JP5789210B2 - 遠心圧縮装置の組立方法および遠心圧縮装置 - Google Patents
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Description
遠心圧縮装置の組立方法であって、前記遠心圧縮装置が、
一対のリング部材を有するピニオンロータと、前記ピニオンロータのピニオンギアに噛合するブルギアと、前記ピニオンロータの端部に固定され、このピニオンロータの軸心線を中心として回転するインペラと、前記ピニオンロータが挿入され、前記軸心線と同心の中心線を具備する孔部を有したハウジング本体と、前記インペラの周囲を覆うハウジング本体に固定されたスクロールケーシングと、前記孔部の内側に配置される環状の軸シールアダプタと、前記軸シールアダプタの内周部に固定され、前記ピニオンロータの外周面に近接する軸シールと、前記ピニオンロータを回転可能に支持し、上下に分離可能な軸受上半部および軸受下半部を有する軸受部と、前記ピニオンロータの上方に位置し、前記軸受上半部を支持する上カバー部材と、前記ピニオンロータの下方に位置し、前記軸受下半部を支持する下カバー部材と、を備え、
前記孔部の内径が、前記リング部材の外径の1.5倍以上5倍以下であり、
a)前記ピニオンロータを前記孔部に挿入し、前記下カバー部材に予め取り付けられた前記軸受下半部上に載置する工程と、
b)前記軸シールアダプタを前記孔部に取り付ける工程と、
c)前記軸シールを前記軸シールアダプタに取り付ける工程と、
d)前記インペラを前記ピニオンロータの端部に取り付ける工程と、
e)前記軸受上半部を前記軸受下半部に取り付ける工程と、
f)前記上カバー部材に前記軸受上半部と前記下カバー部材を取り付ける工程と、
を備え、
前記a)工程において、前記ピニオンロータの前記孔部への挿入途上にて、前記一対のリング部材が前記軸受下半部の上方を通過し、前記ブルギアの両側に配置されることを特徴とする遠心圧縮装置の組立方法である。
前記a)工程にあって、
前記リング部材を前記孔部の前記中心線よりも上側にずらし、かつ、平面視において前記ピニオンロータをブルギアから離れる方向に傾けて前記ピニオンロータを前記孔部に挿入することを特徴とする。
前記孔部の内径が、前記リング部材の外径の2倍以上5倍以下であり、
前記a)工程にあって、
前記リング部材を前記孔部の前記中心線よりも上側、かつ、平面視において前記中心線の前記ブルギアとは反対側にずらし、前記中心線に平行に前記ピニオンロータを前記孔部に挿入することを特徴とする。
遠心圧縮装置であって、
一対のリング部材を有するピニオンロータと、前記ピニオンロータのピニオンギアに噛合するブルギアと、前記ピニオンロータの端部に固定され、このピニオンロータの軸心線を中心として回転するインペラと、前記ピニオンロータが挿入され、前記軸心線と同心の中心線を具備する孔部を有したハウジング本体と、前記インペラの周囲を覆うハウジング本体に固定されたスクロールケーシングと、前記孔部の内側に配置される環状の軸シールアダプタと、前記軸シールアダプタの内周部に固定され、前記ピニオンロータの外周面に近接する軸シールと、前記ピニオンロータを回転可能に支持し、上下に分離可能な軸受上半部および軸受下半部を有する軸受部と、前記ピニオンロータの上方に位置し、前記軸受上半部を支持する上カバー部材と、前記ピニオンロータの下方に位置し、前記軸受下半部を支持する下カバー部材と、を備え、
前記孔部の内径が、前記リング部材の外径の1.5倍以上5倍以下であることを特徴とする遠心圧縮装置である。
前記軸シールのインペラとは反対側の端部には、孔部の中心線を中心とする半径方向外方に突出する突起部を備え、
前記軸シールアダプタのインペラとは反対側の端部には、前記突起部と軸方向に当接する軸シール当接部を備えたことを特徴とする。
前記軸シールの内周部には、孔部の中心線を中心とする環状の複数の溝を備え、この複数の溝の内径はインペラ側からインペラとは反対側に向かって順に小さくなることを特徴とする。
ハウジング本体の孔部の内径が、一対のリング部材の外径の1.5倍以上5倍以下であり、
a)前記ピニオンロータを前記孔部に挿入し、前記下カバー部材に予め取り付けられた前記軸受下半部上に載置する工程と、
b)前記軸シールアダプタを前記孔部に取り付ける工程と、
c)前記軸シールを前記軸シールアダプタに取り付ける工程と、
d)前記インペラを前記ピニオンロータの端部に取り付ける工程と、
e)前記軸受上半部を前記軸受下半部に取り付ける工程と、
f)前記上カバー部材に前記軸受上半部と前記下カバー部材を取り付ける工程と、を備え、前記a)工程において、前記ピニオンロータの前記孔部への挿入途上にて、前記一対のリング部材が前記軸受下半部の上方を通過し、前記ブルギアの両側に配置されるため、一繋がりの一体形状をなすハウジング本体を用いる場合であっても、遠心圧縮機を容易に組み立てることができる。
前記リング部材を前記孔部の中心線よりも上側にずらし、かつ、平面視において前記ピニオンロータを前記ブルギアから離れる方向に傾けて前記ピニオンロータを前記孔部に挿入する工程を備えているため、一対のリング部材をブルギアの両側により容易に配置することができる。
ハウジング本体の孔部の内径が、一対のリング部材の外径の2倍以上5倍以下であり、前記リング部材を前記中心線よりも上側、かつ、平面視において前記中心線の前記ブルギアとは反対側にずらし、前記中心線に平行に前記ピニオンロータを前記孔部に挿入する工程を備えているため、一対のリング部材をブルギアの両側により容易に配置することができる。
ハウジング本体の孔部の内径が、ピニオンロータに設けられた一対のリング部材の外径の1.5倍以上5倍以下に構成されているため、一繋がりの一体形状をなすハウジング本体を用いる場合であっても、組み立てが容易な遠心圧縮装置を実現できる。
軸シールのインペラとは反対側の端部には、孔部の中心線を中心とする半径方向外方に突出する突起部を備え、
軸シールアダプタのインペラとは反対側の端部には、前記突起部と軸方向に当接する軸シール当接部を備えているため、インペラと軸シールとの干渉を防止することができる。
軸シールの内周部には、孔部の中心線を中心とする環状の複数の溝を備え、この複数の溝の内径はインペラ側からインペラとは反対側に向かって順に小さくなるように構成されているため、圧縮ガスがハウジング外部へ漏れ出ることを確実に抑制することができる。
図2と図3において、第1遠心圧縮機2Aは、ガスを圧縮するための回転部100と、回転部100を収容し支持するための静止部200と、を備えている。
前記回転部100は、前記増速機4によって回転駆動される第1ピニオンロータ110と、この第1ピニオンロータ110の先端部に取り付けられたインペラ130と、を備えている。第1ピニオンロータ110の先端部には、先端に行くにつれて先細りするテーパフィット部111が形成されており、このテーパフィット部111の部位に、ハブ131と複数のブレード132からなるインペラ130が固定されている。また、第1ピニオンロータ110の前記テーパフィット部111に連なる部位には、後述する軸シール700に対応する回転側ラビリンス通路形成部として、反インペラ130側、すなわち、インペラ130とは反対側に行くにつれて縮径する多段のラビリンス通路形成用フランジ部112が形成されている。
前記静止部200は、前記第1ピニオンロータ110が挿通された状態で前記インペラ130を収容し、該インペラ130にガスを導き、圧縮されたガスを需要側へ送出するためのハウジング300と、このハウジング300の反インペラ側の外側に位置し、第1ピニオンロータ110を回転可能に支持する軸受400と、第1ピニオンロータ110の下方に位置し、前記軸受400の下半部402を支持する下カバー部材500と、第1ピニオンロータ110の上方に位置し、前記軸受400の上半部401を支持する上カバー部材600と、を備えている。
前記静止部200に備えられる前記ハウジング300は、ハウジング本体310とこれに固定されたスクロールケーシング320とを備えており、これにより、インペラ130を収容するとともに、インペラ130に向けてガスを吸い込む吸込口301と、インペラ130の外周側において軸心線J1を中心とする周方向に形成され、インペラ130からの圧縮ガスを外部へ導くスクロール室302とを有している。以下、軸心線J1を中心とする周方向を単に「周方向」という。このハウジング300の環状をなす前記ハウジング本体310は、第1遠心圧縮機2Aの軸心線J1を中心とする半径方向に延びる環状部313と、この環状部313の外縁部全周から前記軸心線J1に平行に延びる側部312と、孔部315とからなる。なお、軸心線J1は、前記第2遠心圧縮機2Bの軸心線でもある。以下、軸心線J1を中心とする半径方向を単に「半径方向」という。さらに、環状部313の内側には、軸シールアダプタ340が設けられている。環状部313、側部312および下カバー部材500は、鋳造により一繋がりの部材として形成される。環状部313のインペラ130側の面には、環状凹部313aが形成されている。また、図2(b)に示すように、上記孔部315の中心線K1は、第1ピニオンロータ110の軸心線J1に一致する。孔部315の内径dは、図2(a)のリング部材120の外径Dのおよそ2倍である。
軸シールアダプタ340は、フランジ部341と、環状凹部342と、を備える。フランジ部341は、軸心線J1を中心として環状であり、外周部におけるインペラ130側の部位から半径方向外方へ突出する。環状凹部342は、軸心線J1に平行な方向において、軸シールアダプタ340のインペラ130に対向する面とは反対側の面340aに設けられる。以下、軸心線J1方向または軸心線J1に平行な方向を単に「軸方向」という。軸シールアダプタ340では、その前記フランジ部341が環状部313の前記環状凹部313aに嵌り合う。軸シールアダプタ340は、その溝部343に回り止めピン303を装着することで、環状部313に対する周方向における位置が固定される。軸シールアダプタ340には、後述するように、軸シール700が取り付けられている。
前記ハウジング300は、さらに、インペラ130の出口側から前記スクロール室302に通じる通路空間として設けられるディフューザ330を備えている。ディフューザ330は、前記環状部313に取り付けられている。これにより、軸シールアダプタ340は、フランジ部341の先端部分がディフューザ330と環状部313との間に挟まれることにより取り付けられている。
前記静止部200に備えられる前記軸受400は、ハウジング300の反インペラ130側に位置し、ピニオンロータ110を回転可能に支持するすべり軸受である。本実施形態では上下二分割型のもので、軸受上半部401と軸受下半部402とから構成されている。
前記静止部200に備えられる前記カバー部材500,600について説明する。下カバー部材500は、ピニオンロータ110の下方に配置されており、この下カバー部材500に前記軸受下半部402が固定されている。また、上カバー部材600は、ピニオンロータ110の上方に配置されており、この上カバー部材600に前記軸受上半部401が固定されている。上カバー部材600は、下カバー部材500に図示しないボルトにて固定されている。
前記静止部200に備えられる前記軸シール700は、固定側ラビリンス通路形成部として設けられており、前記ピニオンロータ110に回転側ラビリンス通路形成部として設けられている前記の多段のラビリンス通路形成用フランジ部112と協働して、圧縮ガスがハウジング外部へ漏れ出るのを抑制する働きをなすものである。この軸シール700は、軸心線J1を中心とする環状をなしており、分割可能であって、本実施形態では、上下二分割型のもので、軸シール上半部710と軸シール下半部720とから構成されている。
オイルバッフル800は、軸心線J1を中心とする環状をなしており、分割可能であって、本実施形態では、半円環状のオイルバッフル上半部801と半円環状のオイルバッフル下半部802とから構成されている。
次に、第1遠心圧縮機2Aの組立順序について、前記の図2,図3を参照しながら説明する。第2及び第3遠心圧縮機2B,2Cの組み立ての流れは、第1遠心圧縮機2Aと同様である。また、図4は本実施形態による遠心圧縮装置の組立方法を概念的に説明する図であり、(a)は立面視説明図、(b)は平面視説明図である。
本実施形態の遠心圧縮機の組立方法において、上述した遠心圧縮機の組立方法の第1の実施形態と異なるのは、上記(2)に示す工程のみであるため、この工程に関して図7を参照しながら詳述し、その他の工程に関しては省略する。
2A,2B,2C…遠心圧縮機 3…電動機 4…増速機(動力伝達機構)
5…ブルギア
100…回転部
110…第1ピニオンロータ 112…ラビリンス通路形成用フランジ部
120、1120…リング部材 130、1130、2130…インペラ
200…静止部
300…ハウジング
310…ハウジング本体
312…側部 313…環状部 313a…環状凹部
315…孔部
320…スクロールケーシング 330…ディフューザ
340…軸シールアダプタ
341…フランジ部 342…環状凹部(軸シール当接部) 343…溝部
400…軸受 401…軸受上半部 402…軸受下半部
500…下カバー部材 600…上カバー部材
700…軸シール 701…溝
710…軸シール上半部 711…突起部 712…溝部 713…ボルト
720…軸シール下半部 721…突起部 722…溝部 723…ボルト
800…オイルバッフル
801…オイルバッフル上半部 802…オイルバッフル下半部
1110…第2ピニオンロータ
Claims (6)
- 遠心圧縮装置の組立方法であって、
前記遠心圧縮装置が、
一対のリング部材を有するピニオンロータと、前記ピニオンロータのピニオンギアに噛合するブルギアと、前記ピニオンロータの端部に固定され、このピニオンロータの軸心線を中心として回転するインペラと、前記ピニオンロータが挿入され、前記軸心線と同心の中心線を具備する孔部を有したハウジング本体と、前記インペラの周囲を覆うハウジング本体に固定されたスクロールケーシングと、前記孔部の内側に配置される環状の軸シールアダプタと、前記軸シールアダプタの内周部に固定され、前記ピニオンロータの外周面に近接する軸シールと、前記ピニオンロータを回転可能に支持し、上下に分離可能な軸受上半部および軸受下半部を有する軸受部と、前記ピニオンロータの上方に位置し、前記軸受上半部を支持する上カバー部材と、前記ピニオンロータの下方に位置し、前記軸受下半部を支持する下カバー部材と、を備え、
前記孔部の内径が、前記リング部材の外径の1.5倍以上5倍以下であり、
a)前記ピニオンロータを前記孔部に挿入し、前記下カバー部材に予め取り付けられた前記軸受下半部上に載置する工程と、
b)前記軸シールアダプタを前記孔部に取り付ける工程と、
c)前記軸シールを前記軸シールアダプタに取り付ける工程と、
d)前記インペラを前記ピニオンロータの端部に取り付ける工程と、
e)前記軸受上半部を前記軸受下半部に取り付ける工程と、
f)前記上カバー部材に前記軸受上半部と前記下カバー部材を取り付ける工程と、
を備え、
前記a)工程において、前記ピニオンロータの前記孔部への挿入途上にて、前記一対のリング部材が前記軸受下半部の上方を通過し、前記ブルギアの両側に配置されることを特徴とする遠心圧縮装置の組立方法。 - 前記a)工程にあって、
前記リング部材を前記孔部の中心線よりも上側にずらし、かつ、平面視において前記ピニオンロータを前記ブルギアから離れる方向に傾けて前記ピニオンロータを前記孔部に挿入することを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機の組立方法。 - 前記孔部の内径が、前記リング部材の外径の2倍以上5倍以下であり、
前記a)工程にあって、
前記リング部材を前記孔部の前記中心線よりも上側、かつ、平面視において前記中心線の前記ブルギアとは反対側にずらし、前記中心線に平行に前記ピニオンロータを前記孔部に挿入することを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機の組立方法。 - 遠心圧縮装置であって、
一対のリング部材を有するピニオンロータと、前記ピニオンロータのピニオンギアに噛合するブルギアと、前記ピニオンロータの端部に固定され、このピニオンロータの軸心線を中心として回転するインペラと、前記ピニオンロータが挿入され、前記軸心線と同心の中心線を具備する孔部を有したハウジング本体と、前記インペラの周囲を覆うハウジング本体に固定されたスクロールケーシングと、前記孔部の内側に配置される環状の軸シールアダプタと、前記軸シールアダプタの内周部に固定され、前記ピニオンロータの外周面に近接する軸シールと、前記ピニオンロータを回転可能に支持し、上下に分離可能な軸受上半部および軸受下半部を有する軸受部と、前記ピニオンロータの上方に位置し、前記軸受上半部を支持する上カバー部材と、前記ピニオンロータの下方に位置し、前記軸受下半部を支持する下カバー部材と、を備え、
前記孔部の内径が、前記リング部材の外径の1.5倍以上5倍以下であることを特徴とする遠心圧縮装置。 - 前記軸シールのインペラとは反対側の端部には、孔部の中心線を中心とする半径方向外方に突出する突起部を備え、
前記軸シールアダプタのインペラとは反対側の端部には、前記突起部と軸方向に当接する軸シール当接部を備えたことを特徴とする請求項4に記載の遠心圧縮装置。 - 前記軸シールの内周部には、孔部の中心線を中心とする環状の複数の溝を備え、この複数の溝の内径はインペラ側からインペラとは反対側に向かって順に小さくなることを特徴とする請求項4または5に記載の遠心圧縮装置。
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