動する油路を前記第2油路に切り替えることを特徴とするハイブリッド車両の油圧制御装置である。
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記冷却用油路に供給するオイルを冷却するオイルクーラーを更に備えていることを特徴とするハイブリッド車両の油圧制御装置である。
この発明によれば、内燃機関の動力によって駆動する第1オイルポンプが駆動していないときに、第2オイルポンプによって各モータ・ジェネレータや動力分割装置にオイルを供給することができる。そのため、車両がモータ・ジェネレータの動力によって駆動している場合であっても、各モータ・ジェネレータを冷却することができるとともに、動力分割装置を潤滑することができる。また、第1切替弁によってオイルが流動する油路を、各モータ・ジェネレータに連通した冷却用油路と、動力分割装置に連通した潤滑用油路とに選択的に切り替えることができる。そのため、オイルが動力分割装置に過剰に供給されてしまうことを抑制もしくは防止することができるとともに、その動力分割装置の潤滑性を維持することができる。すなわち、動力分割装置に適量のオイルを供給することができる。また、第1切替弁によってオイルが流動する油路を冷却用油路に切り替えることにより、各モータ・ジェネレータを冷却することができ、それらモータ・ジェネレータの温度が過剰に上昇してしまうことを抑制もしくは防止することができる。
また、第1切替弁は、車両を駆動させるために動力を出力するモータ・ジェネレータの温度が高温の場合に、そのモータ・ジェネレータにオイルを供給するように切り替えられる。そのため、車両を駆動させるために動力を出力するモータ・ジェネレータの耐久性が低下したり、出力するトルクが低下してしまったりすることを抑制もしくは防止することができる。一方、そのモータ・ジェネレータの温度が比較的低温でかつ第1オイルポンプが駆動していない状態で車両が所定の距離を走行した場合には、動力分割装置における動力伝達部にオイルが供給されるように第1切替弁が切り替わる。そのため、モータ・ジェネレータの回転に追従して回転する部材の引きずり損失を低減することができるとともに、その動力伝達部に過剰にオイルが供給されることによる攪拌損失を低減することができる。
さらに、冷却用油路は、第1モータ・ジェネレータに連通した第1油路と、第2モータ・ジェネレータに連通した第2油路とを含み、オイルが流動する油路を第1油路と第2油路とに切り替える第2切替弁とを備えている。そのため、各モータ・ジェネレータにおけるいずれか一方に集中してオイルを供給することができるので、冷却性能を向上させることができる。その結果、第1オイルポンプや第2オイルポンプから吐出されるオイル量を低減することができるので、第1オイルポンプや第2オイルポンプを小型化することができる。また、第1オイルポンプや第2オイルポンプを駆動するための動力損失を低減することができる。
また、第2切替弁は、各モータ・ジェネレータのうち一方のモータ・ジェネレータの温度が高温である場合に、その一方のモータ・ジェネレータにオイルを供給するように切り替え、一方のモータ・ジェネレータが比較的低温であり、かつ他方のモータ・ジェネレータの温度が高温の場合に、他方のモータ・ジェネレータにオイルを供給するように構成されている。したがって、温度が高温となってしまっている側のモータ・ジェネレータを集中的に冷却することができる。その結果、第1オイルポンプや第2オイルポンプから吐出されるオイル量を低減することができるので、第1オイルポンプや第2オイルポンプを小型化することができる。また、第1オイルポンプや第2オイルポンプを駆動するための動力損失を低減することができる。
さらに、第2切替弁は、作用する負荷が大きいモータ・ジェネレータにオイルを流動させるように切り替える。そのため、各モータ・ジェネレータの温度が比較的低温である場合であっても、作用する負荷が大きいことにより高温となる可能性が高い側のモータ・ジェネレータにオイルを供給することにより、作用する負荷が大きい側のモータ・ジェネレータを事前に冷却することができる。その結果、作用する負荷が大きいことにより過剰に温度が上昇してしまうことを抑制もしくは防止することができる。
この発明に係るハイブリッド車両の油圧制御装置の対象とすることのできる油圧回路の一例をを説明するための図である。 この発明を用いることの可能なハイブリッド車両の駆動系統の構成例を示すスケルトン図である。 図1における切替弁の切り替え制御の一例を説明するためのフローチャートである。 この発明に係るハイブリッド車両の油圧制御装置の対象とすることのできる油圧回路の他の例をを説明するための図である。 図4における切替弁の切り替え制御の一例を説明するためのフローチャートである。
つぎに、この発明を図面を参照しながら具体的に説明する。図2は、この発明を用いることの可能なハイブリッド車両Veの駆動系統の構成例を示している。図2に示された車両Veは、動力の発生原理が異なる2種類の動力源を有している。すなわち、エンジン1と、発電機能のある電動機として第1および第2の2つのモータ・ジェネレータ(MG1、MG2)2,3とが動力源として設けられている。
エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、あるいは天然ガスエンジンなどの燃料を燃焼して動力を出力する動力機関であり、好ましくはスロットル開度などで負荷を電気的に制御でき、また所定の負荷に対して回転数を制御することにより燃費が最も良好な最適運転点に設定できる内燃機関である。
各モータ・ジェネレータ2,3は、一例として、ロータに永久磁石を備えた同期電動機によって構成されており、発電機および電動機として機能するように、言い換えると、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを兼備するように構成されている電動機である。それら2つのモータ・ジェネレータ2,3は、それぞれ、ロータ2a,3aおよびステータ2b,3bを有しており、ステータ2b,3bはいずれもケーシング4などに固定されている。
また、各モータ・ジェネレータ2,3におけるステータ2b,3bには、銅線などが巻き付けられてコイル2c,3cが形成されている。それらのコイル2c,3cには、図示しない蓄電池がインバータを介して接続されており、また各コイル2c,3cに接続されたインバータ同士が電力の授受をおこなうことが可能に接続されている。したがって、一方のモータ・ジェネレータ2(もしくはモータ・ジェネレータ3)を発電機として機能させ、その発電された電力を他方のモータ・ジェネレータ3(もしくはモータ・ジェネレータ2)に与えてこれをモータとして機能させることが可能なように構成されている。またバッテリからそれぞれのモータ・ジェネレータ2,3に電力を供給して、そのモータ・ジェネレータ2,3を電動機として機能させることも可能なように構成されている。
上記のエンジン1および各モータ・ジェネレータ2,3による動力源から出力された動力が、デファレンシャル5を介して駆動輪6に伝達されるように動力伝達経路が構成されている。具体的には、エンジン1の出力軸1aが動力分割装置7に連結されている。この動力分割装置7は、動力の合成もしくは分割の機能を有する3要素の差動歯車機構であり、したがってシングルピニオン型遊星歯車機構やダブルピニオン型遊星歯車機構を用いて構成することができる。この図2に示す例では、キャリア7cを入力要素、サンギヤ7sを反力要素、リングギヤ7rを出力要素としたシングルピニオン型遊星歯車機構によって構成されている。
すなわち、外歯歯車であるサンギヤ7sの外周側に、内歯歯車であるリングギヤ7rがサンギヤ7sに対して同心円上に配置され、これらのサンギヤ7sとリングギヤ7rとに噛み合っているピニオンギヤ7pが、キャリア7cによって自転自在および公転自在に保持されている。そして、そのキャリア7cにエンジン1の出力軸1aすなわちクランクシャフトなどの出力軸1aが連結されている。したがって、キャリア7cが入力要素となっている。なお、エンジン1とキャリア7cとの間に、発進用のクラッチやトルクコンバータ(ロックアップクラッチ付のトルクコンバータ)などの動力伝達機構を適宜に設けてもよい。
動力分割装置7のサンギヤ7sに、第1モータ・ジェネレータ(MG1)2が連結されている。すなわち、第1モータ・ジェネレータ2のロータ2aがサンギヤ7sに連結され、前述したように第1モータ・ジェネレータ2のステータ2bがケーシング4などに固定されており、サンギヤ7sが反力要素となっている。
また、動力分割装置7のリングギヤ7rに、第2モータ・ジェネレータ(MG2)3が動力伝達可能に連結され、その出力側に出力軸8が連結されている。すなわち、第2モータ・ジェネレータ3のロータ3aがリングギヤ7rに連結されている。したがってリングギヤ7rが出力要素となっている。
そして、出力軸8と駆動輪6とが、デファレンシャル5およびドライブシャフト9を介して動力伝達可能に連結されている。
図2に示す車両Veにおいて、エンジン1が運転されて、エンジントルクが動力分割装置7のキャリア7cに伝達されると、第1モータ・ジェネレータ2により反力トルクが受け持たれて、エンジントルクがリングギヤ7rに伝達される。そのリングギヤ7rに伝達されたトルクが、デファレンシャル5を経由して駆動輪6に伝達されて、駆動力が発生する。動力分割装置7においては、サンギヤ7sとキャリア7cとリングギヤ7rとの差動作用により、入力要素であるキャリア7cと、出力要素であるリングギヤ7rとの変速比を制御することが可能である。具体的には、反力トルクを受け持つ第1モータ・ジェネレータ2の出力を制御することにより、エンジン回転数を無段階に(連続的に)制御することが可能である。つまり、動力分割装置7は無段変速機としての機能を有している。
このように、第1モータ・ジェネレータ2で反力トルクを受け持つ場合、各種の条件に基づいて、第1モータ・ジェネレータ2の回転方向が、正回転、停止、逆回転などに選択的に切り換えられる。例えば、第1モータ・ジェネレータ2が正回転して反力トルクを受け持つ場合、第1モータ・ジェネレータ2は回生制御され、第1モータ・ジェネレータ2で発生した電力を、バッテリに充電したり、インバータを経由して第2モータ・ジェネレータ3に供給し、第2モータ・ジェネレータ3を力行制御する。すなわち、第2モータ・ジェネレータ3が電動機として駆動され、そのトルクが、デファレンシャル5およびドライブシャフト9を経由して駆動輪6に伝達される。これに対して、第1モータ・ジェネレータ2が逆回転して反力トルクを受け持つ場合、第1モータ・ジェネレータ2は力行制御される。第1モータ・ジェネレータ2に供給する電力は、バッテリまたは第2モータ・ジェネレータ3から供給することが可能である。すなわち、第2モータ・ジェネレータ3を回生制御させて、その電力を、インバータを経由させて第1モータ・ジェネレータ2に供給することも可能である。
なお、図2における動力伝達装置は、各モータ・ジェネレータの温度を検出する温度センサ10,11やドライブシャフト9の回転数を検出するセンサ12、あるいは図示しないアクセル開度を検出するアクセル開度センサなどが設けられており、それらのセンサにより検出された信号が、電子制御装置(ECU)13に入力される。また、電子制御装置13は、予め実験やシミュレーションによって得られた各種のデータが記憶されており、電子制御装置13に入力された各信号に応じて、各モータ・ジェネレータや後述する油圧回路の切替弁あるいは電動オイルポンプなどに信号を出力するように構成されている。
上述したようにエンジン1から動力を出力するとともに、第1モータ・ジェネレータ2あるいは第2モータ・ジェネレータ3を力行制御して動力を出力して車両Veの駆動力を出力する走行モード(以下、HV走行モードと記す。)では、動力分割装置7における各ギヤ7s,7r,7pには、車両を走行させるためのトルクが作用する。そのため、各ギヤ7s,7r,7pの摩擦損失を低下させるため、あるいは各ギヤ7s,7r,7pの発熱による焼き付きを防止するために、それらギヤ7s,7r,7pにはオイルが供給される。また、第1モータ・ジェネレータ2や第2モータ・ジェネレータ3は、反力あるいはアシストトルクを出力するため、それらモータ・ジェネレータ2,3は、銅損や鉄損により生じる熱を冷却するためにオイルが供給される。
一方、エンジン1を停止した状態、すなわち動力分割装置7におけるキャリヤ7cが回転していない状態で、第2モータ・ジェネレータ3から出力された動力のみによって車両Veの駆動力を出力する走行モード(以下、EV走行モードと記す。)では、エンジン1には燃料が供給されていないため、動力分割装置7における各ギヤ7s,7r,7pには、上記HV走行モードにおける各ギヤ7s,7r,7pに作用するトルクのような、車両Veを走行させるためのトルクが入力されない。すなわち、各ギヤ7s,7r,7pは、第2モータ・ジェネレータ3が出力するトルクにより空転している状態となる。なお、キャリヤ7cは、エンジン1の慣性力により回転していない。したがって、EV走行モード時は、動力分割装置7には引きずり損失を低減することができる程度のオイルのみ供給する。一方、第2モータ・ジェネレータ3には、車両Veの駆動力を出力するための大きな負荷が作用するので、その負荷に基づいて第2モータ・ジェネレータ3の温度が過剰に上昇しないようにオイルを供給する。
つぎに、上記各モータ・ジェネレータ2,3および動力分割装置7にオイルを供給する油圧回路の一例について説明する。図1は、その油圧回路の構成を説明するための図である。図1に示す油圧回路は、エンジン1の出力軸1aに連結され、エンジン1から出力された動力により駆動するメカオイルポンプ(MOP)14と、電動機によって駆動する電動オイルポンプ(EOP)15とが並列的に設けられており、それら各オイルポンプ14,15を油圧源として構成されている。なお、各オイルポンプ14,15は、図示しないオイルパンに貯留されたオイルを汲み上げて出力するものであり、オイルパンとオイルポンプ14,15との間には、オイルに混入した金属粉などの異物を除去するためのストレーナ16,17が設けられている。
まず、メカオイルポンプ14から出力されたオイルは、油路18を流動して動力分割装置7に供給されるように構成されている。具体的には、メカオイルポンプ14には油路18が連結され、その油路18にオイルがメカオイルポンプ14側に流入することを防止する逆止弁19が設けられ、その逆止弁19を介してオイルが動力分割装置7に供給されるように構成されている。これは、エンジン1が駆動しているとき、すなわちHV走行モード時は、エンジン1から動力分割装置7に大きなトルクが入力されて車両Veが駆動するため、常時、動力分割装置7にオイルを供給することができるように構成されている。
一方、メカオイルポンプ14から吐出されたオイルは、上記動力分割装置7以外に、各モータ・ジェネレータ2,3に供給されるように構成されている。具体的には、上記動力分割装置7に連通した油路18と分岐した油路20に、オイルがメカオイルポンプ14側に流入することを防止する逆止弁21が設けられ、その逆止弁21を介してオイルが逆止弁21の出力側に連結された油路22に流入される。さらに、その油路22には、オイルクーラー(O/C)23が設けられており、油路22を流動するオイルを冷却するように構成されている。そして、オイルクーラー23によって冷却されたオイルが、各モータ・ジェネレータ2,3に連通した油路24,25を流動して、各モータ・ジェネレータ2,3に供給されるように構成されている。なお、油路22がこの発明における冷却用油路に相当し、油路24がこの発明における第1油路に相当し、油路25がこの発明における第2油路に相当する。
したがって、HV走行モード時においては、エンジン1が常時、運転しているため、そのエンジン1の出力軸1aに連結されたメカオイルポンプ14が駆動して動力分割装置7や各モータ・ジェネレータ2,3にオイルを供給するように構成されている。
つぎに、電動オイルポンプ15から吐出されたオイルを、各モータ・ジェネレータ2,3および動力分割装置7に供給するための油圧回路について説明する。上述したようにEV走行モード時は、エンジン1の出力軸1aが回転しないので、メカオイルポンプ14が停止した状態となる。そのため、図1に示す例では、電動オイルポンプ15が設けられている。この電動オイルポンプ15は、電気的に制御することにより車両Veの走行とは独立して駆動させることができるオイルポンプである。この電動オイルポンプ15は、後述する切替弁26を介して前記油路22と連通している。なお、切替弁26の出力側には、電動オイルポンプ15側にオイルが流動することを防止する逆止弁27が設けられている。これは、HV走行モード時にメカオイルポンプ14から吐出され、第1モータ・ジェネレータ2および第2モータ・ジェネレータ3に流動するオイルが、電動オイルポンプ15側に逆流してしまうことを防止するためである。そして、電動オイルポンプ15から出力されたオイルは、油路22およびその油路22に設けられたオイルクーラー23を介して油路24,25を流動して各モータ・ジェネレータ2,3に供給されるように構成されている。
一方、上記切替弁26を切り替えることにより動力分割装置7にオイルを流動させることができるように構成されている。具体的には、切替弁26には、上記油路22以外に動力分割装置7に連通した油路28が連結されている。より具体的には、上記油路18に設けられた逆止弁19の出力側に連通した油路28が切替弁26に連結されている。したがって、切替弁26における出力ポートを、油路22に連通した出力ポートから油路28に連通した出力ポートに切り替えることにより、動力分割装置7にオイルを供給することができるように構成されている。なお、上記切替弁26は、連通される油路を選択的に切り替えることができるものであればよく、したがって、電気的に切り替えをおこなう電磁弁であってもよく、機械的に切り替えをおこなう切替弁であってもよい。
上述したように電動オイルポンプ15から出力されたオイルを、各モータ・ジェネレータ2,3に供給するように構成することにより、EV走行モード時であってもオイルを各モータ・ジェネレータ2,3に供給することができる。その結果、車両Veの動力を出力するためにモータ・ジェネレータが駆動して発熱しても、その熱を電動オイルポンプ15から出力されたオイルによって冷却することができる。また、切替弁26を切り替えて動力分割装置7にオイルを供給することにより、動力分割装置7における引きずり損失を低減することができる。すなわち、車両Veが駆動することにより、動力分割装置7における各ギヤ7s,7r,7pが回転することによる引きずり損失を低減することができる。
つぎに、上述した油圧回路の制御の一例について説明する。図3は、その制御例を説明するためのフローチャートであり、具体的には、車両VeがEV走行モードにより走行しているときに実行されるフローチャートである。なお、図3における制御は、所定時間毎に繰り返し実行される。まず、車両VeがEV走行モードにより走行すると、第2モータ・ジェネレータ3の温度がしきい値αより高いか否かが判断される(ステップS11)。これは、第2モータ・ジェネレータ3に設けられた温度センサ11により検出することができる。なお、ステップS11におけるしきい値αは、第2モータ・ジェネレータ3の特性あるいは耐久性などに基づいて予め記憶された温度である。このステップS11で肯定的に判断された場合、すなわち第2モータ・ジェネレータ3の温度がしきい値αより高い場合には、電動オイルポンプ15と油路22とが連通するように、すなわち各モータ・ジェネレータ2,3に電動オイルポンプ15からオイルが供給されるように切替弁26を切り替えて(ステップS12)、電動オイルポンプ15を作動させる(ステップS13)。すなわち、電動オイルポンプ15から各モータ・ジェネレータ2,3にオイルを供給する。なお、電動オイルポンプ15から各モータ・ジェネレータ2,3にオイルを供給したときのオイルの流れを、図1に実線で示している。
一方、ステップS11で否定的に判断された場合、すなわち第2モータ・ジェネレータ3の温度がしきい値α以下の場合には、第2モータ・ジェネレータ3に要求される出力トルクがしきい値βより大きいか否かが判断される(ステップS14)。ステップS14における第2モータ・ジェネレータ3に要求される出力トルクは、例えば、アクセル開度センサなどにより検出された信号に基づいて、運転者が要求する駆動力を求めることができる。また、ステップS14におけるしきい値βは、第2モータ・ジェネレータ3が過剰に発熱してしまう出力トルクを予め実験やその第2モータ・ジェネレータ3の特性などから定めて、電子制御装置13などに記憶された値である。そして、ステップS14で肯定的に判断された場合、すなわち第2モータ・ジェネレータ3に要求される出力トルクがしきい値βより大きい場合は、電動オイルポンプ15と油路22とが連通するように、すなわち各モータ・ジェネレータ2,3に電動オイルポンプ15からオイルが供給されるように切替弁26を切り替えて(ステップS12)、電動オイルポンプ15を作動させる(ステップS13)。すなわち、電動オイルポンプ15から各モータ・ジェネレータ2,3にオイルを供給する。
一方、ステップS14で否定的に判断された場合、すなわち第2モータ・ジェネレータ3に要求される出力トルクがしきい値β以下の場合は、EV走行モードでの累積走行距離がしきい値γより長いか否かが判断される(ステップS15)。ステップS15における累積走行距離とは、EV走行モードが設定されてから車両Veが走行した距離であって、例えば、ドライブシャフト9の回転数を検出するセンサ12により検出された信号に基づいて算出することができる。このステップS15の判断は、EV走行モードでの累積走行距離が長いことにより、動力分割装置7における各ギヤ7s,7r,7pにオイルを供給する必要性の有無を判断するものであって、累積走行距離が長いときには、動力分割装置7における各ギヤ7s,7r,7pからオイルが飛散したり滴下したりしている可能性がある。すなわち、潤滑性を向上させる必要があり、しきい値γは各ギヤ7s,7r,7pに供給されたオイルが飛散したり滴下してしまう回転数などを予め実験やシミュレーションによって定めることができる。
そのため、ステップS15で否定的に判断された場合、すなわちEV走行モードでの累積走行距離がしきい値γ以下である場合には、特に動力分割装置7にオイルを供給せずにあるいは電動オイルポンプ15を駆動させずにリターンする。それとは反対に、ステップS15で肯定的に判断された場合、すなわちEV走行モードでの累積走行距離がしきい値γ以上である場合には、動力分割装置7における各ギヤ7s,7r,7pの潤滑性を向上させるために、電動オイルポンプ15から出力されたオイルが動力分割装置7に供給されるように切替弁26を切り替えて(ステップS16)、電動オイルポンプを作動させる(ステップS13)。すなわち、電動オイルポンプ15から動力分割装置7にオイルを供給する。なお、ステップS16により電動オイルポンプ15から出力されたオイルが動力分割装置7に供給されるように切替弁26を切り替えることにより、上記累積走行距離がリセットされる。すなわち、切替弁26を切り替えた時点から再度累積走行距離をカウントし始める。なお、電動オイルポンプ15から動力分割装置7にオイルを供給したときのオイルの流れを、図1に破線で示している。
上述したように第2モータ・ジェネレータ3の温度が高い場合や出力トルクが高い場合に、第2モータ・ジェネレータ3にオイルを供給することにより、第2モータ・ジェネレータ3を冷却することができ、その結果、第2モータ・ジェネレータ3の耐久性を向上させることができる。また、切替弁26を切り替えることにより、動力分割装置7にオイルを供給することができるので、動力分割装置7の引きずり損失を低減することができる。さらに、その動力分割装置7には、累積走行距離がしきい値γ以上となったときにのみオイルが供給され、また第2モータ・ジェネレータ3や動力分割装置7にオイルを供給しないときは、電動オイルポンプ15が停止した状態となる。その結果、電動オイルポンプ15が過剰に駆動してしまうことによる電気的な損失を低減することができるとともに、各ギヤ7s,7r,7pにオイルが過剰に供給されることによる攪拌損失を低減することができる。
なお、上述した構成は、EV走行モード時に第2モータ・ジェネレータ3により動力を出力するのみに限らず、例えば、第1モータ・ジェネレータ2を力行制御して逆回転させることにより車両Veが走行する動力を出力することもできる。したがって、第1モータ・ジェネレータ2により動力を出力する車両においては、図3に示すフローチャートにおけるステップS11では第1モータ・ジェネレータ2の温度がしきい値より高いか否かを判断すればよく、ステップS14では第1モータ・ジェネレータ2の出力トルクがしきい値より高いか否かを判断すればよい。なお、第1モータ・ジェネレータ2から出力された動力により車両を走行させるときは、第2モータ・ジェネレータ3から出力された動力のみによって車両を走行させるときより、動力分割装置7に入力されるトルクが大きくなるので、ステップS15におけるしきい値γを小さく、すなわちEVモードでの累積走行距離が短くなるように、切替弁26を切り替えることが好ましい。
さらに、この発明に係る油圧制御装置は、各モータ・ジェネレータ2,3のそれぞれを集中して冷却することができるように構成されている。図4には、その油圧回路が記載されている。図4に示す油圧回路は、図1における油路22に、オイルが流動する油路を油路24と油路25とに切り替える切替弁29が更に設けられている。なお、油路22に設けられた切替弁26は、オイルを出力する油路を選択的に切り替えることができればよく、したがって、電気的に切り替えをおこなう電磁弁や、機械的に切り替えをおこなう弁であってもよい。
上述したように油路22に切替弁29を設けることにより、一方のモータ・ジェネレータ2(3)に集中してオイルが供給される。したがって、オイルが供給される側のモータ・ジェネレータ2(3)の冷却性能が向上するので、油圧源となるメカオイルポンプ14や電動オイルポンプ15の容量を少なくすることができ、その結果、各オイルポンプ14,15の搭載性や動力損失を低減することができる。
つぎに、上述した切替弁29の切り替えをおこなうための制御例について説明する。図5は、その制御を説明するためのフローチャートである。なお、図4に示す切替弁29は、EV走行モード時に限らず、HV走行モード時であっても同様の効果を奏することができるので、ここでは、特にいずれの走行モードであるかに限定されずに説明する。図5に示す制御は、所定時間毎に繰り返し実行されるものであり、まず、第2モータ・ジェネレータ(MG2)3の温度、すなわち温度センサ11で検出された温度がしきい値より低いか否かが判断される(ステップS21)。ステップS21におけるしきい値とは、第2モータ・ジェネレータ3の耐久性や出力トルクが低下してしまう温度以下に設定した温度であって、図3に示す制御におけるしきい値αと同じ温度であってもよく、しきい値α以下の温度であってもよい。ステップS21で否定的に判断された場合、すなわち第2モータ・ジェネレータ3の温度がしきい値以上である場合には、油路22と油路25とが連通するように切替弁29を切り替えて(ステップS22)、リターンする。
一方、ステップS21で否定的に判断された場合、すなわち第1モータ・ジェネレータ(MG1)2の温度がしきい値以下の場合には、第1モータ・ジェネレータ2の温度、すなわち温度センサ10で検出された温度がしきい値より低いか否かが判断される(ステップS23)。このステップS23におけるしきい値は、ステップS21と同様に第1モータ・ジェネレータ2の耐久性や出力トルクが低下してしまう温度以下に設定した温度である。ステップ23で否定的に判断された場合、すなわち第1モータ・ジェネレータ2の温度がしきい値以上の場合には、油路22と油路24とが連通するように切替弁29を切り替えて(ステップS24)、リターンする。
それとは反対に、ステップS23で肯定的に判断された場合、すなわち第1モータ・ジェネレータ2の温度がしきい値より低い場合には、第1モータ・ジェネレータ2と第2モータ・ジェネレータ3とのそれぞれの温度が、耐久性や出力トルクが低下してしまう温度より低い。一方、各モータ・ジェネレータ2,3が駆動することあるいは回転することにより銅損や鉄損が生じて温度が上昇する可能性がある。そのため、温度が上昇する可能性が高い側のモータ・ジェネレータ2(3)にオイルが供給されるように、事前に切替弁25を切り替えるように制御される。具体的には、ステップS23で肯定的に判断された後に、第2モータ・ジェネレータ3の負荷率が第1モータ・ジェネレータ2の負荷率より低いか否かが判断される(ステップS25)。すなわち、各モータ・ジェネレータ2,3の特性により通電することができる最大電力と、実際に通電されている電力との割合である負荷率を比較する。このステップS25により、発熱する可能性が高いモータ・ジェネレータ2(3)を判断することができる。したがって、発熱する可能性が高い側のモータ・ジェネレータ2(3)にオイルが供給されるように切替弁29を切り替える。
具体的には、ステップS25で否定的に判断された場合は、第2モータ・ジェネレータ3の負荷率が第1モータ・ジェネレータ2の負荷率より高く発熱して高温となる可能性が高いので、油路22と油路25とが連通するように切替弁29を切り替えて(ステップS22)、リターンする。それとは反対に、ステップS25で肯定的に判断された場合は、第1モータ・ジェネレータ2の負荷率が第2モータ・ジェネレータ3の負荷率より高く発熱して高温となる可能性が高いので、油路22と油路24とが連通するように切替弁29を切り替えて(ステップS24)、リターンする。
上述したように、切替弁29を各モータ・ジェネレータ2,3の温度や負荷率に応じて切り替えることにより、高温となっている側のモータ・ジェネレータ2(3)や高温となる可能性が高い側のモータ・ジェネレータ2(3)にオイルを集中して供給することができるので、それらモータ・ジェネレータ2,3を冷却する冷却性能を向上させることができるとともに、油圧源14,15の容量を少なくすることができる。
なお、図3と図5との制御を組み合わせることにより、EV走行モード時であっても各モータ・ジェネレータ2,3に集中してオイルを供給することができる。すなわち、図5におけるステップS22あるいはステップS24により切替弁29を切り替えた後に、車両Veの走行モードを判断して、EV走行モードであるときには、図3に示す制御を実行することにより、EV走行モードであっても各モータ・ジェネレータ2,3に集中してオイルを供給することができる。
なお、図5におけるステップS25における判断は、各モータ・ジェネレータ2,3の負荷率により判断するものに限らず、例えば、各モータ・ジェネレータ2,3に要求されるトルクや各モータ・ジェネレータ2,3に通電される電力など種々のパラメータを用いて判断することができる。
1…エンジン、 2…第1モータ・ジェネレータ、 3…第2モータ・ジェネレータ、 7…動力分割装置、 18,20,22,24,25,28…油路、 16,29…切替弁。

Claims (6)

  1. 内燃機関が連結された第1回転要素と、第1モータ・ジェネレータが連結された第2回転要素と、車両の出力部材に連結されかつ第2モータ・ジェネレータが連結された第3回転要素とを有する動力分割装置を備えたハイブリッド車両の油圧制御装置において、
    前記各モータ・ジェネレータに連通した冷却用油路と、
    前記動力分割装置における動力伝達部にオイルを供給する潤滑用油路と、
    前記内燃機関の動力によって駆動し、前記冷却用油路および前記潤滑用油路に連通した第1オイルポンプと、
    他の電動機の動力によって駆動し、前記冷却用油路および前記潤滑用油路に連通した第2オイルポンプと、
    前記第2オイルポンプから出力されたオイルが供給される油路を、前記冷却用油路と前記潤滑用油路とに選択的に切り替える第1切替弁と
    を備え、
    前記第1切替弁は、前記車両を駆動させるために動力を出力するモータ・ジェネレータの温度が第1しきい値以上である場合に、前記第2オイルポンプから吐出されたオイルが流動する油路を前記冷却用油路側に切り替え、前記車両を駆動させるために動力を出力するモータ・ジェネレータの温度が第1しきい値未満でかつ前記第1オイルポンプが駆動していない状態で前記車両が所定距離以上を走行した場合に、前記第2オイルポンプから吐出されたオイルが流動する油路を前記潤滑用油路側に切り替える
    ことを特徴とするハイブリッド車両の油圧制御装置。
  2. 内燃機関が連結された第1回転要素と、第1モータ・ジェネレータが連結された第2回転要素と、車両の出力部材に連結されかつ第2モータ・ジェネレータが連結された第3回転要素とを有する動力分割装置を備えたハイブリッド車両の油圧制御装置において、
    前記各モータ・ジェネレータに連通した冷却用油路と、
    前記動力分割装置における動力伝達部にオイルを供給する潤滑用油路と、
    前記内燃機関の動力によって駆動し、前記冷却用油路および前記潤滑用油路に連通した第1オイルポンプと、
    他の電動機の動力によって駆動し、前記冷却用油路および前記潤滑用油路に連通した第2オイルポンプと、
    前記第2オイルポンプから出力されたオイルが供給される油路を、前記冷却用油路と前記潤滑用油路とに選択的に切り替える第1切替弁と
    を備え、
    前記冷却用油路は、前記第1モータ・ジェネレータに連通した第1油路と、前記第2モータ・ジェネレータに連通した第2油路とを含み、
    オイルが流動する油路を前記第1油路と前記第2油路とに選択的に切り替える第2切替弁を更に備えていることを特徴とするハイブリッド車両の油圧制御装置。
  3. 前記冷却用油路は、前記第1モータ・ジェネレータに連通した第1油路と、前記第2モータ・ジェネレータに連通した第2油路とを含み、
    オイルが流動する油路を前記第1油路と前記第2油路とに選択的に切り替える第2切替弁を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の油圧制御装置。
  4. 前記第2切替弁は、前記各モータ・ジェネレータのうち一方のモータ・ジェネレータの温度が第2しきい値以上である場合に、オイルが流動する流路を前記一方のモータ・ジェネレータに連通した油路に切り替え、前記一方のモータ・ジェネレータの温度が第2しきい値未満でかつ前記他方のモータ・ジェネレータの温度が第3しきい値以上である場合に、オイルが流動する流路を前記他方のモータ・ジェネレータに連通した油路に切り替えることを特徴とする請求項2または3に記載のハイブリッド車両の油圧制御装置。
  5. 前記第2切替弁は、前記第1モータ・ジェネレータに作用する負荷が前記第2モータ・ジェネレータに作用する負荷より大きい場合に、オイルが流動する油路を前記第1油路に切り替え、前記第1モータ・ジェネレータに作用する負荷が前記第2モータ・ジェネレータに作用する負荷より小さい場合に、オイルが流動する油路を前記第2油路に切り替えることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の油圧制御装置。
  6. 前記冷却用油路に供給するオイルを冷却するオイルクーラーを更に備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の油圧制御装置。
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